JP4429248B2 - 熱転写シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材の一方の面に色材層を設け、他方の面に耐熱滑性層を設けてなる熱転写シート及びその製造方法に関する。
熱転写を利用した画像形成における熱転写シートとして、ポリエステルフィルム等の一方の面に昇華性染料とバインダーとからなる昇華転写型インク層を設けた昇華型熱転写シートや該色材層の代わりに顔料とワックスとからなる溶融転写型インク層を設けた熱溶融型の熱転写シートが知られている。これらの熱転写シートは、サーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るよう、耐熱滑性層を有することが求められている。この要請は、近年のプリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているので、益々大きくなっている。
耐熱滑性層として、ポリアミドイミド、マレイミド等の耐熱性が高い樹脂からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この技術は、得られる耐熱滑性層が基材やプライマー層との接着性に劣る問題があり、また、塗工液作成にあたり樹脂を溶解させる際に特殊溶媒を用いる必要があり、製造性が悪化する問題があった。
耐熱滑性層の耐熱性を高める要請に対し、樹脂を架橋するため、紫外線又は電子ビームを照射する技術が知られている。しかしながら、この照射には特殊装置が必要なため、コスト高となる問題がある。
耐熱滑性層における架橋樹脂としては、架橋剤を用い、加熱により架橋させる樹脂も知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この樹脂では、充分な硬化皮膜を得るために比較的低温度にて数十時間に及ぶ長期の熱処理(エイジング)が必要となり、工程上煩雑であるばかりでなく、厳格な温度管理をしなければ熱処理中にシワの発生等を生じ品質が低下する問題がある。
熱架橋における熱処理時間の短縮を目的として、樹脂及び架橋剤に加えて触媒を添加した耐熱滑性層用塗工液が用いられるようになっている。触媒の添加により高速塗工が可能となった反面、塗工液のポットライフが著しく短縮される問題があった。
耐熱滑性層における樹脂の耐熱性の不足を補うために、滑剤を多量に添加して滑性を向上することにより、印刷時に耐熱滑性層がサーマルヘッドと接する時間を短縮する技術が知られている。しかしながら、滑剤の多量添加により、色材層への裏移り、染料移行性の悪化、サーマルヘッドへのカス付着といった諸問題を生じ、樹脂の耐熱性の不足を補うには限度があるので、樹脂架橋による耐熱性向上がやはり望ましい。
特開2001−334760号公報 特開昭61−95989号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、層間接着性及び耐熱性に優れた耐熱滑性層をポットライフが長い塗工液を用いて形成してなる熱転写シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、基材の一方の面に色材層を設け、前記基材の他方の面にプライマー層と前記プライマー層に接する耐熱滑性層とをこの順に設けてなる熱転写シートの製造方法であって、(1)架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有するプライマー層塗工液を、基材上に塗布して乾燥させることにより前記プライマー層を形成する工程、及び、(2)被架橋性樹脂(A)と架橋剤(P)とを含有し、かつ、前記架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有しない耐熱滑性層塗工液を前記プライマー層上に塗布して乾燥させることにより前記耐熱滑性層を形成する工程を有することを特徴とする熱転写シートの製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
(基材)
本発明における基材としては、特に限定されないが、熱転写時に劣化しない程度の耐熱性と強度を有する樹脂からなるものが好ましい。
上記基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルフィド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリサルホン、ポリアミド(アラミド)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリイミド、アイオノマー等が挙げられる。上記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記基材は、上述の樹脂1種のみからなるものであってもよいし、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。
上記基材は、厚さが、通常、約0.5〜50μm、好ましくは、約1〜10μmである。
上記基材は、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。
上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
本発明では、上記表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ放電処理又はプラズマ処理が好ましい。
(プライマー層)
本発明におけるプライマー層は、基材の色材層を設ける面と反対側の面に設けるものであって、前記プライマー層は、前記架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有するものである。
上記架橋剤(P)は、後述するが、耐熱滑性層用塗工液中に含有され、耐熱滑性層形成に際し、少なくとも被架橋性樹脂(A)の架橋剤として機能するものである。
本発明におけるプライマー層は、上記触媒(Z)に加え、通常バインダー樹脂(II)からなるものである。
上記バインダー樹脂(II)は、後述のプライマー層用塗工液中に含有されるバインダー樹脂(B)そのものであってもよいし、該バインダー樹脂(B)が架橋してなる架橋したバインダー樹脂であってもよい。
本明細書において、バインダー樹脂(B)は、プライマー層を形成するために塗布するプライマー層用塗工液中における成分であり、バインダー樹脂(II)は、該プライマー層用塗工液の塗布次いで乾燥を行うことにより形成されるプライマー層を構成する樹脂であり、この点で、両バインダー樹脂は概念が異なる。
本発明の熱転写シートは、上記プライマー層が通常バインダー樹脂(II)からなるものである点で、プライマー層の耐熱滑性層を設ける面と反対側の面に接する層と、該耐熱滑性層との層間接着性に優れたものであり、該バインダー樹脂(II)が架橋したバインダー樹脂である場合、更に、プライマー層の耐熱性をも向上したものである。
上記バインダー樹脂(II)がバインダー樹脂(B)を架橋したものである場合において該バインダー樹脂(B)を架橋する架橋剤については後述する。
上記バインダー樹脂(B)としては、耐熱滑性層と接着性を示す樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂等、従来公知のものが挙げられるが、耐熱性の点で、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
上記バインダー樹脂(B)は、耐熱滑性層との接着性を有するのみならず、形成するプライマー層の耐熱滑性層を設ける面と反対側の面に接する層、例えば基材との接着性をも有するものが好ましい。
上記触媒(Z)としては、後述の耐熱滑性層に含有させる架橋剤(P)による架橋反応の触媒として機能するものであれば特に限定されず、架橋剤(P)の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、アミン系触媒、スズ系触媒等、既存のものが使用可能である。
上記触媒(Z)は、プライマー層100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。上記下限未満であると、架橋剤(P)による架橋反応が不充分であることがあり、上記上限を超えても含有量に見合った触媒作用が行われず不経済である場合がある。
本発明におけるプライマー層は、架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)と、例えばバインダー樹脂(B)とを含有してなるプライマー層用塗工液を塗布して乾燥することにより形成することができる。
上記プライマー層用塗工液としては、上記触媒(Z)が上記バインダー樹脂(B)100質量部に対して0.5〜10質量部であるものが好ましい。
上記触媒(Z)は、添加量が上記範囲未満であると架橋剤(P)の架橋反応が不充分となることがあり、上記上限を超えても含有量に見合った触媒作用が行われず不経済である場合がある。
本発明におけるプライマー層用塗工液は、上記触媒(Z)及び通常用いる上記バインダー樹脂(B)に加え、架橋剤(Q)、帯電防止剤等の添加剤を配合して形成したものであってもよい。
上記架橋剤(Q)は、プライマー層用塗工液中に含有させる点で、バインダー樹脂(B)の架橋剤として機能するものが好ましい。
上記架橋剤(Q)としては、例えばイソシアネート化合物、カルボジイミド、キレート化合物、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記架橋剤(Q)の添加量は、上記バインダー樹脂(B)100質量部に対し0.1〜100質量部であることが好ましく、0.5〜70質量部であることがより好ましい。
上記帯電防止剤としては、例えば、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等が挙げられる。
上記帯電防止剤は、上記バインダー樹脂(B)100質量部に対し0.1〜70質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましい。
上記プライマー層用塗工液は、上記触媒(Z)、通常用いる上記バインダー樹脂(B)、及び、必要に応じて配合する架橋剤(Q)及び/若しくは添加剤を液状媒体に溶解並びに/又は分散させて調製することができる。
上記プライマー層用塗工液における液状媒体としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール;トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン等の有機溶剤;水;等が挙げられ、またこれらの混合溶液等も用いられる。
上記プライマー層用塗工液における液状媒体は、バインダー樹脂(B)及び触媒(Z)の溶解性ないし分散性の上で可能であれば、後述の耐熱滑性層用塗工液を塗工した際に触媒(Z)が移行しやすい点、また、架橋剤(P)によるバインダー樹脂(B)の架橋が化学的に可能である場合に該架橋を促進し得る点で、耐熱滑性層用塗工液における液状媒体と同じ種類か又は親和性若しくは相溶性が良好な種類であることが好ましい。
上記プライマー層用塗工液の塗工は、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等、従来公知の方法にて行うことができる。
上記プライマー層は、一般に0.01g/m2以上、5g/m2以下、好ましくは0.02〜1g/m2である。
上記プライマー層用塗工液の塗布量は、少なすぎると、プライマー層の耐熱滑性層と反対側の面と耐熱滑性層との層間接着性に劣る場合があり、多すぎると、塗布量に見合った層間接着性が得られず不経済となる場合がある。
上記プライマー層用塗工液の乾燥は、使用する樹脂や上記触媒(Z)の種類に応じて適宜条件を設定することができるが、一般に60〜130℃の温度で0.5〜10分間行うことが好ましい。
上記乾燥は、上記プライマー層用塗工液中のバインダー樹脂(B)の架橋反応をも行わせるものであってもよい。上記バインダー樹脂(B)の架橋反応は、上記乾燥時に架橋剤(Q)の作用により進行するものであってもよいし、得られるプライマー層上に塗布した耐熱性滑性層用塗工液から該プライマー層中に浸入してくる架橋剤(P)の作用により進行するものであってもよい。後者の架橋剤(P)に関しては、後述する。
(耐熱滑性層)
本発明における耐熱滑性層は、上述のプライマー層に接する層であって、被架橋性樹脂(A)に架橋剤(P)を作用させることにより得られる架橋樹脂(I)からなるものである。
上記被架橋性樹脂(A)としては特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリコーン変性ポリウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂等が挙げられる。
上記被架橋性樹脂(A)としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、アクリルポリオール、セルロース系樹脂、シリコーン変性樹脂等が好ましい。
上記耐熱滑性層における架橋樹脂(I)は、被架橋性樹脂(A)が架橋剤(P)による架橋反応を受けて形成したものである。
本明細書において、被架橋性樹脂(A)は、耐熱滑性層を形成するために塗布する耐熱滑性層用塗工液中における成分であり、架橋樹脂(I)は、該耐熱滑性層用塗工液の塗布次いで乾燥を行うことにより形成される耐熱滑性層を構成する耐熱性樹脂であり、この点で、被架橋性樹脂(A)と架橋樹脂(I)とは概念が異なる。
上記架橋剤(P)は、上記被架橋性樹脂(A)を架橋し得、触媒(Z)による触媒作用を受けるものであれば特に限定されず、例えば、従来公知のものであってもよく、熱架橋剤が好ましい。該熱架橋剤としては、イソシアネート、メラミン樹脂及びカルボジイミドよりなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましく、イソシアネート及び/又はカルボジイミドであることがより好ましい。
上記イソシアネートとしては、シリコーン変性イソシアネート等の変性化合物、ジイソシアネート化合物等の多価イソシアネートが好ましい。
本発明の熱転写シートは、架橋剤(P)により上記耐熱滑性層の耐熱性と機械的強度とを高めたものとすることができる。
本発明における耐熱滑性層は、架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有しない耐熱滑性層用塗工液を上述のプライマー層上に塗布して乾燥することにより形成することができる。
上記耐熱滑性層用塗工液において、上記架橋剤(P)の添加量は、その種類に応じて適宜設定することができるが、上述の被架橋性樹脂(A)100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。
上記範囲より多いと経済的に好ましくないだけでなく、熱転写シートをロール状に巻いた際に染料層とブロッキングする等の不具合が生じることがある。
上記耐熱滑性層用塗工液は、上記被架橋性樹脂(A)と上記架橋剤(P)とを含有するが、ポットライフの点で、好ましくは架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有しないものである。
上記耐熱滑性層用塗工液は、上記被架橋性樹脂(A)及び上記架橋剤(P)に加え、離型剤、有機フィラー、無機フィラー、滑剤等の添加剤を配合して形成させたものであってもよい。例えば、離型剤、有機フィラー、無機フィラー等を耐熱滑性層に配合すると、サーマルヘッドの走行性が向上した熱転写シートを得ることができる。
上記離型剤としては、例えば、ワックス、高級脂肪酸アミド、エステル、界面活性剤等が挙げられる。
上記有機フィラーとしては、例えば、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記無機フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、セキボク、硝石、石膏、ブルース石、グラファイト、炭酸カルシウム、二硫化モリブテン等が挙げられ、耐熱性及び滑性のバランスの点で、タルク、マイカ及び炭酸カルシウムが好ましい。
上記各フィラーの平均粒径は、適宜選択することができるが、フィラーが耐熱滑性層から脱離せず、サーマルヘッドに付着するカスを除去し、サーマルヘッドの走行性を高める点で、0.03〜10μmであることが好ましく、0.05〜7μmであることがより好ましい。
上記無機フィラーの添加量は、上記滑性及び耐熱性の点で、被架橋性樹脂(A)100質量部に対し2〜50質量部であることが好ましい。上記範囲未満であるとサーマルヘッドに付着するカスの除去性能低下や、サーマルヘッドとの融着が見られることがあり、一方、上記範囲を超えると耐熱滑性層の皮膜強度が低下することがある。
上記滑剤としては、例えば、リン酸エステル、金属石鹸、グラファイトパウダー、フッ素系グラフトポリマー、シリコーンオイル、シリコーン系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体等が挙げられ、中でも、リン酸エステルや金属石鹸が好ましい。
上記耐熱滑性層用塗工液において、上記滑剤は1種のみ配合してもよいし、2種以上配合してもよい。
上記滑剤の添加量は、滑性の点で、被架橋性樹脂(A)100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、2〜40質量部であることがより好ましい。上記範囲未満であると滑性の向上が認められないことがあり、一方、上記範囲を越えると耐熱滑性層にカスが付着することがある。
上記滑剤は、上記耐熱滑性層用塗工液に配合することに代え、上記耐熱滑性層上に上塗りしてもよい。
上記耐熱滑性層用塗工液は、上述の被架橋性樹脂(A)及び架橋剤(P)並びに必要に応じて配合する添加剤を液状媒体に溶解及び/又は分散させて調製することができる。
上記耐熱滑性層用塗工液における液状媒体としては特に限定されず、例えば、上述のプライマー層用塗工液に関して例示した液状媒体等が挙げられる。
上記耐熱滑性層用塗工液の塗工は、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等、従来公知の方法にて行うことができる。
上記耐熱滑性層用塗工液は、塗布量が乾燥後0.1〜3g/m2であることが好ましく、0.1〜1.5g/m2であることがより好ましい。上記塗布量は、少な過ぎると耐熱性が不充分となることがあり、多過ぎると上記触媒(Z)による架橋反応の促進が不充分となり、耐熱性、機械的強度及び層間接着性の低下を招くことがある。
上記架橋剤(P)による架橋反応は、乾燥により行うことができる。
上記架橋反応は、当初プライマー層にあった触媒(Z)の少なくとも一部が耐熱滑性層用塗工液を塗布して得られる耐熱滑性層用塗工液塗布膜中に移行して、該塗布膜中の架橋剤(P)による架橋反応を促進することにより進行する。
上記耐熱滑性層用塗工液塗布膜の乾燥は、使用する被架橋性樹脂(A)及び架橋剤(P)の種類に応じて適宜条件を設定することができる。
上記乾燥は、上述のように、上記プライマー層中のバインダー樹脂(B)の架橋反応をも行わせるものであってもよい。上記バインダー樹脂(B)の架橋反応は、プライマー層側に一部移行する架橋剤(P)の作用により更に進行するものであってもよい。
本発明の熱転写シートは、架橋剤(P)により被架橋性樹脂(A)のみならずバインダー樹脂(B)の架橋反応をも行ったものである場合、得られる耐熱滑性層とプライマー層との層間接着性を向上することができる。
(色材層)
本発明の熱転写シートは、基材の耐熱滑性層と反対側の面上に色材層を設けたものである。本発明の熱転写シートは、基材の同一面上に複数の領域において面順次に色材層を設けることができる。
本発明の熱転写シートは、上記色材層として、所望の染料を含有する層を1種のみ設けたものであってもよいし、所望の染料を含有する層を2種以上設けたものであってもよい。
本発明における色材層は、溶融転写型インク層であってもよいし、昇華転写型インク層であってもよい。本発明の熱転写シートは、色材層が溶融転写型インク層である場合、熱溶融型の熱転写シートとなり、色材層が昇華転写型インク層である場合、昇華型熱転写シートとなる。以下、各インク層について説明する。
1.溶融転写型インク層
溶融転写型インク層は、着色剤及びバインダーから構成され、加熱により着色剤が軟化、溶融して被転写体へ移行するものである。
上記着色剤としては、カーボンブラック等の顔料及び各種染料が使用できる。
上記顔料及び染料は、1種のみ添加するものであってよいし、2種以上を添加するものであってもよく、体質顔料や白色顔料を混合して色調を調節してもよい。
上記着色剤は、バインダーに対する分散性を改善するために、表面を界面活性剤、シランカップリング剤等で処理したものであってもよい。
上記着色剤を担持するためのバインダーとしては特に限定されず、溶融転写型インク層に通常用いられているワックス類又は熱可塑性樹脂等が挙げられる。
上記ワックス類としては、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、木ロウ、油脂系合成ワックス等が各種用途に合わせて使用できる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ロジン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂など公知のものを使用できる。
上記バインダーの添加量は、上記着色剤100質量部に対し50〜500質量部であることが好ましい。
上記溶融転写型インク層は、上記染料及び上記バインダーに加え、更に、従来公知の各種添加剤を配合してなるものであってもよい。
上記添加剤としては、例えば、熱転写受像シートとの離型性や塗料の塗工適性を向上させるために添加するポリエチレンワックス、有機微粒子、無機微粒子等が挙げられる。
本発明における溶融転写型インク層形成用塗料は、上記各成分に溶剤を加えて調製することができる。
上記塗料における溶剤としては特に制限はなく、バインダーの溶解性、相溶性、分散安定性、乾燥効率等を考慮して適宜選択すればよいが、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、塩素置換炭化水素類等の希釈剤又は溶剤を、一種又は混合して使用することができる。
上記塗料における溶剤の種類、混合比率、使用量等は、使用する着色剤の種類、比表面積、粒子サイズ、希釈安定性等を考慮して適宜選択することができる。
上記溶剤の添加は、塗料の製造の各工程において段階的に行うことが好ましい。
上記溶融転写型インク層の厚さは、所望の転写特性に応じて適宜設定することができ、0.1〜10.0μmであることが好ましく、0.3〜5.0μmであることがより好ましい。
2.昇華転写型インク層
上記昇華転写型インク層は、染料をバインダーにより担持してなるものである。
上記染料は、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用可能な染料であって、熱により溶融、拡散又は昇華移行するものであれば特に限定されず、色相、印画感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して適宜選択することができる。
上記染料としては特に限定されず、例えば、ジアリールメタン系色素;トリアリールメタン系色素;チアゾール系色素;メロシアニン系色素;ピラゾロンメチン等のメチン系色素;インドアニリン系色素;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系色素;キサンテン系色素;オキサジン系色素;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノメチレン系色素;チアジン系色素;アジン系色素;アクリジン系色素;ベンゼンアゾ系色素;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系色素;スピロピラン系色素;インドリノスピロピラン系色素;フルオラン系色素;ローダミンラクタム系色素;ナフトキノン系色素;アントラキノン系色素;キノフタロン系色素等が挙げられる。
上記昇華性染料を担持するためのバインダーとしては、染料の転移に必要な熱量を与えても転移しない性質を有するものであれば、従来公知のものを何れも使用することができる。上記バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノキシ樹脂;等が好ましい。
上記昇華転写型インク層は、上記染料及び上記バインダーに加え、更に、従来公知の各種添加剤を配合してなるものであってもよい。
上記添加剤としては、溶融転写型インク層に関して例示したもの等が挙げられる。
本発明における昇華転写型インク層形成用塗料は、溶融転写型インク層形成用塗料同様、上記各成分に溶剤を加えて調製することができる。
上記昇華転写型インク層形成用塗料における溶剤は、溶融転写型インク層形成用塗料に使用するものと同様である。
上記昇華転写型インク層の厚さは、0.1〜10.0μmであることが好ましく、0.1〜5.0μmであることがより好ましい。
(熱転写シートの製造方法)
本発明の熱転写シートの製造方法は、基材の一方の面に色材層を設け、前記基材の他方の面にプライマー層と前記プライマー層に接する耐熱滑性層とをこの順に設けてなる熱転写シートの製造方法であって、
(1)架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有してなるプライマー層用塗工液を塗布して乾燥することにより前記プライマー層を形成する工程、及び、
(2)被架橋性樹脂(A)と前記架橋剤(P)とを含有してなる耐熱滑性層用塗工液を前記プライマー層上に塗布して乾燥することにより前記耐熱滑性層を形成する工程
を有することを特徴とするものである。
本発明の熱転写シートの製造方法は、架橋剤(P)を耐熱滑性層用塗工液中に含有させ、該架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を、耐熱滑性層用塗工液には含有させずプライマー層用塗工液に含有させるものであるので、耐熱滑性層用塗工液のポットライフを著しく向上することができる。上記製造方法は、また、上記触媒(Z)を含有するプライマー層用塗工液中に上記架橋剤(P)を含有させないことにより、プライマー層用塗工液のポットライフをも損うことがない。
本発明の熱転写シートの製造方法における基材、プライマー層、耐熱滑性層及び色材層の構成、並びに、上記各塗工液の組成及び塗工方法は、上述の本発明の熱転写シートに関して説明したものと同様である。例えば、上記耐熱滑性層は、0.1〜1.5g/mであることが好ましい。
本発明の熱転写シートは、上記熱転写シートの製造方法により好適に作成することができる。
即ち、本発明の熱転写シートにおけるプライマー層及び耐熱滑性層は、それぞれ上述の各塗工液を用いて形成されるので耐熱性に優れている。
上記架橋反応は、耐熱滑性層中の被架橋性樹脂(A)だけでなくプライマー塗工膜中のプライマー樹脂(B)にも生じ得るので、本発明の熱転写シートは層間接着性が高く且つ耐熱滑性層の熱時接着性が高い。
本発明の熱転写シートは上記架橋反応の反応速度が高いので、各塗工液の塗布後、長時間エイジングすることなく作成することができる。
更に、本発明の熱転写シートは、上記各塗工液のポットライフが何れも長いので、容易に作成することができる。
(画像形成)
本発明の熱転写シートは、耐熱滑性層側からサーマルヘッドにより画像状に加熱され、色材層の染料又は着色剤を被転写材に転写することにより画像を形成することができる。
上記被転写材としては、一般に熱転写受像シートが用いられる。上記熱転写受像シートは、その記録面が色材層の染料又は着色剤に対して染料受容性を有するものであれば特に限定されず、少なくとも一方の表面に染料受容層を形成したものであればよい。
本発明において、熱転写を行う際に使用するプリンターとしては特に限定されず、従来公知の熱転写プリンターを使用することができる。
本発明の熱転写シートは、上記構成よりなるので、層間接着性及び耐熱性に優れている。更に、上記熱転写シートは、ポットライフが長い耐熱滑性層用塗工液及びプライマー層用塗工液を用いて作成することができるので、容易に作成することができる。
本発明の熱転写シートの製造方法は、上記構成よりなるので、層間接着性及び耐熱性に優れた熱転写シートを長時間エイジングせずに得ることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
実施例1〜23
基材シートして、厚さ6μmの易接着処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ダイヤホイルK203E)の易接着処理面に、下記組成の色材層塗工液をグラビアコーティングにより塗布し、80℃のオーブン内で2分間乾燥処理して、乾燥塗布量が1.0g/mの色材層を形成した。
また上記基材シートの他方の面に、下記プライマー層用塗工液A〜Lの何れかをグラビアコーティングにより塗布し、100℃のオーブン内で2分間乾燥処理して、乾燥塗布量が0.1g/mのプライマー層を形成した。
続いて、該プライマー層上に、表1の耐熱滑性層用塗工液A〜Eの何れかをグラビアコーティングにより塗布し、100℃のオーブン内で2分間乾燥処理して、乾燥塗布量が1.0g/mの耐熱滑性層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。
<色材層塗工液>
C.I.ソルベントブルー63 3.0部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 積水化学工業社製) 3.0部
メチルエチルケトン 47部
トルエン 47部
<プライマー層用塗工液A>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 1.5部
水 50.0部
イソプロピルアルコール 50.0部
<プライマー層用塗工液B>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 1.5部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 60.0部
水 30.0部
イソプロピルアルコール 30.0部
<プライマー層用塗工液C>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
触媒(STANN BL 固形分100wt% 三共有機合成(株)製) 0.7部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 60.0部
水 30.0部
イソプロピルアルコール 30.0部
<プライマー層用塗工液D>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
触媒(エラストロンキャタリスト64 第一工業製薬(株)製) 0.7部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 60.0部
水 30.0部
イソプロピルアルコール 30.0部
<プライマー層用塗工液E>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(F−2828D 固形分31.5wt% 第一工業製薬(株)製) 15.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 3.0部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 60.0部
水 40.0部
イソプロピルアルコール 40.0部
<プライマー層用塗工液F>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(F−2828D 固形分31.5wt% 第一工業製薬(株)製) 15.0部
触媒(STANN BL 固形分100wt% 三共有機合成(株)製) 1.4部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 60.0部
水 40.0部
イソプロピルアルコール 40.0部
<プライマー層用塗工液G>
ポリウレタン樹脂(レザミン D−6075 固形分40wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 2.0部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 80.0部
水 65.0部
イソプロピルアルコール 45.0部
<プライマー層用塗工液H>
ポリウレタン樹脂(レザミン D−6075 固形分40wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
触媒(STANN BL 固形分100wt% 三共有機合成(株)製) 1.0部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 80.0部
水 65.0部
イソプロピルアルコール 45.0部
<プライマー層用塗工液I>
ポリウレタン樹脂(レザミン D−6075 固形分40wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
触媒(エラストロンキャタリスト64 第一工業製薬(株)製) 1.0部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 80.0部
水 65.0部
イソプロピルアルコール 45.0部
<プライマー層用塗工液J>
ポリウレタン樹脂(レザミン D−6075 固形分40wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(F−2828D 固形分31.5wt% 第一工業製薬(株)製) 20.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 4.0部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 80.0部
水 85.0部
イソプロピルアルコール 65.0部
<プライマー層用塗工液K>
ポリエステル樹脂(バイロン200 固形分100wt% 東洋紡績(株)製) 100.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 3.3部
メチルエチルケトン 280.0部
トルエン 280.0部
<プライマー層用塗工液L>
ポリエステル樹脂(バイロン200 固形分100wt% 東洋紡績(株)製) 100.0部
触媒(SCAT−52A 固形分100wt% 三共有機合成(株)製) 2.5部
メチルエチルケトン 280.0部
トルエン 280.0部
<耐熱滑性層用塗工液A>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70 固形分50wt% 大日精化工業(株)製) 15.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 50.0部
トルエン 50.0部
<耐熱滑性層用塗工液B>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
シリコーン変性イソシアネート化合物(ダイアロマーSP−901 固形分15wt% 大日精化工業(株)製) 30.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク (ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 35.0部
トルエン 35.0部
<耐熱滑性層用塗工液C>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
カルボジイミド化合物(CARBODILITE V−03 固形分50wt% 日清紡績(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 45.0部
トルエン 45.0部
<耐熱滑性層用塗工液D>
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380 固形分30wt% 東亞合成(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70 固形分50wt% 大日精化工業(株)製) 20.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 6.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 4.5部
メチルエチルケトン 100.0部
トルエン 100.0部
<耐熱滑性層用塗工液E>
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 固形分100wt% 積水化学工業(株)製) 100.0部
シリコーン変性イソシアネート化合物(ダイアロマーSP−901 固形分15wt% 大日精化工業(株)製) 150.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 20.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 15.0部
メチルエチルケトン 370.0部
トルエン 370.0部
表1において、耐熱滑性層用塗工液はメチルエチルケトン〔MEK〕/トルエン=1/1(質量比)溶剤で固形分10%とし、撹拌後、ペイントシェーカーで3時間分散処理を行い調製した。
比較例1〜12
プライマー層用塗工液B、E及びM並びに耐熱滑性層用塗工液A及びF〜Mを用いた以外は各実施例と同様にして、熱転写シートを作製した。
<プライマー層用塗工液M>
ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961 固形分30wt% 日本合成化学工業(株)製) 100.0部
帯電防止剤(aquaPASS 固形分5wt% 三菱レイヨン(株)製) 60.0部
水 25.0部
イソプロピルアルコール 25.0部
<耐熱滑性層用塗工液F>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 35.0部
トルエン 35.0部
<耐熱滑性層用塗工液G>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70 固形分50wt% 大日精化工業(株)製) 15.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 1.5部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 55.0部
トルエン 55.0部
<耐熱滑性層用塗工液H>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70 固形分50wt% 大日精化工業(株)製) 15.0部
触媒(STANN BL 固形分100wt% 三共有機合成(株)製) 0.7部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 55.0部
トルエン 55.0部
<耐熱滑性層用塗工液I>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70 固形分50wt% 大日精化工業(株)製) 15.0部
触媒(SCAT−52A 固形分100wt% 三共有機合成(株)製) 0.7部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 55.0部
トルエン 55.0部
<耐熱滑性層用塗工液J>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
シリコーン変性イソシアネート化合物(ダイアロマーSP−901 固形分15wt% 大日精化工業(株)製) 30.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 1.5部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
<耐熱滑性層用塗工液K>
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105 固形分20wt% 大日精化工業(株)製) 100.0部
カルボジイミド化合物(CARBODILITE V−03 固形分50wt% 日清紡績(株)製) 10.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 1.5部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 50.0部
トルエン 50.0部
<耐熱滑性層用塗工液L>
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380 固形分30wt% 東亞合成(株)製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 6.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 4.5部
メチルエチルケトン 75.0部
トルエン 75.0部
<耐熱滑性層用塗工液M>
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380 固形分30wt% 東亞合成(株)製) 100.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70 固形分50wt% 固形分50wt%大日精化工業(株)製) 20.0部
触媒(デスモラピッドPP、住化バイエルウレタン(株)製) 1.5部
ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 固形分100wt% 堺化学工業(株)製) 4.0部
タルク(ミクロエースP−3 固形分100wt% 日本タルク(株)製) 3.0部
メチルエチルケトン 95.0部
トルエン 95.0部
試験例
各実施例及び各比較例で使用した耐熱滑性層用塗工液、及び、得られた熱転写シートについて下記の評価を行った。
1.耐熱滑性層用塗工液のポットライフ
110mlガラス容器に、調製直後の塗工液50mlと攪拌子とを入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら25℃、50%条件下にて3時間及び6時間放置した後の塗工液の状態(外観・粘度)を目視にて観察した。
(評価基準)
○:3時間後と6時間後の塗工液の状態が調製直後と差がみられない。
△:3時間後の塗工液は調製直後と差がないが、6時間後の塗工液は状態変化(増粘等)している。
×:3時間後、6時間後のいずれも調製直後の塗工液と状態が異なる。
2.耐熱性
アルテック(株)製デジタルフォトプリンターメガピクセルIIを用い、実施例及び比較例で作成した熱転写シートにメガピクセルII純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部を全て貼り込んだインクリボンと、メガピクセルII純正印画紙(ポストカードサイズ)とを組み合わせて、ベタ画像(階調値255/255:濃度MAX)を印画し、各印画後のインクリボンと得られた印画物の状態を観察した。
(評価基準)
○:印画後のインクリボンに破断がみられず、印画物に印画シワもみられない。
×:印画後のインクリボンが破断もしくは印画物に印画シワがみられる。
3.熱時接着性
アルテック(株)製デジタルフォトプリンターメガピクセルIIを用い、実施例及び比較例で作成した熱転写シートにメガピクセルII純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部を全て貼り込んだインクリボンと、メガピクセルII純正印画紙(ポストカードサイズ)とを組み合わせて、階調値0/255の画像(印加エネルギー0:白画像)、階調値128/255の画像、及び、階調値255/255の画像を印画し、各印画後のサーマルヘッドの状態を観察した。
(評価基準)
○:全ての画像において、印画後のサーマルヘッドに樹脂付着がみられない。
△:いずれかの画像において、印画後のサーマルヘッドに樹脂付着がみられる。
×:全ての画像において、印画後のサーマルヘッドに樹脂付着がみられる。
上記各測定結果を、表1及び表2に示す。
Figure 0004429248
Figure 0004429248
各測定結果より、各実施例の熱転写シートは、いずれもポットライフ、耐熱性及び熱時接着性の全てに優れていることが分かった。
耐熱滑性層用塗工液及びプライマー層用塗工液に架橋剤が入っていない比較例1、2及び10は、耐熱滑性層用塗工液のポットライフは長いものの、熱転写シートの耐熱性及び熱時接着性に劣ることが分かった。これは、耐熱滑性層及びプライマー層形成の際に架橋反応が全く進行しないことが原因と考えられる。一方、プライマー層用塗工液に架橋剤及び触媒を添加した比較例3では、熱時接着性は多少向上するが、これはプライマー層の架橋剤と耐熱滑性層が反応しうるためと考えられる。
耐熱滑性層用塗工液に架橋剤のみを添加し、何れの層にも触媒を添加しない比較例4及び11は、ポットライフが長いものの、熱時接着性がやや劣り、耐熱性が低い。これは、各塗工液中の樹脂の架橋反応は多少進行するが、触媒が存在しないので、各層における架橋率が向上しないためと考えられる。
架橋剤及び触媒を含有する耐熱滑性層用塗工液を用いた比較例5〜9及び比較例12は、ポットライフが悪いものの、耐熱性及び熱時接着性に優れている。これは、触媒の作用により架橋率が向上するので耐熱性・接着性は充分なものとなるが、触媒を添加するため耐熱滑性層用塗工液の安定性が低下するためと考えられる。
本発明の熱転写シートは、上記構成よりなるので、層間接着性及び耐熱性に優れている。更に、上記熱転写シートは、ポットライフが長い耐熱滑性層用塗工液及びプライマー層用塗工液を用いて作成することができるので、容易に作成することができる。
本発明の熱転写シートの製造方法は、上記構成よりなるので、層間接着性及び耐熱性に優れた熱転写シートを長時間エイジングせずに得ることができる。

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に色材層を設け、前記基材の他方の面にプライマー層と前記プライマー層に接する耐熱滑性層とをこの順に設けてなる熱転写シートの製造方法であって、
    (1)架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有してなるプライマー層塗工液を、基材上に塗布して乾燥することにより前記プライマー層を形成する工程、及び、
    (2)被架橋性樹脂(A)と架橋剤(P)とを含有し、かつ、前記架橋剤(P)による架橋反応の触媒(Z)を含有しない耐熱滑性層塗工液を前記プライマー層上に塗布して乾燥することにより前記耐熱滑性層を形成する工程を有する
    ことを特徴とする熱転写シートの製造方法。
  2. 耐熱滑性層塗工液の塗布量は、0.1〜1.5g/mである請求項記載の熱転写シートの製造方法。
  3. 架橋剤(P)は、イソシアネート及び/又はカルボジイミドである請求項1又は2記載の熱転写シートの製造方法。
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