JP3869834B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、基材の一方の面上に少なくとも接着層および染料層を順次形成した熱転写シートに関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法は、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドによる加熱によって、3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
このような昇華転写による熱転写記録方式で、熱転写プリンターの印画速度の高速化が進むに従って、今までの熱転写シートでは十分な印画濃度が得られないという問題が生じてきた。さらに近年、熱転写による画像の印画物に対し、より高濃度で鮮明なものが要求されてきており、熱転写シート及びその熱転写シートから転写される昇華染料を受容して画像の形成される熱転写受像シートを改良する試みが多くなされている。
例えば、熱転写シートの薄膜化により印画における転写濃度の向上を試みることが行なわれているが、熱転写シートの製造時に熱や圧力によるシワが発生しやすくなり、また、熱転写記録の際にも印画物にシワが発生したり、熱転写シートが破断するという問題が生じる。
また、熱転写シートの染料層における染料/樹脂(Dye/Binder)の比率を大きくして、印画濃度の向上を試みることも行われているが、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層等へ再転移し(キックバック)、この汚染された層を受像シートへ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったり、いわゆる地汚れが生じたりする。
熱転写シート側ではなく、熱転写プリンターにおいて、画像形成時の熱転写の際、高エネルギーをかける試みも行われているが、染料層と受容層とが融着し、いわゆる異常転写が生じやすくなる。その異常転写を防止するため、受容層に多量の離型剤を添加すると、画像のにじみ・地汚れ等が生じる。
また、本発明者らは、ポリビニルピロリドン樹脂からなる接着層を染料層と支持体との間に設けた熱転写シートを開発した(特願2002−176982号、特許文献1)。この接着層は、受像シートへの染料転写効率を高めて印画物の濃度を向上させることができ、印画時の受像シートとの融着や異常転写も抑制される長所を有する。しかし、この接着層からなる熱転写シートを40℃90%などの高湿環境下に長期間保管し、印画する際の環境も高湿下であり、かつ離型性の低い受像シートを用いた際に、熱転写シートと受像シートの融着や異常転写を生じることがある。
上記のように、熱転写記録の印画速度の高速化に対応し、また熱転写画像の高濃度化、高品質化の要求に対応して、熱転写プリンター側の調節や使用する熱転写シート及び熱転写受像シートの熱転写記録材料の調節が行われたが、充分な印画濃度が得られなかったり、熱転写記録の際に異常転写が生じたりするなど充分に満足できる品質の印画物が得られなかった。
特開2003−312151号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、熱転写の印画速度の高速化や、熱転写画像の高濃度化、高品質化の要求に対応し、特に受像シートとの融着、異常転写を抑制した熱転写シートを提供することを目的とする。
本発明は、基材の少なくとも一方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートの該接着層を、ポリビニルピロリドン樹脂、および下記(A)群および下記(B)群からそれぞれ選ばれる少なくとも1つ以上を含有して形成することによりなる。
(A)群:メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1(重量比)の混合溶媒に対して溶解性があり、固形分が5%wtとなる状態にまで希釈してもゲル化の生じないポリウレタン樹脂および/またはアクリルポリオール樹脂;
(B)群:メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1(重量比)の混合溶媒に対して溶解性があり、固形分が5%wtとなる状態にまで希釈してもゲル化の生じないイソシアネート、ブロックイソシアネートおよび/またはアルミキレート剤。
本発明は、基材の少なくとも一方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層がポリビニルピロリドン樹脂からなるために、受像シートへの染料転写効率を高めて印画濃度を向上させることができる。
本発明の熱転写シートの接着層が、前記(A)群と前記(B)群から選ばれるそれぞれ1つ以上の材料を含有することで、高湿環境下による接着性の低下が抑制され、融着や異常転写を抑制することができる。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は、本発明の熱転写シートの一つの実施形態の概略断面図であり、基材1の一方の面にサーマルヘッドの滑り性を良くし、かつスティッキングを防止する耐熱滑性層4を設け、基材1の他方の面に接着層2、染料層3を順次形成した構成を示している。
図2は、本発明の熱転写シートの他の実施形態の概略断面図であり、基材1の一方の面にサーマルヘッドの滑り性を良くし、かつスティッキングを防止する耐熱滑性層4を設け、基材1の他方の面にプライマー層5、接着層2、染料層3を順次形成した構成を示している。
以下に、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳しく説明する。
(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
上記基材において、接着層、染料層を形成する面に、接着処理を施すことがよく行なわれている。上記基材のプラスチックフィルムはその上に接着層を塗布して形成する場合、塗布液の濡れ性、接着性等が不足しやすいので、接着処理を施すものである。その接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。
さらに、上記の基材の接着処理として、基材と接着層との間にプライマー層5を塗工して形成することも可能である。そのプライマー層は、以下に示すような樹脂から形成することができる。ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
(接着層)
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設ける接着層2は、ポリビニルピロリドン樹脂またはポリビニルピロリドン樹脂とポリビニルピロリドン樹脂の変性体から構成される。ポリビニルピロリドン樹脂としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドン等のビニルピロリドンの単独重合体(ホモポリマー)またはこれらの共重合体が挙げられる。好適に使用される分子量範囲はGPC測定にて1000〜3500(×10)、フィッケンチャーの公式のK値では80〜130の範囲である。
ポリビニルピロリドンの変性体の1つはビニルピロリドンと他の共重合可能なモノマーとの共重合である。このように変性体を含有させるのは、ポリビニルピロリドンからなる塗膜の吸水性を低下させ、高温高湿度環境下での接着力低下を抑制するためである。共重合可能なモノマーとしては、例えばスチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、塩化(弗化)ビニル、塩化(弗化、シアン化)ビニリデン等のビニルモノマーが挙げられる。そのビニルモノマーとビニルピロリドンとのラジカル共重合によって得られるコポリマーが使用できる。また、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、フェノキシ樹脂、セルロース樹脂等とポリビニルピロリドンとのブロック共重合体、グラフト共重合体等も使用できる。また別の変性体として、ポリビニルピロリドンの性質を変化させるために、ポリビニルピロリドンの一部分を架橋した材料も使用することができる。好適に使用される変性体の分子量範囲はGPC測定にて100〜3000(×10)である。
ポリビニル変性体を含有させる場合、その量はポリビニルピロリドン樹脂に対して、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。その量が80より多いと吸水性を低下させることは出来るが、ポリビニルピロリドンのもつ常温下での接着性が低下し、その量が少なすぎると、上記ポリビニル変性体を含有させる目的を達成することができなくなる。
接着層に用いるポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂は、固形、有機溶剤希釈型等の公知の材料を使用できるが、後述するイソシアネート、ブロックイソシアネートまたはアルミキレート剤で架橋もしくは硬化可能なものであり、メチルエチルケトン(MEK)とイソプロピルアルコール(IPA)のMEK/IPA=1/1(重量比)の混合溶媒に対して溶解性があり、固形分が5重量%となる状態にまで希釈してもゲル化の生じないものを使用するようにする。ポリビニルピロリドン樹脂またはポリビニルピロリドン樹脂とポリビニルピロリドン樹脂の変性体との混合溶液として、優れた塗工適性を得ることができ、本発明の効果を達成することができる。本発明に使用できるポリウレタン樹脂は、市販品として例えば、サンプレンIB−114B(三洋化学(株)製)等、アクリルポリオール樹脂は、アクリディックA−801−P(大日本インキ化学工業(株)製)等が使用可能である。なお、アクリルポリオール樹脂は、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)等のように、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー単位を含む重合体を表し、ソリッドでの酸価が1〜15程度であるのに対して、ソリッドでの水酸基価が20〜150程度となるものを示している。
ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂は、接着層全体の固形分に対して1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%である。添加量が少なすぎると接着成分としての機能が充分に発揮できす、多すぎるとポリビニルピロリドン樹脂による印画濃度向上の効果が得られなくなる。
同様に接着層に用いるイソシアネート、ブロックイソシアネート、アルミキレート剤も固形、有機溶剤希釈型等の公知の材料を使用できるが、メチルエチルケトン(MEK)とイソプロピルアルコール(IPA)のMEK/IPA=1/1(重量比)の混合溶媒に対して溶解性があり、固形分が5重量%となる状態にまで希釈してもゲル化の生じないものを使用するようにする。ポリビニルピロリドン樹脂またはポリビニルピロリドン樹脂とポリビニルピロリドン樹脂の変性体との混合溶液として、優れた塗工適性を得ることができ、本発明の効果を達成することができる。そのようなイソシアネートとしては例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシレンジイソシアネート(HXDI)、およびこれらイソシアネートモノマーの2〜3量体、例えばイソシアヌレート体、アダクト体、ビュウレット体等、ブロックイソシアネートとしてはオキシムやラクタム等でイソシアネート基をマスクしたもの等、アルミキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)等のアルミニウム塩)等を例示できる。市販品としては、タケネートA−14(三井武田ケミカル(株)製)(イソシアネート)、NKアシストIS−80D(日華化学(株)製)(ブロックイソシアネート)、ディックネートAL500(大日本インキ化学工業(株)製)(アルミキレート剤)等、種々入手可能である。
また、ポリビニルピロリドン樹脂またはポリビニルピロリドン樹脂とポリビニルピロリドン樹脂の変性体に上記ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂とイソシアネート、ブロックイソシアネート、アルミキレート剤を併せて含むことにより前記ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂が硬化するため、接着力と耐水性を同時に高めることが可能となり、高エネルギー印画時の異常転写を抑制することができる。
イソシアネート、ブロックイソシアネート、アルミキレート剤は接着層全体の固形分に対して1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。添加量が少なすぎると上記ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂を硬化させる機能が充分に発揮できす、多すぎると混合インキの安定性が著しく低下する。
接着層には、接着層としての機能を向上させるために、上記樹脂成分以外に、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂等を含ませてもよい。特にポリエステル樹脂、アクリル樹脂は接着性向上の観点から好ましい。このような樹脂成分は、添加する場合、接着層全体の固形分に対して、1〜10重量%の割合で添加して使用することが好ましい。接着成分の添加量が多すぎると、ポリビニルピロリドン樹脂による印画濃度向上の効果が充分に発揮できなくなる。このように、接着成分を含有させることにより、コロナ放電処理等の接着処理を施していない基材を用いることも可能となる。
接着層は、上記に挙げたポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂の変性体、ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、イソシアネート、ブロックイソシアネート、アルミキレート剤、必要によりその他添加剤、例えば、濡れ性改善剤や蛍光増白剤や各種フィラーなどを上記したように適宜組み合わせ、有機溶剤または水系溶媒に溶解または分散させた塗工液を調整し、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて形成することができる。中でもMEKとIPAの混合溶媒は上記材料をよく溶解し、塗工に際した粘度管理が容易であるという利点を有するため、好適に利用されている。塗工液調製に際しては、全固形分が3〜7重量%とすることで良好な塗工適性を得ることができる。全固形分が7重量%以上では粘度が高すぎるため塗工適性が低下する。また、全固形分が3重量%以下となると粘度が低下しすぎるため、グラビア印刷では塗工適性が大幅に低下する。よって、ポリウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂もMEKとIPAの混合溶媒に対して固形分が5重量%程度にまでゲル化等が起こらないような材料を選択する必要がある。また、イソシアネート、ブロックイソシアネート、アルミキレート剤についてもMEKとIPAの混合溶媒に対して固形分が5重量%程度にまでゲル化等が起こらないような材料を選択する必要がある。
接着層は基材の染料層塗工側の全面にベタ塗工してもよく、基材と染料層の間のみにパターン加工してもよく、形成される接着層の乾燥時の塗工量は、0.01〜3.0g/mが好ましい。
(染料層)
本発明の熱転写シートは、基材上の接着層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。
染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印画濃度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
染料層のバインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点から、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフェノキシ樹脂等が特に好ましい。
また、本発明では上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
染料層は、上記染料、バインダーと、その他必要に応じて従来公知の各種添加剤を加えてもよい。その添加剤として、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子、無機微粒子、シリコーンオイル、リン酸エステルなどが挙げられる。このような染料層は、通常、適当な溶剤中に上記染料、バインダーと、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材の上に塗布、乾燥させて形成することができる。この塗布方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。このように形成された染料層の乾燥時の塗工量は0.2〜6.0g/m、好ましくは0.2〜3.0g/mである。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印画しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設けたものであってもよい。上記の対熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、基材シートの上に、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の乾燥時の塗工量は、0.1g/m〜3.0g/mが好ましい。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
基材して、厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ダイヤホイルK203E)の易接着処理面に、下記組成の接着層組成液Aをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.2g/mになるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、下記組成の染料層組成液(i)をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.8g/mになるように塗布、乾燥して染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製する。尚、上記基材の他方の面に、予め下記組成の耐熱滑性層組成液aをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/mになるように塗布、乾燥して、耐熱滑性層を形成しておいた。
<接着層組成液A>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP(株)製) 5部
ポリウレタン樹脂(サンプレンIB−114B、三洋化成(株)製) 0.5部
イソシアネート(タケネートA−14、三井武田ケミカル(株)製) 0.15部
メチルエチルケトン 47.3部
イソプロピルアルコール 47.3部
<染料層組成液(i)>
C.I.ディスパースイエロー201 5.0部
ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 23.0部
トルエン 69.0部
<染料層組成液(ii)>
C.I.ディスパースバイオレット26 3.0部
ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 23.5部
トルエン 70.5部
<染料層組成液(iii)>
C.I.ソルベントブルー22 5.0部
ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 23.0部
トルエン 69.0部
<耐熱滑性層組成液a>
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
実施例2〜6および比較例1〜3
接着層組成液Aとして下記表1に示した成分、配合割合を使用した以外、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
評価
(転写濃度評価)
実施例及び比較例で作製した熱転写シートと受像シート(KL36−IP;キャノン(株)製)を、キャノン(株)製カードフォトプリンターCP−200を用いて印画し、マクベス濃度計RD−918(サカタインクス(株)製)にて、印画部の最高濃度(シアン)を測定した。尚、熱転写シートは純正メディアのシアンパネル部に切り貼りし、シアンのベタ(階調値255/255:濃度マックス)の印画パターンで印画した。印画は30℃50%環境下で行った。評価は、基準(接着層を挟んでいないリボン(比較例1))と最高濃度を比較して以下のようにランク付けした。
◎:濃度が110%以上
○:濃度が105%以上110%未満
(印画適性)
以下の条件にて、印画を行ない、印画適性を評価した。
転写濃度評価の際と同様の熱転写シート、受像シートを用い、熱転写シートは純正メディアのそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンパネル部に切り貼りし、ブラックのベタ(階調値255/255:濃度マックス)の印画パターンで印画し、以下の基準で評価しランク付けした。尚、40℃90%環境下に2週間保管した熱転写シート、受像シートを用い、30℃50%環境下、40℃90%環境下の2環境にて印画を行った。
(印画適性評価基準)
○:イエロー、マゼンタ、シアンパネル部に切り貼りした熱転写シートのすべてにおい
て異常転写、転写ムラ、転写抜けなどの印画不良がなかった。
△○:切り貼りした3枚の熱転写シートのうち1枚(シアンパネル部に切り貼りした熱
転写シート)において異常転写、転写ムラ、転写抜けなどの印画不良がみられた。
△:切り貼りした3枚の熱転写シートのうち2枚(マゼンタパネル部とシアンパネル部
に切り貼りした熱転写シート)において異常転写、転写ムラ、転写抜けなどの印画
不良がみられた。
×:切り貼りした3枚の熱転写シートのうちに全てにおいて異常転写、転写ムラ、転写
抜けなどの印画不良がみられた。
各評価結果を、下記の表1中に示した。
Figure 0003869834
上記の結果より、本発明の熱転写シートは、受像シートへの印画に際して、転写濃度(印画濃度)が高く、高湿環境下であっても、染料層ごと転写してしまうような異常転写や、受像シートとの融着が発生せず印画適性に優れていることがわかる。
本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの他の実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基材
2 接着層
3 染料層
4 耐熱滑性層
5 プライマー層

Claims (3)

  1. 基材の少なくとも一方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層が、ポリビニルピロリドン樹脂、および下記(A)群および下記(B)群からそれぞれ選ばれる少なくとも1つ以上を含有してなることを特徴とする熱転写シート;
    (A)群:メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1(重量比)の混合溶媒に対して溶解性があり、固形分が5%wtとなる状態にまで希釈してもゲル化の生じないポリウレタン樹脂および/またはアクリルポリオール樹脂;
    (B)群:メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=1/1(重量比)の混合溶媒に対して溶解性があり、固形分が5%wtとなる状態にまで希釈してもゲル化の生じないイソシアネート、ブロックイソシアネートおよび/またはアルミキレート剤。
  2. 接着層が、さらにポリビニルピロリドン樹脂の変性体を含有することを特徴とする、請求項1に記載する熱転写シート。
  3. 前記(A)群、(B)群からそれぞれ選ばれる1つ以上の成分が、接着層全体の固形分に対してそれぞれ1〜30重量%、1〜10重量%の割合で含有されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載する熱転写シート。

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