JP2014069515A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材1の一方の面にイエロー染料層2Yが設けられ、基材の他方の面に背面層5が設けられた熱転写シート10であって、イエロー染料層は、バインダー樹脂と、昇華性染料とを含有し、バインダー樹脂には、ニトロセルロースが含まれ、昇華性染料には、メチン系昇華性染料と、SolventYellow93とが含まれ、イエロー染料層は、メチン系昇華性染料と、SolventYellow93との合計質量に対し、メチン系昇華性染料を55質量%以上85質量%以下の割合で含有する。
【選択図】図1
Description
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
図1に示すように基材1上にはイエロー染料層2Yが設けられている。イエロー染料層2Yには、昇華性染料と、バインダー樹脂とが含まれる。以下、昇華性染料、及びバインダー樹脂について具体的に説明する。
イエロー染料層2Yに含まれる昇華性染料には、必須の染料として、上記一般式(1)で示される昇華性染料と、Solvent Yellow 93とが含まれる。以下、上記一般式(1)で示される昇華性染料と、Solvent Yellow 93とを総称して「2種の染料」という場合がある。
イエロー染料層2Yには、上記「2種の染料」を含む昇華性染料とともに、該昇華性染料を保持するためのバインダー樹脂が含有されており、本発明では、バインダー樹脂に、必須の成分としてニトロセルロースが含まれている。ニトロセルロースは、昇華性染料の染料保持力が高く、上記「2種の染料」を含む昇華性染料と、ニトロセルロースを含むバインダー樹脂との質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))が高くなっても、地汚れや、キック及びバックの発生を防止できる。
図1、2に示すように、基材1とイエロー染料層2Yとの間には、プライマー層3が設けられていることが好ましい。プライマー層3を設けることで基材1とイエロー染料層2Yとの密着性を向上させることができる。
図1に示すように、基材1の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5が設けられている。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。
次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗布し、プライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に下記組成のイエロー染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるように塗布し80℃で2分間乾燥することでイエロー染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
・ポリビニルブチラール樹脂 6.0部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート硬化剤 22.0部
(バーノックD750−45、固形分45%、DIC(株)製)
・リン酸エステル 3.0部
(プライサーフA−208N、第一工業製薬(株)製)
・タルク 1.0部
(ミクロエース P−3、日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 60.0部
・トルエン 60.0部
・アルミナゾル(固形分10%) 50部
(アルミナゾル200(羽毛状形態) 日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90 ISP社製) 5部
・水 25部
・イソプロピルアルコール 20部
・上記一般式(1)に示される化合物 1.375部
・Solvent Yellow 93 1.125部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液2を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.500部
・Solvent Yellow 93 1.000部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液3を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.625部
・Solvent Yellow 93 0.875部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液4を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.138部
・Solvent Yellow 93 0.612部
・上記一般式(2−1)に示される化合物 0.375部
・上記一般式(3−1)に示される化合物 0.375部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液5を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.138部
・Solvent Yellow 93 0.612部
・上記一般式(2−1)に示される化合物 0.750部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液6を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.375部
・Solvent Yellow 93 1.125部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.0部(固形分0.7部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・ポリビニルブチラール樹脂 0.3部
(エスレックBX−L 積水化学工業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液7を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.690部
・Solvent Yellow 93 0.810部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液8を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 2.017部
・Solvent Yellow 93 0.483部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液Aを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
・Solvent Yellow 93 2.500部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液Bを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.275部
・Solvent Yellow 93 1.225部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液Cを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 2.500部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
イエロー染料層用塗工液1にかえて、下記組成のイエロー染料層用塗工液Dを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
・上記一般式(1)に示される化合物 1.375部
・Solvent Yellow 93 1.125部
・ポリビニルアセタール樹脂 1.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
上記で得られた各実施例及び比較例の熱転写シートを用い、テストプリンタ(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)にて、DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640)の熱転写受像シートにMax階調印画を行うことで画像を形成した。次いで、この画像上に、メディアセットの保護層を転写し実施例及び比較例の印画物を形成した。
・測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社製)
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
○・・・濃度が2.0以上である。
×・・・濃度が2.0未満である。
Max階調印画後の各実施例及び比較例の熱転写シート、及び未印画の各実施例及び比較例の熱転写シートを5cm×5cmの大きさに切断し、これを5cm×5cmの大きさに切断し、高速液体クロマトグラフィ(島津製作所(株)製)を用い、印画部、未印画部の染料量の測定を行った。このとき、未印画部の染料量と印画部残存染料量との差を熱転写受像シートに転写された転写染料量とし、転写染料量を未印画部の染料量で除した値を染料転写効率とした。表1に、染料転写効率の実測値とともに、以下の評価基準により染料転写効率の評価結果を示す。
○・・・染料転写効率が80%以上である。
×・・・染料転写効率が80%未満である。
各実施例及び比較例の熱転写シートの染料層と、上記濃度評価で使用した熱転写受像シートの耐熱滑性層が対向するように重ね合わせ、1.5kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側への染料層の染料の転写(キック)度合いの確認を行った。染料の転写度合いは、色彩色差計(CR321 コニカミノルタ(株)製)を用い、転写部の耐熱滑性層の色相、及び未転写部の耐熱滑性層の色相を測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
○・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が8未満である。
△・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が8以上10未満である。
×・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が10以上である。
各実施例及び比較例の熱転写シートの染料層と、上記染料転写効率評価で使用した熱転写受像シートの耐熱滑性層が対向するように重ね合わせ、27Kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保存を行った。保存後の各実施例及び比較例の熱転写シートを、上記染料転写効率で使用したテストプリンタを用いて印画を行い、保存後の熱転写シートを用いた印画物を得た。保存後の熱転写シートを用いた印画物と、未保存の熱転写シートを用いた印画物の色相を、Spectrolino(X−Light社製)を用いて測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
○・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が1.0未満である。
△・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が1.0以上2.0未満である。
×・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が2.0以上である。
1…基材
2Y…イエロー染料層
2M…マゼンタ染料層
2C…シアン染料層
3…プライマー層
5…背面層
Claims (5)
- 前記イエロー染料層は、下記一般式(2)、及び下記一般式(3)で示される昇華性染料のうち何れか一方、又は双方の昇華性染料をさらに含有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記イエロー染料層に含有されている全昇華性染料の固形分総量に対する、前記一般式(2)及び前記一般式(3)で示される昇華性染料の合計固形分が33質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の熱転写シート。
- 前記イエロー染料層中における前記昇華性染料と前記バインダー樹脂の質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))が2.0以上3.5以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シート。
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