JP2015016642A - シアン染料層用塗工液、及び熱転写シート - Google Patents

シアン染料層用塗工液、及び熱転写シート Download PDF

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都明 小高
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和政 前田
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Abstract

【課題】染料保存性が高く、かつ印画濃度の低下を防止することができるシアン染料層を形成することができるシアン染料層用塗工液、及び染料保存性が高く、高濃度の印画が可能な熱転写シートを提供すること。
【解決手段】熱転写シートのシアン染料層を形成するためのシアン染料層用塗工液であって、シアン染料層用塗工液は、ニトロセルロース樹脂、及び昇華性染料として一般式(1)で示される染料を含有しており、当該シアン染料層用塗工液は、昇華性染料として一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を、前記昇華性染料の総質量に対し30質量%未満の割合で含有しているか、又は当該一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を含有していない。
【選択図】図1

Description

本発明は、シアン染料層用塗工液、及び熱転写シートに関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、昇華性染料をプラスチックフィルム等の基材上に担持させた昇華型の熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材上に染料受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する昇華型熱転写方法が知られている。この方法は昇華性染料を色材としているため中間色の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を熱転写受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
このような昇華型の熱転写シートの染料層には、熱転写シートの保存時に、染料層に含有される昇華性染料がバインダー樹脂に良好に保持され、かつ熱転写時に、昇華性染料がバインダー樹脂から良好に放出されること、すなわち高い保存安定性と染料転写効率が求められている。
保存安定性を主眼とするバインダー樹脂として、ブチラール系や、アセタール系の樹脂が知られている(特許文献1参照)。ブチラール系や、アセタール系の樹脂をバインダー樹脂として含有する染料層は、保存安定性に優れる一方で、染料転写効率が低く印画濃度が低いといった問題がある。したがって、これらのバインダー樹脂を用いる場合には、(i)染料層の塗工量を多くして染料層中に含まれる昇華性染料の含有量を多くするか、あるいは(ii)熱転写シートの染料層における昇華性染料/バインダー樹脂の質量比率(D/B比)を大きくする等の方法によって、印画濃度を向上させる必要がある。
しかしながら、上記(i)染料層の塗工量を多くした場合には、染料層中に熱転写受像シート側に移行しない昇華性染料が多く残存することとなり、コスト面的には好ましいとはいえない。また、十分な印画濃度となるまで(ii)D/B比を大きくした場合には、ブチラール系やアセタール系のバインダー樹脂では、昇華性染料を保持することができず、保存安定性が著しく低下する。保存安定性が低下した場合には、熱転写シート製造時に巻き取り状態で保管した際、染料層と基材の反対側面に設けられた背面層とが接することにより、染料層から背面層へ昇華性染料が移行(キック)し、シートの搬送性の低下や、背面層の機能低下を引き起こす。また、高温高湿環境下で保存を行ったときに、染料が染料層の表面に析出し、印画時にこの析出した染料が未印画部と接触して未印画部を汚染する地汚れが発生する等の種々の問題を引き起こすこととなる。
染料転写効率の向上を主眼とするバインダー樹脂としてはセルロース系樹脂、例えば、セルロースアセテートプロピオネートやエチルセルロース等が知られている。しかしながら、染料転写効率の向上を主眼とするこれらのバインダー樹脂は染料転写効率には優れるものの、保存安定性が低く、特に、染料層の塗工量を少なくした場合や、D/B比を大きくした場合には、保存安定性が低下し、上記の問題を引き起こすこととなる。
特開2009−286060号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、染料の保存性安定性が高く、かつ印画濃度の低下を防止することができるシアン染料層を形成することができるシアン染料層用塗工液、及び、シアン染料層中における染料の保存性安定性が高く、かつ印画濃度の低下を防止することができる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、熱転写シートのシアン染料層を形成するためのシアン染料層用塗工液であって、前記シアン染料層用塗工液は、ニトロセルロース樹脂、及び昇華性染料として下記一般式(1)で示される染料を含有しており、前記シアン染料層用塗工液は、前記昇華性染料として下記一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を、前記昇華性染料の総質量に対し30質量%未満の割合で含有しているか、又は当該一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を含有していないことを特徴とする。
Figure 2015016642
(一般式(1)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換のアリル基、又は置換又は非置換のアラルキル基を表わす。)
Figure 2015016642
(一般式(2)中、R1は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基であるか或いはXと一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、R2は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、R1とR2とは酸素原子又は窒素原子を含有してもよい5員環又は6員環を形成してもよく、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基又はアミノ基を表し、R4は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基、置換または比置換のアリールオキシ基を表わし、R5とR6は夫々同一でも異なってもよく水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基又はウレイド基を表し、Xは水素原子であるか又はR1と一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、nは1又は2を表す。)
また、前記シアン染料層用塗工液は、前記一般式(1)で示される染料を、前記昇華性染料の総質量に対し50質量%以上含有していてもよい。
また、前記シアン染料層用塗工液は、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)で示される染料の群から選択される1種、又は2種以上を、前記昇華性染料の総質量に対し、15質量%以上含有していてもよい。
Figure 2015016642
(一般式(3)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、又は置換又は非置換のアリール基を表わし、R3は、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の芳香族複素環基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子、又は他の電子吸引基を表わし、R4は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基を表わし、R5は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアルキルアミノスルホニル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表わす。R6は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、又はハロゲン原子を表わす。)
Figure 2015016642
(一般式(4)中、R1及びR2は、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリル基、置換もしくは非置換のアリ−ル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のアラルキル基、または置換もしくは非置換のアルコキシアルキル基を表し、R3は、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子または水素原子を表し、R4は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アリール基を表す。)
Figure 2015016642
また、前記一般式(1)で示される染料が、Solvent Blue 63であり、前記一般式(3)で示される染料が、下記一般式(3)−1で示される染料であり、一般式(4)で示される染料がDisperse Blue 354であってもよい。
Figure 2015016642
また、前記シアン染料層用塗工液中における前記昇華性染料と前記バインダー樹脂の質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))が2.0以上3.5以下であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面にシアン染料層が設けられ、前記基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記シアン染料層は、ニトロセルロース樹脂、及び昇華性染料として上記一般式(1)で示される染料を含有しており、前記シアン染料層は、前記昇華性染料として上記一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を、前記昇華性染料の固形分総量に対し30質量%未満の割合で含有しているか、又は当該一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を含有していないことを特徴とする。
本発明のシアン染料層用塗工液によれば、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されたシアン染料層における染料の保存性安定性を向上させつつも、印画濃度の低下を防止することができる。また、本発明の熱転写シートによれば、シアン染料層における染料の保存性安定性を向上させつつも、印画濃度の低下を防止することができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
<<シアン染料層用塗工液>>
以下、本発明のシアン染料層用塗工液について説明する。本発明のシアン染料層用塗工液は、熱転写シートのシアン染料層を形成するために用いられる染料層用塗工液であり、バインダー樹脂、昇華性染料、及び溶媒を含有している。ここで、本発明のシアン染料層用塗工液は、バインダー樹脂として、ニトロセルロース樹脂を含有しており、昇華性染料として以下の一般式(1)で示される染料を含有していることを特徴としている。
Figure 2015016642
(一般式(1)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換のアリル基、又は置換又は非置換のアラルキル基を表わす。)
(ニトロセルロース樹脂)
シアン染料層用塗工液にはバインダー樹脂が含まれており、本発明では、このバインダー樹脂が、必須の成分としてニトロセルロース樹脂を含む点を特徴とする。ニトロセルロース樹脂は、昇華性染料に含まれる一般式(1)で示される染料との相性が良く、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層中において、当該一般式(1)で示される染料を十分に保持することができる特徴を有する。換言すれば、一般式(1)で示される染料の保存安定性に優れる特徴を有する。したがって、一般式(1)で示される染料と、ニトロセルロース樹脂を含有するシアン染料層用塗工液によれば、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されたシアン染料層を有する熱転写シートを巻取り状態で保管した時に、一般式(1)で示される染料を含む昇華性染料が、シアン染料層から熱転写シートの背面層へ移行する、所謂キックの発生が防止される。
また、シアン染料層用塗工液に含有されるニトロセルロース樹脂は、染料転写効率が高い特徴を有することから、シアン染料層用塗工液の塗工量を少なくした場合であっても高い印画濃度を得ることができる。
ニトロセルロース樹脂の粘度について特に限定はないが、シアン染料層用塗工液に、JIS K−6703による粘度が1/16未満のニトロセルロース樹脂を含有させた場合には、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層における昇華性染料の保存安定性が低下する傾向にある。一方、シアン染料層用塗工液にJIS K−6703による粘度が120を超えるニトロセルロース樹脂を含有させる場合には、当該シアン染料層用塗工液を用いてシアン染料層を形成する際にインキミスト等が発生するおそれが生じうる。
この点を考慮すると、シアン染料層用塗工液には、JIS K−6703による粘度で、1/16以上120以下のニトロセルロース樹脂が含有されていることが好ましく、1/8以上120以下のニトロセルロース樹脂が含有されていることが更に好ましい。換言すれば、JIS K−6703による粘度(溶液濃度25%)が1.0秒〜14.9秒、JIS K−6703による粘度(溶液濃度20%)が6.0秒〜8.0秒、或いはJIS K−6703による粘度(溶液濃度12.2%)が4.0秒〜140.0秒のものが好ましい。JIS K−6703による粘度がこの範囲内のニトロセルロース樹脂をシアン染料層用塗工液に含有させることで、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層における昇華性染料の保存安定性を更に向上させることができる。また、インキミストを生じさせることなく、シアン染料層を形成することができる。なお、本発明のシアン染料層用塗工液を用いたシアン染料層の形成時において、インキミストが発生した場合には、インキミストが付着した部分のシアン染料層の厚みが厚くなり、形成されるシアン染料層の厚みにバラツキが生ずる。インキミストの付着によってシアン染料層の厚みにバラツキが生じた場合には、同一のエネルギーを印加した時に、インキミストが付着した部分のシアン染料層を用いて形成される画像の濃度と、インキミストが付着していない部分のシアン染料層を用いて形成される画像の濃度にバラツキが生じ濃度ムラが生ずる。具体的には、インキミストが付着している部分のシアン染料層を用いて形成される画像は、インキミストが付着していない部分のシアン染料層を用いて形成された画像よりも印画濃度が高くなる。
粘度が上記範囲内のニトロセルロース樹脂は市販品をそのまま用いることができる。粘度が上記範囲内のものとしては、例えば、太平化学製品(株)製のJIS K−6703で指定される種類及び粘度記号で、H1/16,H1/8,L1/8,H1/4,L1/4,H1/2,H1",H5",H20,H60,H120のものを挙げることができる。これ以外にも、稲畑産業(株)製のDHX3−5,DHX5−10,DHX8−13,DHX11−16,DHX30−50,DHX40−70,DHL25−45,DHL120−170,H20(160−210),DHM10−25,SL−1,DLX3−5,DLX5−8,DLX8−13,DLX30−50等も使用可能である。
また、ニトロセルロース樹脂は、窒素分(硝化度)が10%以上であることが好ましい。また、取り扱いの安全性を考慮すると窒素分は12.3%以下であることが好ましい。窒素分が10%以上のニトロセルロース樹脂をシアン染料層用塗工液に含有させることで、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層において染料転写効率の更なる向上が見込まれる。
シアン染料層用塗工液には、本発明の趣旨を妨げない範囲内で、ニトロセルロース樹脂以外の他のバインダー樹脂が含まれていてもよい。他のバインダー樹脂としては、染料層に含まれる従来公知のバインダー樹脂、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
ニトロセルロース樹脂を含む全バインダー樹脂の固形分総量に対する、ニトロセルロース樹脂の含有量についても特に限定はないが、シアン染料層用塗工液中に含有されている全バインダー樹脂の固形分総量に対するニトロセルロース樹脂の含有量が70質量%未満である場合には、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層において、一般式(1)で示される染料を含む昇華性染料の保存安定性が低下していく傾向にある。また、染料転写効率も低下する傾向にある。この点を考慮すると、バインダー樹脂の固形分総量に対するニトロセルロース樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましい。上限値について特に限定はなく、100質量%である。
本願明細書において、シアン染料層用塗工液中に含有されている全バインダー樹脂の固形分総量とは、シアン染料層用塗工液中に分散、或いは溶解しているバインダー樹脂の固形分換算した時の量を意味する。このバインダー樹脂の固形分は、シアン染料層用塗工液に含有されている溶剤を揮発させることで測定することができる。以下で説明するシアン染料層用塗工液の固形分総量や、シアン染料層用塗工液中に含有されている昇華性染料の固形分総量についても同様である。
また、上記に例示した他のバインダー樹脂の中でも、ポリビニルブチラール樹脂や、ポリビニルアセタール樹脂は、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層において、当該シアン染料層と直接的に接する他の層との密着性を向上させることができる。例えば、基材上に、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層が設けられた熱転写シートにおいて、基材と当該シアン染料層との間にプライマー層を設ける場合には、シアン染料層とプライマー層との密着性を向上させることができ、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層を有する熱転写シートを用いた画像形成時に、熱転写受像シート等の被転写体にシアン染料層が層ごととられる異常転写の発生を防止することができる。
バインダー樹脂の固形分総量に対する、ポリビニルアセタール及び/又はポリビニルブチラールの合計質量は30質量%以下の範囲内であることが好ましい。30質量%を超える場合には、その分バインダー樹脂の固形分総量に対するニトロセルロース樹脂の含有量が低下していき、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層において染料の保存安定性が低下していく傾向にある。
また、シアン染料層用塗工液中における昇華性染料と、バインダー樹脂との質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))(以下D/B比という)を高くすることで濃度の向上を図ることもできる。具体的には、D/B比が2.0以上であることが好ましい。なお、昇華性染料の質量とは、一般式(1)、インドアニリン系の染料、及び必要に応じて含有される他の染料の合計質量であり、バインダー樹脂の質量とは、ニトロセルロース樹脂を含む全てのバインダー樹脂の合計質量を意味する。
D/B比の好ましい上限値について特に限定はないが、D/B比が3.5を超える場合には、バインダー樹脂に対する昇華性染料の染料量が多くなりすぎ、ニトロセルロース樹脂を含むバインダー樹脂が、一般式(1)で示される染料を含む昇華性染料を保持しきれず保存安定性が低下する場合がある。したがって、この点を考慮すると、D/B比は2.0以上3.5以下の範囲内であることが好ましい。
また、シアン染料層用塗工液の固形分総量に対する、ニトロセルロース樹脂を含むバインダー樹脂の含有量は、20質量%以上40質量%以下の範囲内であることが好ましい。D/B比を上記範囲内とするとともに、シアン染料層用塗工液の固形分総量に対するバインダー樹脂の含有量をこの範囲内とすることで、染料保持力や、染料転写効率のさらなる向上を図ることができる。
(昇華性染料)
シアン染料層用塗工液には、上記バインダー樹脂としてのニトロセルロース樹脂とともに、昇華性染料が含有されており、本発明では、昇華性染料が、必須の成分として上記一般式(1)で示される染料を含んでいる点を特徴とする。
上記一般式(1)で示される染料は、シアン染料層用塗工液に含有されているニトロセルロース樹脂による保持力が高い染料であり、ニトロセルロース樹脂と、上記一般式(1)で示される染料を含有するシアン染料層用塗工液とすることで、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されたシアン染料層に高い染料の保存安定性を付与することができる。その結果、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されたシアン染料層におけるキックの発生を防止することができる。
この高い保存安定性は、一般式(1)で示される染料と、ニトロセルロース樹脂との相乗効果によってもたらされるものであり、シアン染料層用塗工液が、一般式(1)で示される染料を含む場合であっても、バインダー樹脂としてニトロセルロース樹脂を含有していない場合には、一般式(1)で示される染料を含む昇華性染料を十分に保持することはできない。同様に、シアン染料層用塗工液が、バインダー樹脂としてニトロセルロース樹脂を含有している場合であっても、昇華性染料として一般式(1)で示される染料が含有されていない場合には、ニトロセルロース樹脂による保存安定性を十分に発揮することができない。したがって、一般式(1)で示される染料と、ニトロセルロース樹脂のいずれか一方を含有していないシアン染料層用塗工液を用いた場合には、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されたシアン染料層において、キックの発生を十分に防止することができない。
また、シアン染料層用塗工液中において、一般式(1)で示される染料を含む昇華性染料の固形分総量に対する、一般式(1)で示される染料の含有量が50質量%未満である場合には、ニトロセルロース樹脂によって一般式(1)で示される染料を含む昇華性染料を十分に保持することができず、形成されたシアン染料層においてキックの発生の防止効果が低下していく傾向にある。この点を考慮すると、シアン染料層用塗工液中に含有されている昇華性染料の固形分総量に対する、一般式(1)で示される染料の含有量は50質量%以上であることが好ましい。
一般式(1)で示される染料について特に限定はなく、アントラキノン骨格を有する染料であればよい。特には、一般式(1)中のR1が、置換又は非置換のアルキル基であって、R2が、置換又は非置換のアルキル基、或いは、置換又は非置換のアリール基であることが好ましい。一般式(1)で示される染料の好ましい例としては、下記一般式(1−1)で示されるSolvent Blue 63、下記一般式(1−2)で示されるDisperse Blue 24、下記一般式(1−3)で示されるSolvent Blue 36等を挙げることができる。
Figure 2015016642
上記一般式(1)で示される染料として、1種の染料を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
上記で説明したように、ニトロセルロース樹脂と、一般式(1)で示される染料とを含有するシアン染料層用塗工液によれば、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層においてキックの発生を防止することができる。また、ニトロセルロース樹脂は、一般式(1)で示される染料の染料濃度に何ら影響を及ぼさず、形成されたシアン染料層において濃度低下の問題を生じさせない。ところで、ニトロセルロース樹脂と、一般式(1)で示される染料とを含有しているシアン染料層用塗工液において、さらに、昇華性染料としてインドアニリン系の染料を、シアン染料層用塗工液の固形分総量に対し、30質量%以上含有せしめた場合には、インドアニリン系の染料の染料分解が起こり濃度や色相が大きく変動する。換言すれば、インドアニリン系の染料の消色が生じ、形成されるシアン染料層において濃度低下の問題を引き起こす。
このインドアニリン系の染料の消色は、シアン染料層用塗工液中において、ニトロセルロース樹脂が脱硝酸し、シアン染料層用塗工液が酸性雰囲気に晒されることによるものと推察される。具体的には、シアン染料層用塗工液中では、当該シアン染料層用塗工液に含有されている溶剤の存在によって、インドアニリン系の染料の分子が動きやすい状態となっており、シアン染料層用塗工液が酸性雰囲気に晒されることによりインドアニリン系の染料の染料分解が生じているものと推察される。
そこで、本発明では、シアン染料層用塗工液は、インドアニリン系の染料を、当該シアン染料層用塗工液に含有されている昇華性染料の固形分総量に対し、30質量%未満の割合で含有しているか、或いはインドアニリン系の染料を含有していない点を特徴とする。なお、昇華性染料の固形分総量とは、インドアニリン系の染料を含む昇華性染料の固形分総量を意味する。
インドアニリン系の染料とは、下記一般式(2)で表されるインドアニリン骨格を有する染料である。
Figure 2015016642
(一般式(2)中、R1は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基であるか或いはXと一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、R2は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、R1とR2とは酸素原子又は窒素原子を含有してもよい5員環又は6員環を形成してもよく、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基又はアミノ基を表し、R4は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基、置換または比置換のアリールオキシ基を表わし、R5とR6は夫々同一でも異なってもよく水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基又はウレイド基を表し、Xは水素原子であるか又はR1と一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、nは1又は2を表す。)
特には、一般式(2)中のR1、R2が、置換又は非置換のアルキル基であり、R3が、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R4が、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は、置換又は非置換のアルコキシ基であり、R5が、水素原子、ハロゲン原子であり、R6が、置換又は非置換のアルキル基であることが好ましい。インドアニリン系の染料層の好ましい例としては、例えば、下記一般式(2−1)〜(2−5)で示される染料を挙げることができる。
Figure 2015016642
インドアニリン系の染料は、ニトロセルロース樹脂と併用してシアン染料層用塗工液に含有せしめることで、染料分解による染料消色が起こるものの、本発明では、このインドアニリン系の染料の含有量が、シアン染料層用塗工液に含有されている昇華性染料の固形分総量に対し30質量%未満であることから、染料消色による影響は小さい。また、インドアニリン系の染料は、上記一般式(1)で示される染料よりも、染料濃度が高い染料であることから、30質量%未満の範囲内での含有量とした場合には、インドアニリン系の染料の染料消色の影響よりも、インドアニリン系の染料が有する高い濃度の利点の方が高い。したがって、インドアニリン系の染料を30質量%未満の範囲内での含有量とした場合には、インドアニリン系の染料を含有していない場合よりも、濃度の高い印画が可能なシアン染料層とすることができる。もしくは、インドアニリン系の染料を含ませない構成とした場合には、染料消色による濃度低下の問題自体が生じないことから、後述する任意の染料等を用いることで、濃度の高いシアン染料層を形成することができるシアン染料層用塗工液とすることができる。
また、シアン染料層用塗工液には、一般式(1)で示される染料、インドアニリン系の染料とともに、或いはインドアニリン系の染料にかえて、他の任意の昇華性染料を含ませることもできる。
例えば、下記一般式(3)、(4)、(5)で示される染料は、一般式(1)よりも染料の濃度が極めて高いことから、他の任意の昇華性染料として、シアン染料層用塗工液にこれらの昇華性染料を併せて含有せしめることで、濃度の高いシアン染料層を形成することができるシアン染料層用塗工液とすることができる。また、下記一般式(3)〜(5)で示される昇華性染料は、一般式(1)で示される染料との相性が良く、一般式(1)で示される染料と、下記一般式(3)〜(5)で示される染料の群から選択される1種、又は2種以上を、シアン染料層用塗工液中に含有せしめた場合であっても、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層において昇華性染料の析出を生じさせないことから、析出した昇華性染料が、印画時に未印画部と接触して未印画部を汚染する地汚れが発生することも併せて防止可能となる。
なお、下記一般式(3)〜(5)に示される染料は、一般式(1)で示される染料と比較して耐光性に劣るものの、一般式(1)で示される染料は、耐光性に極めて優れる染料である。したがって、一般式(1)で示される染料と、一般式(3)〜(5)に示される染料を併用して、シアン染料層用塗工液中に含有せしめた場合であっても、一般式(1)に示される染料の高い耐光性によって、当該シアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層における耐光性を満足させることができる。
Figure 2015016642
(一般式(3)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、又は置換又は非置換のアリール基を表わし、R3は、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の芳香族複素環基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子、又は他の電子吸引基を表わし、R4は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基を表わし、R5は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアルキルアミノスルホニル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表わす。R6は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、又はハロゲン原子を表わす。)
特には、一般式(3)中のR1、R2、R4、R6が、置換又は非置換のアルキル基であり、R3が、置換又は非置換のアリール基であり、R5が、シアノ基であることが好ましい。上記一般式(3)で示される染料の好ましい例としては、例えば、以下の一般式(3−1)で示される染料等を挙げることができる。
Figure 2015016642
Figure 2015016642
(一般式(4)中、R1及びR2は、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリル基、置換もしくは非置換のアリ−ル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のアラルキル基、または置換もしくは非置換のアルコキシアルキル基を表し、R3は、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子または水素原子を表し、R4は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アリール基を表す。)
特には、一般式(4)中のR1、R2、R3が、置換又は非置換のアルキル基であり、R4が、水素原子であることが好ましい。上記一般式(4)で示される染料の好ましい例としては、例えば、以下の一般式(4−1)で示されるDisperse Blue 354等を挙げることができる。
Figure 2015016642
Figure 2015016642
なお、上記一般式(3)〜(5)で示される染料は、一般式(1)と比較して、ニトロセルロース樹脂による保存安定性が低いことから、一般式(1)と、一般式(3)〜(5)の群から選択される1種、又は2種以上とを併用してシアン染料層用塗工液中に含有せしめる場合には、シアン染料層用塗工液に含有されている昇華性染料の固形分総量に対する一般式(1)で示される染料の含有量は、上記で説明した好ましい範囲、すなわち、50質量%以上であることが好ましい。一般式(1)で示される染料の含有量をこの範囲とすることで、昇華性染料全体としての保存安定性を十分に満足させることができ、これらの染料を含有せしめた場合であっても、本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されるシアン染料層において、キックの発生を防止することができる。
以上、他の任意染料として、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)で示される染料を中心に説明を行ったが、これ以外の染料であっても、インドアニリン骨格を有しない染料であれば、一般式(1)で示される染料と併用して、シアン染料層用塗工液に含有させることができる。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)で示される染料の含有量について特に限定はないが、昇華性染料の固形分総量に対する、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)の群から選択される1種の含有量、又は2種以上の合計の含有量は、15質量%以上50質量%未満の範囲内であることが好ましい。この範囲内とすることで、一般式(1)で示される染料を単体で用いた場合と比較して、濃度の更なる向上を図りつつも、キックの発生を効果的に防止することができる。
(溶剤)
シアン染料層用塗工液中に含有されている溶剤について特に限定はなく、ニトロセルロース樹脂、一般式(1)で示される染料、及び必要に応じて含有される任意の成分を、シアン染料層用塗工液中に分散、或いは溶解可能なものを適宜選択して用いることができる。溶剤の一例としては、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、シクロヘキサノン、DMF、キシレン、酢酸エチル等を挙げることができる。
また、シアン染料層用塗工液中には、昇華性染料やバインダー樹脂のほか、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等が挙げられる。また、シアン染料層用塗工液には、本発明の趣旨を妨げない範囲内で、離型剤が含有されていてもよい。離型剤としては、従来公知のシリコーンやリン酸エステル等や脂肪酸エステルを挙げることができる。
<<熱転写シート>>
次に、本発明の熱転写シートについて詳細に説明する。図1は、本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の熱転写シート10は、基材1の一方の面にシアン染料層2Cが設けられ、基材1の他方の面に背面層5が設けられた構成をとる。ここで、本発明の熱転写シート10は、シアン染料層2Cが、バインダー樹脂としてニトロセルロース樹脂を、また昇華性染料として上記本発明のシアン染料層用塗工液で説明した一般式(1)で示される染料を含有しており、シアン染料層2Cは、昇華性染料の固形分総量に対し、上記本発明のシアン染料層用塗工液で説明した一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を30質量%未満の割合で含有するか、又は当該インドアニリン系染料を含有していない点に特徴を有する。なお、図1では、基材1とシアン染料層2Cとの間にプライマー層3が設けられているが、プライマー層3は本発明の熱転写シート10における任意の構成である。以下、本発明の熱転写シートの各構成について説明する。
(基材)
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
(シアン染料層)
図1に示すように基材1上にはシアン染料層2Cが設けられている。シアン染料層2Cには、バインダー樹脂、及び昇華性染料が含有されている。以下、バインダー樹脂、及び昇華性染料について具体的に説明する。ここで、本発明の熱転写シート10は、シアン染料層2Cにバインダー樹脂として、ニトロセルロース樹脂が含有され、また、昇華性染料として、一般式(1)で示される染料が含有されている点を特徴とする。さらに、本発明の熱転写シート10は、シアン染料層2Cには、昇華性染料の固形分総量に対し、一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を30質量%未満の割合で含有するか、又は当該インドアニリン系染料を含有していない点を特徴とする。
この特徴を有するシアン染料層2Cによれば、ニトロセルロース樹脂と、一般式(1)で示される染料との相乗効果により、シアン染料層2Cにおける染料の保存安定性を向上させることができる。また、一般式(2)で示されるインドアニリン系の染料の含有量は、シアン染料層2Cに含有されている昇華性染料の固形分総量に対し30質量%未満に規定されている、或いは、一般式(2)で示されるインドアニリン系の染料が含有されていないことから、シアン染料層2Cを有する本発明の熱転写シート10を用いて、高濃度の印画を行うことができる。
シアン染料層2Cが上記効果を奏する理由は、上記で説明した本発明のシアン染料層用塗工液と同じ理由であり、ここでの詳細な説明は省略する。要約すれば、本発明のシアン染料層2Cは、上記で説明した本発明のシアン染料層用塗工液を用いて形成されたシアン染料層2Cであり、シアン染料層2Cに含有されている「バインダー樹脂」、「昇華性染料」、「任意の成分」については、シアン染料層用塗工液で説明したものをそのまま用いることができる。バインダー樹脂、ニトロセルロース樹脂、昇華性染料、一般式(1)で示される染料等の好ましい含有量についても、シアン染料層用塗工液で説明した好ましい含有量と同様である。
シアン染料層2Cの厚みについても特に限定はないが、シアン染料層2Cの厚みが0.13g/m2未満である場合には、濃度の向上効果が低下する傾向にある。また、シアン染料層2Cの厚みが、0.50m2を超えると染料転写効率が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、シアン染料層2Cの厚みは、乾燥時で0.13g/m2以上0.50g/m2以下であることが好ましい。
シアン染料層2Cの形成方法についても特に限定はなく、上記で説明した本発明のシアン染料層用塗工液を、グラビア印刷、ダイコート印刷、バーコート印刷、スクリーン印刷、又はグラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷等の手段により、基材1或いは、基材1上に設けられる任意の層上に塗工・乾燥して形成することができる。
なお、図1に示す形態では、基材1上にシアン染料層2Cのみが設けられた構成をとっているが、例えば、図2に示すように異なる昇華性染料を含む染料層を同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けることも可能である。なお、図2は、本発明における必須の層であるシアン染料層2C、及び任意の染料層であるイエロー染料層2Y、マゼンタ染料層2Mが、面順次に設けられた構成をとる熱転写シート10の一例を示す概略断面図である。また、図1で示される構成においてシアン染料層2Cと同一面上に、或いは図2に示す構成において、イエロー染料層2Y、マゼンタ染料層2M、シアン染料層2Cと同一面上に図示しない転写性保護層を設けることとしてもよい。
(プライマー層)
図1、2に示すように、基材1とシアン染料層2Cとの間には、プライマー層3が設けられていることが好ましい。プライマー層3を設けることで基材1とシアン染料層2Cとの密着性を向上させることができる。
プライマー層3を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、プライマー層3をコロイド状無機顔料超微粒子から構成することもできる。これにより熱転写時の熱転写受像シートへのシアン染料層2Cの異常転写を防止できるだけでなく、印画時のシアン染料層2Cからプライマー層3への染料の移行を防止し、熱転写受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことができ、印画濃度を高めることができる。
コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
プライマー層3は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散したプライマー層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗工・乾燥して形成することができる。プライマー層用塗工液の塗工量は、0.02〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
また、プライマー層3とともに、又はこれにかえて、各種の機能層を設けてもよい。各種の機能層としては、例えば、帯電防止層等を例示することができる。
(背面層)
図1に示すように、基材1の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5が設けられている。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、背面層5には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層5は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1のシアン染料層2Cの反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の塗工量は、耐熱性等の向上等の点から、乾燥後塗工量が3g/m2以下であることが好ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(シアン染料層用塗工液の準備)
下記組成のシアン染料層用塗工液1〜8、及びシアン染料層用塗工液A〜Gを準備した。
<シアン染料層用塗工液1>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.25部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 1.25部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液2>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.25部
・上記一般式(3−1)で示される染料 1.25部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液3>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 2.1部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 0.4部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液4>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.25部
・上記一般式(2−1)で示される染料 0.63部
・上記一般式(3−1)で示される染料 0.31部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 0.31部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液5>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.45部
・上記一般式(3−1)で示される染料 0.35部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 0.35部
・上記一般式(5)で示される染料 0.35部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液6>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.5部
・上記一般式(3−1)で示される染料 0.5部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 0.5部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液7>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 2.5部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液8>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 2.25部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 0.25部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液A>
・上記一般式(3−1)で示される染料 1.25部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 1.25部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液B>
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 2.5部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液C>
・上記一般式(3−1)で示される染料 2.5部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液D>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.32部
・上記一般式(2−1)で示される染料 0.88部
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 0.3部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液E>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.25部
・上記一般式(2−1)で示される染料 1.25部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液F>
・上記一般式(4−1)で示される染料(DB354) 1.25部
・上記一般式(2−1)で示される染料 1.25部
・ニトロセルロース樹脂 1部
(DHM10−25 稲畑産業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
<シアン染料層用塗工液G>
・上記一般式(1−1)で示される染料(SB63) 1.25部
・上記一般式(2−1)で示される染料 1.25部
・ポリビニルアセタール樹脂 1部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
上記で準備した、各シアン染料層用塗工液を50℃(湿度Free)の環境下で1ヶ月間保存後、当該シアン染料層を用いて、下記の熱転写シートの作成方法により、各実施例及び比較例の熱転写シートを得た。表1では、熱転写シートの作成に使用したシアン染料層用塗工液を示している。
(保存後のシアン染料層用塗工液を用いた熱転写シートの作成)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になるように塗工し、背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗工し、プライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、上記の保存条件で保存後の各シアン染料層用塗工液を乾燥時0.35g/m2になるように塗工し80℃で2分間乾燥することでシアン染料層を形成し、各実施例、比較例の熱転写シート(保存)を得た。なお、シアン染料層用塗工液1〜8を用いて得られた熱転写シートは、実施例1〜8の熱転写シートに対応し、シアン染料層用塗工液A〜Gを用いて得られた熱転写シートは、比較例1〜7の熱転写シートに対応している。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 6.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 22.0部
(バーノックD750−45 固形分45% DIC(株))
・リン酸エステル 3.0部
(プライサーフA−208N 第一工業製薬(株))
・タルク 1.0部
(ミクロエース P−3 日本タルク工業(株))
・メチルエチルケトン 60.0部
・トルエン 60.0部
<プライマー層用塗工液>
・アルミナゾル(固形分10%) 50部
(アルミナゾル200(羽毛状形態) 日産化学工業(株)))
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90 ISP社) 5部
・水 25部
・イソプロピルアルコール 20部
(未保存のシアン染料層用塗工液を用いた熱転写シートの作成)
上記熱転写シートの作成と同様の方法を用いて、シアン染料層用塗工液1〜8、シアン染料層用塗工液A〜Gを保存することなく、上記熱転写シートの作成と同様にして、未保存のシアン染料層用塗工液1〜8、シアン染料層用塗工液A〜Gを用いてシアン染料層が形成された各実施例、及び比較例の熱転写シート(未保存)を得た。
(保存によるシアン染料層用塗工液の濃度変化の評価)
上記各実施例、及び比較例の熱転写シート(未保存)を用い、テストプリンタ(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)にて、DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640)の熱転写受像シートに多段階の階調印画を行うことで画像を形成し、ODが1.5の濃度が得られた階調を確認した。
(シアン染料層用塗工液保存後の濃度変化の評価)
次いで、上記各実施例、及び比較例の熱転写シート(保存)を用い、上記熱転写シート(未保存)を用いた画像形成と同様にして印画を行い、ODが1.5の濃度が得られた階調を確認した。次いで、シアン染料層用塗工液の保存前後における階調変化を以下の(式A)により算出し、この階調変化の割合を濃度変化として、シアン染料層用塗工液の染料消色の評価を以下の評価基準に基づいて行った。表1に濃度の変化率(%)を示す。なお、表中の数値(%)がマイナスである場合には、シアン染料層用塗工液を保存後の濃度が、シアン染料層用塗工液を保存前の濃度から減少していることを意味する。
濃度の変化率(%)=((OD=1.5の階調(保存後の熱転写シート))−(OD=1.5の階調(未保存の熱転写シート)))/(OD=1.5の階調(未保存の熱転写シート)))×100・・・(式A)
「評価基準」
○・・・シアン染料層用塗工液を保存後の濃度変化(濃度の減少率)が5%未満である。
×・・・シアン染料層用塗工液を保存後の濃度変化(濃度の減少率)が5%以上である。
(印画濃度評価)
上記で得られた各実施例、比較例の熱転写シートを用い、テストプリンタ(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)にて、DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640)の熱転写受像シートにMax階調印画を行うことで画像を形成した。次いで、この画像上に、メディアセットの保護層を転写し実施例、比較例の印画物を形成した。
各実施例、比較例の印画物の濃度を、以下の条件で測色し、以下の評価基準に基づいて印画濃度の評価を行った。
(濃度測色条件)
・測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社製)
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
「評価基準」
○・・・濃度が2.2以上である。
△・・・濃度が1.9以上2.2未満である
×・・・濃度が1.9未満である。
(キック評価)
各実施例、比較例の熱転写シートのシアン染料層と、上記濃度評価で使用した熱転写受像シートの背面層が対向するように重ね合わせ、1.5kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、背面層側へのシアン染料層の染料の転写(キック)度合いの確認を行った。染料の転写度合いは、色彩色差計(CR321 コニカミノルタ(株)製)を用い、転写部の背面層の色相、及び未転写部の背面層の色相を測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。なお、L***は、CIE1976、L***表色系(JIS Z8729 1980)に規定されているL***を意味する。
ΔE*=((荷重前後のL*値の差)2+(荷重前後のa*値の差)2+(荷重前後のb*値の差)21/2
表1に色差の算出結果を示すとともに、以下の評価基準により評価した保存性の評価結果を示す。なお、荷重前後の色差が小さいほど、キックの度合いが少ないことを示す。
「評価基準」
○・・・荷重前後の背面層の色差(ΔE*)が10未満である。
×・・・荷重前後の背面層の色差(ΔE*)が10以上である。
Figure 2015016642
表1からも明らかなように、ニトロセルロース、一般式(1)を含有するシアン染料層用塗工液において、一般式(2)で示される染料の含有量が、昇華性染料の総質量に対し30質量%未満の割合であるシアン染料層用塗工液を用いて形成された各実施例の熱転写シートによれば、シアン染料層用塗工液の染料消色を防止しつつ、当該熱転写シートを用いて高い濃度の画像を形成することが確認できた。また、キックの発生を防止することが確認できた。特に、シアン染料層用塗工液が、昇華性染料の総質量に対し50質量%以上一般式(1)で示される染料を含有している実施例1〜6の熱転写シートでは、一般式(1)で示される染料の含有量がこの範囲外である場合と比較して、さらに高い濃度の画像を形成することが確認できた。
一方、一般式(1)で示される染料を含有していないシアン染料層用塗工液を用いて形成された比較例1〜3、6の熱転写シートではキックの発生を防止することができないことが確認できた。また、一般式(2)で示される染料が、昇華性染料の総質量に対し30質量%以上であるシアン染料層用塗工液を用いて形成された比較例4〜6の熱転写シートでは、シアン染料層用塗工液を保存前後においてシアン染料層における染料消色が生じていることが確認できた。また、ニトロセルロースにかえて、他のバインダー樹脂を含有せしめたシアン染料層用塗工液を用いて形成された比較例7の熱転写シートでは、キックの発生を防止することができないことが確認できた。この結果からも、本発明のシアン染料層用塗工液、或いは当該塗工液を用いて形成された熱転写シートの優位性は明らかとなっている。
10…熱転写シート
1…基材
2Y…イエロー染料層
2M…マゼンタ染料層
2C…シアン染料層
3…プライマー層
5…背面層

Claims (6)

  1. 熱転写シートのシアン染料層を形成するためのシアン染料層用塗工液であって、
    前記シアン染料層用塗工液は、ニトロセルロース樹脂、及び昇華性染料として下記一般式(1)で示される染料を含有しており、
    前記シアン染料層用塗工液は、前記昇華性染料として下記一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を、前記昇華性染料の総質量に対し30質量%未満の割合で含有しているか、又は当該一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を含有していないことを特徴とするシアン染料層用塗工液。
    Figure 2015016642
    (一般式(1)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換のアリル基、又は置換又は非置換のアラルキル基を表わす。)
    Figure 2015016642
    (一般式(2)中、R1は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基であるか或いはXと一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、R2は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、R1とR2とは酸素原子又は窒素原子を含有してもよい5員環又は6員環を形成してもよく、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基又はアミノ基を表し、R4は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基、置換または比置換のアリールオキシ基を表わし、R5とR6は夫々同一でも異なってもよく水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基又はウレイド基を表し、Xは水素原子であるか又はR1と一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、nは1又は2を表す。)
  2. 前記シアン染料層用塗工液は、前記一般式(1)で示される染料を、前記昇華性染料の総質量に対し50質量%以上含有していることを特徴とする請求項1に記載のシアン染料層用塗工液。
  3. 前記シアン染料層用塗工液は、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)で示される染料の群から選択される1種、又は2種以上を、前記昇華性染料の総質量に対し、15質量%以上含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシアン染料層用塗工液。
    Figure 2015016642
    (一般式(3)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、又は置換又は非置換のアリール基を表わし、R3は、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の芳香族複素環基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子、又は他の電子吸引基を表わし、R4は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基を表わし、R5は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非置換のアルキルアミノスルホニル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表わす。R6は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、又はハロゲン原子を表わす。)
    Figure 2015016642
    (一般式(4)中、R1及びR2は、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリル基、置換もしくは非置換のアリ−ル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のアラルキル基、または置換もしくは非置換のアルコキシアルキル基を表し、R3は、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子または水素原子を表し、R4は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アリール基を表す。)
    Figure 2015016642
  4. 前記一般式(1)で示される染料が、Solvent Blue 63であり、前記一般式(3)で示される染料が、下記一般式(3−1)で示される染料であり、一般式(4)で示される染料がDisperse Blue 354であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシアン染料層用塗工液。
    Figure 2015016642
  5. 前記シアン染料層用塗工液中における前記昇華性染料と前記バインダー樹脂の質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))が2.0以上3.5以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のシアン染料層用塗工液。
  6. 基材の一方の面にシアン染料層が設けられ、前記基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記シアン染料層は、ニトロセルロース樹脂、及び昇華性染料として下記一般式(1)で示される染料を含有しており、
    前記シアン染料層は、前記昇華性染料として下記一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を、前記昇華性染料の固形分総量に対し30質量%未満の割合で含有しているか、又は当該一般式(2)で示されるインドアニリン系染料を含有していないことを特徴とする熱転写シート。
    Figure 2015016642
    (一般式(1)中、R1及びR2は、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換のアリル基、又は置換又は非置換のアラルキル基を表わす。)
    Figure 2015016642
    (一般式(2)中、R1は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基であるか或いはXと一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、R2は、置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、R1とR2とは酸素原子又は窒素原子を含有してもよい5員環又は6員環を形成してもよく、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基又はアミノ基を表し、R4は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換のアルコキシ基、置換または比置換のアリールオキシ基を表わし、R5とR6は夫々同一でも異なってもよく水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基又はウレイド基を表し、Xは水素原子であるか又はR1と一緒に5員環又は6員環を形成する原子又は原子団を表し、nは1又は2を表す。)
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