JP2018176458A - 昇華転写用受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】画質と濃度が十分であり、耐キズ性が良好である昇華転写用受像シートを提供する。【解決手段】基材2の一方の面に、断熱層3,第1の染料受容層4及び第2の染料受容層5がこの順に形成される。第1の染料受容層4は、ガラス転移温度Tgが−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスと、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂とを主成分として含む。第2の染料受容層5は、塩化ビニルモノマーの比率が70%以上である、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂を主成分として含む。第1の染料受容層4における、(スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂)の質量比が30:70〜70:30である。【選択図】図1

Description

本発明は、昇華転写用受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式プリンタで用いられる、いわゆるサーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことである。このインクリボンは、例えば、基材と、その基材の一方の面に設けられたインクを含む熱転写層と、その基材の他方の面に設けられた耐熱滑性層(バックコート層)と、を備える。熱転写方式プリンタでは、インクリボンの熱転写層にサーマルヘッドで発生する熱を加えることにより、熱転写層に含まれるインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させて、そのインクを熱転写受像シートに転写し、その熱転写受像シートにインクからなる膜を形成する。このインクからなる膜によって、熱転写受像シートに文字や画像が形成される。
熱転写方式プリンタの中でも昇華転写方式プリンタは、プリンタの高機能化により各種画像を簡便にフルカラーで形成することができるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類の印刷、アミューズメント用出力物の印刷等に広く利用されている。このような熱転写方式プリンタの多様化に伴って、プリンタの小型化、高速化および低コスト化や、得られる印画物の耐久性が求められている。近年、基材の同一面側に、複数の熱転写層と印画物への耐久性を付与する保護層等とが、互いに重ならないように設けられた昇華転写用記録媒体が普及している。
そのような状況の中、熱転写方式プリンタの用途の多様化と普及拡大に伴って、環境面への配慮から、有機溶剤を含まない昇華転写用受像シートが求められている。昇華転写用受像シートでは、従来、断熱層として発泡フィルムが用いられていたが、環境保全の観点から、中空粒子を含む断熱層の検討が進められている。
しかしながら、断熱層に中空粒子を用いた場合、発泡フィルムを用いた断熱層と比較して、クッション性が不十分であり画質が悪いという課題がある。このような課題を解決するために、中空層およびプライマー層にゴムラテックス/メタクリル酸メチルグラフト重合エマルジョンを含むが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−82214号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている熱転写受像シートを用いて、高速印画プリンタにて印画を行ったところ、画質は十分であったものの、高速印画時の濃度が十分ではなく、耐キズ性も不十分であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画質と濃度が十分であり、耐キズ性が良好である昇華転写用受像シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、昇華転写用受像シートを構成する染料受容層の材料と、その材料の配合比とを規定することによって、上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートは、基材の一方の面側に、断熱層、第1の染料受容層及び第2の染料受容層がこの順に形成され、前記第1の染料受容層は、ガラス転移温度Tgが−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスと、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂とを主成分として含み、前記第2の染料受容層は、塩化ビニルモノマーの比率が70%以上である、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂を主成分として含み、前記第1の染料受容層が含有する樹脂における、(スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂)の質量比が30:70〜70:30であることを特徴とする。
このとき、本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートにおいて、前記第2の染料受容層と第1の染料受容層とが塩化ビニル系樹脂が同一のものを含んでいてもよい。
また、本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートにおいて、前記断熱層が中空粒子を含んでいてもよい。
本発明の一態様によれば、画質と濃度が十分であり、耐キズ性が良好である昇華転写用受像シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る昇華転写用受像シートを模式的に示す断面図である。
本発明の昇華転写用受像シートの実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、図面は模式的なものであり、各層の厚さの比率等は現実のものと異なる。
[昇華転写用受像シート]
図1は、本発明の実施形態に係る昇華転写用受像シート1を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る昇華転写用受像シート1は、基材2と、基材2の一方の面上に順に積層された断熱層3、第1の染料受容層4および第2の染料受容層5と、を備える。
(基材)
基材2としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。基材2としては、例えば、合成樹脂からなるフィルム、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等が挙げられる。紙基材2としては、これらのフィルムや紙の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて複合体として用いてもよい。
基材2の厚さは、25μm以上250μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
基材2の厚さが上記の範囲内であれば、印刷物を形成した場合に、その印刷物に要求される弾力性、強度および耐熱性が十分に得られる。
(断熱層)
断熱層3は、多孔質層を含む断熱層であれば従来公知のものが使用できる。
発泡フィルムであれば、片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた断熱層を挙げることができる。発泡ポリオレフィンフィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。
また、環境保全の観点からは、中空粒子を用いた断熱層が好ましい。中空粒子を用いた断熱層には、中空粒子および樹脂が含まれる。中空粒子としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。中空粒子としては、例えば、粒子内部に多数の微細な空洞を有するアクリル系多孔粒子、中空構造を持つシリカ粒子(中空シリカ)等が挙げられる。
中空粒子の平均粒子径は、0.3μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。中空粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用い、レーザー回折法により測定することができる。
断熱層3を構成する樹脂は、断熱層3を構成する中空粒子同士の隙間を埋めて、中空粒子同士を結着させ、また、基材2と断熱層3とを接合する。
このような樹脂としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。樹脂としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエンラテックス、アクリル、ポリエステル等が挙げられる。
中空粒子(a)と樹脂(b)との質量比((a)/(b))は、50/50〜98/2であることが好ましく、70/30〜95/5であることがより好ましい。
質量比((a)/(b))が50/50以上となるように中空粒子(a)を配合すれば、断熱層3には十分な断熱性が得られ、熱転写時に基材2が熱変形したり、溶融したりすることがなく、十分な画質が得られる。一方、質量比((a)/(b))が98/2以下となるように中空粒子(a)を配合すれば、十分な強度が得られる。
断熱層3の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上60μm以下程度であることがより好ましい。
断熱層3の厚さが5μm以上であれば、断熱層3には十分な断熱性が得られる。一方、断熱層3の厚さが100μm以下であれば、印刷物を形成した場合に、その印刷物に要求される弾力性が得られる。
断熱層3の密度は、0.15g/cm〜0.85g/cmであることが好ましく、0.3g/cm〜0.7g/cmであることがより好ましい。
断熱層3の密度が0.15g/cm以上であれば、断熱層3における中空粒子の含有率が多くなり過ぎて、断熱層3の凝集力が低下し、基材2に対する断熱層3の密着性が低下することや、発泡フィルムが裂けやすいことがない上に、断熱層3には十分な断熱性が得られる。一方、断熱層3の密度が0.85g/cm以下であれば、断熱層3には適度に空隙が含まれるため、断熱層3には十分な断熱性が得られる。
断熱層3の構成はこれに限定されない。本実施形態の昇華転写用受像シート1では、断熱層3が、中空粒子の種類や、中空粒子と樹脂の質量比が互いに異なる2層以上から構成されていてもよい。
(染料受容層)
第1の染料受容層4は、ガラス転移温度Tgが−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスと、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂とを主成分として含む。ここでいう主成分とは、乾燥後塗膜の固形分比率が50%以上であることを示し、好ましくは80%以上である。また、第1の染料受容層4を構成する樹脂のうち、スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比が30:70〜70:30となるように調製する。
以下記載する第1の染料受容層の塩化ビニル系樹脂とは、特に限定がない場合は塩化ビニル−アクリルおよび/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を示す。
ここで、ガラス転移温度(Tg)とは、減圧乾燥して固形化した試料を、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter、DSC)にて測定したものである。
ガラス転移温度(Tg)が−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスとしては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。
ここで、中空粒子を用いた断熱層3は、中空粒子が発泡フィルムと比較して硬いため、クッション性が得づらい。また、十分な断熱性を得るためには、中空粒子の比率を多くする必要があり、断熱層3の表面に粒子の凹凸が生じやすくなる。断熱層3の厚さを厚くすることも可能だが、印画時にサーマルヘッドから伝熱する範囲には限りがあるため、中空粒子の比率を高くすることが必要とされている。そのため、中空粒子を用いた断熱層3では中空粒子の表面凹凸による画質不良が生じやすい。それゆえに、断熱層3の上にクッション性の機能が必要である。
これに対し、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスを含むことで、良好な画質を得ることができる。Tgが−30℃未満のスチレンブタジエンラテックスを含むと、画質は良好であるが、第2の染料受容層とのクッション性に差が生じることで、耐キズ性が悪くなる。ここでいう耐キズ性とは、昇華転写用受像シート表面のキズつきやすさをいう。耐キズ性が不十分であると、プリンタ内で昇華転写用受像シートを送る際などに表面がプリンタ内部と接触した際や作製した印画物表面に触れた際にキズがつきやすくなる。一方、Tgが0℃よりも高いスチレンブタジエンラテックスを用いると、クッション性が不十分となり、良好な画質を得ることが難しい。
第1の染料受容層4に用いられる塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、塩化ビニルモノマーと、(メタ)アクリルモノマー((メタ)アクリル酸エステル)とを従来公知の方法で重合して得られたものが用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを含む。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。
また、スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比が、30:70よりもスチレンブタジエンラテックスの比率が小さくなると、第2の染料受容層5との密着性は良好になるが、十分なクッション性を得られず、画質が不十分となる。一方、上記の質量比が70:30よりもスチレンブタジエンラテックスの比率が大きくなると、画質は良好だが、第2の染料受容層とのクッション性の差が大きくなることで表面にキズが生じやすく、第2の染料受容層との密着性も不十分となる。
第2の染料受容層5は、塩化ビニルモノマーの比率が70%以上である、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂を主成分として含む。ここでいう主成分とは、乾燥後塗膜の固形分比率が50%以上であることを示し、好ましくは80%以上である。
第2の染料受容層5に含まれる塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーの比率が70%以上であれば、従来公知のものが使用できる。
第2の染料受容層5に含まれる塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。例えばガラス転移温度(Tg)が40℃以上の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体が例示でき、そのような塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニルモノマーと、(メタ)アクリルモノマー((メタ)アクリル酸エステル)とを従来公知の方法で重合して得られたものが用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを含む。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。
第2の染料受容層5の塩化ビニルモノマーの比率が70%以上であれば、2種類以上の塩化ビニル系樹脂を混合することも可能である。
ここで、第1、第2の染料受容層4、5は硬化剤を含んでもよい。硬化剤としては、ポリイソシアネート、アジリジンなど従来公知のものが使用できる。
第1、第2の染料受容層4、5は離型剤を含んでも良い。離型剤としてはシリコーン系、フッ素系など従来公知のものが使用できる。離型剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合しても良い。
第1、第2の染料受容層4、5には、必要に応じて、コロイダルシリカ、無機高分子、樹脂、レベリング剤、界面活性剤等の添加剤を添加してもよい。
第1の染料受容層4の厚さは、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.2μm以上2.5μm以下であることがより好ましい。第2の染料受容層5の厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上8μm以下であることがより好ましい。
第1の染料受容層4の厚さが0.1μm以上であれば、第1の染料受容層4に十分なクッション性が得られるため、画質不良が生じ難くなる。一方、第1の染料受容層4の厚さが5μm以下であれば、コストメリットが大きい。
第2の染料受容層5の厚さが0.1μm以上であれば、第1の染料受容層4に十分な染着性が得られるため、濃度不足が生じ難くなる。一方、第2の染料受容層5の厚さが10μm以下であれば、コストメリットが大きい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1は、基材2と断熱層3の接着性を改善するために、基材2と断熱層3の間に接着層を設けてもよい。
接着層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。接着層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1には、基材2における断熱層3が設けられている面(一方の面)とは反対の面(他方の面)側に、裏面層が設けられていてもよい。
この裏面層は、プリンタ搬送性の向上や、染料受容層4とのブロッキング防止、印画前後の昇華転写用受像シート1のカール防止のために設けられる。
裏面層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。裏面層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等のバインダ樹脂等が挙げられる。
また、裏面層を形成する材料には、必要に応じて、フィラーや帯電防止剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1には、断熱層3と第1の染料受容層4の間に、本実施形態の昇華転写用受像シート1の性能を損なわない範囲で下引き層が設けられていてもよい。
下引き層の厚さは、0.1μm以上6μm以下であることが好ましく、0.2μm以上2μm以下であることがより好ましい。
下引き層の厚さが0.1μm以上であれば、下引き層の膜厚調整が容易であるばかりではなく、印画濃度にバラツキが生じ難い。また、下引き層と、断熱層3および第1の染料受容層4との密着性が十分となる。一方、下引き層の厚さが6μm以下であれば、高速印画時における印画濃度が低下することがない。また、コスト面の観点からも、下引き層の厚さは6μm以下であることが好ましい。
下引き層に用いられる樹脂としては従来公知のもので対応でき、例えば、ゼラチン系樹脂やポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンブタジエンラテックス系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂などが挙げられる。
本実施形態の昇華転写用受像シート1によれば、断熱層3が中空粒子を含有し、第1の染料受容層4が、ガラス転移温度Tgが−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスと塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂を主成分として含み、スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比が30:70〜70:30であり、第2の染料受容層5には、塩化ビニルモノマーの比率が70%以上である塩化ビニル系樹脂を主成分として含むため、画質が良好で画質と濃度が十分であり、耐キズ性が良好である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成からなる断熱層塗布液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
「断熱層塗布液の組成」
断熱層塗布液の組成は次の通りである。
・中空粒子(スチレンアクリル、粒径1.0μm、固形分26質量%)
:90.0質量部
・ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製):10.0質量部
その後、断熱層の上に、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−1を、乾燥後の厚さが1μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥した。その後、第2の染料受容層塗布液−1を、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することで、第1及び第2の染料受容層を形成し、実施例1の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−1の組成」
第1の染料受容層塗布液−1の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):27.8質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=32:68、TG=−15℃):50.0質量部
・純水:22.2質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=50:50
「第2の染料受容層塗布液−1の組成」
第2の染料受容層塗布液−1の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン902、日信化学工業社製、塩化ビニルモノマー比率80%、固形分50質量%):60.0質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業製):0.3質量部
・純水:39.7質量部
[実施例2]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−2を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−2の組成」
第1の染料受容層塗布液−2の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):27.8質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=24:76、TG=−30℃):50.0質量部
・純水:22.2質量部
スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=50:50
[実施例3]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−3を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−3の組成」
第1の染料受容層塗布液−3の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):27.8質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=41:59、TG=−0℃):50.0質量部
・純水:22.2質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=50:50
[実施例4]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−4を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−4の組成」
第1の染料受容層塗布液−4の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):38.9質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=32:68、TG=−15℃):30.0質量部
・純水:31.1質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=30:70
[実施例5]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−5を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−5の組成」
第1の染料受容層塗布液−5の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):16.7質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=32:68、TG=−15℃):70.0質量部
・純水:13.3質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=70:30
[実施例6]
第2の染料受容層を、下記の組成の第2の染料受容層塗布液−2を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の昇華転写用受像シートを得た。
「第2の染料受容層塗布液−2の組成」
第2の染料受容層塗布液−2の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン900、日信化学工業社製、塩化ビニルモノマー比率90%、固形分40質量%):75.0質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業製):0.3質量部
・純水:24.7質量部
[実施例7]
染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−6を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−6の組成」
第1の染料受容層塗布液−6の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン902、日信化学工業社製、Tg:60℃、固形分50質量%):30.0質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=32:68、TG=−15℃):50.0質量部
・純水:20.0質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=50:50
[実施例8]
染料受容層を、下記の組成の第2の染料受容層塗布液−3を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の昇華転写用受像シートを得た。
「第2の染料受容層塗布液−3の組成」
第2の染料受容層塗布液−3の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:ビニブラン603、日信化学工業社製、塩化ビニルモノマー比率70%、固形分50質量%):60.0質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業製):0.3質量部
・純水:39.7質量部
[実施例9]
断熱層を、発泡ポリエステルフィルム(商品名:クリスパーK1212、東洋紡)を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の昇華転写用受像シートを得た。なお、発泡ポリエステルフィルムはドライラミにて乾燥後膜厚0.5μmになるように貼り合わせた。
[比較例1]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−7を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−7の組成」
第1の染料受容層塗布液−7の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):27.8質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=16:84、TG=−43℃、固形分30質量%):50.0質量部
・純水:22.2質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=50:50
[比較例2]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−8を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−8の組成」
第1の染料受容層塗布液−8の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):27.8質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=50:50、Tg15℃、固形分30質量%):50.0質量部
・純水:22.2質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量に=50:50
[比較例3]
第1の染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−9を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−9の組成」
第1の染料受容層塗布液−9の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):44.4質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=32:68、TG=−15℃、固形分30質量%):20.0質量部
・純水:35.6質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=20:80
[比較例4]
染料受容層を、下記の組成の第1の染料受容層塗布液−10を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の昇華転写用受像シートを得た。
「第1の染料受容層塗布液−10の組成」
第1の染料受容層塗布液−10の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:47℃、固形分54質量%):11.1質量部
・スチレンブタジエンラテックス(スチレン:ブタジエン=32:68、TG=−15℃、固形分30質量%):80.0質量部
・純水:8.9質量部
・スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂の質量比=80:20
[比較例5]
第2の染料受容層を、下記の組成の第2の染料受容層塗布液−4を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の昇華転写用受像シートを得た。
「第2の染料受容層塗布液−4の組成」
第2の染料受容層塗布液−4の組成は次の通りである。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、塩化ビニルモノマー比率50%、固形分43質量%):69.8質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業製):0.3質量部
・純水:29.9質量部
[比較例6]
断熱層を、発泡ポリエステルフィルム(商品名:クリスパーK1212、東洋紡)を用いて形成したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例6の昇華転写用受像シートを得た。なお、発泡ポリエステルフィルムはドライラミにて乾燥後膜厚0.5μmになるように貼り合わせた。
[比較例7]
断熱層を、発泡ポリエステルフィルム(商品名:クリスパーK1212、東洋紡)を用いて形成したこと以外は、比較例2と同様にして、比較例7の昇華転写用受像シートを得た。なお、発泡ポリエステルフィルムはドライラミにて乾燥後膜厚0.5μmになるように貼り合わせた。
[熱転写記録媒体の作製]
熱転写記録媒体の基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その非易接着処理面に下記の組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記の組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
「耐熱滑性層塗布液の組成」
耐熱滑性層塗布液の組成は次の通りである。
・シリコーン系アクリルグラフトポリマー(商品名:US−350、東亜合成社製):50.0質量部
・メチルエチルケトン:50.0質量部
「熱転写層塗布液の組成」
熱転写層塗布液の組成は、次の通りである。
・C.I.ソルベントブルー36:2.5質量部
・C.I.ソルベントブルー63:2.5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 :5.0質量部
・トルエン :45.0質量部
・メチルエチルケトン :45.0質量部
「印画評価」
(1)画質評価
上記の熱転写記録媒体を用い、23℃、湿度50%の環境下にて、印画速度が0.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにより、実施例1〜8および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれに、グラデーション画像の印画を行い、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価の基準
○:画質不良が見られない
△:実用上問題ないレベルで画質不良がごくわずかに見られる
×:画質不良が見える
(2)最高反射濃度評価
上記の熱転写記録媒体を用い、0℃、湿度50%の環境下にて、印画速度が0.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにより、実施例1〜8および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれに、ベタ画像の印画を行い、それぞれの印画について最高反射濃度を評価した。
最高反射濃度とは、ベタ印画時の濃度を示す。
また、反射濃度の評価は、反射分光濃度計X−Rite528にて行った。
最高反射濃度の評価を、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価の基準
◎:最高反射濃度が非常に高い
○:最高反射濃度が高い
△:最高反射濃度が実用上問題ない
×:最高反射濃度が低い
(3)耐キズ性
学振試験機を用い、23℃、湿度50%の環境下にて、荷重200gf、接触面を綿(カナキン3号)とし、実施例1〜8および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれに10往復させ、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価の基準
○:傷が見えない。
△:実用上問題ない範囲だが目視でごくわずかに傷が見える
×:目視で傷が見える
(4)クラック
実施例1〜8および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれの表面クラックを評価した。クラックの評価は以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価の基準
○:目視にてクラックが見えない
△:実用上問題ない範囲だが目視でごくわずかにクラックが見える
×:目視でクラックが見える
(5)密着性
実施例1〜8および比較例1〜5の昇華転写用受像シートのそれぞれに、セロテープ(登録商標)による剥離を評価した。密着性の評価は以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
評価の基準
◎:第1の染料受容層と第2の染料受容層の相関で一切剥離しない
○:実用上問題ない範囲で第1の染料受容層と第2の染料受容層の層間でごくわずかに剥離する
△:実用上問題ない範囲で第1の染料受容層と第2の染料受容層の層間で剥離する
×:第1の染料受容層と第2の染料受容層の層間で容易に剥離する
Figure 2018176458
表1の結果から、実施例1〜9のように、基材の一方の面上に断熱層および第1、第2の染料受容層を備える昇華転写用受像シートは、画質と濃度が十分であり、耐キズ性に優れることが分かった。
また実施例1〜3の結果から、第1の染料受容層のスチレンブタジエンラテックスのTgが低くなるにつれて耐キズ性が低くなることが分かった。
実施例1、4、5から分かるように、第1の染料受容層を構成する塩化ビニル系樹脂の比率が高くなるにつれて、第2の染料受容層との密着性が良好になるものの、画質が実用上問題ない範囲で悪化する傾向が確認された。一方スチレンブタジエンラテックスの比率が高くなるにつれて、第2の染料受容層との密着性が実用上問題ない範囲で悪化することが確認された。
実施例1、6、8から分かるように、第2の染料受容層の塩化ビニルモノマーの比率が上がるにつれて、濃度が良好になることが確認された。
実施例1、7から分かるように、第1の染料受容層の塩化ビニル系樹脂に第2の染料受容層の塩化ビニル系樹脂と同一の樹脂を用いることで、密着性が良化することが確認された。
実施例1、9から分かるように、断熱層は中空粒子、発泡フィルムともに画質と濃度が十分であり、耐キズ性に優れることが分かったが、中空粒子の断熱層の方が、濃度が優れていることが確認された。
これに対して、比較例1、6では第1の染料受容層のスチレンブタジエンラテックスのTgが30℃未満になることで、耐キズ性が悪化することが確認された。
比較例2、7では、第1の染料受容層のスチレンブタジエンラテックスのTgが0℃より大きくなることで画質が悪化することが分かった。
比較例3では、第1の染料受容層のスチレンブタジエンラテックスの比率が30よりも小さくなることで、画質が悪化することが分かった。
比較例4では、第1の染料受容層の塩化ビニル系樹脂の比率が70よりも大きくなったことで、画質の悪化が確認された。
比較例5では、第2の染料受容層の塩ビモノマーの比率が70%よりも小さくなることで濃度が悪化することが分かった。
本発明の昇華転写用受像シートは、昇華転写方式のプリンタに適用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用することができる。
1・・・昇華転写用受像シート
2・・・基材
3・・・断熱層
4・・・第1の染料受容層
5・・・第2の染料受容層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面側に、断熱層、第1の染料受容層及び第2の染料受容層がこの順に形成され、
    前記第1の染料受容層は、ガラス転移温度Tgが−30℃以上0℃以下のスチレンブタジエンラテックスと、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂とを主成分として含み、
    前記第2の染料受容層は、塩化ビニルモノマーの比率が70%以上である、塩化ビニル−アクリルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方からなる塩化ビニル系樹脂を主成分として含み、
    前記第1の染料受容層が含有する樹脂における、(スチレンブタジエンラテックス:塩化ビニル系樹脂)の質量比が30:70〜70:30であることを特徴とする昇華転写用受像シート。
  2. 前記第1の染料受容層の塩化ビニル系樹脂と前記第2の染料受容層の塩化ビニル系樹脂とが、同一の塩化ビニル系樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の昇華転写用受像シート。
  3. 前記断熱層が中空粒子を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の昇華転写用受像シート。
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