JP2018126927A - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

熱転写受像シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトブックなどに用いられる基材の両面に染料受容層を有する熱転写受像シートにおいて、表裏での発色特性に違いが生じることなく、良好な印画特性を有する熱転写受像シートを提供する。【解決手段】基材の両面に少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する染料受容層を設けるにあたり、バインダ樹脂の固形分に対する離型剤の重量パーセント濃度がAwtである塗布液Aと、同様に重量パーセント濃度がBwtである塗布液Bとを式1の関係を満たすように調整して、前記基材の一方の面に前記塗布液Aを塗布し乾燥する工程と、前記塗布液Aを塗布した後の基材の他方の面に前記塗布液Bを塗布し乾燥する工程を含むことを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。0.7≦Awt/Bwt≦0.8 … (式1)【選択図】図2

Description

本発明は、サーマルヘッド等を介して、昇華性染料を熱転写することにより画像を記録するために用いられる熱転写受像シートの製造方法に関する。
デジタルカメラ等で撮影した画像を印刷する方式としては、インクジェット方式、昇華転写記録方式が主流である。昇華転写記録方式はインクジェット方式に比して、階調表現に優れるという利点がある。
昇華転写記録方式においては、基材上に例えば、シアン、マゼンタ、イエローの熱昇華性染料層を形成した熱転写シートと、基材上に熱昇華性染料を受容し得る受容層を形成した熱転写受像シートとを対向して重ね合わせ、サーマルヘッドを熱転写シートの染料層を形成していない側に接触させ、画像情報に応じて熱を加え、各昇華性染料を熱転写受像シートに所定量移行させることにより画像を形成する。
サーマルヘッドにより印加する熱量に応じて染料の転写量を細かく制御することができるため、階調表現に優れた画像を得ることが可能である。
近年、熱転写受像シートの新たな応用例として、フォトブックが注目を集めている。フォトブックとは、複数枚の写真を綴じ込んで冊子化したものであり、基材の両面に染料受容層を形成した熱転写受像シートを用いることで、軽量かつ意匠性に優れたフォトブックを得ることが可能である。
一般に基材の両面に染料受容層が形成された熱転写受像シートは、基材の一方の面に染料受容層を塗布、乾燥させた後、基材の他方の面に再度染料受容層を塗布、乾燥させることによって製造される。
染料受容層を形成する塗布液としては、水系、溶剤系の双方を用いることが可能であるが、大気汚染の原因となる揮発性有機化合物を使用しない、水系塗液が好ましく用いられる。
例えば下記特許文献1には、少なくとも1種のポリマーラテックスを含有する染料受容層を耐水性支持体の両面に有する熱転写受像シートであって、該ポリマーラテックスが塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックスおよび塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックスから単独もしくは複数選択されることを特徴とする熱転写受像シートが提案されている。
また、熱転写受像シートの染料受容層には、印画後に熱転写シートとの離型性を担保するために離型剤を含有することが一般的である。
例えば、下記特許文献2〜4には、染料受容層に各種離型剤を含有する熱転写受像シートが提案されている。
ところで、基材の両面に染料受容層が形成された熱転写受像シートにおいては、基材の一方の面に形成された受容層と他方の面に設けられた受容層が同様の染料受容能を有することが肝要である。
受容層の染料受容能は、バインダ樹脂ならびに離型剤種、製造過程における乾燥条件などの影響を受ける。このうち、乾燥条件の影響は、受容層にかかる熱量の違いによって、離型剤の塗膜表面へのブリードし易さが変わってくることに拠るものと考えられる。
基材の両面に染料受容層が形成された熱転写受像シートにおいては、基材上に最初に塗工される染料受容層と、後から塗工される染料受容層とでは、熱履歴が異なる。
即ち、最初に塗工される染料受容層には、自身の乾燥工程でかかる熱に加えて、後から塗工される染料受容層の乾燥工程においても熱がかかることになる。
その結果、最初に塗工される染料受容層と後から塗工される染料受容層の表面にブリードしてくる離型剤量に差が生じ、染料受容能の違いが生じる。
特に水系の受容層塗布液を用いた場合には、溶剤としてアルコール類を併用した場合においても70℃以上の高温で乾燥することが必要となり、一方の面と他方の面の染料受容能の違いが顕著なものとなる。
特許第4921287号公報 特許第3399603号公報 特許第3634488号公報 特開2005−288798号公報
従来の基材の両面に染料受容層が形成された熱転写受像シートにおいては、基材の一方の面に形成された染料受容層と他方の面に形成された染料受容層との間で、製造工程における熱履歴の違いに起因する染料受容能差が生じ、このため基材の一方の面と他方の面で印画物の発色に微妙なズレが生じ、問題となっていた。
本発明は、係る事情を鑑みてなされたものであり、基材の両面で印画物の発色特性にズレが生じない、印画品質に優れた、基材の両面に染料受容層が形成された熱転写受像シートの製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、基材の一方の面に設けられた染料受容層と他方の面に設けられた染料受容層が含有する離型剤量を適切な量に調整することで、染料受容能の違いを解消することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下のものにより構成される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材の両面に少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する塗布液を塗布し乾燥することで染料受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法であって、前記バインダ樹脂の固形分に対する離型剤の重量パーセント濃度がAwtである塗布液Aと、同様に重量パーセント濃度がBwtである塗布液Bとを式1の関係を満たすように調整する工程と、前記基材の一方の面に前記塗布液Aを塗布し乾燥する工程と、前記塗布液Aを塗布した後の基材の他方の面に前記塗布液Bを塗布し乾燥する工程を含むことを特徴とする熱転写受像シートの製造方法である。
0.7≦Awt/Bwt≦0.8 … (式1)
次に請求項2 に記載の発明は、前記バインダ樹脂の固形分に対する前記離型剤の重量パーセント濃度の内、前記Awtの値が2.1〜8.0重量パーセントの範囲であり、前記Bwtの値が3〜10重量パーセントの範囲であることを特徴とする請求項1記載の熱転写受像シートの製造方法である。
次に請求項3に記載の発明は、前記バインダ樹脂が、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル樹脂並びにそれらの2種以上からなる共重合体、ウレタン、ポリエステルからなる各水系エマルジョンのいずれか1種、または2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シートの製造方法である。
次に請求項4に記載の発明は、前記離型剤が、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受像シートの製造方法である。
本発明により、基材の一方の面と他方の面で発色特性にズレが生じることのない印画品質に優れた、基材の両面に染料受容層を有する熱転写受像シートを製造することが可能である。
本発明の熱転写受像シートの構成の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の熱転写受像シートの製造工程を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(熱転写受像シート)
始めに、本発明の製造方法によって作製される熱転写受像シートの構成例について、説明する。図1は、本発明の熱転写受像シートの構成の一例を示す模式的な断面図である。
図1では、熱転写受像シート1の構成例として、基材11の両面に設けられた断熱層12及び13と、断熱層を介して基材11の両面に設けられた下引き層14及び15と、断熱層並びに下引き層を介して、基材11の両面に染料受容層16及び17がこの順で積層されている例を示している。
ここで、基材11は、従来公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイミド等の合成樹脂からなるフィルム、および上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、各種合成紙、レジンコート紙などを単独、あるいは組み合わされた複合体として使用することができる。
とりわけ、セルロース繊維紙の表裏をポリエチレンやポリプロピレン樹脂で被覆したレジンコート紙は、白色度、光沢度に優れるため好適に用いられる。
基材11の厚みとしては、80〜160μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜140μmの範囲である。
これは、基材11の厚みが80μm程度以下である場合には、機械的強度が不足する場合があり、140μm以上である場合には、プリンタの給排紙性能に悪影響を及ぼす可能性があるためである。
基材11と染料受容層16、17との間には、サーマルヘッドからの熱を染料受容層の近傍に閉じ込めて染料の熱転写効率を向上させるために、断熱層12及び13が設けられる。
断熱層としては、従来公知のものを採用することができ、例えば、有機あるいは無機の中空粒子や多孔質材料と、バインダ樹脂によって構成されたものや、発泡ポリプロピレンや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらには発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを設けたものなどを挙げることができ、特に発泡ポリプロピレン、あるいは発泡ポリエチレンテレフタレートなどの発泡フィルムが好ましく用いられる。
断熱層12及び13の厚みは、25〜50μm程度であることが好ましく、より好ましくは30〜45μmの範囲である。
これは、断熱層の厚みが25μm以下である場合には、断熱性が不足するためであり、また、50μm以上である場合には、コスト高となるためである。
続いて、染料受容層の密着性を担保するため、断熱層と染料受容層の間には、下引き層14及び15が設けられている。
下引き層14及び15としては、水系溶剤に水溶性樹脂や水溶性高分子を溶解あるいは分散した水系コーティング剤、あるいは水性エマルジョンなどから構成される水系コーティング剤などをコーティングすることによって形成することができる。
水溶性樹脂または水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変性物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、水性エマルジョンの例としては、ポリオレフィンエマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョンなどを挙げることができる。
これらの各種樹脂あるいは高分子は、それぞれを単独で、あるいは混合物として用いられてあってもよい。
また、断熱層並びに染料受容層との密着性をより向上させるために、下引き層に各種架橋剤を添加することも可能である。更には、各種添加剤、例えば、熱転写受像シート1の白色度を向上させるための蛍光増白剤、酸化防止剤などが添加されてあっても良い。
下引き層14及び15の厚さは、0.2〜5.0μmの範囲であることが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜3.0μmの範囲である。
下引き層の厚さが0.2μm以下である場合には、断熱層または染料受容層、あるいはその双方との密着性が不足する場合がある。一方、下引き層の厚さが5.0μm以上である場合には、コスト高となる。
次に、染料受容層16及び17は、有機溶剤を溶媒または分散媒とする溶剤系コーティング剤をコーティングして形成することも可能であるが、環境問題を考えると有機溶剤を低減することが望ましく、また熱転写受像シートを開梱して使用する際の溶剤臭を低減するという観点からも水系溶剤を溶媒または分散媒とする水系コーティング剤をコーティングして形成することが望ましいと言える。
染料受容層16及び17のバインダ樹脂を構成する水系コーティング剤としては、水性の樹脂エマルジョンを好ましく用いることができ、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル樹脂並びにそれらの2種以上からなる共重合体、ウレタン、ポリエステルなどからなる各水系エマルジョンのいずれか1種、あるいは2種以上の混合物を適宜用いることが可能である。
中でも、ビニブラン271、278、690、902、900(いずれも日信化学工業株式会社製)等の塩化ビニル/アクリル共重合体、スーパーフレックス126、130、150、150HS、170、210、300(いずれも第一工業製薬株式会社製)等のウレタンエマルジョン、バイロナールMD−1100、1200、1245、1335、1480(いずれも東洋紡株式会社製)等のポリエステルエマルジョンなどが、好適に用いられる。
また、染料受容層16及び17に用いられるバインダ樹脂は、同様の材料とすることが望ましく、これにより熱転写受像シート1の表裏における、印画時の受像適性に大きな差が生じることを防ぐことが可能となる。
本発明の染料受容層16及び17には、支持体上に少なくとも昇華性染料層を有する熱転写シートを用いて印画した後に、前記熱転写シートとの離型性を担保するために、離型剤が添加される。
離型剤としては、シリコーンオイル、フッ素化合物、リン酸エステル系化合物等を適宜用いることが可能であり、中でもポリエーテル変性したシリコーンオイルが、より好適に用いられる。
ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、例えば、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−6020、KF−6204、X−22−4515(いずれも信越化学工業株式会社製)等が、挙げられる。
本発明の熱転写受像シートの全体的な製造方法については、後述するが、本発明の熱転写受像シート1は、先に基材に塗工される染料受容層を形成する塗布液Aのバインダ樹脂に対する離型剤の重量パーセント濃度Awtと、後から基材に塗工される染料受容層を形成する塗布液Bのバインダ樹脂に対する離型剤の重量パーセント濃度Bwtが、(式1)の関係式を充たすことを特徴とするものである。
0.7 ≦ Awt/Bwt ≦ 0.8 … (式1)
Awt/Bwtの値がこの範囲であれば、熱転写受像シートの一方の面と他方の面の発
色特性差を無視できる程度に抑えることが可能である。
先に基材に塗工される染料受容層を形成する塗布液Aのバインダ樹脂に対する離型剤の重量パーセント濃度Awtとしては、2.1〜8重量パーセントであることが好ましく、より好ましくは、2.1〜6.4重量パーセントである。
一方、後から塗工される染料受容層を形成する塗布液Bのバインダ樹脂に対する離型剤の重量パーセント濃度Bwtとしては、3〜10重量パーセントが好ましく、より好ましくは、3〜8重量パーセントである。
離型剤の重量パーセント濃度が、前記の値より低い場合、印画後の熱転写シートとの離型性が低く、転写不良が発生する可能性が高まる。
一方、離型剤の重量パーセント濃度が前記の値より高い場合には、特に高温高湿環境下において、印画時に熱がかかっていなくとも染料が自然転写され印画品質が著しく低下してしまう。
染料受容層の厚さは、0.1μm〜10μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.5μm〜5μmの範囲である。また、染料受容層には、必要に応じて架橋剤、各種フィラー類やワックス等の従来公知の添加剤を含有することも可能である。
(熱転写受像シートの製造方法)
図2は、本発明の熱転写受像シートの製造工程の例を示す模式図である。
最初に、基材11の両面に対して、押出しラミネート法やドライラミネート法等などの公知手法を用いて、発泡フィルムからなる断熱層12及び13が貼り合わせられる。
中空粒子や多孔質物質とバインダ樹脂とからなる断熱層とする場合には、グラビアコート法や、ロールコート法、ダイコート法などの従来公知のコーティング方法を用いて、片面毎、あるいは両面をインラインで設けてあっても良い。
次いで、基材11の片方の面に断熱層12を介して下引き層14が形成され、またもう一方の面に断熱層13を介して下引き層15が形成される。
下引き層14及び15の形成手段としては、グラビアコート法、ロールコート法、ダイコート法など、従来公知のコーティング方法であれば、いずれも用いることができる。
上述のようにして、染料受容層16及び17を設けるための基材が準備され、これに染料受容層を形成するための塗布液として、上述した染料受容層16及び17用のバインダ樹脂ならびに離型剤から任意に選定されたバインダ樹脂および離型剤を用いて、バインダ樹脂に対する離型剤の重量パーセント濃度がAwtである塗布液Aと、バインダ樹脂に対する離型剤の重量パーセント濃度がBwtである塗布液Bとを、下記の(式1)の関係を満たすように調合する。
0.7 ≦ Awt/Bwt ≦ 0.8 … (式1)
調合された塗布液を用いて、基材11の片方の面に断熱層12並びに下引き層14を介して、塗布液Aを塗布、乾燥することにより、染料受容層16が形成され、もう一方の面に断熱層13並びに下引き層15を介して、塗布液Bを塗布、乾燥することにより、染料受容層17が形成される。
この様に、先に塗工される塗布液Aと、後から塗工さる塗布液Bにおける離型剤の添加濃度を変化させる事により、先に塗工された場合と後から塗工された場合とで、それぞれ異なる乾燥時の熱履歴の差によって生じる印画濃度の差を低減することが可能となる。
ここで、それぞれの染料受容層の塗工方法としては、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、ダイコート法など、従来公知のコーティング方法であれば、いずれも用いることが可能である。
以上のような製造方法により、表裏に染料受容層を有する熱転写受像シートにおいて、表裏での印画品質バラつきのない熱転写受像シートを製造することができる。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(断熱層の形成)
基材として、両面をポリプロプレンで被覆したレジンコート紙を容易し、この両面に発泡ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製「エコネージュSHL−1」)を押出しラミネート法にて加工速度50m/min、樹脂温度320℃で貼りあわせた。
(下引き層の形成)
ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製「PVA424H」)3重量部を純水87重量部とイロプロピルアルコール10重量部の混合溶媒に溶解し、下引き層塗布液を調整した。
上述の様にして、断熱層を形成した基材の一方の面にコロナ処理を施した後、前記塗布液を乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、90℃で1分間乾燥させることにより、基材の一方の面に断熱層を介して下引きを形成した。
同様にして、基材の他方の面にも下引き層を形成した。
(染料受容層の形成)
下引き層を形成した基材の一方の面にコロナ処理を施した後、下記染料受容層塗布液1を乾燥後の厚みが2.0μmになるようにグラビアコーターで塗布し、90℃で1分間乾燥させることにより、基材の一方の面に断熱層並びに下引き層を介して、染料受容層を形成した。
<染料受容層塗布液1>
ビニブラン902(日信化学工業(株)製、固形分50%) …58.37重量部
KF−354L(信越化学工業(株)製) … 0.82重量部
純水 …37.31重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
上記下引き層を形成した基材の他方の面に、コロナ処理を施した後、下記染料受容層塗布液2を乾燥後の厚みが2.0μmになるようにグラビアコーターで塗布し、90℃で1分間乾燥させることにより、基材の他方の面に染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液2>
ビニブラン902(日信化学工業(株)製、固形分50%) …57.69重量部
KF−354L(信越化学工業(株)製) … 1.15重量部
純水 …37.66重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
〔実施例2〕
下引き層を形成した基材の一方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液3、下引き層を形成した基材の他方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液4とすること以外は、実施例1と同様にて基材の両面に染料受容層を形成し、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液3>
ビニブラン902(日信化学工業(株)製、固形分50%) …58.76重量部
KF−354L(信越化学工業(株)製) … 0.63重量部
純水 …37.11重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
<染料受容層塗布液4>
ビニブラン902(日信化学工業(株)製、固形分50%) …58.24重量部
KF−354L(信越化学工業(株)製) … 0.88重量部
純水 …37.38重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
〔実施例3〕
下引き層を形成した基材の一方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液5、下引き層を形成した基材の他方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液6とすること以外は、実施例1と同様にして基材の両面に染料受容層を形成し、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液5>
スーパーフレックス210(第一工業製薬(株)製、固形分35%)
…79.38重量部
KF−615A(信越化学工業(株)製) … 2.21重量部
純水 …14.91重量部
イロプロピルアルコール … 3.50重量部
<染料受容層塗布液6>
スーパーフレックス210(第一工業製薬(株)製、固形分35%)
…77.93重量部
KF−615A(信越化学工業(株)製) … 2.72重量部
純水 …15.85重量部
イロプロピルアルコール … 3.50重量部
〔実施例4〕
下引き層を形成した基材の一方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液7、下引き層を形成した基材の他方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液8とすること以外は、実施例1と同様にして基材の両面に染料受容層を形成し、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液7>
バイロナールMD−1245(東洋紡(株)製、固形分30%)…93.98重量部
MF−615A(信越化学工業(株)製) … 1.80重量部
純水 … 0.72重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
<染料受容層塗布液8>
バイロナールMD−1245(東洋紡(株)製、固形分30%)…92.59重量部
MF−615A(信越化学工業(株)製) … 2.22重量部
純水 … 1.69重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
〔比較例1〕
下引き層を形成した基材の一方の面、および他方の面に塗布する染料受容層塗布液を共に上記染料受容層塗布液1とすること以外は、実施例1と同様にして基材の両面に染料受容層を形成し、比較例1の熱転写受像シートを得た。
〔比較例2〕
下引き層を形成した基材の一方の面、および他方の面に塗布する染料受容層塗布液を共に上記染料受容層塗布液6とすること以外は、実施例1と同様にして基材の両面に染料受容層を形成し、比較例2の熱転写受像シートを得た。
〔比較例3〕
下引き層を形成した基材の一方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液9、下引き層を形成した基材の他方の面に塗布する染料受容層塗布液を上記染料受容層塗布液4とすること以外は、実施例1と同様にして基材の両面に染料受容層を形成し、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液9>
ビニブラン902(日信化学工業(株)製、固形分50%) …58.94重量部
KF−354L(信越化学工業(株)製) … 0.53重量部
純水 …37.03重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
〔比較例4〕
下引き層を形成した基材の一方の面に塗布する染料受容層塗布液を上記染料受容層塗布液6、下引き層を形成した基材の他方の面に塗布する染料受容層塗布液を下記染料受容層塗布液10とすること以外は、実施例1と同様にして基材の両面に染料受容層を形成し、比較例4の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液10>
スーパーフレックス210(第一工業製薬(株)製、固形分35%)
…76.53重量部
KF−615A(信越化学工業(株)製) … 3.21重量部
純水 …16.76重量部
イソプロピルアルコール … 3.50重量部
(印画物の作製)
印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにて上記実施例1〜4、比較例1〜4の熱転写受像シートの一方の面にグレー階調画像(0〜255階調まで16ステップ)を印画した。
次に、上記各熱転写受像シートの他方の面に同様の画像を印画し、熱転写受像シートの両面にグレー階調画像が印画された印画物を得た。
(画質評価)
上記にて得られた印画物の印画品質を目視にて確認した。転写不良が認められなかったものを○、転写不良が認められたものを×とした。
(色特性評価)
上記印画物表裏のグレーステップ各階調の反射色相を528分光濃度計(エックスライ
ト社製)にて測定した。
次に、各階調について一方の面と他方の面の色差Δabを算出し、その最大値を各熱転写受像シートの色差ΔCとした。実施例並びに比較例における各塗布液の配合比率を表1に示し、Awt、Bwt、Awt/Bwtの値、並びに各評価結果を表2に示す。
表1、並びに表2より、以下の事が判る。即ち、実施例1〜4の本発明の熱転写受像シートは、いずれも転写不良が発生することなく、一方の面と他方の面の色差ΔCも1.5以下と小さく両面で同等の発色特性が得られた。
これに対し、比較例1〜4の熱転写受像シートは、転写不良の発生、一方の面と他方の面の発色特性の顕著な乖離(ΔC>2.0)などが、認められた。
これは、比較例1及び比較例2では、表裏の染料受容層に占める離型剤の添加量が同じであったため、表裏の染料受容層塗布時の熱履歴の影響から、離型剤の影響差が生じ、表裏での色特性に差が生じたと考えられる。
また、比較例3では、色特性評価としては、問題ないように思われるが、先に塗布した染料受容層内に含まれる離型剤の濃度が低くなっているため、熱転写シートの剥離性低下による転写不良が確認された。
また、比較例4では、色特性評価としては、問題ないように思われるが、両面の染料受容層共に、離型剤の添加量が多く、熱転写シートから染料移行するなどの転写不良が確認された。
本発明の熱転写受像シートは、表裏で発色特性に違いが生じることがないため、印画品位に優れ、顧客満足度の高いフォトブックを提供することができる。
1 … 熱転写受像シート
11 … 基材
12、13 … 断熱層
14、15 … 下引き層
16、17 … 染料受容層

Claims (4)

  1. 基材の両面に少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する塗布液を塗布し乾燥することで染料受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法であって、前記バインダ樹脂の固形分に対する離型剤の重量パーセント濃度がAwtである塗布液Aと、同様に重量パーセント濃度がBwtである塗布液Bとを式1の関係を満たすように調整する工程と、前記基材の一方の面に前記塗布液Aを塗布し乾燥する工程と、前記塗布液Aを塗布した後の基材の他方の面に前記塗布液Bを塗布し乾燥する工程を含むことを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
    0.7≦Awt/Bwt≦0.8 … (式1)
  2. 前記バインダ樹脂の固形分に対する前記離型剤の重量パーセント濃度の内、前記Awtの値が2.1〜8.0重量パーセントの範囲であり、前記Bwtの値が3〜10重量パーセントの範囲であることを特徴とする請求項1記載の熱転写受像シートの製造方法。
  3. 前記バインダ樹脂が、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル樹脂並びにそれらの2種以上からなる共重合体、ウレタン、ポリエステルからなる各水系エマルジョンのいずれか1種、又は2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  4. 前記離型剤が、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受像シートの製造方法。
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