JPH09127872A - 熱転写受像タッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドとの密着性をあげ、再現性に
優れた熱転写受像タッグを提供する。 【解決手段】 この熱転写受像タッグは、ブタジエンを
含み、ガラス転移点が−６０℃〜２℃の範囲にあるバイ
ンダが配合された染着剤がタッグ基材に塗布されて受像
層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、熱転写法により
記録できる受像タッグ、特にたとえば、熱転写型プリン
ターに用いて好適な熱転写受像タッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、熱転写記録には、熱溶融転写法と
熱昇華転写法があり、そのうち、特に熱昇華転写法に用
いる被転写体は、昇華染料を染着するための受像層を必
要とするため、基体及び受像層より構成されるが、受像
層として、色再現性、昇華染料の染着性、熱昇華転写媒
体との剥離性、染料染着後の保存安定性、表面光沢度等
の特性を考慮する必要性があり、現在、たとえば熱活性
のポリエステル樹脂が代表的な染着樹脂の第１成分とし
て提案されている。従来、熱転写インク染料が転写され
て特定の色が表現するには、その転写の有無によって、
画線を表現していたが、最近サーマルヘッドの熱エネル
ギーを変化させることによってドットの大きさ（面積）
を変化できる技術が提案され、色の重ね合わせによりフ
ルカラーを再現しようとするようになってきている。と
ころが、サーマルヘッドの熱を有効利用するには、サー
マルヘッドと被熱転写受像体との密着性を挙げる必要性
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、タッグの場
合その基材が固く、熱転写法により、熱転写法によって
記録しようとするとサーマルヘッドとタッグとの密着性
が悪く、再現性において欠点がある。それゆえに、この
発明は、サーマルヘッドとの密着性をあげ、再現性に優
れた熱転写受像タッグを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の熱転写受像タ
ッグは、ブタジエンを含み、ガラス転移点が−６０℃〜
２℃の範囲にあるバインダが配合された染着剤がタッグ
基材に塗布されて受像層が形成された、熱転写受像タッ
グである。

【０００５】請求項２の熱転写受像タッグは、染着剤
は、バインダ、フィラー、分散剤および増粘剤を含む、
請求項１記載の熱転写受像タッグである。

【０００６】請求項３の熱転写受像タッグは、受像層
は、タッグ基材に染着剤が塗布された後にカレンダー処
理が施されてなる、請求項１または２のいずれかに記載
の熱転写受像タッグである。

【０００７】この発明の上述の目的，その他の目的，特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。

【０００８】

【発明の実施の形態】この発明に係る熱転写法により記
録できる被転写タッグ１０は、ブタジエンを含み、ガラ
ス転移点が−６０℃〜２℃の範囲にあるバインダが配合
された染着剤がタッグ基材１２に塗布されて受像層１４
が形成されてなる。

【０００９】この発明における被転写タッグ１０のシー
ト状タッグ基材１２としては、合成紙（ポリオレフィン
系、ポリスチレン系等）、上質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、合成樹脂またはエマルジョン含
浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、板紙、もしくはセル
ロース繊維紙等の天然繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレ
ン、メタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラ
スチックのフィルムもしくはシートが使用できる。この
うち、合成紙は、その表面に熱伝導率の低い（換言すれ
ば断熱性の高い）層を有しているのが好ましい。また、
これらの組み合わせによる積層体も使用できるが、その
代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成
紙、あるいは、セルロース繊維紙とプラスチックフィル
ムもしくはシートとの積層体が挙げられる。

【００１０】前記したような積層体に用いる合成紙とし
ては、特に微細孔を有する層を設けた合成紙が望まし
い。前記微細孔は、たとえば、合成樹脂を微細充填剤含
有状態で延伸することにより形成することができる。前
記微細孔を含有する層を設けた合成紙を用いて構成した
熱転写受像紙に熱転写により画像を形成した場合、画像
濃度が高く、画像のバラツキも生じないという効果があ
る。これは、微細孔の断熱効果によるものと推定され
る。また、前記微細孔を含有する層を直接、セルロース
繊維紙など芯材の表面に設けることも可能である。

【００１１】また、前記セルロース繊維紙とプラスチッ
クフィルムとをラミネートしたものも使用することがで
き、その貼着方法としては、たとえば、従来公知の接着
剤を用いた貼着、押出ラミネート法を用いた貼着、熱接
着による貼着が挙げられ、また、合成紙とプラスチック
フィルムとの貼着方法としてはプラスチックフィルムの
形成を同時に兼ねたラミネート法、カレンダー法等によ
る貼着等が挙げられる。前記貼着手段は合成紙と貼着す
るものの材質に応じて適宜選択すればよい。

【００１２】受像層１４は、熱転写シートから転写され
る染料、たとえば昇華性の分散染料の画像を受像し、受
像することにより形成された画線を維持するための層で
ある。

【００１３】この発明においては、この受像層１４は、
ブタジエンを含み、ガラス転移点が−６０℃〜２℃の範
囲にあるバインダ、たとえばスチレン−ブタジエン系共
重合物あるいはアクリロニトリル−ブタジエン系共重合
物が配合された染着樹脂が３ｇ／ｍ² 〜４０ｇ／ｍ² コ
ーティングして形成される。染着樹脂体は、かかるバイ
ンダ以外、粉体（フィラー）、分散剤および増粘剤が配
合されてなる。

【００１４】なお、この発明においては、受像層１４
は、染着樹脂が適宜量塗布された後、カレンダー処理を
行ない、その表面を平滑にしている。

【００１５】

【実施例１】タッグ基材として上質紙を選択し、そのタ
ッグ基材の表面上に下記組成の染着樹脂を塗布量として
１３ｇ／平方メートル塗布した後、平滑度２００〜５０
０秒となるようにカレンダー処理を施し、形成された受
像層を平滑にして熱転写受像タッグ紙を得た。受像層形
成用組成物 粉体（フィラー）・・・６２．９重量部 染着樹脂（バインダ）・・・３０重量部 分散剤（ヘキサメタリン酸ナトリウム）・・・１．２７重量部 増粘剤（セロゲンＰＲ）・・・１．５重量部 染着樹脂（バインダ）としてスチレン−ブタジエン系ラ
テックスであって、ガラス転移点−５８℃〜１００℃の
ものを選択し受像層を形成したところ、表１のような結
果を得た。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【実施例２】前記した受像層形成組成物のうち、染着樹
脂（バインダ）としてアクリロニトリル−ブタジエン系
ラテックスであってガラス転移点−５５℃〜４℃のもの
を選択し、受像層を形成したところ、表２のような結果
を得た。

【００１８】

【表２】

【００１９】表１および表２において、転写適正とは、
サーマルヘッドとの密着性をいい、密着性とは、受像層
と基材との密着性をいう。この実施例１および実施例２
で分かるように、ガラス転移点−６０℃〜２℃の範囲に
ある染着樹脂を含む受像層形成組成物で受像層を形成し
たものが転写適性が比較的優れていることが分かる。

【００２０】

【発明の効果】この発明の被熱転写受像タッグは、受像
層をブタジエンを含み、ガラス転移点が−６０℃〜２℃
の範囲にあるバインダが配合された染着樹脂がコーティ
ングされて形成されているので、被転写受像タッグの表
面が比較的柔らかく、サーマルヘッドおよび転写シート
（リボン）との密着性を挙げ、サーマルヘッドの熱の有
効利用を図ることにより、再現性の優れたものとするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る熱転写受像タッグ紙の斜視図で
ある。

【図２】図１図示例のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１０ 被熱転写受像タッグ １２ タッグ基材 １４ 受像層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブタジエンを含み、ガラス転移点が−６
   ０℃〜２℃の範囲にあるバインダが配合された染着剤が
   タッグ基材に塗布されて受像層が形成された、熱転写受
   像タッグ。
2. 【請求項２】 前記染着剤は、バインダ、フィラー、分
   散剤および増粘剤を含む、請求項１記載の熱転写受像タ
   ッグ。
3. 【請求項３】 前記受像層は、前記タッグ基材に前記染
   着剤が塗布された後にカレンダー処理が施されてなる、
   請求項１または２のいずれかに記載の熱転写受像タッ
   グ。