JP3045010U - カラー感熱転写記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルフクリーニング作用を有し、サーマルヘ
ッドの摩耗が低減された耐熱性背面層を有するカラー感
熱転写記録媒体を提供する。 【解決手段】 基材の片面側にイエロー色の感熱転写
層、マゼンタ色の感熱転写層およびシアン色の感熱転写
層、さらに要すればブラック色の感熱転写層が基材の長
手方向に繰り返し並べて配置されているカラー感熱転写
記録媒体において、前記各色の感熱転写層が設けられて
いる側と反対側の基材面上に、粒子を含有した耐熱性樹
脂による背面層が基材の長手方向に断続的に設けられ、
残りの部分に粒子を含有しない耐熱性樹脂による背面層
が設けられてなることを特徴とするカラー感熱転写記録
媒体。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はカラー感熱転写プリンタでカラー画像を形成するために使用するカラ ー感熱転写記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

カラー感熱転写プリンタでカラー画像を形成するためのカラー感熱転写記録媒 体としては、基材の片面側にイエロー色の感熱転写層、マゼンタ色の感熱転写層 およびシアン色の感熱転写層、さらに要すればブラック色の感熱転写層を基材の 長手方向に繰り返し並べて配置し、該各色の感熱転写層が設けられている側と反 対側の基材面上に、基材がサーマルヘッドに融着するのを防止するための耐熱性 樹脂からなる背面層を全面的に設けたものが知られている。

【０００３】 しかし、このような背面層では、ゴミ等の異物がサーマルヘッド、インクリボ ンに付着し白スジ、白ぬけ等の印画不良を発生させていた。

【０００４】 そこで、これらの異物を除去するためセルフクリーニング作用を有する粒子入 り背面層が考案され用いられているが、このインクリボンを用いると、粒子が研 磨剤となりサーマルヘッド表面を摩耗させ、やはり印画不良を発生させていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記の点に鑑みて、セルフクリーニング作用を有し、かつサーマル ヘッドの摩耗が低減された背面層を有するカラー感熱転写記録媒体を提供するこ とを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、（１）基材の片面側にイエロー色の感熱転写層、マゼンタ色の感熱 転写層およびシアン色の感熱転写層、さらに要すればブラック色の感熱転写層が 基材の長手方向に繰り返し並べて配置されているカラー感熱転写記録媒体におい て、前記各色の感熱転写層が設けられている側と反対側の基材面上に、粒子を含 有した耐熱性樹脂による背面層が基材の長手方向に断続的に設けられ、残りの部 分に粒子を含有しない耐熱性樹脂による背面層が設けられてなることを特徴とす るカラー感熱転写記録媒体に関する。

【０００７】 さらに本考案は、（２）前記粒子を含有した耐熱性樹脂による背面層が、前記 各色の感熱転写層のうちの特定の１色の感熱転写層に対応する領域に、該特定の １色の感熱転写層とほぼ同等の大きさで設けられていることを特徴とする前記（ １）項記載のカラー感熱転写記録媒体に関する。

【０００８】 さらに本考案は、（３）前記各色の感熱転写層が相互に所定間隔をおいて設け られてなり、前記粒子を含有した耐熱性樹脂による背面層が、該間隔に対応する 領域に設けられていることを特徴とする前記（１）項記載のカラー感熱転写記録 媒体に関する。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案は、基材の片面側にイエロー色の感熱転写層、マゼンタ色の感熱転写層 およびシアン色の感熱転写層、さらに要すればブラック色の感熱転写層が基材の 長手方向に繰り返し並べて配置されているカラー感熱転写記録媒体において、前 記各色の感熱転写層が設けられている側と反対側（以下、背面側という）の基材 面上に、粒子を含有した耐熱性樹脂による背面層を基材の長手方向に断続的に設 け、残りの部分に粒子を含有しない耐熱性樹脂による背面層を設けた構成とした ものであり、このようにセルフクリーニング作用を有する背面層を断続的に設け たことによって、サーマルヘッドのクリーニングを達成し、かつサーマルヘッド の摩耗の低減を図ることが可能となり、それによって、サーマルヘッド等に付着 した異物に起因する白スジ、白ぬけ等の印画不良を防止し、かつサーマルヘッド の摩耗に起因する印画不良を防止できる。粒子を含有する耐熱性樹脂による背面 層はサーマルヘッドのクリーニングを達成しうる範囲内で断続的に設ければよい が、粒子を含有する耐熱性樹脂の背面層（以下、粒子含有背面層という）と粒子 を含有しない耐熱性樹脂による背面層（以下、粒子非含有背面層という）とは一 般的に熱的性質が異なり、そのため記録媒体の粒子含有背面層を有する部分と粒 子非含有背面層を設けた部分とでは転写感度が異なる。したがって、この場合に は、ある色の感熱転写層が存在する領域内に粒子含有背面層と粒子非含有背面層 とが共にあると印画濃度ムラが発生することになる。

【００１０】 そこで、本考案では、粒子含有背面層と粒子非含有背面層との間の熱的性質の 差が大きいばあいは、たとえばつぎのような手段をとるのが好ましい。

【００１１】 （１）粒子含有背面層を、前記各色の感熱転写層のうちの特定の１色の感熱転写 層に対応する領域に、該特定の１色の感熱転写層とほぼ同等の大きさで設ける（ この構成のカラー感熱転写記録媒体を記録媒体Ａという）。

【００１２】 （２）前記各色の感熱転写層が相互に所定間隔をおいて設けられているばあいは 、粒子含有背面層を、該間隔に対応する領域に設ける（この構成のカラー感熱転 写記録媒体を記録媒体Ｂという）。

【００１３】 つぎに図面を参照して本考案を説明する。

【００１４】 図１は、本考案の記録媒体Ａの一実施例を示す概略図であり、（ａ）は感熱転 写層が設けられている例の平面図、（ｂ）は背面側の平面図である。

【００１５】 本実施例においては、基材の片面側にイエロー色の感熱転写層Ｙ、マゼンタ色 の感熱転写層Ｍ、シアン色の感熱転写層Ｃおよびブラック色の感熱転写層Ｂｋが 基材の長手方向に所定の間隔をおいて繰り返し並べて配置されている。背面側に は、特定の１色の感熱転写層、本実施例では感熱転写層Ｂｋに対応する領域に粒 子含有背面層１が設けられ、残りの領域には粒子非含有背面層２が設けられてい る。

【００１６】 感熱転写層Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｂｋの並べ方の順序は各色の印画順序によって任意に 変更しうる。感熱転写層Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｂｋの間の間隔はなくてもよい。粒子含有 背面層１は基材の背面側全面に粒子非含有背面層２を設け、その上の所定領域に 設けてもよい。

【００１７】 つぎに図２は、本考案の記録媒体Ｂの一実施例を示す概略図であり、（ａ）は 感熱転写層が設けられている側の平面図、（ｂ）は背面側の平面図である。

【００１８】 本実施例においても、基材の片面側にイエロー色の感熱転写層Ｙ、マゼンタ色 の感熱転写層Ｍ、シアン色の感熱転写層Ｃおよびブラック色の感熱転写層Ｂｋが 基材の長手方向に所定の間隔をおいて繰り返し並べて配置されている。背面側に は、各色の感熱転写層の間の前記間隔に対応する領域に粒子含有背面層１が設け られ、残りの領域には粒子非含有背面層２が設けられている。

【００１９】 本実施例においても、感熱転写層Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｂｋの並べ方の順序は各色の印 画順序によって任意に変更しうる。また粒子含有背面層１は基材の背面側全面に 粒子非含有背面層２を設け、その上の所定領域に設けてもよい。

【００２０】 背面層１、２に用いる耐熱性樹脂、背面層１に用いる粒子などは従来の背面層 におけるものがいずれも使用できる。耐熱性樹脂としては、たとえば、シリコー ン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂などがあげら れる。粒子としては無機粒子、有機粒子のいずれも使用でき、無機粒子としては 炭酸カルシウム、タルク、酸化マグネシウム、酸化チタンなどが、有機粒子とし てはメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの 粒子があげられる。粒子の大きさは背面層の厚さより大きくても、小さくてもよ いが、小さいばあいは含有量などを調整して背面層より粒子が突出するようにす る。背面層１、２の塗布量は０．０５〜１．０ｇ／ｍ²程度が適当である。

【００２１】 感熱転写層はとくに制限されるものではなく、従来のものがいずれも使用でき る。

【００２２】

【実施例】

つぎに実施例により本考案を説明する。

【００２３】 実施例１ 厚さ４．５μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にイエロー、マ ゼンタ、シアン、ブラックの各色インク層を繰り返し塗布したものの背面側に、 図１のようにブラック色インク層に対応する背面側に粒子入の背面処理剤１を乾 燥後塗布量０．２ｇ／ｍ²で塗布し、ブラック色インク層以外の部分には粒子の 入っていない背面処理剤２を乾燥後塗布量０．０５ｇ／ｍ²で塗布した。

【００２４】 背面処理剤１ 成 分 重量％ シリコーン変性樹脂 １５．０ 有機樹脂粒子（平均粒径０．３μｍ） ０．３ 分散剤 ０．２ 硬化剤 ３．０ トルエン １１．０ メチルエチルケトン ７０．５ 背面処理剤２ 成 分 重量％ シリコーン変性樹脂 ４．５ 硬化剤 １．５ トルエン １３．０ メチルエチルケトン ８１．０

【００２５】 実施例２ 実施例１で使用した背面処理剤１（粒子入）、背面処理剤２（粒子なし）を用 いて、図２のように各色インク層の間隔に対応する背面側に背面処理剤１を、ま た、各色インク層に対応する背面側に背面処理剤２を塗工したほかは実施例１と 同様にしてインクリボンを作製した。

【００２６】 比較例１ 実施例１で使用した背面処理剤１を背面側全面に乾燥塗布量０．２ｇ／ｍ²で 塗布したほかは実施例１と同様にしてインクリボンを作製した。

【００２７】 比較例２ 実施例１で使用した背面処理剤２を背面側全面に乾燥塗布量０．０５ｇ／ｍ² で塗布したほかは実施例１と同様にしてインクリボンを作製した。

【００２８】 以上のようにして得られた各インクリボンを用い、ライン型カラーサーマルプ リンタ（三菱電機（株）製、Ｇ６７００−１０）で連続印画を行なった。Ａ４枚 葉紙２０００枚連続印画後白スジ、色ぬけ等の発生具合、サーマルヘッドの摩耗 による印画不良（発熱ムラによる印画濃度ムラ等）の有無を確認した。結果を表 １に示す。

【００２９】

【表１】

【００３０】

【考案の効果】 以上のように本考案によれば、色スジ、白ぬけ等の印画不良を発生することな く、かつサーマルヘッドの摩耗による印画ムラを発生させることなく、長期の連 続印画においても良好な印画を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の感熱転写記録媒体の一実施例を示す概
略図である。

【図２】本考案の感熱転写記録媒体の他の実施例を示す
概略図である。

【符号の説明】

Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｂｋ 感熱転写インク層 １ 粒子含有背面層 ２ 粒子非含有背面層

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材の片面側にイエロー色の感熱転写
   層、マゼンタ色の感熱転写層およびシアン色の感熱転写
   層、さらに要すればブラック色の感熱転写層が基材の長
   手方向に繰り返し並べて配置されているカラー感熱転写
   記録媒体において、前記各色の感熱転写層が設けられて
   いる側と反対側の基材面上に、粒子を含有した耐熱性樹
   脂による背面層が基材の長手方向に断続的に設けられ、
   残りの部分に粒子を含有しない耐熱性樹脂による背面層
   が設けられてなることを特徴とするカラー感熱転写記録
   媒体。
2. 【請求項２】 前記粒子を含有した耐熱性樹脂による背
   面層が、前記各色の感熱転写層のうちの特定の１色の感
   熱転写層に対応する領域に、該特定の１色の感熱転写層
   とほぼ同等の大きさで設けられていることを特徴とする
   請求項１記載のカラー感熱転写記録媒体。
3. 【請求項３】 前記各色の感熱転写層が相互に所定間隔
   をおいて設けられてなり、前記粒子を含有した耐熱性樹
   脂による背面層が、該間隔に対応する領域に設けられて
   いることを特徴とする請求項１記載のカラー感熱転写記
   録媒体。