JP2015123720A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 高濃度の印画が可能であり、地汚れ等の保存安定性の低下を抑制でき、印画物のグレーバランスを良好にできる熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材の一方の面に染料層が設けられ、前記基材の他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シートで、前記染料層は、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を前記基材上に面順次に連続して設けられ、前記イエロー染料層は、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂のいずれかを含有し、前記ニトロセルロース樹脂を含有する場合は、少なくともビスピラゾロンメチン骨格を有する染料を含有し、かつ前記ビスピラゾロンメチン骨格を有する染料は、前記イエロー染料層の全固形分に対し10質量%以上35質量%以下の割合で含有され、前記マゼンタ染料層は、ニトロセルロース樹脂を含有し、前記シアン染料層は、ポリビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする熱転写シートの構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写シートに関わるものである。
従来、昇華性染料を適当なバインダーで担持した色材層である染料層をポリエステルフィルム等の基材の一方の面に設けた熱転写シートと、被転写体である熱転写受像シートとを重ね合わせ、基材の他方面側と、サーマルヘッドとを接触させながらサーマルヘッドによる加熱処理を行うことで、昇華染料を被転写体に転写する昇華転写方式が知られている。この、昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単位で昇華性染料の移行量を制御出来るため、濃度階調が可能であり、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
上記の昇華転写方式の熱転写シートの染料層には、熱転写シートの保存時に、染料層に含有される昇華性染料がバインダー樹脂に良好に保持され、かつ熱転写時に、昇華性染料がバインダー樹脂から良好に放出されること、すなわち高い保存安定性と染料転写効率が求められている。
保存安定性の高いバインダー樹脂としては、ブチラール系や、アセタール系の樹脂が知られている(特許文献1参照)。上記のブチラール系や、アセタール系の樹脂をバインダー樹脂として含有する染料層は、保存安定性に優れる一方で、染料転写効率が低く印画濃度が低いといった問題がある。したがって、これらのバインダー樹脂を用いる場合には、(1)染料層の塗工量を多くして染料層中に含まれる昇華性染料の絶対量を多くするか、あるいは(2)熱転写シートの染料層における昇華性染料/バインダー樹脂の質量比率(D/B比)を大きくする等の方法によって、印画濃度を向上させる必要がある。
しかしながら、上記の(1)染料層の塗工量を多くした場合には、染料層中に熱転写受像シート側に移行しない昇華性染料が多く残存することとなり、つまりムダな昇華性染料が多くなり、コスト面的には好ましいとはいえない。また、十分な印画濃度となるまで(2)D/B比を大きくした場合には、ブチラール系やアセタール系のバインダー樹脂では、昇華性染料を保持することができず、保存安定性が著しく低下する。保存安定性が低下した場合には、熱転写シート製造時に巻き取り状態で保管した際、染料層と基材の反対側面に設けられた背面層とが接することにより、染料層から背面層へ昇華性染料が移行(キック)し、シートの搬送性の低下や、背面層の機能低下を引き起こす。さらに製品とするためボビン等に巻き返した時に、この背面層に移行した染料が、その染料を含んだ染料層ではない他の色相の染料層に再転写(バック)し、得られた画像が汚染された状態になる。また、高温高湿環境下で保存を行ったときに、染料が染料層の表面に析出し、印画時にこの析出した染料が未印画部と接触して未印画部を汚染する地汚れが発生する等の種々の問題がある。
染料転写効率の向上を主な目的するバインダー樹脂としては、セルロース系樹脂、例えば、セルロースアセテートプロピオネートやエチルセルロース等が知られている。しかしながら、染料転写効率の向上を主な目的とするこれらのバインダー樹脂は染料転写効率には優れるものの、保存安定性が低く、特に、染料層の塗工量を少なくした場合や、D/B比を大きくした場合には、保存安定性が低下し、上記の問題を引き起こすこととなる。
また、上記の昇華転写方式の熱転写シートでは、イエロー染料を含有するイエロー染料層、マゼンタ染料を含有するマゼンタ染料層、シアン染料を含有するシアン染料層を基材上に、面順次に設け、それらの染料層から熱転写受像シートに染料を転写する。その際、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の各々の染料の転写された印画濃度の低濃度から高濃度が確保でき、さらにイエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層の全てを重ねて得られるグレーあるいはブラックの色相で黄色、赤色、青色などが強く出ていない、すなわちグレーバランスが良好であることが求められている。
従来の熱転写シートでは、各染料層で使用するバインダー樹脂及び染料の組合せを種々検討したが、印画濃度及び保存性の機能をもたせ、さらにグレーバランスを良好にするには、未だ改善の余地がある状況である。
特開2009−286060号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、高濃度の印画が可能であり、地汚れなどの保存安定性の低下を抑制でき、印画物のグレーバランスを良好にできる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材の一方の面に染料層が設けられ、前記基材の他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シートであって、前記染料層は、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を前記基材上に面順次に連続して設けられ、前記イエロー染料層は、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂のいずれかを含有し、前記ニトロセルロース樹脂を含有する場合は、少なくともビスピラゾロンメチン骨格を有する染料を含有し、かつ前記ビスピラゾロンメチン骨格を有する染料は、前記イエロー染料層の全固形分に対し10質量%以上35質量%以下の割合で含有され、前記マゼンタ染料層は、ニトロセルロース樹脂を含有し、前記シアン染料層は、ポリビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
また、前記マゼンタ染料層に、アルキル基またはアラルキル基の少なくともいずれかを有する、変性シリコーンを含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
本発明の熱転写シートによれば、高濃度の印画が可能であり、地汚れなどの保存安定性の低下を抑制でき、印画物のグレーバランスを良好にすることができる。
本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す。図示した熱転写シート1は、基材2の一方の面に、染料プライマー層5を介して、イエロー染料層(3Y)、マゼンタ染料層(3M)、シアン染料層(3C)の3色の染料層3をこの順に面順次に繰り返し設けた構成で、その基材2の他方の面に耐熱滑性層4を有する熱転写シート1である。なお、基材表面に、以下に示す接着処理を予め施しておけば、上記染料プライマー層を省くことができる。接着処理として、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。
以下、本発明の熱転写シートの各構成について、説明する。
(基材)
本発明の熱転写シートに用いられる基材2としては、ある程度の耐熱性と強度に加え、透明性を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
(染料層)
染料層3は、イエロー染料層(3Y)、マゼンタ染料層(3M)、シアン染料層(3C)を有する。まずイエロー染料層から説明する。
イエロー染料層は、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂のいずれかを含み、前記ニトロセルロース樹脂を含有する場合は、少なくともビスピラゾロンメチン染料を含み、かつ前記ビスピラゾロンメチン染料は、前記イエロー染料層の全固形分に対し質量基準で10%以上35%以下の割合で含有するものである。
イエロー染料層におけるバインダー樹脂として、ニトロセルロース樹脂を用いることができる。ニトロセルロース樹脂は、昇華性染料の保存安定性が良好であり、熱転写シートを巻取り状態で保管した時に、染料層に含まれる昇華性染料が、耐熱滑性層へ移行するキックの発生を抑制することができる。また、ニトロセルロース樹脂は、染料転写効率が高い特徴を有することから、昇華性染料の染料転写効率も良好であり高濃度の画像を形成することができる。
このニトロセルロース樹脂は、保存性や、染料転写効率に優れる利点を有する一方で、ポリビニルブチラール樹脂や、ポリビニルアセトアセタール樹脂と比較すると、離型性が低い点がある。しかし、ニトロセルロース樹脂と、離型剤であるアルキル基またはアラルキル基の少なくともいずれかを有する、変性シリコーンを併用すれば、画像形成時における離型性を高くすることができる。
ニトロセルロース樹脂の粘度については特に限定はないが、染料層に、JIS K−6703による粘度が1/16未満のニトロセルロース樹脂を含有させた場合には、保存安定性が低下する傾向にある。一方、染料層にJIS K−6703による粘度が120を超えるニトロセルロース樹脂を含有させる場合には、染料層の形成時にインキミスト等が発生するおそれが生じうる。
この点を考慮すると、染料層は、JIS K−6703による粘度で、1/16以上120以下のニトロセルロース樹脂が含有されていることが好ましい。換言すれば、JIS K−6703による粘度(溶液濃度25%)が1.0秒〜14.9秒、JIS K−6703による粘度(溶液濃度20%)が6.0秒〜8.0秒、或いはJIS K−6703による粘度(溶液濃度12.2%)が4.0秒〜140.0秒のものが好ましい。JIS K−6703による粘度がこの範囲内のニトロセルロース樹脂を染料層に含有させることで、保存安定性を更に向上させることができるとともに、染料層の形成時にインキミスト等が発生することを防止することができる。
粘度が上記範囲内のニトロセルロース樹脂は市販品をそのまま用いることができる。粘度が上記範囲内のものとしては、例えば、太平化学製品(株)製のJIS K−6703で指定される種類及び粘度記号で、H1/16,H1/8,L1/8,H1/4,L1/4,H1/2,H1“,H5”,H20,H60,H120のものを挙げることができる。これ以外にも、稲畑産業(株)製のDHX3−5,DHX5−10,DHX8−13,DHX11−16,DHX30−50,DHX40−70,DHL25−45,DHL120−170,H20(160−210),DHM10−25,SL−1,DLX3−5,DLX5−8,DLX8−13,DLX30−50等も使用可能である。
また、ニトロセルロース樹脂は、窒素分(硝化度)が10%であることが好ましい。また、取り扱いの安全性を考慮すると窒素分は12.3%以下であることが好ましい。窒素分が10%以上のニトロセルロース樹脂を含有させることで、染料層における染料転写効率の更なる向上が見込まれる。
またイエロー染料層はバインダー樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。このポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂を、ブチルアルデヒドやアセトアルデヒドで部分アセタール化したものを意味するものである。したがって、このポリビニルアセタール樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂などが、主なものとして挙げられる。ポリビニルアセタール樹脂として、種々の分子量、種々のアセタール化度の樹脂が販売されている。分子量が大きく、Tgの高い樹脂ほど染料層の保存安定性は高くなる。ポリビニルアセタール樹脂はニトロセルロース樹脂よりも染料層の保存性が良好で基材に対する密着力も強い。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基価が9〜25質量%であるものが好ましく用いられる。それはポリビニルアセタール樹脂の水酸基価が25質量%を超えると、バインダー樹脂を溶解させる酢酸エチルやトルエン等の溶剤に、樹脂が溶解しにくくなる。一方でポリビニルアセタール樹脂の水酸基価が9質量%未満であると、耐熱性が低下しやすく好ましくない。水酸基価が9〜25質量%であるポリビニルアセタール樹脂として、具体的には、積水化学社製のエスレックKS−1、KS−10等が挙げられる。
染料層に含まれる昇華性染料は、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。
具体的には、ディスパースレッド60、ディスパースバイオレット26、Ceres Red 7B、Samaron Red F3BS等の赤色染料、ディスパースイエロー231、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等の黄色染料、ソルベントブルー63、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料等を挙げることができる。
イエロー染料層で使用する昇華性染料としては、下記一般式(1)−A、一般式(1)−Bで示されるビスピラゾロンメチン骨格を有する染料や、下記一般式(2)で示されるピラゾロンメチン骨格を有する染料、さらには下記一般式(3)で示されるジシアノスチリル骨格を有する染料等が、イエローの染料濃度を高められるため、用いられる。イエロー染料層で、バインダー樹脂としてニトロセルロース樹脂を含有する場合は、少なくともビスピラゾロンメチン染料を含有させ、かつそのビスピラゾロンメチン染料は、イエロー染料層の全固形分に対し質量基準で10%以上35%以下の割合で含有させる。これによって、イエローの染料による高濃度の印画が可能となり、さらにイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層を重ねたグリーン、オレンジなどの中間色、またグレーあるいはブラックの色における色相が良好となる。また、染料層の保存安定性が高まり、地汚れを抑制することができる。
Figure 2015123720
一般式(1)−Aで、R1およびR2はそれぞれ独立に、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換のアリール基、またはシアノ基を表し、R5は、水素原子、または置換もしくは非置換のアルキル基を表す。
一般式(1)−Aで示される染料は、一般式(1)−A中のR1およびR2がそれぞれ独立に、メチル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり、R3およびR4がそれぞれ独立に、炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、またはシアノ基であり、R5が、水素原子であることが好ましい。
Figure 2015123720
一般式(1)−Bで、R6およびR7はそれぞれ独立に、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基を表し、R8及びR9はそれぞれ独立に、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換のアリール基、またはシアノ基を表す。
一般式(1)−Bで示される染料は、一般式(1)−B中のR6およびR7がそれぞれ独立に、炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは非置換のフェニル基、または置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基であり、R8およびR9がそれぞれ独立に、炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、またはシアノ基であることが好ましい。
一般式(1)−A、(1)―Bで示される染料の具体的な例としては、以下の一般式(1−1)から(1−4)等を挙げることができる。
Figure 2015123720
Figure 2015123720
一般式(2)中、Aは、置換もしくは非置換のアリーレン基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、または置換もしくは非置換のアリール基を表し、R3は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換もしくは非置換のカルバモイル基を表し、R4は、置換もしくは非置換のアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基を表す。
一般式(2)で示される染料は、一般式(2)中のAが、アリール基であり、R1、R2それぞれ独立に、アルキル基であり、R3が、アルコキシ基であり、R4が、置換もしくは非置換のアリール基であることが好ましい。一般式(2)で示される染料の具体的な例としては、以下の一般式(2−1)等を挙げることができる。
Figure 2015123720
Figure 2015123720
一般式(3)中のR1は、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリル基、または置換もしくは非置換のアルキル基を表し、R2は、置換もしくは非置換のアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基を表し、Aは、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2O−、−CH2CH2OCH2−、または−CH2CH2OCH2CH2−を表し、R3は、置換もしくは非置換のアルキル基を表す。
一般式(3)で示される染料は、一般式(3)中のR1が、置換もしくは非置換のアルキル基であり、Aが、−CH2CH2O−であり、R2が、置換又は非置換のアリール基であることが好ましい。一般式(3)で示される染料の具体的な例としては、以下の一般式(3−1)等を挙げることができる。
Figure 2015123720
マゼンタ染料層は、バインダー樹脂としてニトロセルロース樹脂を含有し、マゼンタ染料を含有する。そのマゼンタ染料は、特に限定した構造のものを使用することはなく、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく用いられる。また、マゼンタ染料層では、バインダー樹脂にニトロセルロース樹脂を使用するので、熱転写シートの保存性や、染料転写効率に優れる利点を有する一方で、ポリビニルブチラール樹脂や、ポリビニルアセトアセタール樹脂と比較すると、離型性が低い点がある。しかし、ニトロセルロース樹脂と、離型剤であるアルキル基またはアラルキル基の少なくともいずれかを有する、変性シリコーンを併用すれば、画像形成時における離型性を高くすることができる。
染料層に含有する変性シリコーンとして、アルキル基を有する変性シリコーンは、言い換えれば、アルキル変性シリコーンオイルであり、下記化学式4、化学式5に示すように、繰り返し単位として〔OSi(CH3)(R1)〕及び/又は〔OSi(R1)(R2)〕を含有する構造を有するものである。ここで、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数が1以上のアルキル基から選ばれる。アルキル基は、直鎖状であっても側鎖状であってもよい。R1及びR2の例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロへキシル基等が挙げられる。
Figure 2015123720
m及びnは、正の整数である。
Figure 2015123720
m及びnは、正の整数である。
また、アルキル変性シリコーンは市販品として入手することもでき、具体例としては、商品名「KF412」(信越化学工業株式会社製)、商品名「KF413」(信越化学工業株式会社製)、商品名「KF414」(信越化学工業株式会社製)、商品名「SF8416」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等が挙げられる。
染料層に含有する変性シリコーンとして、アラルキル基を有する変性シリコーンは、言い換えれば、アラルキル変性シリコーンであり、上記化学式4、化学式5に示すように、繰り返し単位として〔OSi(CH3)(R1)〕及び/又は〔OSi(R1)(R2)〕を含有する構造で、R1またはR2は、それぞれ独立して、アルキルフェニル基、ジアルキルフェニル基、アルキルナフチル基、ジアルキルナフチル基等から選ばれる。また、R1またはR2が上記アラルキル基を有するもので、そのアラルキル基を有するRnと対向する基は、上記に記載したアルキル基を有するものが好ましい。
アラルキル変性シリコーンは市販品として入手することもでき、具体例としては、商品名「KF410」(信越化学工業株式会社製)、商品名「SH203」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、商品名「SH230」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等が挙げられる。
上記のアルキル基またはアラルキル基の少なくともいずれかを有する、変性シリコーンは、染料層の全質量に対し、0.5質量%以上10質量%以下の範囲で含有することが好ましい。より好ましくは、2質量%以上5質量%以下であることが望ましい。その変性シリコーンの含有量が少なすぎると、上記の離型性及び泡発生防止性の各機能が十分に発揮できなくなる、また一方で、上記変性シリコーンの含有量が多すぎると、基材と染料層との密着性が低下する傾向にある。
シアン染料層は、バインダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含有し、シアン染料を含有する。そのシアン染料は、特に限定した構造のものを使用することはなく、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく用いられる。シアン染料として、例えばインドアニリン染料を使用することが、高濃度の印画が可能となり、好ましい。
上記のとおり、イエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層の使用するバインダー樹脂を規定したものである。マゼンタ染料層に、ニトロセルロース樹脂を用いることで、昇華性染料/バインダー樹脂の質量比率(D/B比)を高くでき、またマゼンタ染料層の低塗工量化が可能になり、染料の熱転写受像シートへの転写効率を上げることができた。しかし、マゼンタ染料層以外のイエロー染料層、シアン染料層についても、転写効率を上げようとすると、熱転写シートの保存時に、耐熱滑性層に転移した染料が染料層に再転写(バック)し、印画物に地汚れが生じやすい。それに対し、本発明ではイエロー染料層及びシアン染料層で使用するバインダー樹脂を規定することにより、上記課題を解決することができた。
上記のイエロー染料層、マゼンタ染料層及びシアン染料層には、昇華性染料、バインダー樹脂、必要に応じて、上記変性シリコーンのほか、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン、シリカ微粒子等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
染料層の塗工量は、乾燥時で0.45g/m2以下であることが好ましい。染料層の塗工量をこの範囲内とすることで、画像形成時の染料転写効率を向上させることができ、染料層に含まれる昇華性染料を無駄なく熱転写受像シート上に移行させることができる。なお、染料層の塗工量が乾燥時で0.45g/m2を超えると染料転写効率が低下する傾向にある。染料層の下限値について特に限定はないが、染料層の塗工量が乾燥時で0.13g/m2未満である場合には、バインダー樹脂に対する昇華性染料の配合比率を多くしても十分な印画濃度を得られない場合がある。したがって、この点を考慮すると、染料層の塗工量は、乾燥時で0.13g/m2以上0.45g/m2以下であることが好ましい。
染料層の形成方法は特に限定はなく、昇華性染料、バインダー樹脂、必要に応じてアルキル基またはアラルキル基の少なくともいずれかを有する、変性シリコーン、更に必要に応じて添加剤、例えば、離型剤や無機微粒子などを加えて、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、シクロヘキサノン、DMFなどの適当な有機溶剤に溶解、あるいは有機溶剤や水に分散した塗工液をグラビア印刷、ダイコート印刷、バーコート印刷、スクリーン印刷、又はグラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷等の手段により塗布、及び乾燥して形成することができる。
なお、図1に示す形態では、イエロー染料層(3Y)、マゼンタ染料層(3M)、シアン染料層(3C)の3色の染料層3を、同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けているが、同一面上に転写性保護層を設けることとしてもよい。
(染料プライマー層)
本発明では、基材と染料層との間に染料プライマー層5を設けることが好ましい。染料プライマー層を設けることで基材と染料層との密着性を向上させ、熱転写時に熱転写受像シートへの染料層の異常転写を防止することができる。
染料プライマー層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、染料プライマー層に、無機微粒子、たとえばコロイド状無機顔料超微粒子が含まれていてもよい。これにより画像形成時の染料層から染料プライマー層への染料の移行を防止し、熱転写受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことができ、印画濃度を高めることができる。
無機微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、平均一次粒子径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
染料プライマー層は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散した染料プライマー層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗布・乾燥して形成することができる。染料プライマー層用塗工液の塗工量は、乾燥時で0.02g/m2〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
(耐熱滑性層)
基材の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための耐熱滑性層4が設けられている。なお、耐熱滑性層4は本発明の熱転写シートにおける必須の構成である。
耐熱滑性層4は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、耐熱滑性層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、耐熱滑性層には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
耐熱滑性層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材の染料層の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、耐熱性等の向上等の点から、乾燥後塗工量が3g/m2以下であることが好ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その基材の一方の面に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液をグラビアコート法にて、乾燥時で1.0g/m2になるように塗工し、耐熱滑性層を形成した。次いで、前記基材の耐熱滑性層を設けた側とは反対の面に、下記の染料プライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗工し、染料プライマー層を形成した。次いで、染料プライマー層上に下記組成のイエロー染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるようにグラビアコーターにて塗工、乾燥し、イエロー染料層を形成し、また染料プライマー層上に下記組成のマゼンタ染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるようにグラビアコーターにて塗工、乾燥し、マゼンタ染料層を形成し、また染料プライマー層上に下記組成のシアン染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるようにグラビアコーターにて塗工、乾燥し、シアン染料層を形成し、図1に示すような配置となる実施例1の熱転写シートを得た。
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリビニルアセタール樹脂 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 6.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー 0.62部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
<染料プライマー層用塗工液>
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社)
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 50部
・IPA(イソプロピルアルコール) 17部
<イエロー染料層用塗工液1>
・下記一般式(1−4)で示される染料
0.43部
・下記一般式(2−1)で示される染料 2.07部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
Figure 2015123720
Figure 2015123720
上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の固形分全体に対し12.3質量%の割合で含有する。
<マゼンタ染料層用塗工液1>
・下記一般式(4−1)で示される染料 1部
・下記一般式(5−1)で示される染料 1.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アラルキル変性シリコーン 0.02部
(KF−410 信越シリコーン(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
Figure 2015123720
Figure 2015123720
<シアン染料層用塗工液1>
・下記一般式(6−1)で示される染料 1部
・下記一般式(7−1)で示される染料 1部
・ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度65±3mol%) 1部
(エスレックBH−3 積水化学工業(株))
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 97部
Figure 2015123720
Figure 2015123720
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を下記組成のイエロー染料層用塗工液2に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用塗工液2>
・上記一般式(1−4)で示される染料 1.05部
・上記一般式(2−1)で示される染料 1.45部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部

上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の全固形分に対し30.0質量%の割合で含有する。
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を下記組成のイエロー染料層用塗工液3に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用塗工液3>
・上記一般式(1−4)で示される染料 0.8部
・上記一般式(2−1)で示される染料 0.8部
・ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度65±3mol%) 1部
(エスレックBH−3 積水化学工業(株))
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 97.7部

上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の全固形分に対し30.8質量%の割合で含有する。
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を上記組成のイエロー染料層用塗工液3に代え、さらにマゼンタ染料層用塗工液1を下記組成のマゼンタ染料層用塗工液2、シアン染料層用塗工液1を下記組成のシアン染料層用塗工液2に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<マゼンタ染料層用塗工液2>
・下記一般式(8−1)で示される染料 2.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株))
・アラルキル変性シリコーン 0.02部
(KF−410 信越シリコーン(株))
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
Figure 2015123720
<シアン染料層用塗工液2>
・下記一般式(9−1)で示されるピリドントリアゾールアゾメチン骨格を有する染料
1部
・上記一般式(7−1)で示される染料 1部
・ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度65±3mol%) 1部
(エスレックBH−3 積水化学工業(株))
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 97部
Figure 2015123720
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を下記組成のイエロー染料層用塗工液4に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用塗工液4>
・上記一般式(1−4)で示される染料 0.8部
・下記一般式(3−1)で示される染料 0.8部
・ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度65±3mol%) 1部
(エスレックBH−3 積水化学工業(株))
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 97.7部
Figure 2015123720
上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の全固形分に対し30.8質量%の割合で含有する。
(実施例6)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を下記組成のイエロー染料層用塗工液5に代え、さらにマゼンタ染料層用塗工液1を上記組成のマゼンタ染料層用塗工液2に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用塗工液5>
・上記一般式(1−4)で示される染料 0.75部
・上記一般式(2−1)で示される染料 1.75部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の全固形分に対し21.4質量%の割合で含有する。
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を下記組成のイエロー染料層用塗工液5に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用塗工液5>
・上記一般式(1−4)で示される染料 0.18部
・上記一般式(2−1)で示される染料 2.32部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部

上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の全固形分に対し5.1質量%の割合で含有する。
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1を下記組成のイエロー染料層用塗工液6に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用塗工液6>
・上記一般式(1−4)で示される染料 1.4部
・上記一般式(2−1)で示される染料 1・1部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部

上記一般式(1−4)で示される染料はイエロー染料層の全固形分に対し40質量%の割合で含有する。
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるイエロー染料層用塗工液1をイエロー染料層用塗工液3に代え、さらにシアン染料層用塗工液1を下記組成のシアン染料層用塗工液3に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<シアン染料層用塗工液3>
・上記一般式(6−1)で示される染料 1.25部
・上記一般式(7−1)で示される染料 1.25部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 97部
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写シートにおけるマゼンタ染料層用塗工液1を下記組成のマゼンタ染料層用塗工液3に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<マゼンタ染料層用塗工液3>
・上記一般式(4−1)で示される染料 0.8部
・上記一般式(5−1)で示される染料 0.8部
・ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度65±3mol%) 1部
(エスレックBH−3 積水化学工業(株))
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
(印画物の濃度評価)
下記に示す熱転写受像シートと、上記で得られた実施例1の熱転写シートを用いて、テストプリンター(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)にて、イエロー、マゼンタ、シアンの各単色の黒ベタ階調(255/255階調)印画で印画物を得た。実施例2〜6、比較例1〜4の熱転写シートを用いて、同様にして実施例2〜6の印画物、及び比較例1〜4の印画物を得た。但し、印画開始時のサーマルヘッドの表面温度は32.2℃で、室温の環境下で印画を行なった。
(熱転写受像シートの作成)
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)製 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
各実施例、及び比較例の印画物の濃度を、以下の条件で測色し、以下の評価基準に基づいて印画濃度の評価を行った。評価結果を、表1に示す。
(濃度測色条件)
・測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社製)
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
(濃度評価基準)
○・・・最高反射濃度が2.0以上である。
△・・・最高反射濃度が1、8以上2.0未満である。
×・・・最高反射濃度が1.8未満である。
(グレーバランスの評価)
上記の実施例及び比較例の各熱転写シートと、上記の熱転写受像シートを使用して、上記の印画物の濃度評価の際で使用した同じプリンターで、イエロー、マゼンタ、シアンの3色を重ねたグレーベタ階調(128/255階調)を印画し、目視で、グレーの色相を調べ、以下の評価基準で評価した。
(グレーバランスの評価基準)
〇:グレーの色相が、黄色味または赤味または青味おびていない。
×:グレーの色相が、黄色味または赤味または青味おびている。
(地汚れの評価)
実施例及び比較例で作製した各熱転写シートのイエロー染料層を温度40℃、湿度90%RHの環境下で保存して、保存後の各実施例及び比較例の熱転写シートを上記の熱転写受像シートを使用して、上記の印画物の濃度評価の際で使用した同じプリンターで、白ベタ階調(0/255階調)を印画した。印画前の受像シート及び白ベタ印画部の色相を、Spectrolino(X−Light社製)を用いて測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
ΔE*=((保存前後のL*値の差)2+(保存前後のa*値の差)2+(保存前後のb*値の差)21/2
表1に、以下の評価基準により評価した地汚れの評価結果を示す。なお、保存前後の色差が小さいほど、高温・高湿環境下における染料析出が少なく保存性が高いことを示す。
(地汚れの評価基準)
○・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.5未満である。
×・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.5以上である。
上記の印画物の濃度評価、グレーバランスの評価及び地汚れの評価における評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2015123720
比較例3のシアン印画物は、シアン染料層用塗工液時に消色が生じていたため、濃度発生が悪くなった。
1 熱転写シート
2 基材
3 染料層
4 耐熱滑性層
5 染料プライマー層

Claims (2)

  1. 基材の一方の面に染料層が設けられ、前記基材の他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シートであって、
    前記染料層は、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を前記基材上に面順次に連続して設けられ、
    前記イエロー染料層は、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂のいずれかを含有し、前記ニトロセルロース樹脂を含有する場合は、少なくともビスピラゾロンメチン骨格を有する染料を含有し、かつ前記ビスピラゾロンメチン骨格を有する染料は、前記イエロー染料層の全固形分に対し10質量%以上35質量%以下の割合で含有され、
    前記マゼンタ染料層は、ニトロセルロース樹脂を含有し、
    前記シアン染料層は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する
    ことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記マゼンタ染料層に、アルキル基またはアラルキル基の少なくともいずれかを有する、変性シリコーンを含有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
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JP2018052077A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 大日本印刷株式会社 熱転写シートと被転写体の組合せ
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