JP2015174222A - 熱転写記録材料及びそれを使用した印画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印画時の離型性が良好で、熱転写シートの破断を防止可能な熱転写記録材料を提供することを主たる課題とする。
【解決手段】 基材シート3上に、少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有する染料層4を設けた熱転写シート2と、基材12上に、少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有する受容層13を設けた熱転写受像シート11との組み合わせであることを特徴とする熱転写記録材料1の構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写記録材料及びそれを使用した印画方法に関わるものである。
従来、種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で昇華性染料を記録材とし、これを紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、その昇華性染料で染着可能な熱転写受像シート、例えば紙やプラスチックフィルムの表面に染料受容層を設けた熱転写受像シート上に、その昇華性染料を熱転写して、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法は昇華性染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節ができ、原稿のフルカラー画像が表現できる。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能である。
近年、熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むにしたがって、画像形成時の熱転写の際、高エネルギーをかける傾向にある。この際、染料層と受容層とが融着してしまう、いわゆる異常転写が問題となる。
このような課題に対し、特許文献1に示すように、熱転写シートの染料層にシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などの離型剤を含有させることが提案されている。染料層のバインダー樹脂の種類によっては、受容層のバインダー樹脂との組み合わせで、熱転写シートと熱転写受像シートとの離型性が十分ではないことが分かった。それに対して、画像形成時に互いに接する受容層と染料層の両方に離型剤を添加し、熱転写シートと熱転写受像シートの離型性を高めるために、その離型剤の添加量を増やすなどを試みたが、熱転写の印画時に熱転写シートの破断が生じやすいことが分かってきた。
特開2006−263987号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、印画時の離型性が良好で、熱転写シートの破断を防止可能な熱転写記録材料を提供することを主たる課題とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材シート上に、少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有する染料層を設けた熱転写シートと、基材上に、少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有する受容層を設けた熱転写受像シートとの組み合わせであることを特徴とする熱転写記録材料の構成とした。
また、前記染料層のバインダー樹脂はニトロセルロースであることを特徴とする熱転写記録材料の構成とした。
また、前記染料層の離型剤は、アルキル基、アラルキル基、またはアミノ基の少なくともいずれかを有する変性シリコーンを含有することを特徴とする熱転写記録材料の構成とした。
また、前記染料層の離型剤は、染料層の固形分に対し、1質量%以上3質量%以下で含有していることを特徴とする熱転写記録材料の構成とした。
基材シート上に少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有する染料層を設けた熱転写シートと、基材上に少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有する受容層を設けた熱転写受像シートとを重ね合わせ、加熱手段により前記染料層中の染料を前記受容層に転写可能であることを特徴とする印画方法である。
本発明の熱転写記録材料及び印画方法によれば、印画時の熱転写シートと熱転写受像シートとの離型性が良好で、さらに熱転写シートの破断を防止することが可能となった。
本発明の熱転写記録材料の一つの実施形態を示す概略断面図である。 印画時の熱転写シートの破断評価部位を示す概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の熱転写記録材料の一つの実施形態を示す。図示した熱転写記録材料1は、熱転写シート2と熱転写受像シート11の組み合わせからなるもので、熱転写シート2は基材シート3の一方の面に染料層4を設け、基材シート3の他方の面に耐熱滑性層5を備えている。また、熱転写受像シート11は、基材12の一方の面に受容層13を設け、基材12の他方の面に裏面層14を設けた構成である。図1の熱転写シート2では、基材シート3の他方の面に、耐熱滑性層5を設けた形態を示したが、耐熱滑性層は必須のものではなく、省くことが可能である。また、同様に図1の熱転写受像シート11では、基材12の他方の面に、裏面層14を設けた形態を示したが、裏面層は必須のものではなく、省くことが可能である。
また図示したものに限らず、本発明で使用される熱転写シートは、基材シートと染料層との間に、必要に応じて易接着層等を設けてもよい。また耐熱滑性層の上に帯電防止層等の層を形成してもよい。また本発明で使用する熱転写受像シートは、基材と受容層との間に、必要に応じて帯電防止層、クッション層、白色顔料および蛍光増白剤を添加した中間層や易接着層等の層を形成してもよい。また、裏面層の上に、帯電防止層等の層を形成してもよい。
以下、本発明の熱転写記録材料を構成する熱転写シートと、熱転写受像シートの各構成について、説明する。
(基材シート)
本発明で用いる熱転写シートの基材シート3としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
上記基材シートにおいて、染料層を形成する面に、接着処理を施すことがよく行なわれている。上記基材シートのプラスチックフィルムは、その上に染料層を塗工して形成する場合、塗工液の濡れ性、接着性等が不足しやすいので、接着処理を施すものである。その接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理の二種以上を併用することもできる。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。
さらに、上記の基材シートの接着処理として、基材シートと染料層との間に易接着層を塗工して形成することも可能である。その易接着層は、以下に示すような樹脂から形成することができる。ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
(染料層)
本発明で使用する熱転写シートは、上記の基材シートの一方の面に染料層4を設けたものである。その染料層は1色の単一層で構成する、あるいは色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材シートの同一面に面順次に、繰り返し形成することも可能である。染料層は、熱移行性染料をバインダー樹脂により担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して選択する。
染料層は、少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有するものである。
その染料として、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
染料層におけるバインダー樹脂は、上記の染料を溶解及び/又は分散させて、染料を担持するものである。このバインダー樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
本発明では、染料層におけるバインダー樹脂として、ニトロセルロースを用いることが、好ましい。それはニトロセルロースは、染料転写効率が高い特徴を有することから、昇華性染料の染料転写効率が良好であり高濃度の画像を形成することができるからである。
但し、このニトロセルロースは、上記の染料転写効率に優れる利点を有する一方で、染料層のバインダー樹脂に用いた場合、印画時に受容層に対して滑りやすい性質を持つ。つまり、印画時における熱転写シートの破断が特に生じやすい樹脂であり、これを防止することの必要性が特に高い樹脂であると言える。
ニトロセルロースの粘度については特に限定はないが、染料層に、JIS K−6703による粘度が1/16未満のニトロセルロースを含有させた場合には、保存安定性が低下する傾向にある。一方、染料層にJIS K−6703による粘度が120を超えるニトロセルロースを含有させる場合には、染料層の形成時にインキミスト等が発生するおそれが生じうる。
この点を考慮すると、染料層は、JIS K−6703による粘度で、1/16以上120以下のニトロセルロースが含有されていることが好ましい。言い換えれば、JIS K−6703による粘度(溶液濃度25%)が1.0秒〜14.9秒、JIS K−6703による粘度(溶液濃度20%)が6.0秒〜8.0秒、或いはJIS K−6703による粘度(溶液濃度12.2%)が4.0秒〜140.0秒のものが好ましい。JIS K−6703による粘度がこの範囲内のニトロセルロースを染料層に含有させることで、保存安定性を更に向上させることができるとともに、染料層の形成時にインキミスト等が発生することを防止することができる。
粘度が上記範囲内のニトロセルロースは市販品をそのまま用いることができる。粘度が上記範囲内のものとしては、例えば、太平化学製品(株)製のJIS K−6703で指定される種類及び粘度記号で、H1/16,H1/8,L1/8,H1/4,L1/4,H1/2,H1“,H5”,H20,H60,H120のものを挙げることができる。これ以外にも、稲畑産業(株)製のDHX3−5,DHX5−10,DHX8−13,DHX11−16,DHX30−50,DHX40−70,DHL25−45,DHL120−170,H20(160−210),DHM10−25,SL−1,DLX3−5,DLX5−8,DLX8−13,DLX30−50等も使用可能である。
また、ニトロセルロースは、窒素分(硝化度)が10%であることが好ましい。また、取り扱いの安全性を考慮すると窒素分は12.3%以下であることが好ましい。窒素分が10%以上のニトロセルロースを含有させることで、染料層における染料転写効率の更なる向上が見込まれる。
染料層に添加する離型剤として、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。特に画像形成時における熱転写受像シートと熱転写シートとの離型性(剥離性)に優れている点で、アルキル基、アラルキル基、またはアミノ基の少なくともいずれかを有する変性シリコーンを用いることが、より好ましい。
上記のアルキル基を有する変性シリコーンは、言い換えれば、アルキル変性シリコーンオイルであり、下記化学式1、化学式2に示すように、繰り返し単位として〔OSi(CH3)(R1)〕及び/又は〔OSi(R1)(R2)〕を含有する構造を有するものである。ここで、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数が1以上のアルキル基から選ばれる。アルキル基は、直鎖状であっても側鎖状であってもよい。R1及びR2の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロへキシル基等が挙げられる。
Figure 2015174222
m及びnは、正の整数である。
Figure 2015174222
m及びnは、正の整数である。
また、アルキル変性シリコーンは市販品として入手することもでき、具体例としては、商品名「KF412」(信越化学工業株式会社製)、商品名「KF413」(信越化学工業株式会社製)、商品名「KF414」(信越化学工業株式会社製)、商品名「SF8416」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等が挙げられる。
染料層に含有する変性シリコーンとして、アラルキル基を有する変性シリコーンは、言い換えれば、アラルキル変性シリコーンであり、上記化学式1、化学式2に示すように、繰り返し単位として〔OSi(CH3)(R1)〕及び/又は〔OSi(R1)(R2)〕を含有する構造で、R1またはR2は、それぞれ独立して、アルキルフェニル基、ジアルキルフェニル基、アルキルナフチル基、ジアルキルナフチル基等から選ばれる。中でも、アルキルフェニル基が好ましく用いられ、特に好ましくはイソプロピルフェニル基が用いられる。また、R1またはR2が上記アラルキル基を有するもので、そのアラルキル基を有するR1またはR2と対向する基は、上記に記載したアルキル基を有するものが好ましい。
アラルキル変性シリコーンは市販品として入手することもでき、具体例としては、商品名「KF410」(信越化学工業株式会社製)、商品名「SH203」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、商品名「SH230」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等が挙げられる。
上記のアミノ基を有する変性シリコーンは、言い換えれば、アミノ変性シリコーンオイルである。アミノ変性シリコーンについて特に限定はなく、例えば、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部をアミノアルキル基、例えばアミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、アミノアルキル置換アミノアルキル基、例えばアミノエチル置換アミノプロピル等、アミノ基又は置換アミノ基を有する有機基の少なくとも1種で置換したポリシロキサンのアミノ変性物等を挙げることができる。
アミノ変性シリコーンは、異種置換基としてフェニル基を導入したフェニル基導入型アミノ変性シリコーンであることが好ましい。フェニル基導入型アミノ変性シリコーンによれば、染料層用塗工液中を塗工して染料層を形成するときに、該染料層用塗工液中に泡立ちが発生することを防止でき、均一な塗膜の染料層とすることができる。
アミノ変性シリコーンは、アミノ当量が1700〜5700g/molの範囲内のものが好ましい。また、粘度が240mm2/S〜1100mm2/Sの範囲内のものが好ましい。また、アミノ変性シリコーンの構造は、両末端よりも、側鎖型であることが好ましい。
アミノ変性シリコーンは、市販品をそのまま用いることができ、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のFZ−3789、FZ−3785、FZ−3705等や、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の、XF42−B1989、XF42−B8922、XF42−C0330、XF49−C1109や、信越シリコーン(株)製のKF−8001、KF−8002、KF−8004、KF−8006、KF−8008、KF−861、KF−862、KF−867、KF−869、X−22−1660b−3等を挙げることができる。
上記の離型剤は、染料層の固形分に対し、1質量%以上3質量%以下で含有することが好ましい。上記離型剤の含有量が1質量%未満であると、画像形成時に染料層と受容層とが融着しやすく、十分な離型性が得られなくなってくる。また上記離型剤の含有量が3質量%を超えると、基材シートと染料層との接着強度が低下し、異常転写が生じやすくなる。
染料層に炭酸カルシウムを含有させるが、その炭酸カルシウムとしては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウムなどを使用することができる。いずれにしても、この炭酸カルシウムとして、その平均粒径が0.08μm以上5μm以下のものを使用することが好ましい。炭酸カルシウムの平均粒径が5μmよりも大きくなると、印字濃度が低下しやすく、印画の鮮明性が低下してくる。また炭酸カルシウムの平均粒径が0.08μm未満であると、熱転写の印画時に熱転写シートの破断が生じやすくなる。上記の平均粒径範囲内であれば、異なる平均粒径を有する二種以上の炭酸カルシウムを配合した炭酸カルシウム混合物を使用しても良い。
上記の平均粒径は、本発明に係る熱転写シートの垂直断面の電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
上記の炭酸カルシウムは、染料層の固形分に対し、0.5質量%以上10質量%以下の範囲で含有することが好ましい。より好ましくは、1質量%以上3質量%以下であることが望ましい。その炭酸カルシウムの含有量が少なすぎると、熱転写の印画時に熱転写シートの破断が生じやすくなる。また炭酸カルシウムの含有量が多すぎると、印字濃度が低下しやすく、基材シートと染料層との接着強度が低下し、異常転写が生じやすくなることに加え、沈殿しやすくなるため、染料層の塗工液(インキ)の安定性が低下しやすい。
本発明の熱転写記録材料は、熱転写シートの染料層が、上記に説明したバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有し、また熱転写受像シートの受容層は少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有することで、印画時の熱転写シートと熱転写受像シートとの離型性が良好で、さらに熱転写シートの破断を防止することが可能となった。
従来の熱転写記録材料では、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートの受容層の両方に離型剤を含有させ、両者の離型性能を良くしていたが、染料層と受容層との間が、滑り過ぎる一方で、熱転写シートとサーマルヘッドとの接触がスムーズでなく、熱転写シート側でサーマルヘッドから過剰に熱を受ける箇所が生じて、熱転写シートが破断しやすい現象が発生する。
上記の熱転写シートの破断に対し、本発明では熱転写シートの染料層に離型剤と炭酸カルシウムを併用させ、その炭酸カルシウムが上記の滑り過ぎることを防止し、つまり滑り止めの効果を発揮させていると考えられる。シリカ、アクリル樹脂フィラー、シリコーン樹脂フィラーなどのフィラーでは上記の滑り止めの効果が見られなく、炭酸カルシウムがこの滑り止めの効果を有することを見出したものである。その理由は定かではないが、他のフィラーと比べ、硬く、表面形状が特有な凸凹形状であり、滑り止め効果が高いと考えられる。
染料層は、上記バインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有し、その他必要に応じて従来公知と同様な各種の添加剤を加えてもよい。その添加剤として、例えば、熱転写受像シートとの離型性や染料層インキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子や無機微粒子が挙げられる。このような染料層は、通常、適当な溶剤中に上記の材料と、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材シートの上に塗工、乾燥させて形成することができる。この塗工方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。このように形成された染料層は、0.2〜6.0g/m2、好ましくは0.3〜3.0g/m2程度の乾燥時の塗工量である。
(耐熱滑性層)
耐熱滑性層5は、サーマルヘッド等の加熱手段と基材シート3との熱融着を防止し、走行を滑らかに行なう主目的で設けることができる。
この耐熱滑性層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。耐熱滑性層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、耐熱滑性層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。耐熱滑性層に含有される離型剤や滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。このような耐熱滑性層の厚みは、従来公知の手段で、塗工、乾燥させて、乾燥時で0.1〜10g/m2程度、好ましくは0.5〜5g/m2程度とすることができる。
次に本発明の熱転写記録材料で使用する熱転写受像シートの各構成要素について説明する。
(基材)
熱転写受像シートを構成する基材12は、受容層を保持する機能を有するが、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。このような基材の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、セルロース紙の表裏をポリエチレンでコートした銀塩写真の印画用紙の基材として使用されるレジンコート紙、あるいは、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の各種プラスチックフィルム又はシートが使用でき、またこれら合成樹脂に白色顔料や、充填剤を加えて成膜し、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)も使用できる。
また、上記した材料の任意の組み合わせによる積層体も支持体として使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、或いはセルロース繊維紙とプラスチックフィルム又はシートの積層した合成紙が挙げられる。このような積層合成紙は2層体でもよいが、基材の風合いや質感を出すために、セルロース繊維紙(芯材として使用)の両面に合成紙、プラスチックフィルムや多孔質フィルムを貼合した3層体もしくは3層以上の積層体であってもよい。また、コート紙、レジンコート紙、プラスチックフィルム等の表面上に中空粒子を分散させた樹脂層を塗設し、断熱性を付与した積層体であってもよい。
上記の積層体の貼合方法は、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等手法は問わない。また、上記したような中空粒子層を積層する方法としては、グラビアコート、コンマコート、ブレードコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコート等の塗布手段を使用できるが、これらに限定されるものではない。
これらの貼合ないし積層した基材の厚みは任意でよく、通常10〜300μm程度の厚さが一般的である。また、上記に示したような基材は、その表面に形成する層との密着力が乏しい場合には、その表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
(受容層)
本発明で使用される熱転写受像シートにおける受容層13は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。受容層を形成するための樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明で使用する熱転写受像シートは、熱転写シートとの離型性を向上させるために受容層中に離型剤を有する。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応型シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、及び触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型および触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
反応型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ変性シリコーンオイルとしては、KF−393、KF−857、KF−858、X−22−3680、およびX−22−3801C(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイルとしてはKF−100T、KF−101、KF−60−164、およびKF−103(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。触媒硬化型シリコーンオイルとしてはKS−705、FKS−770、およびX−22−1212(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの硬化型シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。
受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、および微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、およびリン酸エステル化合物等の可塑剤を添加してもよい。
受容層の厚みは、所望の画像濃度を発現できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、乾燥時(固形分)の塗工量で、通常、1g/m2〜20g/m2であり、好ましくは、1g/m2〜15g/m2である。受容層の形成は、一般的に行われている塗工手段を用いることができ、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の手段により、塗工し、乾燥することで形成することができる。
(中間層)
本発明の熱転写記録材料で使用する熱転写受像シートの基材と受容層との間に中間層を必要に応じて設けることができる。その中間層は、バインダー樹脂成分を含有することができる。その樹脂成分は、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等の熱硬化型樹脂を用いることができる。受容層が転写された印画物に対して、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、中間層樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。
また、中間層は、水溶性樹脂のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン等のエマルジョンを用い、さらに架橋アクリル微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、架橋ポリスチレンアクリル微粒子、および、これら微粒子表面への官能基誘導体等の実質的に透明な微粒子を加えて、耐溶剤性や耐可塑剤性を向上させることができる。また、中間層に、耐候性能を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えることができる。中間層は上記の剥離層と同様の方法で形成することができ、塗工量は乾燥状態で0.05g/m2以上1.0g/m2以下となる量で塗工することが好ましい。
(裏面層)
熱転写受像シートの基材の受容層形成側とは反対側の面上に、シートの機械搬送性向上、カール防止、筆記性、帯電防止等を目的とする裏面層14を設けてもよい。裏面層は、1層のみから構成されるものであってもよいし、組成等が異なる2層以上の層を積層して構成されるものであってもよい。
裏面層は、上記で例示した中間層を形成する樹脂、その他の高分子として例示したものと同様の樹脂等から形成することができる。上記裏面層を形成する際に、例えば、(1)上記例示の樹脂等に加え、有機フィラー又は無機フィラーを適量添加する、又は、(2)ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂等、滑性が高い樹脂を使用すると、搬送性が向上した熱転写受像シートを得ることができる。
また、裏面層を形成する際に、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等、保水性を有する樹脂等を主成分として用いた場合、得られる熱転写受像シートのカールを防止することができる。また、裏面層を形成する際に、上述の受容層における添加剤として例示した充填剤、顔料等を配合した場合、得られる熱転写受像シートに筆記性を付与することができる。
裏面層は、帯電防止機能を得るために、アクリル樹脂等の導電性樹脂、及び/又は、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、エチレンオキサイド付加物等の各種帯電防止剤を含有していてもよい。
(印画方法)
本発明の印画方法は、基材シート上に少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有する染料層を設けた熱転写シートと、基材上に少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有する受容層を設けた熱転写受像シートとを重ね合わせ、加熱手段により前記染料層中の染料を前記受容層に転写可能である点に特徴を有する。
本発明の印画方法では、上記のとおり、染料層にバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムが含有されている熱転写シートと、受容層にバインダー樹脂と離型剤が含有されている熱転写受像シートとを組み合わせて用いられることから、印字濃度の高い印画物が得られ、また印画時の熱転写シートと熱転写受像シートとの離型性が良好で、さらに熱転写シートの破断を防止することが可能となる。印字濃度の高い印画物が得られ、印画時の熱転写シートと熱転写受像シートとの離型性が良好で、熱転写シートの破断を防止できる理由は、上記本発明の熱転写記録材料で説明した通りである。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材シート3として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その基材の一方の面に、下記組成の染料プライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗工し、染料プライマー層を形成した。次いで、染料プライマー層上に下記組成の染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるようにグラビアコーターにて塗工し、80℃で2分間乾燥することで染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。なお、上記の染料層はマゼンタ染料層である。
<染料プライマー層用塗工液>
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社)
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 50部
・IPA(イソプロピルアルコール) 17部
<染料層用塗工液1(D/B比=2.5)>
・下記一般式(1−1)で示される染料 1部
・下記一般式(1−2)で示される染料 1.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株))
・シリコーンオイル 0.1部
(アラルキル変性シリコーンオイル SH230、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
・重質炭酸カルシウムフィラー 0.1部
(ACE−35、平均粒径が1.2μm、林化成(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
Figure 2015174222
Figure 2015174222
上記の基材シートの染料層の設けられた面と反対面に、下記組成の耐熱滑性層塗工液をグラビアコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗工、乾燥して、耐熱滑性層5を予め形成しておき、熱転写シート2を用意した。
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリビニルアセタール樹脂 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 6.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー 0.62部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
<熱転写受像シートの作成>
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)製 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗工、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗工、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写記録材料の熱転写シートにおける染料層用塗工液1で、離型剤であるシリコーンオイルを東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製アミノ変性シリコーンオイル FZ−3789に変更し、但しシリコーンオイルの固形分は染料層用塗工液1と変わらない条件とした(染料層用塗工液2)。それ以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。なお実施例2の熱転写受像シートは実施例1で作製した熱転写受像シートと同じ条件で用意した。
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写記録材料の熱転写シートにおける染料層用塗工液1を下記組成に変更し(染料層用塗工液3)、その他は実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。なお比較例1の熱転写受像シートは実施例1で作製した熱転写受像シートと同じ条件で用意した。
<染料層用塗工液3(D/B比=2.5)>
・上記一般式(1−1)で示される染料 1部
・上記一般式(1−2)で示される染料 1.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株))
・シリコーンオイル 0.1部
(アラルキル変性シリコーンオイル SH230、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写記録材料の熱転写シートにおける染料層用塗工液1を下記組成に変更し(染料層用塗工液4)、その他は実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。なお比較例2の熱転写受像シートは実施例1で作製した熱転写受像シートと同じ条件で用意した。
<染料層用塗工液4(D/B比=2.5)>
・上記一般式(1−1)で示される染料 1部
・上記一般式(1−2)で示される染料 1.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株))
・シリコーンオイル 0.1部
(アラルキル変性シリコーンオイル SH230、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
(液状ポリエチレンワックス Versaflow EV、固形分100%、Shamrock Technologies,Inc.)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写記録材料の熱転写シートにおける染料層用塗工液1を下記組成に変更し(染料層用塗工液5)、その他は実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。なお比較例3の熱転写受像シートは実施例1で作製した熱転写受像シートと同じ条件で用意した。
<染料層用塗工液5(D/B比=2.5)>
・上記一般式(1−1)で示される染料 1部
・上記一般式(1−2)で示される染料 1.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株))
・シリコーンオイル 0.1部
(アラルキル変性シリコーンオイル SH230、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
・シリカ粒子 0.1部
(サイリシア310P、平均粒子径3μm、富士シリシア化学(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写記録材料の熱転写シートにおける染料層用塗工液1を下記組成に変更し(染料層用塗工液6)、その他は実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。なお比較例4の熱転写受像シートは実施例1で作製した熱転写受像シートと同じ条件で用意した。
<染料層用塗工液6(D/B比=2.5)>
・上記一般式(1−1)で示される染料 1部
・上記一般式(1−2)で示される染料 1.5部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 1.43部(固形分1.0部)
(DHM10−25 稲畑産業(株))
・シリコーンオイル 0.1部
(アラルキル変性シリコーンオイル SH230、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
・ウレタンアクリル粒子 0.1部
(MM120T、平均粒子径10μm、根上工業(株)製)
・溶剤(トルエン/MEK=1:1) 96.5部
上記の実施例1〜2及び比較例1〜4の熱転写記録材料を用い、下記条件にて、離型性及び熱転写シートの破断防止性を調べた。
<離型性>
上記で得られた実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、シチズン・システム(株)製昇華転写プリンタ(CW−02)にて、マゼンタ色のベタ印字を行ない、以下の条件で剥離性を調べた。
室温の環境下で、上記ベタ印字を行ない、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートの受容層との離型性を、両者を手で剥がすことで、以下の評価基準で評価した。
(離型性の評価基準)
〇:熱転写シートから熱転写受像シートへ、染料層ごと剥離する箇所がない。
△:熱転写シートから熱転写受像シートへ、染料層ごと剥離する箇所がわずかにあったが、実用上問題ないレベルである。
×:熱転写シートと熱転写受像シートが貼り付いて、剥がれない箇所がある。
<熱転写シートの破断防止性>
上記で得られた各例の熱転写シートと、その熱転写シートと対応して組み合わせる各例の熱転写受像シートを用いて、シチズン・システム(株)製昇華転写プリンター(CW−02)を用いて、マゼンタ色のベタ印字を行い、印字後の熱転写シートの破断の有無を目視にて調べた。この評価は、熱転写シートが破断しにくいものが、耐熱性が高いものである。但し、上記の画像を印画し、印字後の熱転写シートの破断の有無は、図2で示されたH部分を目視にて調べた。評価基準は以下の通りとした。
〇:印字後の熱転写シートに破断が見られなく、印字時の熱転写シートの破断防止性が優れている。
×:印字後の熱転写シートに破断が生じ、印字時の熱転写シートの破断防止性がなく、不良である。
上記離型性及び熱転写シートの破断防止性の評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2015174222
上記の結果に示すように、実施例1〜2の熱転写記録材料によれば、また実施例1〜2の熱転写記録材料を用いた印画方法によれば、離型性及び熱転写シートの破断防止性の評価の全てにおいて、良好な結果であった。
比較例1〜3の熱転写記録材料によれば、熱転写シートの破断防止性の評価で、不良の結果であった。また比較例4の熱転写記録材料によれば、離型性及び熱転写シートの破断防止性の評価で、不良であった。
1 熱転写記録材料
2 熱転写シート
3 基材シート
4 染料層
5 耐熱滑性層
11 熱転写受像シート
12 基材
13 受容層
14 裏面層
H 破断評価部位
S 加熱部位
T サーマルヘッド

Claims (5)

  1. 基材シート上に、少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有する染料層を設けた熱転写シートと、基材上に、少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有する受容層を設けた熱転写受像シートとの組み合わせであることを特徴とする熱転写記録材料。
  2. 前記染料層のバインダー樹脂はニトロセルロースであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録材料。
  3. 前記染料層の離型剤は、アルキル基、アラルキル基、またはアミノ基の少なくともいずれかを有する変性シリコーンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記録材料。
  4. 前記染料層の離型剤は、染料層の固形分に対し、1質量%以上3質量%以下で含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写記録材料。
  5. 基材シート上に少なくともバインダー樹脂、染料、離型剤及び炭酸カルシウムを含有する染料層を設けた熱転写シートと、基材上に少なくともバインダー樹脂と離型剤を含有する受容層を設けた熱転写受像シートとを重ね合わせ、加熱手段により前記染料層中の染料を前記受容層に転写可能であることを特徴とする印画方法。
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