JP2012071538A - 昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法 - Google Patents

昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】最高転写濃度に優れ画像欠陥を低減した昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基材の一方の面に少なくとも、プライマー層、染料とバインダーを含有する熱転写層が塗設された昇華型感熱転写シートであって、該プライマー層が、無機微粒子、ホウ素化合物およびポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法に関するものであり、特に、最高転写濃度に優れ、かつ印画後の印画物の保護層転写後における光沢ムラを低減し、異常転写の発生が低減された昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法を提供するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている。しかも銀塩写真のように処理薬品を用いることなく、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
このうち、昇華型熱転写記録方式では、染料を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッド等によってインクシートを加熱することでインクシート中の染料を感熱転写受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を記録することができる。
昇華型熱転写記録方式は従来の銀塩方式に比べ、プリンターの小型化が可能であるため、ユーザーが直接操作してプリントする店頭端末として利用される機会が増えている。店頭端末として利用される場合、ユーザーの待ち時間を減らすためにプリント時間の短縮が望まれており、プリントの高速化が進んでいる。また、その設置場所は温湿度の安定した屋内に限らず、温湿度の変化の激しい屋外に設置されることもあり、様々な温湿度下で高品質なプリントを提供することが望まれていた。
高品質なプリントに関して、熱転写層と基材の間に水溶性自己架橋性樹脂とコロイド状無機顔料超微粒子を含有する下引きを形成する方法、染料層と支持体の間にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを含有する親水性染料バリヤー/下塗り層を形成する方法が提案されている(特許文献1〜5)。熱転写記録方式では、最高転写濃度領域付近の加熱温度はインクシート基材の融点以上となることがあり、その際には染料はインクシート基材側へも移行してしまっていたが、上記の方法では、熱転写層と基材の間に形成した下引き層により基材への染料移行を防止することができ、転写濃度を高くすることができた。しかしながら、上記の方法では、転写濃度は高くなるものの、高湿条件化にさらされた状態でプリントした場合に、印画物に光沢ムラが発生し、プリント品質が著しく低下してしまう問題があった。光沢ムラが生じる原因は明らかでないが、印画時の加熱によって感熱転写シートおよび感熱転写受像シート中から発生する水蒸気が、上記下引き層が存在することによって、外部へ発散されることができず感熱転写シートと感熱転写受像シートの接する部分に存在してしまうことによって発生すると推定おり、現に感熱転写受像シートの含水率を高くすると光沢ムラは悪化する。このように、上記の方法では高湿環境下において高画質な印画物を得ることが難しく、改善が望まれていた。
特開2007−160511号公報 特開平5−131760号公報 特開2007−30504号公報 特開2008−87305号公報 特開2009−73127号公報
従って、本発明は最高転写濃度に優れ画像欠陥を低減した昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法を提供することを目的とする。具体的には、最高転写濃度に優れ、かつ印画後の印画物の保護層転写後における光沢ムラを低減し、異常転写の発生を低減する昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題は下記の手段により達成された。
(1)基材の一方の面に少なくとも、プライマー層、染料とバインダーを含有する熱転写層が塗設された昇華型感熱転写シートであって、該プライマー層が、無機微粒子、ホウ素化合物およびポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする昇華型感熱転写シート。
(2)前記無機微粒子がシリカ微粒子またはアルミナ微粒子であることを特徴とする(1)に記載の昇華型感熱転写シート。
(3)前記無機微粒子が、気相法で得られた無機シリカ微粒子であることを特徴とする(1)または(2)に記載の昇華型感熱転写シート。
(4)前記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化率が90%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
(5)前記ポリビニルアルコール系樹脂の質量(y)に対する前記無機微粒子の質量(x)の比(x/y)が1.5〜10であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
(6)前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、前記プライマー層の全固形分質量に対し9〜40質量%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
(7)前記プライマー層に、さらにカチオン系ポリマーを含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
(8)前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シートと昇華型感熱転写受像シートを使用する画像形成方法であって、該昇華型感熱転写受像シートが、支持体上に中空ポリマー粒子を含有する断熱層とポリマーラテックスを含有する受容層を有することを特徴とする画像形成方法。
(9)前記ポリマーラテックスが塩化ビニル/アクリル共重合体のポリマーラテックスを含むことを特徴とする(8)に記載の画像形成方法。
本発明により、最高転写濃度に優れ画像欠陥を低減した昇華型感熱転写シートおよび画像形成方法を提供することができる。
<<感熱転写シート>>
最初に、昇華型感熱転写シートを説明する。
本発明の昇華型感熱転写シートは、基材上の一方の面に少なくとも、プライマー層、染料とバインダーを含有する熱転写層(染料層とも称す)がこの順に塗設され、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層および保護層が面順次に設けられている。
(プライマー層)
本発明の昇華型感熱転写シートは、基材と熱転写層の間にプライマー層を有する。プライマー層は、基材と熱転写層の接着力を強化し、基材への染料の移行を抑止する。
本発明においては、このプライマー層に無機微粒子、ホウ素化合物およびポリビニルアルコール系樹脂を含有する。
以下に、本発明のプライマー層に含まれる無機微粒子、ホウ素化合物およびポリビニルアルコール系樹脂について説明する。
[無機微粒子]
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ微粒子、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でもシリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
更に、平均一次粒径が20nm以下のシリカ微粒子、平均一次粒径が30nm以下のコロイダルシリカ、平均一次粒径が20nm以下のアルミナ微粒子、又は平均細孔半径が2〜15nmの擬ベーマイトがより好ましく、なかでもシリカ微粒子、アルミナ微粒子が好ましく、さらに好ましくはシリカ微粒子である。
シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。前記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリカ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。本発明に用いるシリカ微粒子としては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
前記気相法シリカは、含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nmで多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmであり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
[ポリビニルアルコール系樹脂]
ポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルアルコールから得られる繰り返しを有する樹脂で、ケン化度は例えば、50〜100モル%のものが挙げられる。本発明においては、ケン化度は90%以下が好ましく、70〜90%がより好ましく、80〜90%がさらに好ましい。また、重合度は200〜4000が好ましい。本発明のポリビニルアルコール系樹脂は各種の変性ポリビニルアルコールであっても構わない。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等が挙げられる。
該ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号等の各公報に記載されたものなどが挙げられる。
また、本発明のプライマー層には、上記ポリビニルアルコール系樹脂と併用して他の樹脂を使用することもできる。これらの樹脂としては、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン等が挙げられる
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量としては、プライマー層の全固形分質量に対して9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その構造単位に水酸基を有するが、例えばシリカ微粒子の場合、ポリビニルアルコール系樹脂の水酸基とシリカ微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造のプライマー層を形成されると考えられる。
昇華型感熱転写記録において、上述のようにして得られた多孔質のプライマー層は、基材への染料移行を防止することができる一方、十分な水蒸気透過性を有することができる。
<無機微粒子と構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂との含有比>
無機微粒子(x)とポリビニルアルコール系樹脂(y)との質量含有比〔PB比(x/y)〕は、プライマー層の膜構造及び膜強度にも大きな影響を与える。即ち、質量含有比〔PB比〕が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
本発明のプライマー層は、前記質量含有比〔PB比(x/y)〕としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することで水蒸気透過性が低下するのを防止する観点から、1.5〜10が好ましい。
[架橋剤]
本発明のプライマー層は、無機微粒子およびポリビニルアルコール系樹脂に加えてホウ素化合物を含有する。このホウ素化合物は、ポリビニルアルコール系樹脂中の水酸基を架橋する架橋剤として作用する。本発明においては、この架橋反応によって硬化された多孔質層とされている。また、架橋剤にホウ素化合物を使用することで、本発明の効果が得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の架橋に使用するホウ素化合物としては、例えば、ほう砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、InBO、ScBO、YBO、LaBO、Mg(BO、Co(BO、二ホウ酸塩(例えば、Mg、Co)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO、Ca(BO、NaBO、KBO)、四ホウ酸塩(例えば、Na・10HO)、五ホウ酸塩(例えば、KB・4HO、Ca11・7HO、CsB)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、ほう砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特にホウ酸が好ましい。
架橋剤の使用量は、ポリビニルアルコール系樹脂に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
[分散剤]
本発明のプライマー層は分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、どのようなものでも構わないが、ポリマー状の分散剤が好ましく、カチオン系ポリマーが好ましく、主鎖に含窒素ヘテロ環のカチオンを含むものがさらに好ましく、ピロリジニウム環を有するものが特に好ましい。
特に好ましいものは、下記一般式(W)で表されるものである。
Figure 2012071538
式中、Lは−CH−または−CH−SO−を表し、RおよびRは各々アルキル基またはアリール基を表し、これらは置換基を有していてもよい。また、RとRが互いに結合して環を形成してもよい。Xはアニオンを表す。nは繰り返し数を表す。
およびRにおけるアルキル基、アリール基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられ、総炭素数は12以下が好ましく、10以下がより好ましい。
におけるアニオンは、無機または有機酸から得られるアニオンが挙げられ、例えば、ハロゲンアニオン、スルホン酸アニオン(1/2SO 2−等)、リン酸アニオン(1/3PO 3−等)、アルキルスルホネート(CHSO 、CSO 等)、アリールスルホネート(ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート等)、有機カルボネート(アセテート、ベンゾエート等)が挙げられる。
ポリマーの分子量は500〜100万が好ましい。
これらのポリマーは、シャロールDC−303P、シャロールDC−902P(商品名:第一工業製薬(株)製)等が挙げられ、第一工業製薬(株)、日東紡(株)、メルク(株)などから市販されているものが使用できる。
本発明においてプライマー層は、例えばグラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することができる。
プライマー層の塗布厚みは、特に限定されないが、通常は好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.03〜2μm、最も好ましくは0.05μm〜0.5μmの範囲である。厚みが厚過ぎると熱伝導性が悪くなり、本来の色濃度が得られない場合があり、厚みが薄すぎると接着性不良となる場合がある。
(熱転写層)
本発明においては、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料は、公知の染料を使用することができる。これらの染料はバインダーと呼ばれる高分子化合物に分散された状態で基材上に塗布されていることが好ましい。バインダーとしては、各種公知のものが使用できる。
バインダー用高分子化合物の例としては、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。これらを単独で用いる他、これらを混合、または共重合して用いることも可能である。
本発明におけるバインダーとしては、ポリビニルアセタール系樹脂が好ましく、より好ましくはポリビニルアセトアセタール系樹脂である。さらに好ましくは、樹脂中のアセタール部が80質量%以上かつ該アセタール部分においてアセトアセタール比が90質量%以上のポリビニルアセトアセタール系樹脂である。このようなアセタール系樹脂は特許第3065111号公報や該明細書中に引用された文献による方法で合成できる他、積水化学工業株式会社製 エスレックスKS−5(商品名)、電気化学工業株式会社製 デンカブチラール#5000−D(商品名)など、商業的に入手可能な製品がある。
本発明の昇華型感熱転写シートにおいて、バインダーを各種架橋剤によって架橋することも好ましい態様である。
架橋剤とは、高分子化合物の主鎖や側鎖についた官能基と反応し、高分子同士を結合する性質を持つ化合物である。架橋剤は対象となる高分子化合物の種類に応じて適したものが選ばれる。代表的な例としては、ポリビニルアセタール系樹脂など活性水素を有する水酸基を有した高分子化合物に対しては、分子中に複数のイソシアネート基(−N=C=O)を有するイソシアネート類が架橋剤として好ましく用いられる。以下にイソシアネート類の具体例を挙げる。
(1)ジイソシアネート化合物
芳香族系ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネートなどが、また脂肪族系ポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネート、水添キシレリンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
(2)トリイソシアネート化合物
トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート、イソシアヌレート結合トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアヌレート結合ヘキサメチレンジイソシアネート、ビューレット結合ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールイソホロンジイソシアネート、イソシアヌレート結合イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートなどを挙げることができる。
また、これらイソシアネート化合物の混合物やイソシアネート化合物を主鎖や側鎖に有するポリマーの使用も好ましい。
これらイソシアネート類はバーノック(大日本インキ化学工業株式会社)、タケネート、MT−オレスター(何れも三井化学ポリウレタン株式会社)、コロネート(日本ポリウレタン工業社)などの商品名で商業的に入手可能である。
イソシアネート類の使用量はイソシアネート基(NCO)とバインダーの活性水素(H)のモル比(NCO/H)で0.2から2.0の範囲が好ましく、0.3から1.5の範囲がより好ましい。
バインダーとイソシアネート類の架橋反応を促進する目的で触媒を添加しても良い。このような触媒については「最新ポリウレタン材料と応用技術」(株式会社シーエムシー出版,2005年)に記載されている。
(転写性保護層の形成)
本発明における保護層は、いわゆる転写性保護層であって、その形成法は、用いられる樹脂の種類に依存するが、前記熱転写層の形成方法と同様の、方法で形成され、0.5〜10μm程度の厚さが好ましい。
(離型層)
転写性保護層シートでは、転写性保護層が熱転写時に基材から剥離しにくい場合には、基材シートと保護層との間に離型層を形成することができる。転写性保護層と離型層の間に剥離層を形成しても良い。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、及びこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂、あるいはセルロース誘導体樹脂が好ましく、基材シートとの密着性、保護層との離型性において優れている。
各種架橋剤によって架橋することも可能であり、また、電離放射線硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂も用いることができる。
離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは基材シート側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が基材シート側に残存し、離型層と熱転写性保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れており、好ましい態様である。離型層の形成方法は、従来公知の塗工方法で形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜5μm程度が好ましい。
(接着層)
保護層積層体の最上層として、保護層の最表面に接着層を設けることができる。これによって保護層の被転写体への接着性を良好にすることができる。
(耐熱滑性層)
本発明の昇華型感熱転写シートは、基材上の熱転写層を塗設した面とは反対の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に耐熱滑性層を設けることが好ましい。また、保護層転写シートの場合にも、基材上の転写性保護層を塗設した面とは反対の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
昇華型感熱転写シートの基材シートの裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとが直接接触した状態で加熱されると、熱融着が起こりやすい。また、両者の間の摩擦が大きく、昇華型感熱転写シートを印画時に滑らかに搬送することが難しい。
耐熱滑性層は、昇華型感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
耐熱滑性層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、耐熱滑性層と基材シートとの間に中間層を設けてもよく、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂からなる層が開示されている。
上記バインダーとしては、耐熱性の高い公知の樹脂を用いることができる。例として、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物を挙げることができる。
耐熱滑性層の耐熱性を高めるため、紫外線又は電子ビームを照射して樹脂を架橋する技術が知られている。また、架橋剤を用い、加熱により架橋させることも可能である。この際、触媒が添加されることもある。架橋剤としては、ポリイソシアネート等が知られており、このためには、水酸基系の官能基を有する樹脂が適している。特開昭62−259889号公報には、ポリビニルブチラールとイソシアネート化合物との反応生成物にリン酸エステルのアルカリ金属塩又はアルカリ土類塩及び炭酸カルシウム等の充填剤を添加することにより耐熱滑性層を形成することが開示されている。また、特開平6−99671号公報には、耐熱滑性層を形成する高分子化合物を、アミノ基を有するシリコーン化合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより得ることが開示されている。本発明においては、これらを使用することが好ましい。
耐熱滑性層には、滑剤、可塑剤、安定剤、充填剤、ヘッド付着物除去のためのフィラー等の添加剤が配合されていても良い。
滑剤としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化黒鉛等のフッ化物、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化鉄等の硫化物、酸化鉛、アルミナ、酸化モリブデン等の酸化物、グラファイト、雲母、窒化ホウ素、粘土類(滑石、酸性白度等)等の無機化合物からなる固体滑剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩等の金属セッケン類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
またアルキルリン酸モノエステル、アルキルリン酸ジエステルの亜鉛塩などのリン酸エステル系界面活性剤や中和した燐酸エステル系界面活性剤を用いる方法、水酸化マグネシウムなどの中和剤を用いる方法等が知られており、本発明においてはこれらのリン酸エステルを含有することが好ましい。
その他の添加剤としては高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、有機カルボン酸およびその誘導体、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。
これらの中でも無機粒子を用いることが特に好ましい。
さらにこれらの無機粒子について詳しく述べると、無機粒子の硬度としてはいわゆるモース硬度で3〜7であることが好ましく、3〜6がより好ましく、3.5〜5.5が更に好ましい。モース硬度が3より小さい場合には高速プリント時のインクシートの変形を抑制できず、またモース硬度が7より大きい場合にはサーマルプリンタヘッドに傷を発生する。
モース硬度が3〜7の無機粒子としては公知のものを用いることができ、例えば炭酸カルシウム(モース硬度3)、ドロマイト(MgCa(CO)(モース硬度3.5〜4)、酸化マグネシウム(モース硬度4)、炭酸マグネシウム(モース硬度3.5〜4.5)およびシリカ(モース硬度7)が挙げられる。これらの中では酸化マグネシウムおよび炭酸マグネシウムがより好ましく、酸化マグネシウムが更に好ましい
またこれら耐熱滑性層に含まれる無機粒子の平均粒子径は0.3μm〜5μmであることが好ましい。
本発明においては平均粒子径が0.3μmより小さい場合には高速プリント時のインクシートの変形を抑制できず、またサーマルプリンターヘッドへの付着物を低減することもでず、平均粒子径が5.0μmより大きい場合には高速プリント時のインクシートの変形はむしろ悪化し、同時にサーマルプリンターヘッドの削れと傷が大きくなってしまう。サーマルプリンターヘッドの傷および削れは、サーマルプリンターヘッド表面の電極発熱部を保護する絶縁層が傷付き、削れることでありサーマルプリンターヘッドの寿命が短くなる。平均粒子径としては0.3μm〜4.5μmがより好ましく、0.4μm〜4μmが更に好ましい。ここで平均粒子径はレーザー回折散乱法により求めた値である。粒子に光を照射して得られる回折散乱光強度の空間分布は粒子サイズによって各々異なるため、回折散乱光強度の空間分布を測定して解析することで粒子サイズ分布を求めることができレーザー解析散乱法として確立している。測定装置は(株)島津製作所製SALDシリーズや(株)堀場製作所製 LAシリーズ等の市販のものを使用することができる。
また無機粒子の形状は最大巾の球相当径に対する比が1.5〜50であることが好ましい。1.5より小さい場合にはサーマルプリンターヘッドへの付着物を低減する効果がほとんどなく、またサーマルプリンターヘッドに傷を生ずる場合もある。この比の値が50より大きい場合、例えば針状の無機粒子において針の直径が0.12μmで針の長さが88μmの場合にこの比は約70であるが、外部応力により折れ易くこの形状を保ったまま耐熱滑性層に含有させることが困難である。
ここで無機粒子の最大巾の球相当径に対する比は無機粒子の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope 略称「SEM」)による観察から求めることができる。具体的な手順は以下の通りである。
無機粒子をSEMで観察角度を変えて測定し、形状と長さ、厚みを測定する。
測定した形状と大きさから粒子体積を計算し、球相当径を求める。球相当径とは計算した粒子体積と等しい体積となる球の直径のことである。また、測定した長さ、厚みから粒子の最大巾を求める。粒子の最大巾とは粒子表面の2点を結んだ長さの中で最大のもののことであり、無機粒子が柱状の場合は柱の高さに相当し、無機粒子が針状の場合は針の長さに相当し、無機粒子が平板状の場合には主平面の最大巾に相当する。
個々の粒子について求めた最大巾を球相当径で除することで比の値を求めることができる。粒子形状が球の場合には、最大巾と球相当径は等しく比は1となり、粒子形状が立方体の場合には比の値は約1.4となり、粒子形状の球からのずれが大きくなるほど比の値は大きくなる。
粒子内に空隙がある場合には、粒子体積を正確に計算できないが、この場合には空隙が無い形状として計算して比を求めることとする。
耐熱滑性層に含有される個々の無機粒子の最大巾の球相当径に対する比の値は個々の粒子でその値に変動があるが、個々の粒子の比の平均が耐熱滑性層中のモース硬度が3〜7の無機粒子全質量に対する50質量%以上がこの比の値が1.5〜50の範囲にあることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
また、この比は1.8〜45がより好ましく、2〜40が更に好ましい。
耐熱滑性層は、先に例示したようなバインダーに添加剤を加えた材料を溶剤中に溶解または分散させた塗工液を、グラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することによって形成される。0.1〜10μm程度の膜厚が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μm程度の膜厚である。
(基材)
基材は、必要とされる耐熱性と強度を有するものであれば、従来公知のいずれのものでも使用することができる。例として、グラシン紙、コンデンサー紙、パフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル類、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン化合物、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが好ましい基材の具体例として挙げられる。ポリエステルフィルムはこれらの中でも特に好ましく、延伸処理されたポリエステルフィルムが最も好ましい。この基材の厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択されるが、1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。より好ましくは2〜50μm程度のものであり,さらに好ましくは3〜10μm程度のものが用いられる。
[昇華型感熱転写受像シート]
以下に、本発明の昇華型感熱転写シートと組み合わせて使用することが好ましい昇華型感熱転写受像シート(以下、単に感熱転写受像シートとも称す)に関して説明する。
<断熱層>
感熱転写受像シートに塗設される断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は受容層と支持体の間に設けられ、中空ポリマーを含有することが特に好ましい。
(中空ポリマー粒子)
中空ポリマー粒子(以下、中空粒子ともいう)とは、粒子内部に空隙を有するポリマー粒子のことを言う。前記中空粒子は好ましくは水分散物であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれかまたはそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空粒子としたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中でも、前記中空粒子は上記1)の非発泡型の中空粒子であることがより好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。具体例としてはロームアンドハース社製 ローペイク HP−1055、JSR社製 SX866(B)、日本ゼオン社製 Nipol MH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。
前記中空粒子の平均粒子径は、0.5μm〜5.0μmであることが好ましく、0.5μm〜2.0μmであることがより好ましい。前記中空粒子の平均粒子径が小さすぎなければ膜の空隙率を高く設計できるため高い断熱性が得られ、前記中空粒子の平均粒子径が大きすぎなければ製造時の乾燥工程での膜収縮による中空粒子の潰れが発生し難くなる。
中空粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、その外径の円相当換算直径を測定し算出する。平均粒子径は、中空粒子を少なくとも300個透過電子顕微鏡を用いて観察し、その外形の円相当径を算出し、平均して求める。
また、中空粒子は、中空率が20〜80%程度のものが好ましく、30〜70%程度のものがより好ましい。中空率が低すぎなければ高い断熱性が得られ、高すぎなければ中空粒子の強度が低下せず、製造時の乾燥工程での膜収縮による中空粒子の潰れが発生し難くなる。
中空粒子の中空率は、中空粒子を少なくとも300個透過型電子顕微鏡を用いて観察し、外径の平均円相当径(R1)と内径の平均円相当径(R2)をそれぞれ算出し、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合(R2/R1)×100を計算して求めることができる。
前記中空粒子は、ガラス転移温度(Tg)が70℃〜200℃であることが好ましく、90℃〜180℃であることがさらに好ましい。
前記中空粒子としては、中空粒子を水中に分散したポリマーラテックスのような中空ポリマー粒子ラテックスを用いることが特に好ましい。
断熱層が2層以上ある場合、例えば断熱層が断熱上層と断熱下層の2層に分かれている態様が好ましい。その場合、前記断熱上層および断熱下層にそれぞれ含まれる中空ポリマー粒子は、以下の構成であることが、断熱性が高く、かつ、圧力の影響を受け難い断熱層を形成する観点から好ましい。
前記断熱上層と前記断熱下層に含まれる中空ポリマー粒子の平均粒子径は、断熱上層の方が大きい方が好ましい。
前記断熱上層と前記断熱下層に含まれる中空ポリマー粒子の含有量は、断熱下層の方が多い方が好ましい。
(ゼラチン)
断熱層にはゼラチンを含有することが好ましい。ゼラチンは、その製造過程において、ゼラチン抽出前、アルカリ浴に浸漬されるいわゆるアルカリ処理(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬される酸処理ゼラチンおよびその両方に浸漬した二重浸漬ゼラチン、酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。ゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。ゼラチンはCl-、SO4 2-等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいてもよい。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
(併用可能な水溶性ポリマー)
前記断熱層にはゼラチン以外の水溶性ポリマーを併用することが可能である。ゼラチン以外の水溶性ポリマーとしては、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが該当する。
(ポリマー分子鎖中にスチレンおよびブタジエン繰り返し単位を有するラテックス)
前記断熱層にはポリマー分子鎖中にスチレン繰り返し単位とブタジエン繰り返し単位を有し、かつ、ガラス転移温度が30〜85℃のラテックスを含有することが好ましい。なお、本明細書中、ポリマー分子鎖中にスチレン繰り返し単位とブタジエン繰り返し単位を含むラテックスのことを、便宜的にスチレン−ブタジエン系ラテックスとも言う。
また、Tgが30〜85℃であってスチレン−ブタジエン系ラテックスは、Tgが30〜85℃であってスチレン−ブタジエン系以外のラテックスと比較して、圧力の影響を受け難い断熱層が形成できる点で優れる。
ガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に規定された方法にしたがって、示差
走査熱量計を用いて測定することができる。
前記スチレン−ブタジエン系ラテックスは、数平均分子量が2,000〜1,000,000であるのが好ましく、5,000〜500,000であるのがより好ましい。
前記スチレン−ブタジエン系ラテックスは、繰り返し単位を構成するモノマーのモル比で表した場合、スチレン繰り返し単位:ブタジエン繰り返し単位が99:1〜40:60であることが好ましく、95:5〜50:50であることがさらに好ましい。
前記スチレン−ブタジエン系ラテックスには、カルボキシル基等により変性したものも含まれる。
また、前記スチレン−ブタジエン系ラテックスはスチレンおよびブタジエン繰り返し単位以外の共重合成分を含んでいてもよく、例えばアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸やメチルメタクリレート、エチルアクリレートのようなアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート等を共重合してもよい。前記スチレン−ブタジエン系ラテックスがスチレンおよびブタジエン以外の繰り返し単位を含有する場合は、スチレン繰り返し単位およびブタジエン繰り返し単位の合計が50質量%以上であることが好ましい。
前記スチレン−ブタジエン系ラテックスは、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。また、前記スチレン−ブタジエン系ラテックスは、直鎖ポリマーあっても、枝分かれしたものであっても、架橋構造を有するものであってもよい。
前記スチレン−ブタジエン系ラテックスの平均粒子径は50nm〜500nmであることが好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましい。
前記スチレン−ブタジエン系ラテックスとしては、市販品を使用しても良く、例えばNipol LX433C、2507H、LX407BP6、V1004(日本ゼオン(株)製)、ナルスター SR−115、SR−143(日本エイアンドエル(株)製)、PCL0
602(JSR(株)製)が挙げられる。
前記断熱層中における前記ゼラチンの固形分aと、前記ラテックスの固形分bの質量比(ゼラチン固形分質量/スチレン−ブタジエン系ラテックスの固形分質量、すなわち、a/b)は、30/70〜70/30であることが好ましく、40/60〜60/40であることがさらに好ましい。
前記断熱層に含まれるゼラチンとスチレン−ブタジエン系ラテックスの固形分質量の和をAとし、中空粒子の固形分質量をBとしたとき、B/Aは、30/70〜70/30であることが好ましく、40/60〜60/40であることがさらに好ましい。ゼラチン以外の水溶性ポリマーを含有する場合は、その固形分質量もAに加える。Aが大きすぎなければ断熱層中の空隙量が十分に維持されるため充分な断熱性を確保することが容易になり、Aが小さすぎなければ膜の脆性も良好となる。
前記断熱層の厚みは5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。厚みが小さすぎると所望の断熱性を得ることが困難になり、大きすぎると塗布液をゲル化させて乾燥させるための製造負荷が大きくなる。
<受容層>
本発明に用いられる感熱転写受像シートは、少なくとも染料を受容し得る熱可塑性の受容ポリマーを有する少なくとも1層の受容層を有する。受容層は、昇華型感熱転写シートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。
(ポリマーラテックス)
本発明において、前記受容層は、ポリマーラテックス、ポリマーを微分散した水分散エマルジョンまたは/および水溶性ポリマーを含有することが好ましく、ポリマーラテックスまたは水溶性ポリマーを含有することがより好ましく、水溶性の分散媒中に分散したポリマーラテックスを使用することが特に好ましい。
また、前記受容層は、感熱転写時に昇華型感熱転写シートから移行された染料を受容して記録画像を形成する受容ポリマーとしてのポリマーラテックス以外にも、例えば、膜の弾性率を調整するなどの目的で、他の機能を有するポリマーラテックスも併用して用いることができる。
前記受容層に用いられるポリマーラテックスの分散粒子の平均粒径は1〜50000nmであることが好ましく、5〜1000nmの範囲であることが好ましい。
本発明の前記受容層に用いられるポリマーラテックスに用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、塩化ビニル系共重合体、ポリウレタン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、ポリカプロラクトン等が挙げられ
る。
このうち、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、スチレン/アクリル共重合体、塩化ビニル系共重合体が好ましく、ポリエステル、スチレン/アクリル共重合体、塩化ビニル系共重合体が特に好ましく、塩化ビニル系共重合体がさらに好ましく、塩化ビニル/アクリル共重合体が最も好ましい。
本明細書中、前記塩化ビニル系共重合体とは、重合体を得るためのモノマーとして塩化ビニルを少なくとも使用し、かつ他のモノマーと共重合させたものであり、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとメタクリレートの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとアクリレートとエチレンの共重合体等が挙げられる。このように2元共重合体でも3元以上の共重合体でもよく、モノマーが不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。
これらの共重合体にはビニルアルコール誘導体やマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体などの補助的なモノマー成分を添加してもよい。
塩化ビニル系共重合体において、塩化ビニル成分は50モル%以上含有されていることが好ましく、またマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体等の補助的なモノマー成分は10モル%以下であることが好ましい。
本発明において、前記受容層に用いられるポリマーラテックスは単独でも混合物として使用してもよい。また前記受容層に用いられるポリマーラテックスは、均一構造であってもコア/シェル型であってもよく、このときコアとシェルをそれぞれ形成する樹脂のガラス転移温度が異なってもよい。
本発明において、前記受容層で使用するポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜90℃がより好ましく、20℃〜90℃がさらに好ましく、40℃〜90℃が特に好ましい。
なお、このガラス転移温度(Tg)は実測できない場合、下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用できる。
また、本発明に好ましく用いられるポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。受容層中の全ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。
ポリマーラテックスの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニルメタアクリル酸共重合体等の共重合体を含めたポリ塩化ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等の共重合体を含めたポリ酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン等のポリマーラテックスを好ましく用いることができる。これらポリマーラテックスとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000が好ましく、より好ましくは10000〜500000である。
ポリマーラテックスとしては、ポリエステルラテックス、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス等の塩化ビニル共重合体ラテックスのいずれか1つまたは任意の組み合わせが好ましい。
本発明においては、少なくとも2種のポリマーラテックスを使用することが好ましく、このうちの少なくとも1種が塩化ビニル系ポリマーラテックスであることが好ましく、少なくとも1種が塩化ビニル/アクリル共重合体のポリマーラテックスであることが好ましい。また本発明においては少なくとも2種が塩化ビニル系ポリマーラテックスであることが最も好ましい。
塩化ビニル系共重合ラテックスとしては、例えば、ビニブラン240、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン375、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン430、ビニブラン432、ビニブラン550、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン609、ビニブラン619、ビニブラン680、ビニブラン680S、ビニブラン681N、ビニブラン683、ビニブラン685R、ビニブラン690、ビニブラン860、ビニブラン863、ビニブラン685、ビニブラン867、ビニブラン900、ビニブラン938、ビニブラン950(以上いずれも日信化学工業(株)製)、SE1320、S−830(以上いずれも住友ケムテック(株)製)が挙げられ、これらは本発明において好ましいポリマーラテックスである。
塩化ビニル系共重合ラテックス以外のポリマーラテックスとしては、ポリエステル系ポリマーラテックスを挙げることができ、例えば、バイロナール MD1200、バイロナール MD1220、バイロナール MD1245、バイロナール MD1250、バイロナール MD1500、バイロナール MD1930、バイロナール MD1985(以上いずれも東洋紡(株)製)が挙げられる。
これらのなかでも、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス等の塩化ビニル共重合体ラテックスがもっとも好ましい。
(水溶性ポリマー)
本発明において、前記受容層は該ポリマーラテックス以外に水溶性ポリマーを含有することが好ましい。ポリマーラテックスと水溶性ポリマーとを含有させることで、染料に染着し難い水溶性ポリマーをポリマーラテックス間に存在させ、ポリマーラテックスに染着した染料が拡散するのを防止することができ、この結果、受容層の経時による鮮鋭性の変化を少なくし、転写画像の経時変化が小さい記録画像を形成することができる。
本発明の感熱転写受像シートにおいては、受容層に水溶性ポリマーを含有してもよく、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体を好ましく用いる事ができる。これらの水溶性ポリマーは乾燥時の受容層のひび割れ抑制に有効であり、多量に使用し過ぎない場合はインクシートからの染料転写が良好であり、転写濃度も良好となる。
水溶性ポリマーの使用量は、受容層の固形分全体の質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
(離型剤)
また前記受容層には、離型剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防腐剤、滑剤、酸化防止剤、造膜助剤、硬膜剤、その他の添加剤を含有させることができる。その中でも、前記受容層は離型剤を含有することがさらに好ましい。
離型剤:
本発明の受容層には、離型剤を使用することが好ましい。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、脂肪酸エステルワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができるが、シリコーンオイルを好ましく使用することができ、その中でもポリエーテル変性シリコーンオイルが特に好ましい。
前記ポリエーテル変性シリコーンオイルは、画像印画時の昇華型感熱転写シートと感熱転写受像シートとの離型性を確保するだけでなく、受容層中のポリマーラテックス粒子同士の融着を防止し、乾燥時のひび割れの防止にも効果的である。
本発明において、前記ポリエーテル変性シリコーンオイルは、25℃で液体のものが好ましい。
また、本発明において、前記ポリエーテル変性シリコーンオイルは、非反応性のものが好ましく、エポキシ基を含まないものが特に好ましい。
本発明に好ましく用いられる前記ポリエーテル変性シリコーンオイルは、下記一般式(1)に示す片末端変性型、下記一般式(2)に示す両末端変性型、下記一般式(3)に示す側鎖変性型、または下記一般式(4)に示す主鎖共重合型が好ましい。
Figure 2012071538
一般式(1)〜(4)において、R1はアルキル基を表し、R2は−Y−(C24O)a
−(C36O)b−R4を表し、R3は、水素原子、l個のアシル部を有するアシル基、l
価のアルキル基、l価のシクロアルキル基または、l価のアリール基を表し、R4は各々
独立に、水素原子、アシル基、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。Yは単結合または2価の連結基を表し、Xは2価の連結基を表す。nは正の数を表し、n'は0または正の整数を表し、mは0または正の数を表し、sは正の数を表す。aおよび
bは各々独立に0または正の数を表すが、aとbが同時に0であることはない。また、n'とmが同時に0になることはない。
前記R1におけるアルキル基は置換基を有してもよい。前記R1のアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。また、置換アルキル基よりも無置換アルキル基が好ましい。なかでもメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
前記R3におけるl個のアシル部を有するアシル基は、1個のアシル部を有するアシル
基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基が挙げられ、2個のアシル部を有するアシル基としては、例えば、オキザリル基、マロニル基、スクシノイル基、マレオイル基、テレフタロイル基が挙げられ、3個のアシル部を有するアシル基としては、例えば、1,2,3−プロパントリカルボニル基が挙げられる。これらのアシル期としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、炭素数2〜10のアシル基がより好ましい。
前記R3におけるl価のアルキル基において、1価のアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、2価のアルキル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられ、3価のアルキル基としては、例えば、1,2,3−プロパントリイル基が挙げられ、4価のアルキル基としては、例えば、1,2,2,3−プロパンテトライル基が挙げられる。これらのアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
前記R3におけるl価のシクロアルキル基において、1価のシクロアルキル基としては
、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、2価のシクロアルキル基としては、2価のシクロヘキシル基としては、例えば、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基が挙げられ、3価のシクロアルキル基としては、例えば、1,3,5−シクロヘキサントリイル基が挙げられる。シクロヘキシル基の炭素数は、5〜10が好ましい。
前記R3におけるl価のアリール基において、1価のアリール基としては、例えば、フ
ェニル基、ナフチル基が挙げられ、2価のアリール基としては、例えば、フェニレン基が挙げられ、3価のアリール基としては、例えば、ベンゼン−1,3,5−トリイル基が挙げられる。アリール基のアリール部としてはベンゼン環が好ましい。
前記R3は、l価のアルキル基が好ましい。
前記R4におけるアシル基の炭素数は20以下が好ましく、10以下がより好ましく、
5以下がさらに好ましく、アセチル基が最も好ましい。
前記R4におけるアルキル基は、置換基を有してもよい。R4のアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。また、置換アルキル基よりも無置換アルキル基が好ましい。なかでもメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
前記R4におけるシクロアルキル基は、置換基を有してもよく、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基が好ましく、無置換のシクロアルキル基がさらに好ましい。
前記R4におけるアリール基は、置換基を有してもよく、フェニル基、ナフチル基が挙
げられるが、フェニル基が好ましい。置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子が好ましいが、無置換のフェニル基が最も好ましい。
前記R4は、水素原子、アシル基、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子
、アシル基またはアルキル基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
前記Xおよび前記Yにおける2価の連結基は、それぞれ独立にアルキレン基またはアルキレンオキシ基が好ましく、例えば、前記アルキレン基としてはメチレン基、エチレン基およびプロピレン基が挙げられ、前記アルキレンオキシ基としては、−CH2CH2O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH2CH(CH3)O−および−(CH23O−が挙げられ、これらが好ましい。前記2価の連結基の炭素数は1〜4が好ましく、2または3がより好ましい。
また、XおよびYは、単結合または上記の好ましい2価の連結基が好ましい。
前記aおよび前記bは、それぞれ独立に0または1以上の整数が好ましく、0〜500がより好ましく、0〜200がさらに好ましい。
前記nは1〜1000が好ましく、n'およびmは0〜1000が好ましい。
前記sは1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
前記一般式(1)〜(4)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイルのなかでも、一般式(2)〜(4)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましく、一般式(2)または(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイルがより好ましく、一般式(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイルが最も好ましい。
本発明において、前記ポリエーテル変性シリコーンは、HLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は、5〜9であることが好ましい。より好ましくは5〜7が好ましい。HLB値が低過ぎると塗工液中で分離・凝集し、面状故障の原因となる。HLB値が高いと離型効果およびラテックス粒子表面への配向効果が小さく十分な効果が発揮されない。
本発明において、HLB値はグリフィン法に基づき、以下の式で定義された計算式で求める(西一郎、今井怡知朗、笠井正威 共編,「界面活性剤便覧」,産業図書株式会社(1960年))。
HLB = 20 × Mw/M
ここで、Mは分子量であり、Mwは親水性部分の式量(分子量)である。ちなみに、M=Mw + Mo であり、ここで、Moは新油性部分の式量(分子量)である。
本発明で好ましく用いられる前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの具体例としては、信越化学株式会社製 KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017、X−22−4515、X−22−6191、東レ・ダウコーニング株式会社製 SH3749、SH3773M、SH8400、SF8427、SF8428、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2162、FZ−2203、FZ−2207、FZ−2208、FZ−77、L−7001、L−7002(いずれも商品名)等が挙げられる。
また、本発明で好ましく用いられるポリエーテル変性シリコーンオイルは、例えば、特開2002−179797号公報、特開2008−1896号公報、特開2008−1897号公報に記載の方法または、これに準じた方法で、容易に合成できる。
本発明においては、ポリエーテル変性シリコーンオイルは単独でも、2種類以上混合して使用することもできる。また、本発明においては、ポリエーテル変性シリコーンオイルに他の離型剤を併用してもよい。
ポリエーテル変性シリコーンオイルの添加量としては、受容層中の全ポリマーラテックスに対して1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
(受容層の構造)
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は
特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。
受容層の膜厚は1〜20μmであることが好ましい。
<中間層>
受容層と支持体との間には断熱層以外に中間層が形成されていてもよく、白地調整、帯電防止、接着性、クッション性、平滑性、バリア性などの機能を有する従来公知の中間層を付与することができる。中間層の塗設位置に限定は無いが、クッション性、平滑性、バリア性を付与する場合には、中間層を受容層と断熱層の間に設けることが効果的である。
<支持体>
本発明の感熱転写受像シートに用いる支持体は、従来公知の支持体を用いることができる。その中でも耐水性支持体が好ましく用いられる。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。なかでもラミネート紙が好ましい。
<カール調整層>
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じてカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
<筆記層・帯電調整層>
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じて筆記層・帯電調整層を設けることができる。筆記層、帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
<添加剤>
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じて前記受容層以外にも、添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、前述した離型剤の他、紫外線吸収剤、界面活性剤、防腐剤、造膜助剤、硬膜剤、マット剤(滑剤を含む)、酸化防止剤、その他の添加剤を含有させることができる。
紫外線吸収剤:
本発明の感熱転写受像シートには、紫外線吸収剤を含有させてもよい。その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333号公報)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のものでよい。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
界面活性剤:
また、本発明の感熱転写受像シートは、前記の任意の層に界面活性剤を含有させることができる。その中でも、受容層および中間層中に含有させることが好ましい。
界面活性剤の添加量は、全固形分量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.02〜0.2質量%であることが特に好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系など種々の界面活性剤が知られている。本発明で用いることのできる界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第6章」で紹介されているもの等を用いることができるが、その中でもアニオン系のフッ素含有界面活性剤が好ましい。
防腐剤:
本発明の感熱転写受像シートには、防腐剤を添加してもよい。本発明の感熱転写受像シートに含有される防腐剤としては、特に限定されないが、防腐防黴ハンドブック、技報堂出版(1986)、堀口博著、防菌防黴の化学、三共出版(1986)、防菌防黴剤事典、日本防菌防黴学会発行(1986)等に記載されているものを用いることができる。具体的には、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピロジン,キノリン,グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、2−メルカプトピリジン−N−オキサイドまたはその塩等が挙げられる。これらの中でも、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オンが好ましい。
造膜助剤:
本発明の感熱転写受像シートには、高沸点溶剤を添加することが好ましい。高沸点溶剤は造膜助剤または可塑剤として機能し、ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)に記載されている。高沸点溶剤(造膜助剤)の例として以下のものが挙げられる。
Z−1:ベンジルアルコール類
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート類
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール類
Z−4:ジエチレングリコール類
これらの高沸点溶剤を添加すると、画像のにじみが見られ、実用上好ましくない場合があるが、塗布膜中の上記溶剤類の含有量が固形分で1%以下であれば、性能上問題がない。
硬膜剤:
本発明においては、硬膜剤を使用してもよい。感熱転写受像シートの塗設層(例えば、受容層、断熱層、下塗層など)中に添加することができる。
本発明で用いることができる硬膜剤としては、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表される化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表される化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N'−エチレン−ビス(ビニルスルホ
ニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
マット剤:
本発明の感熱転写受像シートにおいて、ブロッキング防止、離型性付与、滑り性付与のためにマット剤を添加してもよい。マット剤は感熱転写受像シートの受容層が塗布される面、受容層が塗布される他方の面、あるいはその両方の面に添加することができる。
マット剤は、一般に水に不溶の有機化合物の微粒子、無機化合物の微粒子を挙げることができるが、本発明では、分散性の観点から、有機化合物を含有する微粒子が好ましい。有機化合物を含有していれば、有機化合物単独からなる有機化合物微粒子であってもよいし、有機化合物だけでなく無機化合物をも含有した有機/無機複合微粒子であってもよい。マット剤の例としては、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット剤を用いることができる。
[感熱転写受像シートの製造方法]
以下、感熱転写受像シートの製造方法について説明する。
感熱転写受像シートは、少なくとも1層の受容層および少なくとも1層の断熱層を支持体上に同時重層塗布して製造されることが好ましい。
このような同時重層塗布は、水系塗布であることが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば特開米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEDGAR B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。これらの塗布方法では、複数の塗布液を塗布装置に同時に供給して異なる複数の層を形成する。
感熱転写受像シートの製造方法では、同時重層塗布が可能で高い生産性を実現できる事から、スライド塗布あるいはカーテン塗布が好ましい。
同時重層塗布においては、均質な塗膜形成および良好な塗布性の点で、各層を構成する塗布液の粘度および表面張力を調整する必要がある。塗布液の粘度は、公知の増粘剤や減粘剤を他の性能に影響を与えない範囲で使用することにより容易に調整できる。また、塗布液の表面張力は各種の界面活性剤により調整可能である。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と昇華型感熱転写シートの染料層(熱転写層)とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜7秒である。
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は2.0msec/line以下が好ましく、1.5msec/line以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.73msec/line以下であり、最も好ましくは0.65msec/line以下である。また、高速化条件における転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルヘッド最高到達温度は、180℃〜450℃が好ましく、さらに好ましくは200℃〜450℃である。さらには350℃〜450℃が好ましい。
本発明は、昇華型感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、富士フイルム製、商品名、ASK−2000)等の記録装置によって所期の目的を十分に達成することができる。
実施例1
(昇華型感熱転写シートの作製)
次のように昇華型感熱転写シート101を作製した。
基材として片面に易接着処理がされている厚さ4.5μmのポリエステルフィルム(ルミラー5A−F595、商品名、東レ(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/mとなるように背面層塗工液を塗布した。乾燥後、50℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着処理がされている面に、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層を面順次となるように塗布した昇華型感熱転写シート101を作製した。なお、各熱転写層の固形分塗布量は0.8g/mとした。
背面層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂
(アクリディックA−801、
商品名、大日本インキ化学工業(株)製) 20.0質量部
ステアリン酸亜鉛
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製) 0.26質量部
リン酸エステル
(Phoslex A18、商品名、堺化学工業(株)製) 0.52質量部
リン酸エステル
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製) 2.88質量部
タルク
(ミクロエースL−1、商品名、日本タルク(株)製)) 0.40質量部
酸化マグネシウム
(スターマグPSF、商品名、神島化学(株)製) 0.07質量部
ポリイソシアネート
(バーノックD−750、商品名、
大日本インキ化学工業(株)製) 7.77質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 68.1質量部
イエロー熱転写層塗工液
染料(Y−1) 0.2質量部
染料(Y−2) 0.3質量部
染料(Y−3) 5.0質量部
染料(Y−4) 1.6質量部
ポリビニルアセタール樹脂
(デンカブチラール#5000−D,商品名、電気化学工業(株)製) 7.3質量部
離型剤
(メガファックF−472SF,商品名、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.1質量部
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
Figure 2012071538
マゼンタ熱転写層塗工液
染料(M−1) 0.3質量部
染料(M−2) 0.3質量部
染料(M−3) 6.7質量部
ポリビニルアセタール樹脂
(デンカブチラール#5000−D、商品名、電気化学工業(株)製) 7.7質量部
離型剤
(メガファックF−472SF,商品名、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.1質量部
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
Figure 2012071538
シアン熱転写層塗工液
染料(C−1) 0.3質量部
染料(C−2) 6.6質量部
染料(C−3) 0.3質量部
ポリビニルアセタール樹脂
(デンカブチラール#5000−D,商品名、電気化学工業(株)製) 8.0質量部
離型剤
(メガファックF−472SF,商品名、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.1質量部
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
Figure 2012071538
転写性保護層積層体
熱転写層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層、保護層および接着層用塗工液を塗布し、転写性保護層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.5g/m、保護層1.0g/m、接着層1.8g/mとした。
離型層塗工液
変性セルロース樹脂(L−30、商品名、ダイセル化学(株)製) 5.0質量部
メチルエチルケトン 95.0質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂(ダイアナールBR−100、商品名、
三菱レイヨン(株)製) 35質量部
イソプロパノール 75質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂(ダイアナールBR−77、商品名、
三菱レイヨン(株)製) 25質量部
紫外線吸収剤 UV−1 1.5質量部
紫外線吸収剤 UV−2 1.5質量部
紫外線吸収剤 UV−3 1.2質量部
紫外線吸収剤 UV−4 0.8質量部
シリコーン樹脂微粒 0.06質量部
(トスパール120、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
Figure 2012071538
昇華型感熱転写シート101の易接着処理がされている面に下記塗工液により、プライマー層1を塗布し、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層を面順次となるように塗布した以外は同様にして、昇華型感熱転写シート102の試料を作製した。プライマー層の固形分塗布量は0.2g/m2とした。
(プライマー層1塗工液の調整)
下記組成中の気相法シリカ微粒子と水と分散剤を混合し、ビーズミル(例えば、KD−P((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて、分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後これにホウ酸とポリビニルアルコール溶解液を30℃で加え、プライマー層1塗工液とした。
プライマー層1塗工液
気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 8質量部
(AEROSIL300SF75 日本アエロジル(株)製)
水 68.1質量部
分散剤 0.7質量部
(シャロールDC−902P 第一工業製薬(株)製 51.5%水溶液)
ホウ酸 0.3質量部
ポリビニルアルコール溶解液 22.9質量部
(ポリビニルアルコール溶解液の組成)
ポリビニルアルコール 1.6質量部
(PVA235 (株)クラレ製 鹸化度88%、重合度3500)
水 21.3質量部
プライマー層1塗工液を下記表のように変更した以外は同様にして、プライマー層2から8の塗工液を作製した。
Figure 2012071538
昇華型感熱転写シート102のプライマー層1塗工液をプライマー層2〜9の塗工液に変更した以外は同様にして、昇華型感熱転写シート103〜110を作製した。
(感熱転写受像シート201の作製)
ポリエチレンで両面ラミネートした紙基材の表(おもて)面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の下引き層、断熱層、中間層、受容層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行なった。それぞれの乾燥時の塗布量が下引き層:2.6g/m、断熱層:18g/m、中間層:2.0g/m、受容層:2.0g/mとなるように塗布を行った。
<下引き層塗工液>
スチレンブタジエンラテックス 60質量部
(SN−307、商品名、日本エイアンドエル(株)製、固形分48%)
ポリビニルアルコール(6%水溶液) 40質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
<断熱層塗工液>
アクリル系中空粒子 18質量部
(ローペイクHP−1055、商品名、固形分26.5%、
ロームアンドハース社製)
アクリルスチレン系中空粒子 5質量部
(Nipol MH5055、商品名、固形分30%、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 25質量部
変性スチレン−ブタジエンラテックス 7質量部
(Nipol LX433C、商品名、固形分50%、日本ゼオン(株)製)
水 45質量部
<中間層塗布液>
塩化ビニル系ラテックス(塩化ビニル/アクリル共重合体) 45質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製、固形分55%)
ゼラチン(10%水溶液) 35質量部
水 20質量部
<受容層塗工液>
塩化ビニル系ラテックス(塩化ビニル/アクリル共重合体) 25質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製、固形分40%)
塩化ビニル系ラテックス(塩化ビニル/アクリル共重合体) 15質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製、固形分55%)
ゼラチン(10%水溶液) 2.5質量部
ポリビニルピロリドン 0.5質量部
(K−90、商品名、ISP(株)製)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 1質量部
(L−7001、商品名、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)
下記界面活性剤F−1(5%水溶液) 1.5質量部
下記界面活性剤F−2(5%水溶液) 5質量部
水 49.5質量部
Figure 2012071538
(画像形成)
上記昇華型感熱転写シート101〜110及び感熱転写受像シート201を用いて、熱転写型プリンター(ASK2000 富士フイルム(株)製)により152mm×102mmサイズ画像の出力を行った。この際、ASK2000に付属の昇華型感熱転写シートを、昇華型感熱転写シート101〜108と貼り替えたものを用いた。出力する際の環境条件は、25℃、相対湿度80%で行った。プリンターは、それぞれの昇華型感熱転写シートおよび感熱転写受像シートをプリンターにセットし、印画可能な状態とした上で予め25℃、相対湿度80%の部屋に24時間置いておいた。
印画は黒ベタ画像でそれぞれ10枚連続で行い、それぞれプリント後に保護層転写を行った。保護層転写後の反射濃度をカラー濃度計X−rite310TR(X−rite社製)で測定した。JIS−Z−8741に準拠し、光沢度の測定を行った。1プリント内で20点測定し、光沢度の平均値と偏差を求めた。光沢度の測定にはデジタル変角光沢計UGV−6P(スガ試験機(株)製)を用いた。また、目視にて画質の評価を行い、5段階の評価を行った。この結果を下記表2に示す。数字が大きいほど結果が良好で、5段階のうち、3以上が許容範囲である。
Figure 2012071538
上記表2から明らかなように、本発明の昇華型感熱転写シートは、比較昇華型感熱転写シートに比べ、印画画像の反射濃度、光沢度が高く、光沢度のバラツキが小さく、画質が優れることがわかる。
画像形成を環境条件を38℃、相対湿度90%に変更した以外は上記と同様に行った結果を下記表3に示す。
Figure 2012071538
上記表3から明らかなように、本発明の昇華型感熱転写シートは、高温高湿環境下においても、印画画像の反射濃度、光沢度が高く、光沢度のバラツキが小さく、画質が優れることがわかる。

Claims (9)

  1. 基材の一方の面に少なくとも、プライマー層、染料とバインダーを含有する熱転写層が塗設された昇華型感熱転写シートであって、該プライマー層が、無機微粒子、ホウ素化合物およびポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする昇華型感熱転写シート。
  2. 前記無機微粒子がシリカ微粒子またはアルミナ微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の昇華型感熱転写シート。
  3. 前記無機微粒子が、気相法で得られた無機シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の昇華型感熱転写シート。
  4. 前記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化率が90%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
  5. 前記ポリビニルアルコール系樹脂の質量(y)に対する前記無機微粒子の質量(x)の比(x/y)が1.5〜10であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
  6. 前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、前記プライマー層の全固形分質量に対し9〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
  7. 前記プライマー層に、さらにカチオン系ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シート。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の昇華型感熱転写シートと昇華型感熱転写受像シートを使用する画像形成方法であって、該昇華型感熱転写受像シートが、支持体上に中空ポリマー粒子を含有する断熱層とポリマーラテックスを含有する受容層を有することを特徴とする画像形成方法。
  9. 前記ポリマーラテックスが塩化ビニル/アクリル共重合体のポリマーラテックスを含むことを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
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