JP2006306088A - 熱拡散型熱転写シート - Google Patents

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憲一 廣田
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Abstract

【課題】高延伸基材を用いない場合であっても、印画シワを起さない強度と、高い転写感度とを有し、高速印画にも使用することができる熱転写シートを提供する。
【解決手段】基材、プライマー層及び染料層をこの順に積層してなる熱拡散型熱転写シートであって、前記プライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるものであり、前記基材は、長手方向について破断強度〔S(MPa)〕と破断伸度〔S(MPa)〕との比〔S/S〕により表される基材強度が3.5以上、4.0未満であることを特徴とする熱拡散型熱転写シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱拡散型熱転写シートに関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材上に担持させた熱拡散型熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。
昇華型熱転写用の熱転写シートは、画像形成のための印画時にサーマルヘッドにより非常に大きい熱量が加えられる。熱転写シートは、また、インクリボンとも通称される長尺物であり、プリンターに設置し印画する際に長手方向への移送と巻取りとが行われるので、テンションが幅方向よりも長手方向に強くかかる。従来、プラスチックフィルムを基材とする熱拡散型熱転写シートは、印画時に課される加熱とテンションとにより、基材が劣化してしまい、印画シワを生じる問題があった。
この問題を解決するため、印画時の熱やテンションによる延伸・収縮を起しにくいプラスチックフィルム基材として、薄膜基材加工時に、長手方向と幅方向とに延伸した二軸延伸フィルムを更に長手方向に延伸する再縦延伸法等の縦方向(長手方向)の延伸倍率を高くする延伸方法による高延伸基材が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
高延伸基材を用いた昇華型熱転写シートは、現在、作製方法・使用方法ともに確立されている。しかしながら、高延伸基材は、特殊な製膜工程を要するので、コストアップが避けられない問題がある。また近年、熱転写プリンターによる印画の高速化に伴い、基材に対する熱ダメージが大きくなる傾向にあり、従来の熱転写シートでは耐熱性、強度に劣る問題が生じつつある。
基材の強度を高める方法としては、基材の厚みを大きくすることが考えられるが、基材の厚みを大きくすること自体に転写感度を低下させる問題があるほか、印画速度の高速化に対応可能な転写感度は到底得られないという問題がある。
印画濃度を向上した熱転写シートとして、基材シートと染料層との間に、中間層を設けた熱転写シートが知られている。
中間層を設けた熱転写シートとして、例えば、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールとからなる親水性バリアーを下塗り層として、染料層と基材シートとの間に設けた熱転写シート、ベースフィルムと昇華性染料を含む記録層との間に、拡散係数が記録層に含まれる昇華染料の拡散係数よりも小さい昇華性染料を含む中間層を設けた熱転写シート等が知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。しかしながら、いずれの熱転写シートも、印画濃度が充分に高い印画物を得ることができない問題がある。
特許文献5には、基材上に金属又は金属酸化物を蒸着させてなる層を形成し、該層上に染料薄膜を設けた熱転写シートが記載されている。しかしながら、この熱転写シートは、印画濃度が充分に高い印画物を得ることができず、また、蒸着する際に特別な装置が必要となり、製造コストが高くなる問題があった。
特許文献6には、基材と染料層との間に、N−ビニルピロリドンのホモポリマー又はN−ビニルピロリドンと他の成分とのコポリマーを含有する易接着層を設けた熱転写シートが記載されている。この易接着層は、上述の各ポリマーに加え、アルミナ、シリカ等を配合してなるものであってもよいが、これらの化合物の含有は、何れも必須ではない。また、特許文献6の熱転写シートでは、染料転写効率が不充分である問題がある。
特許文献7には、熱転写シートの基材と染料層との間に下塗り層としてアミノプロピルトリアルコキシシランのエタノール又は1−プロパノール溶液を塗布する実施例が記載されている。しかしながら、比較的厚い基材を用いているので高速印刷時の転写感度に劣る問題がある。
特許文献8には、第IVb属金属の酸化物からなる無機主鎖を有するポリマーと、アクリルオキシアルコキシシラン等のコポリマーとを反応させる下塗り層が記載されている。特許文献8記載の下塗り層は、上記コポリマーに由来する有機鎖のため耐熱性が不充分であり、また、上記無機主鎖を用いてなり、加水分解されやすく不安定である問題がある。
特開平8−230032号公報 特開平11−188791号公報 特開平5−131760号公報 特開昭60−232996号公報 特開昭59−78897号公報 特開2003−312151号公報 特開昭63−135288号公報 特開平5−155150号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、高延伸基材を用いない場合であっても、印画シワを起さない強度と、高い転写感度とを有し、高速印画にも使用することができる熱転写シートを提供することにある。
本発明は、基材、プライマー層及び染料層をこの順に積層してなる熱拡散型熱転写シートであって、前記プライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるものであり、前記基材は、長手方向について破断強度〔S(MPa)〕と破断伸度〔S(MPa)〕との比〔S/S〕により表される基材強度が3.5以上、4.0未満であることを特徴とする熱拡散型熱転写シートである。
本発明は、保護転写層を構成する保護転写積層体を基材の表面の一部に剥離可能に備え、前記基材の表面に前記保護転写層と面順次に1色以上の染料層を有する上記本発明の熱拡散型熱転写シートであって、前記保護転写積層体は、プライマー層と透明性樹脂層とを含むものであり、前記基材の一方の表面の一部に前記透明性樹脂層を設けてなる積層体の前記透明性樹脂層を設けた側の表面全体に前記プライマー層が設けられ、該プライマー層上且つ前記透明性樹脂層が下に位置していない領域に前記染料層を設けてなることを特徴とする熱拡散型熱転写シートである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱拡散型熱転写シートは、例えば、図1に示すように、基材1の一方の面に、基材側から順次、プライマー層2及び染料層3が積層することにより構成されているものである。また、基材1の他方の面には耐熱滑性層4が設けられているものであってもよい。
次に、本発明の熱拡散型熱転写シートを構成する各層の説明を行う。
(基材シート)
本発明における基材は、長手方向について破断強度〔S(MPa)〕と破断伸度〔S(MPa)〕との比〔S/S〕により表される基材強度が3.5以上、4.0未満であるものである。
上記基材強度は、その値が高いほど、強度及び耐熱性に優れている。
従来、熱拡散型熱転写シートに用いる基材としては、印画時の加熱に起因する印画シワ等のトラブルを防止する点で、上記基材強度が高いもの、好ましくは4.0以上であるものが選択されてきた。しかしながら、本発明の熱拡散型熱転写シートは、後述のように転写感度が良いので、低エネルギーにて印画することが可能となる結果、基材強度が上記範囲内のように比較的低い基材の使用が可能となり、このような基材を用いても印画時における加熱やテンションによるトラブルが生じにくい。
本明細書において、上記破断強度及び破断伸度は、JIS C 2151:1990に準拠して測定した値である。
本発明における基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕、ポリエチレンナフタレート〔PEN〕等のポリエステル;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリイミド;酢酸セルロース;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;フッ素樹脂;アイオノマー;等のプラスチックフィルム等が好ましく、なかでも、ポリエステル、ポリオレフィン等がより好ましく、PET、PBT、PEN等が更に好ましい。
本願出願時において、熱拡散性熱転写シートにおける基材としては、上記定義による基材強度を向上する点で、二軸延伸処理し、更に縦方向に延伸処理(再縦延伸)したフィルム等の高延伸基材を用いる必要があると考えられているが、本発明における基材は、基材強度が低くてもよいので、例えば、二軸延伸処理後の再度の延伸を行わないフィルムであっても、転写感度に優れた熱転写フィルムとすることができる。
上記基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように、その種類に応じて適宜設定することができるが、2.5〜6μmないし2.5〜6.0μm程度であることが好ましく、より好ましい下限が4μmないし4.0μmであり、より好ましい上限が5.5μmである。
上述の定義による基材強度は、一般に、基材の厚さが小さいほど低い傾向にあるが、本発明における基材は、基材強度が上述の範囲内にあればよいので、厚みを小さくすることができる。
本明細書において、上記基材の厚みは、マイクロメーター(MFC−191、Nikon社製)にて10枚重ねの基材の厚みを測定した値から算出したものである。
上記基材は、特に限定されないが、プライマー層との接着性を向上させる目的で、易接着処理等、各種表面処理を行ったものであってもよい。
上記易接着処理は、例えば、基材上に後述の樹脂を塗布し、硬化させることにより行うことができる。
上記易接着処理に用い得る樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂が挙げられる。上記易接着処理において、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、オキサゾリン基を含む化合物、キレート化合物等を上記樹脂に添加することができる。
上記易接着処理により形成される易接着層の塗工量は、乾燥後塗布量が0.1g/m以下であることが好ましい。易接着層の塗工量のムラは、サーマルヘッドの走行性、印刷ムラ防止等の点で、例えば、該基材が延伸フィルムである場合、MD方向、TD方向共に平均塗工量の±5%以内であることが好ましい。
本明細書において、各塗工液の乾燥後塗布量は、測定対象となる塗工液を塗布する前と該塗工液を塗布、乾燥した後の各シートの質量を分析天びん(AUX220、島津製作所社製)を用いて測定し、その質量差を塗布部分の面積で除して求めたものである。
(プライマー層)
本発明におけるプライマー層は、上記基材と後述の染料層との間に積層しているものである。
上記プライマー層は、基材上に積層しているものであってもよいし、基材上に積層した上述の易接着層上に積層したものであってもよいが、上記プライマー層は、染料層のすぐ下に設けることが好ましい。
本発明におけるプライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるものである。
上記コロイド状無機顔料超微粒子としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ);ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸金属塩;アルミナ又はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属酸化物類;炭酸マグネシウム等の炭酸塩;等、従来公知の化合物を使用することができるが、金属酸化物類、炭酸塩が好ましく、金属酸化物類がより好ましく、アルミナ又はアルミナ水和物が更に好ましく、なかでも、アルミナゾルが最も好ましい。
上記プライマー層は、上記コロイド状無機顔料超微粒子として1種のみを用いて形成してなるものであってもよいし、上記コロイド状無機顔料超微粒子として2種以上を用いて形成してなるものであってもよい。
上記コロイド状無機顔料超微粒子は、何れの形状であってもよいが、得られる熱転写シートの強度の点で、平均粒径が、通常100nm以下、好ましくは50nm以下、特に好ましくは3〜30nmである。
本発明において、上記コロイド状無機顔料超微粒子は、水系溶媒にゾル状に分散しやすくする目的で、塩酸、酢酸等の分散安定剤を配合して酸性タイプに処理したものであってもよいし、微粒子電荷をカチオンにしたものであってもよいし、表面処理したものであってもよい。
本発明におけるコロイド状無機顔料超微粒子は、例えば、アルミナゾル100(日産化学工業社製)、アルミナゾル200(日産化学工業社製)等、市販品であってもよい。
本明細書において、平均粒径は、電子顕微鏡観察等の測定を元に算出したものである。
上記プライマー層は、白色度、隠蔽性の付与、調色等の目的に応じて、種々の顔料、染料、蛍光増白剤、その他添加剤を、転写感度を損なわない範囲で有するものであってもよい。
上記プライマー層は、例えば、水性媒体にコロイド状無機顔料超微粒子を分散させてなるプライマー層塗工液を用いて基材又は上述の易接着層上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
上記プライマー層塗工液は、水を含まないものであってもよいが、水を含むものが好ましく、水と水溶性有機溶剤とからなるものであってもよい。プライマー層塗工液は、水を含むものであると、例えばアルコールのみを用いて水を用いない従来法とは異なり、溶解安定性、分散安定性に優れ、塗工液として好適に用いることができる。
上記プライマー層塗工液は、コロイド状無機顔料超微粒子が水性媒体100質量部に対し0.1〜50質量部、より好ましくは20質量部以下であることが好ましい。
上記プライマー層は、バインダー樹脂を含有しないものであってもよい。
本発明において、プライマー層塗工液は、乾燥後の塗布量が0.05〜10g/mの範囲で塗布することが可能であるが、転写感度及び強度に優れた熱転写シートを得る点で、乾燥後の塗布量が0.05g/m以上となる量で塗布することが好ましく、また、製造コストの点で、乾燥後の塗布量は、好ましくは5g/m以下、より好ましくは3g/m以下となる量である。
即ち、本発明におけるプライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子の使用量が従来のコロイド状無機顔料超微粒子を用いないプライマー層より少なくても、強度に優れた熱転写シートを得ることができる。
上記乾燥は、通常、コロイド状無機顔料超微粒子がゾル状から乾燥ゲル状になるように熱風乾燥等により行う。本発明におけるプライマー層は、上記乾燥工程を経て形成されるので、コロイド状無機顔料超微粒子が固着した状態にあり、耐熱性及び強度に優れている。
(染料層)
本発明における染料層は、上述のプライマー層上に積層してなるものである。
本発明の熱拡散型熱転写シートは、上記染料層が1色の単一層のみであるものであってもよいし、色相が異なる染料を含む複数の層が、基材の同一面上に面順次に積層してなるものであってもよい。
上記染料層は、染料をバインダーにより担持してなる層である。
上記染料は、従来公知の熱拡散型熱転写シートに使用可能な染料であって、熱により溶融、拡散又は昇華移行するものであれば、特に限定されず、色相、印画感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等を考慮して適宜選択することができる。
上記染料としては、特に限定されず、例えば、ジアリールメタン系色素;トリアリールメタン系色素;チアゾール系色素;メロシアニン系色素;ピラゾロンメチン等のメチン系色素;インドアニリン系色素;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系色素;キサンテン系色素;オキサジン系色素;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノメチレン系色素;チアジン系色素;アジン系色素;アクリジン系色素;ベンゼンアゾ系色素;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系色素;スピロピラン系色素;インドリノスピロピラン系色素;フルオラン系色素;ローダミンラクタム系色素;ナフトキノン系色素;アントラキノン系色素;キノフタロン系色素等が挙げられる。
上記染料層におけるバインダーとしては、特に限定されず、従来公知の樹脂バインダーを使用することができる。
上記樹脂バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノキシ樹脂;等が好ましい。
上記樹脂バインダーとしては、高温、高湿下に放置した後であってもプライマー層と染料層との接着性を維持することができる点で、接着性が高い樹脂がより好ましい。
上記接着性が高い樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂等、水酸基、カルボキシル基等を有する樹脂が挙げられる。
上記染料層における樹脂バインダーとしては、更に、離型性グラフトコポリマーも挙げられる。上記離型性グラフトコポリマーは、離型剤として、上記樹脂バインダーとともに配合することもできる。
上記離型性グラフトコポリマーは、ポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント及び長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントを、上述の樹脂バインダーを構成するポリマー主鎖にグラフト重合させてなるものである。
上記離型性グラフトコポリマーとしては、なかでも、ポリビニルアセタールからなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られるグラフトコポリマーが好ましい。
上記染料層は、上記染料、上記バインダーに加え、シランカップリング剤を配合してなるものであってもよい。
上記染料層にシランカップリング剤を配合した場合、シランカップリング剤が加水分解して生じるシラノール基と、プライマー層表面に存在する無機化合物の水酸基とが縮合することにより、染料層とプライマー層との接着性が向上すると考えられる。また、シランカップリング剤がエポキシ基、アミノ基等を有する場合、樹脂バインダーの水酸基やカルボキシル基等と反応して化学結合することにより、染料層自体の強度が向上し、熱転写時等の染料層の凝集破壊等を防止できる。
上記シランカップリング剤として、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有化合物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有化合物;γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有化合物;等が挙げられる。
上記染料層において、上記シランカップリング剤は、1種のみ配合してもよいし、2種以上を配合してもよい。
上記染料層は、上記染料、上記バインダー、及び、所望により添加するシランカップリング剤に加え、更に、従来公知の各種添加剤を配合してなるものであってもよい。
上記添加剤としては、例えば、熱転写受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために添加するポリエチレンワックス等、有機微粒子、無機微粒子等が挙げられる。
上記染料層は、通常、適当な溶剤中に上記染料及びバインダーと、必要に応じて添加剤とを加えて、各成分を適宜溶解又は分散させて染料層塗工液を調製し、その後、該染料層塗工液をプライマー層上に塗布、乾燥させて形成することができる。
上記溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤が挙げられる。
上記染料層の塗布法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。
上記染料層塗工液は、乾燥塗布量が好ましくは0.2〜6g/m程度、より好ましくは0.3〜3g/m程度となるよう塗布すればよい。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは、更に、上述のプライマー層等を形成する面と反対側の基材面上に、耐熱滑性層を設けてなるものであってもよい。
上記耐熱滑性層は、ステッキングや印画しわ等、熱転写時にサーマルヘッドの熱が原因で生じる問題を防止するために設けるものである。
上記耐熱滑性層は、通常、耐熱性樹脂からなるものである。
上記耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
上記耐熱滑性層は、通常、サーマルヘッドの滑り性を良くするために、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤を配合してなるものである。
上記滑り性付与剤としては、例えば、リン酸エステル、金属石鹸、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、フッ素系グラフトポリマーや、シリコーン系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体等が挙げられる。
上記耐熱滑性層において、上記滑り性付与剤は1種のみ配合してもよいし、2種以上配合してもよい。
なお、上記滑り性付与剤は、上記耐熱滑性層に配合することに代え、上記耐熱滑性層上に上塗りしてもよい。
上記耐熱滑性層は、耐熱性樹脂及び所望により配合する上記滑り性付与剤に加え、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
例えば、上記耐熱滑性層にポリイソシアネート等の架橋剤を配合した場合、耐熱性、塗膜性、密着性等を向上することができる。また、上記耐熱滑性層に離型剤、有機粉末又は無機粉末を配合した場合、サーマルヘッドの走行性を向上することができる。上記離型剤としては、ワックス、高級脂肪酸アミド、エステル、界面活性剤等が挙げられる。上記有機粉末としては、フッ素樹脂等が挙げられる。上記無機粉末としては、シリカ、クレー、タルク、雲母、炭酸カルシウム等が挙げられる。
上記耐熱滑性層は、基材の染料層を設けた側と反対の面上に、耐熱滑性層塗工液を塗布、乾燥することにより積層することができる。
上記耐熱滑性層塗工液は、通常、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤及び添加剤を適当な溶剤中に加えて、各成分を溶解又は分散させて耐熱滑性層塗工液を調製し、その後、該耐熱滑性層塗工液を基材の上に塗布、乾燥させて形成することができる。
上記溶剤としては、例えば、染料層塗工液に関して例示したものが挙げられる。
上記耐熱滑性層塗工液の塗布法としては、上述の染料層の塗工において例示した方法が挙げられるが、なかでも、グラビアコーティングが好ましい。
上記耐熱滑性層塗工液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1〜3g/m、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
(保護転写層)
本発明の熱拡散型熱転写シートは、基材シートの染料層と同じ面側に、該染料層と面順次に保護転写層を備えるものであってもよい。
上記保護転写層としては、特に限定されず、例えば、保護転写層を構成する保護転写積層体を基材の表面の一部に剥離可能に備えたもの等が挙げられる。
該保護転写積層体は、例えば、上述のプライマー層と、更に保護層として透明性樹脂層とを含む積層体;基材側から順次、透明性樹脂層、耐可塑剤性樹脂層、熱接着性樹脂層(接着層ともいう。)の順に積層した積層体;等が挙げられる。
上記透明性樹脂層、上記耐可塑剤性樹脂層及び上記熱接着性樹脂層における各樹脂は、それぞれ印画時に劣化しないものであれば特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
上記透明性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記耐可塑剤性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
上記熱接着性樹脂としては、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
保護転写層を構成する保護転写積層体を基材の表面の一部に剥離可能に備え、前記基材の表面に前記保護転写層と面順次に1色以上の染料層を有してなるものであって、前記保護転写積層体は、上述のプライマー層と透明性樹脂層とを含むものであり、前記基材の一方の表面の一部に前記透明性樹脂層を設けてなる積層体の前記透明性樹脂層を設けた側の表面全体に前記プライマー層が設けられ、該プライマー層上且つ前記透明性樹脂層が下に位置していない領域に前記染料層を設けてなる熱拡散型熱転写シートもまた、本発明の一つである。
上記熱拡散型熱転写シートにおける基材、プライマー層及び染料層等の各層の構成は、上述の熱拡散型熱転写シートと同様である。
上記熱拡散型熱転写シートは、上記プライマー層を有するものなので、基材と染料層との接着性が良く、高速で熱転写することが可能であり、受像シート等の被転写材へ染料層が異常転写することがない。
上述の熱拡散型熱転写シートの好ましい実施形態は、例えば、図2に示すように、基材2bの片面に、透明性樹脂層4bを部分的に設け、その透明性樹脂層4bの上と、透明性樹脂層4bの設けられていない基材2b上に、プライマー層3bを全面に設けている。そして、透明性樹脂層4bが下に位置して設けられている領域のプライマー層3bの上に、接着層7bを設けてもよく、この場合は透明性樹脂層4b、プライマー層3b、接着層7bの3層が保護転写積層体6bとして、被転写体に転写される。また、基材2bの透明性樹脂層4bの設けられている面と反対面に耐熱滑性層10bを設けてもよく、該耐熱滑性層を設けると、サーマルヘッドとの融着防止、走行性の改良等を図ることができる。
また、保護転写積層体6bの最表面層に接着層7bを設けると、被転写体への転写性、接着性が向上する。そして、保護転写積層体6bの形成領域と異なる部分で、保護転写積層体6bと次の保護転写積層体6bとの間に、染料層5bのイエロー染料層(Y)、マゼンタ染料層(M)、シアン染料層(C)が面順次に設けられていて、3色の染料層5bと保護転写積層体6bとからなる単位9b(図示しない。)が、熱拡散型熱転写シートの長さ方向に繰り返し形成されていることが好ましい。更に、イエロー染料層(Y)とマゼンタ染料層(M)との間、マゼンタ染料層(M)とシアン染料層(C)との間、及びシアン染料層(C)と保護転写積層体6bとの間、及び、保護転写積層体6bとイエロー染料層(Y)との間に検知マーク8bを設けてもよい。
上記透明性樹脂層4b、接着層7b及び検知マーク8bは、従来公知の組成とすることができ、例えば特開2003−312151号公報と同様にすることができる。
(印画)
本発明の熱拡散型熱転写シートは、従来公知の感熱プリンターを用いて、熱転写受像シート等の被転写材に所望の画像を形成することができる。また、本発明の熱拡散型熱転写シートが保護転写層をも備えてなるものである場合、所望の画像に加え、所望の領域に保護転写層を転写することもできる。
上記熱転写受像シートとしては、特に限定されず、例えば、従来公知の基材上に染料受容性を有する受容層を設けたもの等を挙げることができる。
上記熱転写受像シートにおける基材としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等を挙げることができ、特に限定されない。
上記熱転写受像シートにおける受容層は、コーティング法、サーマルヘッドや熱ロール等による形成法等にて形成することができる。なお、上記熱転写受像シートは、基材自体が染料受容性を有していれば、受容層を設ける必要がない。
上記熱転写受像シートは、カード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ等の何れの形状であってもよい。
本発明における印画条件は、特に限定されず、使用する熱拡散型熱転写シート、熱転写受像シート等の構成に応じて適宜設定することができる。
本発明の熱拡散型熱転写シートは、上述のように、転写感度に優れているので、低エネルギーにして印画を行っても印画濃度が高い印画物を得ることができるし、印画速度が高くても、印画シワ等のトラブルが生じにくい。
本発明の熱拡散型熱転写シートは、例えば、熱拡散型熱転写シートから得られるものと同等の印画濃度を有する印画物を従来の80%のエネルギーにて作成することができる。
本発明の熱拡散型熱転写シートは、上述の構成よりなるものであるので、転写感度及び強度が高く、高速印画にも使用することができる。また、本発明の熱拡散型熱転写シートは、基材強度が低い基材を用いてなるものであるので、高延伸加工せずに製造可能することができ、従来の熱拡散型熱転写シートより低コストで薄膜のものを製造することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
各実施例及び比較例における各データは、以下の手順にて行った。
1.基材厚み
マイクロメーター(MFC−191、Nikon社製)にて10枚重ねの基材の厚みを測定した値から算出した。
2.破断強度及び破断伸度
JIS C 2151に準拠して測定した。
実施例1
基材として、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕フィルム(厚み4.0μm、基材強度3.5)上に、下記組成のプライマー層塗工液1をグラビアコーティングにて乾燥塗布量が0.06g/mになるように塗布した後、乾燥して、プライマー層を形成した。
そのプライマー層上に、下記組成の染料層塗工液をグラビアコーティングにて乾燥塗布量が0.7g/mになるように塗布した後、乾燥して染料層を形成し、実施例1の熱拡散型熱転写シートを作成する。
尚、上記基材の他方の面に、予め下記組成の耐熱滑性層塗工液をグラビアコーティングにて乾燥塗布量が1.0g/mになるように塗布した後、乾燥して、耐熱滑性層を形成しておいた。
<プライマー層塗工液1>
・コロイダルシリカ(スノーテックOXS、粒子径4〜6nm、日産化学工業社製)
50部
・水 25部
・イソプロピルアルコール 25部
<染料層塗工液>
・C.I.ソルベントブルー63 6.0部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製) 3.0部
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
<耐熱滑性層塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製)
13.6部
・ポリイソシアネート硬化剤(タケネートD218、武田薬品工業社製) 0.6部
・リン酸エステル(プライサーフA208S、第一工業製薬社製) 0.8部
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
実施例2
基材として、PETフィルム(厚み4.5μm、基材強度3.5)を用いる以外は、実施例1と同様にして、熱拡散型熱転写シートを作成した。
実施例3
基材として、PETフィルム(厚み4.5μm、基材強度3.7)を用い、下記組成のプライマー層塗工液2を用いる以外は、実施例1と同様にして、熱拡散型熱転写シートを作成した。
<プライマー層塗工液2>
・アルミナゾル(アルミナゾル200、羽毛状形態、日産化学工業社製) 50部
・水 25部
・イソプロピルアルコール 25部
実施例4
基材として、PETフィルム(厚み4.5μm、基材強度3.5)を用い、下記組成のプライマー層塗工液3を用いる以外は、実施例1と同様にして、熱拡散型熱転写シートを作成した。
<プライマー層塗工液3>
・アルミナゾル(アルミナゾル520、ベーマイト板状結晶形態、日産化学工業社製)
25部
・水 37.5部
・イソプロピルアルコール 37.5部
実施例5
基材として、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕フィルム(厚み4.5μm、基材強度3.7)上に、実施例1と同様の耐熱滑性層用塗工液をグラビアコーティングにて乾燥塗布量が1.0g/mになるように塗布した後、乾燥して、耐熱滑性層を形成した。
次に、基材シートの耐熱滑性層と反対側の面に、下記組成の保護層用塗工液を、乾燥後塗布量が1.0g/mになるようにグラビアコーティングにてパターンニングで部分的に塗布し(図2、4bのように)、乾燥して保護層を形成した。
<保護層用塗工液>
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、三菱レイヨン社製) 50部
・メチルエチルケトン 25部
・トルエン 25部
次に、上記保護層上と基材シート上の保護層を設けなかった部分に、実施例4と同様のプライマー層塗工液3を乾燥後塗布量が0.06g/mになるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥してプライマー層を形成した。
更に、上記保護層/プライマー層を設けた部分の上には、下記組成の接着層塗工液を、乾燥後塗布量が1.5g/mになるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥し保護転写積層体を形成した。
<接着層用塗工液>
・ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社製) 69.6部
・反応性紫外線吸収剤を反応結合したアクリル共重合体
・UVA635L(BASFジャパン製) 17.4部
・シリカ(サイリシア310、富士シリシア社製) 25部
・メチルエチルケトン 20部
・トルエン 20部
また、上記により保護層/プライマー層/接着層からなる保護転写積層体を形成した部分以外の基材シートの上に導電層を設けた部分には、下記組成の染料層を図2、5bの如くY、M、C、保護層の順になるように形成し、昇華染料層部と保護転写積層体部分とが面順次に形成された熱転写シートを形成した。
<イエロー染料インキ>
・イエロー染料(下記構造式) 3.5部
Figure 2006306088
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製)1.5部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
<マゼンタ染料インキ>
・C.I.Disperse Red 60 1.6部
・C.I.Disperse Violet 26 2.5部
・ポリビニルアセタール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製)1.6部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
<シアン染料インキ>
・C.I.ソルベントブルー63 6.0部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製)3.0部
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
比較例1
基材として、PETフィルム(厚み4.5μm、基材強度3.5)を用い、プライマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作成した。
比較例2
基材として、PETフィルム(厚み4.5μm、基材強度4.0)を用い、プライマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作成した。
試験例
各実施例及び各比較例より得られた熱転写シートについて、以下の試験を行った。
1.最高印画濃度
昇華型熱転写プリンタ(メガピクセルIII、アルテック社製)と、上記プリンタの純正品である受像紙とを用いて、シアンベタパターンにて印画を行い、得られた印画物を反射濃度計Macbeth RD−918(Cフィルター)にて測定して求めた。
なお、印画データの階調値は、255階調が100%ベタに相当するものとし、印画時の階調値を255で割った割合が最大印加エネルギーに対するそのパターンの印加エネルギーである(例えば、印画時の階調値が210階調であれば、210/255=0.823、即ち、83%ベタということとなる)。
上記印画時の階調値は、Photo Shopにて任意に変更することにより、調節した。
2.シワ未発生階調値
上記1.に記載の印画方法にて、階調値を5刻みに変更してベタパターンを印画し、シワが発生するよりも1つ弱いエネルギーをシワ未発生階調値とした。
評価結果を表1に示す。
Figure 2006306088
各実施例から得られた印画物は、基材強度が3.5又は3.7と低いにもかかわらず、基材強度が4.0である比較例2と同等の最高印画濃度を得ることができた。一方、本発明におけるプライマー層を有しない比較例1の熱転写シートから得た印画物の最高印画濃度は、各実施例から得られたものに比較して劣ることが分かった。
本発明の熱拡散型熱転写シートは、上述の構成よりなるものであるので、転写感度が良く、低エネルギーにて印画しても印画濃度が高い印画物を得ることが可能である。また、本発明の熱拡散型熱転写シートは、基材強度が低い基材を用いてなるものであり、薄膜であっても再縦延伸加工せずに基材を用いて製造することが可能であるので、従来の熱拡散型熱転写シートより低コストで薄膜のものを製造することができる。
本発明の熱拡散型熱転写シートの一例を示す断面図である。 染料層を備えた本発明の熱拡散型熱転写シートの一例を示す断面図である。
符号の説明
1.基材
2.プライマー層
3.染料層
4.耐熱滑性層
2b.基材
3b.プライマー層
4b.透明性樹脂層
5b.染料層
6b.保護転写積層体
7b.接着層(熱接着性樹脂層)
8b.検知マーク
10b.耐熱滑性層

Claims (4)

  1. 基材、プライマー層及び染料層をこの順に積層してなる熱拡散型熱転写シートであって、
    前記プライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子を用いて形成してなるものであり、
    前記基材は、長手方向について破断強度〔S(MPa)〕と破断伸度〔S(MPa)〕との比〔S/S〕により表される基材強度が3.5以上、4.0未満である
    ことを特徴とする熱拡散型熱転写シート。
  2. 前記コロイド状無機顔料超微粒子は、アルミナゾルである請求項1記載の熱拡散型熱転写シート。
  3. 更に、前記基材の前記染料層を設けた側と反対側の面に耐熱滑性層を設けてなる請求項1又は2記載の熱拡散型熱転写シート。
  4. 保護転写層を構成する保護転写積層体を基材の表面の一部に剥離可能に備え、前記基材の表面に前記保護転写層と面順次に1色以上の染料層を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の熱拡散型熱転写シートであって、
    前記保護転写積層体は、プライマー層と透明性樹脂層とを含むものであり、
    前記基材の一方の表面の一部に前記透明性樹脂層を設けてなる積層体の前記透明性樹脂層を設けた側の表面全体に前記プライマー層が設けられ、該プライマー層上且つ前記透明性樹脂層が下に位置していない領域に前記染料層を設けてなる
    ことを特徴とする熱拡散型熱転写シート。
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