JP3868973B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートに関し、さらに詳しくは印画における転写感度が高く、被転写体への印画の際に染料層ごと転写してしまうような異常転写を防止できる熱転写シートに関するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この場合には、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドによる加熱によって、3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
このような昇華転写による熱転写記録方式で、熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに従って、今までの熱転写シートでは十分な印字濃度が得られないという問題が生じてきた。また、熱転写による画像の印画物に対し、より高濃度で鮮明なものが要求されてきて、熱転写シート及びその熱転写シートから転写される昇華染料を受容して画像の形成される熱転写受像シートを改良する試みが多くなされている。例えば、熱転写シートの薄膜化により印画における転写感度の向上を試みることが行なわれているが、熱転写シートの製造時や、熱転写記録の際に、熱や圧力等により、シワが生じたり、場合によっては切断するという問題が生じる。
また、熱転写シートの染料層における染料/樹脂(Dye/Binder)の比率を大きくして、印画濃度や印画における転写感度の向上を試みることを行なったが、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層等へ再転移し(キックバック)、この汚染された層を受像シートへ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったり、いわゆる地汚れが生じたりする。熱転写シート側ではなく、熱転写プリンターにおいて、画像形成時の熱転写の際、高エネルギーをかけることを行なったが、染料層と受容層とが融着し、いわゆる異常転写が生じやすくなる。その異常転写を防止するため、受容層に多量の離型剤を添加すると、画像のにじみ・地汚れ等が生じる。
また、先行技術として、特許文献1にポリビニルピロリドンを主成分とし、染料転写効率を高める成分として、ポリビニルアルコールを混合使用した親水性バリヤー/下塗り層を染料層と支持体との間に設けた熱転写シートが開示されている。このポリビニルピロリドンは異常転写を防止し、印画時の粘着を防止するためのものであり、ポリビニルアルコールは転写感度を向上させる機能をもったものであり、ポリビニルピロリドンが転写感度を向上させることについて、記載がない。
また、本出願人は特許文献2において、ポリビニルピロリドンを含有する染料層プライマー層を用いることで、熱転写における高感度化、異常転写に効果を有することを記載しているが、ポリビニルピロリドンの有する吸湿性により、特に高温高湿下で、プライマー層の接着性が低下し、熱転写時に染料層が受像シートの受容層に層ごと取られてしまったり、あるいはプライマー層と染料層との混ざり合いからと考えられる染料層側に受容層が層ごと取られてしまうような問題が生じてしまう。
上記のように、熱転写の印字速度の高速化に対応し、また熱転写画像の高濃度、高品質の要求に対応して、熱転写プリンター側の調節や使用する熱転写シート及び熱転写受像シートの熱転写記録材料の調節を行なったが、十分な印字濃度が得られなかったり、熱転写の際に異常転写が生じたり、その他問題が生じたり、十分に満足できる品質の印画物が得られない状況である。
特公平7−102746号公報 特願平14−181812号公報
したがって、上記のような課題を解決するために、本発明は、熱転写の印字速度の高速化や、熱転写画像の高濃度、高品質の要求に対応し、印画における転写感度が向上し、高温高湿下におけるような環境下でも異常転写やシワ等の発生を防止した熱転写シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層はポリビニルピロリドン樹脂及び、糖又は糖アルコールを含有し、かつ糖又は糖アルコールが接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有していることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の接着層は、乾燥時の塗工量が0.05〜0.3g/m2であることを特徴とする。
本発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層はポリビニルピロリドン樹脂及び、糖又は糖アルコールを含有し、かつ糖又は糖アルコールが接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有しているために、ポリビニルピロリドン樹脂が吸湿して、基材との接着性が低下することがないように、糖又は糖アルコールは高い吸水性を有しているので、糖又は糖アルコールの方が吸湿して、ポリビニルピロリドン樹脂が吸湿しにくいようにすることができた。したがって、高温高湿下におけるような環境下でも染料層と基材との接着性を高めることができ、異常転写等を防止できた。また、熱転写の際に、転写感度が大幅に向上し、高エネルギーを印加しなくても、高濃度の熱転写画像が得られる。
図1に本発明の熱転写シートである一つの実施の最良の形態を示し、基材1の一方の面にサーマルヘッドの滑り性を良くし、かつスティッキングを防止する耐熱滑性層4を設け、基材1の他方の面に直鎖状重合体のポリビニルピロリドン樹脂と、糖又は糖アルコールを混合して含有する接着層2、染料層3を順次形成した構成である。但し、接着層に含有する糖又は糖アルコールは接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有している。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
上記基材において、接着層、染料層を形成する面に、接着処理を施すことがよく行なわれている。上記基材のプラスチックフィルムはその上に接着層を塗布して形成する場合、塗布液の濡れ性、接着性等が不足しやすいので、接着処理を施すものである。その接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上を併用することもできる。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。
さらに、上記の基材の接着処理として、基材と接着層との間にプライマー層を塗工して形成することも可能である。そのプライマー層は、以下に示すような樹脂から形成することができる。ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。但し、本発明の基材上に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、接着層の基材への接着性が充分に高いものであり、上記プライマー層を設けずに、基材上に直接、接着層を設けることが可能である。
(接着層)
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設ける接着層2は、ポリビニルピロリドン樹脂及び、糖又は糖アルコールを含有するものである。そのポリビニルピロリドン樹脂としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドン等のビニルピロリドンの単独重合体(ホモポリマー)またはこれらの共重合体が挙げられる。特に直鎖状重合体のポリビニルピロリドン樹脂が印画における転写感度の向上に効果が高く、かつ染料層と基材との接着性があり、好ましく用いられる。ポリビニルピロリドン樹脂は、フィッケンチャーの公式におけるK値で、60以上のものを使用することが好ましく、特にK−60〜K−120のグレードが使用でき、数平均分子量では、30,000〜280,000程度のものである。上記K値が60未満のポリビニルピロリドン樹脂を用いると、印画における転写感度の向上の効果が薄くなる。
また、ポリビニルピロリドン樹脂として、上記のN−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドンのモノマーだけではなく、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチルピロリドン、N−ビニル−3−ベンジルピロリドン等のピロリドン環に置換基を有するような誘導体を含むポリマーであってもよい。また、接着層のバインダー樹脂として、上記のポリビニルピロリドン樹脂の他に、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体等を混合して使用することも可能である。
接着層に含有する糖又は糖アルコールについて、以下に説明する。その糖としては、しょ糖、乳糖、果糖、麦芽糖、イソマルトース、マルトース、マルトオリゴ糖、マルトデキストリン、フラクトオリゴ糖、異性化糖、カップリングシュガー、ガラクトオリゴ糖、ポリデキストロース等の糖類が挙げられる。また、糖アルコールとしては、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、イソマルチトール、水素化グルコースシロップ、キシロオリゴ糖アルコール、ポリデキストロース還元物等が挙げられる。本発明では、上記の糖又は糖アルコールの中でも、特にキシリトールが好ましく用いられ、基材と染料層との接着性において、常温及び高湿下の両方で良好な接着性が得られる。
本発明では、接着層の中で、ポリビニルピロリドン樹脂が吸湿して、基材との接着性が低下してしまうことを防止するために、糖又は糖アルコールの高い吸水性を利用して、熱転写シートの高湿度下において、糖又は糖アルコールの方が吸湿して、ポリビニルピロリドン樹脂が吸湿しにくいようにすることができる。上記の糖又は糖アルコールは、2種以上を組み合わせて使用してもかまわない。
糖又は糖アルコールは、接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有しているものであり、これにより、ポリビニルピロリドン樹脂単独の場合よりも、特に高温高湿下での染料層と基材との接着性が向上する。糖又は糖アルコールの含有割合が上記範囲よりも少ないと、高温高湿下での染料層と基材との接着性が低下し、異常転写等が生じやすい。また、一方で、糖又は糖アルコールの含有割合が上記範囲よりも多いと、常温下などにおける染料層と基材との接着性が低下してくる。
接着層は、上記に挙げた糖又は糖アルコールと、ポリビニルピロリドン樹脂を混合し、必要に応じて添加剤を加えたものを、水、アルコール類の水系溶媒や有機溶剤に溶解または分散させた塗工液を調整し、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて形成することができる。このように形成される接着層は、乾燥時の塗工量が0.05〜0.3g/m2の範囲が好ましい。その塗工量が少ないと、基材の凹凸を埋めきれず、未塗布部分が生じて、この部分がきっかけとなって、熱転写時に染料層が受像シートの受容層側に取られる異常転写が生じやすい。また、接着層の塗工量が上記範囲よりも多いと、染料層塗工時に接着層と染料層とが混ざり合いやすくなり、熱転写時に受容層が染料層側に取られやすくなる。
(染料層)
本発明の熱転写シートは、一方の面に耐熱滑性層を設けた基材の他方の面に接着層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
染料層のバインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点から、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフェノキシ樹脂等が特に好ましい。
また、本発明では上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
染料層は、上記染料、バインダーと、その他必要に応じて従来公知と同様な各種の添加剤を加えてもよい。その添加剤として、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子や無機微粒子が挙げられる。このような染料層は、通常、適当な溶剤中に上記染料、バインダーと、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材の上に塗布、乾燥させて形成することができる。この塗布方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。このように形成された染料層は、0.2〜6.0g/m2、好ましくは0.3〜3.0g/m2程度の乾燥時の塗工量である。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設ける。上記の対熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、基材シートの上に、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、固形分で、0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。基材して、厚さ4.5μmの未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ダイヤホイルK880)上に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布し、110℃で1分間乾燥して接着層を形成した。
さらに、その接着層の上に、下記組成の染料層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.8g/m2になるように塗布、乾燥して染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製する。尚、上記基材の他方の面に、予め下記組成の耐熱滑性層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して、耐熱滑性層を形成しておいた。
<接着層組成液A>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.5部
Dマンニトール(マリンクリスタル、東和化成工業(株)製) 0.5部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
<染料層組成液1>
C.I.ソルベントブルー22 5.5部
ポリビニルアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 22.5部
トルエン 68.2部
<耐熱滑性層組成液>
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例2の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液B>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.0部
Dマンニトール(マリンクリスタル、東和化成工業(株)製) 1.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例3の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液C>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.5部
還元麦芽糖水飴(Amalty MR50、東和化成工業(株)製) 0.5部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例4の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液D>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.0部
還元麦芽糖水飴(Amalty MR50、東和化成工業(株)製) 1.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例5の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液E>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.5部
Dソルビトール(LTS−P50M、東和化成工業(株)製) 0.5部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例6の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液F>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.0部
Dソルビトール(LTS−P50M、東和化成工業(株)製) 1.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.05g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例7の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液G>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.5部
キシリトール(キシリットXC、東和化成工業(株)製) 0.5部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例7で使用した接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.03g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例8の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例7で使用した接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例9の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例7で使用した接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例10の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例7で使用した接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.25g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例11の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、実施例7で使用した接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.35g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例12の熱転写シートを作製する。
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、実施例13の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液H>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.0部
キシリトール(キシリットXC、東和化成工業(株)製) 1.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例1)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例1の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液I>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 10部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例2)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例2の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液J>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.9部
Dマンニトール(マリンクリスタル、東和化成工業(株)製) 0.1部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例3)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例3の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液K>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 8.0部
Dマンニトール(マリンクリスタル、東和化成工業(株)製) 2.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例4)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例4の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液L>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.9部
還元麦芽糖水飴(Amalty MR50、東和化成工業(株)製) 0.1部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例5)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例5の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液M>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 8.0部
還元麦芽糖水飴(Amalty MR50、東和化成工業(株)製) 2.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例6)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例6の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液N>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.9部
Dソルビトール(LTS−P50M、東和化成工業(株)製) 0.1部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例7)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例7の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液O>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 8.0部
Dソルビトール(LTS−P50M、東和化成工業(株)製) 2.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例8)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例8の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液P>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 9.9部
キシリトール(キシリットXC、東和化成工業(株)製) 0.1部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例9)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、下記組成の接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して接着層を形成した。さらに、その接着層の上に、実施例1と同様に染料層を形成し、比較例9の熱転写シートを作製する。
<接着層組成液Q>
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製) 8.0部
キシリトール(キシリットXC、東和化成工業(株)製) 2.0部
水 83部
イソプロピルアルコール 83部
(比較例10)
実施例1と同条件のPETフィルムの基材を用い、かつその基材の他方の面に、実施例1と同様の耐熱滑性層を予め形成しておいた。その基材の耐熱滑性層の設けられている面と反対面に、接着層を設けずに、直接に実施例1と同様に染料層を形成し、比較例10の熱転写シートを作製する。
上記に作製した各実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、常温及び高温高湿下における耐熱接着性、受像シートとの接着性の各評価を以下に示す方法で行なった。
(耐熱接着性1)
実施例及び比較例の試料となる熱転写シートを、染料層面を上にして、台紙の上に貼り付ける(台紙と耐熱滑性層とが接する形態である。)。そして、その試料と対応する基準リボン1(染料層の条件が同一で、基材は三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ダイヤホイルK230Eの易接着処理PETフィルムに直接、染料層を設けたもの)を染料層面を上にして、同一台紙の異なる位置に貼り付け、試料と基準リボンの染料層面同士が重ねて接するように、台紙毎、折り返して、温度100〜130℃、圧力34.3×104Pa、加圧時間2secでヒートシールを行ない、両者を剥離して、試料と基準リボン1の各染料層の残存状態(取られた状態)を目視にて調べ、以下の基準にて、評価した。但し、実施例及び比較例の試料となる熱転写シートと基準リボン1の双方を、常温下放置した状態で上記ヒートシールを行う場合と、試料となる熱転写シートと基準リボン1の双方を、40℃90%RHの環境下に16時間放置後、上記のヒートシールを行う場合の2通りで調べた。
○:試料側に残った染料層の面積が基準リボン側に残った面積よりも大きい。
△:試料側に残った染料層の面積と、基準リボン側に残った面積が同等である。
×:試料側に残った染料層の面積が基準リボン側に残った面積よりも小さい。
(耐熱接着性2)
実施例及び比較例の試料となる熱転写シートを、染料層面を上にして、台紙の上に貼り付ける(台紙と耐熱滑性層とが接する形態である。)。そして、その試料と対応する基準リボン2(染料層の条件が同一で、基材は三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ダイヤホイルK880のPETフィルムの表面に、ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製)から成る接着層(比較例1の接着層の条件と同等)を乾燥時0.06g/m2になるように設けたもの)を染料層面を上にして、同一台紙の異なる位置に貼り付け、試料と基準リボンの染料層面同士が重ねて接するように、台紙毎、折り返して、温度100〜130℃、圧力34.3×104Pa、加圧時間2secでヒートシールを行ない、両者を剥離して、試料と基準リボン2の各染料層の残存状態(取られた状態)を目視にて調べ、上記の耐熱接着性1と同じ基準にて、評価した。但し、実施例及び比較例の試料となる熱転写シートと基準リボン2の双方を、常温下放置した状態で上記ヒートシールを行う場合と、試料となる熱転写シートと基準リボン2の双方を、40℃90%RHの環境下に16時間放置後、上記のヒートシールを行う場合の2通りで調べた。
(受像シートとの接着性)
上記の得られた実施例及び比較例の各熱転写シートの染料層面と、オリンパス(株)製、デジタルカラープリンタ P−200専用スタンダードセットの受像シートの受像面とが接するように重ね合わせ、温度100〜130℃、圧力34.3×104Pa、加圧時間2secでヒートシールを行ない、両者を剥離して、試料の染料層と受像シートの受像層の剥離状態を目視にて調べ、以下の基準にて、評価した。この場合は熱転写シートと受像シートは常温下放置した状態で、上記ヒートシールを行った。
○:染料層側に受像層が剥ぎ取られることなく、異常なし。
×:染料層側に受像層が剥ぎ取られている。
上記の実施例及び比較例の各評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 0003868973
*1;糖又は糖アルコール添加量は、ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP Ltd.製)と合わせた全体に対する添加量の割合である。但し、固形分基準での割合である。
上記の結果より、接着層に糖アルコールであるキシリトールが、接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有し、接着層の塗工量が乾燥状態で0.05〜0.3g/m2である実施例7、9、10、11、13は、上記の耐熱接着性1、2及び受像シートとの接着性の全てについて、良好な結果となった。実施例1〜6は接着層に糖である麦芽糖、糖アルコールであるマンニトール、ソルビトールが、それぞれ接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有し、接着層の塗工量が乾燥状態で0.06g/m2であるが、耐熱接着性2の常温下で基準リボンと同等の接着性であるが、高温高湿下では基準リボンよりも基材と染料層との接着性は高かった。実施例8は、接着層の塗工量が乾燥状態で0.03g/m2であり、その塗工量が少なすぎ、高温高湿下での染料層と基材との接着性が低下している。また、実施例12は、接着層の塗工量が乾燥状態で0.35g/m2であり、その塗工量が多すぎ、染料層塗工時に接着層と染料層とが混ざり合いやすくなったためと思われる熱転写時に受容層が染料層側に取られやすくなったことを示している。
比較例1は、接着層に糖又は糖アルコールを全く含まないもので、耐熱接着性1において、高温高湿下での染料層と基材との接着性が低下していることが判明した。比較例2、4、6、8は、接着層に糖又は糖アルコールが接着層全固形分に対して1%の割合で含有しているが、高温高湿下での染料層と基材との接着性が低下していることが判明した。さらに、比較例3、5、7、9は、接着層に糖又は糖アルコールが接着層全固形分に対して20%の割合で含有し、糖又は糖アルコールの含有割合が多すぎ、直鎖状重合体のポリビニルピロリドン樹脂の割合が少ないため、耐熱接着性2の常温下で基準リボンよりも接着性が低下している。また、比較例10は、基材上に、接着層を設けずに、直接に染料層を設けたもので、耐熱接着性において、常温下及び高温高湿下での染料層と基材との接着性が低下している。
本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基材
2 接着層
3 染料層
4 耐熱滑性層

Claims (2)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に接着層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該接着層はポリビニルピロリドン樹脂及び、糖又は糖アルコールを含有し、かつ糖又は糖アルコールが接着層全固形分に対して5%〜10%の割合で含有していることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記の接着層は、乾燥時の塗工量が0.05〜0.3g/m2であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
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