JP2018176567A - 熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】昇華転写方式による画像形成で用いられる熱転写受像シートにおいて、巻取り加工した際に、離型性を付与する変性シリコーンオイルの裏移りなどが生じることなく、熱転写シートとの離型性や、印字適性に優れた熱転写受像シートを提供する。【解決手段】熱転写受像シートの染料受容層が、塩化ビニル系樹脂を主剤とし、架橋剤と変性シリコーンオイルを含有してなり、前記変性シリコーンオイルが、反応性の官能基を有しない非反応性シリコーンオイル(A)と反応性の官能基を有する反応性シリコーンオイル(B)とからなり、その質量比率A/Bが、式1を満たすことを特徴とする熱転写受像シート。0.5 ≦ A/B ≦ 70 … 式1【選択図】図1

Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される感熱転写記録媒体に関するものであり、特に基材シートの片面に背面層を設け、背面層側と反対の面側に少なくとも多孔質層、染料受容層を順次形成した熱転写受像シートに関する。
一般に、感熱転写方式としては、顔料などをワックスや樹脂中に分散したインキを基材フィルム上に設けた熱溶融型の熱転写シートを用いたものと、昇華性染料をバインダ樹脂と共にインキ化し、基材上に設けた昇華型の熱転写シートを用いたものとがある。
昇華型の熱転写シートを用いた感熱転写方式の場合には、昇華性染料で染着可能な樹脂材料からなる染料受容層を有する熱転写受像シート、例えば、紙やプラスチックフィルムの表面に受像層を設けた被転写体上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。
この場合には、加熱手段としてプリンタのサーマルヘッドが使用され、極めて短い時間の加熱によって3色又は4色の多数の色ドットを被転写体に転移させ、この多数の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再現するものである。
この様に形成された画像は、使用する色材が染料であるため、非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れている。
従って、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、且つフルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能となっている。
このため、昇華型の感熱転写方式は、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、幅広く利用されている。
ところで、このような昇華型の感熱転写方式に用いられる熱転写受像シートは、熱転写シートとの関係において、優れた離型性を示すことが求められる。
熱転写受像シートに設けられた染料受容層の離型性が低いと、熱転写シート側のバインダ樹脂と染料受容層との融着が起こり易くなり、プリント時に熱転写シート側のバインダ樹脂が熱転写受像シート側に転写されることによる画質不良の発生や、ひどい場合にはプリンタ内からプリント物が正常に排出されないといった不具合を起こすこととなる。
この様な問題に対し、特許文献1のように、熱転写受像シートに離型性を持たせるために離型剤として添加しているシリコーンオイルの分子量や、動粘度に着目して検討している例が提示されている。
しかし、これらの発明は、低分子量のシリコーンオイルのブリードアウトに関して充分な検討がなされているとは言えず、熱転写受像シートをロール状に巻き取った際の、背面へのシリコーンオイルの裏移りに関しても検討されていない。
特開2007−90650号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、印画時における貼り付き等の異常転写を抑制すると共に、熱転写受像シートをロール状に巻き取った際にも裏移りすることの無く、十分な印画濃度の得られる熱転写受像シートを提供しようとするものである。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくとも、背面層、基材シート、多孔質層、および染料受容層が積層されてなる熱転写受像シートであって、前記染料受容層は、塩化ビニル系樹脂と架橋剤、変性シリコーンオイルを含有してなり、前記変性シリコーンオイルが、側鎖または末端に反応性の官能基を有しない非反応性シリコーンオイル(A)と、反応性の官能基を有する反応性シリコーンオイル(B)の、それぞれ1種以上の混合物からなり、前記非反応性シリコーンオイル(A)と前記反応性シリコーンオイル(B)の質量比率が、式1を満たすことを特徴とする熱転写受像シートである。
0.5 ≦ A/B ≦ 70 … 式1
請求項2に記載の発明は、前記塩化ビニル系樹脂が水系分散型の塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートである。
請求項3に記載の発明は、前記染料受容層中に含まれる前記変性シリコーンオイルは、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、非反応性シリコーンオイル(A)が1〜7質量部の範囲であり、反応性シリコーンオイル(B)が0.1〜2質量部の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シートである。
請求項4に記載の発明は、前記染料受容層に含まれる架橋剤がアジリジン系化合物であり、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、3〜12質量部の範囲で配合されてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱転写記録材料である。
本発明によれば、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとを上述のような配合比率で添加することにより、反応性シリコーンオイルが、染料受容層における樹脂の架橋反応によって樹脂に固定され、シリコーンオイルのブリードアウトを抑制すると共に、非反応性シリコーンオイルが、染料受容層の表面にでることで、充分な離型性をも付与することが可能となる。
本発明の実施形態に係わる熱転写受像シートの構成例を示す断面図である。 熱転写シートの構成例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、各図面は本発明の実施形態の1例を示すもので、これらに限定されるものではない。
図1では、熱転写受像シート10の構成例として、基材シート11の一方の面上に、背面層12を設け、その反対側の面上には、多孔質層13、下地層14、染料受容層15がこの順で積層されている。
ここで、基材シート11は、従来公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイミド等の合成樹脂からなるフィルム、および上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙などの紙類等を単独、あるいは組み合わされた複合体として使用することができる。
基材シート11の厚さは、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮し、25μm以上250μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは50μm以上200μm以下程度のものが好ましい。
また、基材シート11には、必要に応じて帯電防止処理や易接着処理などの各種処理が施されてあってもよい。
上述のような基材シート11の一方の面には、背面層12が設けられており、背面層12はプリンタ搬送性の向上や、染料受容層15とのブロッキング防止、さらには印画前後の熱転写受像シートのカール防止などの目的で設けられる。
背面層12に用いられる材料としては、従来公知の材料で対応することができ、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などのバインダ樹脂を用いることができる。
また、背面層12には、必要に応じてフィラー類や帯電防止剤等の、各種公知の添加剤が添加されてあっても良い。
次に、基材シート11の背面層12が設けられているのとは反対の面に設けられている多孔質層13としては、従来公知のものを採用することができ、例えば、有機あるいは無機の中空粒子や多孔質材料と、バインダ樹脂によって構成されたものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらには発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを設けたものなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
但し、画質に影響を与える平滑性や光沢性等を考慮すると、発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。
多孔質層13の厚さは、10μm以上80μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは20μm以上60μm以下程度のものが好ましい。
続いて、下地層14を設けることにより、染料受容層15の密着性を向上させることが期待できるとともに、画像形成時の印画濃度を調整することが期待できる。
下地層14としては、水系溶剤に水溶性樹脂や水溶性高分子を溶解あるいは分散した水系コーティング剤、あるいは水性エマルジョンなどから構成される水系コーティング剤などをコーティングすることによって形成することができる。
水溶性樹脂または水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変
性物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、水性エマルジョンの例としては、ポリオレフィンエマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョンなどを挙げることができる。
これらの各種樹脂あるいは高分子は、それぞれを単独で、あるいは混合物として用いられてあってもよい。
下地層14の厚さは、0.1μm以上3μm以下の範囲で設けることができるが、より好ましくは、0.2μm以上1.0μm以下程度であることが望ましい。
これは、下地層14の膜厚が0.1μm未満であると膜厚調整が困難となることや、膜厚が0.1μm未満でバラつきが生じると、多孔質層13と染料受容層15との間の密着性を低下させる恐れがあるためであり、また、膜厚が厚すぎると、印画濃度の低下を招く恐れがあるためである。
また、下地層14は、必要に応じて、架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有していても良い。
次に、染料受容層15は、少なくともバインダ樹脂、架橋剤、変性シリコーンオイルを含む層であり、熱転写シートから放出される昇華性染料を受容して染着させる機能を有する。
この染料受容層15に用いるバインダ樹脂としては、塩化ビニル系樹脂を好ましく用いることができる。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などを例として挙げることができる。
また、染料受容層15は、有機溶剤を溶媒または分散媒とする溶剤系コーティング剤をコーティングして形成することも可能であるが、環境問題を考えると有機溶剤を低減することが望ましく、また熱転写受像シートを開梱して使用する際の溶剤臭を低減するという観点からも水系溶剤を溶媒または分散媒とする水系コーティング剤をコーティングして形成することが望ましいと言える。
従って、バインダ樹脂としては、水性の樹脂エマルジョンとして水分散型塩化ビニル系樹脂を好ましく用いることができ、中でも、塩化ビニル−アクリル共重合エマルジョンや塩化ビニル−アクリルコアシェルが、より好ましいと言える。
上述の様な樹脂からなる染料受容層15に添加される架橋剤としては、公知材料をいずれも用いることができるが、特にカルボキシル基との反応を考えると、例えば、イソシアネート化合物、ブロック型イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物などを適宜使用することができ、中でもポットライフや反応性に優れるアジリジン系化合物が好適であると言える。
アジリジン系化合物を架橋剤として用いる場合には、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、3質量部以上12質量部以下の添加量であることが好ましく、より好ましくは、5質量部以上10質量部以下である。
これは、3質量部未満では、染料受容層15の樹脂である塩化ビニル系樹脂が充分に架橋によるネットワーク構造をとることができず、熱転写シート側のバインダ樹脂と熱圧着した際に、樹脂同士によるタック性が生じ易くなり、異常転写を引き起こすためであり、また12質量部よりも多いと、染料の受容性が低下し、十分な印画濃度が得られなくなるためである。
また、離型性を付与するために添加されるシリコーンオイルとしては、アルキル基やアリール基のような有機系置換基を導入した変性シリコーンオイルが好ましく用いられる。
中でも側鎖型変性シリコーンオイルや、片末端型変性シリコーンオイルがより好ましく用いられる。
これは、バインダ樹脂との相溶性に優れる有機系置換基部分が、バインダ樹脂中に固定され、シリコーンオイルを保持した状態であっても離型性を付与するシリコーン骨格部の自由度が確保されやすく、離型性を発揮しやすくなるためと考えられる。
反応性の官能基を有しない非反応性シリコーンオイル(A)としては、有機系置換基を導入したものであれば、いずれも適用することができ、例えば、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどを例示することができるが、相溶性の調整が容易なポリエーテル変性シリコーンオイルがより好ましく用いられる。
この様な非反応性シリコーンオイル(A)の添加量としては、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1質量部以上7質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、3質量部以上5質量部以下である。
これは、非反応性シリコーンオイル(A)の添加量が、1質量部未満では、離型性が充分に発揮されず、異常転写が発生し、また7質量部より多い場合には、画像形成後の染料受容層上に熱転写性保護層を転写しようとする際に、熱転写性保護層の転写不良などが発生するためである。
ここで、熱転写性保護層とは、熱転写シートを用いて、染料受容層に画像を形成した後に、その画像を保護する目的で形成されるもので、例えば、図2に例示するに熱転写シート20上に面順次に設けられたシアン、マゼンタ、イエローなどの各色の昇華性染料層23と共に、熱転写シート上に並置して、画像形成後に、染料受容層15上に転写する方法などが考えられる。図2については、後述する。
反応性の官能基を有する反応性シリコーンオイル(B)としては、塩化ビニル系樹脂や架橋剤と反応性を有する官能基を導入したものであればいずれも用いることができるが、アミノ・ポリエーテル変性シリコーンオイルや、カルボキシル変性シリコーンオイルが、より好ましく用いられる。
反応性シリコーンオイル(B)の添加量としては、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上2質量部以下の添加量であることが好ましく、より好ましくは、0.1質量部以上1質量部以下である。
これは、反応性シリコーンオイル(B)の添加量が、0.1質量部未満では、充分な離型性が発揮できず異常転写が発生し、また2質量部より多いと、異常転写が発生するため
である。
この様な現象が生じる理由としては、反応性シリコーンオイルが多く添加された場合に、バインダ樹脂の架橋密度に対して影響がでてしまうことが考えられる。
また、この様な非反応性シリコーンオイル(A)と反応性シリコーンオイル(B)の質量比率A/Bは、以下の式1を満たしていることが望ましい。
0.5 ≦ A/B ≦ 70 … 式1
これにより、染料受容層15表面の離型性と、変性シリコーンオイルのブリードアウト抑制とのバランスを取ることが可能となり、熱転写受像シートとして好適な染料受容層を提供することができる。
更に、染料受容層15は、必要に応じて、各種フィラー類やワックス類、酸化防止剤、触媒、蛍光染料や、公知の各種添加剤などを含有していても何ら問題ない。
染料受容層15の厚さは、0.1μm以上10μm以下のものを使用することができるが、0.2μm以上8μm以下程度が好適に用いられる。
上述に示すような構成として得られた熱転写受像シートを用いることにより、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルが適性配合される効果によって、熱転写シートに対する充分な離型性を発揮し異常転写を抑制すると共に、シリコーンオイルのブリードアウトや巻取り加工時の裏移りなどを低減することができ、更には塩化ビニル系樹脂と架橋剤の効果によって、異常転写なく、充分な印画濃度を得ることが可能となる。
(熱転写シート)
上述の様にして得られる熱転写受像シートと共に供される熱転写シートの例としては、例えば、図2に示すような熱転写シートを例示することができる。
図2において、熱転写シート20は、基材21の一方の面に色相の異なる昇華性染料層23と離型層27とが面順次に形成され、他方の面には耐熱滑性層22が形成されており、前記離型層27の上には、剥離層26と接着層25とが順次積層されてなる熱転写性保護層24が形成されている。
基材21は、熱転写記録時における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるため、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂からなるフィルムやコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類を単独あるいは複合体として使用することができる。
中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、その厚さは、2μm〜50μm程度の範囲のものを使用することができる。
基材21の一方の面に設けられる耐熱滑性層22は、サーマルヘッドの熱による基材の熱収縮やサーマルヘッドとの摩擦による基材の破断などを防止するためのもので、従来公知の熱転写シートに用いられる耐熱滑性層用材料であれば、いずれの材料が用いられていても問題ない。
具体的には、例えば、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂などのバインダ樹脂を主剤とし、滑剤、硬化剤、粒子等の添加剤を加えたものなどを例示することができる。
昇華性染料層23は、昇華性染料とバインダ樹脂とからなり、必要に応じて離型剤などを添加することができる。
昇華染料としては、主に昇華性分散染料が好ましく用いられ、公知の昇華性分散染料であれば、何れも用いることができ、具体的には、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系などの各種分散染料を例示することができる。
バインダ樹脂としては、従来公知のものをいずれも使用することができ、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などを例示することができる。
離型層27に用いられるバインダ樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、各種ワックス類、セルロース誘導体や熱硬化性樹脂類などを例示することができる。また、離型層27には、電荷制御剤などの添加剤が添加されてあっても良い。
上述のような離型層27上に設けられる熱転写性保護層23としては、例えば、図2に示すように、剥離層26および接着層25とからなる層などを例示することができる。
接着層25は、被転写体である染料受容層との接着性を調整するための層であり、剥離層26は、熱転写時に離型層27から接着層25が容易に剥離できるようにすると共に、熱転写記録後の耐摩擦性などの耐久性を付与するためのものである。
接着層25に用いられる樹脂としては、熱溶融性以外に特に限定されるものではなく、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−アクリル酸エステル類などの各種共重合体、オレフィン系樹脂、ワックス類など各種材料を任意に選定することができる。
また、接着層25には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒促進剤、着色剤、艶調整剤、蛍光増白剤等の機能性添加剤などが添加されてあっても何ら問題ない。
剥離層26に用いられるバインダ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース誘導体、各種ゴム類などを例示することができる。
以下、実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。各実施例並びに比較例で用いた熱転写受像シートの染料受容層構成例を、表1に示した
Figure 2018176567
〔熱転写受像シートの作製〕
(実施例1)
基材シートとして厚さ140μmの長尺の上質紙を使用し、溶融押出し法により裏面層として厚さ30μmのポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、基材のポリエチレン樹脂層側とは反対側の面と反対側の面と多孔質層との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押出しして厚さ15μmのポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて、前記基材シートと多孔質層とを貼りあわせた。なお、多孔質層としては、厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの片面にスキン層を設けたものを使用し、そのスキン層を設けていない面に前記ポリエチレン樹脂を溶融押出しして貼りあわせた。
次に、多孔質層上に、水性エマルジョンからなる下記下地層コーティング剤を、乾燥後の厚みが、0.5μmとなるように塗布、乾燥することで、下地層を形成した。
更に、その下地層の上に、水性エマルジョンからなる下記染料受容層コーティング剤を、純水などの希釈溶媒によって適宜希釈して、乾燥厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成した。
尚、文中で「部」とあるのは、特に断りの無い限り、質量基準である。
<下地層コーティング剤>
ポリオレフィンエマルジョン 20部
(アローベースSB−1010、ユニチカ(株)製)
塩化ビニル共重合エマルジョン 20部
(ビニブラン603、日信化学工業(株)製)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 4部
純水 56部
<染料受容層コーティング剤−1>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 1部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 2部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−2>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 3部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 1部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−3とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−3>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 5部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−4とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−4>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 5部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 12部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−5とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−5>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 7部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.1部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例6)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−6とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−6>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 1部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 2部
(X−22−3701E、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例7)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−7とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−7>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 3部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 1部
(X−22−3701E、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例8)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−8とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−8>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 5部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3701E、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例9)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−9とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9の熱転写受像シートを得た。
<染料受像層コーティング剤−9>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 7部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.1部
(X−22−3701E、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例10)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−10とした以外は、実施例1と同様にして、実施例10の熱転写受像シートを得た。
<染料受像層コーティング剤−10>
塩化ビニル共重合体 100部(固形分換算)
(ソルバインA、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 5部
(KF−6020、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.1部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
イソシアネート化合物 3部
(DN−950、DIC(株)製)
(実施例11)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−11とした以外は、実施例1と同様にして、実施例11の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−11>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 5部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 15部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(実施例12)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−12とした以外は、実施例1と同様にして、実施例12の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−12>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 5部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 2部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−13とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−13>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 0部
反応性シリコーンオイル 0部
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−14とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−14>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 0.5部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 2部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−15とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−15>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 10部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.1部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−16とした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−16>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 7部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 0.05部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
(比較例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層コーティング剤−17とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層コーティング剤−17>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 100部(固形分換算)
(ビニブラン701、日信化学工業(株)製)
非反応性シリコーンオイル 2部
(KF−352A、信越化学工業(株)製)
反応性シリコーンオイル 5部
(X−22−3939A、信越化学工業(株)製)
アジリジン系架橋剤 7部
(PZ−33、(株)日本触媒 製)
〔熱転写シートの作製〕
試作した各熱転写受像シートの印字評価を実施するために、図2に示すような熱転写シートを、以下の通り作製した。
基材21として、厚み4.5μmのポリエステルフィルムを用い、一方の面上に、耐熱滑性層形成用インクを用いて、乾燥膜厚1.3μmで形成して耐熱滑性層22とした。
また、他方の面上には、グラビアコート法により、所定の位置にそれぞれ用意された昇華性染料層形成用イエローインク、昇華性染料層形成用マゼンタインク、昇華性染料層形成用シアンインクを用いて、昇華性染料層23を各厚み0.8μmで、面順次に形成し、各昇華性染料層23を得た。
更に、離型層形成用インクを用いて、離型層27を乾燥膜厚0.5μmで形成した後、その離型層27上に、熱転写性保護層24を形成すべく、剥離層形成用インクを用いて、剥離層26を乾燥膜厚0.6μmで形成し、更に剥離層26上に、接着層形成用インクを用いて、接着層25を乾燥膜厚0.8μmで形成することで、昇華性の熱転写シート20を得た。
<耐熱滑性層形成用インク>
アクリルポリオール樹脂 15.0部
ステアリン酸亜鉛 1.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1.5部
タルク 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート 5.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 6.0部
<昇華性染料層形成用イエローインク>
C.I.ソルベントイエロー93 0.6部
C.I.ソルベントイエロー16 3.6部
ポリビニルブチラール樹脂 5.4部
シリコーンオイル 0.4部
メチルエチルケトン 60.0部
トルエン 30.0部
<昇華性染料層形成用マゼンタインク>
C.I.ディスパースレッド60 6.0部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.0部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0部
シリコーンオイル 0.5部
メチルエチルケトン 58.5部
トルエン 29.0部
<昇華性染料層形成用シアンインク>
C.I.ソルベントブルー36 6.9部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0部
シリコーンオイル 0.6部
メチルエチルケトン 57.0部
<離型層形成用インク>
酢酸セルロース 20.0部
メチルエチルケトン 80.0部
<剥離層形成用インク>
アクリル樹脂 19.0部
シリコーンオイル 1.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<接着層形成用インク>
アクリル樹脂 20.0部
メチルエチルケトン 80.0部
〔評価方法〕
上記で作製した熱転写受像シートならびに熱転写シートを用いて、(1)異常転写性評価、(2)保護層転写性評価、(3)最高濃度評価、(4)環境負荷評価、(5)裏移り評価を実施した。
(1)異常転写性評価
上記で作製した熱転写受像シートおよび熱転写シートについて、評価用サーマルプリンタを用いて、40℃、80%RHならびに23℃、80%RHの環境下において、グラデーション画像を連続で印画し、目視にて印画物に異常転写が発生しているかを確認した。
○ : 印画物に異常転写は発生していなかった。
△ : 印画物にごくわずかな異常転写が発生していた。
× : 印画物の全面に異常転写が発生していた。
− : 印画することができなかった。
尚、本評価においては、△以上であれば、実運用上問題ないレベルである。
(2)保護層転写性評価
上記で作製した熱転写受像シートおよび熱転写シートについて、評価用サーマルプリンタを用いて、黒ベタ画像および白ベタ画像を印画、熱転写性保護層を転写した後、ブラックライト下で転写された熱転写性保護層に転写不良があるか否かを目視にて確認し、下記評価基準に基づいて評価を行った。
○ : 転写不良が発生していない。
△ : 長さ1mm未満の転写不良が発生していた。
× : 長さ1mm以上の転写不良が発生していた。
− : 印画することができなかった。
尚、本評価においては、△以上であれば、実運用上問題ないレベルである。
(3)最高濃度評価
上記で作製した熱転写受像シートおよび熱転写シートについて、評価用サーマルプリンタにて黒ベタ画像を印画し、分光濃度計(SDG(株)製 X−Rite528)を用いて最高反射濃度を測定した。
○ : 最高濃度が1.8以上であった。
△ : 最高濃度が1.7以上であった。
× : 最高濃度が1.7未満であった。
− : 印画することができなかった。
尚、本評価においては、△以上であれば、実運用上問題ないレベルである。
(4)環境負荷評価
環境配慮の観点から、塗料溶媒中に含まれる有機溶剤の質量%について、比較をおこなった。
○ : 有機溶剤の質量%が20%未満である。
△ : 有機溶剤の質量%が20%以上である。
(5)裏移り評価
上記で作製した熱転写受像シートに対し、3.6kg/cmの荷重をかけた状態としながら、23℃、50%RHの環境で、7日間保管し、保管前の受像層の表面シリコーン量と保管後の受像層の表面シリコーン量を、X線光電子分光分析装置であるPHI 5000 VersaProbe III(アルバック・ファイ株式会社製)を用いて測定した。得られた測定結果から、式2により、裏移り量(atomic%)を算出し、比較を行った。
裏移り量 = 保管前の表面シリコーン量 − 保管後の表面シリコーン量 … 式2
○ : 裏移り量が、1atomic%未満であった。
△ : 裏移り量が、1atomic%以上、2.5atomic%未満であった。
× : 裏移り量が、2.5atomic%以上であった。
尚、本評価においては、△以上であれば、実運用上問題ないレベルである。
上記の各評価の結果を表2に示す
Figure 2018176567
表2の結果より、比較例1から、熱転写受像シートの染料受容層に架橋剤および変性シリコーンを添加していない場合には、印画すらできないことがわかる。
また、比較例2の結果から、非反応性シリコーンオイル(A)と反応性シリコーンオイル(B)との質量比率A/Bが、0.5未満である場合には、変性シリコーンオイルによる離型性の効果が充分に発揮されず、印画物の全面に異常転写が発生していることがわかる。
比較例3の結果から、非反応性シリコーンオイルの添加量がバインダ樹脂に対して7質量部よりも多い場合には、離型性の効果が強すぎるため、熱転写性保護層24を転写する際に、転写不良が発生していることがわかる。
また、比較例4の結果から、非反応性シリコーンオイル(A)の添加量が、バインダ樹脂に対して7質量部以下であった場合でも、前記質量比率A/Bが、70よりも大きい場合には、反応性シリコーンオイル(B)の添加量不足により、印画物の前面に異常転写が発生している。
比較例5の結果からは、反応性シリコーンオイル(B)の添加量が、バインダ樹脂に対して2質量部よりも多く、且つ前記質量比率A/Bが、0.5よりも小さい場合には、反応性シリコーンオイル(B)の添加過多により、印画物の全面に異常転写が発生している。
これは、先に述べたように、反応性シリコーンオイルが多く添加されることにより、バインダ樹脂の架橋密度が低下された可能が考えられる。
また、実施例10の溶剤系の染料受容層コーティング剤を用いた場合には、印画時における機能面での問題は見出せないが、溶剤を使用するということで、環境負荷の観点からすると、水分散系の染料受容層コーティング剤を用いることが望ましいと言える。
実施例5および実施例9から、非反応性シリコーンオイル(A)の添加量が多い場合には、熱転写性保護層24を転写する際に、転写不良が発生しやすくなる傾向にあることがわかり、非反応性シリコーンオイル(A)の添加量は、バインダ樹脂に対して、7質量部以下であることが好ましいことが判る。
実施例11の結果から、架橋剤の添加量を多くしていくと、バインダ樹脂の架橋密度の上昇に伴い、染料受容性が若干低下することにより、許容範囲内ではあるものの最高濃度評価が他に比べて低下していることが判る。
また、実施例12の結果より、架橋剤の添加量を少なくしていくと、バインダ樹脂の架橋密度の低下と共に、熱転写シート側の樹脂との接着性が発現し始めることが判る。これにより、若干ながら異常転写の傾向が現れ始めている。
また、変性シリコーンオイルの裏移りについては、比較例3および比較例4より、前記質量比率A/Bが、70よりも大きい場合に、裏移り量が高いことが判る。
これは、バインダ樹脂に固定されている反応性シリコーンオイルに対し、固定されていない非反応性シリコーンオイルが過剰に添加されていることから、裏移り量が多くなっているためであると考えられる。
以上のように、本発明の熱転写受像シートを用いることにより、印画時における貼り付き等の異常転写を抑制すると共に、熱転写受像シートをロール状に巻き取った際にも裏移りすることの無く、十分な印画濃度の得られる熱転写受像シートを提供することができる
10 … 熱転写受像シート
11 … 基材シート
12 … 背面層
13 … 多孔質層
14 … 下地層
15 … 染料受容層
20 … 熱転写シート
21 … 基材
22 … 耐熱滑性層
23 … 昇華性染料層
24 … 熱転写性保護層
25 … 接着層
26 … 剥離層
27 … 離型層

Claims (4)

  1. 少なくとも、背面層、基材シート、多孔質層、および染料受容層が積層されてなる熱転写受像シートであって、
    前記染料受容層は、塩化ビニル系樹脂と架橋剤、変性シリコーンオイルを含有してなり、前記変性シリコーンオイルが、側鎖または末端に反応性の官能基を有しない非反応性シリコーンオイル(A)と、反応性の官能基を有する反応性シリコーンオイル(B)の、それぞれ1種以上の混合物からなり、
    前記非反応性シリコーンオイル(A)と前記反応性シリコーンオイル(B)の質量比率が、式1を満たすことを特徴とする熱転写受像シート。
    0.5 ≦ A/B ≦ 70 … 式1
  2. 前記塩化ビニル系樹脂が水系分散型の塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記染料受容層中に含まれる前記変性シリコーンオイルは、
    塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、非反応性シリコーンオイル(A)が1〜7質量部の範囲であり、反応性シリコーンオイル(B)が0.1〜2質量部の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記染料受容層に含まれる架橋剤がアジリジン系化合物であり、
    前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、3〜12質量部の範囲で配合されてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱転写記録材料。
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