JPH01101193A - 熱転写記録用受像シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は画像信号に応じてサーマルヘッド等の熱により
熱転写シートの昇華性染料等を移行させて記録を行うの
に適した熱転写記録用受像シートに関する。

「従来の技術」 昇華性染料等の転写を受ける熱転写記録用受像シートと
しては、熱可塑性ポリエステル樹脂等をバインダーとし
、微粉末シリカや炭酸カルシウム等を混合分散させた塗
工液を、上質紙などの紙基材等に塗布して受像層を形成
したものが知られている。しかしながら、階調性のある
画像を転写する場合、上質紙のような平滑度の低い基材
に受像層を設けても、転写抜けのない、美しい階調性の
ある画像は得られない。特に、受像層が有機溶剤溶液を
用いて形成される場合には、画像の転写抜けが多い。

−ｇに記号や文字、数字等の画像を転写する時には、無
地の部分が多いので転写抜けは記号や文字、数字の部分
に生じない限り目立たないが、写真のような画像や、ベ
タ着色部のある画像では転写抜けは欠点として残る。

この欠点を改善する為、過去、様々な努力がなされてき
た。

例えば、■特開昭６１−１７２７９５号には受像層の下
の中間層に有機溶剤バリヤー性を持たせ、且っＪＩＳＢ
　０６０１に準じて測定される表面の最大高さＲ□８を
７ミクロン以下にする方法が提案されており、■特開昭
６１−１４４３９４号には樹脂を主とする中間層のＪＩ
Ｓ　Ｋ　６３０１で規定される１００％モジュラスを１
００　ｋｇ／ｃｍ”以下とする方法が提案されている。

。 しかし、改良に伴って新たな問題が付随するため、必ず
しも満足すべき結果が得られていないのが現状である。

例えば、上記■では中間層が可塑性を保持している間に
鏡面に接触させて加熱乾燥する工程等があるが、生産速
度が著しく低下するという問題があり、■ではサーマル
ヘッド及び転写シートとの密着性を向上させる目的で配
合した中間層中の柔軟な樹脂が、塗布乾燥後の巻取り仕
上げでブロッキングを起こし易いという問題が付随する
。

「発明が解決しようとする問題点」 本発明は上記の如き問題を付随することなく、転写抜け
のない高濃度で美しい記録画像を与える熱転写記録用受
像シートを効率良く提供するものである。

中間層が断熱性に優れているとサーマルヘッドからの熱
が転写シートの昇温、および受像層中の可染性樹脂の溶
融軟化が効果的に行われ転写濃度の向上に有効であり、
又熱可塑性の材料で中間層が構成されていると、加熱に
よりクツション性が増し転写抜けの改善に有効であるこ
とがら、前記特開昭６１−１７２７９５号、同６１−１
４４３９４号にはクツション性があり且つ断熱性のある
ＳＢＲ、ポリウレタン、ポリブタジェン、ＭＢＲ樹脂等
の使用が提案されている。

しかしながら、通常これらの樹脂は溶液あるいは水性の
エマルジョンの状態で基材に塗布されるため、塗布液が
乾燥する際に基材の凹凸を忠実に再現し、平滑性が悪く
なる。また上記の様な合成樹脂はブロッキングを生じ易
く、実際の製品化は困難であった。

これらの問題を解決すべく本発明者等は鋭意研究を重ね
た結果、上記中間層を構成する樹脂と無機或いは有機の
微粒子を組合わせて中間層を形成すると平滑性の向上及
びブロッキング性の改良に非常に効果があることを見出
した。

しかしながら、無機の微粒子を用いた場合、中間層の断
熱性及びクツション性が低下し、その結果転写濃度の低
下及び転写抜けの増加という問題が生じた。又、中間層
に無機の微粒子に比べて断熱性の高い有機の微粒子を用
いる場合、通常受像層は有機溶剤を用いて形成されるた
め、耐有機溶剤性樹脂からなる微粒子であることが必要
である。

尚、有機の微粒子が耐有機溶剤性でない場合には中間層
を構成する樹脂は有機溶剤バリヤー性の高いことが必要
であり、用いられる樹脂が限定されるという問題が生じ
る。

耐有機溶剤性の有機微粒子としては、ポリオレフィン系
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ア
リル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイ□ミド樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂等からなるものが有るが、上述の樹脂の内
ポリオレフィン系樹脂以外は熱硬化性樹脂であり、熱硬
化性樹脂からなる有機微粒子を中間層に用いた場合、ク
ツション性が低下するという問題が生じた。

これらのことより、ポリオレフィン系樹脂の微粒子につ
いて更に検討を加えた結果、ポリオレフィン系樹脂の微
粒子を用いれば、ブロッキング性の改善効果が大きく且
つ転写抜けは大幅に改善されるものの、転写濃度の低下
するものが有ることがわかった。

本発明者等はこの原因について、鋭意研究、検討を試み
た結果、ポリオレフィン系樹脂の微粒子の熱的性質に大
きく左右されることを突き止め、特定のポリオレフィン
系樹脂の微粒子を使用することにより、ブロッキング性
の改善効果が著しく、受像層の平滑性が高く、結果的に
転写抜けがなく且つ転写濃度の高い受像シートが効率良
く得られることを見出し本発明を完成するに至った。

「問題点を解決するための手段」 本発明は基材上に中間層、受像層を順次設けた熱転写記
録用受像シートにおいて、該中間層に、融点が１００℃
以上で且つ加熱時の軟化ないしは相転移に伴う吸熱量が
５０ｃａ　１７ｇ以下であるポリオレフィン系樹脂の微
粒子を含有せしめたことを特徴とする熱転写記録用受像
シートである。

「作用」 本発明において用いられるポリオレフィン系樹脂の微粒
子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン−１、ポリイソブチレン、ポリペンテン−１、
ポリヘキセン−１、ポリ−３−メチルブテン−１、ポリ
−４−メチルペンテン−１、ポリ−５−メチルヘキセン
−１など及びそれらの共重合体からなるものである。

該ポリオレフィン系樹脂の微粒子は耐有機溶剤性が高く
、受像層が有機溶剤を用いて形成されている場合は中間
層に用いる微粒子として好適に使用される。

しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は一般に結晶化度
が高く、そのため、加熱時の軟化あるいは相転移を起こ
す際の吸熱量が大きい。特に該吸熱量が５０ｃａｌ／ｇ
を越えると、サーマルヘッドからの熱が潜熱として消費
されてしまう結果、転写濃度が低くなる。また、該ポリ
オレフィン系樹脂の微粒子の融点が１００℃未満の場合
は、中間層塗布後の乾燥中に微粒子が溶け、粒子同士の
癒着あるいは基材へのしみこみなどにより平滑性が低下
する。

しかして、本発明は上記の如き理由から、ポリオレフィ
ン系樹脂の微粒子として融点が１００℃以上で且つ吸熱
量が５０　ｃａｌ／ｇ以下のものを中間層に用いると耐
有機溶剤性及びクツション性に優れ、極めて転写濃度の
高い優れた熱転写記録用受像シートが得られることを見
出したのである。

次に、本発明でいう軟化あるいは相転移に伴う吸熱量と
は、示差熱分析によって測定される融点付近の吸熱量で
あり、融点は示差熱分析によって測定される吸熱のピー
クが現われる温度である。

ポリオレフィン系樹脂の微粒子は、０．１μｍ〜２０μ
ｍ程度の粒子径のものが好ましく、０．１μｍ以下では
高平滑性を与える樹脂顔料としての効果が乏しく、２０
μｍ以上では平滑性が悪くなる。

受像シートの良好な平滑性及びブロッキング性を改善す
るには該ポリオレフィン系樹脂の微粒子の含有量を中間
層の０．５重量％以上９０重量％以下にする必要がある
。０．５重量％未満の場合には、ブロッキング性の減少
及び平滑性の改善効果の点で好ましくない、また、９０
重量％以上になると中間層の強度が著しく低下し、転写
時の転写シートと受像シートの剥離に際し、中間層にお
いて受像層と基材が剥離したり、受像層塗布時に受像層
塗布液が中間層さらには基材にまで浸み込み受像層の形
成が不完全となり好ましくない。

さらに、中間層にはＳＢＲ、ポリウレタン、ポリブタジ
ェン、ＭＢＲ、酢酸ビニル−エチレン共重合体等、従来
から用いられている樹脂がそのまま利用出来る。

なお、中間層には滑剤、蛍光染料等の各種助剤を必要に
応じて添加することができる。

本発明の受像シートの基本構成を図面に基いてさらに説
明する。

第１図において受像シートを構成する基材（１）として
は、例えば合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャ
スト紙、高分子フィルム等が適宜使用される。また、こ
れらの材料を２種以上貼合わせた複合基材も使用される
。基材上に設ける中間層（２）のコート量は１０〜５０
ｇ／ｒｄ程度が適当であり、好ましくは１５〜３０　ｇ
　／　ｒｒｌ程度に調節される。受像層（３）は例えば
ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂、アセテート
樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル／酢酸ビニル共重
合体樹脂等の極性基を有する樹脂を単独若しくは２種以
上混合したものをトルエン、ベンゼン、キシレン、メチ
ルエチルケトン等の有機溶剤に溶解した溶液を乾燥重量
で２〜１０ｇ／ｎｆ程度になるように塗布して形成され
る。

さらに必要に応じて基材（１）の裏面にカール防止及び
給紙適性付与のため合成樹脂または顔料及びバインダー
等から成るコート層（４）を適宜設けてもよい。なお、
受像シートの外観や平滑性向上の目的で中間層を塗布、
乾燥後若しくは受像層を設けた後でスーパーカレンダー
等の加圧装置により平滑化処理を行うこともできる。ま
た、必要に応じて受像シートの表面或いは裏面に界面活
性剤等による帯電防止処理を施すこともできる。

「実施例」 以下に、本発明をより具体的に説明するために実施例を
記載するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の部は重量部を示す。

市販の片面アート紙（米坪１２８　ｇ／ｒｒｒ）を基材
として表１に示すような中間層をエヤーナイフコーター
で乾燥塗布量が２Ｑ　ｇ　／　ｒｒｌになるように塗布
、乾燥した。また、基材としてポリプロピレンベースの
合成紙（１５０ミクロン）、白色のポリエチレンテレフ
タレー）　（ＰＥＴ）フィルム（１００ミクロン）を用
いて上記片面アート紙の場合と同様にして中間層を設け
た。この中間層の上に下記に示すような受像層を乾燥重
量が４　ｇ／ｒｄになるように塗布し、１２０℃で５分
間乾燥して受像シートを得た。

ポリエステル樹脂：　Ｖｙｌｏｎ　２００　　（東洋紡
）・・・・・・・・・・・・　１部 アミノ変性シリコーン：　ＫＦ−３９３（信越化学工業
） ・・・・・・・・・・・・　０．０３部エポキシ変性シ
リコーン：　Ｘ−２２−３４３（信越化学工業） ・・・・・・・・・・・・　０．０３部メチルエチルケ
トン／トルエン／シクロヘキサノン（重量比４　：　４
　：　２） ・・・・・・・・・・・・９．０部 次いで、下記組成の熱転写層形成用インキ組成物を調製
し、背面に耐熱処理を施した厚さ９ミクロンのＰＥＴフ
ィルムに、乾燥塗布量が１．０ｇ／ｄになるように塗布
、乾燥して熱転写シートを得た。

分散染料：　ＫＳＴ−８−７１４（日本化薬）・・・・
・・・・・・・・　０．４５部ポリビニルブチラール：
ＢＸ−１（積木化学工業）・・・・・・・・・・・・０
．４部 メチルエチルケトン／トルエン （重量比１：１） ・・・・・・・・・・・・９．２部 上記で得られた熱転写シート及び受像シートを組み合わ
せてサーマルヘッドにより、エネルギー密度７０＋＋＋
Ｊ／ｍ＋ａ”　、パルス巾１０　ｍ５ｅｃ、ドツト密度
６ドツト／ＩＩ＋＃の条件で印字した結果を表１に示す
。

なお、表１における評価及び判定方法は以下の通りであ
る。

＊ｌ　：中間層のブロッキング 中間層面と黒色の画用紙を重ね合わせて、線圧５０ｋｇ
／ｃＩＩ＋（室温）で金属ロールニップ間を２回通した
後、両者を剥離し中間層の表面状態を評価した。

◎；中間層表面に画用紙（黒色の繊維）の転移が全（見
られない。

○；中間層表面に画用紙の黒色の繊維の転移が僅か認め
られるが実用上は問題は ない。

×；中間層表面に画用紙の黒色の繊維が付着した。

＊ｚ：転写濃度 反射濃度針（マクベス　ＲＤ９１４）を用いて、紺色（
シアン）の転写濃度を測定した。反射光学濃度として、 ◎；最大値が１．７以上（転写濃度・・・高）。

Ｏ；最大値が１．５〜１．７゜ Δ；最大値が１．３〜１．５゜ ×；最大値が１．３未満（転写濃度・・・低）。

＊３　：転写抜は 目視判定による。

◎；転写抜けはない。

○；転写抜けは若干あるも実用上問題なし。

×；転写抜けが多い。

「効果」 表１の結果から明らかなように、本発明の各実施例で得
られた受像シートはいずれも転写抜けがなく、しかも転
写濃度の高い、美しい画像を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る熱転写記録用受像シートの構成を
示す略断面図である。 （１）・・・・・・・・・基材、（２）・・・・・・・
・・中間層（３）・・・・・・・・・受像層、（４）・
・・・・・・・・コート層特許出願人　　神崎製紙株式
会社 特許出願人　大日本印刷株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 基材上に中間層、受像層を順次設けた熱転写記録用受像
   シートにおいて、該中間層に、融点が１００℃以上で且
   つ加熱時の軟化ないしは相転移に伴う吸熱量が５０ｃａ
   ｌ／ｇ以下であるポリオレフィン系樹脂の微粒子を含有
   せしめたことを特徴とする熱転写記録用受像シート。