JP7119651B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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Description
JIS Z 0237に準拠して測定される1時間後保持力が100μm以上500μm以下であることを特徴とする。
本発明の熱転写受像シート10は、図1に示すように、受容層11と、紙基材12と、粘着層13と、剥離基材14とを備える。
また、一実施形態において、本発明の熱転写受像シート10は、図2に示すように、受容層11と、紙基材12との間に、多孔質層15を備える。
また、一実施形態において、本発明の熱転写受像シート10は、図3に示すように、粘着層13と、剥離基材14との間に、離型層16を備える。
また、一実施形態において、本発明の熱転写受像シート10は、図4に示すように、剥離基材13の粘着層12等が設けられた面とは反対の面に、裏面層17を備える。
また、一実施形態において、本発明の熱転写受像シート10は、図5に示すように、紙基材12と、多孔質層15との間に、接着層18を備える。
さらに、一実施形態において、本発明の熱転写受像シート10は、任意の層間に、プライマー層19を備える。例えば、図5に示すように、受容層11と、多孔質層15との間や、剥離基材14と、裏面層17との間に備える。
より好ましくは、該保持力は、200以上300以下である。
保持力の調整は、特に限定されるものではないが、例えば、粘着材及び硬化材の種類、並びにその使用量を調整することにより、行うことができる。
まず、熱転写受像シートから幅20mmの試験片を作製する。次いで、図6に示すように、試験片20から剥離基材を剥がし、粘着層12を表面処理が施されていないPETフィルム21に、接着面積幅20mm×長さ20mmの接着面積にて貼り付け、1kgの圧着ロールを40m/分の速度で5往復させて圧着させ、25℃の環境下において30分静置する。
静置後、図6に示すように、試験片20の一端に、1kgの錘22を付け、80℃の環境下に1時間静置した後、試験片の移動距離を測定し、これを1時間保持力とする。
受容層は、熱転写シートが備える染料層から移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する層である。
離型材としては、例えば、ポリエチレンワックス及びアミドワックス等の固形ワックス類、フッ素系界面活性材、リン酸エステル系界面活性材、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル並びにシリコーン樹脂等が挙げられる。
紙基材としては、例えば、アート紙、コート紙、マットコート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、クラフト紙およびバライタ紙等の塗工紙、上質紙、中質紙、板紙、含浸紙、蒸着紙、酸性紙並びに中性紙等を使用することができる。
これらの中でも、寸法安定性と地合い両立の理由から、塗工紙が好ましく、コート紙がより好ましい。
本発明において、コート紙とは、中質紙等の情報用紙の少なくとも一方の面に、10μm以上30μm以下の塗料を塗工したものを指す。
粘着層は、少なくとも1種の粘着材を含み、例えば、(メタ)アクリル樹脂を含む粘着材、エポキシ樹脂を含む粘着材、ポリアミドを含む粘着材、スチレン樹脂を含む粘着材、ゴム材料を服務粘着材、シリコーン樹脂を含む粘着材及びポリウレタンを含む粘着材等が挙げられる。これらの中でも、熱転写受像シートの粘着力、カール防止性及び粘着材のはみ出し防止性という観点から、(メタ)アクリル樹脂を含む粘着材が好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタアクリル」の両方を包含することを意味する。
硬化材としては、例えば、エポキシ硬化材、イソシアネート硬化材、メラミン硬化材、オキサゾリン硬化材、アジリジン硬化材、金属キレート硬化材及びアミン硬化材等が挙げられる。これらの中でも、熱転写受像シートの粘着力、カール防止性及び粘着材のはみ出し防止性の観点から、エポキシ硬化材及びイソシアネート硬化材が好ましい。
また、粘度が8Pa・s以上の粘着材を使用する場合、硬化材の使用量は、粘着材100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。これにより、粘着材のはみ出し防止性をより向上できる。また、硬化材の使用量は、7質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。これにより、熱転写受像シートのカール防止性をより向上できる。
なお、粘度の測定は、25℃において、E型粘度計を使用することにより行う。
剥離基材としては、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート及びテレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等の樹脂材料を含むフィルム(以下、単に、樹脂フィルムという。)を使用することができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタアクレート」の両方を包含することを意味する。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、紙基材と、受容層との間に多孔質層を備える。これにより、画像形成時における熱損失を低減できると共に、熱転写受像シートにクッション性を付与することができるため、受容層上により良好な画像を形成できる。
多孔質樹脂フィルムは、少なくとも1種の樹脂材料を含み、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、イミド樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、剥離シワ発生防止という観点からは、ポリエステル及びポリオレフィンが好ましく、PET及びPPがより好ましく、PETが特に好ましい。
中空粒子は、樹脂材料等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。
有機系中空粒子を構成する樹脂材料としては、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、イミド樹脂、ポリカーボネート及びポリエーテル等を挙げることができる。
また、中空粒子は、発泡粒子であっても、非発泡粒子であってもよい。
中空粒子の体積平均粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm以上15μm以下とすることができる。
なお、体積平均粒径は、粒度分布・粒径分布測定装置(ナノトラック粒度分布測定装置、日機装(株)製)を用いて、JIS Z 8819-2(2001年発行)に準拠して測定する。
なお、本発明においては、市販されている多孔質フィルムを使用してもよい。
また、多孔質層が多孔質樹脂フィルムである場合、該フィルムを下記の接着層を介して、紙基材と接着することにより形成できる。
また、多孔質層が中空粒子及び樹脂材料を含む層である場合、多孔質層は、上記材料を、水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、紙基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、粘着層と剥離基材との間に、離型層を備えることができる。離型層は、剥離基材の剥離時に、剥離基材と共に粘着層から剥離する層であり、該剥離層を備えることにより、剥離基材と粘着層との密着力を調整でき、剥離シワの発生を防止できる。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、剥離基材の粘着層等が設けられた面とは反対の面に裏面層を備える。これにより、熱転写受像シートのプリンタ内における搬送性を向上できると共に、熱転写受像シートのカール発生を防止できる。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、紙基材と、多孔質層との間に、接着層を備える。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、任意の層間に、プライマー層を備える。これにより、層間の密着力を向上できる。
紙基材として、厚さ105μmのコート紙A(大王製紙(株)製、Sユトリロ(登録商標)コート)を準備した。
紙基材の一方の面に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成すると共に、該接着層を介して、多孔質層として、厚さ38μmの多孔質樹脂フィルム(東洋紡(株)製、クリスパー(登録商標)K1211)を積層した。
(接着層形成用塗工液)
・ポリウレタン 30質量部
(三井化学(株)製、タケラック(登録商標)A-969V)
・イソシアネート化合物 10質量部
(三井化学(株)製、タケネート(登録商標)A-5)
・酢酸エチル 60質量部
(プライマー層形成用塗工液)
・ポリエステル 10質量部
(日本合成化学(株)製、ポリエスター(登録商標)WR905)
・導電性合成層状ケイ酸塩 10質量部
(ウイルパー・エリス(株)製、ラポナイトJS)
・水 80質量部
(受容層形成用塗工液)
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 12質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン 0.8質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-3000T)
・アミノ変性シリコーン 0.24質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-1660B-3)
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン(MEK) 30質量部
(離型層形成用塗工液)
・シリコーン樹脂 100質量部
(信越化学工業(株)製、KS-847H)
・トルエン 200質量部
(粘着層形成用塗工液)
・(メタ)アクリル系粘着材 45質量部(綜研化学(株)製、SKダイン(登録商標)1251、粘度6.5Pa・s)
・エポキシ化合物 1質量部
(綜研化学(株)製、E-AX)
・イソシアネート化合物 0.3質量部
(綜研化学(株)製、L-45)
・酢酸エチル 53.7質量部
多孔質層に使用した多孔質樹脂フィルムの種類、紙基材の種類及び厚さ、粘着層における粘着材の種類及び含有量、硬化材の含有量、粘着層の厚さ、並びに剥離基材の種類及び厚さの少なくとも1以上を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
なお、表1中における各構成材料の詳細は以下の通りである。
(多孔質層)
・クリスパー(登録商標)K1212:東洋紡(株)製、厚さ75μm
(紙基材)
・コート紙B:大王製紙(株)製、Sユトリロ(登録商標)コート、厚さ156μm
・上質紙:日本製紙(株)製、しらおい(登録商標)、厚さ96μm
(粘着層)
・SKダイン(登録商標)1310:綜研化学(株)製、(メタ)アクリル系粘着材、粘度9Pa・s
・SKダイン(登録商標)1717:綜研化学(株)製、(メタ)アクリル系粘着材、粘度6.5Pa・s
(剥離基材)
・E5007:東洋紡(株)製、厚さ25μm
上記実施例及び比較例で得られた各熱転写受像シートから幅20mmの試験片を作製した。次いで、試験片から剥離基材を剥がし、粘着層を、表面処理が施されていないPETフィルムに、接着面積幅20mm×長さ20mmの接着面積にて貼り付け、1kgの圧着ロールを40mm/分の速度で5往復させて圧着させ、25℃の環境下において30分静置した。
静置後、JIS Z 0237に準拠して、試験片の一端に1kgの錘を付け、80℃の環境下に1時間静置した後、試験片の移動距離(1時間後保持力)を測定した。測定結果を表1にまとめた。
上記実施例及び比較例で得られた各熱転写受像シートから幅25mm×長さ100mmの試験片を作製した。次いで、試験片から剥離基材を剥がし、粘着層をステンレス板に、幅25mm×長さ75mmの接着面積にて貼り付け、1kgの圧着ロールを40m/分の速度で5往復させて圧着させ、25℃の環境下において1分静置した。
静置後、JIS Z 0237(2009年発行)に準拠して、180℃引き剥がし法により、引張速度300mm/分にて、試験片をステンレス板から、長さ方向へ引き剥がしたときの剥離力を、テンシロン引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフ)により測定し、下記評価基準に基づいて、熱転写受像シートの粘着力を評価した。なお、剥離力の測定において、剥がし始め25mm部分についての剥離力データは棄却し、その後の剥離力の平均を採用した。
(評価基準)
A:剥離力が、10N/25mm以上であった。
B:剥離力が、2N/25mm以上10N/25mm未満であった。
NG:剥離力が、2N/25mm未満であった。
上記実施例及び比較例で得られた各熱転写受像シートから幅152.4mm×長さ101.6mmの試験片を作製した。
試験片を20℃、相対湿度60%の環境下において24時間静置した後、角4点が浮き上がる様に平坦な台の上に置き、角4点の浮き上がり高さを測定した。具体的には、受容層面側が凹となるカールの場合は、受容層面が上になるように平面な台の上に置き、受容層面側が凸となるカールの場合は、受容層面が下になるように平面な台の上に置いて測定を行った。角4点の最大浮き上がり高さをカール量(受容層側への凸カールを正の値、受容層側への凹カールを負の値)とし、下記評価基準に基づいて、熱転写受像シートのカール防止性を評価した。評価結果を表1にまとめた。また、測定されたカール量も合わせて表1にまとめた。
(評価基準)
A:カール量の絶対値が3mm未満であった。
B:カール量の絶対値が、3mm以上、10mm未満であった。
NG:カール量の絶対値が10mm以上であった。
上記実施例及び比較例で得られた各熱転写受像シートを幅152.4mmのロール状とし、昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、DS-RX1)に、当該プリンタの純正熱転写シート(大日本印刷(株)製)と共に、セットした。
熱転写受像シートが備える受容層上に、40℃、相対湿度80%の環境下における画像形成と、熱転写受像シートの幅方向へのカットとを繰り返し、幅152.4mm×長さ101.6mmのサイズの印画物を100枚作製した。印画物作製後のプリンタ内を目視により確認し、下記評価基準に基づいて、熱転写受像シートの粘着材のはみ出し防止性を評価した。
(評価基準)
A:プリンタ内の熱転写受像シートの搬送路において粘着材の付着が確認されなかった。
B:プリンタ内の熱転写受像シートの搬送路において少量の粘着材の付着が確認されたが、実用上問題のない程度であった。
NG:プリンタ内の熱転写受像シートの搬送路において粘着材の付着が多量に確認され、実用上問題があった。
Claims (8)
- 受容層と、紙基材と、粘着層と、剥離基材とをこの順に備え、
前記粘着層が、E型粘度計により25℃で測定される粘度が8Pa・s未満の粘着材と、前記粘着材100質量部に対して2質量部以上7質量部以下の硬化材とを含み、前記硬化材が、エポキシ硬化材及びイソシアネート硬化材を含み、
下記方法(A)にて測定される1時間後保持力が100μm以上500μm以下であることを特徴とする、熱転写受像シート。
方法(A):熱転写受像シートから幅20mmの試験片を作製し、試験片から剥離基材を剥がし、粘着層を、表面処理が施されていないPETフィルムに、幅20mm×長さ20mmの接着面積にて貼り付け、1kgの圧着ロールを40mm/分の速度で5往復させて圧着させ、25℃の環境下において30分静置し、静置後、JIS Z 0237に準拠して、試験片の一端に1kgの錘を付け、80℃の環境下に1時間静置した後、試験片の移動距離を測定し、これを1時間後保持力とする。 - 前記粘着材が、(メタ)アクリル樹脂を含む、請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記粘着層の厚さが、2μm以上15μm以下である、請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
- 前記紙基材の厚さが、80μm以上180μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記剥離基材の厚さが、20μm以上200μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受容層の厚さが、2μm以上15μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記紙基材と、前記受容層との間に、厚さ20μm以上80μm以下の多孔質層を備える、請求項6に記載の熱転写受像シート。
- 前記粘着層と、前記剥離基材との間に、厚さ0.1μm以上2μm以下の離型層を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
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