JP2009073127A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 印字速度の高速化に対応して、転写感度が高く、熱転写シートにシワ等の変形が生じないで、印字品質の優れた印画物が得られる熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材シート2の一方の面に耐熱滑性層5を設け、該基材シート2の他方の面に染料層4を設けた熱転写シート1において、90℃以上150℃以下の温度範囲で、基材シート2の長手方向の熱変形率が、−0.50%以内であり、かつ150℃より高く200℃未満の温度範囲で、上記熱変形率が0%となる点があり、かつ該熱変形率が0%になる温度から、200℃までの温度範囲で、上記熱変形率が+0.50%以内であることを特徴とするものである。前記の基材シート2と染料層4との間に、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるプライマー層3を設けることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写シートに関し、特に印字速度の高速化に対応して、転写感度が高く、熱転写シートにシワ等の変形が生じないで、印字品質の優れた印画物が得られる熱転写シートに関するものである。
熱転写を利用した画像の形成に用いられる熱転写シートとして、熱拡散型染料(昇華型染料)からなる染料層をプラスチックフィルム等の基材シート上に設けた昇華型熱転写シートや、該染料層の代わりに顔料とワックスとからなるインキ層を設けた熱溶融型熱転写シートが知られている。これらの熱転写シートは、その背面からサーマルヘッドによって加熱され、染料層の染料又はインキ層の顔料を被転写材に転写させることにより画像を形成するものである。
このような熱転写シートは、熱転写プリンターにより加熱記録されるが、その熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに伴い、印字時のサーマルヘッドによる単位時間当たりの印加エネルギーが高くなり、それによって、熱転写シートの受ける熱量が、従来よりも高くなってきている。さらに、通常の印字の際には、熱転写シートに流れ方向にテンションがかけられている。そのため、印字の際の熱エネルギーとテンションにより、熱転写シートの基材シートの伸びが起こり、熱転写シートにシワ等の変形が生じて、印字の際に印字ムラが発生したり、著しい場合は、熱転写シートを搬送できずに、印字不能になる等の問題がある。また、上記の印字の際の熱エネルギーは、特に昇華型熱転写シートを用いて記録する場合には、熱溶融型熱転写シートの記録する場合よりも、記録方式の違いで、非常に高い熱量が加えられている。
この問題を解決するため、印画時の熱やテンションによる延伸・収縮を起しにくいプラスチックフィルム基材として、薄膜基材加工時に、長手方向と幅方向とに延伸した二軸延伸フィルムを更に長手方向に延伸する再縦延伸法等の縦方向(長手方向)の延伸倍率を高くする延伸方法による高延伸基材が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この高延伸基材を用いた昇華型熱転写シートは、現在、作製方法・使用方法ともに確立されている。しかし、高延伸基材は、特殊な製膜工程を要するので、容易に入手することが出来ず、またコストアップが避けられない問題がある。
また、上記に説明したように、近年、熱転写プリンターによる印画の高速化に伴い、基材に対する熱ダメージが大きくなる傾向にあり、従来の熱転写シートでは耐熱性、強度に劣る問題が生じつつある。基材の強度を高める方法としては、例えば、基材の厚みを大きくすることが考えられるが、基材の厚みを大きくすること自体に転写感度を低下させる問題があるほか、印画速度の高速化に対応可能な転写感度は到底得られないという問題がある。
特許文献3には、昇華型感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムとして、転写面の鏡面光沢度値、厚さを規定し、また150℃の熱収縮率を規定して、印画物の高光沢性と、良好な走行性、印画性を兼ね備えたものが提案されている。
特開平8−230032号公報 特開平11−188791号公報 特開2005−238623号公報
上記のように、印字速度の高速化に対応して、熱転写シートの検討、特に使用する基材の検討を行なってきているが、未だプリンター適性、印字品質等で、十分に満足できるものが、現状で用意できていない。したがって、本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、印字速度の高速化に対応して、転写感度が高く、熱転写シートにシワ等の変形が生じないで、印字品質の優れた印画物が得られる熱転写シートを提供することを目的とする。
本発明の熱転写シートは、請求項1として、基材シートの一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材シートの他方の面に染料層を設けた熱転写シートにおいて、90℃以上150℃以下の温度範囲で、基材シートの長手方向の熱変形率が、−0.50%以内であり、かつ150℃より高く200℃未満の温度範囲で、上記熱変形率が0%となる点があり、かつ該熱変形率が0%になる温度から、200℃までの温度範囲で、上記熱変形率が+0.50%以内であることを特徴とするものである。この熱転写シートによれば、高速の印字速度による熱転写記録が行なわれても、転写感度が高く、熱転写シートにシワ等の変形が生じないで、印字品質の優れた印画物が得られる。
また、請求項2として、前記の基材シートと染料層との間に、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるプライマー層を設けたことを特徴とするものである。これにより、熱転写シートの耐熱性が向上し、転写感度もより向上するので、好ましい。
以上のように、本発明の熱転写シートは、印字速度の高速化に対応して、転写感度が高く、熱転写シートにシワ等の変形が生じないで、熱転写受像シートに印字品質の優れた熱転写画像を形成することができた。
図1は、本発明の熱転写シート1の一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材シート2の一方の面に、耐熱滑性層5を形成し、該基材シート2の他方の面に、プライマー層3、染料層4を順次積層した構成である。このプライマー層3は、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなる層である。図1では、基材シートと染料層との間に、プライマー層を設けているが、耐熱性及び転写感度等の性能が損なうことがなければ、プライマー層を除くことが可能である。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳細に説明する。
(基材シート)
本発明で用いる熱転写シートの基材シート2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕、ポリエチレンナフタレート〔PEN〕等のポリエステル;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリイミド;酢酸セルロース;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;フッ素樹脂;アイオノマー;等のプラスチックフィルム等が好ましく、なかでも、ポリエステル、ポリオレフィン等がより好ましく、PET、PBT、PEN等が更に好ましい。
本発明の熱転写シートで使用される基材シートは、少なくとも90℃以上150℃以下の温度範囲で、長手方向の熱変形率が、−0.50%以内であり、かつ150℃より高く200℃未満の温度範囲で、上記熱変形率が0%となる点があり、かつ該熱変形率が0%になる温度から、200℃までの温度範囲で、上記熱変形率が+0.50%以内となる条件を満足するものである。上記基材シートの厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように、その種類に応じて適宜設定することができるが、2.5〜6.0μm程度であることが好ましく、より好ましい下限が4.0μmであり、より好ましい上限が5.5μmである。
基材シートの厚さが、2.5μm未満であると、熱転写シートとして用いる際に、熱的特性や機械的強度が低下する。また、6.0μmを超える厚さになると、サーマルヘッドから加える熱エネルギーを更に大きくする必要があり、熱効率がよろしくない。
本発明で規定する基材シートの熱変形率は、以下の方法で測定したものである。セイコーインスツルメント(株)製、TMA−SS120の熱機械的物性測定装置により、試料の長さ10mmで、試料の幅5mmで設定し、荷重98.1mNの条件で、測定開始温度が30℃で、昇温速度10℃/minで、測定終了温度350℃になるように、炉内を調整して、初期の試料の長さL0(10mm)に対する上記10℃単位での試料の長さの変化量(mm)を測定し、以下の式で熱変形率を算出した。
上記の変化量は、測定温度における試料の長さL1として、試料の長さの変化量は、(L1−L0)で示される。
熱変形率(%)=[試料の長さの変化量(mm)/初期の試料の長さ(10mm)]×100
0とL1の式で示すと、熱変形率(%)=(L1−L0)/L0×100となる。
但し、熱変形率が、+は試料がその温度で初期の長さに対して、伸びていることを意味し、また熱変形率が、−の場合は試料がその温度で初期の長さに対して、縮んでいることを意味する。これは、試料の長さの変化量が、+の場合が初期の長さに対して、伸びていて、−の場合は初期の長さに対して、縮んでいるためである。本発明においては、上記の測定方法で測定した値を示しているが、同様の原理、条件に基づき測定できる測定器具、方法であれば、それらで測定した値は、本発明で規定する熱変形率(%)と同様に適用可能である。
本発明における基材シートの熱変形率の上記規定について、グラフを参照して説明する。図2に、本発明の熱転写シートに適用される基材シートの好ましい実施形態の例における、測定温度に対する長手方向(MD方向)の熱変形率(%)の変化を示す曲線(1)を示し、また比較するものとして、従来の熱転写シートに適用される基材シートの例として、測定温度に対する長手方向(MD方向)の熱変形率(%)の変化を示す曲線(2)を示した。まず90℃以上150℃以下の温度範囲では、本発明の実施形態の例である曲線(1)では、全てマイナスの値で、−0.5%以内の熱変形率(%)である。それに対し、従来品の例である曲線(2)では、150℃未満のRの位置(140℃付近)で熱変形率(%)が0%となり、150℃では+の数値になっている。測定温度が150℃より高く200℃未満の温度範囲で、曲線(1)では、Pの位置(180℃付近)で熱変形率が0%となり、そのPにおける温度から200℃までの温度範囲で、熱変形率が+0.5%以内となっている。尚、曲線(1)では、200℃を越えた温度のQの位置で、熱変形率(%)が+0.5%に達している。それに対し、曲線(2)では、測定温度が150℃より高く200℃未満の温度範囲で、Sの位置(190℃付近)で、熱変形率(%)が+0.5%に達していて、200℃では、+1%に近い値まで大きくなっている。
上記の曲線(1)は、本発明の熱転写シートに適用される基材シートの長手方向の熱変形率の例を示している。この曲線(1)を用いて、基材シートの熱変形率の挙動を見てみる。高速の印字速度による熱転写記録が行なわれる際、基材シート自体に加えられる温度が、パターンや階調等の印画条件で変動するが、約90℃〜約200℃程度であると考えられる。約90℃〜180℃付近では、曲線(1)は縮む方向の熱変形が生じるが、熱転写プリンターの印画時では、熱転写シートが加熱状態で、引張られて、搬送される際、基材シートが伸びる方向に張力が加えられて、基材シートが変形しやすい点を、上記の縮む方向の熱変形が吸収して、結果として、基材シートに加熱によるシワ等の変形が生じないようにすることができると、考えられる。また、約180℃〜約200℃における高温条件では、基材シートの熱変形率(%)を+0.5%以内に抑えているので、熱転写受像シートの印字品質が低下する点を防止できていると考えられる。
それに対して、従来の熱転写シートで用いられる基材シートの長手方向の熱変形率の例を示している曲線(2)は、約90℃〜140℃付近では、縮む方向の熱変形が生じているが、その熱変形率(%)が小さく、熱転写プリンターの印画時の、熱転写シートが加熱状態で、引張られて、搬送される際、基材シートが伸びる方向に張力が加えられて、基材シートが変形しやすい点を、上記の縮む方向の熱変形が十分に吸収できず、基材シートに加熱によるシワ等の変形が生じると考えられる。そして、約150℃〜約200℃における高温条件では、約190℃で熱変形率(%)が+0.5%に達し、その後200℃で、熱変形率(%)が1%近くの高い値になっているので、基材シートに加熱によるシワ等の変形が生じやすく、熱転写受像シートの印字品質が低下すると考えられる。
(プライマー層)
本発明における熱転写シートでは、基材シートと染料層との間に、プライマー層3を設けることができ、両者の密着性を向上させ、また転写感度を高めることができる。このプライマー層は、無機微粒子よりなるものである。その無機微粒子は、コロイド状の無機顔料の超微粒子であり、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸金属塩;アルミナ又はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、シリカ又はシリカゾル、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属酸化物類;炭酸マグネシウム等の炭酸塩;等、従来公知の化合物を使用することができる。本発明では、金属酸化物類、炭酸塩が好ましく、金属酸化物類がより好ましく、アルミナ又はアルミナ水和物が更に好ましく、特に、アルミナゾルが耐熱性、強靭性の付与する効果が高く、好ましい。上記プライマー層は、上記のコロイド状無機顔料超微粒子として1種のみからなるものであってもよいし、上記コロイド状無機顔料超微粒子として2種以上からなるものであってもよい。いずれにしても、使用するコロイド状無機顔料超微粒子としては、印画時のサーマルヘッドからの瞬間的な最高加熱温度まで、相転移温度を有しない物質であれば良い。
上記コロイド状無機顔料超微粒子の平均粒径は、通常100nm以下、好ましくは50nm以下、特に好ましくは3〜30nmである。コロイド状無機顔料超微粒子は、水系溶媒にゾル状に分散しやすくする目的で、塩酸、酢酸等の分散安定剤を配合して酸性タイプに処理したものであってもよいし、微粒子電荷をカチオンにしたものであってもよいし、表面処理したものであってもよい。コロイド状無機顔料超微粒子は、例えば、アルミナゾル100(日産化学工業(株)製)、アルミナゾル200(日産化学工業(株)製)等、市販品であってもよい。
上記プライマー層は、一般に、コロイド状無機顔料超微粒子からなる水性のプライマー層用塗工液を基材シート上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。上記プライマー層は、ゾルゲル法を用いて形成してなるものがより好ましい。上記プライマー層は、バインダー樹脂を使用せずに、被膜を形成するので、熱転写シートの耐熱性、強靭性をもたせることができ、さらに基材シートと染料層との接着性が良好である。尚、上記のゾルゲル法の形成方法は、塗工において、コロイド状無機顔料超微粒子のゾル状から乾燥ゲル状になるように、90〜130℃の熱風にさらす等して乾燥を行う。プライマー層用塗工液は、水性媒体にコロイド状無機顔料超微粒子を分散させることにより調製することができる。つまり、上記プライマー層用塗工液における水性媒体としては、水、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコール、水と水溶性アルコールとの混合液等が挙げられる。上記プライマー層用塗工液は、コロイド状無機顔料超微粒子が水性媒体100質量部に対し1〜100質量部で含有することが好ましい。
また、プライマー層は、上記の無機微粒子のみから構成するだけでなく、水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂を加えて構成することができる。水溶性樹脂としては、具体的には、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、親水性ウレタン樹脂、セルロースのヒドロキシルアルキル置換誘導体、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸およびその金属塩等が挙げられる。親水性樹脂の添加量は、プライマー層の全固形分の0〜50質量%であることが好ましい。プライマー層の形成方法は、上記の塗工液を調整し、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段にて塗布して、形成することができる。プライマー層は、乾燥後塗工量が0.01〜10g/m2となる量で塗布することができるが、優れた耐熱性、強靭性等を付与する点で、乾燥後塗工量が0.05g/m2以上1.0g/m2以下となる量で塗布することが好ましい。
(染料層)
染料層4は、バインダー樹脂中に熱移行性の染料を分散あるいは溶解したものである。バインダー樹脂としては、染料と適度の親和性があり、且つサーマルヘッドによる加熱により、バインダー樹脂中の染料が昇華(熱移行)して被転写体に転写するものがよく、また加熱されてもバインダー樹脂そのものは転写しないものを使用する。このようなバインダー樹脂として使用される樹脂としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
また、染料層中に含まれる染料の割合は、染料の昇華(溶融)温度、染着性等によって変るが、上記バインダー樹脂100質量部に対して30質量部以上が好ましく、更に好ましくは、30から300質量部である。染料が30質量部未満であると印字濃度や熱感度が低く、また300質量部を越えると保存性や染料層の基材シートへの密着性が低下する。
染料層で使用する染料は、熱により溶融、拡散もしくは昇華して、被転写体に移行する染料であって、特に分散染料が好ましく用いられる。染料は昇華(溶融)性、色相、耐光性、バインダー樹脂への溶解性等を考慮して選択する。これらの染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
染料層を基材シート上に設けるには、公知の方法によって行える。例えば、染料及びバインダー樹脂を溶剤とともに溶解もしくは分散して染料層用インキ組成物を調製し、これを公知の印刷方法または塗工方法から適宜選択した方法により基材シート上に設ければ良い。染料層の塗工量は、乾燥時で0.2〜5.0g/m2、好ましくは0.4〜2.0g/m2の厚さが適当である。
(耐熱滑性層)
本発明における耐熱滑性層5は、耐熱性、印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させる目的で、基材シートの染料層の設けられている面と反対側に設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル− 酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン− ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、金属石鹸、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、基材シートの上に、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、乾燥状態で、0.1g/m2〜2.0g/m2が好ましい。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
下記の表1に示す測定温度に対する長手方向(MD方向)の熱変形率(%)を有する基材シートA(ポリエチレンテレフタレートフィルム;厚さ4.5μm)を用いて、該基材シートの一方の面に、グラビアコーターを用いて、下記の耐熱滑性層用塗工液を固形分換算で1.0g/m2の割合で塗布、乾燥して耐熱滑性層を形成した。但し、ポリエチレンテレフタレートを融点以上の温度に加熱、溶融させて、押出し、二軸延伸して、上記の熱変形率を有する基材シートAを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液>
ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 三井化学ポリウレタン(株)製)
リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株)製)
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
上記基材シートの他方の面に、下記組成のプライマー層用塗工液をグラビア印刷機を用いて、それぞれ固形分換算で0.5g/m2の割合で塗布、乾燥して作製した。
<プライマー層用塗工液>
アルミナゾル 8.0部
(アルミナゾル200、平均粒径10〜20nm、酢酸安定型、日産化学工業(株)製)
ポリビニルピロリドン樹脂 2.0部
(PVP−K90、アイエスピー・ジャパン(株)製)
水 45.0部
イソプロピルアルコール 45.0部
さらに、上記プライマー層の上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各色相を有する染料層として、下記組成の各染料層用インキを、塗工量が、3色全て乾燥時で2.0g/m2で、三菱電機(株)製、商品名CP9550の昇華型熱転写プリンターの熱転写シートとして使用できる大きさで、基材シートの長手方向に面順次に形成して、実施例1の熱転写シートを作製した。
<イエロー染料層用インキの組成>
染料 5.5部
(FORON BRILLIANT YELLOW S−6GL)
ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(商品名 KS−5 : 積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
溶媒(トルエン:メチルエチルケトン=1:1 質量比) 89部
<マゼンタ染料層インキの組成>
染料1 1.5部
(MS RED−G)
染料2 2.0部
(MACROLEX RED VIORET R)
ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(商品名 KS−5 : 積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
溶媒(トルエン:メチルエチルケトン=1:1 質量比) 89部
<シアン染料層インキの組成>
染料 1.5部
(カヤセットブルー714)
ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(商品名 KS−5 : 積水化学工業(株)製)
ポリエチレンワックス 0.1部
溶媒(トルエン:メチルエチルケトン=1:1 質量比) 89部
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写シートにおける基材シートを、下記の表1に示す測定温度に対する長手方向(MD方向)の熱変形率(%)を有する基材シートB(ポリエチレンテレフタレートフィルム;厚さ4.5μm)に変更し、その他は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。但し、ポリエチレンテレフタレートを融点以上の温度に加熱、溶融させて、押出し、二軸延伸して、上記の熱変形率を有する基材シートBを作製した。
Figure 2009073127
上記の作製した実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、昇華型熱転写プリンターの三菱電機(株)製、商品名CP9550で、黒ベタ画像を、上記プリンターの純正品である受像シートを用いて、各例とも10枚連続して、印画した。印画における各熱転写シートに発生するシワの有無を目視にて調べた。さらに、印画した受像シートにおける印字品質を目視にて調べた。上記の熱転写シートの印画におけるシワ、及び印画物の印字品質の評価基準は、以下の通りである。
○:印画における熱転写シートにシワが発生せず、また印画物は、黒ベタ部に色抜け等の不良がなく、印字品質に優れたものであった。
×:印画における熱転写シートにシワが認められ、印画物については、10枚印画中、5枚以上に、黒ベタ部に色抜け等の不良があり、印字品質に問題があった。
上記の熱転写シートの印画におけるシワ、及び印画物の印字品質の評価結果を表1に示す。
Figure 2009073127
本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートに適用される基材シートの好ましい実施形態の例における、測定温度に対する長手方向(MD方向)の熱変形率(%)の変化を示す曲線(1)と、従来の熱転写シートに適用される基材シートの例における、同じく熱変形率(%)の変化を示す曲線(2)を示したグラフである。
符号の説明
1 熱転写シート
2 基材シート
3 プライマー層
4 染料層
5 耐熱滑性層

Claims (2)

  1. 基材シートの一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材シートの他方の面に染料層を設けた熱転写シートにおいて、90℃以上150℃以下の温度範囲で、基材シートの長手方向の熱変形率が、−0.50%以内であり、かつ150℃より高く200℃未満の温度範囲で、上記熱変形率が0%となる点があり、かつ該熱変形率が0%になる温度から、200℃までの温度範囲で、上記熱変形率が+0.50%以内であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記の基材シートと染料層との間に、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるプライマー層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011068027A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Toppan Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2015085598A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 大日本印刷株式会社 熱転写シート用基材の製造方法、及び熱転写シートの製造方法、並びに熱転写シート用基材
JPWO2017170779A1 (ja) * 2016-03-29 2018-11-29 大日本印刷株式会社 熱転写シート

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