JP2016193546A - 昇華型熱転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
基材1は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
図1に示すように、本実施形態にかかる昇華型熱転写シート10にあっては、基材1上であって、黒色染料層2Bkの直下に所定のプライマー層3が設けられている。
図1に示すようにプライマー層3上には黒色染料層2Bkが設けられている。
上記一般式(1)で示される昇華性染料は、イエロー昇華性染料に分類されるものであり、好ましい黒色染料層2Bkに必ず含有されるものである。この昇華性染料は、ピラゾロンメチン骨格を有する昇華性染料であり、通常用いられるイエロー昇華性染料に比べて転写感度が高く、同量の添加量でも濃度が出しやすいので、黒色をよりきれいに再現することができる。また、この昇華性染料は長波長の光をよく吸収するので、イエローとマゼンタの間の吸収の谷を少なくすることができ、蛍光灯以外の様々な光源下においても黒色の再現性に優れている。
上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料は、マゼンタ昇華性染料に分類されるものであり、好ましい黒色染料層2Bkに選択的に含有されるものである。より具体的には、上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料の何れか1又は2以上の昇華性染料が含有される場合もあり、一方で、後述するシアン昇華性染料に分類される上記一般式(5)で示される昇華性染料が含有されている場合には上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料の何れも含有されない場合もある。
上記一般式(5)で示される昇華性染料は、シアン昇華性染料に分類されるものであり、好ましい黒色染料層2Bkに選択的に含有されるものである。より具体的には、上記一般式(5)で示される昇華性染料が含有される場合もあり、一方で、前述のマゼンタ昇華性染料に分類される上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料の何れかが含有されている場合には上記一般式(5)で示される昇華性染料は含有されない場合もある。この昇華性染料は、シアノメチレン骨格を有する昇華性染料であり、通常用いられるシアン昇華性染料に比べて転写感度が高く、同量の添加量でも濃度が出しやすいので、黒色をよりきれいに再現することができる。また、短波長の光をよく吸収するので、マゼンタとシアンの間の吸収の谷を少なくすることができ、他のシアン昇華性染料と組み合わせることで蛍光灯以外の様々な光源下においても黒色を再現することができる。
本実施形態にかかる昇華型熱転写シート10における黒色染料層2Bkには、上述のような各種昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂が含まれている。このバインダー樹脂は特に限定されることはなく、ある程度の耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。
また、黒色染料層2Bkは、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を含有していてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等が挙げられる。
黒色染料層2Bkの形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、昇華性染料、必要に応じて添加される添加剤や、離型剤を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、染料層用塗工液を調製し、この黒色染料層用塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの従来公知の塗工手段により、前述の染料プライマー層3上に塗工・乾燥することで形成することができる。黒色染料層2Bkの厚みは、0.2μm〜2.0μm程度が一般的である。
図1に示すように、基材1の黒色染料層2Bkが設けられている面とは反対側の面には、背面層5が設けられている。背面層5は任意の層であるが、これを設けることで、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上することができる。
ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成のプライマー層用塗工液1を乾燥時0.10g/m2になるように塗布し、プライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に下記組成の黒色染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるように塗布し80℃で2分間乾燥することで黒色染料層を形成し、実施例1の昇華型熱転写シートを得た。なお、実施例1の昇華型熱転写シートのプライマー層の総質量に対するウレタン系樹脂の質量割合は95%である。
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 36部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 25部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・シリコーン樹脂微粒子(粒子径;4μm 多角形状) 1部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
・ウレタン樹脂(固形分26%) 24部(固形分は6.24部)
(スーパーフレックス650 第一工業製薬(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 3部(固形分は0.3部)
(アルミナゾル200 日産化学工業(株)、平均1次粒子径10×100nm)
・水 62部
・IPA(イソプロピルアルコール) 75部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.6部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.6部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 0.7部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 1.0部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 3.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液2を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例2の昇華型熱転写シートを得た。なお、実施例2の昇華型熱転写シートのプライマー層の総質量に対するウレタン系樹脂の質量割合は95%である。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.8部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.8部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 1.0部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 1.0部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 1.4部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて下記組成のプライマー層用塗工液2を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例3の昇華型熱転写シートを得た。なお、実施例3の昇華型熱転写シートのプライマー層の総質量に対するウレタン系樹脂の質量割合は80%である。
・ウレタン樹脂(固形分26%) 24部(固形分は6.24部)
(スーパーフレックス650 第一工業製薬(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 15.5部(固形分は0.155部)
(アルミナゾル200 日産化学工業(株)、平均1次粒子径10×100nm)
・水 55部
・IPA(イソプロピルアルコール) 76部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて下記組成のプライマー層用塗工液3を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例4の昇華型熱転写シートを得た。なお、実施例4の昇華型熱転写シートのプライマー層の総質量に対するウレタン系樹脂の質量割合は65%である。
・ウレタン樹脂(固形分26%) 16.1部(固形分は4.2部)
(スーパーフレックス650 第一工業製薬(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 22.1部(固形分は2.21部)
(アルミナゾル200 日産化学工業(株)、平均1次粒子径10×100nm)
・水 48部
・IPA(イソプロピルアルコール) 76部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて下記組成のプライマー層用塗工液4を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例1の昇華型熱転写シートを得た。なお、比較例1の昇華型熱転写シートのプライマー層にはウレタン系樹脂が含まれていない。
・アルミナゾル(固形分10%) 50部(固形分は5部)
(アルミナゾル200(羽毛状形態) 日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90 ISP社製) 5部
・水 25部
・IPA(イソプロピルアルコール) 20部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて上記組成のプライマー層用塗工液4を用い、上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液3を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例2の昇華型熱転写シートを得た。なお、比較例2の昇華型熱転写シートのプライマー層にはウレタン系樹脂が含まれていない。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 1.6部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.7部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて下記組成のプライマー層用塗工液5を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例3の昇華型熱転写シートを得た。なお、比較例3の昇華型熱転写シートのプライマー層にはウレタン系樹脂が含まれていない。
・アルミナゾル(固形分10%) 15部(固形分は1.5部)
(アルミナゾル200(羽毛状形態) 日産化学工業(株)製)
・カチオン性アクリル樹脂(固形分30%) 11.7部(固形分3.5部)
(ビニブラン2647 日信化学工業(株)製)
・水 47.5部
・IPA(イソプロピルアルコール) 47.5部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて下記組成のプライマー層用塗工液6を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例4の昇華型熱転写シートを得た。なお、比較例4の昇華型熱転写シートのプライマー層の総質量に対するウレタン系樹脂の質量割合は50%である。
・ウレタン樹脂(固形分35%) 9部(固形分は3.15部)
(F−2850D 第一工業製薬(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 31.6部(固形分は3.16部)
(アルミナゾル200 日産化学工業(株)、平均1次粒子径10×100nm)
・水 42部
・IPA(イソプロピルアルコール) 76部
上記実施例1において用いたプライマー層用塗工液1に代えて上記組成のプライマー層用塗工液4を用い、上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成のイエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、およびシアン染料層用塗工液のそれぞれを用い、黒色染料層に代えて、イエロー染料層、マゼンタ染料層およびシアン染料層を面順次に形成したことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例5の昇華型熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 2.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.1部
・トルエン 47.2部
・メチルエチルケトン 47.2部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 3.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.1部
・トルエン 47.0部
・メチルエチルケトン 47.0部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 3.8部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.1部
・トルエン 46.6部
・メチルエチルケトン 46.6部
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の下引き層、断熱層、受容層下層、受容層上層を支持体側からこの順に積層させた状態で、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が下引き層:6.7g/m2、断熱層:8.7g/m2、受容層下層:2.6g/m2、受容層上層:2.7g/m2となるように塗布を行った。また、下記の組成は、固形分としての質量部を表す。
・ポリビニルアルコール 6.7質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
・スチレンブタジエンゴムラテックス 60.0質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
・界面活性剤 0.03質量部
・中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
・ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
・塩化ビニル系ラテックス 12.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
・塩化ビニル系ラテックス 12.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
・ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
・面活性剤 0.04質量部
・塩化ビニル系ラテックス 22.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
・塩化ビニル系ラテックス 2.4質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
・ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
・エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
・界面活性剤 0.45質量部
上記実施例1〜4および比較例1〜5の昇華型熱転写シートについて、基材(プライマー層)と黒色染料層との接着性を評価する接着性評価、異常転写を評価する離型性評価、印刷時において黒色染料層と熱転写受像シートとの剥離性能を評価する剥離力評価、および印刷された黒色印画部を評価する黒色相評価を行った。各評価の詳細は以下の通りである。
上記実施例1〜4および比較例1〜5の昇華型熱転写シートに対し、黒色染料層側の印刷面にメンディングテープ(ニチバン(株)製)を、親指で2往復、擦って貼りつけ、その直後に180°剥離により手で印刷面からテープを剥がして、黒色染料層がテープ側にとられるか、目視にて調べた。なお、比較例5の昇華型熱転写シートにあっては、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの染料層にテープ貼り、これを剥がすことにより評価した。
評価は以下の基準にて行なった。
○:黒色染料層が全くテープ側にとられない。
△:黒色染料層が少しテープ側にとられている。
×:黒色染料層がたくさんテープ側にとられている。
上記実施例1〜4および比較例1〜5の昇華型熱転写シートを用いて、印画物の全面がベタ(階調値255/255:濃度マックス)である印画パターンを下記印画条件にて印画し、印画を行なった際に、昇華型熱転写シートの黒色染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは黒色染料層ごと熱転写受像シートに転写する、いわゆる異常転写が生じるかを目視にて調べた。なお、比較例5の昇華型熱転写シートにあっては、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは異常転写が生じるかを評価した。
<印画条件>
・発熱体平均抵抗値;5545Ω
・主走査方向印字密度;300dpi、副走査方向印字密度;300dpi
・印画電圧;29V
・1ライン周期;2msec/line
・印字開始温度;25℃
評価は以下の基準にて行なった。
○:染料層と熱転写受像シートとが熱融着せず、異常転写が生じない。
△:染料層と熱転写受像シートとが一部熱融着するが、品質には問題ない。
×:染料層と熱転写受像シートとが異常転写が生じる。
上記実施例1〜4および比較例1〜5の昇華型熱転写シートを準備し、上記の離型性評価と同様の印画条件で印画し、熱転写受像シートと黒色染料層とが接着した状態のものを試料とし、黒色染料層を熱転写受像シートから剥がす際の剥離力を、180°剥離する時の剥離力として下記装置にて測定し、サンプル数5点の平均値をもとめた。なお、比較例5はイエロー、マゼンタ、シアンの順に印画して、シアン染料層を熱転写受像シートから剥がす際の剥離力を測定した。
・剥離装置:表面性測定機 HEIDON−14 新東科学社製
・剥離速度:200mm/分
・測定する試料幅:83mm
上記実施例1〜4および比較例1〜5の昇華型熱転写シートを用い、16段階の諧調を有する黒色印画部を熱転写受像シートに上記の離型性評価と同様の印画条件にて印画し、16段階の諧調のすべてについて、分光光度計(GretagMacbeth Spectrolino:グレタグ社製)を用い、白色基準を絶対値とし、D50、D65、C、F6光源(蛍光灯白色)、観測視野2°を濃度標準として、色度値(a*、およびb*)を測定し、以下の基準にて評価を行った。なお、比較例5の昇華型熱転写シートにあっては、イエロー、マゼンタ、およびシアンを重ね印画した。
(評価基準)
◎:全て光源で16個の階調の全てのa*およびb*値が−5〜5の範囲内である。
○:F6光源で16個の階調の全てのa*およびb*値が−5〜5の範囲内である。
△:F6光源以外で−5未満であるか、5より大きいa*およびb*値が存在する。
×:F6光源含めて−5未満であるか、5より大きいa*およびb*値が存在する。
1…基材
2Bk…黒色染料層
3…プライマー層
5…背面層
Claims (2)
- 基材上に黒色染料層が設けられた昇華型熱転写シートであって、
前記黒色染料層の直下には、ウレタン系樹脂を含むプライマー層が設けられており、
前記プライマー層の総質量に対する前記ウレタン系樹脂の質量割合が65%以上であることを特徴とする昇華型熱転写シート。 - 前記黒色染料層に含まれる昇華性染料の総質量(D)とバインダー樹脂の総質量(B)との比率(D/B比)が1.5〜3.5であることを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写シート。
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