JP2012213897A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性と滑性を維持し、水系受像シートと組合わせ、高温高湿下での印画ムラやキックバックを抑制できる熱転写シートを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】基材と基材の一方の面に設けた色材層と、色材層の反対面に設けた耐熱滑性層を備えた熱転写シート、および基材と基材の一方の面に設け受容層を備えた受像シートを、色材層と受容層が対向するように重ね合わせ、耐熱滑性層側から加熱・加圧して、色材層中の色材を受容層に熱転写して画像形成を行うことを含んでなり、耐熱滑性層がバインダー樹脂と融点が80℃以上である第1の滑材とを少なくとも含み、滑材が耐熱滑性層中に固形分換算で1〜30質量%含まれ、受像層が塩ビ系樹脂エマルジョンを塗布することにより形成されたものであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートを用いて、熱転写受像シートに画像形成を行う方法に関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られている。それらの中でも、昇華転写用染料を適当なバインダーで担持した色材層を基材上に設けた熱転写シートを用いて、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。このような熱転写シートを用いて形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
熱転写シートを用いて画像を形成する際には、一般的に、発熱体を一列に並べたライン状のサーマルヘッドを備えたプリンタを用い、サーマルヘッドの長さ方向に対して垂直の方向に、熱転写シートの色材層の面と被転写材とを重ね合わせた状態で走査させながら、基材面側から熱を加えて染料を被転写材へ転写することにより画像を形成する。
ところで、熱転写シートにおいては、基材に直接サーマルヘッドを接触させて印画を行うと、基材とサーマルヘッド間に生じる摩擦力により、走査時にスティッキングが発生し、印画不良となってしまう場合がある。また、印画時の熱によって基材がサーマルヘッドに融着し、熱転写シートの走行を妨げ、スティッキングを発生させるばかりか、著しい場合はシート破断を引き起こすことがある。これらを防ぐために、熱転写シートにおいては、基材のサーマルヘッドと接する面(すなわち、色材層を設けた面とは反対側の面)に、耐熱性の向上や滑性付与による走行安定性を目的として耐熱滑性層を設けることが行われているが、耐熱滑性層とサーマルヘッド間の滑性が不足すると、高階調での印画物を印画する際にインクリボンが熱ダメージを受け、リボンにシワが発生する。そのため、耐熱滑性層とサーマルヘッド間の動摩擦係数を調整する必要がある。
上記した耐熱滑性層は、バインダー樹脂、滑性成分であるリン酸エステル系界面活性剤やシリコーンオイル、およびタルク等を適当な溶剤に溶解ないし分散させた塗工液を基材に塗布して、乾燥することにより形成される。例えば、特開2009−61679号公報には、バインダー樹脂として、ポリビニルアセタール系樹脂とポリイソシアネートとを用い、滑材として、リン酸エステル系界面活性剤とポリエチレンワックスを用いた熱転写シートが提案されている。
しかしながら、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル等の常温で液体の滑材を用いて滑性を付与すると、耐熱滑性層から液体の滑材成分がブリードアウトする場合があり、熱転写シートの保管状態によっては、色材層から染料が耐熱滑性層へ移行して、色材層の他の色の部分へ再転移する、いわゆるキックバック現象が生じることがあった。
ところで、上記のような熱転写シートを用いて印画される受像シートとして、樹脂を有機溶剤に溶解または分散させた塗工液を用いて染料受容層を形成したような、いわゆる「溶剤系の受像シート」と、樹脂を水系の溶媒に溶解または分散させた塗工液を用いて染料受容層を形成したような、いわゆる「水系の受像シート」が知られている。溶剤系の受像シート」は、水系の受像シートと比較して、染料移行性に優れるものの、溶剤系の受像シート上に形成された画像は、水系の受像シート上に形成した画像と比較して光沢度が低く、高い光沢感が要求される場合には水系の受像シートが用いられるようになってきている。また、廃液等の処理による環境への影響等の問題から、近年では、有機溶剤を使用しない水系の受像シートが注目されている。
特開2009−61679号公報
本発明者らは、今般、上記したような熱転写シートと、特定の熱転写受像シートとを組み合わせると、高温高湿環境下で受像紙に熱転写を行った場合に、イエロー、マゼンタ、シアンと3色の染料を順次重ねて印画した際に、黒色の高濃度部にて濃度低下(つぶれ)やかすれである、いわゆる「コゲ」と呼ばれる印画ムラが発生する場合があることがわかった。特に、上記したような熱転写シートを水系の熱転写受像シートと組み合わせると、コゲの問題が生じやすいことがわかった。そして、熱転写シートの耐熱滑性層に、特定の滑材を添加することにより、水系の熱転写受像シートと組み合わせた場合であっても、走行安定性に優れ、コゲの発生やキックバックの発生を抑制することができる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、耐熱性と滑性を維持しながら、いわゆる水系の熱転写受像シートと組み合わせた場合の高温高湿環境下での印画ムラやキックバックを抑制できる、熱転写シートを用いた画像形成方法を提供することである。
本発明による画像形成方法は、熱転写シートを用いて、熱転写受像シートに画像形成を行う方法であって、
熱転写シート用基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シート、および、熱転写受像シート用基材と前記基材の一方の面に設けられた受容層とを少なくとも備えた熱転写受像シート、を準備し、
前記熱転写シートの色材層と前記熱転写受像シートの受容層とが対向するように、前記熱転写シートと前記熱転写受像シートとを重ね合わせ、
前記熱転写シートの耐熱滑性層側から加熱・加圧して、前記色材層中の色材を、前記受容層に熱転写して、画像形成を行う、
ことを含んでなり、
前記熱転写シートの耐熱滑性層が、バインダー樹脂と融点が80℃以上である第1の滑材とを少なくとも含んでなり、前記滑材が、前記耐熱滑性層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれ、
前記熱転写受像シートの受像層が、樹脂を水系の溶媒に溶解または分散させた塗工液を用いて形成されたものであることを特徴とするものである。
また、本発明の態様として、前記第1の滑材が、ステアリン酸亜鉛およびステアリルリン酸亜鉛から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記耐熱滑性層が、融点が40℃以下の第2の滑材をさらに含んでなることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記耐熱滑性層中の第1の滑剤が、固形分換算において、前記第2の滑剤よりも多く含まれることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記耐熱滑性層が、前記第2の滑材を、固形分換算で0.1〜10質量%含んでなることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記バインダー樹脂が水酸基含有熱可塑性樹脂を含んでなることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記耐熱滑性層が、硬化剤としてポリイソシアネート樹脂を含んでなることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記耐熱滑性層中に、前記バインダー樹脂が、固形分換算で30〜90質量%含まれてなることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記熱転写受像シートが、前記基材と前記受容層との間に断熱層を備えてなることが好ましい。
また、本発明の別の態様によれば、上記の画像形成方法により得られた印画物も提供される。
本発明の画像形成方法によれば、熱転写シートを用いて、いわゆる水系の熱転写受像シートに画像形成を行う場合であっても、耐熱性と滑性を維持しながら、コゲやキックバックの発生が抑制でき、優れた画像を得ることができる。
本発明の画像形成方法に使用される熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の画像形成方法に使用される熱転写受像シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。
本発明による画像形成方法は、熱転写シートを用いて熱転写受像シートに画像形成を行うものである。以下、本発明において用いる熱転写シートおよび熱転写受像シートについて説明する。
<熱転写シート>
本発明による画像形成方法において用いられる熱転写シートは、熱転写シート用基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えたものである。図1は、本発明において使用される熱転写シート1の一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材12の一方の面に、イエロー色材層(Y)、マゼンタ色材層(M)、シアン色材層(C)3つからなる色材層13が面順次に繰返し設けられており、また、基材12の他方の面に耐熱滑性層14が設けられた層構成を有する。
図1に示された層構成に限らず、例えば、基材12と耐熱滑性層14の間に、後記するプライマー層(接着層)を設けたり、基材12と色材層13との間にプライマー層(接着層)を設けたり、色材層13として、Y、M、Cの3種類に加えて、ブラック色材層(Bk)を設けてもよい。また、色材層が設けられている側に、Y、M、C、BK、保護層を面順次に繰返し形成した保護層一体型の熱転写シートとしてもよい。さらに、色材層側の基材上に、色材層とは別に、剥離層または離型層を介して保護層を設けてもよく、このような層構成の熱転写シートでは、画像を印画した際に、印画部分に保護層を転写することができる。保護層と被印画物(受像シート)との接着性を向上させるために、熱転写シートの保護層上には、接着層を設けてもよい。以下、熱転写シートを構成する各部材について、説明する。
<基材>
熱転写シートに使用される基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
基材は、厚さが一般に約0.5〜50μmであり、好ましくは約1.5〜10μmである。上記基材は、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
本発明においては、上記した表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。また、基材と上記した耐熱滑性層との間に、プライマー層(接着層)を塗工して形成することも可能である。そのプライマー層は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等を用いて形成することができる。
<耐熱滑性層>
本発明において使用される熱転写シートは、上記した基材の一方の面に耐熱滑性層が設けられているものである。この耐熱滑性層は、非加熱時の熱転写シートの滑性を向上させて高速印画を可能にするとともに、高速印画する際のサーマルヘッドからの熱への耐性を向上させるものである。本発明においては、この耐熱滑性層が、バインダー樹脂と融点が80℃以上である第1の滑材とを必須成分として含むものである。耐熱滑性層が、上記のような融点が80℃以上である第1の滑材を、固形分換算で1〜30質量%の範囲で含むことにより、転写エネルギーが中間ないし高エネルギーで印字する際の熱転写シートとサーマルヘッドとの摩擦係数を低減することができる。また、水系受像層を備えた熱転写受像シートに印画した場合であっても、「コゲ」の発生を抑制できる。
この理由は定かではないが、以下のように考えられる。熱転写シートを熱転写受像シートに印画する場合、印画時のサーマルヘッドからの熱エネルギーが受像シートにも伝達されるため、熱転写受像シートの受像層も高温になる。ところで、受像シートとして、樹脂を水系の溶媒に溶解または分散させた塗工液を用いて受像層を形成した、いわゆる水系の受像シートを使用する場合、非水溶性の樹脂を用いて受容層を形成したものと比較して、受像シートの受容層が水分を含みやすい。本発明者らは、印画ムラである「コゲ」が、熱転写時に受像シート側にも熱が伝達すると、受容層中の水分が急激に蒸発することにより発生することを見出した。また、熱転写時に熱転写シートの加熱および加圧によって耐熱滑性層が軟化する際に、その表面の硬さにムラが生じることにより、熱転写シートを受像シートに重ね合わせて熱転写を行う際に、その硬さムラが、受容層に伝達される熱エネルギーに影響してコゲが発生することを見出した。そして、熱転写シートの耐熱滑性層成分として、ステアリン酸亜鉛やステアリルリン酸亜鉛等の融点が80℃以上の第1の滑材を特定の量で含有させることにより、耐熱滑性層の熱転写時の硬さムラが低減されて、滑性を維持しながら、コゲやキックバックが抑制されることを見出した。
このような融点が80℃以上である第1の滑材としては、アルキルリン酸エステルの多価金属塩やアルキルカルボン酸の金属塩、ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイド等が挙げられる。アルキルリン酸エステルの多価金属塩やアルキルカルボン酸の金属塩としてはステアリン酸亜鉛やステアリルリン酸亜鉛が挙げられる。また、ポリエチレンワックスとしては、高密度および低密度ポリエチレンワックスがあり、低密度ポリエチレンは構造上、エチレン重合体で分岐が存在しているのが多く含まれ、これに対し、高密度ポリエチレンは比較的、ポリエチレンの直鎖状構造を主体に構成されているものである。例えば、密度が0.94〜0.97のポリエチレンワックス粒子(ポリエチレンワックスを粒状に微粉末化したもの)を好適に使用できる。本発明においては、上記した滑材のなかでも、特に、ステアリン酸亜鉛やステアリルリン酸亜鉛を好ましく使用できる。
耐熱滑性層は、上記した第1の滑材の他に、第2の滑材として、融点が40℃以下の滑材を含んでいてもよい。上記のような融点の比較的高い滑材が耐熱滑性層に添加されることにより、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの滑りがより向上するため、スティッキング等の発生を抑制することができる。このような低融点の滑材は、コゲやキックバックの発生を起こさせる恐れがあるが、本発明においては、上記のように耐熱滑性層中に1〜30質量%の割合で高融点の滑材が含まれているため、このような比較的低い融点を有する滑材を併用しても、コゲやキックバックの発生を抑制することができ、その結果、コゲやキックバックの発生を抑制しながら、滑性をより向上させることができる。
第2の滑材である融点が40℃以下の滑材としては、例えば、シリコーンオイルやリン酸エステル等が挙げられる。これら40℃以下の滑材は市販のものを使用してもよく、例えば、X−22−173DX等(信越化学工業株式会社製)やA−208N等(第一工業製薬株式会社製)などを好適に使用することができる。
耐熱滑性層中に第2の滑剤が含まれる場合、耐熱滑性層中の第1の滑剤が、固形分換算において、前記第2の滑剤よりも多く含まれることが好ましい。第2の滑剤の含有量が第1の滑剤の含有量よりも多くなると、印画時に耐熱滑性層の硬さムラが発生し易くなり、コゲが発生する場合がある。コゲやキックバックの発生を抑制しながら滑性をより向上させることができる第2の滑材の添加量の範囲としては、耐熱滑性層の固形分換算で0.1〜10質量%であることが好ましい。
耐熱滑性層の成分であるバインダー樹脂として、水酸基含有熱可塑性樹脂と硬化剤であるポリイソシアネート樹脂とが架橋反応した構造の樹脂を好適に使用することができる。このような樹脂と上記した滑材とを併用することにより、耐熱滑性層の耐熱性と滑性とを維持しながら、後記するようないわゆる水系の熱転写受像シートと組み合わせて使用した場合であっても、高温高湿環境下での印画ムラやキックバックを抑制することができる。
バインダー樹脂として用いる水酸基含有熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びポリアセトアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン変性またはフッ素性ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、分子中に多くの水酸基を有しているポリビニルブチラール樹脂及びポリアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂を好適に使用できる。
また、上記した樹脂の硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、耐熱滑性層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
上記したバインダー樹脂中の水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂との割合は、水酸基含有熱可塑性樹脂100質量部に対し、ポリイソシアネート樹脂が5〜200質量部の割合で含まれることが好ましい。ポリイソシアネートの使用量が少なすぎると架橋密度が低く、耐熱性が不十分となり、好ましくない。一方、ポリイソシアネートの使用量が多すぎると、形成される塗膜の収縮の制御が難しくなったり、硬化する時間が長くなったり、未反応のイソシアネート基が耐熱滑性層中に残存し、空気中の水分と反応する等の問題を生じる。
耐熱滑性層には、上記した成分以外にも、滑性の補助的な調整のために、無機または有機の微粒子が添加されていてもよい。無機微粒子としては、例えば、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機微粒子が挙げられる。有機微粒子としては、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機樹脂微粒子、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる。上記した無機または有機の微粒子のなかでもタルクを好適に使用することができる。また、市販されているものを使用してもよく、例えば、ミクロエースP−3(日本タルク工業株式会社製)等を好適に使用することができる。
耐熱滑性層を基材シート上に設けるには、上記の成分を、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の適当な溶媒に溶解して、耐熱滑性層形成用インキとして、これをグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の適切な印刷方法、塗布方法により基材シート上に形成する。次いで30℃〜80℃の温度に加熱することによって乾燥するとともに、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとを反応させて、耐熱滑性層を形成すればよい。
耐熱滑性層の厚さは0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmであることが好ましい。この膜厚が0.05μmよりも薄い場合は、耐熱滑性層としての効果が十分ではなく、また1μmよりも厚いと熱転写性色材層へのサーマルヘッドからの熱伝達が悪くなり、印字濃度が低くなるという欠点を生じる。
<色材層>
本発明による画像形成方法において使用される熱転写シートは、上記した基材の、耐熱滑性層を設けた面とは反対側の面に色材層を備えるものである。本発明の熱転写シートは、所望の画像がモノカラーである場合には、色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択し形成することができる。
本発明の熱転写シートは、昇華型熱転写シートである場合には、色材層として昇華性の染料を含む層を形成し、熱溶融型の熱転写シートである場合には、色材層として顔料等で着色した熱溶融性インキ層を形成する。以下、本発明による熱転写シートが昇華型熱転写シートである場合を一例に説明するが、熱溶融型のものであってもよく、本発明が昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
昇華型の染料層に用いられる昇華型の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。上記昇華性の染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示列挙された化合物等が挙げられる。
上記染料層において、昇華性染料は染料層の全固形分に対し5〜90質量%、好ましくは20〜80質量%の量である。
上記昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。上記したバインダー樹脂のなかでも、耐熱性、染料の移行性等が優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が特に好ましい。
上記染料層は、所望により、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を使用してもよい。上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。また、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
上記した染料層は、上述の染料とバインダー樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、上述の基材の一方の面に上記塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
上記有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。上記染料層の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜6.0g/m、好ましくは0.2〜3.0g/m程度である。
<その他の層>
本発明による熱転写シートは、基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなるものであれば、転写保護層として接着層、剥離層、離型層、又は、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。上記転写保護層を上述の色材層と面順次に形成した場合、画像形成後に画像面を保護する保護層を転写することができる。
上記転写保護層の構成及び調製は、特に限定されず、使用する基材シート、色材層等の特徴に応じて、従来公知の技術より選択することができる。上記下引き層は、特に限定されず、基材と色材層との接着性や染料の転写効率を向上させる組成を適宜選択して設けることができる。
<熱転写受像シート>
次に、本発明において用いる熱転写受像シートについて説明する。熱転写受像シートは、熱転写受像シート用基材と前記基材の一方の面に設けられた受容層とを少なくとも備えたものである。図2は、本発明において使用される熱転写受像シート2の一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材22の一方の面に、受容層23が設けられており、その基材と受容層との間に、断熱層24や中間層25が設けられた層構成を有する。以下、熱転写受像シートを構成する各部材について、説明する。
<基材>
熱転写受像シートを構成する基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。このような基材としては、特に限定されるものではなく、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用できるが、これらに限定されるものではない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製、)等が好ましい。なお、基材の厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
基材として積層体を用いる場合、上記したような材料のなかから2種以上を貼り合わせることにより積層体とすることができる。貼合方法としては、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等、従来公知の方法を採用することができる。また、上記したような中空粒子層を積層する方法としては、グラビアコート、コンマコート、ブレードコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコート等の塗布手段を使用できるが、これらに限定されるものではない。
<受容層>
基材上に設けられる受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。本発明においては、受容層は、塩ビ系樹脂エマルジョンを用いて形成されるものであるが、その他に、架橋剤、離型剤およびその他の添加剤をさらに含んでもよい。塩ビ系樹脂エマルジョンとしては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系樹脂(塩酢ビ系樹脂)をエマルジョン形態としたものを好適に使用できる。これら塩ビ系樹脂エマルジョンは市販のものを使用してもよく、例えば、VB603(塩酢ビ系樹脂)VB985(塩ビ系樹脂)、VB900(塩ビアクリル系樹脂)、およびソルバインC(水分散液、塩酢ビ系樹脂)(以上、日信化学工業(株)製)等を好適に使用することができる。上記のような親水性樹脂バインダーを用いて形成された受容層を備えた熱転写受像シートは、従来の熱転写シートと組み合わせて熱転写画像を形成した場合、高温高湿環境下で受像紙に熱転写を行うと、いわゆる「コゲ」と呼ばれる印画ムラが発生する場合があったが、上記したような熱転写シートと組み合わせて用いることにより、コゲの発生を防止することができる。
受容層を形成する際に用いられる塩ビ系樹脂エマルジョンには、架橋剤が含まれていてもよく、このような架橋剤としては、エポキシ当量が300以下、好ましくは200以下100以上であり、かつ官能基数が2以上、好ましくは4以上10以下であるエポキシ架橋剤を含むものを好適に用いることができる。なお、エポキシ当量(g/eq)とは、官能基一個当たりのエポキシ架橋剤の分子量の値のことである。また、官能基数とは、エポキシ架橋剤1分子中のエポキシ基の数のことである。すなわち、エポキシ当量が小さく、官能基数が多いものほど架橋剤としての架橋効果が高いといえる。エポキシ当量が小さく、官能基数が上記範囲内程度のエポキシ架橋剤を含む架橋剤を用いることで、こげ性能、耐水性、画像濃度等の各種性能をより向上させることができる。また、架橋剤のエポキシ基が塗布層中の成分のカルボキシル基と反応して、樹脂の一部または全部を架橋することで、こげ性能、耐水性、画像濃度等の各種性能をより向上することができる。
架橋剤の含有量は、樹脂の総固形分質量(塩ビ系樹脂、架橋剤および中空粒子等の合計)に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%であり、さらにより好ましくは1〜10質量%である。架橋剤の含有量が上記範囲程度であれば、こげ性能、耐水性、画像濃度等の各種性能をより向上できる。本発明においては、市販のエポキシ架橋剤を用いることもでき、例えば、EX512、EX521、EX851、EX832(以上、ナガセケムテックス(株))、およびCR5L(DIC(株))等が挙げられる。なお、上記のエポキシ架橋剤を含む架橋剤を、基材の受容層面側において各層(例えば受容層や断熱層や中間層)のいずれか一層以上もしくは全層に添加してもよい。
受容層には、熱転写シートとの離型性を向上させるために、離型剤を含有させてもよい。離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、ジメチルシリコーンもしくはポリエーテル変性シリコーン型の離型剤を用いることが特に好ましい。これらの離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、例えば、KF615AおよびKF352A(信越化学工業(株)製)、ならびにFZ2101およびSF8410(東レダウコーニング(株)製)等が好ましい。
<断熱層、中間層およびその他の層>
基材と受容層との間には、受容層と基材との接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、カール防止性等の付与を目的とし、従来公知の断熱層や中間層(プライマー層)を設けてもよい。例えば、断熱層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性やクッション性を有するものである。断熱層は中空粒子を含んでいてもよく、上記の架橋剤、上記の親水性バインダー、およびその他の添加剤をさらに含んでもよい。断熱層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備えることができる。また、好ましい態様によれば、断熱層は2層以上からなるものであってもよい。このように断熱層を2層以上設けることで、印画品質に影響する断熱性およびクッション性と、基材への密着性とを改善することができる。ここで、断熱層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、断熱層のクッション性の程度についても、例えば、断熱層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。
断熱層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、断熱層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
中空粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の体積平均粒径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、HP−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
中間層(プライマー層)は、断熱層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の断熱層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、上記の中空粒子、上記の親水性バインダー、およびバインダー樹脂を含むものであり、バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
中間層のバインダー樹脂として用いられるアクリル系樹脂としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
受容層、下記の断熱層および中間層には、親水性樹脂バインダーが含まれていてもよい。親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、受容層、断熱層、および中間層等の各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、塗布適性の向上ができる。また、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
さらに、熱転写受像シートの受容層に上記した離型剤を添加するかわりに、別途、受容層上に離型層(図示せず)を設けてもよい。また、上記した各層以外にも、他の層を設けてもよい。他の層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。他の層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、他の層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
<画像形成方法>
本発明による画像形成方法は、上記熱転写シートを用いて、上記熱転写受像シート上に画像形成を行うものであり、熱転写シートの色材層と熱転写受像シートの受容層とが対向するように、熱転写シートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、熱転写シートの耐熱滑性層側から、記録信号に応じて熱エネルギーを付与できる加熱・加圧手段により、熱転写シートの色材層中の色材を、熱転写受像シートの受容層に熱転写して、画像形成を行うものである。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の手段を採用することができ、例えば、サーマルプリンター等サーマルヘッド等を用いて、熱エネルギーを付与することができる。
また、本発明においては、熱転写時の速度は、好ましくは2〜50cm/秒、より好ましくは5〜20cm/秒である。印画物の印画時間の観点からは、印刷速度は速い方が好ましいが、印刷速度が2〜50cm/秒のような高速になると、十分な印画濃度とするためにサーマルヘッドへの印加電圧を上げる必要があり、熱転写シートの耐熱滑性層への熱ダメージが大きくなってコゲが発生し易くなる。本発明においては、このような印刷速度が高い場合であっても、コゲの発生を抑制することができる。印刷速度が50cm/秒を超えると、コゲが発生する場合がある。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
実施例1
<熱転写シートの準備>
厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、下記表1に示した各成分をメチルエチルケトン/トルエンの混合溶剤(質量比1:5)に溶解ないし分散させた耐熱滑性層用塗工液を、塗布量が固形分換算で0.5g/mとなるように塗布し、乾燥させることにより耐熱滑性層を形成した。なお、表中の数値は、耐熱滑性層中に含まれる各成分の含有量(固形分換算での質量部)を意味する。
次に、基材シートの、耐熱滑性層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成のプライマー層用塗工液を、乾燥塗布量が0.10g/mになるように塗布、乾燥してプライマー層を形成した。
<プライマー層用塗工液>
コロイダルシリカ(粒子径4〜6nm、固形分10%) 30部
(スノーテック OXS、日産化学工業(株)製)
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 3部
水 50部
イソプロピルアルコール 17部
続いて、プライマー層上に、下記組成のイエロー染料層塗工液(Y)、マゼンタ染料層塗工液(M)、およびシアン染料層塗工液(C)を、各層の乾燥塗布量が0.6g/mになるように塗布、乾燥してこの順に面順次に繰返して形成した。
<イエロー染料層用塗工液(Y)>
分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料A) 2.5部
バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
Figure 2012213897
<マゼンタ染料層用塗工液(M)>
分散染料(MSレッドG) 1.5部
分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液(C)>
分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
また、基材シートの、耐熱滑性層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成の離型層塗工液を、固形分換算で1.0g/mの割合で塗布、乾燥して離型層を形成した後、離型層上に、上記したプライマー層塗工液を、乾燥塗布量が0.10g/mになるように塗布、乾燥してプライマー層を形成し、さらにそのプライマー層上に、下記組成の保護層用塗工液を、固形分換算で1.5g/mの割合で塗布、乾燥して形成した。
<離型層用塗工液>
ウレタン樹脂(クリスボン9004、DIC(株)製) 20.0部
ポリビニルアセトアセタール樹脂(KS−5、積水化学工業(株)製) 5.0部
ジメチルホルムアルマイド 80.0部
メチルエチルケトン 120.0部
<保護層用塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社製) 69.6部
反応性紫外線吸収剤を反応結合したアクリル共重合体
(UVA635L、BASFジャパン製) 17.4部
シリカ(サイリシア310、富士シリシア社製) 25部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 20部
上記のようにして、基材層の一方の面に耐熱滑性層が設けられ、基材層の他方の面に、プライマー層/染料層(Y,M,C)の積層と、離型層/プライマー層/保護層の積層とが設けられた熱転写シートを得た。
実施例2〜14及び比較例1〜2
実施例1で用いた耐熱滑性層用塗工液に代えて、下記表1に示した各成分をメチルエチルケトン/トルエンの混合溶剤(質量比1:5)に溶解ないし分散させた耐熱滑性層用塗工液を用いて耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
<熱転写受像シートの準備>
基材シートとしてRCペーパー(三菱製紙株式会社製)を用い、下記の組成の断熱層用塗布液および受容層用塗布液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ12μm、3μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥することにより、熱転写受像シート1を得た。なお、下記の塗布液は、いずれも、全固形分が15〜30%となるように純水を用いて希釈したものである。
<断熱層用塗布液>
中空粒子(MH5055、日本ゼオン株式会社製、体積平均粒径0.5μm)70部
ゼラチン(RR、新田ゼラチン株式会社製) 25部
水性ポリウレタン樹脂(AP40、DIC株式会社製) 5部
<受容層用塗布液1>
塩酢ビ系樹脂(VB603、日信化学工業(株)製) 100部
ポリエーテル変性シリコーン(KF615A、信越化学工業(株)製) 10.5部
エポキシ架橋剤(EX512、ナガセケムテックス(株)製) 5部
また、上記の受容層用塗布液に代えて、下記組成の受容層用塗布液2を用いた以外は上記と同様にして熱転写受像シート2を得た。
<受容層用塗布液2>
塩化ビニル系樹脂(ビニブラン900、日信化学工業(株)製) 80部
ポリエーテル変性シリコーン(KF−615A、信越化学工業(株)製) 10部
ゼラチン(G−0637K、新田ゼラチン(株)製) 20部
界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業(株)製) 0.5部
水 400部
また、上記の受容層用塗布液に代えて、下記組成の受容層用塗布液3を用いた以外は上記と同様にして熱転写受像シート3を得た。
<受容層用塗布液3>
エマルジョン(固形分として) 90部
ゼラチン(RR、新田ゼラチン(株)製)(固形分として) 10部
ポリエーテル変性シリコーン(KF615A、信越化学工業(株式)製) 10部
界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業(株)製) 1部
水 333部
なお、上記のエマルジョンは以下のようにして調製した。500mL(リットル)三角フラスコに、共重合体形成モノマーとして、スチレン121g、エチルアクリレート77g、アクリル酸2g、および乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)1.9gを入れ、攪拌して混合した(これを以下、モノマーAと呼ぶ)。次いで、1L三口フラスコに、蒸留水200gを入れて80℃まで加熱し、上記のモノマーAの全量の約20%程度を加え、10分間攪拌した。その後、純水20gに溶解させた過硫酸アンモニウム0.4gを反応系に加えて10分間攪拌した後、残り80%のモノマーAを滴下ロートにて3時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、#150メッシュ(日本織物)にてろ過し、エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの分子量240000、Tg50℃であった。また、スチレンおよびエチルアクリレートの分子量と反応に使用した量から算出される、それぞれの含有量は60%及び40%となる。
<コゲの評価>
昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS(株)製、型式:CW−01)のメディアセットCW−MS46のY,M,C領域に、上記で得られた熱転写シートをY,M,Cそれぞれ貼り付け、プリンタと熱転写受像シートとを高温高湿環境下(40度85%など)に結露なきよう3時間放置した後、熱転写受像シートに、記録速度6.5cm/秒(実測)で黒ベタ画像(255/255階調)を印画して、コゲレベルを目視にて評価した。なお、本発明において、「コゲ」とは、受像紙表面の荒れや凹凸により、画像濃度にムラができることをいう。特に、黒ベタ画像においては顕著に確認される。また、記録速度とは、ポストカードサイズの印画物にイエロー印画を行う際に、印画開始から終了までに要した時間を計測し、1秒あたりに換算したものを意味する。
評価基準は下記の通りとした。
4:黒ベタ印画物に濃度ムラが発生しなかった。
3:黒ベタ印画物の印画領域全体の20%未満の面積で濃度ムラが発生した。
2:黒ベタ印画物の印画領域全体の20%以上50%未満の面積で濃度ムラが発生した。
1:黒ベタ印画物の印画領域全体の50%以上の面積で濃度ムラが発生した。
評価結果は、下記の表1に示される通りであった。
<滑性評価(背面摩擦評価)>
上記で得られた各熱転写シートと熱転写受像シートとを組み合わせ、以下の条件で印画時の摩擦力を測定した。なお、印画及び摩擦力の測定には、特開2003−300338号公報で記載されている摩擦力測定機能付熱転写プリンタを使用した。
<印画条件>
サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω解像度300dpi(dots per inch)
ライン速度:1ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(line per inch))
パルスデューティ:90%
印加電圧:30.0V
印圧:40N
印画画像:幅1388ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで、階調0〜255のグラデーション画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
上記の印画条件にて、最高印画階調値のベタバターン(高濃度部)、および、128/255階調(グレー)のベタパターン(中間濃度部)の印画を行い、その時の動摩擦係数を測定し、以下の評価基準にて、耐熱性の評価を行った。
1:動摩擦係数が0.5以上
2:動摩擦係数が0.4以上0.5未満
3:動摩擦係数が0.4以下
評価結果は、下記の表1に示される通りであった。
バック評価
上記で得られた各熱転写シートの耐熱滑性層とマゼンタ染料層を対向させ、20kg/cmの荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側に染料層の染料を移行(キック)させた。この耐熱滑性層と保護層とを対向させ、20kg/cmの荷重をかけて、50℃、湿度20%環境下で24時間保管した。その後、耐熱滑性層の染料が移行(バック)した保護層転写体と受像紙(カラーインク/ペーパーセットKP−36IP、キヤノン(株)製)の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、110℃、4mm/secにて転写を行った。更に、受像紙から基材シートを剥がし、転写部の色相を、グレタグ社製GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、色差(ΔE)を下記式にて算出して下記基準に基づき評価した。
ΔE=((対向前後のL値の差)+(対向前後のa値の差)+(対向前後のb値の差)1/2
1:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが3.5以上
2:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが2.5以上3.5未満
3:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが1.5以上2.5未満
4:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが1.5未満
評価結果は、下記表1に示される通りであった。
Figure 2012213897
なお、上記の表1中、
BX−1とは、ポリビニルブチラール樹脂であるエスレックBX−1(積水化学工業(株)製)を、
#3000−1とは、ポリビニルブチラール樹脂であるデンカブチラール#3000−1(電気化学工業(株)製)を、
D750とは、ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%)であるバーノックD750−45(大日本インキ化学工業(株)製)を、
SZ−PFとは、堺化学工業(株)製のステアリン酸亜鉛(融点116〜125℃)を、
LBT−1830精製とは、堺化学工業(株)製のステアリルリン酸亜鉛(融点220〜240℃)を、
ポリワックスとは、融点110〜118℃、平均粒径10μmのポリエチレンワックスであるポリワックス3000(東洋ペトロライト(株)製)を、
173DXとは、常温(25℃)で液体の変性シリコーンオイルであるX−22−173DX(信越化学工業(株)製)を、
A208Nとは、常温(25℃)で液体のリン酸エステルであるプライサーフA208A(第一工業製薬(株)製)を、そして
P3とは、タルクであるミクロエースP−3(日本タルク工業(株)製)を表す。
1 熱転写シート
2 熱転写受像シート
12 熱転写シート用基材
13 色材層
14 耐熱滑性層
22 熱転写受像シート用基材
23 受容層
24 中間層
25 断熱層

Claims (10)

  1. 熱転写シートを用いて、熱転写受像シートに画像形成を行う方法であって、
    熱転写シート用基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シート、および、熱転写受像シート用基材と前記基材の一方の面に設けられた受容層とを少なくとも備えた熱転写受像シート、を準備し、
    前記熱転写シートの色材層と前記熱転写受像シートの受容層とが対向するように、前記熱転写シートと前記熱転写受像シートとを重ね合わせ、
    前記熱転写シートの耐熱滑性層側から加熱・加圧して、前記色材層中の色材を、前記受容層に熱転写して、画像形成を行う、
    ことを含んでなり、
    前記熱転写シートの耐熱滑性層が、バインダー樹脂と融点が80℃以上である第1の滑材とを少なくとも含んでなり、前記滑材が、前記耐熱滑性層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれ、
    前記熱転写受像シートの受像層が、樹脂を水系の溶媒に溶解または分散させた塗工液を用いて形成されたものであることを特徴とする、画像形成方法。
  2. 前記第1の滑材が、ステアリン酸亜鉛およびステアリルリン酸亜鉛から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記耐熱滑性層が、融点が40℃以下の第2の滑材をさらに含んでなる、請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記耐熱滑性層中の第1の滑剤が、固形分換算において、前記第2の滑剤よりも多く含まれる、請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記耐熱滑性層が、前記第2の滑材を、固形分換算で0.1〜10質量%含んでなる、請求項3または4に記載の画像形成方法。
  6. 前記バインダー樹脂が水酸基含有熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記耐熱滑性層が、硬化剤としてポリイソシアネート樹脂を含んでなる、請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記耐熱滑性層中に、前記バインダー樹脂が、固形分換算で30〜90質量%含まれてなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記熱転写受像シートが、前記基材と前記受容層との間に断熱層を備えてなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により得られた印画物。
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