JP4429928B2 - 熱転写シート - Google Patents
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(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設ける接着層2は、バインダー樹脂と架橋剤を含有するものであり、後記する染料層の反応性基を含む樹脂と、その架橋剤とが反応して架橋する。その架橋剤としては、例えば、エポキシ架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤等が挙げられる。また、イソシアネート基がフェノール、カプロラクタム、β−ジカルボニル化合物、アルコール、オキシム、トリアゾール等のブロック剤で一旦反応してブロックされた、所謂ブロックイソシアネートも使用でき、ブロックイソシアネートは加熱又は接触作用により、上記のブロック剤が解離して元のイソシアネートが活性となる。
本発明の熱転写シートは、一方の面に耐熱滑性層を設けた基材の他方の面に接着層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。本発明の染料層は、熱移行性染料と、前記接着層の架橋剤と反応する反応性基を含む樹脂を含有するものである。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設ける。上記の対熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
ポリアクリル酸エステル共重合樹脂 5部
(商品名ジュリマーFC−60、日本純薬(株)製)
水溶性エポキシ硬化剤 5部
(商品名デコナールEX−313、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
C.I.ソルベントブルー63 4.6部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.2部
(アセタール化度 70%以上、アセチル基 3%以下、重合度2400、Tg110℃)
アミン変性アクリル樹脂 0.8部
(アミン価 21、Tg90℃)
メチルエチルケトン 60部
トルエン 60部
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
ポリアクリル酸エステル共重合樹脂 5部
(商品名ジュリマーFC−60、日本純薬(株)製)
水溶性カルボジライト硬化剤 5部
(商品名「V02L2」、日清紡績(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
ポリアリルアミン樹脂 5部
(商品名PAA−05−E、日東紡績(株)製)
水溶性カルボジライト硬化剤 5部
(商品名「E01」、日清紡績(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
水溶性ナイロン樹脂(ノニオン系の水系アミド樹脂) 5部
(商品名トレジンFS500、ナガセケムテックス(株)製)
水溶性エポキシ硬化剤 5部
(商品名デコナールEX−313、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
C.I.ソルベントブルー63 4.6部
マレイン酸変性塩化ビニル酢酸ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 4.0部
(塩化ビニル成分 86%、酢酸ビニル成分 13%、マレイン酸成分 1%、重合度 420、Tg75℃)
メチルエチルケトン 60部
トルエン 60部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布し、80℃で20秒間乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例1の熱転写シートを作製する。
ポリアクリル酸エステル共重合樹脂 10部
(商品名ジュリマーFC−60、日本純薬(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布し、80℃で20秒間乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例2の熱転写シートを作製する。
ポリアリルアミン樹脂 10部
(商品名PAA−05−E、日東紡績(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布し、80℃で20秒間乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例3の熱転写シートを作製する。
水溶性ナイロン樹脂(ノニオン系の水系アミド樹脂) 10部
(商品名トレジンFS500、ナガセケムテックス(株)製)
水 500部
イソプロピルアルコール 500部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、接着層を設けずに、直接に実施例1と同様に染料層を形成し、比較例4の熱転写シートを作製する。
実施例5と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例5と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、比較例1で使用した接着層組成液Eをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布し、80℃で20秒間乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例5と同様に染料層を形成し、比較例5の熱転写シートを作製する。
実施例5と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例5と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、比較例2で使用した接着層組成液Fをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布し、80℃で20秒間乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例5と同様に染料層を形成し、比較例6の熱転写シートを作製する。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 20部
(塩化ビニル成分 92%、酢酸ビニル成分 3%、ポリビニルアルコール成分 5%、重合度 420、Tg76℃)
アミノ変性シリコーン 0.1部
(信越化学工業(株)、KF−393)
エポキシ変性シリコーン 0.1部
(信越化学工業(株)、KS−343)
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(ブチラール化度 65%以上、水酸基 34mol%、重合度650、Tg67℃)
ポリエーテル変性シリコーン 0.1部
(信越化学工業(株)、KF−615A)
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
上記に作製した各実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、上記の受像シートと組み合わせて、下記条件にて、印画を行い、マクベス反射濃度計RD−918にて、反射濃度を測定した。但し、使用する熱転写シートは40℃90%の環境下で100時間保存後の条件とした。
(印画条件)
サーマルヘッド発熱体平均抵抗値;5719(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電力;0.10(w/dot)
1ライン周期;1.8(msec.)
印字開始温度;30(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を95%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を0から255個を15分割した。これにより、15段階に異なるエネルギーを与えることができる。
上記の反射濃度の測定の場合と同様の印画条件において、印画物の全面がベタ(階調値255/255:濃度マックス)である印画パターンで印画し、印画を行なった際に、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは染料層ごと被転写材に転写する、いわゆる異常転写が生じるかを目視にて調べた。但し、熱転写シートは40℃90%の環境下で100時間保存後の条件とした。
○:染料層と熱転写受像シートとが熱融着せず、また異常転写(染料層が熱転写受像シートの受容層側に転写したり、受容層が染料層側に転写する)が生じない。
△:熱転写シートの染料層と熱転写受像シートの受容層とにおいて、異常転写が少し生じる。
×:染料層と熱転写受像シートとが熱融着するか、あるいは異常転写が生じる。
2 接着層
3 染料層
4 耐熱滑性層
Claims (5)
- 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層が架橋剤を含有する水系塗工液により形成され、該染料層は接着層の架橋剤と反応する反応性基を含む樹脂を含有する溶剤系塗工液により形成されたことを特徴とする熱転写シート。
- 前記の基材は、表面にコロナ処理がされているもので、該コロナ処理面に接着層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記の架橋剤が、エポキシ架橋剤又はカルボジイミド系架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記の反応性基を含む樹脂が、アミン変性またはカルボン酸変性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記の接着層は、乾燥時の塗工量が0.01〜0.3g/m2であることを特徴とする
請求項1に記載する熱転写シート。
Priority Applications (1)
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JP2005005893A JP4429928B2 (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 熱転写シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005005893A JP4429928B2 (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 熱転写シート |
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JP2006192676A JP2006192676A (ja) | 2006-07-27 |
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JP2005005893A Active JP4429928B2 (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 熱転写シート |
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