JP2010012640A - 熱転写受容シート - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、保存性に優れた鮮明画像が得られ、高速プリンターによる印画においてもインクリボンとの剥離性が良好であり、かつ製造後の保管環境による品質変動が極めて少ない熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】
支持体上の少なくとも一面に、染着性樹脂を含有する画像受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、染着性樹脂が有機チタンキレート化合物で架橋されていることを特徴とする熱転写受容シート。有機チタンキレート化合物は、乳酸チタン化合物または、トリエタノールアミンチタン化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
本発明は、保存性に優れた鮮明画像が得られ、高速プリンターによる印画においてもインクリボンとの剥離性が良好であり、かつ製造後の保管環境による品質変動が極めて少ない熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】
支持体上の少なくとも一面に、染着性樹脂を含有する画像受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、染着性樹脂が有機チタンキレート化合物で架橋されていることを特徴とする熱転写受容シート。有機チタンキレート化合物は、乳酸チタン化合物または、トリエタノールアミンチタン化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、保存性に優れた鮮明画像が得られ、高速プリンターによる印画においてもインクリボンとの剥離性が良好であり、かつ製造後の保管環境による品質変動が極めて少ない熱転写受容シートに関するものである。
染料熱転写方式は、染料層を有する染料熱転写シート(以下単に、「インクリボン」ともいう)と、この染料を受容する染料受容層(以下単に、「受容層」ともいう。)を有する熱転写受容シート(以下単に、「受容シート」ともいう)を用い、染料層と受容層を重ね合わせ、加熱により染料を受容層上に転写して画像を形成する。加熱はサーマルヘッドで行われ、多色の色ドットによりフルカラー画像を形成する。染料を用いているため画像は鮮明で透明性が高く、写真用途に利用可能な高品質画像が得られる。
受容層を形成する樹脂としては、染料染着性の良好な各種の熱可塑性樹脂が提案されている。中でも特に染着性が良好な樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などである。
印画濃度や画像耐光性には、受容層樹脂のガラス転移温度(以下Tgという。)の影響も大きい。受容層樹脂のTgが低い場合は、印画の際のサーマルヘッドからの熱に対し、受容層が軟化しやすいため、染料が受容層深部まで染着しやすくなる。
受容層樹脂のTgが高い場合は、染料は受容層内を拡散しにくく、受容層の表面に局在化している。
画像の耐光劣化は、光照射により発生する空気中の活性酸素が受容層表面から染着染料を攻撃することにより発生すると考えられ、染料が受容層の表面に局在していると、活性酸素の攻撃をうけやすく、画像が劣化しやすい。受容層のTgが低い場合、染着した染料は受容層内に深く浸透して存在しており、活性酸素からの攻撃を受けにくいため、耐光性が良好となる。
前記の理由により受容層樹脂のTgが低いほうが、印画濃度が高く、画像耐光性が良好となる。
印画濃度や画像耐光性には、受容層樹脂のガラス転移温度(以下Tgという。)の影響も大きい。受容層樹脂のTgが低い場合は、印画の際のサーマルヘッドからの熱に対し、受容層が軟化しやすいため、染料が受容層深部まで染着しやすくなる。
受容層樹脂のTgが高い場合は、染料は受容層内を拡散しにくく、受容層の表面に局在化している。
画像の耐光劣化は、光照射により発生する空気中の活性酸素が受容層表面から染着染料を攻撃することにより発生すると考えられ、染料が受容層の表面に局在していると、活性酸素の攻撃をうけやすく、画像が劣化しやすい。受容層のTgが低い場合、染着した染料は受容層内に深く浸透して存在しており、活性酸素からの攻撃を受けにくいため、耐光性が良好となる。
前記の理由により受容層樹脂のTgが低いほうが、印画濃度が高く、画像耐光性が良好となる。
しかし一方で、受容層樹脂のTgが低いと、染着した染料が受容層中で徐々に拡散し、画像の滲みとして現れることがある。また、低Tgの受容層樹脂を用いた熱転写受容シートは、印画時の熱で軟化した受容層樹脂がインクリボンに貼り付き、受容層の剥がれや融着などの走行不良を発生しやすいという問題がある。
上記の問題を解決するために、受容層にポリイソシアネート系化合物又はエポキシ系化合物などの架橋剤を添加し、塗工後加湿処理により受容シートの含水率を0.09〜1.20%に調整した後、40〜70℃の温度でキュア処理を施して、受容シートの含水率を0.06〜0.90%に調整する熱転写画像受容シートの製造方法が提案されている。(特許文献1)
ポリイソシアネート系化合物やエポキシ系化合物などの架橋剤と受容層樹脂との反応には、高温環境が必要である。塗工乾燥時の熱により架橋反応が進行するが、高温保持時間が不十分でありため、未反応の架橋剤が残留する。そのため、40〜60℃の環境で数時間製品を保管するキュア処理を行って未反応の架橋剤を反応させる方法が一般的に行われている。しかし、乾燥工程やキュア処理工程の温度、時間管理が不充分であると架橋状態が製造ロットによって変動し、受容シートの印画濃度が製造ロットによって変動する品質安定性の問題が発生する。
即ち、塗工濃度、乾燥装置内の温度、湿度、風圧等の製造条件や乾燥後製品が出荷されるまでの環境履歴によって架橋反応の進行度合が変化し、架橋反応が少ない場合は、印画濃度の上昇、リボン剥離性の低下が発生し、架橋反応が予測設計値を上回った場合は、印画濃度の低下、耐光性の低下が発生するのである。
特にイソシアネート系架橋剤は、水と反応するため、品質安定化のためには、各工程で受容シートの含水率を一定範囲に保つ必要があり、管理のために設備や労力を要する。また、エポキシ系硬化剤は、近年環境への悪影響が明らかになっており、使用は極力制限すべきものである。
本発明は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、受容層樹脂の架橋剤として有機チタンキレート化合物を用いることにより、キュア工程や工程水分管理を行う必要がなく、耐光性が良好で画像滲みがなく、かつ高速プリンターによる印画においてもリボン剥離性の良好な熱転写受容シートが安定した品質で得られることを見出したのである。
更に環境問題から、塗料の無溶剤化が求められているが、有機チタンキレート化合物は水溶性であり水系塗料に適している。有機チタンキレート化合物を使用した受容層塗料は、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を用いた受容層塗料に比べて塗料の経時安定性に優れており、安定した品質の熱転写受容シートが得られるのである。
ポリイソシアネート系化合物やエポキシ系化合物などの架橋剤と受容層樹脂との反応には、高温環境が必要である。塗工乾燥時の熱により架橋反応が進行するが、高温保持時間が不十分でありため、未反応の架橋剤が残留する。そのため、40〜60℃の環境で数時間製品を保管するキュア処理を行って未反応の架橋剤を反応させる方法が一般的に行われている。しかし、乾燥工程やキュア処理工程の温度、時間管理が不充分であると架橋状態が製造ロットによって変動し、受容シートの印画濃度が製造ロットによって変動する品質安定性の問題が発生する。
即ち、塗工濃度、乾燥装置内の温度、湿度、風圧等の製造条件や乾燥後製品が出荷されるまでの環境履歴によって架橋反応の進行度合が変化し、架橋反応が少ない場合は、印画濃度の上昇、リボン剥離性の低下が発生し、架橋反応が予測設計値を上回った場合は、印画濃度の低下、耐光性の低下が発生するのである。
特にイソシアネート系架橋剤は、水と反応するため、品質安定化のためには、各工程で受容シートの含水率を一定範囲に保つ必要があり、管理のために設備や労力を要する。また、エポキシ系硬化剤は、近年環境への悪影響が明らかになっており、使用は極力制限すべきものである。
本発明は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、受容層樹脂の架橋剤として有機チタンキレート化合物を用いることにより、キュア工程や工程水分管理を行う必要がなく、耐光性が良好で画像滲みがなく、かつ高速プリンターによる印画においてもリボン剥離性の良好な熱転写受容シートが安定した品質で得られることを見出したのである。
更に環境問題から、塗料の無溶剤化が求められているが、有機チタンキレート化合物は水溶性であり水系塗料に適している。有機チタンキレート化合物を使用した受容層塗料は、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を用いた受容層塗料に比べて塗料の経時安定性に優れており、安定した品質の熱転写受容シートが得られるのである。
本発明は、保存性に優れた鮮明画像が得られ、高速プリンターによる印画においてもインクリボンとの剥離性が良好であり、かつ品質の安定した熱転写受容シートを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の技術的事項を基礎として構成される本発明に至ったのである。
(1)支持体上の少なくとも一面に、染着性樹脂を含有する画像受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、染着性樹脂が有機チタンキレート化合物で架橋されていることを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記有機チタンキレート化合物の配位子が、乳酸化合物又はトリエタノールアミンである(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記染着性樹脂が、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂および塩化ビニル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である(1)〜(2)に記載の熱転写受容シート。
(4)前記染着性樹脂が、水溶性樹脂または水分散型樹脂である(1)〜(3)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(5)前記画像受容層が、さらに水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(2)前記有機チタンキレート化合物の配位子が、乳酸化合物又はトリエタノールアミンである(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記染着性樹脂が、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂および塩化ビニル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である(1)〜(2)に記載の熱転写受容シート。
(4)前記染着性樹脂が、水溶性樹脂または水分散型樹脂である(1)〜(3)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(5)前記画像受容層が、さらに水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、保存性に優れた鮮明画像が得られ、高速プリンターによる印画においてもインクリボンとの剥離性が良好であり、かつ製造後の保管環境による品質変動が極めて少ない熱転写受容シートである。
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
(支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。例えば、紙類としては上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられる。
合成樹脂を主成分としたシート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
多孔質延伸シート類としてはポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とした、例えば合成紙、多孔質ポリエステルシートなどが挙げられる。これらの材料を単体で使用してもよいし、多孔質延伸シート同士、多孔質延伸シートと他のシート及び/又は紙などとを積層貼着させた積層体シートとしてもよい。
また、支持体としては、受容層が形成される第一の基材層、粘着剤層、離型剤層、第二の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるラベルタイプ(ステッカー、シールタイプとも称される)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
(支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。例えば、紙類としては上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられる。
合成樹脂を主成分としたシート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
多孔質延伸シート類としてはポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とした、例えば合成紙、多孔質ポリエステルシートなどが挙げられる。これらの材料を単体で使用してもよいし、多孔質延伸シート同士、多孔質延伸シートと他のシート及び/又は紙などとを積層貼着させた積層体シートとしてもよい。
また、支持体としては、受容層が形成される第一の基材層、粘着剤層、離型剤層、第二の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるラベルタイプ(ステッカー、シールタイプとも称される)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
上記支持体の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類上に中空粒子や発泡剤を含有した中間層を設けた支持体が好ましい、得られる受容シートの風合いが銀塩写真に近いものとなり、コスト的にも有利である。中空粒子としては、樹脂粒子中にブタンガスを封入したマイクロカプセルを、加熱発泡させる方式や、中空エマルジョンが好ましく使用される。
また、受容層に染着した染料が支持体或いは中間層へ拡散し、画像滲みや裏抜けが発生する場合には、受容層と中間層の間または受容層と支持体の間にバリア層を設けることによってこれらの問題を防ぐことができる。
染料の拡散を防ぐバリア層としては、アスペクト比100〜5000の膨潤性無機層状化合物を含有したバリア層、塩化ビニル系樹脂を主成分としたバリア層、ガラス転移温度が40〜80℃のアクリル系樹脂を主成分としたバリア層などが好ましく使用される。
また、受容層に染着した染料が支持体或いは中間層へ拡散し、画像滲みや裏抜けが発生する場合には、受容層と中間層の間または受容層と支持体の間にバリア層を設けることによってこれらの問題を防ぐことができる。
染料の拡散を防ぐバリア層としては、アスペクト比100〜5000の膨潤性無機層状化合物を含有したバリア層、塩化ビニル系樹脂を主成分としたバリア層、ガラス転移温度が40〜80℃のアクリル系樹脂を主成分としたバリア層などが好ましく使用される。
(受容層)
(有機チタンキレート化合物)
本発明の受容層は、有機チタンキレート化合物で架橋された染着性樹脂を含有することを特徴としており、染着性樹脂と有機チタンキレート化合物系架橋剤を含有する塗液を支持体上に塗工、乾燥することによって形成することができる。
有機チタンキレート化合物と染着性樹脂の官能基との架橋反応は、常温環境でも速度が速く、乾燥工程後の温湿度管理や、キュア工程を行わなくても、安定した品質を得ることができる。
有機チタンキレート化合物としては、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、チタンアシレート(アシロキシチタネート)等が挙げられるが、有機チタンキレート化合物の中でも、乳酸チタンキレート化合物が塗料安定性の点から好ましい。乳酸チタンキレート化合物の例としては、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンアセチルラクテート等が挙げられる。また配位子としてトリエタノールアミンを有する有機チタンキレート化合物が架橋反応の速さの点から好ましい。
染着性樹脂と有機チタンキレート化合物の配合比率は、固形分比率で染着性樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい、0.1質量部未満では、架橋反応による樹脂の硬化が不十分となり、高速プリンターによる印画においてインクリボンとの剥離性が低下し、受容層剥がれやリボン融着などの障害が発生する可能性がある。50質量部を超えると架橋された樹脂が硬くなりすぎ、印画濃度の低下や画像の耐光性が低下する可能性がある。
また、インクリボンとの剥離性を改善するために各種公知の離型剤、ワックス類を受容層中に添加することも可能であり、離型剤の中でも水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂が、インクリボンとの剥離性の改善効果が高く、本発明の受容層に適している。
染着性樹脂と水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂の配合比率は、固形分比率で染着性樹脂100質量部に対して0.01〜25質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましい、0.01質量部未満では、剥離性が低下し、受容層剥がれやリボン融着などの障害が発生する可能性がある。である。50質量部を超えると架橋された樹脂が硬くなりすぎ、印画濃度の低下や画像の耐光性が低下する可能性がある。
(染着性樹脂)
本発明で使用される染着性樹脂は、受容層は、染着性、画像の耐光性、高温高湿環境での画像保存性に優れることからウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましく使用される。
本発明の受容層樹脂として最適なガラス転移温度は、樹脂の組成によって異なり、ウレタン樹脂では−30〜50℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。ポリエステル樹脂では30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。塩化ビニル系樹脂では25〜90℃が好ましく、45〜80℃がより好ましい。ガラス転移温度は、ISO−11359−2に準拠して測定された値である
また塩化ビニル系樹脂の中では、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル・アクリル共重合体樹脂が染着性、画像の耐光性、高温高湿環境での画像保存性の点から好ましい。塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として60〜90質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、70〜80質量%である。含有量が60質量%未満では、染着性が低下する場合があり、90質量%を超えると、成膜性が劣る場合がある。
受容層樹脂の最適なガラス転移温度範囲よりも低いと、高温高湿環境での画像保存性や画像の滲み、或いは印画時のリボン剥離性の低下によるプリンター走行不良が発生する場合がある。また、受容層樹脂の最適なガラス転移温度範囲を超えると、印画濃度の低下や画像の耐光性の低下が発生する場合がある。
また、本発明で使用される染着性樹脂は、水溶性樹脂又は水分散型樹脂であることが好ましい、乳酸チタン化合物系架橋剤は樹脂の水酸基と架橋反応するため、水酸基の多い水溶性樹脂又は水分散型樹脂を硬化させることに適している。染着性樹脂へのカルボキシル基の導入は、本発明の受容層に最も適した樹脂の親水化方法である。
本発明の受容層には、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂の中から選ばれる2種類以上の樹脂を混合して使用することも可能であり、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂を併用することも可能である。併用可能なその他の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、受容層中に有機チタンキレート化合物以外の架橋剤を添加することも可能である。有機チタンキレート化合物以外の架橋剤としては、ホウ素化合物、アルドヒド系化合物、ケトン系化合物、ハロゲン化合物、活性ビニル化合物、メチロール化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート化合物、アジリジン系化合物、カルボキシイミド系化合物、エポキシ系化合物、エチレンイミノ系化合物、有機チタンキレート化合物以外の金属含有化合物等が挙げられる。
受容層の塗工量は、0.3〜20g/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜15g/m2である。0.3g/m2未満では、印画により得られる画像の保存性が著しく低下する場合がある。20g/m2を超えると、中間層の染着性が損なわれる場合があり、画像の滲みが発生する場合がある。
(カレンダー処理)
受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、支持体、中間層形成後、バリア層形成後、受容層形成後、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用でき、ロール温度を受容シートの材料特性に合わせて適宜調整することによってより平滑性が向上し、高画質の熱転写受容シートを得ることができる。
(有機チタンキレート化合物)
本発明の受容層は、有機チタンキレート化合物で架橋された染着性樹脂を含有することを特徴としており、染着性樹脂と有機チタンキレート化合物系架橋剤を含有する塗液を支持体上に塗工、乾燥することによって形成することができる。
有機チタンキレート化合物と染着性樹脂の官能基との架橋反応は、常温環境でも速度が速く、乾燥工程後の温湿度管理や、キュア工程を行わなくても、安定した品質を得ることができる。
有機チタンキレート化合物としては、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、チタンアシレート(アシロキシチタネート)等が挙げられるが、有機チタンキレート化合物の中でも、乳酸チタンキレート化合物が塗料安定性の点から好ましい。乳酸チタンキレート化合物の例としては、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンアセチルラクテート等が挙げられる。また配位子としてトリエタノールアミンを有する有機チタンキレート化合物が架橋反応の速さの点から好ましい。
染着性樹脂と有機チタンキレート化合物の配合比率は、固形分比率で染着性樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい、0.1質量部未満では、架橋反応による樹脂の硬化が不十分となり、高速プリンターによる印画においてインクリボンとの剥離性が低下し、受容層剥がれやリボン融着などの障害が発生する可能性がある。50質量部を超えると架橋された樹脂が硬くなりすぎ、印画濃度の低下や画像の耐光性が低下する可能性がある。
また、インクリボンとの剥離性を改善するために各種公知の離型剤、ワックス類を受容層中に添加することも可能であり、離型剤の中でも水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂が、インクリボンとの剥離性の改善効果が高く、本発明の受容層に適している。
染着性樹脂と水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂の配合比率は、固形分比率で染着性樹脂100質量部に対して0.01〜25質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましい、0.01質量部未満では、剥離性が低下し、受容層剥がれやリボン融着などの障害が発生する可能性がある。である。50質量部を超えると架橋された樹脂が硬くなりすぎ、印画濃度の低下や画像の耐光性が低下する可能性がある。
(染着性樹脂)
本発明で使用される染着性樹脂は、受容層は、染着性、画像の耐光性、高温高湿環境での画像保存性に優れることからウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましく使用される。
本発明の受容層樹脂として最適なガラス転移温度は、樹脂の組成によって異なり、ウレタン樹脂では−30〜50℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。ポリエステル樹脂では30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。塩化ビニル系樹脂では25〜90℃が好ましく、45〜80℃がより好ましい。ガラス転移温度は、ISO−11359−2に準拠して測定された値である
また塩化ビニル系樹脂の中では、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル・アクリル共重合体樹脂が染着性、画像の耐光性、高温高湿環境での画像保存性の点から好ましい。塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として60〜90質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、70〜80質量%である。含有量が60質量%未満では、染着性が低下する場合があり、90質量%を超えると、成膜性が劣る場合がある。
受容層樹脂の最適なガラス転移温度範囲よりも低いと、高温高湿環境での画像保存性や画像の滲み、或いは印画時のリボン剥離性の低下によるプリンター走行不良が発生する場合がある。また、受容層樹脂の最適なガラス転移温度範囲を超えると、印画濃度の低下や画像の耐光性の低下が発生する場合がある。
また、本発明で使用される染着性樹脂は、水溶性樹脂又は水分散型樹脂であることが好ましい、乳酸チタン化合物系架橋剤は樹脂の水酸基と架橋反応するため、水酸基の多い水溶性樹脂又は水分散型樹脂を硬化させることに適している。染着性樹脂へのカルボキシル基の導入は、本発明の受容層に最も適した樹脂の親水化方法である。
本発明の受容層には、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂の中から選ばれる2種類以上の樹脂を混合して使用することも可能であり、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂以外の樹脂を併用することも可能である。併用可能なその他の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、受容層中に有機チタンキレート化合物以外の架橋剤を添加することも可能である。有機チタンキレート化合物以外の架橋剤としては、ホウ素化合物、アルドヒド系化合物、ケトン系化合物、ハロゲン化合物、活性ビニル化合物、メチロール化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート化合物、アジリジン系化合物、カルボキシイミド系化合物、エポキシ系化合物、エチレンイミノ系化合物、有機チタンキレート化合物以外の金属含有化合物等が挙げられる。
受容層の塗工量は、0.3〜20g/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜15g/m2である。0.3g/m2未満では、印画により得られる画像の保存性が著しく低下する場合がある。20g/m2を超えると、中間層の染着性が損なわれる場合があり、画像の滲みが発生する場合がある。
(カレンダー処理)
受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、支持体、中間層形成後、バリア層形成後、受容層形成後、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用でき、ロール温度を受容シートの材料特性に合わせて適宜調整することによってより平滑性が向上し、高画質の熱転写受容シートを得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示し、固形分量である。
<実施例>
〔受容層塗工液Aの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Bの調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:PMD1200、Tg60℃、東洋紡製、
固形分30%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Cの調製〕
塩化ビニル・アクリル共重合体樹脂 90部
(商品名:ビニブラン690、Tg46℃、日信化学製、固形分
54%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Dの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
トリエタノールアミンチタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−400、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Eの調製〕
アクリル系樹脂 90部
(商品名:A−SU24A、Tg23℃、コニシ化学製、
固形分38%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Fの調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:PMD1200、Tg60℃、東洋紡製、
固形分30%、溶媒:水)
イソシアネート化合物 9部
(商品名:IS−70N、日華化学社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%) 水 300部
〔受容層塗工液Gの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
エポキシ系架橋剤(商品名:EX−8、中央理化社製) 9部
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%) 水 300部
〔受容層塗工液Hの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%) 水 300部
〔バリア層塗工液1の調製〕
膨潤性無機層状化合物 10部
(ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径6.3μm、アスペクト比1000) ポリエステル樹脂 100部
(商品名:EW210、SK化学製)
水 890部
〔中間層塗工液aの調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを
主成分とする共重合体からなる既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA205、クラレ製)
スチレンブタジエンラテックス 30部
(商品名:PT1004、日本ゼオン製、45%水分散液)
水 200部
<実施例1>
〔支持体Aの作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に前記中間層塗工液1を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して中間層を形成した後、中間層上に前記バリア層塗工液aを、固形分塗工量が2g/m2となるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、更にバリア層上に前記受容層塗工液Aを、固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して受容層を形成し熱転写受容シートを得た。
<実施例2>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Bを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例3>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Cを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例4>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Dを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例5>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Eを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔受容層塗工液Aの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Bの調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:PMD1200、Tg60℃、東洋紡製、
固形分30%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Cの調製〕
塩化ビニル・アクリル共重合体樹脂 90部
(商品名:ビニブラン690、Tg46℃、日信化学製、固形分
54%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Dの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
トリエタノールアミンチタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−400、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Eの調製〕
アクリル系樹脂 90部
(商品名:A−SU24A、Tg23℃、コニシ化学製、
固形分38%、溶媒:水)
乳酸チタンキレート化合物 9部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%)
水 300部
〔受容層塗工液Fの調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:PMD1200、Tg60℃、東洋紡製、
固形分30%、溶媒:水)
イソシアネート化合物 9部
(商品名:IS−70N、日華化学社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%) 水 300部
〔受容層塗工液Gの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
エポキシ系架橋剤(商品名:EX−8、中央理化社製) 9部
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%) 水 300部
〔受容層塗工液Hの調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:ネオステッカー#1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 1部
(商品名:US450、東亞合成製、固形分25%) 水 300部
〔バリア層塗工液1の調製〕
膨潤性無機層状化合物 10部
(ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径6.3μm、アスペクト比1000) ポリエステル樹脂 100部
(商品名:EW210、SK化学製)
水 890部
〔中間層塗工液aの調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを
主成分とする共重合体からなる既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA205、クラレ製)
スチレンブタジエンラテックス 30部
(商品名:PT1004、日本ゼオン製、45%水分散液)
水 200部
<実施例1>
〔支持体Aの作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に前記中間層塗工液1を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して中間層を形成した後、中間層上に前記バリア層塗工液aを、固形分塗工量が2g/m2となるように塗工、乾燥してバリア層を形成し、更にバリア層上に前記受容層塗工液Aを、固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して受容層を形成し熱転写受容シートを得た。
<実施例2>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Bを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例3>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Cを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例4>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Dを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例5>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Eを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例1>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Fを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例2>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Gを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例3>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Hを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Fを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例2>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Gを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例3>
実施例1において、受容層塗工液Aの代わりに、受容層塗工液Hを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
評価
上記各実施例および比較例で得られた受容シートを3組準備し、下記保管条件で処理した後、下記試験を行った。得られた結果を表1に示す。
保管条件1:受容層形成後1時間以内に試験に供した。
保管条件2:受容層形成後、環境温度45℃環境湿度10%の試験室内に36時間置いた後、環境温度23℃環境湿度50%の試験室内で12時間調湿してから試験に供した。
保管条件2:受容層形成後、環境温度45℃環境湿度90%の試験室内に36時間置いた後、環境温度23℃環境湿度50%の試験室内で12時間調湿してから試験に供した。
上記各実施例および比較例で得られた受容シートを3組準備し、下記保管条件で処理した後、下記試験を行った。得られた結果を表1に示す。
保管条件1:受容層形成後1時間以内に試験に供した。
保管条件2:受容層形成後、環境温度45℃環境湿度10%の試験室内に36時間置いた後、環境温度23℃環境湿度50%の試験室内で12時間調湿してから試験に供した。
保管条件2:受容層形成後、環境温度45℃環境湿度90%の試験室内に36時間置いた後、環境温度23℃環境湿度50%の試験室内で12時間調湿してから試験に供した。
〔画像鮮明性〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、黒ベタ画像を印画した。マクベス反射濃度計RD914を用いて、黒ベタ画像の印画濃度を測定した。受容シートの画像鮮明性を以下の基準で評価し、表1に示した。
◎:黒ベタの印画濃度が、2.0以上あり、実用には全く問題ない。
○:黒ベタの印画濃度が1.7以上2.0未満であり、実用可能である。
×:黒ベタの印画濃度が1.7未満であり、実用には適さない。
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、黒ベタ画像を印画した。マクベス反射濃度計RD914を用いて、黒ベタ画像の印画濃度を測定した。受容シートの画像鮮明性を以下の基準で評価し、表1に示した。
◎:黒ベタの印画濃度が、2.0以上あり、実用には全く問題ない。
○:黒ベタの印画濃度が1.7以上2.0未満であり、実用可能である。
×:黒ベタの印画濃度が1.7未満であり、実用には適さない。
〔画像滲み〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で黒細線を印画した。印画物を40℃90%RH環境に24時間置いた後、黒細線の滲みを目視にて評価し表1に示した。
◎:黒細線は全く滲んでおらず、実用には全く問題ない。
○:黒細線はわずかに滲んでいるが、実用可能である。
×:黒細線の滲みがひどく、実用には適さない。
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で黒細線を印画した。印画物を40℃90%RH環境に24時間置いた後、黒細線の滲みを目視にて評価し表1に示した。
◎:黒細線は全く滲んでおらず、実用には全く問題ない。
○:黒細線はわずかに滲んでいるが、実用可能である。
×:黒細線の滲みがひどく、実用には適さない。
〔画像耐光性試験〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温にて黒ベタ印画を行った。得られた黒ベタ画像印画物を、Xeフェードメーターで10,000kJ/m2の積算照度になるまで処理した。
画像の耐光性試験前及び試験後の色調をJIS Z 8721に準拠して、色差計(グレタグ社)を用いて測定した。測定値は、JIS Z 8729に基づき、L*a*b*表色系で記録し、JIS Z 8730に基づく方法で処理前後の色差(ΔE*)を算出し、耐光性を評価した。
◎:ΔE*が8未満であり、実用には全く問題ない。
○:ΔE*が8以上13未満であり、実用可能である。
×:ΔE*が13以上であり、実用には適さない。
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温にて黒ベタ印画を行った。得られた黒ベタ画像印画物を、Xeフェードメーターで10,000kJ/m2の積算照度になるまで処理した。
画像の耐光性試験前及び試験後の色調をJIS Z 8721に準拠して、色差計(グレタグ社)を用いて測定した。測定値は、JIS Z 8729に基づき、L*a*b*表色系で記録し、JIS Z 8730に基づく方法で処理前後の色差(ΔE*)を算出し、耐光性を評価した。
◎:ΔE*が8未満であり、実用には全く問題ない。
○:ΔE*が8以上13未満であり、実用可能である。
×:ΔE*が13以上であり、実用には適さない。
〔走行性〕
得られた受容シートに、昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、50℃環境下で、黒ベタ画像を10枚連続で印画した。その際、受容シート表面とインクリボンとの融着状況、およびプリンターからの受容シートの排紙性などについて、以下の基準で評価し、走行性として表1に示した。
◎:受容シート表面とインクリボンとの融着が全くなく、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
○:受容シート表面とインクリボンとの軽い融着により若干騒音は生じるが、10枚とも排紙され、実用可能である。
×:受容シート表面とインクリボンとが融着を生じ、正常に排紙されないものがあり、実用には適さない。
得られた受容シートに、昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、50℃環境下で、黒ベタ画像を10枚連続で印画した。その際、受容シート表面とインクリボンとの融着状況、およびプリンターからの受容シートの排紙性などについて、以下の基準で評価し、走行性として表1に示した。
◎:受容シート表面とインクリボンとの融着が全くなく、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
○:受容シート表面とインクリボンとの軽い融着により若干騒音は生じるが、10枚とも排紙され、実用可能である。
×:受容シート表面とインクリボンとが融着を生じ、正常に排紙されないものがあり、実用には適さない。
本発明は、保存性に優れた鮮明画像が得られ、高速プリンターによる印画においてもインクリボンとの剥離性が良好であり、かつ製造後の保管環境による品質変動が極めて少ない熱転写受容シートを提供することができ、実用上極めて有用である。
Claims (5)
- 支持体上の少なくとも一面に、染着性樹脂を含有する画像受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、染着性樹脂が有機チタンキレート化合物で架橋されていることを特徴とする熱転写受容シート。
- 前記有機チタンキレート化合物の配位子が、乳酸化合物又はトリエタノールアミンである請求項1に記載の熱転写受容シート。
- 前記染着性樹脂が、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂および塩化ビニル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜2のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記染着性樹脂が、水溶性樹脂または水分散型樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記画像受容層が、さらに水系ポリシロキサングラフトアクリル樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008172836A JP2010012640A (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 熱転写受容シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008172836A JP2010012640A (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 熱転写受容シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010012640A true JP2010012640A (ja) | 2010-01-21 |
Family
ID=41699230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008172836A Pending JP2010012640A (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 熱転写受容シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010012640A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013103387A (ja) * | 2011-11-11 | 2013-05-30 | Dainippon Printing Co Ltd | 昇華転写受像シート及び昇華転写受像シートの製造方法 |
JP2014198417A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写受像シートおよびその製造方法 |
-
2008
- 2008-07-01 JP JP2008172836A patent/JP2010012640A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013103387A (ja) * | 2011-11-11 | 2013-05-30 | Dainippon Printing Co Ltd | 昇華転写受像シート及び昇華転写受像シートの製造方法 |
JP2014198417A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写受像シートおよびその製造方法 |
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