JP2006027264A - 熱転写受容シートの印画方法 - Google Patents

熱転写受容シートの印画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サーマルプリンターを用いる受容シートの印画方法において、印画後の受容シートのカールが小さく、取り扱い性が良好で、外観に優れた印画物を得ることが可能な印画方法を提供する。
【解決手段】染料熱転写シートと重ね合わせ、熱転写プリンターのサーマルヘッドからの熱を印加して画像受容層に画像を形成する熱転写受容シートの印画方法において、下記の要件(1)および(2)を同時に満足する熱転写受容シートの印画方法。(1)熱転写受容シート全体の厚さ(L)と、プリンターのプラテンロール半径(R)の比率(L/R)が、0.01〜0.07。(2)サーマルヘッドによって画像受容層に熱転写画像が形成された後に、熱転写受容シートの裏面側が、プラテンロール表面に巻き付けられて搬送され、その巻き付け角度が2〜25°。
【選択図】 図1

Description

本発明は、染料熱転写シートと重ね合せ、サーマルヘッドをデバイスとして、色剤を熱転写することにより画像を得る熱転写受容シートの印画方法に関する。更に詳しく述べるならば昇華性染料を色剤とする熱転写方式に使用され、フルカラーで高濃度の記録画像が形成可能な熱転写受容シート(以下、単に受容シートと略す。)の印画方法に関する。
近年、サーマルプリンター、特に鮮明なフルカラー画像がプリント可能な熱転写プリンターが注目されてきた。熱転写プリンターは熱により、昇華もしくは溶融拡散して移行する染料を含有する染料層を有する染料熱転写シート(以下、インクリボンともいう。)と、フィルム支持体の片面に前記熱転写シートの染料を受容する画像受容層(以下、単に受容層と略す。)を有する受容シートを用い、染料層と受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ受容層上に転写して画像を形成するものである。特に昇華性を有する染料を用いた染料熱転写方式は高画質のプリントが可能であることから、銀塩写真との置き換えが進みつつある。
受容シートは、プリンターの種類により、枚葉シート状、又はロール状の形態で使用される。枚葉状シートは少量の枚数でも扱いやすく、プリンターでのカットが必要でないなどのメリットがあるが、プリンターに枚葉シートで給紙される時に枚葉シートが2枚以上重なって給紙されるいわゆる重送等の給紙トラブルが発生し易い。一方、ロール状受容シートは、重送等の給紙不良の問題がなく、印画時にロールの流れ方向に対する印画面積を設定することができ、予め枚葉状に裁断する必要が無いことから、受容シートの低価格化が可能となるが、少量の枚数では扱いにくく、プリンターによるカット工程が必要となる。
受容シートがトラブルなく、給紙、印画、排紙されるためには受容シート間の摩擦係数、受容シートと搬送ロール間の摩擦係数、受容シートの厚さ、寸法安定性、カール等が問題となる。中でも受容シートのカールは印画及び給排紙トラブルの大きな原因となる。受容シートの印画前のカールが大きいと、受容シートがプリンター内部の搬送ロールやガイドに引っ掛かり、紙詰まりを生じる。また、印画の際に、サーマルヘッドとの密着性が悪化するおそれがある。
受容シートは、印画時にサーマルヘッドにより高熱が加えられることにより、熱変形を起こして印画後カールが発生し、排紙不良の原因となり、さらに印画した受容シートの外観を損ねる。上記熱変形としては受容層自体の収縮の他、受容シートの支持体として使用している延伸フィルムが、延伸された時の残留応力により、延伸方向に収縮して受容シートにカールを発生させる。また、サーマルヘッドとプラテンロールによる圧力による変形、紙送りの際の引張りによる変形が生じてもカールを発生させる。
印画後カールを改善するために、受容シートの支持体として、セルロース繊維紙にプラスチックフィルムをラミネートしたもの、セルロース繊維紙に樹脂を押出しラミネートしたもの、あるいは支持体が樹脂フィルムからなり、樹脂フィルムの熱収縮率を2.0%以下としたものなどがある(例えば、特許文献1,2参照)。しかし、印画時の熱による収縮応力は大きいため、単に支持体の材質や剛度を上げただけでは、印画後カールの改善効果が低い。また、このような問題を解決するために、支持体の裏面に樹脂層を設けた受容シートが提案されている(例えば、特許文献3,4参照。)が、一般に印画時の熱による収縮応力の方が大きく、印画後カールの改善効果が十分に得られない。
さらに、受容層面を外側としてコアに巻かれた受容シートのカール矯正のために、受容層面を内側にしてロール状にして矯正する方法(例えば、特許文献5参照)、あるいは印画前に受容シート裏面側をプラテンロール表面に巻き付け、一定のカールを付与して給紙する方法(例えば、特許文献6参照。)等が提案されている。しかし、印画前の受容シートのカールを制御しても、印画時の熱による収縮応力の影響が大きいため、印画後カールの改善には限界がある。
特開平6−15975号公報(第2頁) 特開平7−125466号公報(第2頁) 特開平8−169186号公報(第2頁) 特開平6−135024号公報(第2頁) 特開平7−125459号公報(第2頁) 特開平10−193816号公報(第2頁)
本発明の解決すべき課題は上述したように、サーマルプリンター、特に染料熱転写タイプのプリンターを用いる受容シートの印画方法において、印画後の受容シートのカールが小さく、取り扱い性が良好で、外観に優れ、銀塩写真と同等な印画物を得ることが可能な印画方法を提供することである。
(1)染料熱転写シートと重ね合わせ、熱転写プリンターのサーマルヘッドからの熱を印加して画像受容層に画像を形成する熱転写受容シートの印画方法において、熱転写プリンターが、サーマルヘッドとこれに対向するプラテンロールとを有しており、かつ要件(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする熱転写受容シートの印画方法。
(1)熱転写受容シート全体の厚さ(L)と、プリンターのプラテンロール半径(R)の比率(L/R)が、0.01〜0.07。
(2)サーマルヘッドによって画像受容層に熱転写画像が形成された後に、熱転写受容シートの裏面側が、プラテンロール表面に巻き付けられて搬送され、その巻き付け角度が2〜25°。
(2)前記熱転写受容シートの、JIS C2151に準拠する100℃における熱収縮率が0.05〜1.0%である(1)項に記載の熱転写受容シートの印画方法。
(3)前記熱転写受容シートは、芯材層の両面に多孔質構造を含む熱可塑性樹脂フィルムが積層された、少なくとも3層の積層構造を有するシート状支持体の少なくとも一方の面に、画像受容層を設けたものである(1)項または(2)項に記載の熱転写受容シートの印画方法。
(4)前記画像受容層が形成される側の熱可塑性樹脂フィルムの、JIS C2151に準拠する100℃における熱収縮率が0.05〜1.0%である(3)項に記載の熱転写受容シートの印画方法。
(5)前記熱転写受容シートが、紙基材の少なくとも一面に中空粒子を含有する中間層、および画像受容層を順次形成した熱転写受容シートであり、熱転写受容シート全体の厚さが100〜300μmであり、かつ熱転写受容シート全体の厚さに対する紙基材の厚さの割合(%)が70〜85%である(1)項に記載の熱転写受容シートの印画方法。
(6)前記熱転写受容シートの、TAPPI T543 84に規定する、プリンターへの給紙方向のガーレー剛度が500〜2000SGUである(5)項に記載の熱転写受容シートの印画方法。
本発明の熱転写印画方法により、印画後の受容シートのカールが殆どなく、取扱い性がよく、外観に優れた印画物を得ることが可能となった。
図1に本発明の熱転写プリンターよる印画方法の概略を示すが、本発明を限定するものではない。熱転写プリンターが、サーマルヘッド4と、これに対向するプラテンロール3とを有しており、受容シート1の受容層面に、インクリボン2のインク層が重ねられて給紙され、サーマルヘッド4により印画された後、ガイド5により、受容シート裏面がプラテンロール円周上に接触した状態で、一定の巻き付け角度6を保ちながら搬送される。
本発明における受容シートのカールの方向については、受容シートの受容層面を上にして水平な面に置いた時、受容層面側に凹にカールしている場合をトップカール、また受容シートの受容層面を上にして水平な面に置いた時、受容層面側に凸にカール(裏面側に凹カール)している場合をバックカールと称する。
熱転写プリンターを用いて、受容シートの受容層面側に印画すると、受容層自体及び支持体の受容層面側が選択的に加熱される。受容シート走行方向と直交する方向には受容層自体及び支持体の受容層面側が熱収縮力を発現し、トップカールを起こさせようとする。例えば、受容シート走行方向において、受容層自体及び支持体の受容層面側が熱収縮を発現しようとするが、印画後、受容シートの裏面側がプラテンロール接するようにして巻き付けることにより、受容シートに曲げ応力が発生するため、受容層自体や支持体の受容層面側が熱伸長することが可能である。
熱伸長の度合いは、プラテンロールに巻き付けられる度合いによって異なり、印画後の受容シートが、プラテンロール上のサーマルヘッドが接する位置での接線よりプラテンロール側に搬送される角度が大きいほど、巻き付け度合いが強くなるために、伸長度合いも大きくなる。また、熱伸長の度合いはプラテンロール径と受容シート厚さによっても異なり、プラテンロール半径が小さいほど、受容シート厚さが大きいほど伸長度合いが大きくなる。例えば、半径(R)のプラテンロールに厚さ(L)の受容シートが巻き付けられることにより、受容シートがプラテンロールの接点では固定された状態で受容層側に行くほど伸長すると仮定した場合、最外部の受容層表面の伸長率はL/Rとなる。つまりL/Rの比率が大きいほど熱伸長の度合いは大きくなる。
以上のように、受容層自体及び支持体の受容層面側が収縮する場合はトップカール、受容層自体及び支持体の受容層面側が熱伸長する場合はバックカールを起こさせようとする。
印画後の受容シートのカールは、受容シート走行方向の直交方向のトップカール成分と、受容シート走行方向のトップまたはバックカール成分との兼ね合いで決まる。つまり、受容シート走行方向がトップカール成分を持てば、シートはトップカールとなり、受容シート走行方向がバックカール成分を持ち、受容シート走行方向の直交方向のトップカール成分より大であれば、受容シートはバックカールとなる。
熱転写プリンターを用いて、受容シートを印画した直後に、適度なバックカールまたは適度なトップカールを得るためには、熱転写プリンターが、サーマルヘッドとこれに対向するプラテンロールとを有しており、かつ下記の要件(1)および(2)を同時に満足することが必要である。
(1)受容シート全体の厚さ(L)と、プリンターのプラテンロール半径(R)の比率(L/R)が、0.01〜0.07。
(2)サーマルヘッドによって画像受容層に熱転写画像が形成された後に、受容シートの裏面側が、プラテンロール表面に巻き付けられて搬送され、その巻き付け角度が2〜25°。
巻き付け角度が2°未満では、プラテン巻き付け効果が十分に得られないため、サーマルヘッドからの熱で受容シートの受容層側が収縮して、受容シートは、トップカールが大きくなる。一方、巻き付け角度が25°を超えると、受容シート走行方向が大きなバックカール成分を持つため、受容シートはバックカールが大きくなる。巻き付け角度は、2〜20°が好ましく、5〜15°がより好ましい。
印画後の受容シートの搬送方向としては、プラテンロール上のサーマルヘッドが接する位置での接線方向より、プラテンロール側に角度約2〜25°の方向に搬送されるのが好ましい。
さらに、L/Rの比率が0.01未満では、受容シート走行方向のバックカール成分が小さく、受容シートはトップカールが大きくなり、一方、L/Rの比率が0.07を超えると、受容シート走行方向が大きなバックカール成分を持つため、受容シートもバックカールが大きくなる。さらに、L/Rの比率は、0.02〜0.05の範囲が好ましい。
プラテンロール半径(R)は、4〜50mmが好ましく、5〜15mmがより好ましい。Rが4mm未満では、サーマルヘッドと受容層の密着性が不十分となり、画質が悪化することがある。一方、Rが50mmを超えると、巻き付け角度を大きくしても、十分なカールコントロール効果が得られないことがある。
また、受容シートの厚さ(L)は、100〜300μmが好ましく、150〜250μmがより好ましい。Lが100μm未満では、プラテンロール巻き付けによって生じる受容シートの曲げ応力が小さく、カールコントロール効果が得られないことがある。また、Lが300μmを超えると、受容シートの曲げこわさが大き過ぎて、プラテンロールに巻き付けたとき、均一に巻き付けられないことや、折れて皺を生じることがある。
印画前受容シートのカール(単に、印画前カールとも言う。)の軸が熱転写プリンターでの給排紙方向と平行な方向であると、印画時に受容シートとプリンターのサーマルヘッドとの密着性が劣り、画質が不良となることがある。印画前受容シートの4隅のカール高さの最大値は、トップカールあるいはバックカールで15mm以下が好ましい。印画前受容シートの4隅のカール高さの最大値が、トップカールあるいはバックカールで15mmを超えると、給紙不良や、プリンター内での走行不良を起こすことがある。
印画前カールを好ましい範囲に制御するには、受容シートの支持体が厚さ方向に対して対称構造であることが好ましく、例えば、芯材層の両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された少なくとも3層からなる積層構造をとることが好ましい。両面に積層するフィルムは表裏同じ厚さ、同じ材質であることが好ましく、同一のフィルムを表裏に積層することがより好ましい。
(フィルム系支持体)
受容シートの印画後カール改善のために、シート状支持体として種々の基材が開発され、熱処理などによる熱収縮率の制御、各種基材の積層等、様々な構成が開示されている。
本発明の受容シートについては、特に限定するものではなく、一般に使用されている受容シートが、本発明の印画方法に適している。通常、受容シートに用いられているフィルム支持体の100℃における熱収縮率は、0.05〜1.0%程度であり、得られる受容シートの熱収縮率もほぼ同様な範囲であり、好ましくは、0.2〜0.7%の範囲である。
またフィルム積層型の支持体は、少なくとも受容層が形成される側の熱可塑性樹脂フィルム(表層基材)の100℃における熱収縮率が0.05〜1.0%であることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮率が1.0%を超えると、寸法安定性が低下して経時で収縮し、受容シートがカールを生じることがある。一方、熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮率が0.05%未満の場合は、一般に入手が難しく、また、延伸処理が不十分なために熱可塑性フィルムにコシが不足して、受容シートとしての風合いが劣ることがある。なお、本発明の熱収縮率は、JIS C2151に準拠して、加熱温度100℃、加熱時間30分で測定した値である。
本発明の受容シートに使用されるシート状支持体としては、例えば、芯材層の両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された、少なくとも3層からなる積層構造のシート状支持体が好ましく使用される。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル等の非孔質延伸フィルムまたは多孔質延伸フィルムが使用される。
フィルム積層型のシート状支持体の表層基材(受容層を形成する側の基材)としては、印画濃度、印画画質の均一性、階調性、フィルムの耐熱性等の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂を主成分としたフィルムが好ましく、特に好ましくはポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とするフィルムである。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂とこれに非相溶性の樹脂を混合し(あるいは、必要により、無機顔料を添加してもよい。)、この樹脂組成物を延伸して空隙を形成した多孔質構造からなる層を含有する単層あるいは多層構造の多孔質延伸ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。なお多層構造の多孔質延伸フィルムは、フィルム中に少なくとも1層以上の多孔質構造を有する層を含有する2層以上の複層構造フィルムを意味し、その構成する全層が多孔質構造であってもよいし、多孔質構造を有さない層が存在してもよい。
フィルム積層型のシート状支持体の表層基材に用いられるポリエステルフィルムは、テレフタル酸およびエチレングリコールからなるホモポリマー、または、テレフタル酸、エチレングリコールに第三成分を共重合させたコポリマーが使用できる。このようなコポリマーは公知であり、第三成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが用いられる。またポリエステルフィルムは延伸されたものであることが好ましく、この延伸ポリエステルフィルムはクッション性及び断熱性を高める為に多孔質構造を持つことが好ましい。
ポリエステル樹脂中に多孔質構造を形成するには、ポリエステル樹脂中に非相溶性樹脂を(場合によっては、更に無機微細粉末を)均一に分散させ、この樹脂組成物から形成されたフィルムを延伸することによって得られる。ポリエステル樹脂に対する非相溶性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、及びそれらの共重合体などが挙げられるが、これらに限られる訳ではない。ポリエステル樹脂に含まれる無機微細粉末としては、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられるが、これらは単一種で用いられてもよく、あるいは二種類以上の混合物でもよい。
多孔質延伸ポリエステルフィルム等の表層基材の厚さは25〜75μmが好ましく、より好ましくは35〜55μmである。表層基材の厚さが25μm未満では、フィルムの製造が難しく、コスト的に不利となることがある。また厚さが75μmを超えると、フィルムの剛度が高い為、得られる受容シートの風合いが紙と異なる傾向となり、好ましくない。
またフィルム積層型のシート状支持体の芯材層としては、表面が平滑な熱可塑性樹脂フィルムや紙が好ましい。具体的には、多孔質延伸ポリエステルフィルム、非孔質延伸ポリエステルフィルム、多孔質延伸ポリオレフィンフィルム、非孔質延伸ポリオレフィンフィルム、上質紙、塗工紙などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明の芯材層に用いられる多孔質延伸ポリオレフィンフィルムは、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、メチル−1−ペンテン系樹脂等を主成分とするフィルムが使用される。中でも耐薬品性及びコストの面からプロピレン系樹脂を主成分として使用することが好ましい。プロピレン系樹脂としてはプロピレンの単独重合体及びプロピレンとα−オレフィンとの共重合体を使用できる。プロピレン系樹脂にはプロピレン単独重合体よりも融点の低い樹脂(例えば高密度ないし低密度ポリエチレン)を2〜25質量%配合して使用することが好ましい。またポリオレフィンフィルムは延伸されたものであることが好ましく、この延伸ポリオレフィンフィルムはクッション性及び断熱性を高める為に多孔質構造を持つことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂中に多孔質構造を形成するには、ポリオレフィン樹脂中に無機微細粉末及び/又は有機フィラーを均一に分散させ、この樹脂組成物から形成されたフィルムを延伸することによって得られる。ポリオレフィン樹脂に含まれる無機微細粉末としては、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられるが、これらは単一種で用いられてもよく、あるいは二種類以上の混合物でもよい。
有機フィラーを添加する場合は主成分であるポリオレフィン系樹脂とは異なる種類の樹脂を選択するのが好ましい。ポリオレフィン樹脂に含まれる有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン6、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の重合体であって、ポリオレフィン系樹脂の融点より、高い融点ないしガラス転移点温度を持つ重合体を使用することができる。
本発明の芯材層に用いられる多孔質延伸ポリエステルフィルムは、前記のシート状支持体の表層基材(受容層を形成する側の基材)の項で述べたような多孔質延伸ポリエステルフィルムを使用することができる。また、非孔質延伸ポリエステルフィルムはポリエステル樹脂中に非相溶性樹脂を含有しない樹脂組成物から形成されたフィルムを延伸することによって得られる。また本発明の芯材層に用いられる紙としては上質紙、塗工紙などが挙げられる。鏡面でキャストしたものやカレンダー処理を施したものは平滑性が高いため好ましい。
なお芯材層の厚さは30〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜150μmである。芯材層の厚さが30μm未満では積層構造支持体の製造工程においてフィルムの腰が乏しく作業性が劣ることがある。また芯材層の厚さが200μmを超えると、得られる受容シート全体の厚さが過大となり、受容シートの剛度が高くなり過ぎることがある。
フィルム積層型のシート状支持体の裏面基材(受容層を形成する面とは反対側の基材)としては、カール対策等の点から、好ましくは表層基材と同質のシートまたはフィルムが使用される。本発明のシート状支持体としては、多孔質延伸ポリオレフィンフィルム(合成紙)を芯材として、表裏に多孔質延伸ポリエステルフィルムを積層した積層構造の支持体が、特に好ましく用いられる。
フィルム積層型のシート状支持体形成の際の積層方法としては、特に限定されるものではないが、ウェットラミネート、エキストルージョンラミネート、ドライラミネート、ワックスラミネート等の公知の技術が用いられてよく、一般にドライラミネート法やエキストルージョンラミネート法が用いられる。ドライラミネート用接着剤としてはポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系等の接着剤を用いることができる。エキストルージョンラミネート法としては接着剤としてポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が用いられる。
(アンカー中間層)
本発明の受容シートには、主にフィルム積層型の場合、シート状支持体と受容層との間の接着性及び受容シートの帯電防止性改善の為、シート状支持体と受容層との間にアンカー中間層(アンカー層とも称する。)を設けてもよい。このアンカー層形成の為に使用される樹脂としては各種の親水性樹脂、疎水性樹脂が使用可能であり、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー及びその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸又はその塩、ポリアクリル酸エステル等のアクリル基を含有するポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル等のメタクリル基を含有するポリマー、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、澱粉、変性澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の樹脂を使用することが出来る。
アンカー層には必要に応じて、更に公知の帯電防止剤、架橋剤、増粘剤、滑剤、離型剤、消泡剤、濡れ剤、レベリング剤、増白剤等の各種助剤を添加することも可能である。帯電防止剤については、導電性樹脂や導電性無機顔料等の導電剤が添加される。導電性樹脂としてはカチオン型、アニオン型、ノニオン型の導電性樹脂があり、カチオン型導電性樹脂が好ましく使用される。カチオン型導電性樹脂としては、ポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等が挙げられる。架橋剤については、アンカー層の耐水性、耐溶剤性の向上の為に前述のイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等を添加することが好ましい。
前記アンカー層の固形分塗工量は0.2〜5g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜3g/mの範囲である。因みに固形分塗工量が0.2g/m未満であると、アンカー層としての接着性改善効果が少なく、また固形分塗工量が5g/mを超えると、ブロッキングや操業性が低下することがある。
本発明で使用されるシート状支持体は100〜300μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが100μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、受容シートとしての質感が劣ることがある。また、厚みが300μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となり、枚葉シート状の場合、給紙カセットの容積増大を招き、また、例えばロール状受容シートの場合、所定の巻き長さを収容しようとするとプリンターの容積増大を招き、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
本発明で用いられるシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した構成でもよく、ラベルタイプ(いわゆるステッカー、シールタイプ。)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。第2の基材の裏面側には裏面層を設けてもよい。
(紙基材)
さらに、本発明のシート状支持体として、紙基材を用いることができ、セルロースパルプを主成分とする紙類は熱収縮性が低く、断熱性が良好であり、受容紙としての風合いが良好であり、更に価格も安価であることから好ましく使用される。例えば、セルロースパルプを主成分とする紙基材と受容層の間に、中空粒子を含有する中間層(中空粒子含有中間層とも称する。)を有する受容シートがより好ましく使用される。紙基材を支持体とする受容シートでは、カール矯正処理の十分な効果を得るには、一定の剛度が必要であり、例えば、受容シートの厚みや、受容シートに対するシート状支持体の厚さの比率等によって適宜調整される。
受容シートの、TAPPI T543 84に規定する、プリンターへの給紙方向(即ち、印画方向に相当する方向)のガーレー剛度は500〜2000SGUであることをが、好ましく、より好ましくは600〜1800SGUであり、さらに好ましくは700〜1700SGUである。プリンターへの給紙方向のガーレー剛度が500SGU未満の場合、塑性変形が起こり難く、カール矯正効果が得られないことがある。プリンターへの給紙方向のガーレー剛度が2000SGUを超える場合、カールを矯正するために大きなエネルギーが必要となり、プラテンロールに巻きつけても十分な矯正効果が得られないことがある。張力を上げてプラテンロールに強く押しつければ、カール変形量を大きくできることがあるが、搬送ロールのニップを上げる必要が生じて受容シートの表面を傷つけることや、また、無理にカールをつけると受容シート表面にシワを生じることがある。
受容シートの厚さは100〜300μmが好ましく、さらに好ましくは150〜260μmである。受容シートの厚さが100μm未満の場合、巻きつけ時の受容シートの内側と外側の変形量の差が小さいため、プラテンロールに巻きつけられても塑性変形が起こりにくく、また、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、受容シートとしての質感が劣ることがある。受容シートの厚さが300μmを超える場合、巻きつけ時の受容シートの内側と外側の変形量の差が大きすぎて、シワを生じることがある。枚葉シート状の場合、給紙カセットの容積増大を招き、また、例えばロール状受容シートの場合、所定の巻き長さを収容しようとするとプリンターの容積増大を招き、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
また、受容シート全体の厚さ(L)に対する紙基材の厚さ(W)の割合((W/L)×100%)が70〜85%であることが好ましい。W/Lの割合が70%未満の場合、プラテンロールへの巻きつけによるカール制御が行えないことがあり、つまりプラテンロールへの巻きつけによる変形は主に紙基材の変形によって生じるため、カール矯正効果が得られ難くなることがある。一方、W/Lの割合が85%を超える場合、中空粒子含有中間層の厚さが不十分となり、ヘッドとの密着性が悪化して印画抜けを生じることや、また基紙の地合の影響を受けて印画ムラを生じることがあり、画質が低下するおそれがある。
本発明に用いられる紙基材としては、例えば、上質紙(酸性紙、中性紙等)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、キャスト塗被紙、少なくとも一方にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、熱膨張性粒子を含有する発泡紙、板紙等のセルロースパルプを主成分とする紙類、等が適宜用いられる。
(中空粒子含有中間層)
本発明における中空粒子含有中間層としては、バインダー樹脂と中空粒子とを主成分として多孔質構造を有し、クッション性が高いため、シート状支持体として紙基材を使用した場合にも高感度の受容シートが得られる。中間層に中空粒子を含有させることにより、受容シートに適度の変形自由度を与え、プリンターヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性及び密着性が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するプリンターヘッドの熱効率が向上し、印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加操作において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
本発明の中空粒子含有中間層において使用される中空粒子は、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空部とからなるものであり、中空粒子の製造方法については格別の制限はないが、下記(イ)、(ロ)のようにして製造されたものの中から選ぶことができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を熱膨張させて製造された発泡中空粒子(以下「既発泡中空粒子」とも称する場合がある。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成性用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、前記気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子。
本発明に使用する中空粒子の平均粒子径は0.2〜30μmであり、好ましくは0.5〜10μmであり、より好ましくは0.8〜8μmである。中空粒子の平均粒子径が0.2μm未満の場合には、得られる中空粒子の体積中空率が低い為、断熱性、クッション性が概して低くなる為に、感度及び画質向上効果が十分に得られないことがある。また平均粒子径が30μmを超えると、得られる中空粒子含有中間層表面の平滑性が低下し、受容シート表面の凹凸が増加して、熱転写画像の均一性が不十分で、画質が劣ることがある。
また、本発明で使用する中空粒子の最大粒子径は100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。中空粒子の最大粒子径が100μmを超えると、熱転写画像において、粗大粒子に起因する印画の濃淡ムラや白抜けが発生して、画質が劣ることがある。中空粒子中に最大粒子径が100μmを超える粗大粒子を含まないようにする為には、一般的に正規分布の状態を示す中空粒子の製造においては、平均粒子径の設定値を調節することで対応することが可能である。また粒子の分級工程を設けることによって、確実に粗大粒子を含有しない中空粒子を得ることができる。なお、本明細書記載の中空粒子の粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、レーザー回折式粒度分布測定器(商品名:SALD2000、島津製作所製)を用いて測定した値である。
本発明において使用する中空粒子の体積中空率は40〜95%が好ましく、より好ましくは75〜95%である。体積中空率が40%未満では、画質が低下することがある。また体積中空率が95%を超えると、塗工層の強度が劣り、塗工、乾燥時に中空粒子が破壊されて表面平滑度の低下を招くことがある。
中空粒子含有中間層における中空粒子の配合量は、中空粒子含有中間層全体の全固形分質量に対する中空粒子質量の比率で30〜75質量%の範囲が好ましく、35〜70質量%の範囲がより好ましい。中空粒子含有中間層全体の全固形分質量に対する中空粒子の質量比率が30質量%未満では、中空粒子含有中間層の断熱性や、クッション性が不十分となり、感度及び画質向上効果が十分に得られないことがある。また中空粒子の質量比率が75質量%を超えると、得られる中空粒子含有中間層用塗料の塗工性が低下して、塗膜強度が不十分となることがあり、所望の効果が得られないことがある。
中空粒子含有中間層が、所望の断熱性、クッション性等の性能を発揮する為には、中空粒子含有中間層の膜厚は20〜90μmが好ましく、さらに好ましくは25〜85μmである。中空粒子含有中間層の膜厚が20μm未満では断熱性やクッション性が不足し、感度及び画質向上効果が不十分なことがある。また膜厚が90μmを超えると、断熱性やクッション性の効果が飽和し、それ以上の性能が得られないことがあり、経済的にも不利となることがある。
本発明の中空粒子含有中間層は、中空粒子と接着剤樹脂を含有する。本発明の中空粒子含有中間層用塗料は、中空粒子の耐溶剤性を考慮すると、水性系塗料であることが好ましい。従って、接着剤樹脂は水性、有機溶剤性の両者が使用可能であるが、水性系樹脂であることがより好ましい。使用される接着剤樹脂としては特に限定されず、例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂及びその誘導体、カゼイン、デンプン誘導体等の親水性高分子樹脂が成膜性、耐熱性、可撓性の観点から好ましく使用される。また(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種樹脂のエマルジョンが、低粘度高固形分の水系樹脂として使用される。なお中空粒子含有中間層の塗膜強度、接着性、塗工性の面から中空粒子含有中間層に使用される接着剤樹脂は、上記の親水性高分子樹脂と各種樹脂のエマルジョンを併用することが好ましい。
中空粒子含有中間層には、必要に応じて各種の添加剤、例えば帯電防止剤、無機顔料、有機顔料、樹脂の架橋剤、消泡剤、分散剤、有色染料、離型剤、滑剤等の1種或いは2種以上を適宜選択して使用してもよい。
(バリア層)
本発明においては、必要により中空粒子含有中間層上にバリア層を設けてもよく、このバリア層上に受容層が設けられる。このバリア層は、受容層用塗料の溶媒が概してトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤であり、有機溶剤浸透による中空粒子含有中間層の中空粒子の膨潤、溶解による破壊を防ぐための障壁として有効である。また、中空粒子含有中間層表面は中空粒子含有中間層の中空粒子に起因する凹凸がある為、その上に設ける受容層も表面に凹凸を有することがあり、得られる画像はこの凹凸により、白抜けや濃淡ムラが多く、画像均一性や解像力に問題の生ずることがある。この不具合を改善する為に、柔軟性、弾力性のあるバインダー樹脂を含有するバリア層を設けることは画像品質向上に有効である。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性高分子樹脂が水溶液として使用される。またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。上記の樹脂の中でも、水溶性高分子樹脂が好ましく使用される。また上記の樹脂は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよい。
本発明のバリア層は、好ましくは水系塗工液を用いて形成される。水系塗工液は中空粒子の膨潤及び溶解を防ぐために、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール系溶剤、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、DMF、セロソルブ等の高沸点高極性系溶剤等の有機溶剤を過剰に含有しないことが好ましい。バリア層の固形分塗工量は0.5〜10g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは1〜8g/mの範囲である。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m未満ではバリア層が中空粒子含有中間層表面を完全に覆うことができない場合があり、有機溶剤の浸透防止効果が不十分である場合がある。一方、バリア層固形分塗工量が10g/mを超えると、塗工効果が飽和し、不経済であるばかりでなく、バリア層の厚さが過大となることによって中空粒子含有中間層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(受容層)
本発明の受容シートにおいて、シート状支持体上に、中空粒子含有中間層を介してあるいは直接に設けられた受容層は、染料染着性樹脂を主成分として含み、必要に応じて更に、架橋剤、融着防止剤、紫外線吸収剤等の1種以上を適宜加えた塗料を、中空粒子含有中間層表面上あるいはシート状支持体上に塗布し、これを乾燥し、更に架橋して形成される。
本発明の受容層で使用される染料染着性樹脂としては、染料との親和性が良好で染料染着性の高い樹脂が使用される。このような樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
本発明の受容層では架橋剤が用いられてもよい。架橋剤としては化学反応で硬化あるいは重合するタイプの化学反応型の架橋剤が好ましい。化学反応型架橋剤としては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等の付加反応型、レゾール等の熱硬化型、2−シアノアクリル酸エステル、アルキルチタネート等の湿気硬化型、ウレア等の縮合反応型の架橋剤等が挙げられる。付加反応型の架橋剤として、例えばイソシアネート化合物、及びエポキシ化合物等の架橋剤が好ましく用いられる。架橋剤の配合量は、受容層全固形分に対する配合比率で1〜30質量%程度が好ましい。
本発明の受容層中には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、融着防止剤、有色顔料、有色染料、蛍光増白剤、可塑剤、酸化防止剤、無機顔料、紫外線吸収剤等も添加可能である。融着防止剤としては離型剤、滑剤が用いられ、例えば、アミノ変性、ヒドロキシ変性、カルボキシ変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル、非変性シリコーンオイル、シリコーンアクリル樹脂等のシリコーン系樹脂、変性シリコーンオイルとイソシアネート化合物とのプレポリマー、シリコーン化合物、フッ素化合物、脂肪酸エステル化合物および燐酸エステル化合物等のうちから1種あるいは2種以上が用いられる。
紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、フェニルサリシレート系及びシアノアクリレート系紫外線吸収性化合物が用いられる。これらの各種の受容層添加成分は架橋剤を介して架橋反応を起こしてもよい。これらの添加剤は受容層の主成分と混合して塗工されてもよいし、また別の塗工層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の固形分塗工量は1〜12g/m、好ましくは3〜10g/mの範囲で調節される。因みに受容層の固形分塗工量が1g/m未満では受容層が支持体表面を完全に覆うことができず、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドの加熱により、受容層とインクシートが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方固形分塗工量が12g/mを超えると、効果が飽和し不経済であるばかりでなく、受容層の強度が不足したり、受容層の厚みが増大するため支持体の断熱効果が十分に発揮されず画像濃度が低下することがある。
(裏面層)
本発明の受容シートには、シート状支持体の裏面(受容層が設けられている側とは反対側の面)に裏面層が設けられていてもよい。裏面層は接着剤として有効な樹脂を主成分とし、架橋剤、帯電防止剤、融着防止剤、無機及び/又は有機顔料等を含んでいてもよい。
本発明の裏面層には、接着剤として有効な裏面層形成用樹脂が用いられる。この樹脂は裏面層と支持体との接着強度向上、受容層面の傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜前述のポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を裏面層塗料中に配合してもよい。
本発明の裏面層には、静電気防止の為に導電性樹脂や導電性無機顔料等の帯電防止剤が添加される。導電性樹脂としてはカチオン型、アニオン型、ノニオン型の導電性樹脂があり、カチオン型導電性樹脂としては、例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等が特に好ましく使用される。また導電性無機顔料としては、酸化物及び/又は硫化物などの化合物半導体顔料および前記化合物半導体顔料を被覆した無機顔料等が挙げられる。
本発明の裏面層には、有機または無機フィラー等の摩擦係数調整剤を必要に応じて配合することができる。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層には必要に応じて、滑剤、離型剤等の融着防止剤を含有することも可能である。例えば、融着防止剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/mの範囲内にあることが好ましい。更に好ましくは1〜8g/mである。裏面層の固形分塗工量が0.3g/m未満であると、受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また塗工欠陥が発生し表面電気抵抗値が上がることがある。一方固形分塗工量が10g/mを超えると、効果が飽和し不経済である。
また本発明の受容シートは、熱転写方式による印画を行った後に画像保護層を形成してもよい。画像保護層形成は、インクリボンに転写用画像保護層を設け、加熱により熱転写画像上に画像保護層を転写するいわゆる転写方式や、実質的に透明なシートを熱転写画像上に貼着積層する貼着方式等がある。
一般には、受容シートは、プリンターの種類により、枚葉シート状、又はロール状の形態で使用される。通常の受容シートは、サーマルヘッドからの熱で受容層側にカールするため、本発明は、枚葉シート状、ロール状の両方に適応可能である。ロール状受容シートの場合には、紙管径を検討することにより巻癖カールを付与することもできるが、枚葉シート状では、カールコントロールができず、さらに印画前のカールが大きいものは給紙不良を起こすため、本発明は特に枚葉シート状形態に有効である。
本発明におけるアンカー層、受容層、裏面層、および中空粒子含有中間層等の各塗工層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコーター、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを用いて、塗工、乾燥して形成することができる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「%」及び「部」は、特に断らない限り、溶剤に関するものを除いて固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
(支持体の形成)
ポリプロピレンを主成分とし、無機顔料として炭酸カルシウムを含有する1軸及び2軸延伸された厚み110μmの多孔質多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPG110、ユポ・コーポレーション製)を芯材とし、その両面にポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸された厚み50μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルム(商品名:E63S、東レ製、熱収縮率0.4%)を、ウレタン系接着剤を使用して、ドライラミネート方式で貼合し、支持体を得た。
(裏面層の形成)
上記支持体の片面に下記組成の裏面層用塗工液−1を、固形分塗工量が3g/mになるように塗工、乾燥して裏面層を形成した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 35部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 25部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、神東塗料製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 20部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 10部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
(アンカー層の形成)
上記で得られた支持体の受容層側となる多孔質多層構造ポリエステルフィルム面上に下記組成のアンカー層用塗工液−1を、固形分塗工量が1g/mになるように塗工、乾燥してアンカー層を形成した。
アンカー層用塗工液−1
アクリル酸エステル樹脂(商品名:SAR615A、中央理化工業製) 50部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 50部
水/イソプロピルアルコール=4/6(質量比)混合液 400部
(受容層の形成)
次に上記アンカー層上に下記組成の受容層用塗工液−1を、固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥して受容層を形成した。
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF101、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、三井武田ケミカル製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 300部
更に受容層乾燥後の受容シートを熱処理して受容層を架橋する工程において、受容シートを、受容層塗工面がロールの内面になるように外径170mmの巻き芯にロール状に巻き取り、直ちに防湿包装して温度50℃、相対湿度30%に制御された熱処理室中に5日間放置して受容層の架橋を行った。
(印画前受容シートのカール外観)
仕上がった受容シートを、ロールの流れ方向と断裁後の長手方向を合わせるように、A6サイズに断裁した。印画前の受容シートのカールはフラットであり、受容シート全体の厚さは230μmであった。
(印画後受容シートのカール高さ)
搬送ロールの位置によって、プラテンロール上のサーマルヘッドが接する位置での接線方向と搬送方向との角度(以下、巻き付け角度と称する。)を可変とし、プラテンロール径を交換できる熱転写プリンターを自作した。半径22mmのプラテンロールを使用し、巻き付け角度を3°(L/R=0.010)に調節して、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを用いて、上記A6サイズの受容シートに、長手方向が搬送方向となるようにして、イエロー、マゼンタ、シアンの3色で黒ベタ画像を印画した後、オーバーコート処理を施した。インクリボンは市販のソニー社製SVM−25LSを使用し、印画エネルギーは、マクベス反射濃度計RD−914(グレタグマクベス社製)を用いて印画濃度2.0となるように調整して印画した。
印画後の受容シートを、受容層面を上または下にして、それぞれ、23℃、50%RHで水平な面上に5分間放置した後、受容シートの4隅の最大高さを測定し、最大高さを印画後カールとして表に示した。
実施例2
プラテンロール径を5.5mm(L/R=0.042)に変更した以外は、実施例1と同様にして印画後カールを測定した。
実施例3
巻き付け角度を12°に調節した以外は、実施例1と同様にして印画後カールを測定した。
実施例4
プラテンロール径を5.5mm(L/R=0.042)に変更した以外は、実施例3と同様にして印画後カールを測定した。
実施例5
巻き付け角度を20°に調節した以外は、実施例1と同様にして印画後カールを測定した。
実施例6
プラテンロール径を5.5mm(L/R=0.042)に変更した以外は、実施例5と同様にして印画後カールを測定した。
実施例7
支持体の芯材層を以下のように変更した以外は、実施例2と同様にしてロール状の受容シートを作製し、印画後カールを測定した。
(支持体の芯材層)
厚み100μmのコート紙(商品名:OKトップコート127.9g/m、王子製紙製)を芯材層とした。
得られた受容シートの厚さは220μmであった(L/R=0.040)。
実施例8
ポリプロピレンを主成分とし、無機顔料として炭酸カルシウムを含有する1軸及び2軸延伸された厚み110μmの多孔質多層構造ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPG110、ユポ・コーポレーション製)を芯材層とし、その両面にポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸された厚み50μmの多孔質多層構造ポリエステルフィルム(商品名:E20、東レ製、熱収縮率0.2%)を、ウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネート方式で貼合して支持体を作製した以外は、実施例1と同様にして受容シートを作製し、印画後カールを測定した。
実施例9
ポリプロピレンを主成分とし、2軸延伸された厚み50μmの多孔質多層構造フィルム(商品名:FPG50、ユポコーポレーション社製)を、ロール状で、90℃、24時間熱処理して熱収縮率を0.8%とした。このフィルムを、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、2軸延伸された厚み100μmのフィルム(商品名:100S10、東レ製、熱収縮率0.5%)を芯材としたその両面に、ウレタン系接着剤を使用して、ドライラミネート方式で貼合し、支持体を得た以外は、実施例1と同様にして印画後カールを測定した。
比較例1
巻き付け角度を1°に調節した以外は、実施例1と同様にして印画後カールを測定した。
比較例2
巻き付け角度を1°に調節した以外は、実施例2と同様にして印画後カールを測定した。
比較例3
巻き付け角度を30°に調節した以外は、実施例1と同様にして印画後カールを測定した。
比較例4
巻き付け角度を30°に調節した以外は、実施例2と同様にして印画後カールを測定した。
比較例5
プラテンロール径を30mm(L/R=0.008)に変更した以外は、実施例3と同様にして印画後カールを測定した。
実施例10
(中空粒子含有中間層の形成)
シート状支持体として、厚さ127μmの上質紙(商品名:OKプリンス上質、104.7g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中空粒子含有中間層用塗工液−1を、乾燥後の膜厚が50μmになるように塗工、乾燥して中空粒子含有中間層を形成し、さらに表面の平滑化のためにカレンダー処理(ロール表面温度80℃、ニップ圧2.5MPa)を行った。
中空粒子含有中間層用塗工液−1
ポリ塩化ビニリデン系発泡中空粒子
(体積中空率93%、平均粒子径4μm、最大粒子径20μm) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 15部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 50部
水 200部
(受容シートの作製)
更に上記中空粒子含有中間層上に、下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/mになるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、このバリア層上に、上記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアーして受容層を形成して受容シートを作製した。
さらに受容層形成後、温度78℃、表面粗さ(Ra)0.03μmの金属ロールに、圧力10MPaで、受容層面を押し当てて成型処理を行った。受容シートの厚さは180μmであった。
バリア層用塗工液−1
ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ製) 100部
水 1000部
(印画後カールの測定)
半径15mmのプラテンロール(L/R=0.012)を使用し、巻き付け角度を3°に調節し、実施例1と同様にカールを測定した。
実施例11
巻き付け角度を20°に調節した以外は、実施例10と同様にして印画後カールを測定した。
実施例12
半径5mmのプラテンロール(L/R=0.036)に変更した以外は、実施例10と同様にして印画後カールを測定した。
実施例13
半径5mmのプラテンロール(L/R=0.036)を使用し、巻き付け角度を20°に調節した以外は、実施例10と同様にして印画後カールを測定した。
実施例14
シート状支持体として、厚さ203μmの上質紙(商品名:OKプリンス上質エコG100、157.0g/m、王子製紙製)を使用した以外は、実施例10と同様にして受容シートを作製した。受容シートの厚さは255μmであった。
(印画後カールの測定)
半径15mmのプラテンロール(L/R=0.017)を使用し、巻き付け角度を3°に調節し、実施例1と同様にしてカールを測定した。
実施例15
巻き付け角度を20°に調節した以外は、実施例14と同様にして印画後カールを測定した。
実施例16
半径5mmのプラテンロール(L/R=0.051)に変更した以外は、実施例14と同様にして印画後カールを測定した。
実施例17
半径5mmのプラテンロール(L/R=0.051)を使用し、巻き付け角度を20°に調節した以外は、実施例14と同様にして印画後カールを測定した。
比較例6
半径25mmのプラテンロール(L/R=0.007)に変更した以外は、実施例10と同様にして印画後カールを測定した。
比較例7
半径5mmのプラテンロール(L/R=0.036)を使用し、巻き付け角度を30°に調節した以外は、実施例10と同様にして印画後カールを測定した。
評価
各実施例および比較例で得られた受容シートついて、下記のような評価を行い、それらの結果を、表1(実施例1〜9、比較例1〜5)、表2(実施例10〜17、比較例6,7)にまとめた。
〔受容シートの熱収縮率測定〕
熱収縮率測定の測定は、JIS C2151に準拠して行い、受容シートを印画方向に100mm以上となるように切り出し、クイックスコープ((株)ミツトヨ製)によって、受容シートの印画方向の長さを測定した。受容シートを、100℃に加熱した温風循環型乾燥機に入れて30分間加熱後、室温で1時間冷却した後、加熱前と同様に受容シートの印画方向の長さを測定した。下記式により、受容シートの加熱前後の長さから熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)=(加熱前の長さ−加熱後の長さ)/(加熱前の長さ)×100
〔印画後カール評価〕
受容シートの印画後カールについて、下記の基準で評価して表に示した。なお、△レベル以上であれば、実用可能である。
<評価基準>
○:バックカール又はトップカールが、0〜5mm。
△:バックカール又はトップカールが、5mmより大きく10mm以下。
×:バックカール又はトップカールが、10mmを超える。
〔受容シートの剛度測定〕
受容シートの剛度測定は、TAPPI T543 84に基づいて、東洋精機社製ガーレー剛度測定機を使用し、受容シートの印画方向におけるガーレー剛度を測定した。
Figure 2006027264
Figure 2006027264
表1の結果から、本発明の各実施例で得られた受容シートは、印画後のカールが良好であることが確認された。一方、比較例1,2,5の受容シートは、印画後トップカールが過大であり、また、比較例3,4の受容シートは、印画後バックカールが過大であることがわかる。
また表2の結果から、本発明の各実施例で得られた受容シートは、印画後のカールが良好であることが確認された。一方、比較例6の受容シートは、印画後トップカールが過大であり、また、比較例7の受容シートは、印画後バックカールが過大であることがわかる。
本発明の熱転写印画方法により、印画後の受容シートのカールが小さく、外観に優れた印画品質を得ることが可能となり、染料熱転写方式のみならず、溶融インキ熱転写方式などの各種サーマルプリンターにも適用し得るものであり、実用的に極めて価値の高いものである。
本発明の印画方法を説明する概略図である。
符号の説明
1 受容シート
2 インクリボン
3 プラテンロール
4 サーマルヘッド
5 ガイド
6 巻き付け角度


Claims (6)

  1. 染料熱転写シートと重ね合わせ、熱転写プリンターのサーマルヘッドからの熱を印加して画像受容層に画像を形成する熱転写受容シートの印画方法において、熱転写プリンターが、サーマルヘッドとこれに対向するプラテンロールとを有しており、かつ下記の要件(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする熱転写受容シートの印画方法。
    (1)熱転写受容シート全体の厚さ(L)と、プリンターのプラテンロール半径(R)の比率(L/R)が、0.01〜0.07。
    (2)サーマルヘッドによって画像受容層に熱転写画像が形成された後に、熱転写受容シートの裏面側が、プラテンロール表面に巻き付けられて搬送され、その巻き付け角度が2〜25°。
  2. 前記熱転写受容シートの、JIS C2151に準拠する100℃における熱収縮率が0.05〜1.0%である請求項1に記載の熱転写受容シートの印画方法。
  3. 前記熱転写受容シートは、芯材層の両面に多孔質構造を含む熱可塑性樹脂フィルムが積層された、少なくとも3層の積層構造を有するシート状支持体の少なくとも一方の面に、画像受容層を設けたものである請求項1または2に記載の熱転写受容シートの印画方法。
  4. 前記画像受容層が形成される側の熱可塑性樹脂フィルムの、JIS C2151に準拠する100℃における熱収縮率が0.05〜1.0%である請求項3に記載の熱転写受容シートの印画方法。
  5. 前記熱転写受容シートが、紙基材の少なくとも一面に中空粒子を含有する中間層、および画像受容層を順次形成した熱転写受容シートであり、熱転写受容シート全体の厚さが100〜300μmであり、かつ熱転写受容シート全体の厚さに対する紙基材の厚さの割合(%)が70〜85%である請求項1に記載の熱転写受容シートの印画方法。
  6. 前記熱転写受容シートの、TAPPI T543 84に規定する、プリンターへの給紙方向のガーレー剛度が500〜2000SGUである請求項5に記載の熱転写受容シートの印画方法。

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