JP2006256187A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材1の一方の面に耐熱滑性層4を設け、該基材1の他方の面に下引き層2、染料層3を順次形成した熱転写シートにおいて、該染料層3がイエロー染料層31、マゼンタ染料層32、シアン染料層33の3種類を有し、それらの染料層から熱転写受像シートに、ブラックの熱転写画像を形成した時に、ブラックの熱転写画像中のイエロー成分の印画濃度が、イエロー染料層から熱転写受像シートに転写して得られるイエロー単色の印画濃度に対して、90%以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該染料層がイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の3種類を有し、それらの染料層から熱転写受像シートに、ブラックの熱転写画像を形成した時に、ブラックの熱転写画像中のイエロー成分の印画濃度が、イエロー染料層から熱転写受像シートに転写して得られるイエロー単色の印画濃度に対して、90%以上であることを特徴とする。請求項2の発明は、請求項1に記載の下引き層が、コロイド状無機顔料超微粒子からなることを特徴とする。請求項3の発明は、請求項2に記載のコロイド状無機顔料超微粒子が、コロイダルシリカ、アルミナゾルであることを特徴とする。
(基材)
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
本発明の熱転写シートにおける基材と染料層との間に設ける下引き層2としては、以下に挙げるような樹脂から構成することができ、基材と染料層との密着性を向上させ、熱転写受像シートと組み合わせて、熱転写する際に、受像シートへの染料層の異常転写を防止する。ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写シートは、一方の面に耐熱滑性層を設けた基材の他方の面に、上記の下引き層を介して、染料層3を設けたものである。該染料層は1色の単一層で構成したり、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
コロイダルシリカ(スノーテック OXS、粒子径4〜6nm、日産化学工業(株)製) 50部
水 25部
イソプロピルアルコール 25部
Disperse Yellow 201 3.0部
ポリビニルブチラール樹脂 3.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 47.0部
トルエン 47.0部
Disperse Red 167 3.0部
ポリビニルブチラール樹脂 3.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 47.0部
トルエン 47.0部
Solvent Blue 63 6.0部
ポリビニルブチラール樹脂 3.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 45.5部
トルエン 45.5部
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
<下引き層塗工液2>
アルミナゾル(アルミナゾル200、羽毛状形態、日産化学工業(株)製) 50部
水 25部
イソプロピルアルコール 25部
<下引き層塗工液3>
アルミナゾル(アルミナゾル520、ベーマイト板状結晶形態、日産化学工業(株)製) 25部
水 37.5部
イソプロピルアルコール 37.5部
基材として、厚さ4.5μmの易接着処理済みのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、下引き層を設けずに、直接に、実施例1で使用したイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の各塗工液をグラビアコーティングにより、図1に示す配置で、塗り分けて、乾燥塗布量が3種全て、0.7g/m2になるように塗布、乾燥して染料層を形成し、比較例1の熱転写シートを作製する。尚、上記基材の他方の面に、実施例1で使用した耐熱滑性層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して、耐熱滑性層を形成しておいた。
基材としては、厚さ6μmのコロナ照射処理済みのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、その基材のコロナ照射処理面に、下記組成の下引き層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.06g/m2になるように塗布、乾燥して、下引き層を形成した。その下引き層の上に、実施例1で使用したイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の各塗工液をグラビアコーティングにより、図1に示す配置で、塗り分けて、乾燥塗布量が3種全て、0.7g/m2になるように塗布、乾燥して染料層を形成し、比較例2の熱転写シートを作製する。
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP(株)社製) 5部
MEK 47.5部
イソプロピルアルコール 47.5部
基材シートとして、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラーT−60、厚さ125μm)の上に、下記組成の受容層塗工液1を、乾燥時2.5g/m2になる割合でミヤバーにて塗布し、乾燥させ、受容層を形成して、熱転写受像シート1を作製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(日信化学工業(株)、ソルバインC)
エポキシ変性シリコーン 2部
(信越化学工業(株)、X−22−3000T)
メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比) 83部
ポリエステル樹脂 15部
(東洋紡績(株)、バイロン200)
エポキシ変性シリコーン 2部
(信越化学工業(株)、X−22−3000T)
メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比) 83部
サーマルヘッド;F3598(東芝ホクト電子(株)製)
発熱体平均抵抗値;5212(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加エネルギー;25mJ/mm2
1ライン周期;2(msec.)
印字開始温度;28(℃)
2 下引き層
3 染料層
4 耐熱滑性層
31 イエロー染料層
32 マゼンタ染料層
33 シアン染料層
Claims (3)
- 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成した熱転写シートにおいて、該染料層がイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の3種類を有し、それらの染料層から熱転写受像シートに、ブラックの熱転写画像を形成した時に、ブラックの熱転写画像中のイエロー成分の印画濃度が、イエロー染料層から熱転写受像シートに転写して得られるイエロー単色の印画濃度に対して、90%以上であることを特徴とする熱転写シート。
- 前記の下引き層が、コロイド状無機顔料超微粒子からなることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記のコロイド状無機顔料超微粒子が、コロイダルシリカ、アルミナゾルであることを特徴とする請求項2に記載する熱転写シート。
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