JP5413074B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シ−トに関し、更に詳しくは基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートで、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの滑り性が良好で、印画時の熱転写シートにシワが発生すること、さらにサーマルヘッドにカスが堆積しやすいことを防止した耐熱性を有する熱転写シートに関するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材シート上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この場合には、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドによる加熱によって、3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
このような熱転写シートは、熱転写プリンターにより加熱記録されるが、その熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに伴い、印字時のサーマルヘッドによる単位時間当たりの印加エネルギーが高くなり、それによって、熱転写シートの受ける熱量が、従来よりも高くなってきている。さらに、通常の印字の際には、熱転写シートに流れ方向にテンションがかけられている。そのため、印字の際の熱エネルギーとテンションにより、熱転写シートの基材シートの伸びが起こり、熱転写シートにシワ等の変形が生じて、印字の際に印字ムラが発生したり、著しい場合は、熱転写シートを搬送できずに、印字不能になる等の問題がある。また、上記の印字の際の熱エネルギーは、特に昇華型熱転写シートを用いて記録する場合には、熱溶融型熱転写シートの記録する場合よりも、記録方式の違いで、非常に高い熱量が加えられている。
従来の熱転写シートで、高濃度ないし高速の印画を行う時に、基材シートのプラスチックフィルムに、プラスチックの持つ融点以上の高温がサーマルヘッドから加えられる場合に、基材シートが熱負けして熱転写シートにシワが発生し、結果として印画される画像に、そのシワによる画像ムラが発生してしまう。このような熱転写シートにシワが起こらないように、基材シートの熱転写色材層面とは反対の面に、各種耐熱性樹脂を含む層(耐熱滑性層)を形成することが提案されている。
例えば、特許文献1には、熱転写シートの耐熱滑性層に耐熱性樹脂である熱架橋性高分子を架橋させて耐熱性を向上させることが記載されている。また特許文献2には、熱転写シートの耐熱滑性層に耐熱性樹脂である電子線架橋性高分子を架橋させて耐熱性を向上させることが記載されている。また特許文献3には、熱転写シートの耐熱滑性層に耐熱性樹脂である紫外線架橋性高分子を架橋させて耐熱性を向上させることが記載されている。
しかしながら、これらの方法では、目的とする性能を得るために、層の厚さを増加させると、耐熱性樹脂を硬化させるために多大なエネルギーが必要となり、結果として熱転写シートの基材シートに熱変形が生じたりする問題があった。また、熱転写シートの背面側とサーマルヘッドとのスリップ性(滑り性)の向上のために、シリコーンオイル、低融点WAX、界面活性剤等の滑剤を添加することが提案されているが、不適当なこれらの滑剤を使用した場合には、熱転写シートを巻き取った際に反対面に移行する、または印画時にサーマルヘッドを汚染するという問題がある。特に、多数枚の印画物を得るために、ロングランで熱転写記録を行なう際、サーマルヘッドにカスが付着し堆積して、印画物の画像品質に影響が生じるなどの問題がある。
また、イソシアネートにより硬化した樹脂と、シリカ等の無機フィラーを含有するような耐熱滑性層を用いれば、上記のサーマルヘッドカスが付着しても、そのカスを除去できるようになるが、サーマルヘッドと接触する耐熱滑性層が非常に固く、サーマルヘッドの磨耗量が多くなり、サーマルヘッドの寿命が短くなる等の問題がある。
特開平6−278373号公報 特開平6−171248号公報 特開平2−128899号公報
上記のように、高速印画条件では、熱転写シートにシワが発生すること、サーマルヘッドにカスが堆積すること等の悪影響を生じやすいために、本発明の目的は、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの滑り性が良好で、印画時の熱転写シートにシワが発生すること、またサーマルヘッドにカスが堆積しやすいこと、さらにサーマルヘッドが磨耗しやすいことを防止した耐熱性を有する熱転写シートを提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの一方の面に、染料層を必須として有し、さらに熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層を面順次に形成し、該基材シートの他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層は2種類の層が、塗り分けられ、1種類の耐熱滑性層Aが表面に露出する位置の基材シートの反対側に、前記染料層が設けられ、もう1種類の耐熱滑性層Bが表面に露出する位置の基材シートの反対側に、前記熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層が設けられ、耐熱滑性層Aは非硬化型樹脂に滑剤を含有するもので、耐熱滑性層Bは硬化型樹脂にフィラーを含有することを特徴とする。
上記の構成をとることにより、熱転写シートにおける染料層では、高速印画における高熱が付加されても、耐熱滑性層Aが硬化型樹脂を含まなく、非硬化型樹脂に滑剤を含有する構成であり、柔軟性があり、印画時の熱転写シートにシワが発生しにくく、さらにサーマルヘッドの磨耗がしにくくなっている。その反面、耐熱滑性層Aでは、サーマルヘッドにカスが堆積しやすいが、特に多数枚の印画物を得るために、ロングランで熱転写記録を行なうと、サーマルヘッドにカスが付着して、結果として大量のカスが堆積して、印画物の画像品質に影響が生じやすい。それに対して、印画物の1画面単位ごとに、使用する熱転写シートの耐熱滑性層が耐熱滑性層A及び耐熱滑性層Bを有しているので、サーマルヘッドカスを耐熱滑性層Bで、クリーニングできる。すなわち、まず熱転写受像シートに染料層から染料転写して、1画面分の熱転写画像を形成する際に、サーマルヘッドに付着したカスがあるが、硬化型樹脂を主体に構成される耐熱滑性層Bの位置で、熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層を転写する際に、上記サーマルヘッドカスを耐熱滑性層Bで、1画面ごとに、頻繁にクリーニングすることができ、安定して優れた画質の印画物を形成できる。但し、耐熱滑性層Bでは、サーマルヘッドの磨耗が生じやすいが、熱転写シートの背面側で、サーマルヘッドの磨耗がしにくい耐熱滑性層Aと、耐熱滑性層Bを塗り分けているので、常時、耐熱滑性層Bがサーマルヘッドと接触していないので、問題はない。
上記の耐熱滑性層Bにおける硬化型樹脂は、イソシアネート、あるいはキレートにより硬化可能な樹脂であり、耐熱滑性層Aの非硬化型樹脂は、イソシアネート、あるいはキレートにより硬化可能な硬化性樹脂を含有しない、熱可塑性樹脂を主体に構成されていることが、好ましい。これにより、加熱により安定して、熱硬化した架橋物による耐熱滑性層Bが形成できる。
前記の耐熱滑性層Bが基材シートの裏面側に全面に設けられ、前記染料層の設けられた領域の基材シートの反対側に、前記耐熱滑性層Aが耐熱滑性層Bの上に、設けられていることが好ましい。これにより、耐熱滑性層Aと耐熱滑性層Bの塗分けを、耐熱滑性層Aの形成位置を合わせるだけで、結果的に耐熱滑性層Bの塗分けが可能となり、熱転写シートの製造が効率的にできる。
本発明の熱転写シートは、熱転写シートにおける染料層では、高速印画における高熱がサーマルヘッドで付加されても、耐熱滑性層Aが硬化型樹脂を含まなく、非硬化型樹脂に滑剤を含有する構成であり、柔軟性があり、印画時の熱転写シートにシワが発生しにくい。その反面、耐熱滑性層Aでは、サーマルヘッドにカスが堆積しやすい欠点を有するが、その欠点を耐熱滑性層Bが補填できる。すなわち、硬化型樹脂を主体に構成される耐熱滑性層Bの位置で、熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層を転写する際に、上記サーマルヘッドカスを耐熱滑性層Bでクリーニングすることができる。但し、耐熱滑性層Bは、サーマルヘッドの磨耗が生じやすい欠点を有するが、熱転写シートの背面側で、サーマルヘッドの磨耗がしにくい耐熱滑性層Aと、耐熱滑性層Bを塗り分けているので、実用上、問題がない。
本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す断面図である。 本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す断面図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す。基材シート1の一方の面に、耐熱滑性層2として、耐熱滑性層A(21)と耐熱滑性層B(22)が塗り分けられて形成され、耐熱滑性層Aが形成された位置の基材シート1の反対側に、染料層3が設けられ、耐熱滑性層Bが形成された位置の基材シート1の反対側に、熱転写性保護層4が設けられ、その染料層3として、イエロー染料層31、マゼンタ染料層32、シアン染料層33、さらに熱転写性保護層4を基材シート1の流れ方向に、面順次に繰り返し設けた構成である。
また、図2には本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す。基材シート1の一方の面に、染料層3として、イエロー染料層31、マゼンタ染料層32、シアン染料層33、さらに熱溶融性ブラックインキ層5、熱転写性保護層4を基材シート1の流れ方向に、面順次に繰り返し設け、該基材シート1の他方の面に、耐熱滑性層2として、耐熱滑性層B(22)が基材シート1に接して、全面に設けられ、染料層3の設けられた領域の基材シート1の反対側に、耐熱滑性層A(21)が耐熱滑性層B(22)の上に、部分的に設けられている。これにより、耐熱滑性層A(21)が表面に露出する位置の基材シート1の反対側に、染料層3が設けられ、もう1種類の耐熱滑性層B(22)が表面に露出する位置の基材シート1の反対側に、熱溶融性ブラックインキ層5及び熱転写性保護層4が設けられた構成である。図1、2に示されたものに限らず、基材シートと耐熱滑性層との間や、基材シートと染料層との間にプライマー層を設けたりすることができる。
以下に、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳しく説明する。
(基材シート)
本発明の熱転写シートを構成する基材シート1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体であってもよい。
(耐熱滑性層)
耐熱滑性層2は、印画時におけるサーマルヘッドの走行性、耐熱性等を向上させる目的で、形成されるが、本発明では、耐熱滑性層は2種類の層である耐熱滑性層Aと耐熱滑性層Bが、基材シートに塗り分けられる。耐熱滑性層Aは硬化型樹脂を含まなく、非硬化型樹脂に滑剤を含有する構成であり、柔軟性があり、熱転写シートの染料層から染料を、熱転写受像シートに熱転写して、印画する時の熱転写シートのシワ発生を防止する。耐熱滑性層Bは、硬化型樹脂にフィラーを含有する構成で、耐熱滑性層Aのサーマルヘッドにカスが堆積しやすい欠点を、解消することができる。すなわち、耐熱滑性層Bの位置で、熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層を転写する際に、上記サーマルヘッドカスを耐熱滑性層Bでクリーニングすることができる。耐熱滑性層Bを構成する硬化型樹脂自体の耐熱性が高く、加熱により、あまりダメージを受けない(カスにもならない)ために、硬化型樹脂自体に、上記のクリーニング効果がある。また、散弾式摩耗度が15〜100mgのような硬いフィラーを含有させることで、よりクリーニング効果をもたせることができる。
耐熱滑性層Aを形成するバインダー樹脂は、非硬化型樹脂であり、熱可塑性樹脂である。但し、熱硬化する樹脂ではないが、耐熱性をもたせるために、ガラス転移温度が70〜150℃の比較的高い高分子が用いられる。好ましい熱可塑性樹脂としては、公知の樹脂が使用でき、例えばポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、セルロース樹脂やヒドロキシエチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂やポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、シリコーン変性樹脂、長鎖アルキル変性樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層Aに含有する滑剤としては、リン酸エステル系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルや、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等の金属石鹸、長鎖脂肪族化合物、低分子量ポリプロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体、脂肪酸塩類とポリエーテル化合物との縮合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、長鎖アルキルスルホン酸ナトリウム塩、ソルビタン酸エステル系化合物、高級アルコール及び/又は高級アミンとイソシアネート類との反応物など、一種または二種以上の混合物などが使用できる。
上記滑剤の添加量は、バインダーの樹脂100質量部に対して、1〜100質量部の範囲であり、2〜50質量部が好ましい。滑剤の添加量が上記において1質量部未満の場合は、サーマルヘッドに対する滑性が十分に得られず、熱転写シートがサーマルヘッドにスティッキングし、印画のシワなどが発生する。一方、滑剤の添加量が上記において100質量部を超えると、熱転写シートを巻取りで保存した際、耐熱滑性層の滑剤が重なり合う熱転写性色材層に移行し、また、熱転写性色材層が昇華性染料を用いている染料層の場合には、その染料が耐熱滑性層に移行しやすくなるため、これを印画に使用した場合、サーマルヘッドにカスの付着を生じ、更に、印画物の色再現性にも悪影響を及ぼすことになる。
また、耐熱滑性層Aにフィラーを含有させて、滑り性を更に向上させることが好ましい。そのフィラーは、散弾式摩耗度が15〜100mg、更に好ましくは20〜40mgのものであるものを使用する。この摩耗度が15mgよりも低いと、粒子が軟らかすぎて印字時の熱や圧力により潰れて、ヘッドカスやスティッキングを生じやすくなり、また、100mgよりも高いと、耐ヘッド摩耗性が悪くなる。上記の散弾式摩耗度とは、測定したい粉体を、水及び散弾とともに測定用ガラス管に入れ、所定の回転数を回転させることにより、散弾の摩耗による摩耗量を秤量し、この数値をもって摩耗度を規定する方法である。ただし、ここで用いる散弾は、JIS規格で規定される鉛玉散弾(2A)を用いたものである。
上記のフィラー(粒子)としては、例えば、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウムなどの硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機微粒子、又はアクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機樹脂微粒子、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる。以上の如き粒子は前記バインダー樹脂100質量部に対し、5〜40質量部の割合で使用することが望ましく、添加量が少なすぎると滑り性が不十分であり、一方多すぎると形成される耐熱滑性層の可撓性や被膜強度が低下する。
耐熱滑性層Bを形成するバインダー樹脂は、硬化型樹脂であり、水酸基(OH)を2個以上含有する化合物であるポリオール樹脂が挙げられ、架橋剤を加えて架橋させる。耐熱滑性層Bに含まれるポリオール樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアセトアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂が挙げられる。これらの中でも、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、又はポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂が、分子量と水酸基価とが高い点において好ましい。
セルロース系樹脂としては、CAB553−0.4(イーストマンケミカル社製)、CAP482−0.5(イーストマンケミカル社製)等を、ポリビニルアセタール系樹脂としては、BX−1(積水化学社製)、BM−1(積水化学社製)等を好適に使用することができる。ポリオール樹脂の配合量は、耐熱滑性層の全固形分量に対して、30〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。また、ポリオール樹脂の水酸基価は、5〜100KOHmg/gであることが好ましく、10〜80KOHmg/gであることがより好ましい。数平均分子量(サイズ排除クロマトグラフィーにより測定)は、1000〜200000であることが好ましく、10000〜100000であることがより好ましい。ポリオール樹脂の配合量、水酸基価、及び数平均分子量が、上記範囲であれば、材料としての取り扱いが容易であり、また、良好な強度と可撓性を有する塗膜を形成することができる。
耐熱滑性層Bに含まれる架橋剤は、ポリイソシアネートが挙げられ、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
これらのポリイソシアネートは、例えば、タケネート(武田薬品工業株式会社製)、バーノック(大日本インキ化学工業株式会社製)、コロネート(日本ポリウレタン工業株式会社製)ジュラネート(旭化成工業株式会社製)、ディスモヂュール(バイエル社製)等の商品名で入手して本発明に使用することができる。ポリイソシアネートの添加量は、耐熱滑性層を構成するバインダーの樹脂100質量部に対し、5〜200質量部の範囲が適当である。−NCO/−OH比では0.6〜2.0の範囲が好ましい。ポリイソシアネートの使用量が不足する時は、架橋密度が低いため耐熱性が不充分であり、一方、多すぎると形成される塗膜の収縮を制御できず、硬化時間の長期化、未反応−NCO基が滑性層中に残存し、大気中の水分と反応する等、不具合を生じることがある。尚、水酸基等の反応性基を有するバインダー樹脂の硬化剤として、上記のポリイソシアネートだけではなく、キレート化合物や、カルボジイミド等を用いることもできる。
耐熱滑性層Bに含有するフィラーとしては、耐熱滑性層Aで説明したものと同様の種類が使用できるが、中でも、散弾式摩耗度が100〜160mg程度の硬めのフィラーを用いて、耐熱滑性層Aでの印字で、サーマルヘッドに堆積したカスをクリーニングできる。また、耐熱滑性層Bに滑剤を含有させて、サーマルヘッドとの滑り性を向上させることができる。この耐熱滑性層Bに含有させる滑剤としては、耐熱滑性層Aに含有する滑剤で説明したものを同様に使用することが出来る。
上記の耐熱滑性層A及び耐熱滑性層Bを基材シート上に設けるには、上記の必要成分をアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の適当な溶媒に溶解ないし分散させて、耐熱滑性層形成用インキとして、これをグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の適切な印刷方法、塗布方法により基材シート上に形成する。次いで30℃〜80℃の温度に加熱することによって乾燥する。尚、耐熱滑性層Bの場合は、水酸基等の反応性基を有するバインダー樹脂と硬化剤を反応させて耐熱滑性層を形成すればよい。耐熱滑性層A及びBの厚さは0.5〜5μm、好ましくは1〜2μmであることが好ましい。この膜厚が0.5μmよりも薄い場合は、耐熱滑性層としての効果が十分ではなく、また5μmよりも厚いと染料層へのサーマルヘッドからの熱伝達が悪くなり印字濃度が低くなる。基材シート上に耐熱滑性層を設ける場合は、特に耐熱滑性層Bでは水酸基等の反応性基を有するバインダー樹脂と硬化剤との反応を促進するために加熱することが好ましいが、染料層に熱の影響を及ぼさないようにするためには耐熱滑性層を基材シート上に設けた後で、染料層、熱転写保護層、熱溶融性着色インキ層を設けることが好ましい。
耐熱滑性層A及び耐熱滑性層Bを基材シート上に、塗り分ける際に、図1に示す配置で行なう場合、例えば、耐熱滑性層Aの塗工液にカーボンブラックや蛍光発色剤を添加して、耐熱滑性層Aを最初に基材シートに、グラビア版に耐熱滑性層Aが、耐熱滑性層Bが塗工される間隔を空けて、パターンにして、耐熱滑性層Aを間歇で印刷する。次に、印刷された耐熱滑性層Aのカーボンブラックや蛍光の発色を読み取り可能な、検知器(センサー)を使用して、耐熱滑性層Aの印刷された先頭部と末端部を検出し、耐熱滑性層Aに隣接した部分に、耐熱滑性層Bの位置を合わせて、印刷塗工する。その際に、耐熱滑性層Bの印刷でも、使用するグラビア版に耐熱滑性層Bが、耐熱滑性層Aが塗工された間隔を空けて、パターンにして、耐熱滑性層Bを間歇で印刷する。図1の配置で、耐熱滑性層を塗り分けた後に、染料層、熱転写性保護層を塗工する際に、上記の耐熱滑性層Aに含有するカーボンブラックや蛍光発色剤を、センサーで検出して、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層の印刷位置を合わせ、さらに、同様に耐熱滑性層Aのセンサー検出により、熱転写性保護層の印刷位置も合わせることができる。
また、図2に示す配置の場合では、基材シートに、まず耐熱滑性層Bを全面に塗工して形成し、その後にカーボンブラックや蛍光発色剤を添加した塗工液により、耐熱滑性層Aを形成する。その耐熱滑性層Aを印刷する際のグラビア版には、熱溶融性ブラックインキ層と熱転写性保護層の形成される間隔を空けて、パターン化されたものを使用する。その後に、図2の配置で、染料層、熱溶融性ブラックインキ層、熱転写性保護層を塗工する際に、上記の耐熱滑性層Aに含有するカーボンブラックや蛍光発色剤を、センサーで検出して、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層の印刷位置を合わせ、さらに、同様に耐熱滑性層Aのセンサー検出により、熱溶融性ブラックインキ層、熱転写性保護層の印刷位置も合わせることができる。
(染料層)
基材シートの耐熱滑性層Aの設けられている面の他方の面に形成される染料層3は、昇華性染料を含む層である。その昇華型染料としては、従来、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、そしてピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。具体的には次のような染料が用いられる。
C.I.(Color Index)ディスパースイエロー51,3,54,79,60,23,7,141,201,231
C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,87,287,154,26,354
C.I.ディスパースレッド135,146,59,1,73,60,167
C.I.ディスパースオレンジ149
C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,36,56,31
C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29
C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49,111,105,97,11
C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,182
C.I.ソルベントバイオレット13
C.I.ソルベントブラック3
C.I.ソルベントグリーン3
例えばイエロー染料としてフォロンブリリアントイエローS−6GL(サンド社製、ディスパースイエロー231)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製、ディスパースイエロー201)、マゼンタ染料としてMS−RED−G(三井東圧化学株式会社製、ディスパースレッド60)、マクロレックスレッドバイオレットR(バイエル社製、ディスパースバイオレット26)、シアン染料はカヤセットブルー714(日本化薬株式会社製、ソルベントブルー63)、フォロンブリリアントブルーS−R(サンド社製、ディスパースブルー354)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製、ソルベントブルー36)等があげられる。
次に、上記の染料を担持するためのバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース,酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、これらの中ではセルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アクリル系およびポリエステル系の樹脂が耐熱性、染料移行性などの点で好ましく用いられる。
昇華型の熱転写性色材層である染料層は、前記基材シートの一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて添加剤(例えば、離型剤など)やフィラー等を加えて、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させて、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗工および乾燥して塗膜を形成することができる。このようにして形成する染料層は、塗工量の厚さで、乾燥状態で、0.2〜5.0g/m2好ましくは0.4〜2.0g/m2程度の厚さであり、また染料層中の昇華性染料は、染料層の質量の5〜90質量%好ましくは10〜70質量%の量で存在するのがよい。希望する熱転写性色材層の画像がモノカラーである場合は、イエロー、マゼンタ、シアン等の染料層の中から1種を選んで形成し、またフルカラー画像である場合には適当なイエロー、マゼンタ、およびシアン(必要に応じて、ブラックも追加する)の各染料層を選んで形成する。
(熱溶融性着色インキ層)
基材シートの耐熱滑性層Bの設けられている面の他方の面に形成される熱溶融性着色インキ層5は、以下の熱溶融性着色インキから形成される。本発明において用いられる熱溶融性着色インキは、着色剤とビヒクルからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたものである。着色剤としては、有機または無機の顔料あるいは染料のうち、記録材料として要求される着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。また加熱により発色するような物質や、被転写体に塗布されている物質と接触することにより発色するような物質を用いることもできる。そして、着色剤は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の他に、種々の色の着色剤を使用することができる。
ビヒクルは、ワックスを主成分とし、その他にワックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロースおよびゴムの誘導体等との混合物が用いられる。また、熱溶融性着色インキからなる熱溶融性着色インキ層には、良好な熱伝導性および溶融転写性を与えるために、熱伝導性物質を含有させることができる。このような熱伝導性物質としては、カーボンブラック等の炭素質物質、アルミニウム、銅、酸化スズ、二硫化モリブデン等が挙げられる。上記の熱溶融性着色インキを用いて、基材シート上へ熱溶融性着色インキ層を形成する方法としては、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の方法が挙げられる。熱溶融性着色インキからなる熱溶融性着色インキ層の厚さは、要求される印字濃度、熱感度等を考慮して適宜決定することができ、通常、0.1〜30μm程度である。
(熱転写性保護層)
本発明における熱転写性保護層4の保護層形成材料および形成方法としては、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂を例示することができる。上記の樹脂を溶剤に溶解して塗工液を作製し、該塗工液を塗布および乾燥して熱転写性保護層が形成される。その保護層の厚さは0.5μm〜10μm程度である。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、グラビアコーターを用い、下記耐熱滑性層用A塗工液1を固形分換算で1.0g/m2の割合で、図1に示すような配置で、パターンで塗布、乾燥させ、耐熱滑性層Aを形成した。
<耐熱滑性層A用塗工液1>
・アクリル樹脂 65部
(ダイヤナールBR−80、三菱レイヨン(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 5部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF、堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックスTM 1000、ベーカーペトロライト製)
・蛍光増白剤 1部
(UVITEX OB、チバ・ジャパン(株)製)
・メチルエチルケトン 400.0部
・トルエン 400.0部
また、上記の耐熱滑性層Aの未塗工部に、図1に示すように、グラビアコーターを用い、下記耐熱滑性層B用塗工液1を固形分換算で1.0g/m2の割合で、パターンで塗布、乾燥させ、耐熱滑性層Bを形成した。但し、耐熱滑性層Aに含有する蛍光増白剤を、センサーで検出して、図1に示すような配置になるように、耐熱滑性層Bの位置を合わせて、印刷塗工した。
<耐熱滑性層B用塗工液1>
・ポリビニルブチラール樹脂 30部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 110部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 15部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・タルク(ミクロエースL−3、日本タルク工業(株)製) 5部
・メチルエチルケトン 400.0部
・トルエン 400.0部
基材シートの他方の面に(易接着処理面に)、グラビアコーターにより、下記塗工液を用いて、イエロー染料層(Y)、マゼンタ染料層(M)、シアン染料層(C)を、この順に面順次に繰返して形成した。但し、耐熱滑性層Aの塗工された領域の下に、図1に示すように、各染料層を形成した。また耐熱滑性層Aに含有する蛍光増白剤を、センサーで検出して、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層の印刷位置を合わせた。各染料層(Y、M、C)は、下記の各染料層(Y、M、C)用塗工液を用いて、それぞれ固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥した。
<イエロー染料層用塗工液(Y)>
・分散染料(ホロンブリリアントイエロー−S−6GL) 5.5部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<マゼンタ染料層用塗工液(M)>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液(C)>
・分散染料(カヤセットブルー714) 4.5部
・バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
基材シートの上記の各染料層を形成した残りの部分に、図1に示すように、下記の熱転写性保護層用塗工液を用いて、固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥して、熱転写性保護層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。但し、上記の熱転写性保護層と基材シートとの間には、下記の離型層用塗工液を用いて、固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥して、離型層を形成しておいた。尚、離型層、熱転写性保護層の印刷は、耐熱滑性層Aに含有する蛍光増白剤を、センサーで検出して、位置合わせて印刷した。
<熱転写性保護層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 100.0部
(ソルバインCNL 日信化学工業(株)製)
・トルエン 150.0部
・メチルエチルケトン 150.0部
<離型層用塗工液>
・ウレタン樹脂(クリスボン9004、DIC製) 20.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂(KS−5、積水化学工業(株)製) 5.0部
・ジメチルホルムアルマイド 80.0部
・メチルエチルケトン 120.0部
(実施例2)
厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、グラビアコーターを用い、実施例1で使用した耐熱滑性層用B塗工液1を固形分換算で1.0g/m2の割合で、基材シート全面に塗布、乾燥させ、耐熱滑性層Bを形成した。さらに、図2に示すような配置で、上記の耐熱滑性層Bの上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用A塗工液1を固形分換算で1.0g/m2の割合で、パターンで塗布、乾燥させ、耐熱滑性層Aを形成した。
基材シートの他方の面に(易接着処理面に)、グラビアコーターにより、実施例1で使用したイエロー、マゼンタ、シアンの各塗工液を用いて、イエロー染料層(Y)、マゼンタ染料層(M)、シアン染料層(C)を、この順に面順次に繰返して形成した。但し、耐熱滑性層Aの塗工された領域の下に、図2に示すように、各染料層を形成した。また耐熱滑性層Aに含有する蛍光増白剤を、センサーで検出して、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層の印刷位置を合わせた。各染料層(Y、M、C)は、各染料層(Y、M、C)用塗工液を用いて、それぞれ固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥した。
基材シートの上記の各染料層を形成した残りの部分に、図2に示すように、下記の熱溶融性ブラックインキを用いて、固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥し、熱溶融性ブラックインキ層を形成した。尚、熱溶融性ブラックインキ層の印刷は、耐熱滑性層Aに含有する蛍光増白剤を、センサーで検出して、位置合わせて行なった。
<熱溶融性ブラックインキ>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂溶液 20.0部
(ソルバインCNL 日信化学工業(株)製)
・カーボンブラック 10.0部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 70.0部
上記の各染料層及び熱溶融性ブラックインキ層を形成した残りの部分に、図2に示すように、実施例1で使用した離型層用塗工液を用いて、離型層を固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥して、形成し、さらにその離型層の上に、実施例1で使用した熱転写性保護層用塗工液を用いて、固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥して、熱転写性保護層を形成し、実施例2の熱転写シートを作製した。尚、離型層、熱転写性保護層の印刷は、耐熱滑性層Aに含有する蛍光増白剤を、センサーで検出して、位置合わせて行なった。
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層A用塗工液のみを、下記に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層A用塗工液2>
・ポリビニルブチラール樹脂 65部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 5部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF、堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックスTM 1000、ベーカーペトロライト製)
・蛍光増白剤 1部
(UVITEX OB、チバ・ジャパン(株)製)
・メチルエチルケトン 400.0部
・トルエン 400.0部
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層A用塗工液のみを、下記に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層A用塗工液3>
・ポリエステルウレタン樹脂 65部
(バイロンUR−3200、東洋紡績(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 5部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF、堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックスTM 1000、ベーカーペトロライト製)
・蛍光増白剤 1部
(UVITEX OB、チバ・ジャパン(株)製)
・メチルエチルケトン 400.0部
・トルエン 400.0部
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写シートにおいて、耐熱滑性層A用塗工液のみを、下記に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層A用塗工液4>
・ポリアミドイミド樹脂 65部
(バイロマックスHR−15ET、積水化学工業(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 5部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF、堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックスTM 1000、ベーカーペトロライト製)
・蛍光増白剤 1部
(UVITEX OB、チバ・ジャパン(株)製)
・メチルエチルケトン 400.0部
・トルエン 400.0部
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写シートで、耐熱滑性層を2種類の層を塗り分けるものでなく、実施例1で使用した耐熱滑性層A用塗工液1を用いて、基材シートの一方の面の全面に、塗工、乾燥して耐熱滑性層Aを形成した。耐熱滑性層は、これ以外は設けなかった。その他の染料層、熱転写性保護層は実施例1と同様にして形成して、比較例1の熱転写シートを作製した。
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写シートで、耐熱滑性層を2種類の層を塗り分けるものでなく、実施例1で使用した耐熱滑性層B用塗工液1を用いて、基材シートの一方の面の全面に、塗工、乾燥して耐熱滑性層Bを形成した。耐熱滑性層は、これ以外は設けなかった。その他の染料層、熱転写性保護層は実施例1と同様にして形成して、比較例2の熱転写シートを作製した。
上記の各実施例と比較例の熱転写シートについて、印画シワ、サーマルヘッドカス及びサーマルヘッド耐久性について、評価した。評価方法について、以下に説明する。
評価方法
1.印画シワ
各例で作製した熱転写シートを以下に示す被転写体を用いて、以下の印画条件にて、印画を行い、その際に、印画シワの状況を肉眼で評価した。
<印画条件>
被転写体:三菱電機(株)製CP8000D用
プリンター:三菱電機(株)製CP8000D 昇華プリンター
ベタパターンとハーフトーンの連続パターンを、連続で100画面(100枚)印画して、印画物のシワによる画質を調べた。
印画シワの評価の判断基準は以下の通りである。
○:印画シワなし。
△:印画物の端部に細かい印画シワが有る。
×:印画物に目立った印画シワが有る。
2.サーマルヘッドカス
上記の印画シワの評価を行なった際の印画条件で、但し、各例において、100枚を連続して印画して、その後にサーマルヘッドをプリンターから取り外して、顕微鏡にてサーマルヘッドカスの付着量を評価した。但し、各例で、最初の印画開始時点ではサーマルヘッドにカスは付着していない条件である。サーマルヘッドカスは、サーマルヘッドに熱転写シートの両サイドが当たる部分で多く発生する傾向が見られたため、判定は、サーマルヘッド付着物が、熱転写シートの両サイドが当たる部分のサーマルヘッドにおいて、サーマルヘッドのヒーターラインを覆うほど発生している場合を×、若干の付着はあってもヒーターラインを覆うほどではない場合を○とした。
3.サーマルヘッド耐久性
上記の印画シワの評価を行なった際の印画条件で、但し、連続印画の枚数を100枚ではなく、30000枚の印画を行なった後に、サーマルヘッドの熱転写シートとの摩擦面を、マイクロスコープにて確認し、サーマルヘッドの耐久性を調べた。
そのサーマルヘッドの耐久性の評価の判断基準は以下の通りである。
○:サーマルヘッドの磨耗は、ほとんど確認できない。
×:サーマルヘッドの磨耗が明らかに確認できる。
上記の印画シワ、サーマルヘッドカス及びサーマルヘッド耐久性の評価結果を表1に示す。
Figure 0005413074
1 基材シート
2 耐熱滑性層
3 染料層
4 熱転写性保護層
5 熱溶融性ブラックインキ層
21 耐熱滑性層A
22 耐熱滑性層B
31 イエロー染料層
32 マゼンタ染料層
33 シアン染料層

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面に、染料層を必須として有し、さらに熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層を面順次に形成し、該基材シートの他方の面に耐熱滑性層が形成されている熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層は2種類の層が、塗り分けられ、1種類の耐熱滑性層Aが表面に露出する位置の基材シートの反対側に、前記染料層が設けられ、もう1種類の耐熱滑性層Bが表面に露出する位置の基材シートの反対側に、前記熱溶融性着色インキ層及び/または熱転写性保護層が設けられ、耐熱滑性層Aは非硬化型樹脂に滑剤を含有するもので、耐熱滑性層Bは硬化型樹脂にフィラーを含有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記の耐熱滑性層Bにおける硬化型樹脂は、イソシアネート、あるいはキレートにより硬化可能な樹脂であり、耐熱滑性層Aの非硬化型樹脂は、イソシアネート、あるいはキレートにより硬化可能な硬化性樹脂を含有しない、熱可塑性樹脂を主体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記の耐熱滑性層Bが基材シートの裏面側に全面に設けられ、前記染料層の設けられた領域の基材シートの反対側に、前記耐熱滑性層Aが耐熱滑性層Bの上に、設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
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