JP2020157645A - 昇華転写用受像シート - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用染料を用いた昇華転写用メディア構成においても、十分な発色の最大濃度が得られる昇華転写用受像シートを提供すること。【解決手段】基材(2)と、基材に近い側から断熱層(3)と染料受容層(4)とを少なくとも備えた受像シート(1)であって、前記断熱層は少なくとも中空粒子とゴム系樹脂を含み、中空粒子のうち重量比率で少なくとも70%以上が外殻が架橋された架橋粒子であり、かつ中空粒子の中空率が40%以上70%以下であり、ゴム系樹脂の熱伝導率が0.20W/(mK)以下であり、前記受像シートの染料受容層側の面と、染料としてソルベントブルー63を染料対樹脂比1:1で含む熱転写記録媒体とを対向して重ね合わせ、圧力0.7MPa、温度100℃の条件で300秒加圧加熱したときの、前記受像シートへの染料分配係数の値が70%以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、熱転写方式プリンタに用いられる昇華転写用受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式プリンタで用いられる、いわゆるサーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことである。このインクリボンは、例えば、基材と、その基材の一方の面に設けられたインクを含む熱転写層と、その基材の他方の面に設けられた耐熱滑性層(バックコート層)と、を備える。熱転写方式プリンタでは、インクリボンの熱転写層にサーマルヘッドで発生する熱を加えることにより、熱転写層に含まれるインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させて、そのインクを熱転写受像シートに転写し、その熱転写受像シートにインクからなる膜を形成する。このインクからなる膜によって、熱転写受像シートに文字や画像が形成される。
熱転写方式プリンタの中でも昇華転写方式プリンタは、プリンタの高機能化により各種画像を簡便にフルカラーで形成することができるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類の印刷、アミューズメント用出力物の印刷等に広く利用されている。このような熱転写方式プリンタの多様化に伴って、プリンタの小型化、高速化および低コスト化や、得られる印画物の耐久性が求められている。
近年、基材の同一面側に、複数の染料層と印画物への耐久性を付与する保護層等とが、互いに重ならないように設けられた昇華転写用記録媒体が普及している。
近年、基材の同一面側に、複数の染料層と印画物への耐久性を付与する保護層等とが、互いに重ならないように設けられた昇華転写用記録媒体が普及している。
そのような状況の中、昇華転写方式プリンタの用途の多様化と普及拡大に伴って、メディアのコストダウンが求められている。昇華転写用メディアのコストダウンを実施するためには、安価な汎用染料を用いても十分に発色すること、即ち昇華転写用受像シートの発色の最大濃度が向上することが求められる。
昇華転写用受像シートの発色性を向上させるために、シートに断熱性を持たせることが重要であることは従来から認識されていた。
そして、断熱層の熱伝導率を低下させて断熱性を向上させることにより、受容層表面の温度を上昇させて、発色特性を向上させることも可能ではあるが、熱伝導率のみで発色特性を制御することは難しかった。
そして、断熱層の熱伝導率を低下させて断熱性を向上させることにより、受容層表面の温度を上昇させて、発色特性を向上させることも可能ではあるが、熱伝導率のみで発色特性を制御することは難しかった。
上記の問題点に対する改善提案として、例えば特許文献1のように、断熱層の熱伝導率を規定するものはいくつか散見される。
しかしながら、断熱層の熱伝導率は発色の最大濃度付近の階調に影響を与えるが、受容層の特性まで含めなければ濃度の制御はできない。我々の検討結果から、最大濃度付近の階調に対しては、受容層の染料分配係数と断熱層の熱伝導率が影響することが判明しており、この両者を規定しなければ濃度の制御に関しては意味がない。
しかしながら、断熱層の熱伝導率は発色の最大濃度付近の階調に影響を与えるが、受容層の特性まで含めなければ濃度の制御はできない。我々の検討結果から、最大濃度付近の階調に対しては、受容層の染料分配係数と断熱層の熱伝導率が影響することが判明しており、この両者を規定しなければ濃度の制御に関しては意味がない。
加えて、断熱層のような薄膜状の熱伝導率測定では、定常法と非定常法では測定値が異なる現象を確認しており、測定法を明記しない熱伝導率の指定は明確さに欠けると考えられる。
断熱層の断熱性を向上させるために、特許文献2では中空粒子の空隙率や平均粒子径が、特許文献3ではバインダとして樹脂エマルジョンの使用が、特許文献4ではバインダとしてゼラチンとSBRの使用がそれぞれ述べられている。
しかしこれらの構成では、特許文献3にあるように、中空粒子の比率を高くする必要があり、断熱層の平滑性を損なう要因となっている。
しかしこれらの構成では、特許文献3にあるように、中空粒子の比率を高くする必要があり、断熱層の平滑性を損なう要因となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、汎用染料を用いた昇華転写用メディア構成においても、十分な発色の最大濃度が得られる昇華転写用受像シートを提供することを目的とする。
そこで本発明者らは、昇華転写用受像シートにおける受容層の染料分配係数と断熱層熱伝導率のコントロールに、中空粒子のみならずバインダの熱伝導率も利用することにより、上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートは、
基材と、該基材の一方または両方の面上に、基材に近い側から断熱層と染料受容層とを少なくとも備えた受像シートであって、
前記断熱層は少なくとも中空粒子とゴム系樹脂を含み、
中空粒子のうち重量比率で少なくとも70%以上は外殻が架橋された架橋粒子であり、
かつ中空粒子の中空率が40%以上70%以下であり、
ゴム系樹脂の熱伝導率が0.20W/(mK)以下であり、
前記受像シートの染料受容層側の面と、染料としてソルベントブルー63を染料対樹脂比1:1で含む熱転写記録媒体とを対向して重ね合わせ、圧力0.7MPa、温度100℃の条件で300秒加圧加熱したときの、前記受像シートへの染料分配係数の値が70%以上である、ことを特徴とする。
基材と、該基材の一方または両方の面上に、基材に近い側から断熱層と染料受容層とを少なくとも備えた受像シートであって、
前記断熱層は少なくとも中空粒子とゴム系樹脂を含み、
中空粒子のうち重量比率で少なくとも70%以上は外殻が架橋された架橋粒子であり、
かつ中空粒子の中空率が40%以上70%以下であり、
ゴム系樹脂の熱伝導率が0.20W/(mK)以下であり、
前記受像シートの染料受容層側の面と、染料としてソルベントブルー63を染料対樹脂比1:1で含む熱転写記録媒体とを対向して重ね合わせ、圧力0.7MPa、温度100℃の条件で300秒加圧加熱したときの、前記受像シートへの染料分配係数の値が70%以上である、ことを特徴とする。
本発明によれば、昇華転写プリント特有の滑らかな階調を維持しつつ、汎用染料を用いたメディアでも十分な最大濃度を得ることが可能となる。
本発明の昇華転写用受像シートの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[昇華転写用受像シート]
図1は、本発明の実施形態に係る昇華転写用受像シートを模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る昇華転写用受像シート1は、基材2と、基材2の一方の面上に順に積層された断熱層3および染料受容層4と、を備える。
図1は、本発明の実施形態に係る昇華転写用受像シートを模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る昇華転写用受像シート1は、基材2と、基材2の一方の面上に順に積層された断熱層3および染料受容層4と、を備える。
(基材)
基材2としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。基材2としては、例えば、合成樹脂からなるフィルム、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げられる。
合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等が挙げられる。
紙基材2としては、これらのフィルムや紙の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて複合体として用いてもよい。
基材2としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。基材2としては、例えば、合成樹脂からなるフィルム、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げられる。
合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等が挙げられる。
紙基材2としては、これらのフィルムや紙の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて複合体として用いてもよい。
基材2の厚さは、25μm以上250μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
基材2の厚さが上記の範囲内であれば、印刷物を形成した場合に、その印刷物に要求される弾力性、強度および耐熱性が十分に得られる。
基材2の厚さが上記の範囲内であれば、印刷物を形成した場合に、その印刷物に要求される弾力性、強度および耐熱性が十分に得られる。
(断熱層)
断熱層3は、樹脂からなるバインダと、断熱性を得るための中空粒子を含有する。
断熱層3で用いる中空粒子としては、未発泡系か発泡系かは特に限定されず、従来公知のものが用いられる。
未発泡系中空粒子のうち重量比率で少なくとも70%以上は外殻が架橋された架橋粒子であり、かつ、中空粒子の中空率が40%以上70%以下である。これは、中空率が40%未満であると断熱性が不十分になるおそれがあり、70%を超えると耐熱性が不足するためである。
断熱層3は、樹脂からなるバインダと、断熱性を得るための中空粒子を含有する。
断熱層3で用いる中空粒子としては、未発泡系か発泡系かは特に限定されず、従来公知のものが用いられる。
未発泡系中空粒子のうち重量比率で少なくとも70%以上は外殻が架橋された架橋粒子であり、かつ、中空粒子の中空率が40%以上70%以下である。これは、中空率が40%未満であると断熱性が不十分になるおそれがあり、70%を超えると耐熱性が不足するためである。
中空粒子としては、例えば、粒子内部に多数の微細な空洞を有するアクリル系多孔粒子、中空構造を持つシリカ粒子(中空シリカ)、炭化水素を内包した発泡性のアクリル系粒子等が挙げられるが、架橋粒子かつ中空率が40%から70%の範囲内の中空粒子としては、アクリル系、スチレン系、アクリル−スチレン共重合体それぞれの架橋物を外殻とした中空粒子があげられる。ただし架橋体かつ中空率が上記の範囲内であれば、これらに限定されるものではない。
未発泡系中空粒子の平均粒子径は、0.3μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。なお、中空粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用い、レーザー回折法により測定することができる。
断熱層3のバインダとしては、少なくともゴム系の樹脂を使用する。サーマルヘッドを受像シートに押し付けて印画する際に、受像シートに柔軟性がないとサーマルヘッドとの密着が悪くなり、印画欠陥を生じてしまうため、バインダとしてゴム弾性を有するゴム系樹脂を用いる。
加えて、バインダの熱伝導率は0.20W/(mK)以下、好ましくは0.15W/(mK)以下であることが好ましい。バインダの熱伝導率を0.20以下とすることによって中空粒子の比率を減らしても、断熱層として低い熱伝導率を維持することができ、断熱層の平滑性を確保可能となる。
なお、図1には、断熱層3が単層から構成される場合を例示したが、本実施形態の昇華転写用受像シートはこれに限定されない。本実施形態の昇華転写用受像シートでは、断熱層3が、発泡フィルムと中空粒子や、中空粒子の種類、中空粒子と樹脂の質量比が互いに
異なる等の2層以上から構成されていてもよい。
異なる等の2層以上から構成されていてもよい。
(染料受容層)
染料受容層4は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、染料受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。
染料受容層は、バインダ樹脂と離型剤、フィラーなどをさらに含んでもよい。
染料受容層4は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、染料受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。
染料受容層は、バインダ樹脂と離型剤、フィラーなどをさらに含んでもよい。
バインダ樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル・アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましくは塩化ビニル系樹脂であり、その塩化ビニル系樹脂の中でも、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル共重合体から選択される少なくとも1種類の塩化ビニル系樹脂であることがさらに好ましい。
染料受容層4は硬化剤を含むこともできる。例としてポリイソシアネートであれば、従来公知のものが使用できる。
ポリイソシアネートの含有量は、樹脂の酸価に対し、0.3〜1.5倍当量以下であることが好ましい。0.3倍当量未満とした場合、十分な添加効果を得ることができない恐れが生じる。また、1.5倍当量より大きい場合、離型性は向上するものの、オーバーコート層の転写不良や濃度低下を生じる可能性が高くなる。
ポリイソシアネートの含有量は、樹脂の酸価に対し、0.3〜1.5倍当量以下であることが好ましい。0.3倍当量未満とした場合、十分な添加効果を得ることができない恐れが生じる。また、1.5倍当量より大きい場合、離型性は向上するものの、オーバーコート層の転写不良や濃度低下を生じる可能性が高くなる。
離型剤としては、シリコーンオイルやフッ素系添加剤、有機ワックスなどが挙げられ、特にシリコーンオイルが使いやすく好ましい。
シリコーンオイルは、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、およびアミド変性シリコーン等のシリコーンオイルが挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明においては、これらを混合、或いは各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。
フィラーとしては、シリカ微粒子(コロイダルシリカ、フュームドシリカ等製法は問わない)アルミナ微粒子、ポリエチレンビーズ、ポリプロピレンビーズなどが挙げられるが、これに限定されるものではなく、粒径としては2次粒子として2μm以下、1次粒子としては500nm以下が好ましい。
染料受容層4の厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上8μm以下であることがより好ましい。
染料受容層4の厚さが0.1μm以上であれば、染料受容層4に十分な機械的強度が得られるため、印画の画質不良が生じ難くなる。一方、染料受容層4の厚さが10μm以下であれば、クラック等の面性欠陥を防ぐことが可能となる。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1は、基材2と断熱層3の接着性を改善する
ために、基材2と断熱層3の間に接着層(図示せず)を設けてもよい。
接着層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。接着層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
ために、基材2と断熱層3の間に接着層(図示せず)を設けてもよい。
接着層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。接着層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また、本実施形態において受容層4を片面のみに設置した昇華転写用受像シート1には、基材2における受容層4が設けられている面(一方の面2a)とは反対の面(他方の面2b)側に、裏面層が設けられていてもよい。
この裏面層は、プリンタ搬送性の向上や、染料受容層4とのブロッキング防止、印画前後の昇華転写用受像シート1のカール防止のために設けられる。
この裏面層は、プリンタ搬送性の向上や、染料受容層4とのブロッキング防止、印画前後の昇華転写用受像シート1のカール防止のために設けられる。
裏面層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。裏面層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂等が挙げられる。
また、裏面層を形成する材料には、必要に応じて、フィラーや帯電防止剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
また、裏面層を形成する材料には、必要に応じて、フィラーや帯電防止剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1には、断熱層3と染料受容層4の間に、本実施形態の昇華転写用受像シート1の性能を損なわない範囲で下引き層(図示せず)が設けられていてもよい。
下引き層の厚さは、0.1μm以上6μm以下であることが好ましく、0.2μm以上5μm以下であることがより好ましい。
下引き層の厚さが0.1μm以上であれば、下引き層の膜厚調整が容易であるばかりではなく、印画濃度にバラツキが生じ難い。また、下引き層と、断熱層3および染料受容層4との密着性が十分となる。一方、下引き層の厚さが6μm以下であれば、高速印画時における印画濃度が低下することがない。また、コスト面の観点からも、下引き層の厚さは6μm以下であることが好ましい。
下引き層の厚さが0.1μm以上であれば、下引き層の膜厚調整が容易であるばかりではなく、印画濃度にバラツキが生じ難い。また、下引き層と、断熱層3および染料受容層4との密着性が十分となる。一方、下引き層の厚さが6μm以下であれば、高速印画時における印画濃度が低下することがない。また、コスト面の観点からも、下引き層の厚さは6μm以下であることが好ましい。
下引き層に用いられる樹脂としては従来公知のもので対応でき、例えば、ゼラチンやポリビニルアルコール、アクリル、ポリエステル、スチレンブタジエンラテックス、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
本実施形態の昇華転写用受像シート1によれば、汎用染料を用いたメディア構成でも十分な最大濃度を得ることが可能となる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成の断熱層塗布液[1]を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。なお、断熱層は熱伝導率が0.10W/m・K付近となるように中空粒子比率を調整した(以降の実施例、比較例も同様)。
「断熱層塗布液[1]」
中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):62.3質量部
バインダ:天然ゴム(LATEX LA):27.5質量部
純水:10.2質量部
中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):62.3質量部
バインダ:天然ゴム(LATEX LA):27.5質量部
純水:10.2質量部
その後、断熱層の上に、下記の組成の染料受容層塗布液aを、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、実施例1の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液a」
塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂(商品名:ソルバインC(日信化学工業社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂(商品名:ソルバインC(日信化学工業社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
[実施例2]
染料受容層のバインダーを、上記ソルバインCよりもTgの高いソルバインCNに変更した、下記組成の染料受容層塗布液bを用いて作製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の昇華転写用受像シートを得た。
染料受容層のバインダーを、上記ソルバインCよりもTgの高いソルバインCNに変更した、下記組成の染料受容層塗布液bを用いて作製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液b」
塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂(商品名:ソルバインCN(日信化学工業社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂(商品名:ソルバインCN(日信化学工業社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
[実施例3]
染料受容層を、下記組成の染料受容層塗布液cを用いて作製する以外は、実施例1と同様にして、実施例3の昇華転写用受像シートを得た。なお、塗布液cは水系エマルジョンのため溶剤は不要である。
染料受容層を、下記組成の染料受容層塗布液cを用いて作製する以外は、実施例1と同様にして、実施例3の昇華転写用受像シートを得た。なお、塗布液cは水系エマルジョンのため溶剤は不要である。
「染料受容層塗布液c」
塩化ビニル・アクリル系変性樹脂(商品名:ビニブラン690(日信化学工業社製):60.0質量部
イソシアネート系離型剤(商品名:DNW6000):1.0質量部
塩化ビニル・アクリル系変性樹脂(商品名:ビニブラン690(日信化学工業社製):60.0質量部
イソシアネート系離型剤(商品名:DNW6000):1.0質量部
[実施例4]
染料受容層を、下記組成の染料塗布液dを用いて作製する以外は、実施例1と同様にして、実施例4の昇華転写用受像シートを得た。
染料受容層を、下記組成の染料塗布液dを用いて作製する以外は、実施例1と同様にして、実施例4の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液d」
ポリエステル樹脂(商品名:エリーテルUB9900(ユニチカ社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
ポリエステル樹脂(商品名:エリーテルUB9900(ユニチカ社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
[実施例5]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成の断熱層塗布液[2]を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
「断熱層塗布液[2]」
中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):62.3質量部
バインダ:イソプレンゴム(商品名:セポレックスIR100−H):24.9質量部
純水:12.8質量部
中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):62.3質量部
バインダ:イソプレンゴム(商品名:セポレックスIR100−H):24.9質量部
純水:12.8質量部
その後、断熱層の上に、前記の組成の染料受容層塗布液aを、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、実施例5の昇華転写用受像シートを得た。
[実施例6]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成の断熱層塗布液[3]を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
「断熱層塗布液[3]」
中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):59.2質量部
バインダ:クロロスルホン化ポリエチレン(商品名:セポレックスCSM):40.8質量部
中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):59.2質量部
バインダ:クロロスルホン化ポリエチレン(商品名:セポレックスCSM):40.8質量部
その後、断熱層の上に、前記の組成の染料受容層塗布液aを、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、実施例6の昇華転写用受像シートを得た。
[実施例7]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成の断熱層塗布液[4]を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱
層を形成した。
層を形成した。
「断熱層塗布液[4]」
中空粒子(商品名:MH8109、中空率:50%):65.5質量部
バインダ:天然ゴム(LATEX LA):26.7質量部
純水:7.8質量部
中空粒子(商品名:MH8109、中空率:50%):65.5質量部
バインダ:天然ゴム(LATEX LA):26.7質量部
純水:7.8質量部
その後、断熱層の上に、前記の組成の染料受容層塗布液aを、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、実施例7の昇華転写用受像シートを得た。
[比較例1]
染料受容層を、下記組成の染料塗布液eを用いて作製する以外は、実施例1と同様にして、比較例1の昇華転写用受像シートを得た。
染料受容層を、下記組成の染料塗布液eを用いて作製する以外は、実施例1と同様にして、比較例1の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液e」
セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂(商品名:CAB171−15(イーストマンコダック社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂(商品名:CAB171−15(イーストマンコダック社製):60.0質量部
シリコーンオイル系離型剤(商品名:KF868):0.09質量部
メチルエチルケトン:140.0質量部
[比較例2]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成の断熱層塗布液[5]を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
「断熱層塗布液[5]」
中空粒子(商品名:商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):70.2質量部
アクリロニトリル・ブタジエンゴム(LX531B):27.0質量部
純水:2.8質量部
中空粒子(商品名:商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):70.2質量部
アクリロニトリル・ブタジエンゴム(LX531B):27.0質量部
純水:2.8質量部
その後、断熱層の上に、前記の組成の染料受容層塗布液aを、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、比較例2の昇華転写用受像シートを得た。
[比較例3]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に裏面層として、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に接着層として、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成の断熱層塗布液[6]を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
「断熱層塗布液[6]」
中空粒子(商品名:商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):58.5質量部
ポリプロピレンエマルジョン:31.0質量部
純水:10.5質量部
中空粒子(商品名:商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%):58.5質量部
ポリプロピレンエマルジョン:31.0質量部
純水:10.5質量部
その後、断熱層の上に、前記の組成の染料受容層塗布液aを、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、比較例3の昇華転写用受像シートを得た。
[テスト用転写記録媒体の作製]
基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その非易接着処理面に下記の組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記の組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、テスト用熱転写記録媒体を得た。
基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その非易接着処理面に下記の組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記の組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、テスト用熱転写記録媒体を得た。
「耐熱滑性層塗布液」
シリコーン系アクリルグラフトポリマー(商品名:US−350、東亜合成社製):50.0質量部
メチルエチルケトン:50.0質量部
シリコーン系アクリルグラフトポリマー(商品名:US−350、東亜合成社製):50.0質量部
メチルエチルケトン:50.0質量部
「熱転写層塗布液」
C.I.ソルベントブルー63:5.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂:5.0質量部
トルエン:45.0質量部
メチルエチルケトン:45.0質量部
C.I.ソルベントブルー63:5.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂:5.0質量部
トルエン:45.0質量部
メチルエチルケトン:45.0質量部
(評価方法)
上記の実施例1〜7、および比較例1〜3で作製した昇華転写用受像シートを用いて、以下に示す方法で評価を行った。
上記の実施例1〜7、および比較例1〜3で作製した昇華転写用受像シートを用いて、以下に示す方法で評価を行った。
<断熱層熱伝導率評価>
昇華転写用受像シートに関して、断熱層に使用した材料の熱伝導率を、メンター・グラフィックス社製Dyn TIMを用いて定常法にて測定した。
昇華転写用受像シートに関して、断熱層に使用した材料の熱伝導率を、メンター・グラフィックス社製Dyn TIMを用いて定常法にて測定した。
<染料分配係数評価>
まず、染料にソルベントブルー63を染料対樹脂比1:1で含むテスト用熱転写記録媒体を準備する。次に、作製した昇華転写用受像シートの染料受容層側の面と、このテスト用熱転写記録媒体とを対向して重ね合わせ、圧力0.7MPa、温度100℃の条件で300秒加圧加熱した後、加圧加熱の前後でテスト用転写記録媒体の吸光度を測定し、テスト用転写記録媒体の最大吸収波長における加圧加熱前の吸光度をAα、加圧加熱後の吸光度をAβとして、以下の式(1)から受像シートへの染料分配係数を算出した。
染料分配係数=(1−Aα/Aβ)×100・・・・・・式(1)
まず、染料にソルベントブルー63を染料対樹脂比1:1で含むテスト用熱転写記録媒体を準備する。次に、作製した昇華転写用受像シートの染料受容層側の面と、このテスト用熱転写記録媒体とを対向して重ね合わせ、圧力0.7MPa、温度100℃の条件で300秒加圧加熱した後、加圧加熱の前後でテスト用転写記録媒体の吸光度を測定し、テスト用転写記録媒体の最大吸収波長における加圧加熱前の吸光度をAα、加圧加熱後の吸光度をAβとして、以下の式(1)から受像シートへの染料分配係数を算出した。
染料分配係数=(1−Aα/Aβ)×100・・・・・・式(1)
<印画濃度評価>
昇華転写用受像シートとテスト用転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、255階調濃度を評価した。印画は全て下記の条件で行っている。
・印画環境:23℃50%RH
・印加電圧:24V
・印画速度:10inch/sec
・印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
・印圧:10kgf
印画濃度は1.30以上で合格とする。
昇華転写用受像シートとテスト用転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、255階調濃度を評価した。印画は全て下記の条件で行っている。
・印画環境:23℃50%RH
・印加電圧:24V
・印画速度:10inch/sec
・印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
・印圧:10kgf
印画濃度は1.30以上で合格とする。
<印画画質評価>
昇華転写用受像シートとテスト用転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物の画質を目視にて評価した。印画は96階調のベタ印刷とし、全て下記の条件で行っている。
・印画環境:23℃50%RH
・印加電圧:24V
・印画速度:10inch/sec
・印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
・印圧:4kgf
画質官能評価は、良:◎、並:○、悪:×、とした。
昇華転写用受像シートとテスト用転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物の画質を目視にて評価した。印画は96階調のベタ印刷とし、全て下記の条件で行っている。
・印画環境:23℃50%RH
・印加電圧:24V
・印画速度:10inch/sec
・印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
・印圧:4kgf
画質官能評価は、良:◎、並:○、悪:×、とした。
表1に上記の評価結果を示す。
表1から、実施例1〜7はいずれも印画濃度が1.30以上であり、画質評価においても良好であった。
一方、染料分配係数が65%と低かった比較例1は、印画濃度も1.21と低かった。比較例2は、断熱層のバインダ(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)の熱伝導率が高いことから、断熱性能を持たせるために中空粒子の比率を高くする必要があり、これに伴い断熱層表面の面性が悪化したため、最終的な受像紙表面の面性も悪化、このため印画画質が低下した。
また、断熱層のバインダとしてゴム系樹脂でないエマルジョン樹脂を用いた比較例3も面性が悪く、印画の際に印画欠陥を生じていた。
一方、染料分配係数が65%と低かった比較例1は、印画濃度も1.21と低かった。比較例2は、断熱層のバインダ(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)の熱伝導率が高いことから、断熱性能を持たせるために中空粒子の比率を高くする必要があり、これに伴い断熱層表面の面性が悪化したため、最終的な受像紙表面の面性も悪化、このため印画画質が低下した。
また、断熱層のバインダとしてゴム系樹脂でないエマルジョン樹脂を用いた比較例3も面性が悪く、印画の際に印画欠陥を生じていた。
本発明の昇華転写用受像シートは、昇華転写方式のプリンタに適用することができ、汎用染料を用いても十分な発色性を得るとともに、良好な画質を得ることが可能となる。
1・・・昇華転写用受像シート
2・・・基材
3・・・断熱層
4・・・染料受容層
2・・・基材
3・・・断熱層
4・・・染料受容層
Claims (7)
- 基材と、該基材の一方または両方の面上に、基材に近い側から断熱層と染料受容層とを少なくとも備えた受像シートであって、
前記断熱層は少なくとも中空粒子とゴム系樹脂を含み、
中空粒子のうち重量比率で少なくとも70%以上は外殻が架橋された架橋粒子であり、
かつ中空粒子の中空率が40%以上70%以下であり、
ゴム系樹脂の熱伝導率が0.20W/(mK)以下であり、
前記受像シートの染料受容層側の面と、染料としてソルベントブルー63を染料対樹脂比1:1で含む熱転写記録媒体とを対向して重ね合わせ、圧力0.7MPa、温度100℃の条件で300秒加圧加熱したときの、前記受像シートへの染料分配係数の値が70%以上である、ことを特徴とする昇華転写用受像シート。 - 前記染料受容層が離型剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の昇華転写用受像シート。
- 前記離型剤がシリコーン系であることを特徴とする、請求項2に記載の昇華転写用受像シート。
- 前記染料受容層が硬化剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の昇華転写用受像シート。
- 前記硬化剤がイソシアネート系樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載の昇華転写用受像シート。
- 前記ゴム系樹脂が、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ブチルゴム、ラテックス、エマルジョン、の群から選択されるいずれか、あるいはその化合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の昇華転写用受像シート。
- 前記中空粒子が、アクリル−スチレン共重合体を架橋させたものからなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の昇華転写用受像シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019060704A JP2020157645A (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | 昇華転写用受像シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019060704A JP2020157645A (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | 昇華転写用受像シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=72641177
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JP (1) | JP2020157645A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115431656A (zh) * | 2022-10-19 | 2022-12-06 | 湖南鼎一致远科技发展有限公司 | 一种适用于热升华软标印刷的pet膜涂层 |
-
2019
- 2019-03-27 JP JP2019060704A patent/JP2020157645A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115431656A (zh) * | 2022-10-19 | 2022-12-06 | 湖南鼎一致远科技发展有限公司 | 一种适用于热升华软标印刷的pet膜涂层 |
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