JP6706430B2 - シール型熱転写受像シートおよび印画物の製造方法 - Google Patents

シール型熱転写受像シートおよび印画物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シール型熱転写受像シートに関し、より詳細には、離型シート部と、離型シート部側から粘着剤層、基材層、および受容層をこの順に備えるシール部とを備え、前記離型シート部から前記シール部が剥離可能に設けられたシール型熱転写受像シートに関する。また、シール型熱転写受像シートを用いた印画物の製造方法にも関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できる点から、昇華転写方式を用いて被転写体上に熱転写画像を形成することが広く行われている。被転写体上に熱転写画像が形成された印画物としては、デジタル写真や、身分証明書、運転免許証、会員証等多く分野で使用されているIDカードがある。
昇華転写方式による熱転写画像の形成には、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、被転写体、例えば、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートが使用される。そして、熱転写受像シートの受容層と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドによって熱転写シートの背面側から熱を印加して染料層の染料を受容層上に移行させることにより、受容層上に熱転写画像が形成された印画物が得られる。このような昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によって染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、かつ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
ここで、昇華転写用プリント材料においては、例えば100枚以上のプリント物を連続印画するに際し、熱転写受像シート表裏の剥離、インクリボンとの剥離、プリンター及びプリンターシステム中の搬送用部材との摩擦などにより発生した静電気により印画したプリント物の取扱い性(以下、「さばき性」とする)が悪化するという問題が生じている。例えば、熱転写受像シートに帯電した静電気による問題を解決するために、基材シートと受容層の間の少なくとも一層に導電層を設けることが提案されている(特許文献1参照)。
また、近年、離型シート部上に、粘着剤層、基材層、および受容層が積層されてなるシール部が当該離型シート部から剥離可能に設けられた熱転写受像シート(以下、「シール型熱転写受像シート」と称する)が使用されている。このようなシール型熱転写受像シートでは、受容層に所望の画像を形成した後に離型シート部からシール部を剥離して、画像が形成された受容層を、粘着剤層を介して任意の対象物に貼着することができる。このようなシール型熱転写受像シートは、従来の熱転写受像シートと比較して使用形態の幅が広く、例えば、プリクラのアミューズメント分野等での使用に注目が高まりつつある。
このようなシール型熱転写受像シートでは、離型シート部やシール部に含まれる各層の厚みや材質の違いにより、カールが発生しやすいといった問題が内在している。このような技術的課題を解消するために、シール型熱転写受像シートにおいて、離型シート部中の裏側基材層とシール基材部中の表側基材層の合計の厚みが100μm以上であり、粘着剤層を除いたシール基材部全体のTD方向の剛度(A)を離型シート部のTD方向の剛度(B)で除した値(A)/(B)が0.4以上2.1以下にすることが提案されている(特許文献2参照)。
特開2007−268995号公報 特開2015−39847号公報
近年、アミューズメント分野等では、消費者の要求により、シール型熱転写受像シートの印画物の透明感や立体感の更なる向上が求められている。従って、本発明の目的は、印画物の画像表現性に優れたシール型熱転写受像シートを提供することにある。また、本発明の目的は、該シール型熱転写受像シートを用いた印画物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、シール型熱転写受像シートにおいてシール部に特定の層構成を採用することにより、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
離型シート部と、前記離型シート部側から粘着剤層、基材層、プライマー層、および受容層をこの順に備えるシール部とを備え、前記離型シート部から前記シール部が剥離可能に設けられたシール型熱転写受像シートであって、
前記熱転写受像シートの光沢度が80%以上であり、ヘイズ値が10%以下であるシール型熱転写受像シートが提供される。
本発明の態様においては、前記基材層が、粘着剤層側から裏側基材層および表側基材層を備え、前記裏側基材層が樹脂層であり、前記表側基材層が非多孔質樹脂層であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記表側基材層が非多孔質ポリエステル樹脂層であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記表側基材層が、10μm以上50μm以下の厚さを有することが好ましい。
本発明の態様においては、前記裏側基材層が多孔質ポリエステル樹脂層であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記裏側基材層が、10μm以上100μm以下の厚さを有することが好ましい。
本発明の態様においては、前記裏側基材層と前記表側基材層との間に接着層をさらに備えることが好ましい。
本発明の態様においては、前記離型シート部が、前記シール部側から離型層およびシート基材層をこの順に備えることが好ましい。
本発明の態様においては、前記プライマー層が、導電性プライマー層であることが好ましい。
本発明の他の態様によれば、
上記の熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、前記熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、前記シール型熱転写受像シートの受容層上に転写して、画像を形成することにより印画物を製造する方法であって、
印画後のシール型転写受像シートのヘイズ値が、印画前のシール型転写受像シートのヘイズ値に比べて、少なくとも10%以上大きい値を示す、印画物の製造方法が提供される。
本発明によれば、印画前の状態で透明性に優れ、かつ印画後の画像表現性(透明感や立体感)に優れたシール型熱転写受像シートを提供することができる。
本発明によるシール型熱転写受像シートの一実施形態を示した模式断面図である。 本発明によるシール型熱転写受像シートの一実施形態を示した模式断面図である。
<シール型熱転写受像シート>
本発明のシール型熱転写受像シートは、離型シート部と、離型シート部側から粘着剤層、基材層、プライマー層、および受容層をこの順に備えるシール部とを備え、離型シート部からシール部が剥離可能に設けられたものである。
本発明によるシール型熱転写受像シートは、印画前の状態で、MD方向とTD方向のそれぞれで光沢度が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であり、かつヘイズ値が10%以下、好ましくは8%以下であり、透明性に優れる。なお、光沢度およびヘイズ値は、ヘイズメーター(東洋精機製作所(株)製、型番:マイクロヘイズプラス、測定角度:20°)を用いて、光沢度はJIS Z 8741:1997、ヘイズ値はDIN EN ISO 13803に準拠して測定した値である。なお、MD方向とはプリンターにおける印画時の受像紙搬送方向と平行な方向のことであり、TD方向とはMD方向に垂直な方向である。
本発明のシール型熱転写受像シートの一実施形態の層構成を、図1および図2の模式断面図を参照しながら説明する。図1に示されるシール型熱転写受像シート10は、離型シート部11と、前記離型シート部11側から粘着剤層12、基材層13、プライマー層14、および受容層15をこの順に備えるシール部16とを備えてなる。図2に示されるシール型熱転写受像シート20は、シート基材層21および離型層22を備える離型シート部29と、前記離型シート部29の前記離型層22側から粘着剤層23、裏側基材層24、接着層25、表側基材層26、導電性プライマー層27、および受容層28をこの順に備えるシール部30とを備えてなる。以下、本発明のシール型熱転写受像シートを構成する各層について説明する。
(離型シート部)
本発明のシール型熱転写受像シートを構成する離型シート部は、シール部側から離型層およびシート基材層を備えることが好ましく、シート基材層の離型層と反対側の面に裏面層をさらに備えてもよい。なお、シート基材層が離型性に優れる場合には、離型層を設けなくてもよい。
(シート基材層)
離型シート部を構成するシート基材層の材料は、特に限定されず、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。シート基材層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。
また、シート基材層として、内部にミクロボイドを有する層を用いることもできる。内部にミクロボイドを有する層の一例としては、内部にミクロボイドを有するポリオレフィン系樹脂層を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等を挙げることができる。
ミクロボイドを有するポリオレフィン系樹脂層としては、以下に示す二つの方法により、内部にミクロボイド(微細空孔)を生じさせることができる。一つは、ポリマー中に無機微粒子を混練し、そのコンパウンドを延伸するときに無機微粒子を核としてミクロボイドを生じさせる方法である。もう一つは、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマー(一種類でも複数でも良い)をブレンドしたコンパウンドを作成する。このコンパウンドは微視的にみるとポリマー同士が微細な海島構造を形成している。このコンパウンドを延伸すると海島界面の剥離または、島を形成するポリマーの大きな変形によってミクロボイドが発生するものである。
(離型層)
離型シート部を構成する離型層は、離型シート部からのシール部の剥離性を向上させるために設けられるものである。離型層を形成する樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。
離型層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜5μmであり、より好ましくは0.5μm〜3μmである。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、該離型層用塗工液をシート基材層上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
(裏面層)
離型シート部を構成する裏面層としては、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、ナイロンフィラー、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス、アミノ酸系粉体等の有機系フィラー、二酸化珪素や金属酸化物等の無機フィラーを加えたもの等を使用することができる。またこれらの樹脂をイソシアネート化合物やキレート化合物等の硬化剤により硬化したものを使用することもできる。裏面層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜5μmであり、より好ましくは0.5μm〜3μmである。
(シール部)
本発明のシール型熱転写受像シートを構成するシール部は、少なくとも上記離型シート部側から粘着剤層、基材層、プライマー層、および受容層をこの順に備えるものであり、裏側基材層と表側基材層との間に接着層をさらに備えてもよい。
(粘着剤層)
シール部を構成する粘着剤層は、離型シート部からのシール部の剥離性を向上させるために設けられるものである。粘着剤層としては、特に限定されず、従来公知の溶剤系や水系の粘着剤を用いることができる。粘着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。
離型シート部からのシール部の剥離性の向上を考慮すると、粘着剤層の粘着力は、離型シート部と粘着剤層との剥離強度で、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、0.98〜16.7Nの範囲、好ましくは4.9〜13.7Nの範囲にすることが望ましい。したがって、粘着剤層の形成にあたっては、剥離強度がこの範囲になるように、材料や塗工量を適宜選択して使用することが好ましい。
粘着剤層は、例えば、上記粘着剤を適当な溶媒に溶解或いは分散した粘着剤層用塗工液を、離型シート部上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm〜15μmであり、より好ましくは3μm〜10μmである。
(基材層)
シール部を構成する基材層は、サーマルヘッドから受容層に加えられた熱の損失を防止する役割と、粘着剤層および受容層を支持する支持体としての役割を果たすものである。基材層は、粘着剤層側から裏側基材層と表側基材層とを備えることが好ましく、裏側基材層と表側基材層との間に接着層をさらに備えてもよい。
本発明においては、シール型熱転写受像シートの基材層として粘着剤層側から裏側基材層と非多孔質な表側基材層とを順に設けた場合、基材層として離型シート側から裏側基材層と多孔質な表側基材層とを順に設けた従来のシール型熱転写受像シートに比べて、印画前の状態では、受容層面の平滑性に優れるため、透明性が高くかつ相対的にヘイズ値が小さい。一方、印画後の状態では、本発明のシール型熱転写受像シートは、従来のシール型熱転写受像シートに比べて、相対的にヘイズ値が大きくなり、印画物は透明感に優れ、奥行きがあり立体感に優れるという驚くべき効果を有する。本発明においては、裏側基材層として多孔質な樹脂層を設けることで、上記有利な効果がより一層得られる。
(裏側基材層)
裏側基材層は、樹脂層であり、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものであることが好ましい。裏側基材層の厚みは、このような機能や生産工程上の観点から、好ましくは10μm以上100以下であり、より好ましくは20μm以上80μm以下である。
樹脂層としては、多孔質樹脂層であることが好ましく、内部にミクロボイドを有する多孔質フィルムを用いることがより好ましい。多孔質フィルムは、ベースとなる樹脂としてポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂を含み、内部に微細空隙を有する多孔質フィルムが好ましい。特に、多孔質不透明ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
フィルム中に微細空隙を生じさせる方法としては、フィルムのベースとなる樹脂に対して非相溶な有機微粒子または無機微粒子(一種類でも複数でもよい)を混練したコンパウンドを作成する。このコンパウンドは微視的にみるとベースとなる樹脂とベースとなる樹脂に対して非相溶な微粒子とが微細な海島構造を形成しており、このコンパウンドをフィルム化し、延伸することにより海島界面の剥離、または、島を形成する領域の大きな変形によって上記のような微細空隙を発生させるものである。
微細空隙を形成する方法として、例えば、ポリプロピレンを主体とし、それにポリプロピレンより高い融点を有するポリエステルやアクリル樹脂を加えた方法が挙げられる。この場合、ポリエステルやアクリル樹脂が微細空隙を形成する核剤の役割をする。該ポリエステル、アクリル樹脂の含有量は、いずれの場合もポリプロピレン100質量部に対して2以上10質量部以下であることが好ましい。上記含有量が2質量部以上の場合には、微細空隙を十分に発生させることができ、印字感度をより向上させることができる。また、含有量が10質量部以下の場合には、多孔質フィルムの耐熱性を十分に担保することができる。
また、ベースとする樹脂をポリプロピレンとする多孔質フィルムを作成する場合、微細で緻密な空隙をより発生させるためには、さらにポリイソプレンを加えることが好ましい。これにより、より高い印字感度を得ることができる。例えば、ポリプロピレンを主体とし、これにアクリル樹脂またはポリエステル、そしてポリイソプレンを配合したコンパウンドを作成し、フィルム化し、延伸することにより高い印字感度を有する多孔質フィルムを得ることができる。
(接着層)
接着層は、裏側基材層と表側基材層とを接着する機能を有するものであれば特に限定されない。例えば、接着層に用いる接着剤成分としては、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等を挙げることができる。中でもアクリル系樹脂の反応型のものや、変成したもの等を好ましく使用することができる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。
接着層の厚みは、通常、乾燥状態で0.5μm〜10μm程度である。接着層の形成は、一般的に行われている塗工手段を用いることができ、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の手段により、塗工し、乾燥することで得ることができる。また、ポリエチレン等を使用した、ECサンドラミネーションを行ってもよい。
側基材層)
表側基材層は、非多孔質樹脂層であり、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。表側基材層の厚みは、このような機能や生産工程上の観点から、好ましくは10μm以上50μm以下であり、より好ましくは20μm以上40μm以下である。
表側基材層としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等を挙げることができる。特に、非多孔質透明ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
(プライマー層)
シール部を構成するプライマー層は、基材層と受容層の間に設けられるものであり、基材層と受容層の接着性、帯電防止性、およびカール防止性等の付与を目的とするものである。
プライマー層に用いるバインダー樹脂としてはポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、およびポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
本発明においては、プライマー層は導電性プライマー層であることが好ましい。プライマー層として導電性プライマー層を形成することで印画物のさばき性を向上することができる。導電性プライマー層には、導電性を付与するために層状珪酸塩を添加することが好ましい。層状珪酸塩とは、ナトリウム、マグネシウム、およびリチウムの塩と珪酸ソーダを適正条件下で反応させた合成物である。層状珪酸塩を受容層に含有させることで、熱転写受像シートの表面の帯電性を制御し、さばき性を向上させることができる。プライマー層中の層状珪酸塩の含有量は、受容層における層状珪酸塩以外の総固形分質量に対して、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。本発明においては、市販の層状珪酸塩を用いることもでき、例えば、ラポナイトJS、ラポナイトS(ウイルバー・エリス(株)製)等が好ましい。
(受容層)
熱転写受像シートの受容層は、熱転写インクシートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。受容層を形成するための樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
熱転写受像シートは、熱転写インクシートとの離型性を向上させるために受容層中に離型剤を有することができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を好ましく用いる事ができるが、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ−アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。また、これらの離型剤を2種以上組み合わせて用いる事も好ましい。これらの変性シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹脂の0.5質量%以上30質量%以下が好ましい。
受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、および微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、およびリン酸エステル化合物等の可塑剤を添加してもよい。
受容層は、熱可塑性樹脂および他の必要な添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、および光安定剤等を、有機溶剤や水に溶解もしくは分散させた塗工液を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布および乾燥して形成することができる。受容層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm〜20μmであり、より好ましくは2μm〜10μmである。
<熱転写インクシート>
本発明のシール型熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
(基材シート)
熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5μm以上50μm以下程度が好ましく、より好ましくは1μm以上20μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下である。
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、およびグラフト化処理等の、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。
さらに、上記基材シートの接着処理として、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。接着層は、例えば、以下の有機材料および無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびその変性体等のビニル系樹脂、ならびにポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
また、上記の表面処理として、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる(プライマー処理)。
(熱転写性色材層)
熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、ディスパースレッド60、ディスパースバイオレット26、CeresRed 7B、Samaron Red F3BS等の赤色染料、ディスパースイエロー231、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等の黄色染料、ソルベントブルー63、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料等を挙げることができる。その他、市販されている昇華型熱転写方式で使用されるリボンに含まれる染料も使用できる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶媒に溶解させ、あるいは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗布液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2μm以上5.0μm以下程度であり、また、熱転写性色材層中の昇華性染料の含有量は、5質量%以上90質量%以下、好ましくは5質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
(保護層)
熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
(耐熱滑性層)
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、一般に、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤および添加剤を溶剤中に加えて、各成分を溶解または分散させて耐熱滑性層塗布液を調製した後、該耐熱滑性層塗布液を基材の上に塗工し、乾燥させて形成することができる。上記耐熱滑性層塗布液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
耐熱滑性層塗布液の塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。耐熱滑性層塗布液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1g/m以上3g/m以下、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
<印画物の製造方法>
本発明の熱転写受像シートを用いる印画物の製造方法においては、シール型熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該シール型熱転写受像シートの受容層上に転写することにより画像を形成して、印画物を製造することできる。本発明においては、上記のシール型熱転写受像シートを用いることで、印画後のシール型熱転写受像シートのヘイズ値が、印画前のシール型熱転写受像シートに比べて、少なくとも10%以上、好ましくは12%以上、より好ましくは15%以上大きい値を示し、その結果、画像表現性(透明感や立体感)に優れた印画物を製造することができる。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製(型式:MEGAPIXELIII)、DNPフォトルシオ社製(型式:DS40))が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
[実施例1]
裏側基材層としてミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm、東洋紡績(株)製、商品名:クリスパーフィルム)と、表側基材層として非多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm、東レ(株)製、商品名:ルミラー)とをドライラミネーションを用いて積層した。続いて、表側基材層上に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、乾燥時1.0μmの厚さとなるように塗工して、導電性プライマー層を形成した。次に、該プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液を、乾燥時4.0μmの厚さとなるように塗工して、受容層を形成し、裏側基材層/接着層/表側基材層/プライマー層/受容層がこの順で積層された積層体Aを得た。
また、シート基材層としてコート紙(厚み80μm)の一方の面に、下記組成の離型層用塗工液を、乾燥時0.3μmの厚さとなるように塗工し離型層を形成した。続いて、該離型層上に、下記組成の粘着剤層用塗工液を、乾燥時10.0μmの厚さとなるように塗工して、粘着剤層を形成し、シート基材層/離型層/粘着剤層がこの順で積層された積層体Bを得た。続いて、積層体Aの裏側基材層と積層体Bの粘着剤層とを貼り合せることで、シート基材層/離型層/粘着剤層/裏側基材層/接着層/表側基材層/プライマー層/受容層がこの順で積層されたシール型熱転写受像シートを得た。
(プライマー層用塗工液1)
・導電性合成層状ケイ酸塩(ラポナイトJS、ウイルバー・エリス(株)10質量部
・ポリエステル樹脂(ポリエスターWR905、日本合成化学(株)) 10質量部
・水 80質量部
(受容層用塗工液)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(#1000A 電気化学工業(株))12質量部
・エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T 信越化学工業(株))
0.8質量部
・アミノ変性シリコーン(X−22−1660B−3 信越化学工業(株))
0.24質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
(離型層用塗工液)
・付加重合剤シリコーン(KS847H 信越化学工業(株) 100質量部
・トルエン 200質量部
(粘着剤層用塗工液)
・アクリル系共重合体(SKダイン1310L 綜研化学(株)) 48質量部
・エポキシ樹脂(硬化剤E−AX 綜研化学(株)) 0.36質量部
・酢酸エチル 51.64質量部
[実施例2]
表側基材層として非多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm、東レ(株)製、商品名:ルミラー)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シール型熱転写受像シートを作製した。
[実施例3]
裏側基材層として非多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm、東レ(株)製、商品名:ルミラー)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シール型熱転写受像シートを作製した。
[比較例1]
裏側基材層として非多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm、東レ(株)製、商品名:ルミラー)を用い、かつ表側基材層としてミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm、東洋紡績(株)製、商品名:クリスパーフィルム)を用い、さらにプライマー層用塗工液1を下記プライマー層用塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、シール型熱転写受像シートを作製した。
(プライマー層用塗工液2)
・ウレタン系樹脂 14質量部
・酸化チタン 28質量部
・トルエン 13質量部
・メチルエチルケトン 34質量部
・イソプロピルアルコール 11質量部
[比較例2]
裏側基材層として非多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm、東レ(株)製、商品名:ルミラー)を用い、かつ表側基材層としてミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm、東洋紡績(株)製、商品名:クリスパーフィルム)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シール型熱転写受像シートを作製した。
[比較例3]
プライマー層用塗工液1を上記プライマー層用塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、シール型熱転写受像シートを作製した。
[比較例4]
裏側基材層として非多孔質ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm、東レ(株)製、商品名:ルミラー)を用い、かつ表側基材層としてミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み30μm、東洋紡績(株)製、商品名:クリスパーフィルム)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シール型熱転写受像シートを作製した。
[シール型熱転写受像シートの評価]
上記の実施例および比較例で作製したシール型熱転写受像シートについて、(1)光沢度・ヘイズ値の測定、(2)印画物の画像表現性評価、および(3)さばき性の評価を行った。
(1)光沢度・ヘイズ値の測定
上記で作製したシール型熱転写受像シートと、プリンター(CP9650系)とを使用して、印画パターンを128階調で印画物を作製した。印画前および印画後のシール型熱転写受像シートについて、それぞれヘイズメーター(東洋精機製作所(株)製、型番:マイクロヘイズプラス、測定角度:20°)を用いて、光沢度はJIS Z 8741:1997、ヘイズ値はDIN EN ISO 13803に準拠した条件で、MD方向とTD方向のそれぞれで光沢度およびヘイズ値を測定した。
(2)印画物の画像表現性の評価
上記(1)で作製した印画物を下記の評価基準に基づき目視評価を行った。
[評価基準]
◎:印画物の画像は、透明感に優れ、かつ奥行きがあって立体感に非常に優れていた。
○:印画物の画像は、透明感に優れ、かつ奥行きがあって立体感に優れていた。
×:揃えることができず、さばき性が不良であった。
(3)さばき性の評価
上記で作製したシール型熱転写受像シートを使用して、昇華転写型プリントシステム「Print Center((株)DNPフォトルシオ製)」にて自然画を100枚印画し、印画物の揃えやすさを官能評価した。
[評価基準]
○:容易に揃えることができ、さばき性が良好であった。
△:揃えることができ、さばき性が通常であった。
×:揃えることができず、さばき性が不良であった。
上記の各評価の結果を表1に示した。本発明の層構成を満たす実施例のシール型熱転写受像シートは、比較例のシール型熱転写受像シートと比較して、印画前の状態では相対的にヘイズ値が小さく透明性に優れ、印画後の状態では印画物の透明感および立体感に優れ、さらにはさばき性にも優れることがわかった。
Figure 0006706430
10、20 シール型熱転写受像シート
11、29 離型シート部
12、23 粘着剤層
13 基材層
14 プライマー層
15、28 受容層
16、30 シール部
21 シート基材層
22 離型層
24 裏側基材層
25 接着層
26 表側基材層
27 導電性プライマー層

Claims (10)

  1. 離型シート部と、前記離型シート部側から粘着剤層、基材層、プライマー層、および受容層をこの順に備えるシール部とを備え、前記離型シート部から前記シール部が剥離可能に設けられたシール型熱転写受像シートであって、
    前記熱転写受像シートの前記受容層面から測定された光沢度が80%以上であり、前記受容層面から測定されたヘイズ値が10%以下である、シール型熱転写受像シート。
  2. 前記基材層が、粘着剤層側から裏側基材層および表側基材層を備え、前記裏側基材層が樹脂層であり、前記表側基材層が非多孔質樹脂層である、請求項1に記載のシール型熱転写受像シート。
  3. 前記表側基材層が、非多孔質ポリエステル樹脂層である、請求項2に記載のシール型熱転写受像シート。
  4. 前記表側基材層が、10μm以上50μm以下の厚さを有する、請求項2または3に記載のシール型熱転写受像シート。
  5. 前記裏側基材層が、多孔質ポリエステル樹脂層である、請求項2〜4のいずれか一項に記載のシール型熱転写受像シート。
  6. 前記裏側基材層が、10μm以上100μm以下厚さを有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載のシール型熱転写受像シート。
  7. 前記裏側基材層と前記表側基材層との間に接着層をさらに備える、請求項2〜6のいずれか一項に記載のシール型熱転写受像シート。
  8. 前記離型シート部が、前記シール部側から離型層およびシート基材層をこの順に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシール型熱転写受像シート。
  9. 前記プライマー層が、導電性プライマー層である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシール型熱転写受像シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のシール型熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、前記熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、前記シール型熱転写受像シートの受容層上に転写して、画像を形成することにより印画物を製造する方法であって、
    128諧調の印画パターンを印画後のシール型転写受像シートの前記受容層面から測定されたヘイズ値が、印画前のシール型転写受像シートの前記受容層面から測定されたヘイズ値に比べて、少なくとも10%以上大きい値を示す、印画物の製造方法。
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