JP2010076252A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材フィルムの一方の面に熱転写性色材層が形成され、他方の面に耐熱滑性層が形成された熱転写シートで、耐熱滑性層の硬化皮膜を形成するための長期の熱処理を行うことなく、染料のキックバックもなく、熱転写時に印画カスの発生を充分に抑制することができ、色抜けのない高品位の印画物を得ることができる熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材フィルム1の一方の面に熱転写性色材層3を有し、該基材フィルム1の他方の面に耐熱滑性層2が形成されている熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層2がポリビニルブチラールとポリイソシアネートを、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の割合で含有し、かつリン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5〜10%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3〜5%を含有する耐熱滑性層用組成物の硬化物からなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写シ−トに関し、更に詳しくは基材フィルムの一方の面に熱転写性色材層が形成され、他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、耐熱滑性層の硬化皮膜を形成するための長期の熱処理(エージング)を行うことなく、染料のキックバックの問題もなく、熱転写時に印画カスの発生を充分に抑制することができ、色抜けのない高品位の印画物を得ることができる熱転写シートに関するものである。
従来、熱転写シートとしては、基材フィルムとしてポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムを使用し、該基材フィルムの一方の面に昇華性染料とバインダー樹脂からなる熱転写色材層である染料層を設けた昇華型熱転写シートと、該染料層の代わりに着色剤を含む熱溶融性組成物からなる熱溶融性インキ層を熱転写色材層として設けた熱溶融型の熱転写シートがある。これらの熱転写シートはその背面からサーマルヘッドによって画像状に加熱され、染料層又は熱溶融性インキ層を被転写材に転写させて画像を形成する。
更に従来の熱転写シートで、基材フィルムのプラスチックフィルムに、プラスチックの持つ融点以上の高温がサーマルヘッドから加えられる場合に、サーマルヘッドにプラスチックフィルムが粘着( スティッキング) して、カスが付着することで剥離性、スリップ性が損なわれたり、基材フィルムが破れたりする問題がある。このために、耐熱性の高い熱硬化性樹脂等からなる耐熱層を形成する方法が提案されているが、この方法により耐熱性は向上するものの、サーマルヘッドのスリップ性は改善されない。更に基材が高温処理の出来ないプラスチック薄膜フィルムであることから、充分な硬化皮膜を得るために塗工後に比較的低温度で数十時間に及ぶ長期の熱処理(エージング)が必要とされる。これは、工程上煩雑であるばかりでなく、厳格な温度管理をしないと、熱処理中にシワが発生したり、塗工面と接触する反対面とが接着してしまい、ブロッキングしてしまうという問題がある。
スリップ性の向上のために、シリコーンオイル、低融点WAX、金属石鹸、界面活性剤等の滑剤を耐熱層に添加して、耐熱滑性層とすることが提案されているが、不適当なこれらの滑剤を使用した場合には、熱転写シートを巻き取った際に反対面に移行したり、印画時にサーマルヘッドを汚染するという問題がある。また、これら付着物を除去するためにフィラーを添加する方法があるが、不適当なものを使用した場合にはサーマルヘッドとの摩擦係数が増加して印画時にシワが発生したり、サーマルヘッドを摩耗させたりする問題がある。
また、上記の耐熱滑性層を基材フィルムの背面に設けた熱転写シートは、製造後に巻き取り状態で保管した際、色材層と耐熱滑性層とが接することにより、色材層から耐熱滑性層へ染料が移行する(キック)という問題があった。そして、この耐熱滑性層へ移行した染料が巻き返されることにより、他の色の色材層、保護層等へ再転移し(バック)、この汚染された層が受像シートへ熱転写されることにより指定された色と異なる色相となり印画精度を著しく損なってしまうという問題もあった。これが、キックバックの問題である。更に、耐熱滑性層と色材層の長期接触により、色材層表面に染料がブリードし、印画の際に未印画部(サーマルヘッドからの加熱がない領域)が着色する地汚れが生じることがあった。
一方、近年のプリンターの高速化に伴い、サーマルヘッドの熱エネルギーの増加、熱転写シートの高感度化、色材層における染料含有率の増加等が求められるが、これらの変更は、色材層から耐熱滑性層への染料の移行や、この移行に起因した熱転写時の問題発生の可能性を高めるものである。このため、キックバックの防止性能が良好な耐熱滑性層への要求は更に大きくなってきている。
このようなキックバックの防止性能を改良した熱転写シートとして、例えば、特許文献1には、耐熱滑性層に用いるポリビニルアセタール樹脂のTgを80℃以上に、滑剤として使用するリン酸エステルの融点を35℃以上に限定し、染料の再転写(バック)を抑制した熱転写シートが提案され、また特許文献2には、耐熱滑性層の粗度(SRz)を3.0μm以上に限定して、基材の他方の面に、染料層とラミネート層を設けた熱転写シートにして、ラミネート層への着色(バック)を抑制することが提案されている。また、特許文献3には、耐熱性樹脂と、融点が33℃以上でありIO値(有機概念図により有機性・無機性を産出した数値)が0.23以上である滑剤と、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の混合物から形成した耐熱滑性層を備えた熱転写シートで、染料の再転写が少なく、ブロッキングの発生もなく、熱じわも発生しないことが提案されている。
ところが、近年の熱転写シートを用いた熱転写記録方式では、印画速度を高速化することや、より高濃度で鮮明な画像を出力するため、サーマルヘッドの熱エネルギーは、増加の一途をたどっている。このようなサーマルヘッドの熱エネルギーの増加に伴い、熱転写時にサーマルヘッド部分に背面層の耐熱樹脂がかき取られることによりヘッドカス(以下、印画カスともいう)が溜まり、この印画カスが溜まった部分で染料等が転写されず、得られる印画物に色抜けや色ムラが発生するという問題が顕在化してきた。特に、上述のようなキックバック性能の向上を図った熱転写シートにおいて、このような印画カスの発生が顕著に見られる問題がある。
特開平9−300827号公報 特開2000−225775号公報 特開2002−11967号公報
したがって、上記の問題を解決するために本発明の目的は、基材フィルムの一方の面に熱転写性色材層が形成され、他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、耐熱滑性層の硬化皮膜を形成するための長期の熱処理を行うことなく、染料のキックバックの問題もなく、熱転写時に印画カスの発生を充分に抑制することができ、色抜けのない高品位の印画物を得ることができる熱転写シートを提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材フィルムの一方の面に熱転写性色材層を有し、該基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層がポリビニルブチラールとポリイソシアネートを、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の割合で含有し、かつリン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5〜10%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3〜5%を含有する耐熱滑性層用組成物の硬化物からなることを特徴とする。
前記の耐熱滑性層用組成物におけるリン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5〜10%の割合で含有し、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3〜5%の割合で含有することで、染料のキックバックの問題を防止し、サーマルヘッドとの滑り性が良くなってくる。また、本発明の熱転写シートは、耐熱滑性層が、金属石鹸、更にフィラーを含有することが好ましい。金属石鹸は、サーマルヘッドとの滑り性をより安定にし、フィラーはサーマルヘッドに付着するカスのクリーニング性、滑性が向上し、また巻取りにおけるブロッキング防止にも有効である。
上記に記載した本発明の熱転写シートは、耐熱滑性層がポリビニルブチラールとポリイソシアネートを、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の割合で含有し、かつ滑剤として、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5〜10%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3〜5%を含有する耐熱滑性層用組成物の硬化物からなる構成とした。すなわち、耐熱滑性層の組成物について、ポリビニルブチラールに対して、反応硬化させるポリイソシアネートを上記範囲内に含有させて、長期の熱処理(エージング)を行うことなく、耐熱滑性層用組成物の塗工、乾燥工程である耐熱滑性層の形成工程のみで、耐熱滑性層を硬化完了させることができた。耐熱滑性層の組成物は、ポリイソシアネートの含有割合を少なく抑え、また滑剤のリン酸エステル系界面活性剤も含有割合も上記範囲に抑える代わりに、滑性の補充、キックバック防止のために、反応性シリコーンオイルを添加したものである。
上記の本発明の熱転写シートを用いることにより、耐熱滑性層の硬化皮膜を形成するための長期の熱処理(エージング)を行うことなく、染料のキックバックの問題もなく、熱転写時に印画カスの発生を充分に抑制することができ、色抜けのない高品位の印画物を形成することができた。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す。基材フィルム1の一方の面に、熱転写性色材層3を設け、基材フィルム1の他方の面に、耐熱滑性層2が形成されている。また、図2に本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す。基材フィルム1の一方の面に、熱転写性色材層3として、イエロー色材層31、マゼンタ色材層32、シアン色材層33を面順次に繰り返し設け、基材フィルム1の他方の面に、耐熱滑性層2が形成された構成である。
以下に、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳しく説明する。
(基材フィルム)
本発明の熱転写シートを構成する基材フィルム1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1.5〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体であってもよい。
上記基材フィルムは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。本発明では上記表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。
(耐熱滑性層)
耐熱滑性層2は、印画時におけるサーマルヘッドの走行性、耐熱性等を向上させる目的で、形成される。本発明では、耐熱滑性層がポリビニルブチラールとポリイソシアネート、またリン酸エステル系界面活性剤、反応性シリコーンオイルを含有する耐熱滑性層用組成物の硬化物から構成される。ポリイソシアネートと反応してバインダー樹脂を形成するポリビニルブチラールは、ポリイソシアネートとの反応基である−OH基を適当な割合で含有するもので、上記の化合物のうち、特に分子量が60,000〜200,000、ガラス転移温度が60〜110℃、含有するビニルアルコール部分の質量が15〜40%であるポリビニルブチラールが好ましい。含有するビニルアルコール部分の質量が15%未満であると、耐熱滑性層のバインダーの架橋密度が低く、耐熱性が低下してくる。また一方で、含有するビニルアルコール部分の質量が40%を越えると、耐熱滑性層の架橋密度が高過ぎて、ポリイソシアネートの添加量が多く必要となり、耐熱滑性層を反応硬化させるために、長期の熱処理(エージング)が必要となってくる。
ポリイソシアネートと、上記のポリビニルブチラールとは、加熱等により反応硬化して耐熱性並びに機械的強度に優れた樹脂である硬化物を形成する。この硬化物は、耐熱滑性層の耐熱性、塗膜強度及び基材フィルムとの密着性を高めることができる。本発明で使用するポリイソシアネートは、従来から公知の塗料、接着剤或いはポリウレタンの合成に使用されているポリイソシアネートでよい。
そのポリイソシアネートとしては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
ポリイソシアネートの添加量は、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂であるポリビニルブチラール10質量部に対し、2.5〜7質量部の範囲である。ポリイソシアネートの使用量が不足する時は、架橋密度が低いため耐熱性が不充分であり、一方、多すぎると形成される塗膜の収縮を制御できず、硬化時間の長期化、未反応−NCO基が滑性層中に残存し、大気中の水分と反応する等、不具合を生じる。
耐熱滑性層に滑り性を向上させるために添加する滑り性付与剤(滑剤)としては、サーマルヘッドによる加熱時(印画時)に十分な滑性をもたせることができるリン酸エステル系界面活性剤を添加する。そのリン酸エステル系界面活性剤としては、
1)長鎖アルキルリン酸エステル、例えば、炭素数が通常6〜20、好ましくは炭素数12〜18の飽和又は不飽和高級アルコール、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等とリン酸とのモノ及び/又はジエステル等、
2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル等のリン酸エステル、
3)前記飽和又は不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物(通常付加モル数1〜8)又は炭素数8〜12のアルキル基を少なくとも1個、好ましくは1〜2個有するアルキルフェノールまたはアルキルナフトール(ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等)のリン酸モノまたはジエステル塩等の非イオン性又は陰イオン性リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
上記のリン酸エステル系界面活性剤の使用量は、耐熱滑性層の全固形分に対し、5%〜10%である。リン酸エステル系界面活性剤の添加量が少ないと、サーマルヘッドに対する熱離型性が充分ではなく、印字皺やヘッド滓、スティッキングの原因となり、一方、添加量が多すぎる場合にも、印字皺やヘッド滓等が生じたり、熱転写シートを巻き取りで保存する際、対向する熱転写性色材層の染料が耐熱滑性層に移行したり、耐熱滑性層のリン酸エステル系界面活性剤が過剰に熱転写性色材層に移行し、印画物の色再現性にまで影響を及ぼすことがある。
また、本発明の熱転写シートにおける耐熱滑性層には、反応性シリコーンオイルを含有させる。反応性シリコーンオイルは、官能基を有するシリコーンオイルであり、表面の摩擦を低減し、また、固着を防止する目的で配合される。一般的に反応性シリコーンオイルとして公知のものが使用できる。アルコール変性、アミノ変性、エポキシ変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ジオール変性、カルビノール変性シリコーンオイルなどが例示できる。また、官能基の位置により、側鎖(変性)型、両末端(変性)型、片末端(変性)型などあるが、本発明においてはこれらの官能基を有したシリコーンオイルを使用することができる。好ましくは両末端型、あるいは、片末端型である。
上記の反応性シリコーンオイルは、耐熱滑性層の全固形分に対し3%〜5%で含有するものである。シリコーンオイルの添加量が少ないと、サーマルヘッドとの離型性を得ることができず、サーマルヘッドと融着しやすくなる。一方で、シリコーンオイルの添加量が多すぎると、染料移行性が増大して、キックバックの問題が生じたり、印画時にシリコーンオイルがサーマルヘッドに付着して、汚染の問題が生じる。
耐熱滑性層には、印画時及び非印画時の滑性をもたせるために、リン酸エステル系界面活性剤及び反応性シリコーンオイルを含有させているが、サーマルヘッドへのクリーニング性を向上させるためと、キックバック防止性能を向上させるために、無機または有機のフィラーを添加することができる。無機フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機フィラーが挙げられる。有機フィラーとしては、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機樹脂フィラー、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋樹脂フィラー等が挙げられる。
上記の無機または有機フィラーは、いずれも粒径として、平均粒径で0.5〜5.0μm程度が好ましく用いられる。また上記の無機または有機のフィラーは、耐熱滑性層の全固形分に対して、3%〜6%の含有割合が好ましい。そのフィラーの添加量が少なすぎるとクリーニング性が不十分であり、一方多すぎると形成される耐熱滑性層の可撓性や被膜強度が低下する。
金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩としては、プラスチック用添加剤として公知のものを使用することができる。上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩は、一般に、アルキルリン酸エステルのアルカリ金属塩を多価金属で置換することによって得られ、種々のグレードのものが入手可能である。このアルキルリン酸エステルにおけるアルキル基としては、炭素数12以上が好ましく、特にステアリル基が滑性に優れ、好ましい。またアルキルリン酸エステルの多価金属塩における金属塩は、亜鉛またはアルミニウム塩が好ましい。また、上記の金属石鹸のアルキルカルボン酸の金属塩に関しては、アルキル基としては、炭素数11以上が好ましく、特にドデシル基、ヘプタデシル基が好ましく、その金属塩として、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩が好ましい。上記金属石鹸は、サーマルヘッドと耐熱滑性層の滑り性をより安定させるために添加しても良い。
耐熱滑性層を基材フィルム上に設けるには、上記の成分をアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の適当な溶媒に溶解して、耐熱滑性層用組成物(インキ、あるいは塗工液)を用意して、これをグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の適切な印刷方法、塗布方法により基材フィルム上に形成する。次いで30℃〜80℃の温度に加熱することによって乾燥するとともに、活性水素基である水酸基を有する樹脂を、ポリイソシアネートで反応硬化させて、耐熱滑性層を形成すればよい。
耐熱滑性層の厚さは、固形分の塗工量で、0.5g/m2〜5.0g/m2、好ましくは1.0g/m2〜2.0g/m2である。この膜厚が0.5g/m2よりも薄い場合は、耐熱滑性層としての効果が十分ではなく、また5.0g/m2よりも厚いと、熱転写性色材層へのサーマルヘッドからの熱伝達が悪くなり、印字濃度が低くなるという欠点を生じる。基材フィルム上に耐熱滑性層を設ける場合は、バインダー樹脂とポリイソシアネートとの反応を促進するために加熱することが好ましいが、熱転写性色材層に熱の影響を及ぼさないようにするために、耐熱滑性層を基材シート上に設けた後で、熱転写性色材層を設けることが好ましい。
(熱転写性色材層)
基材フィルムの耐熱滑性層の設けられている面の他方の面に形成する熱転写性色材層3は、昇華型の熱転写シートである場合には昇華性染料を含む層を形成し、熱溶融型の熱転写シートである場合には顔料などで着色した熱溶融性インキで層を形成する。以下、昇華型の熱転写シートを代表例として詳述するが、本発明は昇華型の熱転写シートのみに限定されるものではない。
昇華型の熱転写性色材層に用いられる染料としては、従来、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、そしてピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。具体的には次のような染料が用いられる。
C.I.(Color Index)ディスパースイエロー51,3,54,79,60,23,7,141,201,231
C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,87,287,154,26,354
C.I.ディスパースレッド135,146,59,1,73,60,167
C.I.ディスパースオレンジ149
C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,36,56,31
C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29
C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49,111,105,97,11
C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,182
C.I.ソルベントバイオレット13
C.I.ソルベントブラック3
C.I.ソルベントグリーン3
例えばイエロー染料としてフォロンブリリアントイエローS−6GL(サンド社製、ディスパースイエロー231)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製、ディスパースイエロー201)、マゼンタ染料としてMS−RED−G(三井東圧化学株式会社製、ディスパースレッド60)、マクロレックスレッドバイオレットR(バイエル社製、ディスパースバイオレット26)、シアン染料はカヤセットブルー714(日本化薬株式会社製、ソルベントブルー63)、フォロンブリリアントブルーS−R(サンド社製、ディスパースブルー354)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製、ソルベントブルー36)等があげられる。
次に、上記の染料を担持するためのバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース,酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、これらの中ではセルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アクリル系およびポリエステル系の樹脂が耐熱性、染料移行性などの点で好ましく用いられる。
昇華型の熱転写性色材層である染料層は、前記基材フィルムの一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて添加剤(例えば、離型剤など)やフィラー等を加えて、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させて、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗工および乾燥して塗膜を形成することができる。このようにして形成する染料層は、塗工量の厚さで、乾燥状態で、0.2〜5.0g/m2好ましくは0.4〜2.0g/m2程度の厚さであり、また染料層中の昇華性染料は、染料層の質量の5〜90質量%好ましくは10〜70質量%の量で存在するのがよい。希望する熱転写性色材層の画像がモノカラーである場合は、イエロー、マゼンタ、シアン等の染料層の中から1種を選んで形成し、またフルカラー画像である場合には適当なイエロー、マゼンタ、およびシアン(必要に応じて、ブラックも追加する)の各染料層を選んで形成する。
上記に説明した熱転写性色材層は、基材フィルムに単一の色相の色材層を設けて、モノカラーの印画物を形成することが可能であるが、少なくとも2つ以上の異なる色相の熱転写性色材層を基材フィルムに面順次に形成することが好ましく行なわれる。昇華性染料を用いた染料層を2つ以上形成したり、染料層と熱溶融性インキの熱転写性色材層の組み合わせや、また熱溶融性インキの熱転写性色材層が2つ以上であっても良い。本発明では特に、基材フィルムに昇華性染料を含む熱転写性色材層として、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を面順次に形成して、フルカラー写真画像に匹敵する高品質の熱転写画像を形成することが好ましい。尚、黒色の文字やパターンの熱転写画像の場合、上記の染料層のイエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の3色を重ねて、黒色を得ることは可能であるが、カーボンブラックの着色剤を使用した黒色の熱溶融性インキからなる色材層を基材フィルムに追加して、設けることが好ましい。これにより、黒色濃度が高く、鮮明な画像を得ることが出来る。
また本発明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面に熱転写性色材層を設け、該基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層を設けてなるものであれば、転写保護層や下引き層やその他の層を設けてなるものであってもよい。上記転写保護層を上述の熱転写性色材層と面順次に形成した場合、画像形成後に画像面を保護する保護層を転写することができ、有用なものである。上記転写保護層の層構成及び組成は特に限定されず、使用する基材フィルム、熱転写性色材層等の特徴に応じて、従来公知の技術より選択することができる。また、上記下引き層は、基材フィルムと染料層または基材フィルムと耐熱滑性層の接着性を考慮し、特に染料層と基材フィルムの間に設ける場合は染料の転写効率を向上させる組成などを従来公知の技術より適宜選択して設けることができる。
本発明の熱転写シートは、染料の再移行に起因する保護層等への色移り(バック)が非常に少ないだけでなく、耐熱滑性層への染料移行(キック)が少なく、色再現性に優れ、保存後に使用しても低濃度領域も好適に色相を再現することができる。本発明の耐熱滑性層のバインダー樹脂は、ポリビニルブチラールがポリイソシアネートにより硬化された樹脂であるが、耐熱滑性層の組成物において、ポリビニルブチラールに対して、反応硬化させるポリイソシアネートを、ポリビニルブチラール10質量部に対し、2.5〜7質量部の割合で含有させて、つまりポリビニルブチラールに対して、ポリイソシアネートの添加量を最小限に、減らすことにより、長期の熱処理(エージング)を行うことなく、耐熱滑性層用組成物の塗工、乾燥工程である耐熱滑性層の形成工程のみで、耐熱滑性層を硬化完了させることが可能となった。耐熱滑性層の形成された巻取りを、オフラインでエージング工程を経ることなく、効率的に基材フィルムの上に、耐熱滑性層を形成することができる。
また、本発明の熱転写シートは、耐熱滑性層を構成する耐熱滑性層用組成物の硬化物において、滑り性を向上させるためのリン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し10%以下の範囲で、添加量を抑えることにより、染料の再転移であるキックバック量を抑えた。但し、そのリン酸エステル系界面活性剤の添加量が少ない分、滑り性が低下するが、その滑り性を補充すべく、反応性シリコーンオイルを耐熱滑性層の全固形分に対して5%以下で含有させた。このように、耐熱滑性層を構成する耐熱滑性層用組成物の材料の含有割合を最適化することで、長期の熱処理(エージング)を行うことなく、硬化皮膜である耐熱滑性層を効率よく形成でき、また染料のキックバックの問題を防止でき、耐熱性、滑り性等に優れた耐熱滑性層が形成でき、結果として、熱転写時に印画カスの発生を充分に抑制することができ、色抜けのない高品位の印画物を形成することが可能となった。
本発明の熱転写シートは、上述の基材フィルムの耐熱滑性層側にサーマルヘッド等により所定箇所を加熱・加圧し、熱転写性色材層のうち印字部に相当する箇所の染料等の色材を被転写材に転写させて印字することができる。本発明の熱転写シートが熱昇華型の熱転写シートである場合、上記被転写材として熱転写受像シート等を使用することができる。上記熱転写受像シートとしては、記録面が染料受容性を有するものであれば特に限定されず、例えば、紙、金属、ガラス、合成樹脂等の基材の少なくとも一方の面に染料受容層を形成したものを挙げることができる。上記熱転写シートは、熱溶融型の熱転写シートである場合、通常の紙、プラスチックフィルム等を被転写材として使用することもできる。上記熱転写を行う際に使用するプリンターとしては、特に限定されず、公知の熱転写プリンターを使用することができる。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルK203E、三菱ポリエステルフィルム(株)製)の基材フィルムの一方の面に、ワイヤーバーコーターを用いて、下記耐熱滑性層用組成物1を固形分換算で0.5g/m2の割合で塗布し、100℃のオーブン内で1分間乾燥処理し、耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層用組成物1>
・ポリビニルポリビニルブチラール 69.6部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 38.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
上記の基材フィルムの他方の面に(易接着処理面に)、グラビアコーターにより、下記シアン染料層(C)用組成物を、乾燥塗布量が0.8g/m2になるように、塗布し、乾燥して、熱転写性色材層であるシアン染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。
<シアン染料層(C)用組成物>
・C.I.ソルベントブルー63 3.0部
・ポリビニルブチラール樹脂 3.0部
(BX−1、積水化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 41.0部
・トルエン 41.0部
(実施例2)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物2にした他は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物2>
・ポリビニルポリビニルブチラール 50.7部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 75.1部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 7.5部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが6.7質量部である。
(実施例3)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物3にした他は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物3>
・ポリビニルポリビニルブチラール 65.6部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 36.4部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 10.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(実施例4)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物4にした他は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物4>
・ポリビニルポリビニルブチラール 68.0部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 37.8部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 5.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(実施例5)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物5にした他は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物5>
・ポリビニルポリビニルブチラール 69.6部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 38.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−173DX、信越化学工業(株)製、片末端エポキシ基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(実施例6)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物6にした他は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物6>
・ポリビニルポリビニルブチラール 69.6部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 38.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−176DX、信越化学工業(株)製、片末端ジオール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(実施例7)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物7にした他は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物7>
・ポリビニルポリビニルブチラール 69.6部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 38.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−160AS、信越化学工業(株)製、片末端カルビノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(比較例1)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物8にした他は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物8>
・ポリビニルポリビニルブチラール 78.3部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 19.3部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが1.1質量部である。
(比較例2)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物9にした他は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物9>
・ポリビニルポリビニルブチラール 43.5部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 96.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 3.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが10質量部である。
(比較例3)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物10にした他は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物10>
・ポリビニルポリビニルブチラール 68.8部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 38.2部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 4.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 5.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(比較例4)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物11にした他は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物11>
・ポリビニルポリビニルブチラール 62.4部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 34.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 12.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 5.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(比較例5)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物12にした他は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物12>
・ポリビニルポリビニルブチラール 66.4部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 36.9部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 10.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 2.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(比較例6)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物13にした他は、実施例1と同様にして、比較例6の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物13>
・ポリビニルポリビニルブチラール 63.2部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 35.1部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 10.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・反応性シリコーンオイル 6.0部
(X−22−1821、信越化学工業(株)製、片末端フェノール基変性シリコーンオイル)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
(比較例7)
実施例1における耐熱滑性層用組成物1を、下記の耐熱滑性層用組成物14にした他は、実施例1と同様にして、比較例7の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用組成物14>
・ポリビニルポリビニルブチラール 69.6部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 38.7部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 5.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ジメチルシリコーンオイル 3.0部
(KF965−100、信越化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 1.0部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 4.0部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記のポリイソシアネートにおけるポリビニルブチラールに対する割合は、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが2.5質量部である。
上記の各実施例と比較例の熱転写シートについて、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワについて、評価した。評価方法について、以下に説明する。
評価方法
(キックバック防止性)
5cm×5cmの大きさに切断し、染料転移させた耐熱滑性層面と保護層面を重ね合わせ、定荷重圧縮試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、20kgf/cm2の荷重をかけ、60℃、湿度20%RHの環境下で強制的に染料を再転移させる(転移時間:24時間)。但し、保護層はキャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)の保護層部分を使用した。但し、耐熱滑性層に染料転移させる条件は、上記の各実施例及び比較例の熱転写シートで、耐熱滑性層面と染料層面を重ね合わせ、上記の荷重条件と同様に、20kgf/cm2の荷重をかけ、60℃、湿度20%RHの環境下で24時間放置して、強制的に染料を転移させた。
染料再転移した保護層面と受像紙の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、105℃、4mm・sec/lineにて転写を行った。更に、受像紙から保護層を剥がし、転写部の色相をGRETAG Spectrolino(D65光源、視野角2°;グレタグ社製)を用いて、JIS Z 8722の条件aに準拠して測定した。受像紙はキャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)を使用した。
(評価基準)
○:染料再転移させた保護層の転写物と、染料再転移させていない保護層の転写物の色差ΔE*abが1.5未満である。
×:染料再転移させた保護層の転写物と、染料再転移させていない保護層の転写物の色差ΔE*abが1.5以上である。
(滑り性)
京セラ(株)製サーマルヘッドKST−105−13FANを用い、これに4kgWの荷重、印画エネルギー0.10W/dotでベタ(階調値255/255:濃度マックス)と白部(階調値0/255)を印圧30Nで印画し、サーマルヘッドと耐熱滑性層の動摩擦力を測定した。動摩擦力を印圧で割ることにより摩擦係数を求めた。
受像紙はキャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)を使用し、受像紙幅は7cmとした。
(評価基準)
ベタ印画部における摩擦係数(μ255)と白印画時における摩擦係数(μ0)の比をμ255/μ0について、以下の基準に基づき評価した。
○:0.7≦μ255/μ0≦1.2
×:μ255/μ0>1.2又はμ255/μ0<0.7
△:摩擦係数の比は上記の「○」の範囲であるが、サーマルヘッドに印画カスが付着する。
(印画シワ)
京セラ(株)製サーマルヘッドKST−105−13FANを用い、これに4kgWの荷重、印画エネルギー0.10W/dotでベタ(階調値255/255:濃度マックス)を印圧30Nで印画し、発生するシワの本数をカウントした。但し、受像紙はキャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)を使用し、受像紙幅は7cmとした。
(評価基準)
印画された1画面当たりに発生するシワの本数を目視にて確認し、カウントした。
○:0本
△:1〜5本
×:6本以上
上記のキックバック防止性、滑り性及び印画シワの各評価結果を表1に示す。
Figure 2010076252
実施例1における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の下限値で含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3%含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。また、実施例2における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の上限値に近く含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し7.5%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3%含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。
実施例3における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の下限値で含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し10%で規定範囲の上限で、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3%含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。また、実施例4における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の下限値で含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し5%で規定範囲の上限で含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。
実施例5における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の下限値で含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5%含有し、また反応性シリコーンオイルを実施例1〜4で使用したものと種類を変えて、全固形分に対し3%含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。また、実施例6における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の下限値で含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5%含有し、また反応性シリコーンオイルを実施例1〜5で使用したものと種類を変えて、全固形分に対し3%含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。
実施例7における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の範囲の下限値で含有し、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5%含有し、また反応性シリコーンオイルを実施例1〜6で使用したものと種類を変えて、全固形分に対し3%含有するもので、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの全ての評価結果が良好であった。
比較例1における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが1.1質量部で含有し、規定範囲より少なく、キックバック防止性、耐熱滑性層の滑り性は良いが、印画シワの評価結果が不良であった。また比較例2における熱転写シートでは、耐熱滑性層がポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートが10質量部で含有し、規定範囲より多く、キックバック防止性は良いが、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの評価結果が不良であった。比較例3における熱転写シートでは、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し4%含有し、好ましい範囲である全固形分に対し5〜10%よりも少なく、キックバック防止性は良いが、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの評価結果が不良であった。
比較例4における熱転写シートでは、リン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し12%含有し、規定範囲より多く、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワは良いが、キックバック防止性が不良であった。比較例5における熱転写シートでは、耐熱滑性層が反応性シリコーンオイルを全固形分に対し2%含有し、好ましい範囲である全固形分に対し3〜5%よりも少なく、キックバック防止性は良いが、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの評価結果が不良であった。比較例6における熱転写シートでは、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し6%含有し、規定範囲よりも多く、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワは良いが、キックバック防止性が不良であった。比較例7の熱転写シートでは、耐熱滑性層が反応性シリコーンを含有した組成物の硬化物から構成されていなく、キックバック防止性は良いが、耐熱滑性層の滑り性及び印画シワの評価結果が不良であった。
本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す断面図である。 本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2 耐熱滑性層
3 熱転写性色材層

Claims (3)

  1. 基材フィルムの一方の面に熱転写性色材層を有し、該基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層がポリビニルブチラールとポリイソシアネートを、ポリビニルブチラール10質量部に対し、ポリイソシアネートを2.5〜7質量部の割合で含有し、かつリン酸エステル系界面活性剤を全固形分に対し5〜10%、反応性シリコーンオイルを全固形分に対し3〜5%を含有する耐熱滑性層用組成物の硬化物からなることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記の耐熱滑性層は、更に金属石鹸を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記の耐熱滑性層は、更にフィラーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
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