JP2020049880A - 熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【課題】結露環境下でも安定した印画可能であり、印画画像のシャドー濃度を高く保持することが可能な熱転写受像シートを提供する。【解決手段】受像シート基材の表面に受像層を積層してなる熱転写受像シートであって、前記受像層は水系分散型の樹脂エマルジョンからなり、離型剤を含み、且つその受像層表面の光沢度がISO2813で規定される光沢度(角度20°)において、20以上であることを特徴とする熱転写受像シートである。【選択図】図1
Description
本発明は、熱転写リボンと共に用いられる熱転写受像シートに関する。
従来から、文字又は画像等を被転写体に形成する印刷方式として、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が採用されている。
昇華型熱転写方式は、熱転写リボンにおける染料層と、熱転写受像シートにおける受像層とを互いに重ね合わせ、次いで、電気信号により発熱が制御されるサーマルヘッドによって熱転写リボンを加熱することで、染料層中の染料を昇華させて受像層へ移行させ、受像層上に所望の文字、画像等を形成させる。
昇華型熱転写方式は、昇華型の染料を用いて濃度階調を自由に調整できることから、自然画を比較的忠実に再現することができる一方、更なる性能向上が要求されている。
例えば、印画画像のシャドー部の染料濃度を向上させるための熱転写受像シートとして、特許文献1及び2には、受像層にアクリル系樹脂、親水性バインダ及びワックス添加剤を用いた熱転写受像シートや、バインダ樹脂、特定のワックス添加剤及びシリコーン離型剤を用いた感熱受像紙が開示されている。
また、印画画像のシャドー部の染料濃度を向上させるとともに、ハイライト部の染料濃度を低減させるための熱転写受像シートとして、特許文献3には、バインダ樹脂、特定のワックス添加剤及びシリコーン離型剤のほか、ウレタン会合剤を用いた熱転写受像シートが開示されている。
一方、昇華型感熱転写方式の応用範囲の拡大に伴い、プリンタの使用環境によっては、結露が発生する環境に晒されても印画できなければならない要求特性がある。
例えば、屋外に設置されたプリントシステムなどでは、急激な風雨、天気雨などの影響により、外気の温度変化、湿度変化が生じて、プリンタ内部が結露するケースが生じる。
このような環境に晒されても、正常に印画可能であることが望ましい。
しかしながら、特許文献1から特許文献3に記載されているような熱転写受像シートのみの対処では、印画画像のシャドー部の染料濃度をある程度向上することは可能であるとしても、さまざまな環境に晒された場合においても正常に印画が出来る点については考慮されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、シャドー部の印画濃度を上げ
、かつ結露環境下に晒された場合においても正常に印画ができる特性をもつ熱転写受像シートを提供することを目的とする。
、かつ結露環境下に晒された場合においても正常に印画ができる特性をもつ熱転写受像シートを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、すなわち請求項1に記載の発明は、受像シート基材の表面に受像層を積層してなる熱転写受像シートであって、前記受像層は水系分散型の樹脂エマルジョンからなり、離型剤を含み、且つその受像層表面の光沢度がISO2813で規定される光沢度(角度20°)において、20以上であることを特徴とする熱転写受像シートである。
請求項2に記載の発明は、前記水系分散型の樹脂エマルジョンが、少なくとも塩化ビニル成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートである。
請求項3に記載の発明は、前記離型剤が、変性シリコーンオイルからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シートである。
本発明に係る熱転写受像シートを用いることで、印字画像におけるシャドー部の染料濃度を上げ、更に結露耐性を付与し結露環境下での正常印画を可能とすることができる。
本発明の熱転写受像シートの実施の形態について、図を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<熱転写受像シート>
図1は、熱転写受像シートの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、熱転写受像シート(10)は、受像シート基材(19)の表面に受像層(15)が積層されており、前記受像シート基材(19)は、支持体(11)の一方の面上に、第一の接着剤層(12)、第一のプラスチックフィルム(13)、プライマ層(14)をこの順に備え、且つ、支持体(11)の他方の面上に、第二の接着剤層(16)、第二のプラスチックフィルム層(17)及び裏面層(18)をこの順に備えている。
図1は、熱転写受像シートの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、熱転写受像シート(10)は、受像シート基材(19)の表面に受像層(15)が積層されており、前記受像シート基材(19)は、支持体(11)の一方の面上に、第一の接着剤層(12)、第一のプラスチックフィルム(13)、プライマ層(14)をこの順に備え、且つ、支持体(11)の他方の面上に、第二の接着剤層(16)、第二のプラスチックフィルム層(17)及び裏面層(18)をこの順に備えている。
支持体(11)としては、熱転写受像シートの支持体として使用できるものであれば特に制限はないが、熱転写において、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有するものが好ましい。
このような支持体(11)としては、例えばコンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルム等が挙げられる。
支持体(11)の厚さは、特に限定はなく、例えば90〜200μm程度とすることができる。
第一の接着剤層(12)及び第二の接着剤層(16)としては、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン接着性樹脂により構成されていても良い。第一の接着剤層(12)及び第二の接着剤層(16)は、互いに同種の材料により構成されていても異種の材料により構成されていてもよいが、印画物の凹カールを防止する観点から、好ましくは互いに異種の材料が用いられることが好ましい。
例えば、第一の接着剤層(12)は、低密度ポリエチレンで構成され、第二の接着剤層(16)は、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンをドライブレンドしたものを使用するなどの構成は好適に用いられる。
このように、背面側の第二の接着剤層として、材質が硬いものを用いることで、印画後の凹カールを防止することができる。
第一の接着剤層(12)及び第二の接着剤層(16)の厚さは、特に制限されるものではなく、例えば5〜40μm程度であっても良い。
第一のプラスチックフィルム層(13)及び第二のプラスチックフィルム層(17)としては、互いにミクロボイドを有していても有していなくてもよいが、画像形成の観点から、第一のプラスチックフィルム層(13)はミクロボイドを有するプラスチックフィルム層であり、第二のプラスチックフィルム層(17)はミクロボイドを有しないプラスチックフィルム層であることが好ましい。
第一のプラスチックフィルム層(13)の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば0〜50μm程度とすることができる。第二のプラスチックフィルム層(17)の厚さも、特に限定されるものではなく、例えば18〜50μm程度とすることができる。
プライマ層(14)としては、特に制限はないが、受像層(15)と、第一のプラスチックフィルム層(13)との接着性を付与するために用いられる。
プライマ層(14)に用いられる材料としては、環境性などを考慮して、水系溶剤に水溶性樹脂や水溶性高分子を溶解あるいは分散した水系コーティング剤、あるいは水性エマルジョンなどから構成される水系コーティング剤などをコーティングすることによって形成することができる。
水溶性樹脂または水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびこれらの変性物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、水性エマルジョンの例としては、ポリオレフィンエマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩化ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョンなどを挙げることができる。
これらの各種樹脂あるいは高分子は、それぞれ単独で用いられても良いし、混合物などとして用いられても良い。
これらの中で、例えば、ウレタン系樹脂エマルジョン、ゼラチン等をメインのバインダ組成物として構成されても良い。
また、プライマ層(14)には、必要に応じて、架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知添加剤を含有していても良い。
架橋剤を添加する場合、一般的な架橋剤としては、水系塗料で使用できる材料が用いられ、アジリジン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等が用いられる。
プライマ層(14)の厚さも特に制限されるものではなく、例えば0.5〜10μm程度とすることができる。
受像層(15)は、受像層表面の光沢度が、ISO2813で規定される光沢度(角度20°)において20以上であることが重要であり、また、これらの主成分として塩化ビニル成分を含み、離型剤としてシリコーン成分を含む組成物とすることができる。
受像層(15)は、昇華型熱転写リボンから放出される昇華性染料を受容して染着させる機能を有し、有機溶剤を溶媒または分散媒とする溶剤系コーティング剤をコーティングして形成することも可能であるが、環境問題等を考慮すると有機溶剤を低減することが望ましく、また熱転写受像シートを開梱して使用する際の溶剤臭を低減するという観点からも水系溶剤を溶媒または分散媒とする水系コーティング剤をコーティングして形成することが望ましい。
水系コーティング剤としては。水性の樹脂エマルジョンを好ましく用いることができ、ポリエステル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩化ビニル系樹脂エマルジョン等を単独、あるいは混合物として用いることができ、中でも塩化ビニル系樹脂成分を含む組成とすることが望ましい。
塩化ビニル系樹脂エマルジョンの具体的な例としては、日信化学工業(株)製のビニブラン985等が挙げられる。
受像層(15)を上述のような水性の樹脂エマルジョンを用いて形成する場合には、コーティング時の乾燥条件によって、受像層表面の光沢度が変化する。
すなわち、乾燥条件を強乾燥とすることで、樹脂エマルジョンの造膜が進み、表面のクラック等が抑制され、光沢度を高く保持することが可能となり、乾燥条件を弱めると造膜が進まず、表面にクラック等が発生し、光沢度が低くなる。
このため、受像層表面の光沢度が、ISO2813で規定される光沢度(角度20°)において20未満である場合には、受像層(15)の表面に発生したクラックの影響により、結露環境下に熱転写受像シートを晒した際に、水滴の付着性や浸み込み性が増し、正常に印画ができなくなる可能性が高くなると考えることができる。
また、受像層(15)には、離型剤としてシリコーン成分である変性シリコーンオイルを添加することが望ましい。シリコーン成分は、水分に対して相溶しにくく、受像層(1
5)の表面に存在することで、表面の撥水性が増し、結露耐性をより高めることが可能となる。
5)の表面に存在することで、表面の撥水性が増し、結露耐性をより高めることが可能となる。
このようなシリコーン成分としては、従来公知の変性シリコーンオイルを例示することができ、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーンなどの反応性シリコーンオイルや、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのような非反応性シリコーンオイルなどを挙げることができるが、中でもポリエーテル変性シリコーンを好適に用いることができる。
ポリエーテル変性シリコーンの具体的な例としては、信越化学工業(株)製のKF−351A、KF−352A、KF353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945等が挙げられる。
このような離型剤の添加量は、異常転写、尾引きなどの発生状況に応じて適宜添加量を調整できる。
受像層(15)には、上記の各成分のほか、必要に応じて架橋剤を含んでいても良い。架橋剤としては、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、オキサゾリン系化合物等が挙げられる。
カルボジイミドの具体的な例としては、日清紡ケミカル(株)製のカルボジライトE−05、V−02などが挙げられる。アジリジンの具体的な例としては(株)日本触媒製のケミタイトPZ−33、オキサゾリンの具体的な例としては、(株)日本触媒製のエポクロスWSシリーズが挙げられる。
受像層(15)を形成する方法としては、従来公知のコーティング法を用いることができ、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等により塗布した後、乾燥する方法が挙げられる。
溶剤としては、水系であることが望ましいが、必要に応じてアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどに代表される造膜助剤等を本発明に影響のない範囲で添加することができる。
受像層(15)の厚さは、特に制限はなく、例えば0.1〜5.0μm程度とすることができる。
裏面層(18)は、必ずしも設ける必要はないが、背面にかかわる性能、例えば、筆記性能、糊付け性能、捌き性能、ヘッドクリーニング性能等を付与させるために、形成させてもよい。
裏面層(18)を設ける場合には、用いられる材料として、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等のバインダ樹脂が上げられる。
また、裏面層(18)には、必要に応じてフィラー類や帯電防止剤等の、各種公知の添加剤が添加されてあっても良い。
裏面層(18)の厚さも特に制限されるものではなく、例えば1〜5μm程度とすることができる。
本実施形態においては、上述のような熱転写受像シートを用いることにより、印画画像のシャドー部の濃度を向上させ結露環境下においても印画可能な受像紙を提供できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔熱転写リボンの作製〕
基材として厚さ4.5μmのPETフィルムの一方の面上に、耐熱滑性層を、グラビアコート法により乾燥時の厚さが1.3μmとなるように塗布した。続いて基材の他方の面上に、以下に示す染料層塗布液を塗布、乾燥して、乾燥時の厚さが0.8μmとなるように染料層を形成して、熱転写リボンを得た。
基材として厚さ4.5μmのPETフィルムの一方の面上に、耐熱滑性層を、グラビアコート法により乾燥時の厚さが1.3μmとなるように塗布した。続いて基材の他方の面上に、以下に示す染料層塗布液を塗布、乾燥して、乾燥時の厚さが0.8μmとなるように染料層を形成して、熱転写リボンを得た。
(染料層塗布液)
ポリビニルブチラール樹脂 … KS−5 積水化学工業(株)製
トリレンジイソシアネート(TDI)系 … バーノックD750 DIC(株)製
染料A … FS Red 1367 有本化学(株)製
染料B … HSR2174 三菱ケミカル(株)製
メチルエチルケトン
トルエン
ポリビニルブチラール樹脂 … KS−5 積水化学工業(株)製
トリレンジイソシアネート(TDI)系 … バーノックD750 DIC(株)製
染料A … FS Red 1367 有本化学(株)製
染料B … HSR2174 三菱ケミカル(株)製
メチルエチルケトン
トルエン
<実施例1>
〔熱転写受像シートの作製〕
熱転写受像シートは、エクストルーダーラミネートにより作製した。まず、紙(日本製紙(株)製 NATURAL 150μm)とプラスチックフィルム(東レ(株)製 ルミラーS10 18μm)とを、低密度ポリエチレン接着性樹脂(日本ポリエチレン(株)製 ノバテック LC607K)を押し出しながらラミネートし、紙の一方の面上に接着剤層を介してプラスチックフィルムが積層された積層体を得た。続いて該積層体における紙の他方の面上に、低密度ポリエチレン接着性樹脂を押し出しながらミクロボイドを有するプラスチックフィルムをラミネートし、更にミクロボイドを有するプラスチックフィルム上にプライマ層(水系ウレタン、およびゼラチンを含む水系塗料)を塗布した。
〔熱転写受像シートの作製〕
熱転写受像シートは、エクストルーダーラミネートにより作製した。まず、紙(日本製紙(株)製 NATURAL 150μm)とプラスチックフィルム(東レ(株)製 ルミラーS10 18μm)とを、低密度ポリエチレン接着性樹脂(日本ポリエチレン(株)製 ノバテック LC607K)を押し出しながらラミネートし、紙の一方の面上に接着剤層を介してプラスチックフィルムが積層された積層体を得た。続いて該積層体における紙の他方の面上に、低密度ポリエチレン接着性樹脂を押し出しながらミクロボイドを有するプラスチックフィルムをラミネートし、更にミクロボイドを有するプラスチックフィルム上にプライマ層(水系ウレタン、およびゼラチンを含む水系塗料)を塗布した。
その後、該プライマ層上に以下に示す受像層塗布液を塗工する。この時、アジリジン系架橋剤の添加量は、樹脂カルボン酸と架橋剤アジリジンのモル当量比率が1.0となるように調整した。
尚、受像塗布液に用いた水系エマルジョンとしては、塩化ビニル系エマルジョンを主体とした。
調整した受像層塗布液をリバースグラビアコート法にて、乾燥後の塗布量が3.0g/m2となるように形成し、熱転写受像シートサンプル1を得た。
この時の乾燥条件を100℃、1分とすることで、受像層が完全に造膜するまで熱を加えた。その結果、受像層表面のクラックは小さく抑制され、表面の光沢度(角度20°)が30となるように調整した。
(受像層塗布液)
水系エマルジョンA … ビニブラン985(日信化学工業(株)製) 46.3部
水系エマルジョンB … ビニブラン700(日信化学工業(株)製) 38.1部
架橋剤(アジリジン系)… ケミタイトPZ−33((株)日本触媒製)
離型剤(ポリエーテルシリコーン)…KF352A(信越化学工業(株)製)1.4部
溶剤 … 水 14.2部
水系エマルジョンA … ビニブラン985(日信化学工業(株)製) 46.3部
水系エマルジョンB … ビニブラン700(日信化学工業(株)製) 38.1部
架橋剤(アジリジン系)… ケミタイトPZ−33((株)日本触媒製)
離型剤(ポリエーテルシリコーン)…KF352A(信越化学工業(株)製)1.4部
溶剤 … 水 14.2部
<実施例2>
受像層コーティング時の乾燥温度を90℃で、1分間乾燥する以外は、実施例1と同様にすることで、受像賞表面のクラックは適度に抑制され、表面の光沢度(角度20°)が30となるように調整した熱転写受像シートサンプル2を作製した。
受像層コーティング時の乾燥温度を90℃で、1分間乾燥する以外は、実施例1と同様にすることで、受像賞表面のクラックは適度に抑制され、表面の光沢度(角度20°)が30となるように調整した熱転写受像シートサンプル2を作製した。
<比較例1>
受像層コーティング時の乾燥温度を70℃で、1分間乾燥する以外は、実施例1と同様にすることで、受像賞表面のクラックがやや発生し、表面の光沢度(角度20°)が13となるように調整した熱転写受像シートサンプル3を作製した。
受像層コーティング時の乾燥温度を70℃で、1分間乾燥する以外は、実施例1と同様にすることで、受像賞表面のクラックがやや発生し、表面の光沢度(角度20°)が13となるように調整した熱転写受像シートサンプル3を作製した。
<比較例2>
受像層塗布液の組成から離型剤であるポリエーテルシリコーンを除き、受像層コーティング時の乾燥温度を70℃で、1分間乾燥する以外は、実施例1と同様にすることで、受像賞表面のクラックがやや発生し、表面の光沢度(角度20°)が13となるように調整した熱転写受像シートサンプル4を作製した。
受像層塗布液の組成から離型剤であるポリエーテルシリコーンを除き、受像層コーティング時の乾燥温度を70℃で、1分間乾燥する以外は、実施例1と同様にすることで、受像賞表面のクラックがやや発生し、表面の光沢度(角度20°)が13となるように調整した熱転写受像シートサンプル4を作製した。
(光沢度評価)
ISO2813に基づく光沢度は、NOVO−GLOSS(RHOPOINT Instruments社製)によって光沢度(角度20°)を評価した。
ISO2813に基づく光沢度は、NOVO−GLOSS(RHOPOINT Instruments社製)によって光沢度(角度20°)を評価した。
(接触角)
結露耐性の指標として、接触角を測定した。自動接触角測定器OCA25(英弘精機(株)製)を用いて、静的接触角を測定した。
結露耐性の指標として、接触角を測定した。自動接触角測定器OCA25(英弘精機(株)製)を用いて、静的接触角を測定した。
測定条件は、1μlの水を液滴し、5000ms後の接触角を測定した。接触角測定法は、θ/2法を用いた。接触角の高いほど、撥水性が良く、結露耐性が良い。
(シャドー部濃度)
作製した熱転写リボンと、実施例1、2ならびに比較例1、2で作製した各熱転写受像シートサンプルとを組み合わせて、市販の熱転写方式昇華プリンタ(三菱デジタルカラープリンター、CP−D70D)を用いて、Vステップ画像(グレーの諧調パターン、すなわちグレーグラデーション)を印画した。
作製した熱転写リボンと、実施例1、2ならびに比較例1、2で作製した各熱転写受像シートサンプルとを組み合わせて、市販の熱転写方式昇華プリンタ(三菱デジタルカラープリンター、CP−D70D)を用いて、Vステップ画像(グレーの諧調パターン、すなわちグレーグラデーション)を印画した。
最大階調(256階調)印画部のV濃度(ビジュアル濃度)を測色し、光学濃度を測定した。評価判定基準としては、光学濃度が2.00以上である場合に、良好「○」であると判断した。そして光学濃度が2.00未満の場合には、不良「×」であると判断した。
(結露耐性評価)
結露耐性を評価する方法として、急激に結露環境を作り出して印画評価を実施する方法を採用した。
結露耐性を評価する方法として、急激に結露環境を作り出して印画評価を実施する方法を採用した。
すなわち、25℃、50%RHの環境下に3時間放置後、35℃、85%RHの環境下で10分かけて設定し、直ぐに印画を実施した。
正常な印画ができた場合には「○」、リボン破断やリボンジャミング等の発生によって
印画が出来なかった場合には「×」とした。
印画が出来なかった場合には「×」とした。
実施例1、2および比較例1〜4で作製した各熱転写受像シートサンプルに対し、上記評価を実施した結果を表1に示す
実施例1ならびに実施例2の結果より、受像層表面の光沢度(角度20°)が20以上であり、且つ離型剤であるシリコーン成分(ポリエーテル変性シリコーンオイル)を含む場合において、印画評価による結露耐性評価が良好であることが判る。
また、比較例1の結果より、シリコーン成分を含む場合であっても、受像層表面の光沢度(角度20°)が、20未満の場合には、結露耐性が劣ることが判った。
これは、比較例1では、受像層を形成する際の乾燥温度を70℃と低い温度に設定したことにより、受像層が十分に造膜されず、クラック等が発生したことにより、光沢度の低下が生じると共に、受像層表面に形成されたクラック等の影響により、水滴の付着性や浸み込み性が増したことで、結露耐性評価が不良となったと考えることができる。
以上の結果より、本発明の実施形態に係る熱転写受像シートを用いることにより、結露環境下においても安定した印字が可能で、且つ印画画像におけるシャドー部の濃度を高く維持することが可能な熱転写受像シートを提供することができる。
10 … 熱転写受像シート
11 … 支持体
12 … 第一の接着剤層
13 … 第一のプラスチックフィルム層
14 … プライマ層
15 … 受像層
16 … 第二の接着剤層
17 … 第二のプラスチックフィルム層
18 … 裏面層
19 … 受像シート基材
11 … 支持体
12 … 第一の接着剤層
13 … 第一のプラスチックフィルム層
14 … プライマ層
15 … 受像層
16 … 第二の接着剤層
17 … 第二のプラスチックフィルム層
18 … 裏面層
19 … 受像シート基材
Claims (3)
- 受像シート基材の表面に受像層を積層してなる熱転写受像シートであって、
前記受像層は水系分散型の樹脂エマルジョンからなり、離型剤を含み、且つその受像層表面の光沢度がISO2813で規定される光沢度(角度20°)において、20以上であることを特徴とする熱転写受像シート。 - 前記水系分散型の樹脂エマルジョンが、少なくとも塩化ビニル成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記離型剤が、変性シリコーンオイルからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018183933A JP2020049880A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 熱転写受像シート |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018183933A Pending JP2020049880A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 熱転写受像シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020049880A (ja) |
-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018183933A patent/JP2020049880A/ja active Pending
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