JP2012152968A - 耐熱滑性層形成用組成物、およびそれを用いた熱転写シートの製造方法 - Google Patents

耐熱滑性層形成用組成物、およびそれを用いた熱転写シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱滑性層をインライン工程により形成でき、かつキックバック現象も地汚れも同時に解消できる熱転写シートを製造することができる耐熱滑性層形成用組成であって、基材上に均一な膜厚の耐熱滑性層が形成でき、耐熱滑性層の形成(硬化)速度が向上するとともに、耐熱滑性層形成用組成物の保存安定性も改善できる、耐熱滑性層形成用組成を提供する。
【手段】水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなるバインダー樹脂、滑材、およびポリエチレンワックス、および、溶剤としてケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合物、を少なくとも含んでなり、前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基価が、9質量%以上であり、前記ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が、0.3〜2.0であり、前記溶剤において、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合割合が、質量基準において、1:1〜10:1の範囲とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートの製造に用いられる耐熱滑性層形成用組成物に関し、より詳細には、耐熱滑性層をインライン工程により形成でき、かつキックバック現象も地汚れも同時に解消できる熱転写シートを製造することができる耐熱滑性層形成用組成物に関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られている。それらの中でも、昇華転写用染料を適当なバインダーで担持した色材層を基材上に設けた熱転写シートを用いて、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。このような熱転写シートを用いて形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
熱転写シートを用いて画像を形成する際には、一般的に、発熱体を一列に並べたライン状のサーマルヘッドを備えたプリンタを用い、サーマルヘッドの長さ方向に対して垂直の方向に、熱転写シートの色材層の面と被転写材とを重ね合わせた状態で走査させながら、基材面側から熱を加えて染料を被転写材へ転写することにより画像を形成する。
ところで、熱転写シートにおいては、基材に直接サーマルヘッドを接触させて印画を行うと、基材とサーマルヘッド間に生じる摩擦力により、走査時にスティッキングが発生し、印画不良となってしまう場合がある。また、印画時の熱によって基材がサーマルヘッドに融着し、熱転写シートの走行を妨げ、スティッキングを発生させるばかりか、著しい場合はシート破断を引き起こすことがある。これらを防ぐために、熱転写シートにおいては、基材のサーマルヘッドと接する面(すなわち、色材層を設けた面とは反対側の面)に、耐熱性の向上や滑性付与による走行安定性を目的として耐熱滑性層(背面層ともいう)を設けることが行われている。
長尺状の熱転写シートは、通常、ロール状の形態で保管ないし供給されることが多い。上記したような色材層の反対の面側に耐熱滑性層を設けた熱転写シートは、ロール状で保管した場合、色材層と耐熱滑性層とが接することになるため、色材層の染料が耐熱滑性層へ移行する(キック)場合がある。また、熱転写シートを巻き返して使用する際に、耐熱滑性層へ移行した染料が、色材層等へ再移行する(バック)して、所望の色相とは異なる色相で画像形成されてしまうといった問題もあった。
本発明者らは、耐熱滑性層の形成と色材層の形成とを連続して行う、いわゆるオンライン工程で熱転写シートを製造する際に、特定の樹脂を用いて耐熱滑性層を形成することにより、キックバック現象を抑制できることを先の出願(特願2010−146576、出願日:平成22年6月28日)において提案している。今般、本発明者らは、上記のようなキックバック現象が生じにくい耐熱滑性層を形成するにあたり、特定の溶剤を用いることにより、基材上に均一な膜厚の耐熱滑性層が形成でき、かつ耐熱滑性層の形成(硬化)速度が向上するとともに、耐熱滑性層形成用組成物の保存安定性も改善される、との知見を得た。本発明は係る知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、耐熱滑性層をインライン工程により形成でき、かつキックバック現象も地汚れも同時に解消できる熱転写シートを製造することができる耐熱滑性層形成用組成であって、基材上に均一な膜厚の耐熱滑性層が形成でき、耐熱滑性層の形成(硬化)速度が向上するとともに、耐熱滑性層形成用組成物の保存安定性も改善できる、耐熱滑性層形成用組成を提供することである。
また、本発明の別の目的は、上記の耐熱滑性層形成用組成物を用いた熱転写シートの製造方法を提供することである。
本発明による耐熱滑性層形成用組成物は、基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートの製造に用いられる、耐熱滑性層形成用組成物であって、
水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなるバインダー樹脂、滑材、およびポリエチレンワックス、および、溶剤としてケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合物、を少なくとも含んでなり、
前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基価が、9質量%以上であり、
前記ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が、0.3〜2.0であり、
前記溶剤において、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合割合が、質量基準において、1:1〜10:1であることを特徴とするものである。
また、本発明の態様として、前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトンであり、前記芳香族炭化水素系溶剤がトルエンであることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記水酸基含有熱可塑性樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂および/またはポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
また、本発明の態様においては、前記滑剤が、ステアリン酸亜鉛およびステアリルリン酸亜鉛からなることが好ましい。
また、本発明の態様として、前記バインダー樹脂が、耐熱滑性層中に、固形分換算で30〜90質量%含まれていることが好ましい。
さらに、本発明の態様として、前記ポリエチレンワックスが、耐熱滑性層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれていることが好ましい。
また、本発明の別の態様である熱転写シートの製造方法は、基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートを製造する方法であって、
上記の耐熱滑性層形成用組成物を、前記基材上に塗布して塗布膜を形成し、
前記塗布膜中の水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを反応させ、塗布膜を硬化させて、耐熱滑性層を形成する、ことを含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明による熱転写シートの製造方法においては、前記耐熱滑性層および前記色材層の形成をインラインで行うことが好ましい。
さらに、本発明による熱転写シートの製造方法においては、前記色材層の形成前に、前記耐熱滑性層の形成を行うことが好ましい。
本発明によれば、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂として、水酸基価が、9質量%以上の水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなる樹脂を用いることにより、耐熱滑性層をインライン工程により形成でき、かつ、キックバック現象も抑制することができる熱転写シートを実現することができる。また、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤とが特定割合で含む混合溶剤を用いることにより、基材上に均一な膜厚の耐熱滑性層が形成でき、耐熱滑性層の形成(硬化)速度が向上するとともに、耐熱滑性層形成用組成物の保存安定性も改善される。
本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。
<耐熱滑性層形成用組成物>
本発明による耐熱滑性層形成用組成物は、後記するように、基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートにおいて、耐熱滑性層を形成するのに好適に用いられるものである。この耐熱滑性層は、非加熱時の熱転写シートの滑性を向上させて高速印画を可能にするとともに、高速印画する際のサーマルヘッドからの熱への耐性を向上させるものである。
本発明による耐熱滑性層形成用組成物は、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなるバインダー樹脂、滑材、およびポリエチレンワックス、および、溶剤としてケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合物を、必須成分として含む。以下、本発明による組成物を構成する各成分について説明する。
本発明による耐熱滑性層形成用組成物は、バインダー樹脂成分として、水酸基価が9質量%以上であるような水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含み、かつ、ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が0.3〜2.0の範囲にある樹脂を用いる。なお、本明細書中、水酸基含有熱可塑性樹脂の「水酸基価」とは、樹脂ポリマー中の、水酸基を有するモノマー成分の割合を意味するものであり、樹脂ポリマー全体の質量に対する水酸基を有するモノマー成分の質量の割合(質量%)として算出される値である。
上記したように、熱転写シートの製造工程において、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成したシートを一旦作製しておき、その後に、そのシートの耐熱滑性層を設けた側とは反対側の面に色材層を形成するような場合(すなわち、オフラインにより熱転写シートを製造する場合)、耐熱滑性層の形成時に十分に時間をかけることができるため、従来から耐熱滑性層を構成する樹脂バインダーとして、ポリビニルブチラール樹脂とポリイソシアネート樹脂との混合物が使用されていた。しかしながら、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成した後(またはそれと同時に)、基材の反対側の面に色材層を形成するような場合(すなわち、インライン工程で熱転写シートが製造されるような場合)、短時間で耐熱滑性層中のバインダー樹脂を十分に硬化させる必要があるため、特開2009−132089号公報にも記載のように、ポリアミドイミド樹脂やポリアミドイミドシリコーン樹脂などが使用されていた。しかしながら、ポリアミド系樹脂をバインダーとして用いた場合、印画時のサーマルヘッドからに加熱温度によっては、耐熱性が不十分とされる場合があった。
また、熱転写シートをロール状の形態で保存しておくと、色材層中の染料がしみ出して耐熱滑性層表面に付着して熱転写シートを汚してしまう、いわゆるキックバックが発生する場合もあった。本発明においては、インライン工程で熱転写シートを製造する場合であっても、上記したバインダー樹脂を用いることにより、優れた耐熱性を有する熱転写シートが得られ、かつ、上記バインダー樹脂と上記した特定の滑剤とを組み合わせることにより、ロール状の形態で熱転写シートを保存しておいても、キックバックの発生を抑制することができるものである。
バインダーとして用いる水酸基含有熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びポリアセトアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン変性またはフッ素性ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、分子中に多くの水酸基を有しているポリビニルブチラール樹脂及びポリアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂が好適に使用できる。
特に、ポリビニルアセタール系樹脂において、従来のオフライン製造で使用されていたようなポリビニルアセタールは、インライン製造に適用すると熱転写シートの耐熱性が不十分となる場合があったが、水酸基価が9質量%以上の水酸基含有熱可塑性樹脂を使用することにより、熱転写シートの耐熱性を著しく改善することができる。本発明においては、水酸基含有熱可塑性樹脂の水酸基価が、25質量%以下であることが好ましい。ポリビニルアセタールの水酸基価が25質量%を超えると、バインダー樹脂を溶解させる酢酸エチルやトルエン等の溶剤に、樹脂が溶解しにくくなる。水酸基価が9〜25質量%であるポリビニルアセタール系樹脂として、具体的には、電気化学株式会社製の#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−1、#4000−2等が挙げられる。
硬化剤として用いるポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂を、その水酸基を利用して架橋させ、耐熱滑性層の塗膜強度または耐熱性を向上させるものである。ポリイソシアネートとしては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基と、上記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が0.3〜2.0の範囲となるような量で添加される。ポリイソシアネートの使用量が少なすぎると架橋密度が低く、耐熱性が不十分となり、好ましくない。一方、ポリイソシアネートの使用量が多すぎると、形成される塗膜の収縮の制御が難しくなったり、硬化する時間が長くなったり、未反応のイソシアネート基が耐熱滑性層中に残存し、空気中の水分と反応する等の問題を生じる。イソシアネート中のイソシアネート基と、上記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比は0.7〜1.25であることがより好ましい。具体的なポリイソシアネートの使用量は、耐熱活性層を構成する前述の水酸基含有熱可塑性樹脂100質量部に対し、5〜200質量部の範囲が適当である。
耐熱滑性層に含まれる滑材は、耐熱滑性層の滑り性を向上させる機能を有するものであり、特にサーマルヘッドによる加熱時(印画時)に十分な滑性をもたせることができる。滑材としては、種々の公知のものを使用できるが、金属石けんを滑材として用いることが好ましい。金属石けんを滑材として含有させることにより、転写エネルギーが中間ないし高エネルギーで印字する際の熱転写シートとサーマルヘッドとの摩擦係数を低減することができる。このような金属石けんとしては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩やアルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。また、本発明においては、これら金属塩のなかでも、ステアリン酸亜鉛および/またはステアリルリン酸亜鉛が好ましく使用できる。
耐熱滑性層に含有されるポリエチレンワックスは、耐熱滑性層の滑り性を向上させるもので、特に非加熱時の耐熱滑性層の滑性を向上させる機能を有する。ポリエチレンワックスとしては、の密度が0.94〜0.97のポリエチレンワックス粒子(ポリエチレンワックスを粒状に微粉末化したもの)を好適に使用できる。ポリエチレンワックスとしては、高密度または低密度ポリエチレンワックスがあり、低密度ポリエチレンは構造上、エチレン重合体で分岐が存在しているのが多く含まれ、これに対し、高密度ポリエチレンは比較的、ポリエチレンの直鎖状構造を主体に構成されているものである。
本発明の熱転写シートの耐熱滑性層で使用するポリエチレンワックスは、その粒径が平均粒径で15μm以下、特に、7〜12μmの平均粒径のものを好適に使用することができる。粒径が小さすぎると、耐熱滑性層の滑性を付与させる機能が低下し、一方で粒径が大きすぎると、サーマルヘッドにカスが付着しやすくなる。また、ポリエチレンワックス粒子の形状は、球状、角状、柱状、針状、板状、不定形状等をとることができるが、本発明においては、耐熱滑性層の滑性を付与させる観点から、球状粒子の形態をとることが好ましく、優れた滑性を付与しつつ、サーマルヘッドへのカスが付着しにくくなる。ポリエチレンワックスの平均粒径を上記の範囲とすることにより、耐熱滑性層の表面に高密度ポリエチレンワックスが突出して、熱転写シートに適正な滑性をもたせることができる。
ポリエチレンワックス粒子は、耐熱滑性層の全固形分(100質量%)に対し、0.5〜8質量%の割合で含有させることが好ましい。その含有量が少なすぎると、耐熱滑性層の滑性が低下し、またその含有量が多すぎると、サーマルヘッドにカスが付着しやすくなる。また、ポリエチレンワックスの融点は、110〜140℃であることが好ましい。その融点が低すぎると、熱転写シートの保存性が低下したり、耐熱滑性層の塗工後の乾燥工程で、ポリエチレンワックス自体が溶融してしまい、耐熱滑性層の滑性を阻害し、一方で融点が高すぎると、耐熱滑性層の表面凹凸により、熱転写時の色材の転写が不均一となりやすい。なお、融点の測定は、従来公知の方法、例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
耐熱滑性層には、印画時及び非印画時の滑性をもたせるために、上記した滑材およびポリエチレンワックスを含有させているが、その滑性の補助的な調整のために、無機または有機の微粒子、もしくはシリコーンオイルを添加することができる。無機微粒子としては、例えば、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機微粒子が挙げられる。有機微粒子としては、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機樹脂微粒子、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる。
上記の無機または有機微粒子は、いずれも粒径として、平均粒径で0.5〜3μm程度が好ましく用いられる。また上記の無機または有機の微粒子は、水酸基含有熱可塑性樹脂100質量部に対し、5〜40質量部の割合で使用することが望ましく、添加量が少なすぎると滑り性が不十分であり、一方多すぎると形成される耐熱滑性層の可撓性や被膜強度が低下する。
上記した各成分を溶剤に溶解させて耐熱滑性層形成用組成物とするが、本発明においては、この溶剤として、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合割合が、質量基準において、1:1〜10:1である混合溶剤を用いるものである。上記したようなポリビニルブチラール樹脂とポリイソシアネート樹脂との混合物を樹脂バインダーとして使用する場合、耐熱滑性層形成用組成物を保存しておくと、組成物中のポリビニルブチラール樹脂とポリイソシアネート樹脂とがある程度反応し、耐熱滑性層形成用組成物を使用する前に、この反応物がゲル化物として組成物中に含有してしまうことが判明した。特に、従来の耐熱滑性層形成用組成物では、芳香族炭化水素系溶剤に対するケトン系溶剤の配合割合が10を超える混合物が溶剤として使用されていたため、反応ゲル化物が、溶剤に溶解せず、耐熱滑性層形成用組成物の保存安定性が問題となる場合があった。また、ケトン系溶剤の配合割合が高い場合、混合溶媒の揮発性が高く、耐熱滑性層を形成する際に、その表面が不均一となり、その結果、耐熱滑性層の耐熱性が不十分となることがあった。本発明においては、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合割合を1:1〜10:1の範囲とすることにより、ゲル化物が溶剤中に溶解するため、耐熱滑性層形成用組成物の保存安定性が向上する。また。驚くべきことに、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合割合を上記範囲とすることにより、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂との硬化反応速度が向上し、かつ耐熱滑性層形成用組成物を基材上に塗布した際の塗布膜が均一になり、均一な膜厚の耐熱滑性層を形成できることは意外であった。耐熱滑性層の膜厚が均一になることにより、熱転写シートの滑性や耐熱性がさらに向上する。
ケトン系溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロケキサノン、ジアセトナルコール(DAA)等が挙げられ、これらのなかでも、メチルエチルケトンを好適に使用することができる。また、芳香族炭化水素系溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられ、これらのなかでも、トルエンを好適に使用することができる。
上記した混合溶剤は、耐熱滑性層形成用組成物中に、質量基準で60〜95%含まれていることが好ましく、より好ましくは70〜90%である。60%よりも溶剤の含有量が少ないと、インキの粘度が高くなり、塗工直後のインキのレベリング性能が落ち、塗工面質が悪くなる、スジが発生するなど、塗工適性が無くなる。一方、95%よりも溶剤の含有量が多いと、塗膜を硬化さて耐熱滑性層を形成する際の乾燥に時間を要し、インライン工程で熱転写シートを製造する場合の生産性が低下することがある。また、95%よりも溶剤の含有量が多いと、インキ中に分散しているフィラーが沈降してしまい、塗工された背面層のフィラーは配合量より少なくなり、作成した熱転写シートの滑性や耐熱性が低下する。
上記した各成分を、例えば、ペイントシェーカー、プロペラ型攪拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、2本ロールミル、3本ロールミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサー、2軸押出機等の従来公知の手段を用いて、混合ないし撹拌することにより、耐熱滑性層形成用組成物を調製することができる。
<熱転写シートの製造方法>
本発明による熱転写シートの製造方法は、基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートを製造する方法であって、上記の耐熱滑性層形成用組成物を、前記基材上に塗布して塗布膜を形成し、前記塗布膜中の水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを反応させ、塗布膜を硬化させて、耐熱滑性層を形成することを含む。
耐熱滑性層形成用組成物の基材上への塗布方法は、特に限定されるものではなく、公知の塗布方法を使用することができ、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等を用いて塗布膜を形成することができる。また、耐熱滑性層形成用組成物の塗布量は、塗布膜を硬化させて耐熱滑性層としたときに、耐熱滑性層の厚さが0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmとなるように、耐熱滑性層形成用組成物を基材上へ塗布する。膜厚が0.05μmよりも薄い場合は、耐熱滑性層としての効果が十分ではなく、また1μmよりも厚いと熱転写性色材層へのサーマルヘッドからの熱伝達が悪くなり、印字濃度が低くなるという欠点を生じる。
塗布膜中の水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを反応させて塗布膜を硬化させるには、塗布膜を30℃〜80℃の温度に加熱することが好ましい。加熱することにより、硬化反応が促進される。なお、インライン工程で熱転写シートを製造する場合には、耐熱滑性層の硬化のための加熱により色材層が影響を受けないように、後記するように、耐熱滑性層を基材シート上に設けてから、色材層を設けることが好ましい。
本発明においては、上記のように、耐熱滑性層および前記色材層の形成をインラインで行う場合、色材層の形成前に、前記耐熱滑性層の形成を行うことが好ましい。色材層は、色材層形成用組成物を、基材の耐熱滑性層を設けた面とは反対の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。所望の画像がモノカラーである場合には、色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)の各層を基材面に面順次となるように形成することができる。
色材として、昇華型熱転写シートとする場合には、昇華性の染料を使用し、熱溶融型熱転写シートとする場合には、顔料等で着色した熱溶融性インキ(ブラック)層を形成する。昇華型の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。上記昇華性の染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示列挙された化合物等が挙げられる。
色材層形成用組成物に含まれる昇華性染料は、色材層形成用組成物の全固形分に対し5〜90質量%、好ましくは20〜80質量%の量である。昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
色材層形成用組成物に含まれるバインダー樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。上記したバインダー樹脂のなかでも、耐熱性、染料の移行性等が優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が特に好ましい。バインダー樹脂添加割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、色材が50〜300質量部となるように、調製される。
色材層形成用組成物は、上記した色材(染料、顔料等)と適当なバインダー樹脂と溶剤等を含んでなるものであり、適宜必要に応じて、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を含んでいてもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。また、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
色材層形成用組成物は、上記の色材とバインダー樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、基材の一方の面に色材層形成用組成物を塗布し、乾燥することにより形成することができる。好適に使用できる有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。色材層の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜6.0g/m、好ましくは0.2〜3.0g/m程度である。
本発明においては、基材上の一方の面に耐熱滑性層を形成し、他方の面に色材層を形成することにより熱転写シートが製造されるが、必要に応じて、転写保護層として接着層、剥離層、離型層、又は、下引き層等のその他の層を形成してもよい。転写保護層を上記色材層と面順次に形成した場合、画像形成後に画像面を保護する保護層を転写することができる。
転写保護層形成用組成物の組成及び調製は、特に限定されず、使用する基材シート、色材層等の特徴に応じて、従来公知の技術より選択することができる。また、下引き層形成組成物は、その組成は特に限定されず、基材と色材層との接着性や染料の転写効率を向上させる組成を適宜選択して調製することができる。
使用される基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
基材は、厚さが一般に約0.5〜50μmであり、好ましくは約1.5〜10μmである。上記基材は、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
本発明においては、上記した表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。また、基材と上記した耐熱滑性層との間に、プライマー層(接着層)を塗工して形成することも可能である。そのプライマー層は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等を用いて形成することができる。
<熱転写シート>
上記のようにして得られた熱転写シートは、基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えたものである。図1は、本発明による熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材2の一方の面に、イエロー色材層(Y)、マゼンタ色材層(M)、シアン色材層(C)3つからなる色材層3が面順次に繰返し設けられており、また、基材2の他方の面に耐熱滑性層4が設けられた層構成を有する。
図1に示された層構成に限らず、例えば、基材2と耐熱滑性層4の間に、後記すうるプライマー層(接着層)を設けたり、基材2と色材層3との間にプライマー層(接着層)を設けたり、色材層3として、Y、M、Cの3種類に加えて、ブラック色材層(Bk)を設けてもよい。また、色材層が設けられている側に、Y、M、C、BK、保護層を面順次に繰返し形成した保護層一体型の熱転写シートとしてもよい。
上記のようにして得られた熱転写シートは、基材の耐熱滑性層側からサーマルヘッド等を用いて印画部に相当する箇所を加熱・加圧し、色材を被転写材に転写させて印字することができる。熱転写を行う際に使用するプリンタとしては、特に限定されず、公知の熱転写プリンタを使用することができる。
熱転写シートが熱昇華型の熱転写シートである場合、上記被転写材として熱転写受像シート等を使用することができる。熱転写受像シートは、基材上の一方の面に染料受容層を設けたものである。以下、熱転写受像シートを構成する各層について説明する。
熱転写受像シートを構成する基材層は、受容層を保持する機能を有するが、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。このような基材層の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、セルロース紙の表裏をポリエチレンでコートした銀塩写真の印画用紙の基材として使用されるレジンコート紙、あるいは、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の各種プラスチックフィルム又はシートが使用でき、またこれら合成樹脂に白色顔料や、充填剤を加えて成膜し、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)も使用できる。
また、上記した材料の任意の組み合わせによる積層体も基材層として使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、或いはセルロース繊維紙とプラスチックフィルム又はシートの積層した合成紙が挙げられる。このような積層合成紙は2層体でもよいが、基材の風合いや質感を出すために、セルロース繊維紙(芯材として使用)の両面に合成紙、プラスチックフィルムや多孔質フィルムを貼合した3層体もしくは3層以上の積層体であってもよい。また、コート紙、レジンコート紙、プラスチックフィルム等の表面上に中空粒子を分散させた樹脂層を塗設し、断熱性を付与した積層体であってもよい。
上記の積層体の貼合方法は、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等手法は問わない。また、上記したような中空粒子層を積層する方法としては、グラビアコート、コンマコート、ブレードコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコート等の塗布手段を使用できるが、これらに限定されるものではない。
これらの貼合基材ないし積層基材の厚みは任意でよく、通常10〜300μm程度の厚めが一般的である。また、上記したような基材は、その表面に形成する層との密着力が乏しい場合には、その表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。また、中空粒子層を設ける場合、密着性や製造効率の観点からは、スライドコートやカーテンコート方により、受容層またはその他の層と同時に重層塗布することが好ましい。
基材層上に設けられる染料受容層は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する為のものである。受容層を形成する為の樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ゼラチンおよびその誘導体などが挙げられる。なお、これら樹脂材料を2種以上混合して用いてもよい。
熱転写受像シートは、熱転写シートとの離型性を向上させるために、染料受容層中に離型剤を含有させてもよい。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、これらのなかでもシリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型、触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
これら硬化型シリコーンオイルの添加量は、染料受容層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。また、受容層の表面の一部に上記離型剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させることにより離型剤層を設けることもできる。離型剤層の厚さは、0.01〜5.0μm、特に0.05〜2.0μmが好ましい。なお、染料受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加して形成すると、塗布後に表面にブリードアウトしたシリコーンオイルを硬化させても離型剤層を形成することができる。なお、上記染料受容層の形成に際しては、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、リン酸エステル化合物等の可塑剤を添加するのもよい。
基材層と染料受容層との間には、染料受容層と基材との接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、カール防止性等の付与を目的とし、従来公知のあらゆる中間層を設けることができる。中間層に用いるバインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダーとすることもできる。
また、中間層には、白色性、隠蔽性を付与する為に、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のフィラーを添加することが好ましい。さらに、白色性を高める為にスチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物等を蛍光増白剤として添加したり、印画物の耐光性を高める為にヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤として添加したり、あるいは帯電防止性を付与する為にカチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン樹脂、各種導電性フィラー等を添加することができる。中間層の塗工量は、乾燥状態で0.5〜30g/m程度が好ましい。
中空層に含まれる樹脂バインダーとしては、水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散されたエマルジョンや、親水性バインダーを用いることが好ましい。このようなエマルジョンとしては、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリオレフィン系などのエマルジョンを使用することができ、必要に応じてこれら2種以上を混合して用いてもよい。また、親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、染料受容層と染料受容層と接する層との層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、バインダー樹脂としてゼラチンを用いることで、各塗工液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
実施例1
<耐熱滑性層形成用塗工液の調製>
下記の各成分を混合し撹拌することにより、耐熱滑性層形成用塗工液1を得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 6.00部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 8.00部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.00部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.00部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.50部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.00部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 62.92部
トルエン 12.58部
次に、基材シートの、耐熱滑性層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成のプライマー層用塗工液をグラビア印刷機により、乾燥塗布量が0.10g/mになるように塗布、乾燥してプライマー層を形成した。
<プライマー層用塗工液>
コロイダルシリカ(粒子径4〜6nm、固形分10%) 30部
(スノーテック OXS、日産化学工業(株)製)
ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 3部
水 50部
イソプロピルアルコール 17部
続いて、プライマー層上に、下記組成のイエロー染料層塗工液(Y)、マゼンタ染料層塗工液(M)、およびシアン染料層塗工液(C)を、グラビア印刷機により、各層の乾燥塗布量が0.6g/mになるように塗布、乾燥してこの順に面順次に繰返して形成した。
<イエロー染料層用塗工液(Y)>
分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料A) 2.5部
バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
Figure 2012152968
<マゼンタ染料層用塗工液(M)>
分散染料(MSレッドG) 1.5部
分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液(C)>
分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
ポリエチレンワックス 0.1部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
また、基材シートの、耐熱滑性層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成の離型層塗工液をグラビア印刷機を用いて固形分換算で1.0g/mの割合で塗布、乾燥して離型層を形成した後、離型層上に、上記したプライマー層塗工液をグラビア印刷機により、乾燥塗布量が0.10g/m)になるように塗布、乾燥してプライマー層を形成し、さらにそのプライマー層上に、下記組成の保護層用塗工液をグラビア印刷機を用いて固形分換算で1.5g/mの割合で塗布、乾燥して形成した。
<離型層用塗工液>
ウレタン樹脂(クリスボン9004、DIC(株)製) 20.0部
ポリビニルアセトアセタール樹脂(KS−5、積水化学工業(株)製) 5.0部
ジメチルホルムアルマイド 80.0部
メチルエチルケトン 120.0部
<保護層用塗工液>
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社製) 69.6部
反応性紫外線吸収剤を反応結合したアクリル共重合体
(UVA635L、BASFジャパン製) 17.4部
シリカ(サイリシア310、富士シリシア社製) 25部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 20部
上記のようにして、基材層の一方の面に耐熱滑性層が設けられ、基材層の他方の面に、プライマー層/染料層(Y,M,C)の積層と、離型層/プライマー層/保護層の積層とが設けられた熱転写シートを得た。
実施例2
耐熱滑性層形成用組成物1のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ37.75部および37.75部に変更した耐熱滑性層形成用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
実施例3
耐熱滑性層形成用組成物1のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ68.6部および6.86部に変更した耐熱滑性層形成用組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
実施例4
耐熱滑性層形成用組成物1のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ56.6部および18.88部に変更した耐熱滑性層形成用組成物4を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
実施例5
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物5に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 8.53部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%)10.97部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製 2.44部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 0.37部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.22部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 0.98部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
実施例6
耐熱滑性層形成用組成物5のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ56.6部および18.88部に変更した耐熱滑性層形成用組成物6を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
実施例7
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物7に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 7.21部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 5.65部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.32部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.32部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.67部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.34部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
実施例8
耐熱滑性層形成用組成物7のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ56.6部および18.88部に変更した耐熱滑性層形成用組成物8を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
実施例9
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物9に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 7.23部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 9.41部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.42部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 1.42部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.68部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.35部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
実施例10
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物10に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 8.53部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 6.69部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.67部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 1.67部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.98部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.96部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
実施例11
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物11に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価11質量%) 8.00部
(#3000−K、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 6.00部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.00部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.00部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.50部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.00部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
実施例12
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物12に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価11質量%) 10.50部
(#3000−K、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 4.72部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.67部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 1.67部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.98部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.96部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
比較例1
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物13に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
ポリアミドイミド樹脂(固形分25%) 13部
(HR−15ET、東洋紡績(株)製)
ポリアミドイミドシリコーン樹脂(固形分25% 13部
(HR−14ET、東洋紡績(株)製)
シリコーンオイル(固形分100%) 0.7部
(KF965−100、信越化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(固形分100%) 2.6部
(LBT−1870精製、堺化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日本油脂社製、固形分100%) 2.6部
タルク(ミクロエースP−3、日本タルク社製、固形分100%) 2.6部
エタノール 32.8部
トルエン 32.7部
比較例2
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物14に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 2.0部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 5.0部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株)製)
タルク(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株)製) 0.3部
メチルエチルケトン 45.7部
トルエン 45.7部
比較例3
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物15に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 4.50部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%)12.59部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1870精製、堺化学工業(株)製) 2.11部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 2.11部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.06部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 2.13部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
比較例4
耐熱滑性層形成用組成物1を、下記組成の耐熱滑性層形成用組成物16に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 12.00部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 2.00部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1870精製、堺化学工業(株)製) 3.00部
ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.00部
フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.50部
ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.00部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
メチルエチルケトン 12.58部
トルエン 62.92部
比較例5
耐熱滑性層形成用組成物1のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ71.9部および3.6部に変更した耐熱滑性層形成用組成物17を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
比較例6
耐熱滑性層形成用組成物1のメチルエチルケトンとトルエンの添加量を、それぞれ15.1部および60.4部に変更した耐熱滑性層形成用組成物18を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを得た。
上記した耐熱滑性層組成物1〜18における、溶剤比率、イソシアネート基とポリビニルブチラール樹脂の水酸基とのモル比(−NCO/−OH)、バインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂およびポリイソシアネート)の含有量は、下記の表1に示される通りである。
Figure 2012152968
耐熱性評価
上記で得られた各熱転写シートを、三菱電機社製昇華型プリンタ(CP9000D)用熱転写受像シートと組み合わせ、以下の条件で印画時の摩擦力を測定した。なお、印画及び摩擦力の測定には、特開2003−300338号公報で記載されている摩擦力測定機能付熱転写プリンタを使用した。
<印画条件>
サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω解像度300dpi(dots per inch)
ライン速度:1ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(line per inch))
パルスデューティ:90%
印加電圧:30.0V
印圧:40N
印画画像:幅1388ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで、階調0〜255のグラデーション画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
上記の印画条件にて、最高印画階調値のベタバターン(高濃度部)、および、128/255階調(グレー)のベタパターン(中間濃度部)の印画を行い、その時の動摩擦係数を測定し、以下の評価基準にて、耐熱性の評価を行った。
1:動摩擦係数が0.5以上
2:動摩擦係数が0.4以上0.5未満
3:動摩擦係数が0.4以下
また、上記の条件で、階調値を5刻みに変更してベタパターンを印画し、シワやスティッキング、耐熱滑性層のかき取られ等の不具合が発生するよりも1つ弱いエネルギーを最高印画階調値とし、各熱転写シートの印画性能を評価した。なお、印画データの階調値は、255階調が100%ベタに相当するものとし、印画時の階調値を255で割った割合が最大印加エネルギーに対するそのパターンの印加エネルギーである(例えば、印画時の階調値が210階調であれば、210/255=0.823、即ち、82%ベタということとなる)。従って、最高印画階調値が高いほど、高い印加エネルギーに耐えられるといえる。評価結果は、下記の表1に示される通りであった。
<熱転写シートの耐久性評価>
上記で得られた各熱転写シートと、シチズン・システム(株)製昇華転写プリンター(CW−01)用の昇華熱転写方式の熱転写受像シートを用いて、シチズン・システム(株)製昇華転写プリンター(CW−01)を用いて、Ye、Mg、Cyの染料層で熱転写受像シートの階調値255/255(印加エネルギー最大:黒画像)の画像を印画し、印画後の熱転写シートの破断の有無を目視にて調べた。評価基準は以下の通りとした。
1:印画後の熱転写シートに破断がかなり見られ、伸びもかなり見られる。
2:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びはほとんど見られない。
3:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びは全く見られない。
4:印画後の熱転写シートに破断が全く見られず、伸びも全く見られない。
評価結果は、下記の表1に示される通りであった。
バック評価
上記で得られた各熱転写シートの耐熱滑性層とマゼンタ染料層を対向させ、20kg/cmの荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側に染料層の染料を移行(キック)させた。この耐熱滑性層と保護層とを対向させ、20kg/cmの荷重をかけて、50℃、湿度20%環境下で24時間保管した。その後、耐熱滑性層の染料が移行(バック)した保護層転写体と受像紙(カラーインク/ペーパーセットKP−36IP、キヤノン(株)製)の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、110℃、4mm/sec/lineにて転写を行った。更に、受像紙から基材シートを剥がし、転写部の色相を、グレタグ社製GRETAGSpectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、色差(ΔE)を下記式にて算出して下記基準に基づき評価した。
ΔE=((対向前後のL値の差)+(対向前後のa値の差)+(対向前後のb値の差)1/2
1:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが3.5以上
2:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが2.5以上3.5未満
3:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが1.5以上2.5未満
4:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた保護層転写体を転写した転写物の色差ΔEが1.5未満
評価結果は、下記表2に示される通りであった。
Figure 2012152968
1 熱転写シート
2 基材
3 色材層
4 耐熱滑性層

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートの製造に用いられる、耐熱滑性層形成用組成物であって、
    水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを含んでなるバインダー樹脂、滑材、およびポリエチレンワックス、および、溶剤としてケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合物、を少なくとも含んでなり、
    前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基価が、9質量%以上であり、
    前記ポリイソシアネート樹脂中のイソシアネート基と、前記水酸基含有熱可塑性樹脂中の水酸基の数とのモル比(−NCO/−OH)が、0.3〜2.0であり、
    前記溶剤において、ケトン系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤との混合割合が、質量基準において、1:1〜10:1であることを特徴とする、耐熱滑性層形成用組成物。
  2. 前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトンであり、前記芳香族炭化水素系溶剤がトルエンである、請求項1に記載の耐熱滑性層形成用組成物。
  3. 前記水酸基含有熱可塑性樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂および/またはポリビニルアセタール樹脂である、請求項1または2に記載の耐熱滑性層形成用組成物。
  4. 前記滑材が、ステアリン酸亜鉛及びステアリルリン酸亜鉛からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐熱滑性層形成用組成物。
  5. 前記バインダー樹脂が、耐熱滑性層中に、固形分換算で30〜90質量%含まれてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐熱滑性層形成用組成物。
  6. 前記滑材が、耐熱滑性層中に、固形分換算で5〜40質量%含まれてなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐熱滑性層形成用組成物。
  7. 前記ポリエチレンワックスが、耐熱滑性層中に、固形分換算で1〜30質量%含まれてなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐熱滑性層形成用組成物。
  8. 基材と、前記基材の一方の面に設けた色材層と、前記基材の前記色材層を設けた面とは反対側の面に設けた耐熱滑性層と、を備えた熱転写シートを製造する方法であって、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐熱滑性層形成用組成物を、前記基材上に塗布して塗布膜を形成し、
    前記塗布膜中の水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネート樹脂とを反応させ、塗布膜を硬化させて、耐熱滑性層を形成する、ことを含んでなることを特徴とする、方法。
  9. 前記耐熱滑性層および前記色材層の形成をインラインで行う、請求項8に記載の方法。
  10. 前記色材層の形成前に、前記耐熱滑性層の形成を行う、請求項8または9に記載の方法。
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