JP2020055192A - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コゲを抑制し、高階調の発色濃度の保持ができる熱転写受像シート及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】支持体の一方の面上に、接着剤層、断熱層、下地層及び受像層を備え、且つ、支持体の他方の面に、背面層を備える熱転写受像シートであって、前記断熱層が、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率が0.3%以上5%以下であり、且つ、前記受像層が塩化ビニル成分を含むことを特徴とする熱転写受像シートである。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関する。本発明の熱転写受像シートは、この上に昇華型熱転写シートを重ねて加熱することにより、熱転写シートの染料を転写して転写画像を形成することができる。
従来から、文字又は画像等を被転写体に形成する印刷方式として、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が採用されている。
昇華型熱転写方式は、昇華型熱転写シートにおける着色インキ層と、熱転写受像シートにおける受像層とを互いに重ね合わせ、次いで、電気信号により発熱が制御されるサーマルヘッドによって加熱することで、着色インキ層中の染料を昇華させて受像層へ移行させ、受像層上に所望の文字、画像等を形成させる。
昇華型熱転写方式は、昇華型の染料を用いて濃度階調を自由に調節できることから、自然画を比較的忠実に再現することができる一方、更なる性能向上が要求されている。
例えば、光沢感に優れ、コゲの発生のない画像を形成することができる画像形成方法や、熱転写受像シートとの組合せとして、特許文献1には、パルプ紙基材の少なくとも一方の面に、ポリオレフィン樹脂を押し出しコートしたレジンコート紙基材のポリオレフィン樹脂を押し出しコートした面に、中空粒子層、高耐熱中空粒子層、熱転写受容層をこの順に設けた熱転写受像シートを使用し、画像を形成することが開示されている。
また、特許文献2には、基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とを有し、複合多孔質層が、ポリプロピレンを含有する多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層されたポリプロピレンを含有する非孔質スキン層とを備えた熱転写受像シートを使用し、画像を形成することが開示されている。
特開2009−233974号公報 特開2014−159100号公報
昇華転写方式でのコゲに関して説明をする。熱転写方式における印画とは、サーマルヘッドからの熱エネルギーによって熱転写シートから熱転写受像シートへ伝熱した結果、熱転写受像シートに対し、染料が染着し、印画が出来る。
コゲとは、この印画時にかかる熱負荷により発生する不良モードであり、熱転写受像シートの断熱層に熱がかかった結果、断熱層に変形が生じ、転写画像では、熱転写受像シート表面の凹凸による光沢異常が生じる現象である。
コゲの発生要因は熱転写受像シートの断熱層の耐熱性が寄与していると推定される。断熱層の耐熱性が低いものを用いるほど、サーマルヘッドからの熱によって変形が生じやすくなり、コゲが発生しやすくなる。
特許文献1のように、基紙にコーティングを施すことにより、表面の平滑性を向上し、コゲを防止している。また、特許文献2のように断熱層にスキン層を設けることで耐熱性を向上し、コゲを防止することは可能であるが、断熱性不足により、印画濃度が低下し、画像再現性が低下する可能性がある。
また、市場要求により高速印画が可能な転写プリンターが所望されているが、高速印画を実現する際には、サーマルヘッドからの熱エネルギーは、短い時間で印画をする必要があり、単位時間あたりのサーマルヘッドからの熱エネルギーは、通常印画時よりも高エネルギーにしておく必要性がある。短い時間で熱エネルギーを与える必要性からコゲに対する要求は厳しくなることが予想される。
そのような状況を鑑みても、上記のような対策のみでは十分であるとはいえない。また、高濃度の印画ができることは自然画を忠実に再現する上で重要な特性である。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、コゲを抑制し、高階調の発色濃度の保持ができる熱転写受像シートを提供することを目的とする
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、すなわち請求項1に記載の発明は、支持体の一方の面上に、接着剤層、断熱層、下地層及び受像層を備え、且つ、支持体の他方の面に、背面層を備える熱転写受像シートであって、前記断熱層が、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率が0.3%以上5%以下であり、且つ、前記受像層が塩化ビニル成分を含むことを特徴とする熱転写受像シートである。
請求項2に記載の発明は、前記受像層において、前記塩化ビニル成分が、重量固形分比で70%以上含まれることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートである。
請求項3に記載の発明は、支持体の一方の面上に、接着剤層、断熱層、下地層及び受像層を備え、且つ、支持体の他方の面に、背面層を備える熱転写受像シートの製造方法であって、前記断熱層として、ミクロボイドを有するポリオレフィンフィルムを用い、前記ポリオレフィンフィルムの熱収縮率を、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率で0.3%以上5%以下となるように調整する工程を有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記ミクロボイドを有するポリオレフィンフィルムの熱収縮率を調整する工程が、アニール処理からなることを特徴とする請求項3に記載の熱転写受像シートの製造方法である。
本発明に係る熱転写受像シートを用いることで、コゲを抑制することができ、かつ印画濃度を向上させ、高階調での印画濃度を向上させることで、画像にコントラストを与え自然画を忠実に再現できる。
本発明の熱転写受像シートの具体例の断面図である。 昇華型熱転写シートの構成例を示す断面図である。
本発明の熱転写受像シートの実施の形態について、図を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
前述のように、本発明の熱転写受像シートは、この上に昇華型熱転写シートを重ねて転写画像を形成するものである。図1はこの熱転写受像シートの具体例を示している。
図1に示すように、熱転写受像シートは、支持体(11)の一方の面上に、接着剤層(12)、断熱層(13)、下地層(14)及び受像層(15)をこの順に備え、且つ、支持体の他方の面上に背面層(16)を有する。この他、支持体(11)と背面層(16)との間にその他の層を有していてもよい。
その他の層としては、例えば、各層を接着する接着剤や接着性樹脂、あるいはプラスチックフィルム等を例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
支持体(11)としては、熱転写受像シートの支持体として使用できるものであれば特に制限はないが、熱転写において、加熱された状態でも取扱い上、支障のない程度の機械的強度を有するものが好ましい。
このような支持体(11)としては、例えばコンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルム等が挙げられる。
支持体(11)の厚さは、特に限定はなく、例えば90〜170μm程度とすることができる。
接着剤層(12)に用いられる材料としては、従来公知のものをいずれも用いることができ、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニルや塩化ビニルなどのビニル系樹脂等を挙げることができる。
その中でもポリエチレンやウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
断熱層(13)は、熱転写の際に、印圧を均一にして印字漏れや濃度むらを防止すると共に、印字感度の向上を図り、高い階調表現を可能にする役割を有するものである。断熱層(13)としては、例えば、発泡させてミクロボイドを形成したポリプロピレンフィルムのようなポリオレフィンフィルムを好適に使用することができる。
このような断熱層(13)は、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率が0.3%以上5%以下であることが重要である。
すなわち、この断熱層(13)となるポリオレフィンフィルムなどの熱収縮率を0.3%以上とすることで、適度な断熱性とクッション性が付与され、高階調の発色濃度の保持が可能となり、また5%以下とすることにより、サーマルヘッドによる印加エネルギーが高い場合でも、断熱層(13)の熱変形を抑制することができ、コゲを抑制することが可能となる。
よって高階調の発色濃度の保持とコゲ抑制の観点から、この断熱層(13)の熱収縮率が0.3%以上5%以下であることが必要である。
このような所望の熱収縮率を有する断熱層(13)を得る方法としては、従来公知の手法をいずれも用いることができるが、ミクロボイドを有するポリオレフィンフィルムに対して、アニール処理を施す方法などを好適に用いることができる。
上記アニール処理の条件を任意に設定することにより、断熱層(13)となるポリオレフィンフィルムの熱収縮率を所望の範囲にすることが可能となる。
断熱層(13)と受像層(15)の間に設けられる下地層(14)は従来公知のものを使用できる。界面を成す断熱層(13)及び受像層(15)との密着性、および印画物の保存性の観点から、疎水性樹脂と親水性樹脂から成るエマルションを塗布・乾燥して形成することが好ましい。
前記疎水性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、及びこれら樹脂の共重合体などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独あるいは2種以上の混合物などとして用いることができる。
前記親水性樹脂としては、例えば、ゼラチン、水溶性ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
また、下地層(14)には、必要に応じて、架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知添加剤を含有していても良い。
架橋剤を添加する場合、一般的な架橋剤としては、水系塗料で使用できる材料が用いられ、アジリジン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等が用いられる。
次に受像層(15)は、昇華型熱転写シートにおける着色インキ層中に含まれる昇華性染料を染着させて転写画像を形成する層である。
受像層(15)は、有機溶剤を溶媒または分散媒とする溶剤系コーティング剤をコーティングして形成することも可能であるが、環境問題等を考慮すると有機溶剤を低減することが望ましく、また熱転写受像シートを開梱して使用する際の溶剤臭を低減するという観点からも水系溶剤を溶媒または分散媒とする水系コーティング剤をコーティングして形成することが望ましい。
水系コーティング剤としては。水性の樹脂エマルジョンを好ましく用いることができ、ポリエステル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどのビニル系樹脂エマルジョン等を単独、あるいは混合物として用いることができる。
中でもビニル系樹脂エマルジョンを好適に用いることができ、カルボキシ基またはアセチル基、あるいはその両基を含有するビニル系共重合体エマルジョンなどを用いることができる。
ビニル系共重合体エマルジョンとしては、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−アクリル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル−スチレン共重合体等を挙げることができる。
これらの樹脂は、単独あるいは2種以上の混合物などとして用いることができる。これらビニル系共重合体エマルジョンを受像層(15)の主成分とすることで、優れた印画時の離型性と高階調の発色濃度保持を兼ね備えた熱転写受像シートを提供できる。
上述のような受像層(15)は、塩化ビニルを第一成分として含み、高階調の発色濃度保持の観点から、その比率が重量固形分比で70%以上含む組成物である必要がある。
塩化ビニル系エマルジョンの具体的な例としては、日信化学工業株式会社から市販されているエマルジョン類などを例示することができ、例えば、ビニブラン690、ビニブラン737、ビニブラン757、ビニブラン900、ビニブラン902などを例示することができる。
ここで、印画時の離型性とは、熱転写シートと熱転写受像シートとを重ね合わせて、サーマルヘッドによる印字の後、熱転写受像シートから熱転写シートを剥がす際の離型性を意味している。
このような離型性を高めるために、受像層(15)には、更に離型剤などを添加することができる。
離型剤としては、例えば、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤等が挙げられる。中でもシリコーン系離型剤を好適に用いることができる。
シリコーン系離型剤は、従来公知の変性シリコーンオイルを例示することができ、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーンなどの反応性シリコーンオイルや、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのような非反応性シリコーンオイルなどを挙げることができるが、中でもポリエーテル変性シリコーンを好適に用いることができる。
ポリエーテル変性シリコーンの具体的な例としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−351A、KF−352A、KF353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945等が挙げられる。
受像層(15)には、上記の各成分のほか、必要に応じて架橋剤を含んでいても良い。架橋剤としては、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、オキサゾリン系化合物等が挙げられる。
受像層(15)を形成する方法としては、従来公知のコーティング法を用いることができ、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、バーコート法、ダ
イコート法等により塗布した後、乾燥する方法が挙げられる。
受像層(15)の厚さは、特に制限はなく、例えば0.1〜5.0μm程度とすることができる。
次に、背面層(16)は、背面に係る性能、例えば、筆記性能、糊付け性能、捌き性能等を付与させる等の目的で設けられるものである。
背面層(16)は、例えば、バインダ樹脂で構成されていても良い。バインダ樹脂としては従来公知のもので対応することができ、例えば、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、背面層(16)として、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系フィルム、あるいはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム等のプラスチックフィルムを使用しても良い。
また、背面層(16)は、必要に応じて、各種フィラー類や帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有していても良い。
このような背面層(16)の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば1〜30μmであっても良い。
上述のような熱転写受像シートに対して、印画するための昇華型熱転写シートについて、簡単に説明する。
昇華型熱転写シート(20)は、図2に示すように、熱転写シート基材(21)上に、昇華性染料を含む着色インキ層(22)、イエローインキ層(24)、マゼンタインキ層(25)、シアンインキ層(26)、または、そのいずれかの層を印刷して構成されるものである。
また、昇華型熱転写シート(20)には、各着色インキ層(22)と並んで、剥離層(27)ならびに接着層(28)からなる保護層(29)が設けられてあっても良く、更に熱転写シート基材(21)の着色インキ層(22)が設けられた面とは反対側の面には、耐熱滑性層(23)を設けることができる。
この昇華型熱転写シート(20)を熱転写受像シート(10)に重ね、昇華型熱転写シート(20)背面からサーマルヘッドで加熱することにより、インキ中の染料が昇華して受像層(15)に染着する。サーマルヘッドの印加エネルギーを制御することにより、インキ中から昇華する染料の量を制御することができ、この染料の量に応じて濃淡のある転写画像を形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例の熱転写受像シートは、いずれも、図1に示す層構成を有するものである。
これらの実施例及び比較例の熱転写受像シートの受像層には、以下の材料を使用した。
[塩化ビニルエマルジョン]
日信化学工業株式会社製のビニブラン690(塩化ビニル重量比率80%)または、日信化学工業株式会社製のビニブラン701(塩化ビニル重量比率50%)… 90部
[離型剤]
信越化学工業(株)製 KF352A … 10部
また、断熱層としては、ミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムを使用し、適宜アニール処理の施し方などにより、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率が、0.1%以上6%以下となる様に調整して、断熱層用のポリプロピレンフィルムを作製した。
なお、これら実施例1〜2は、塗膜中の塩化ビニル比率70%以上、かつ断熱層の熱収縮率0.3%以上5%以下となる例である。
また、比較例1〜4は、塗膜中の塩化ビニル比率70%以上、断熱層の熱収縮率0.3%以上5%以下のうちの少なくとも1種が満たされていない例である。
(実施例1)
支持体として紙(日本製紙株式会社製 NATURAL)を使用し、その背面に二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ株式会社製 ルミラーS10,厚さ18μm)を積層して背面層とした。なお、紙と二軸延伸ポリエステルフィルムとは、両者の間に低密度ポリエチレンを溶融押出しして、その接着力によって積層した。
次に、断熱層としてはミクロボイドを有する市販のポリプロピレンフィルムをアニール処理することにより、熱収縮率5%のポリプロピレンフィルムを得た。そして、このポリプロピレンフィルムを前記紙に積層した。
次に、受像層を形成するための受像層塗布液を調製した。この受像層塗布液としては、共に上述したビニプラン690(塩化ビニルの重量比率80%)と離型剤とを配合して調製した。
また、この時の雛型剤の配合量はビニル系エマルション(ビニブラン690)の固形分に対して、離型剤が10重量%となる量であるが、特に制限はない。
次に、前記ポリプロピレンフィルム(断熱層)の表面に下地層を塗布した後、リバースグラビアコート法によって前記受像層塗布液を塗布して塩化ビニル重量比率80%を含有する受像層を形成することにより、実施例1の熱転写受像シートを製造した。
下地層は水系ウレタンとゼラチンを配合した塗布液を塗布して形成した。下地層の厚みは1μmとなるように形成した。
また、受像層の塗布量は2.5g/m(dry)であり、乾燥時の厚みは2.5μmである。したがって、下地層と受像層を含む厚みは3.5μmとなるように形成されている。
(実施例2)
断熱層の熱収縮率が0.3%となるようにミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムにアニール処理を施し、断熱層用のポリプロピレンフィルムを作製した。このような断熱層を使用した点を除き、実施例1と同様に実施例2の熱転写受像シートを作製した。
(比較例1)
断熱層であるミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムの熱収縮率を0.1%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
(比較例2)
断熱層であるミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムの熱収縮率を0.1%となるように調整し、且つ、受像層塗布液において、上述した塩化ビニルの重量比率が50%となるビニブラン701を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
(比較例3)
断熱層であるミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムの熱収縮率を6%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを作製した。
(比較例4)
断熱層であるミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムの熱収縮率を6%となるように調整し、且つ、受像層塗布液において、上述した塩化ビニルの重量比率が50%となるビニブラン701を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
(昇華型熱転写シートの作製)
これら実施例1〜2及び比較例l〜4の各熱転写受像シートの評価に使用した昇紫型熱転写シートは次のように作製した。
先ず、熱転写シート基材として、厚さ4.5μmのポリエステルフィルムを使用し、この熱転写シート基材の背面に、耐熱滑性層を形成した。
次に、各色の昇華性染料を含むインキをグラビア印刷法により印刷して、イエローインキ層、マゼンタインキ層及びシアンインキ層を面順次に形成した。
また、剥離層及び接着層を、前記各着色インキ層に並べて印刷して、保護層とすることにより、昇華型熱転写シートを作製した。
尚、保護層の形成においては、剥離層を各着色インキ層が存在せず、熱転写シート基材が露出した部位に印刷し、接着層はこの剥離層と位置整合させながら、その上に重ねて印刷した。
(熱転写画像の印画濃度)
実施例1〜2及び比較例1〜4の各熱転写受像シートに前記昇華型熱転写シートを重ね合わせ、市販の熱転写式昇華プリンター(三菱電機株式会社製 三菱デジタルカラープリンター、CP−D70D)を用いて、Vステップ画像(グレーの階調パターン、すなわちグレーグラデーション)を印画した。
このようにして形成された転写画像について、分光測色計(i1io2、X−Rite社製)を使用して、その高階調(255階調)印画部のV濃度(ビジュアル濃度)を測色し、光学濃度を測定した。
光学濃度が、2.00以上である場合に、自然画、人肌の色の再現性が十分に確保でき
ており、良好「○」であると判断した。一方、光学濃度が2.00未満である場合、高階調部の光学濃度が十分に得られておらず、不良「×」であると判断した。
(コゲ評価)
上述の熱転写式昇華プリンターを使用して、高階調(255階調)画像を印画し、得られた転写画像につき、目視確認を行い、コゲが認められない場合は「○」と評価し、認められる場合には「×」と評価した。
(熱収縮率測定)
100mm四方に切り出した断熱層用のミクロボイドを有するポリプロピレンフィルムを、100℃、30分間加熱処理し、加熱前の1辺の長さ(X)と、加熱後の1辺の長さ(X’)に関して、下記の式(1)にて算出した。
熱収縮率=(X−X’)*100/X … (1)
各評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 2020055192
(考察)
表1に示した結果より、受像層における塩化ビニル重量比率が70%未満、または断熱層の熱収縮率が0.3%未満の場合には、高階調の発色濃度を確保することができず、一方で、断熱層の熱収縮率が5%より大きくなると、コゲの抑制ができないことが判る。
従って、本発明に記載したように、断熱層の熱収縮率が0.3%以上5%以下で、更には、受像層の塩化ビニル重量比率を70%以上とすることで、コゲの発生を抑制し、且つ、高階調の発色濃度を得ることが可能な熱転写受像シートを提供することができる。
10 … 熱転写受像シート
11 … 支持体
12 … 接着剤層
13 … 断熱層
14 … 下地層
15 … 受像層
16 … 背面層
20 … 昇華型熱転写シート
21 … 熱転写シート基材
22 … 着色インキ層
23 … 耐熱滑性層
24 … イエローインキ層
25 … マゼンタインキ層
26 … シアンインキ層
27 … 剥離層
28 … 接着層
29 … 保護層

Claims (4)

  1. 支持体の一方の面上に、接着剤層、断熱層、下地層及び受像層を備え、且つ、支持体の他方の面に、背面層を備える熱転写受像シートであって、
    前記断熱層が、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率が0.3%以上5%以下であり、
    且つ、前記受像層が塩化ビニル成分を含むことを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記受像層において、前記塩化ビニル成分が、重量固形分比で70%以上含まれることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 支持体の一方の面上に、接着剤層、断熱層、下地層及び受像層を備え、且つ、支持体の他方の面に、背面層を備える熱転写受像シートの製造方法であって、
    前記断熱層として、ミクロボイドを有するポリオレフィンフィルムを用い、前記ポリオレフィンフィルムの熱収縮率を、JIS K 7133(加熱条件100℃、30分)に規定される熱収縮率で0.3%以上5%以下となるように調整する工程を有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  4. 前記ミクロボイドを有するポリオレフィンフィルムの熱収縮率を調整する工程が、アニール処理からなることを特徴とする請求項3に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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