JP2007090780A - 熱転写記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高速印画が可能であり、かつ、高速印画時においても印画濃度に優れ、かつ、耐光性等の耐久性の高い熱転写印画物を得ることができる熱転写記録材料を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基材シートと、上記基材シート上に形成され、バインダー樹脂および熱移行性染料を含む染料層とを有する熱転写シート、および、基材と、上記基材上に形成され、アセタール系樹脂を含む受容層とを有する熱転写受像シートから構成される熱転写記録材料であって、上記染料層に含有されるバインダー樹脂がセルロース系樹脂を含むことを特徴とする熱転写記録材料を提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は熱転写シートおよび熱転写受像シートから構成される熱転写記録材料に関するものであり、より詳しくは高速印画時においても印画濃度に優れ、かつ、耐光性等の耐久性の高い熱転写印画物を得ることができる熱転写記録材料に関するものである。
従来、簡易的に高精細な画像を形成できる方法として熱転写方法が広く知られている。この熱転写方法としては種々の方法のものが公知であるが、そのなかでも昇華性染料を記録材とし、これを紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、紙やプラスチックフィルム等の表面に染料受容層を設けた熱転写受像シートに上記昇華性染料を先着することにより各種のフルカラー画像を形成する昇華転写方法がより高精細な画像を形成できる方法として知られている。この昇華転写方法は昇華性染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節することができ、原稿のフルカラー画像が表現できるという利点を有している。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能であるという利点を有している。このような利点から、昇華転写方法は、現在、デジタルカメラ用写真プリンター等に広く用いられるに至っている。
しかしながら、近年、熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むにしたがって、従来の熱転写記録材料では十分な印字濃度が得られないという問題が生じてきた。このような問題に対し、例えば、熱転写シートの染料層における染料/樹脂(Dye/Binder)の比率を大きくすることにより改善する方法も提案されている。しかしながら、このような方法では巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層等へ再転移し(キックバック)、この汚染された層を受像シートへ熱転写すると指定された色と異なる色相になったり、いわゆる地汚れが生じたりするという弊害が生じるという欠点がある。また、画像形成時の熱転写の際、高エネルギーをかけることにより印画温度を上げる方法も提案されているが、このような方法では印画時に熱転写シートの染料層と熱転写受像シートの受容層とが融着してしまい、いわゆる異常転写が起こるという問題がある。さらには上記異常転写を防止するため、受容層に多量の離型剤を添加すると、印字感度が低下し印字濃度が下がってくるという問題もある。
したがって、高速印画に対応できる熱転写記録材料を得るには、熱転写記録材料を構成する材料を見直すことが必須となっている。
この点、特許文献1には、アラルキル基あるいはアリール基含有ビニル基を有するポリビニルアセタール系樹脂を、熱転写受像シートの受容層の主成分とすることにより、印字における高濃度の記録ができ、耐光性、定着性など保存安定性が良好な記録物が得られる旨が開示されている。また、特許文献2には、活性水素を有する樹脂、シリコーン樹脂、イソシアネート基と反応する官能基を有する変性シリコーンオイル、及び、多官能イソシアネート化合物を含有する組成物を熱硬化させた受像層を有する熱転写受像シートが記載され、その活性水素を有する樹脂としてポリビニルアセタール系樹脂が用いられ、高濃度の記録ができ、染料層と受像層の融着が起こらない旨が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載された材料は従来の材料に比べれば高速印画が可能になるものの、熱転写プリンターにおける印字速度の高速化が著しく進行する現在においては、未だ十分な高速印画性を備えることができていないという問題がある。
特開平03−162989号公報 特開平03−227690号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、高速印画が可能であり、かつ、高速印画時においても印画濃度に優れ、かつ、耐光性等の耐久性の高い熱転写印画物を得ることができる熱転写記録材料を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は基材シートと、上記基材シート上に形成され、バインダー樹脂および熱移行性染料を含む染料層とを有する熱転写シート、および、基材と、上記基材上に形成され、アセタール系樹脂を含む受容層とを有する熱転写受像シートから構成される熱転写記録材料であって、上記染料層に含有されるバインダー樹脂がセルロース系樹脂を含むことを特徴とする熱転写記録材料を提供する。
本発明によれば、受容層にアセタール系樹脂が含まれる熱転写受像シートに対して、染料層のバインダー樹脂としてセルロース系樹脂が含まれる熱転写シートを組合わせて熱転写記録材料を構成することにより、高速印画時においても印画濃度に優れ、かつ、耐光性の高い熱転写印画物を形成することができる熱転写記録材料を得ることができる。
本発明においては、上記アセタール系樹脂が、下記式で表される化合物であることが好ましい。上記アセタール系樹脂として上記式で表される化合物を用いることにより、本発明の熱転写記録材料を用いてより印画濃度の高い熱転写印画物を得ることが可能になるからである。
Figure 2007090780
上記式中Rは、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基、あるいはアリール基含有ビニル基を表し、l、m、nは各構造単位のmol%を表し、50<l<85、10<m<50、0<n<30の範囲である。
本発明においては、上記セルロース系樹脂が、セルロースに低級脂肪酸がエステル結合したセルロースエステルであることが好ましい。上記セルロース系樹脂が、セルロースに低級脂肪酸がエステル結合したセルロースエステルであることにより、本発明の熱転写記録材料を用いてより印画濃度の高い熱転写印画物を得ることができるからである。
また、本発明においては、上記セルロース系樹脂および上記アセタール系樹脂の数平均分子量がいずれも30000以上であることが好ましい。上記セルロース系樹脂および上記アセタール系樹脂の数平均分子量がいずれも30000以上であることにより、高速印画条件においても熱転写受像シートの受容層と、熱転写シートの染料層とが融着することを防止できるからである。
また、本発明においては、上記受容層に離型剤が含まれることが好ましい。さらに本発明においては上記染料層に離型剤が含まれることが好ましい。これにより、高速印画条件においても熱転写受像シートの受容層と、熱転写シートの染料層とが融着することをさらに防止できるからである。
本発明の熱転写記録材料は、高速印画が可能であり、かつ、高速印画時においても印画濃度に優れ、かつ、耐光性等の耐久性の高い熱転写印画物を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の熱転写記録材料について詳細に説明する。
本発明の熱転写記録材料は、基材シートと、上記基材シート上に形成され、バインダー樹脂および熱移行性染料を含む染料層とを有する熱転写シート、および、基材と、上記基材上に形成され、アセタール系樹脂を含む受容層とを有する熱転写受像シートから構成されるものであって、上記染料層に含有されるバインダー樹脂がセルロース系樹脂を含むことを特徴とするものである。
次に、本発明の熱転写記録材料について図を参照しながら説明する。図1は本発明の熱転写記録材料の一例を示す概略図である。図1に例示するように本発明の熱転写記録材料1は、熱転写受像シート10と熱転写シート20とが一組となって構成されるものである。本発明の熱転写記録材料1において、上記熱転写受像シート10は、基材11と、上記基材11上に形成され、アセタール系樹脂を含む受容層12とからなるものであり、上記熱転写シート20は、基材シート21と、上記基材シート21上に形成され、バインダー樹脂と熱移行性染料と含む染料層22とからなるものである。本発明の熱転写記録材料は、上記染料層に含有されるバインダー樹脂がセルロース系樹脂を含むことにより高速印画が可能であり、かつ、印画濃度に優れ、耐久性の高い熱転写印画物を得ることができるものである。
図2は、本発明の熱転写記録材料の他の例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明の熱転写記録材料2は、基材11上に受容層12が形成され、かつ、上記基材の、上記受容層12が形成された面とは反対面に、裏面層13が形成された構成を有する熱転写受像シート10’および、基材シート21上に染料層22が形成され、かつ、上記基材シート21の、上記染料層22が形成された面とは反対面に耐熱滑性層23が形成された構成を有する熱転写シート20’から構成されるものであっても良い。
本発明によれば、受容層にアセタール系樹脂が含まれる熱転写受像シートに対して、染料層のバインダー樹脂としてセルロース系樹脂が含まれる熱転写シートを組合わせて熱転写記録材料を構成することにより、高速印画時においても印画濃度に優れ、かつ、耐光性の高い熱転写印画物を形成することができる熱転写記録材料を得ることができる。
本発明において上記染料層に含まれるバインダー樹脂として、セルロース系樹脂を用いることにより上記のような効果を奏するのは、つぎのような理由によると考えられる。すなわち、熱転写記録材料を用いて高速印画条件で熱転写印画物を形成するためには、短時間で熱転写シートの染料層から熱転写受像シートの受容層へ熱移行性染料を転写することが必要であるが、これを実現する最も直接的な方法は印画時に上記熱移行性染料を上記受容層へ移行させるために、サーマルヘッドに高エネルギーをかけ、印画時の温度を上げる方法がある。
しかしながら、印画時の温度を上げると、熱転写シートの染料層や、熱転写受像シートの受容層の粘弾性が低下し、両者が融着してしまうという問題がある。上記染料層および上記受容層の粘弾性は、これらの層を構成する樹脂材料の貯蔵弾性率に依存するものであるが、本発明において用いるセルロース系樹脂は、従来用いられてきた樹脂材料に比べて貯蔵弾性率が高く、また、貯蔵弾性率が比較的高い温度まで安定的に高い値を示すことができる。
したがって、本発明において上記染料層に含まれるバインダー樹脂としてセルロース系樹脂を用いることにより、高速印画時においても上記受容層と上記染料層とが融着することなく、熱転写印画物を形成することができると考えられる。また、セルロース系樹脂とアセタール系樹脂との相溶性が低いことも、上記受容層と上記染料層との融着防止に寄与していると考えられる。
本発明の熱転写記録材料は、熱転写シートと、熱転写受像シートとが一組となって構成されるものである。以下、本発明の熱転写記録材料を構成する熱転写シートと、熱転写受像シートについて詳細に説明する。
1.熱転写シート
まず、本発明の熱転写記録材料を構成する熱転写シートについて説明する。本発明に用いられる熱転写シートは、基材シートと、上記基材シート上に形成された染料層とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有するものである。
(1)染料層
まず、本発明に用いられる熱転写シートを構成する染料層について説明する。本発明における染料層は、バインダー樹脂と、熱移行性染料とを含むものであり、上記バインダー樹脂としてセルロース系樹脂を含むことを特徴とするものである。また、本発明における染料層には、必要に応じて他の化合物が含まれるものである。
i.バインダー樹脂
上記染料層に含まれるバインダー樹脂について説明する。本発明は上記バインダー樹脂にセルロース系樹脂が含まれることにより高速印画時においても印画濃度に優れ、耐久性の高い熱転写印画物を得ることができるものである。
本発明に用いられるセルロース系樹脂としては、所望の貯蔵弾性率を有するものであり、本発明の熱転写記録材料を用いて熱転写印画物を形成する際の印画温度等に応じて、上記染料層が後述する熱転写受像シートの受容層と融着することを防止できる樹脂であれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明に用いられるセルロース系樹脂は、温度100℃における貯蔵弾性率が、10×10Pa以上であることが好ましく、なかでも温度120℃における貯蔵弾性率が、10×10Pa以上であることが好ましく、特に温度150℃における貯蔵弾性率が、10×10Pa以上であることが好ましい。ここで、本発明における上記貯蔵弾性率は、例えば、動的粘弾性測定装置(DMA)により測定することができる。
本発明に用いられるセルロース系樹脂の分子量としては、上記範囲の貯蔵弾性率を示すことができる範囲内であれば特に限定されない。また、本発明においては分子量の異なるセルロース系樹脂を混合して用いても良い。なかでも本発明に用いられるセルロース系樹脂は、数平均分子量が30000以上であることが好ましく、なかでも30000〜150000の範囲内であることが好ましく、特に30000〜90000の範囲内であることが好ましい。上記セルロース系樹脂の数平均分子量が上記範囲よりも小さいと、後述する熱転写受像シートの受容層を構成するアセタール系樹脂の種類によっては、印画時に上記染料層と後述する受容層とが融着する可能性があるからである。また、数平均分子量が上記範囲よりも大きいと、基材シート上に染料層を形成する際に、平面性に優れた染料層を形成することが困難となったり、または、溶媒に対する溶解性が悪くなる場合があるからである。ここで、本発明における上記セルロース系樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した値を用いるものとする。
本発明に用いられるセルロース系樹脂の種類は、上記貯蔵弾性率を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、セルロースが有する水酸基に任意の官能基を結合させたものが用いられる。
上記官能基を結合させるセルロースとしては、パルプを原料とするものであって良く、または、リンターを原料とするものであっても良く、さらには、パルプを原料とするものと、リンターを原料とするものを混合して用いても良い。なかでも本発明においてはリンターを原料とするセルロースを用いることが好ましい。リンターを原料とするセルロースを用いた方が比較的高分子量のセルロース系樹脂を得ることができるからである。
上記セルロースに結合させる官能基としては、染料層に求める諸物性に応じて任意に決定すれば良い。また、本発明においては必要に応じて、結合した官能基が異なる2種類以上のセルロース系樹脂を混合して用いても良い。なかでも、本発明においては上記官能基として、有機酸がエステル結合したセルロースエステルを用いることが好ましい。
上記セルロースエステルとしては、上記染料層の所望の物性を付与できるものであれば特に限定されないが、なかでも炭素数が1〜6の低級脂肪酸がエステル結合した低級脂肪酸セルロースエステルを用いることが好ましい。炭素数が上記範囲よりも少ないとトルエンやメチルエチルケトン(MEK)などの染料をよく溶解する溶媒に対する溶解性が劣り、塗工適性に優れない場合があるからである。また、炭素数が上記範囲よりも多いと、水への溶解性が悪くなるため、セルロースをエステル化する工程が困難となり、また、粘度が大きく低下するため、塗工適性を向上させるために樹脂と染料の濃度を増加させる必要があり、溶解性の優れない染料の使用が困難となる場合があるからである。
上記低級脂肪酸セルロースエステルとしては、例えば、酢酸がエステル結合したセルロースアセテート、プロピオン酸がエステル結合したセルロースプロピオネート、または、酪酸がエステル結合したセルロースブチレートを例示することができる。本発明においてはセルロースに2種類以上の低級脂肪酸が結合した低級脂肪酸セルロースエステルを用いても良い。
上記低級脂肪酸セルロースエステルとして、本発明に好ましく用いられるものとしては、セルロースに酢酸以外の低級脂肪酸のみが結合した低級脂肪酸セルロースエステルや、セルロースに酢酸と、酢酸以外の他の低級脂肪酸とが結合した低級脂肪酸セルロースエステルを挙げることができる。より具体的には、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等を挙げることができる。また、本発明においてはこれらの低級脂肪酸セルロースエステルを2種類以上混合して用いても良い。
本発明においては低級脂肪酸セルロースエステルのなかでもセルロースブチレートまたはセルロースアセテートブチレートを用いることが好ましい。このような低級脂肪酸セルロースエステルを用いることにより、本発明の熱転写記録材料を用いて印画濃度に優れた熱転写印画物を形成することが可能になるからである。
また、上記セルロースアセテートブチレートおよび上記セルロースブチレートとしては、エステル置換度が0.5〜1.0の範囲内であることが好ましく、なかでも0.6〜0.95の範囲内であることが好ましく、特に0.7〜0.95の範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、上記セルロース系樹脂と他の熱可塑性樹脂とを混合したものを用いても良い。本発明に用いられる上記他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアクリルエステル・ポリスチレン・ポリスチレンアクリル等のビニル系樹脂、飽和・不飽和各種ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂・メラミン樹脂・ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂、等を挙げることができる。
また、本発明においては上記他の熱可塑性樹脂として1種類のみを用いても良く、また、2種類以上を混合して用いても良い。
上記バインダー樹脂として、上記セルロース系樹脂と上記他の熱可塑性樹脂とを混合したものを用いる場合、上記他の熱可塑性樹脂の含有量は、上記セルロース系樹脂100重量部に対して100重量部以下であることが好ましく、なかでも50重量部以下であることが好ましく、特に20重量部以下であることが好ましい。
ii.熱移行性染料
上記染料層に含まれる熱移行性染料について説明する。本発明に用いられる熱移行性染料としては、所望の温度範囲の熱により溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であれば特に限定されるものではなく、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料を用いることができる。
本発明に用いられる熱移行性染料の具体例としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
iii.他の化合物
本発明に用いられる熱転写シートの染料層には必要に応じて、上記バインダー樹脂および上記熱移行性染料以外の他の化合物が含まれていても良い。本発明に用いられる他の化合物としては、離型剤を挙げることができる。本発明においては熱転写シートの染料層に離型剤が含まれることにより、本発明の熱転写記録材料を用いて熱転写印画物を形成する際に、上記染料層と、後述する熱転写受像シートの受容層とが融着すること防止できるため、上記他の化合物として離型剤を用いることが好ましい。
上記離型剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。上記シリコーン系界面活性剤とは、疎水性部分がシリコーン樹脂からなり、これの末端及び/又は側鎖に親水性基が導入された化合物である。シリコーン樹脂には、その代表としてポリ(ジメチル)シロキサンが挙げられ、メチルフェニルジメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・ポリメチルフェニルシロキサンコポリマー、ポリメチルシロキサン、テトラメチルポリメチルシロキサン、ポリメチルシロキサン・ポリジメチルシロキサンコポリマーなど、側鎖のメチル基の一部或いは、全てがフェニル基や水素原子等に置換されたものなどが挙げられる。また、このシリコーン樹脂に導入される親水性基としてはポリエーテル基、ポリグリセリン基、ピロリドン基、ベタイン基、硫酸塩基、水酸基、カルボキシル基、リン酸塩基、4級アンモニウム塩基等を挙げることができる。
これらのシリコーン樹脂に導入される親水性基は、適宜組合せて使用することができる。また、界面活性剤の構造に関しても、上記のシリコーン樹脂の末端及び/又は側鎖に親水性基を単に導入するだけでなく、親水性基を導入したポリマーと導入しないポリマーをランダム共重合、ブロック共重合するなどしてコポリマー化する等してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂としてポリジメチルシロキサンを、親水性基として、ポリエーテル基、ポリグリセリン基、又はピロリドン基を導入したシリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
上記離型剤以外に、本発明における染料層に含むことができる他の化合物としては、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子や無機微粒子等を挙げることができる。
(2)基材シート
次に、本発明に用いられる熱転写シートを構成する基材シートについて説明する。本発明における基材シートは、上記染料層を支持する機能を備えるものである。
本発明に用いられる基材シートとしては、本発明の熱転写記録材料を用いて熱転写印画物を形成する際の印画条件等に応じて所望の耐熱性を有するものであれば特に限定されるものではない。本発明に用いられる基材シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等のプラスチックフィルムを挙げることができる。
本発明に用いられる基材シートの厚みは、基材シートを構成する材料等に応じて所望の強度を備えることができる範囲内であれば特に限定されないが、通常、0.5μm〜50μmの範囲内が好ましく、特に1μm〜10μmの範囲内が好ましい。
また、本発明に用いられる基材シートは、染料層を形成する面に接着処理が施されたものであっても良い。このような接着処理が施されることによって、例えば、上記基材シートとしてプラスチックフィルムを用いる場合においても、染料層との密着性を向上することができる。
上記接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上を併用することもできる。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。
(3)熱転写シート
本発明に用いられる熱転写シートには、上記染料層および基材シート以外に必要に応じて他の構成を有していても良い。このような他の構成としては、例えば、上記染料層と上記基材シートとの間に形成され、染料層と基材シートとを接着する機能を有する易接着層、および、基材シートの上記染料層が形成された面とは反対の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止する機能を有する耐熱滑性層を挙げることができる。
上記易接着層を構成する材料としては、上記染料層と上記基材シートとを所望の強度で接着できるものであれば特に限定されない。このような材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
上記耐熱滑性層としては、通常、樹脂材料に滑り性付与剤が添加された材料から構成されるものが用いられる。上記樹脂材料としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
また、上記滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体を挙げることができる。
また、本発明においては、上記耐熱滑性層として、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加したものを用いても良い。
本発明に用いられる熱転写シートは、上記基材シート上に、上記染料層が形成されたものであるが、上記染料層の態様としては、上記基材シート上に1色の単一層で構成されても良く、あるいは、色相の異なる染料を含む複数の染料層を同一基材シートの同一面に面順次に繰り返し形成されていても良い。
(4)熱転写シートの製造方法
次に、本発明に用いられる熱転写シートの製造方法について説明する。本発明に用いられる熱転写シートは、例えば、適当な溶剤中に上記バインダー樹脂、熱移行性染料、および、必要に応じて他の化合物を溶解または分散させて染料層形成用塗工液を調製し、その後、この染料層形成用塗工液を基材シート上に塗布、乾燥させて、基材シート上に染料層を形成することにより製造することができる。上記染料層形成用塗工液を基材シート上に塗布する塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。このようにして形成された染料層は、乾燥時の塗工量が0.2〜6.0g/mの範囲内が好ましく、特に0.3〜2.0g/mの範囲内が好ましい。
本発明に用いられる熱転写シートとして上記耐熱滑性層を有する熱転写シートを用いる場合、上記耐熱滑性層の形成方法としては、上記基材シート上に、上記樹脂材料、滑り性付与剤、さらに充填剤を、適当な溶剤により溶解又は分散させて、耐熱滑性層形成用塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、固形分で、0.1g/m〜3.0g/mが好ましい。
2.熱転写受像シート
次に、本発明に用いられる熱転写受像シートについて説明する。本発明に用いられる熱転写受像シートは、基材と、上記基材上に形成され、アセタール系樹脂を含む受容層とを有するものであり、また、必要に応じて他の構成を有するものである。
(1)受容層
まず、本発明に用いられる熱転写受像シートを構成する受容層について説明する。本発明における受容層は、アセタール系樹脂を含むものである。
i.アセタール系樹脂
本発明に用いられる上記アセタール樹脂について説明する。上記アセタール系樹脂としては、本発明の熱転写記録材料を用いて熱転写印画物を形成する際に、上記熱転写受像シートの受容層が、上述した熱転写シートの染料層と融着することを防止できるものであれば特に限定されない。本発明に用いられるアセタール系樹脂としては、通常、ポリビニルアルコールをアルデヒド化合物によりアセタール化することにより得られるアセタール系樹脂が用いられる。
上記アセタール化に用いるアルデヒド化合物としては、所望のアセタール基を有するアセタール樹脂を得ることができるものを任意に選択して用いることができる。本発明に用いられる上記アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、o−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、3−フェニルクロロピオンアルデヒド等を挙げることができる。
ポリビニルアルコールを上記アルデヒド化合物によりアセタール化してアセタール系樹脂を得る場合、通常、部分的にアセチル基や水酸基が不可逆的に残存するため、完全にアセタール化することは困難であるが、得られるアセタール系樹脂のアセタール化度は、アセタール部分のmol%が樹脂全体に対して50%以上であることが好ましい。上記アセタール化度が上記範囲よりも低いと、例えば、ポリビニルアセトアセタール樹脂の場合トルエン、メチルエチルケトンなど染料をよく溶解する溶媒に対する溶解性が劣り、加工適性(塗工適性)に優れない場合があるからである。
本発明においては、下記式で表されるアセタール系樹脂が好適に用いられる。
Figure 2007090780
上記式中、l、m、nは各構造単位のmol%を表し、50<l<85、10<m<50、0<n<30の範囲である。
また、上記式中Rは、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基、あるいはアリール基含有ビニル基を表すものである。
上記Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基、ベンジル基、および、ナフトール基等を挙げることができる。なかでも本発明においては上記Rとして、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、および、ベンジル基を用いることが好ましい。
本発明に用いられるアセタール系樹脂の数平均分子量は、本発明の熱転写記録材料を用いて熱転写印画物を形成する際に、上述した熱転写シートの染料層と、上記受容層とが融着しない範囲内であれば得に限定されるものではない。なかでも本発明に用いるアセタール系樹脂の数平均分子量は、30000以上であることが好ましく、特に30000〜150000の範囲内であることが好ましい。
アセタール系樹脂の数平均分子量が上記範囲よりも高いと、アセタール系樹脂を溶剤に溶解した際に溶液の粘度が高くなってしまい、例えば、平面性に優れた受容層を形成することが困難になる場合があるからである。また、数平均分子量が上記範囲よりも小さいと、上記染料層と、上記受容層とが熱融着(印画時、離型性が悪化)する可能性があるからである。
ここで、本発明における上記アセタール系樹脂の重合度は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を用いるものとする。
本発明に用いられるアセタール系樹脂は1種類のみでも良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。本発明において上記アセタール系樹脂を2種類以上混合して用いる態様としては、例えば、粘度調整、印刷適性の改善などを目的として、数平均分子量の異なるポリビニルアルコールを使用し、アセタール化反応を別々に行って得た樹脂を混合して用いる態様や、異なる数平均分子量のポリビニルアルコールを混合したものについてアセタール化反応を行ったものを用いる態様を例示することができる。
本発明に用いられるアセタール系樹脂は、他の樹脂と混合して用いても良い。このような他の樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー,ポリ酢酸ビニル,エチレン酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体,ポリアクリルエステル,ポリスチレン,ポリスチレンアクリルなどのビニル系樹脂、ポリビニルホルマール,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセタールなどのアセタール系樹脂、飽和,不飽和の各種ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を追加して用いることも可能である。
本発明においてアセタール系樹脂を上記他の樹脂と混合して用いる場合、上記他の樹脂の混合量としては、アセタール系樹脂100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましく、なかでも50重量部以下であることが好ましく、特に1重量部〜25重量部の範囲内であることが好ましい。アセタール系樹脂は、特に染料層に含有されるセルロース系樹脂との離型性に優れるため、上記他の樹脂の混合量が100重量部以上であると、染料層と受容層とが熱融着する可能性があるからである。
ii.他の化合物
上記受容層には、上記アセタール系樹脂以外に他の化合物が含まれていても良い。上記受容層に用いられる他の化合物としては、例えば、離型剤を挙げることができる。上記受容層に離型剤が含まれていることにより、熱転写時に、上記染料層との融着若しくは印画感度の低下等を防ぐことができるため、本発明においては上記他の化合物として離型剤を用いることが好ましい。
上記離型剤としては、従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等が、何れも使用可能である。特に好ましい離型剤は変性シリコーンであり、具体的には、
1)変性シリコーンオイル側鎖型、
2)変性シリコーンオイル両末端型、
3)変性シリコーンオイル片末端型、
4)変性シリコーンオイル側鎖両末端型、
5)シリコーングラフトアクリル樹脂、及び
6)メチルフェニルシリコーンオイル等が挙げられる。
上記変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。上記反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等を挙げることができる。
上記非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等を挙げることができる。
上記シリコーンオイルの中でも、被膜形成成分と反応性である基を有する種類の反応性シリコーンオイルは、アセタール系樹脂中残基の水酸基と反応して結合してもよく、適宜硬化剤、触媒などを添加して使用することも可能である。
本発明においては上記離型剤として1種類のみを用いても良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。
また、上記離型剤の添加量は、受容層に含まれる樹脂成分100重量部に対し、0.5〜30重量部の範囲内が好ましい。離型剤の添加量が上記範囲より多いと印画感度の低下が生じる場合があるからである。また、添加量が上記範囲よりも少ないと熱転写シートの染料層と、上記受容層とが熱融着してしまう可能性があるからである。
本発明における受容層には、離型剤以外にも上記他の化合物として、硬化剤や触媒を用いることができる。また、受容層の白色度を向上させ転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を用いることもできる。さらには、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等も用いることができる。
(2)基材
次に、本発明に用いられる熱転写受像シートを構成する基材について説明する。本発明における基材は、上記受容層を支持する機能を有するものである。
本発明に用いられる基材を構成する材料としては、画像形成時に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するものであれば特に限定されない。このような材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の樹脂材料からなるプラスチックフィルムまたはシートを用いることができる。
また、本発明に用いられる基材としては、上記のプラスチックフィルムまたはシート、および上記樹脂材料に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色フィルム、あるいは基材内部にミクロボイドを有するシート、他にコンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を用いることができる。
本発明に用いられる基材の構成としては、単一の層からなる構成であってもよく、または、複数の層が積層された構成を有していても良い。複数の層が積層された構成としては、例えば、セルロース繊維紙と合成紙とが積層された構成や、セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとが積層された構成を例示することができる。
本発明に用いられる基材は、少なくとも片方の表面に接着処理が施されたものであっても良い。このような接着処理としては、上記「1.熱転写シート」の項に記載したものと同様であるためここでの説明は省略する。
本発明に用いられる基材の厚みは、基材を構成する材料に応じて、所望の自己支持性が得られる範囲内であれば特に限定されないが、通常、3μm〜300μmの範囲内が好ましく、特に100μm〜250μmの範囲内が好ましい。
(3)熱転写受像シート
本発明に用いられる熱転写受像シートは、上記受容層および上記基材以外に他の構成を有していても良い。このような他の構成としては。例えば、基材の受容層を設けた面と反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上やカール防止などを目的として形成される裏面層や、上記受容層と上記基材との間に所定の機能を付与すること目的として形成される中間層を例示することができる。
上記裏面層を構成する材料としては、裏面層に所望の機能を付与できる材料であれば特に限定されるものではないが、通常、樹脂材料にフィラーが添加された材料が用いられる。
裏面層を構成する上記樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等を挙げることができる。また、このような樹脂材料をイソシアネート化合物等の硬化剤により硬化したものも使用することができる。
また、裏面層に含まれる上記フィラーとしては、例えば、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等の有機系フィラー、アミノ酸系粉体や、二酸化珪素や金属酸化物などの無機フィラーを挙げることができる。
上記中間層としては、例えば、帯電防止層、クッション層、白色顔料および蛍光増白剤を添加した中間層や易接着層等を挙げることができる。
また、本発明においては上記裏面層に替えて、帯電防止層、筆記層等を形成してもよい。
(4)熱転写受像シートの製造方法
次に、本発明に用いられる熱転写受像シートの製造方法について説明する。本発明に用いられる熱転写受像シートを製造する方法としては、上述した構成を有する熱転写受像シートを製造できる方法であれば特に限定されないが、通常、上記バインダー樹脂、上記離型剤、および、必要に応じて添加剤等を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で、十分に混練して受容層形成用塗工液を調整した後、これを、上記基材の上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布・乾燥して受容層を形成することにより製造する方法が用いられる。受容層形成用塗工液の塗工量は、乾燥時で0.5g/m〜4.0g/mであることが好ましい。塗工量が上記範囲よりも少ないと、染料の定着においてムラが生じ、染料受容性が低下する場合があるからである。また、塗工量が上記範囲よりも多いと、生産性等が低下する可能性があるからである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明する。
なお、以下、「部」又は「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。また、分子量はGPC(HLC−8020;東ソー株式会社製 展開溶媒;THF 流量;1.0mL/分 カラム;G2000HXL+G3000HXL+G5000HXL)によるものであり、特に断りのない限り数平均分子量である。
下記組成の受容層接着用塗工液を作製した。
(受容層接着用塗工液組成)
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90 ISP Ltd.製) 5部
水/イソプロピルアルコール(質量比1/1) 95部
下記組成の受容層形成用塗工液を作製した。
(受容層形成用塗工液A組成)
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(エスレックBX−1(数平均分子量107000)、積水化学(株)製)
ポリアクリル変性シリコーン(FS−730、日本油脂(株)製) 0.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.5部
(受容層形成用塗工液B組成)
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(エスレックBM−1(数平均分子量42000)、積水化学(株)製)
ポリアクリル変性シリコーン(FS−730、日本油脂(株)製) 0.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.5部
(受容層形成用塗工液C組成)
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(エスレックBL−1(数平均分子量20000)、積水化学(株)製)
ポリアクリル変性シリコーン(FS−730、日本油脂(株)製) 0.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.5部
(受容層形成用塗工液D組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(1000GK、電気化学工業(株)製) 18部
OH変性シリコーン(X−22−1821B、信越化学工業(株)製) 0.2部
エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)0.2部
イソシアネート(タケネートA−14、三井武田ケミカル(株)製) 0.1部
スズ系触媒(STANN BL、三共有機合成(株)製) 0.02部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 81.48部
(受容層形成用塗工液E組成)
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績(株)製) 18部
OH変性シリコーン(X−22−1821B、信越化学工業(株)製) 0.2部
ポリエーテル変性シリコーン(FZ−2101、日本ユニカ(株)製) 0.2部
イソシアネート(タケネートA−14、三井武田ケミカル(株)製) 0.1部
スズ系触媒(STANN BL、三共有機合成(株)製) 0.02部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 81.48部
(受容層形成用塗工液F組成)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−88、三菱レイヨン(株)製) 10部
ポリアクリル変性シリコーン(FS−730、日本油脂(株)製) 0.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.5部
下記組成の染料層用塗工液を作製した。
<染料層形成用塗工液A>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテートブチレート樹脂
(CAB381−20 イーストマンケミカル社製 分子量63000)1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液B>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテートブチレート樹脂
(CAB500−5 イーストマンケミカル社製 分子量64000) 1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液C>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテートブチレート樹脂
(CAB381−0.5 イーストマンケミカル社製 分子量36000)1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液D>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテートプロピオネート樹脂
(CAP482−20 イーストマンケミカル社製 分子量74000) 1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液E>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテートブチレート樹脂
(CAB171−15 イーストマンケミカル社製 分子量66000) 1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液F>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテートブチレート樹脂
(CAB553−0.4 イーストマンケミカル社製 分子量19000)1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液G>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
セルロースアセテート樹脂(L−20 ダイセル化学工業(株)社製) 1.4部
メチルエチルケトン 96.6部
<染料層形成用塗工液H>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
ポリビニルアセタール樹脂(KS−5 積水化学工業(株)社製) 1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液I>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
ポリエステル樹脂(バイロン200 東洋紡績(株)社製) 1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
<染料層形成用塗工液J>
C.I.Disperse Yellow 201 2.0部
アクリル樹脂(BR−88 三菱レイヨン(株)社製) 1.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 96.6部
下記組成の耐熱滑性層形成用塗工液を作製した。
<耐熱滑性層形成用塗工液>
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 85部
(熱転写受像シートの作製)
基材シートとして、合成紙(ユポFPG−150、厚さ150μm、王子油化(株)製)を用い、この一方の面に上記組成の<受容層接着用塗工液組成>及び<受容層形成用塗工液A>を各々ワイヤーバーにより、乾燥時0.5g/m(接着層)、2.5g/m(受容層)となるように塗布及び乾燥させて、熱転写受像シート1を得た。
染料受容層形成用塗工液Aを染料受容層形成用塗工液Bに変更した以外は、熱転写受像シート1と同様にして、熱転写受像シート2を得た。
染料受容層形成用塗工液Aを染料受容層形成用塗工液Cに変更した以外は、熱転写受像シート1と同様にして、熱転写受像シート3を得た。
染料受容層形成用塗工液Aを染料受容層形成用塗工液Dに変更した以外は、熱転写受像シート1と同様にして、熱転写受像シート4を得た。
染料受容層形成用塗工液Aを染料受容層形成用塗工液Eに変更した以外は、熱転写受像シート1と同様にして、熱転写受像シート5を得た。
染料受容層形成用塗工液Aを染料受容層形成用塗工液Fに変更した以外は、熱転写受像シート1と同様にして、熱転写受像シート6を得た。
(熱転写シートの作製)
熱転写受像シート1〜3に対して、異常転写性、印画濃度特性を調べる際に使用する熱転写シート1は、以下の条件にて作製した。基材として、厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の易接着処理面に、<染料層形成用塗工液A>をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.5g/mになるように塗布、乾燥して染料層を形成し、熱転写シート1を作製する。尚、上記基材の他方の面に、予め<耐熱滑性層塗工液>をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/mになるように塗布、乾燥して、耐熱滑性層を形成しておいた。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Bに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Cに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート3を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Dに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート4を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Eに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート5を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Fに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート6を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Gに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート7を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Hに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート8を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Iに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート9を得た。
染料層形成用塗工液Aを染料層形成用塗工液Jに変更した以外は、熱転写シート1と同様にして、熱転写シート10を得た。
(実施例1)
熱転写受像シート1と熱転写シート1を組合せ、以下の印画条件の下で評価した。
<製品外観>
熱転写シート1を室内放置の条件のものと、温度40℃、湿度90%RHの環境下に96時間保存したものの2種類を用意し、それぞれの熱転写シートの染料層の状態を肉眼で観察して、評価した。つまり、熱転写シートの高温保存前と保存後の製品外観を調べた。評価の判断基準は以下の通りである。
○:染料の析出がなく、問題なし。
△:一部に染料の析出が見られる。
×:染料の析出が全体に見られる。
<耐ブロッキング性>
上記熱転写シートの転写面と背面とを重ね合わせ、50℃、湿度80%RHの環境下で、20kg/cmの荷重をかけ、96時間保存した後に、背面側に染料層が密着することによる染料層の取られが発生するか否かを下記の評価基準で目視にて判断した。
○:染料層の取られが発生しない。
△:染料層の取られが発生する。
<印画条件>
発熱体平均抵抗値;5179(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電圧;32(V)
1ライン周期;1(msec./line)
印字開始温度;27(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を90%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を0から255個を18ステップに分割した。これにより、18段階に異なるエネルギーを与えることができる。
<離型性>
印画した時の熱転写受像シート1と熱転写シートの間で熱融着がないか、手ではがす際に問題がないかを下記の評価基準で調べた。
○:引き剥す際に、ほとんど抵抗を感じず、また、熱転写受像シートと熱転写シートの熱融着に起因する問題もない。
△:引き剥す際に、抵抗が感じられる。
×:熱融着のため、引き剥すことができない(異常転写)。
<印画濃度>
画像形成して、光学濃度計(グレタグマクベス社製 spectrolino)による光学反射濃度が最大となる値を測定した。
<耐光性>
上記の印画条件で得られた印画物について、下記条件のキセノンフェードメーターにより耐光性の評価を行った。
(耐光性評価の条件)
・照射試験器:アトラス社製Ci35
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=IRフィルター
外側=ソーダライムガラス
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m2)―420(nm)での測定値
・照射エネルギー:400(kJ/m2)−420(nm)での積算値
次に、上記の耐光性条件の照射前後の光学反射濃度の変化を光学濃度計(グレタグマクベス社製 spectrolino)により測定し、照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、下記式により残存率を算出し、この残存率を基に下記評価基準で耐光性を評価した。
残存率(%)=(照射後の光学反射濃度/照射前の光学反射濃度)×100
(評価基準)
○:残存率が80%以上で耐光性が良好である。
△:残存率が60%〜70%であり、耐光性がやや劣る。
<耐熱性>
上記の印画条件で得られた印画物について、60℃の環境下に1週間放置後、印画物の状態を観察した。その評価の判断基準は以下の通りである。
○:印画部に滲み等の不良が見当たらなく、良好である。
△:印画部に滲みが少し見られ、耐熱性がやや劣る。
<耐湿性>
上記の印画条件で得られた印画物について、50℃、80%RHの環境下に100時間放置後、印画物の状態を観察した。その評価の判断基準は以下の通りである。
○:印画部に滲み等の不良が見当たらなく、良好である。
△:印画部に滲みが見られ、耐湿性が劣る。
(実施例2)
熱転写シート1を熱転写シート2に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(実施例3)
熱転写シート1を熱転写シート3に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(実施例4)
熱転写シート1を熱転写シート4に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(実施例5)
熱転写シート1を熱転写シート5に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(実施例6)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート2に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(実施例7)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート2に変更した以外は、実施例2と同様にして、評価を行った。
(実施例8)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート2に変更した以外は、実施例3と同様にして、評価を行った。
(実施例9)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート2に変更した以外は、実施例4と同様にして、評価を行った。
(実施例10)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート2に変更した以外は、実施例5と同様にして、評価を行った。
(比較例1)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート3に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(比較例2)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート3に変更した以外は、実施例2と同様にして、評価を行った。
(比較例3)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート3に変更した以外は、実施例3と同様にして、評価を行った。
(比較例4)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート3に変更した以外は、実施例4と同様にして、評価を行った。
(比較例5)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート3に変更した以外は、実施例5と同様にして、評価を行った。
(比較例6)
熱転写シート1を熱転写シート6に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(比較例7)
熱転写シート1を熱転写シート7に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(比較例8)
熱転写シート1を熱転写シート8に、熱転写受像シート1を熱転写受像シート4に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(比較例9)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート5に変更した以外は、比較例8と同様にして、評価を行った。
(比較例10)
熱転写受像シート1を熱転写受像シート6に変更した以外は、比較例8と同様にして、評価を行った。
(比較例11)
熱転写シート1を熱転写シート9に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
(比較例12)
熱転写シート1を熱転写シート10に変更した以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
上記の実施例1〜10および比較例1〜12における評価結果は下記の表1の通りである。
Figure 2007090780
上記に示した表1において、比較例1〜5においては、受容層の条件において、アセタール系樹脂を含有しているが、アセタール系樹脂の数平均分子量が、30000未満であり、熱転写時の染料層との離型性が悪く、熱融着する。また、その印画物の耐光性、耐熱性、耐湿性の評価が不良となっている。
上記に示した表1において、比較例6においては、染料層の条件において、含有するセルロースエステル系樹脂の数平均分子量が19000であり、数平均分子量が30000以上ではないため、熱転写時の受容層との離型性が悪く、熱融着する。
上記に示した表1において、比較例7においては、染料層の条件において、アセチル基以外のエステル基を有するセルロースエステル系樹脂を含有していないため、印画濃度が低下している。
また、セルロース系樹脂および比較例中のポリエステル系樹脂の粘弾性の測定を行った。粘弾性の測定は、DMA(RDA−II Rheometric Scientific社製)により行った。
測定した結果を、横軸に温度(℃)、縦軸に貯蔵弾性率をとって、グラフにしたものが図3である。このように、セルロース系樹脂(CAB381−0.5)はポリエステル系樹脂(バイロン200)と比較して、高温での粘弾性の低下が小さく、高エネルギーをかけた場合での熱融着の起こりにくさの点で有利である。
以上のように、基材シート上に染料層を設けた熱転写シートと、基材上に受容層を設けた熱転写受像シートの組み合わせである熱転写記録材料に関し、熱転写受像シートの受容層がアセタール系樹脂を含有し、かつ熱転写シートの染料層にセルロース系樹脂を含有することにより、高速印画での離型性が良好で、十分な印字濃度が得られ、印画物の耐光性等の耐久性が良好である熱転写記録材料が得られる。
本発明の熱転写記録材料の一例を示す概略図である。 本発明の熱転写記録材料の他の例を示す概略図である。 セルロース樹脂と、ポリエステル樹脂の粘弾性を比較するグラフである。
符号の説明
1、2 … 熱転写記録材料
10、10’ … 熱転写受像シート
11 … 基材
12 … 受容層
13 … 裏面層
20、20’ … 熱転写シート
21 … 基材シート
22 … 染料層
23 … 耐熱滑性層

Claims (6)

  1. 基材シートと、前記基材シート上に形成され、バインダー樹脂および熱移行性染料を含む染料層とを有する熱転写シート、および、基材と、前記基材上に形成され、アセタール系樹脂を含む受容層とを有する熱転写受像シートから構成される熱転写記録材料であって、
    前記染料層に含有されるバインダー樹脂がセルロース系樹脂を含むことを特徴とする、熱転写記録材料。
  2. 前記アセタール系樹脂が、下記式で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写記録材料。
    Figure 2007090780
    上記式中Rは、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基、あるいはアリール基含有ビニル基を表し、l、m、nは各構造単位のmol%を表し、50<l<85、10<m<50、0<n<30の範囲である。
  3. 前記セルロース系樹脂が、セルロースに低級脂肪酸がエステル結合したセルロースエステルであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の熱転写記録材料。
  4. 前記セルロース系樹脂および前記アセタール系樹脂の数平均分子量がいずれも30000以上であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の熱転写記録材料。
  5. 前記受容層に離型剤が含まれることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の熱転写記録材料。
  6. 前記染料層に離型剤が含まれることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の熱転写記録材料。
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