JP5870820B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、ある程度の耐熱性と強度に加え、透明性を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
図1に示すように基材1上には染料層2が設けられている。染料層2には、昇華性染料と、バインダー樹脂としてのニトロセルロースと、アミノ変性シリコーンとが含有されている。
染料層2に含有される昇華性染料の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、ピラゾロンメチン、ピリドンメチン等のメチン系染料、インドアニリン系染料、インドナフトール系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、ピラゾロンアゾメチン、ピラゾロトリアゾールアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、チアゾールアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、アミノピラゾール系染料、ピラゾロトリアゾール系染料、ジシアノスチリル、トリシアノスチリル等のスチリル系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
染料層2には、昇華性染料とともに、該昇華性染料を保持するためのバインダー樹脂としてニトロセルロースが含有されている。バインダー樹脂としてのニトロセルロースは昇華性染料の染料保持力が高いため、昇華性染料とニトロセルロースとの質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))(以下D/B比という)が高くなっても、保存安定性を満足させることができ、地汚れや、キック及びバックの発生を防止できる。また、ニトロセルロースは、高階調領域の画像形成時における染料転写効率、換言すれば、染料層2に高い熱エネルギーをかけたときの染料転写効率がよいため、染料転写効率を上げるために塗工量を少なくした場合であっても、高い印画濃度を得ることができる。
上記で説明したように、バインダー樹脂としてのニトロセルロースを含む染料層2は、染料層2に高い熱エネルギーをかけて画像を形成するとき、すなわち高階調領域の画像形成時における染料転写効率に優れる。一方、本願に示すアミノ変性シリコーンを添加することで画像形成時に染料層と熱転写受像シートの受容層とが貼りつきをおこす異常転写の発生も防止される。以下、染料層と熱転写受像シートの受容層とが貼りつきをおこす現象を単に異常転写という場合がある。
本発明においては、基材1と染料層2との間に染料プライマー層3が設けられていることが好ましい。染料プライマー層3を設けることで基材1と染料層2との密着性を向上させ、熱転写時に熱転写受像シートへの染料層2の異常転写を防止することができる。
図1に示すように、基材1の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5が設けられている。なお、背面層5は本発明の熱転写シート10における必須の構成である。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記の染料プライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗布し、染料プライマー層を形成した。次いで、染料プライマー層上に下記組成のマゼンタ染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるように塗布し80℃で2分間乾燥することでマゼンタ染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
・ポリビニルブチラール樹脂 6.0部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート硬化剤 22.0部
(バーノックD750−45、固形分45%、DIC(株)製)
・リン酸エステル 3.0部
(プライサーフA−208N、第一工業製薬(株)製)
・タルク 1.0部
(ミクロエース P−3、日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 60.0部
・トルエン 60.0部
・アルミナゾル(固形分10%) 50部
(アルミナゾル200(羽毛状形態) 日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90 ISP社製) 5部
・水 25部
・イソプロピルアルコール 20部
・下記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.056部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液2を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H120相当)4.0部(固形分2.8部)
(H−120 太平化学製品(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.056部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液3を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.056部
(KF−8001 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液4を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.056部
(X−22−1660B−3 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液5を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.112部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液6を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 2.9部(固形分2.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.040部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液7を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 2.9部(固形分2.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.080部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液8を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 5.0部(固形分3.5部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.070部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1を使用し、塗工量を乾燥時0.43g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
マゼンタ染料層用塗工液6を使用し、塗工量を乾燥時0.43g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液9を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.168部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液10を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 6.7部(固形分4.7部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.093部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液11を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 2.5部(固形分1.75部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.035部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1を使用し、塗工量を乾燥時0.46g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例14の熱転写シートを得た。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Aを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Bを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 2.8部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・アミノ変性シリコーン 0.056部
(KF−8002 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Cを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・リン酸エステル 0.056部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Dを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 0.056部
(X−22−3000T 信越シリコーン(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Eを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 2.8部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル 0.056部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
熱転写受像シート(DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640))上に、上記で得られた実施例1の熱転写シートと、テストプリンタ(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)を用いて、マゼンタのMax階調印画を行い、実施例1の印画物を得た。実施例2〜14、比較例1〜5の熱転写シートを用いて、同様にして実施例2〜14の印画物、及び比較例1〜5の印画物を得た。
・測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社製)
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
○・・・濃度が2.0以上である。
×・・・濃度が2.0未満である。
各実施例、比較例の熱転写シートを用い、上記印画物の濃度評価で用いた熱転写受像シート上に、テストプリンタ(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)にて255階調から51階調まで12階調ずつ階調パターンを変えた画像を印画し、以下の評価基準に基づいて、各階調領域における染料層の張り付き評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、255階調〜195階調を高階調領域、183〜87階調を中階調領域、75階調〜51階調を低階調領域とした。
○・・・貼りつきの発生がない。
×・・・貼りつき、又は染料層の剥れが生じた。
マゼンタのMax階調印画後の各実施例、及び比較例の熱転写シート、及び未印画の各実施例及び比較例の熱転写シートを5cm×5cmの大きさに切断し、これを5cm×5cmの大きさに切断し、高速液体クロマトグラフィ(島津製作所(株)製)を用い、印画部、未印画部の染料量の測定を行った。このとき、未印画部の染料量と印画部残存染料量との差を熱転写受像シートに転写された転写染料量とし、転写染料量を未印画部の染料量で除した値を染料転写効率とし、以下の評価基準に基づいて染料転写効率の評価を行った。評価結果を表1に示す。
○・・・染料転写効率が80%以上である。
△・・・染料転写効率が75%以上80%未満である。
×・・・染料転写効率が75%未満である。
各実施例、及び比較例の熱転写シートのマゼンタ染料層と、上記印画物の濃度評価で用いた熱転写受像シートの耐熱滑性層が対向するように重ね合わせ、1.5Kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側へのマゼンタ染料層の染料の転写(キック)度合いの確認を行った。染料の転写度合いは、色彩色差計(CR321 コニカミノルタ(株)製)を用い、転写部の耐熱滑性層の色相、及び未転写部の耐熱滑性層の色相を測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
ΔE*=((荷重前後のL*値の差)2+(荷重前後のa*値の差)2+(荷重前後のb*値の差)2)1/2。
○・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が4以上5未満である。
△・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が5以上6未満である。
×・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が6以上である。
さらに、各実施例の熱転写シートについては、各実施例のマゼンタ染料層と、上記印画物の濃度評価で用いた熱転写受像シートの耐熱滑性層が対向するように重ね合わせ、27Kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で48時間保存を行った。保存後の各実施例の熱転写シートを、上記印画物の濃度評価で用いたテストプリンタを用いて印画を行い、保存後の熱転写シートを用いた印画物を得た。保存後の熱転写シートを用いた印画物と、未保存の熱転写シートを用いた印画物の色相を、Spectrolino(X−Light社製)を用いて測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
ΔE*=((保存前後のL*値の差)2+(保存前後のa*値の差)2+(保存前後のb*値の差)2)1/2。
表2に、以下の評価基準に基づいて評価した保存性の評価結果を示す。なお、保存前後の色差が小さいほど、高温・高湿環境下における染料析出が少なく保存性が高いことを示す。また、色差(ΔE*)が1.0未満であれば、実用上問題ないレベルである。
○・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.6未満である。
△・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.6以上1.0未満である。
×・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が1.0以上である。
1…基材
2…染料層
3…染料プライマー層
5…背面層
Claims (3)
- 基材の一方の面に染料層が設けられ、前記基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、
前記染料層は、昇華性染料と、ニトロセルロースと、アミノ変性シリコーンとを含有することを特徴とする熱転写シート。 - 前記染料層の塗工量が、乾燥時で0.45g/m2以下であることを特徴とする請求項
1に記載の熱転写シート。 - 前記染料層中における前記昇華性染料と前記ニトロセルロースの質量比率(昇華性染料/ニトロセルロース)が2.0以上3.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
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