JP2007030504A - 熱転写シート - Google Patents

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Toshikazu Kuwabara
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Abstract

【課題】 高価な基材フィルムを用いることなく、印画時の高温下における応力の負荷があっても、変形しにくく、印画時におけるトラブルが生じにくい昇華転写用熱転写シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 薄膜基材2の一方の面に耐熱滑性層5を設け、該薄膜基材2の他方の面に染料層4を設けた昇華転写用熱転写シート1において、該耐熱滑性層5と薄膜基材2との間、または該染料層4と薄膜基材2との間、あるいは耐熱滑性層5と薄膜基材2との間と、染料層4と薄膜基材2との間の両方に、無機微粒子よりなるプライマー層3を設けたことを特徴とする。あるいは、上記のプライマー層3が無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂よりなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写を利用した画像の形成に用いられる熱転写シートに関し、特に高価な基材フィルムを用いることなく、印画時の高温下における応力の負荷があっても、変形しにくく、印画時におけるトラブルが生じにくい昇華転写用熱転写シートに関する。
熱転写を利用した画像の形成に用いられる熱転写シートとして、熱拡散型染料(昇華型染料)からなる染料層をプラスチックフィルム等の基材シート上に設けた昇華型熱転写シートや、該染料層の代わりに顔料とワックスとからなるインキ層を設けた熱溶融型熱転写シートが知られている。これらの熱転写シートは、その背面からサーマルヘッドによって加熱され、染料層の染料又はインキ層の顔料を被転写材に転写させることにより画像を形成するものである。
このような熱転写シートは、熱転写プリンターにより加熱記録されるが、その熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに伴い、印字時のサーマルヘッドによる単位時間当たりの印加エネルギーが高くなり、それによって、熱転写シートの受けるピーク温度が、従来よりも多くなってきている。さらに、通常の印字の際には、熱転写シートに流れ方向にテンションがかけられている。そのため、印字の際の熱エネルギーとテンションにより、熱転写シートの基材シートの伸びが起こり、印字の際に印字ムラが発生したり、著しい場合は熱転写シートに皺が発生し、印字不能になる等の問題がある。また、上記の印字の際の熱エネルギーは、特に昇華型熱転写シートを用いて記録する場合には、熱溶融型熱転写シートの記録する場合よりも、記録方式の違いで、非常に高いエネルギーが加えられている。
昇華型熱転写シートの基材シートには、印画時に、サーマルヘッドから瞬間的には最高で300℃までの加熱がなされ、プラテンローラーとサーマルヘッドとの間で、約16cmの印画幅当たりで3〜10kgf(1.875〜6.250N/cm)の圧力(印圧)を受け、またプリンターにおける搬送のための張力がかかり、熱転写シート、つまり基材シートが伸びて変形あるいは破断したりする。このような印画時における基材フィルムの伸びを抑えるために、例えば熱転写シートの基材フィルムとして、ポリサルホン(PSF)やポリエーテルサルホン(PES)等の高い耐熱性を有するものを使用することが考えられる、熱転写印字後に廃棄するような用途では高価な基材フィルムであり、製造コストアップとなり、実用されるものではない。
また、上記の問題に対して、基材フィルムの作製時の延伸度や熱固定温度の調整を行う方法が挙げられる。例えば、特許文献1では基材フィルムのTMA寸法変化率が、流れ方向の最大収縮率を4〜9%にすることが提案されている。これは印画流れ方向の延伸を大きくした基材フィルムが、引張り等の強度向上が図られるものである。しかしながら、この延伸をより強くすることは、基材フィルムの製膜工程の中では限界があり、結果的には特殊な工程(例えば2軸延伸後の再縦延伸や熱固定温度制御など)が必要となり、基材フィルムのコストアップとなってしまう。また、上記問題に対して、基材フィルムの厚さを大きくして、「基材のこし」が強くなり、結果的に基材の強度アップを図ることが挙げられる。しかし、この基材の厚さの向上は、昇華転写における印画時の転写感度の低下につながり、望ましくない。
特許文献2において、特定金属酸化物を真空蒸着により、成膜してなる透明なセラミック蒸着層を耐熱性処理層として、ポリエステルフィルム基材のインキ層を設けた側と反対側の面に設けてなる感熱転写記録媒体が、提案され、高エネルギーのかかるサーマルヘッドでの印字に耐えられることが記載されている。しかし、このセラミック蒸着層を設けた記録媒体は、耐熱性はあっても、蒸着するための特別な装置が必須であり、製造コストが高くついてしまう問題がある。
特開2000−326637号公報 特開平8−267942号公報
したがって、本発明は、上記現状に鑑み、高価な基材フィルムを用いることなく、印画時の高温下における応力の負荷があっても、変形しにくく、印画時におけるトラブルが生じにくい昇華転写用熱転写シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、薄膜基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該薄膜基材の他方の面に染料層を設けた昇華転写用熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層と薄膜基材との間、または該染料層と薄膜基材との間、あるいは耐熱滑性層と薄膜基材との間と、染料層と薄膜基材との間の両方に、無機微粒子よりなるプライマー層を設けたことを特徴とする。請求項2に記載の発明は、薄膜基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該薄膜基材の他方の面に染料層を設けた昇華転写用熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層と薄膜基材との間、または該染料層と薄膜基材との間、あるいは耐熱滑性層と薄膜基材との間と、染料層と薄膜基材との間の両方に、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂よりなるプライマー層を設けたことを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱転写シートにおいて、プライマー層を乾燥状態で0.05〜1.0g/m2の塗工量で設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写シートにおいて、試料幅5mm、長さ10mmの試料を用いて、荷重10gの条件で、昇温速度10℃/minで測定した昇温された200℃におけるTMAデータを測定すると、薄膜基材単独の試料の上記条件のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ延伸しているが、前記熱転写シートの上記条件のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ、収縮していることを特徴とする。請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写シートにおいて、プライマー層に用いる無機微粒子がアルミナゾルであることを特徴とする。
本発明の熱転写シートは、薄膜基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該薄膜基材の他方の面に染料層を設けた昇華転写用熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層と薄膜基材との間、または該染料層と薄膜基材との間、あるいは耐熱滑性層と薄膜基材との間と、染料層と薄膜基材との間の両方に、無機微粒子よりなるプライマー層を設けた構成である。あるいは、上記のプライマー層が無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂よりなる構成である。これにより、プライマー層が耐熱性及び強靭性を有しているために、印画時のサーマルヘッドによる300℃に近い高温加熱下で、熱転写シートが引張られても、変形を生じることを防止できた。また、特定条件で測定したTMAデータにおいて、薄膜基材単独の試料のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ延伸しているが、本発明の熱転写シートのTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ、収縮している。このことは、熱転写プリンターにおいて、印画時のサーマルヘッドによる300℃に近い高温加熱下で、熱転写シートが引張られても、引き伸ばされる変形を生じにくいことを示すものである。
図1は、本発明の熱転写シート1の一つの実施形態を示す概略図であり、薄膜基材2の一方の面にプライマー層3を介して耐熱滑性層5を設け、該薄膜基材2の他方の面に染料層4が形成された構成である。また、図2は、本発明の熱転写シート1の別の実施形態を示す概略図であり、薄膜基材2の一方の面に耐熱滑性層5を設け、該薄膜基材2の他方の面にプライマー層3´を介して染料層4が形成された構成である。さらに、図3は本発明の熱転写シート1の別の実施形態を示す概略図であり、薄膜基材2の一方の面にプライマー層3を介して耐熱滑性層5を設け、該薄膜基材2の他方の面にプライマー層3´を介して染料層4が形成された構成である。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳述する。
(薄膜基材)
本発明における薄膜基材2としては、画像形成時の加熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有する各種の樹脂等からなるものを用いることができる。また、上記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリサルホン、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリイミド等が挙げられ、なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又は、その混合物からなるポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
本発明における薄膜基材は、枚葉状であってもよいし、連続フィルム状であってもよい。上記薄膜基材の厚みは、一般に0.5〜50μmであればよいが、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜6μmである。薄膜基材の厚みムラは、例えば、該基材が延伸フィルムである場合、サーマルヘッドの走行性、印刷ムラ防止等の点で、MD方向、TD方向共に平均厚みの±5%以内であることが好ましい。本発明の熱転写シートでは後述するプライマー層に特に耐熱性と強靭性をもたせるものであり、薄膜基材としては、上記の樹脂フィルムの一般的に入手しやすい汎用タイプを用いることが望ましい。
上記薄膜基材の耐熱滑性層の設けられる面、あるいは薄膜基材の染料層の設けられる面、または薄膜基材の両面に、プライマー層が設けられることになり、薄膜基材とプライマー層との接着性に優れているが、該接着性を更に向上させるため、基材に接着処理を施すことが好ましい。上記接着処理としては、コロナ放電処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記接着処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。本発明では、上記接着処理の中でも、コストが高くならずに基材とプライマー層との接着性を高めることができる点で、コロナ放電処理又はプラズマ処理が好ましい。
(プライマー層)
本発明におけるプライマー層3、3´は、薄膜基材に対し、耐熱滑性層の設けられる面、あるいは染料層の設けられる面、または基材の両面に設けられるもので、薄膜基材の耐熱性向上及び基材の強靭性向上を図るものであり、また薄膜基材とプライマー層を介して積層される層との接着性を向上させるものである。
本発明におけるプライマー層は、無機微粒子よりなるものである。その無機微粒子は、コロイド状の無機顔料の超微粒子であり、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸金属塩;アルミナ又はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、シリカ又はシリカゾル、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属酸化物類;炭酸マグネシウム等の炭酸塩;等、従来公知の化合物を使用することができる。本発明では、金属酸化物類、炭酸塩が好ましく、金属酸化物類がより好ましく、アルミナ又はアルミナ水和物が更に好ましく、特に、アルミナゾルが耐熱性、強靭性の付与する効果が高く、好ましい。上記プライマー層は、上記のコロイド状無機顔料超微粒子として1種のみからなるものであってもよいし、上記コロイド状無機顔料超微粒子として2種以上からなるものであってもよい。いずれにしても、使用するコロイド状無機顔料超微粒子としては、印画時のサーマルヘッドからの瞬間的な最高加熱温度まで、相転移温度を有しない物質であれば良い。
上記コロイド状無機顔料超微粒子の平均粒径は、通常100nm以下、好ましくは50nm以下、特に好ましくは3〜30nmである。上記コロイド状無機顔料超微粒子は、平均粒径が上記範囲内にある場合、上述の耐熱性、強靭性、接着性等に関する効果を充分に発揮できる。その平均粒径が大きすぎると、耐熱性や画質等の性能が低下し好ましくない。また、その平均粒径が小さすぎると、コロイド状態の安定性に欠ける恐れがある。尚、上記の平均粒径は、微粒子が球形のものに限定されないことは言うまでもない。また、上記の平均粒径は一次粒子の粒径を示すものであり、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等により目視計測してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械計測してもよい。
本発明において、上記コロイド状無機顔料超微粒子は、水系溶媒にゾル状に分散しやすくする目的で、塩酸、酢酸等の分散安定剤を配合して酸性タイプに処理したものであってもよいし、微粒子電荷をカチオンにしたものであってもよいし、表面処理したものであってもよい。本発明におけるコロイド状無機顔料超微粒子は、例えば、アルミナゾル100(日産化学工業社製)、アルミナゾル200(日産化学工業社製)等、市販品であってもよい。
上記プライマー層は、一般に、コロイド状無機顔料超微粒子からなる水性のプライマー層用塗工液を薄膜基材上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。上記プライマー層は、後述のゾルゲル法を用いて形成してなるものがより好ましい。上記プライマー層は、バインダー樹脂を使用せずに、被膜を形成するので、薄膜基材の耐熱性、強靭性をもたせることができ、さらに薄膜基材との接着性、隣接する層(耐熱滑性層、染料層)との接着性が良好である。
上記プライマー層用塗工液は、水性媒体にコロイド状無機顔料超微粒子を分散させることにより調製することができる。つまり、上記プライマー層用塗工液における水性媒体としては、水、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコール、水と水溶性アルコールとの混合液等が挙げられる。上記プライマー層用塗工液は、コロイド状無機顔料超微粒子が水性媒体100質量部に対し1〜100質量部で含有することが好ましい。
また、本発明におけるプライマー層は、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂よりなるものである。無機微粒子は上記に記載と同様のものが使用されるが、水溶性樹脂としては、具体的には、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、親水性ウレタン樹脂、セルロースのヒドロキシルアルキル置換誘導体、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸およびその金属塩等が挙げられる。尚、水溶性樹脂は、水を50%以上とする溶媒に、完全溶解(樹脂の粒径0.01μm以下)の状態になる樹脂のことである。上記の水溶性樹脂の中でも、ポリビニルピロリドン樹脂が好ましく、その平均分子量が5,000〜3,000,000のものを用い、特に好ましくは30,000〜2,500,000の範囲である。
また、親水性樹脂の添加量は、プライマー層の全固形分の0〜50質量%であることが好ましい。親水性樹脂の添加量が多すぎると、耐熱性及び強靭性が低下し、印画時の高温下において、熱転写シートが変形しやすく、印画シワ等が生じやすくなる。
また、プライマー層で使用するエマルジョン化可能な親水性樹脂は、粒径が約0.01μmより大きく、1μm以下の状態で溶媒に分散したものである。但し、本発明では、エマルジョン化可能な親水性樹脂として、乳化剤を用いてエマルジョン化された樹脂だけでなく、その親水性樹脂自体が自己乳化して、水(水を主体とした分散)に分散した樹脂も包含したものである。このような親水性樹脂としては、合成樹脂エマルジョンが挙げられ、例えばポリエステル樹脂エマルジョン、ポリアミド樹脂エマルジョン、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂エマルジョン等を用いるが、スルホン酸ナトリウム基あるいはカルボン酸ナトリウム基等の有機酸塩基によって、親水化されたカチオン性やアニオン性の樹脂エマルジョンを用いることができる。このエマルジョン化可能な親水性樹脂の添加量は、上記の親水性樹脂の場合と同様で、プライマー層の全固形分の0〜50質量%であることが好ましい。また、その添加量が多すぎる場合の不具合についても、上記の親水性樹脂で記載した通りである。
尚、上記の水溶性樹脂、エマルジョン化可能な親水性樹脂は、水、イソプロピルアルコール(IPA)、またIPAよりも低級の水溶性アルコール、あるいはそれらの混合液の溶媒に、完全溶解(樹脂の粒径0.01μm以下)の状態になる、あるいは粒径が約0.01μmより大きく、1μm以下の状態で上記溶媒に分散するものであれば、上記記載のものに限定されず使用できる。
本発明において、プライマー層用塗工液は、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段にて塗布することができる。上記プライマー層用塗工液は、乾燥後塗工量が0.01〜10g/m2となる量で塗布することができるが、優れた耐熱性、強靭性等を付与する点で、乾燥後塗工量が、0.05g/m2以上1.0g/m2以下となる量で塗布することが好ましい。その塗工量が少なすぎると、耐熱性、強靭性等の性能が十分に発揮できなく、また一方で塗工量が多すぎると、印画における転写感度が低下してくる。上記の塗工量でプライマー層を形成することにより、印画時のサーマルヘッドによる300℃に近い高温加熱下で、熱転写シートが引張られても、変形を生じることを確実に防止することができる。尚、上記のプライマー層の乾燥状態における塗工量は、一定面積(例えば10cm×10cm)の薄膜基材上にプライマー層を設けて乾燥させた試料の質量と、その試料のプライマー層を溶剤により除去したものの質量との差を、その面積で除して(割り算をして)、1m2当たりに換算して算出したものである。
但し、上記の塗工量は、薄膜基材の片側のみにプライマー層を形成する場合は、その単層のプライマー層の塗工量であるが、薄膜基材の両側にプライマー層を形成する場合は、その2層のプライマー層を合わせた塗工量の規定である。また、上記のプライマー層を形成する際の乾燥は、通常、コロイド状無機顔料超微粒子が、ゾル状から乾燥ゲル状になるよう、90〜130℃の熱風にさらす等して行う。本発明におけるプライマー層は、上記乾燥工程を経て形成されるので、無機顔料超微粒子が固着した状態にあり、強度が高く、耐熱性能が安定して良い。本発明の熱転写シートは、上記プライマー層を有しているので、高価な基材フィルムを用いることなく、印画時の高温下における応力の負荷があっても、変形しにくく、印画時における印字ムラや印字停止などのトラブルを防止することができる。
(染料層)
本発明における熱転写シートは、薄膜基材上に染料層4を設けた昇華転写用熱転写シートであり、その染料層は、昇華性染料がバインダー樹脂により担持して形成されてなるものである。上記昇華性染料としては、従来公知の昇華型熱転写シートに使用されている染料が使用できる。
上記昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系;トリアリールメタン系;チアゾール系;メロシアニン等のメチン系;インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系;キサンテン系;オキサジン系;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノメチレン系;チアジン系;アジン系;アクリジン系;ベンゼンアゾ系;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系;スピロピラン系;インドリノスピロピラン系;フルオラン系;ローダミンラクタム系;ナフトキノン系;アントラキノン系;キノフタロン系;等が挙げられる。これらの中から、色相、印画濃度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性等の特性を考慮して適宜染料を選択使用される。上記染料は、染料層中5〜90質量%の量で存在するのが好ましく、10〜70質量%の量で存在するのがより好ましい。
上記バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、なかでも、耐熱性、染料の移行性等の点で、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましい。
上記染料層は、薄膜基材の一方の面に、上述の染料及びバインダー樹脂を有機溶媒等に適宜分散又は溶解して調製した染料層用塗工液を、塗布し、乾燥することにより形成することができる。上記染料層用塗工液において、上記染料は、染料層中に上記範囲内で含有するよう添加することができる。上記染料層用塗工液は、上述の染料及びバインダー樹脂に加え、必要に応じ、公知の添加剤を加えたものであってもよい。その添加剤としては、例えば、後述の離型層に添加する材料(離型剤)等が挙げられる。
上記染料層用塗工液は、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段にて塗布することができる。上記染料層は、所望の画像がモノカラーである場合は、1色の染料を選択し、該染料を含有する層を1層形成することより作製することができ、所望の画像がフルカラーである場合は、例えば、適当なシアン、マゼンタ及びイエロー(更に必要に応じてブラック)の各色素を選択して、各色素のうち何れか1つを含有する層をそれぞれ形成させることにより作製することができる。上記染料層の厚みは、乾燥後塗工量が約0.2〜5g/m2であることが好ましく、約0.4〜2g/m2であることが印画適性上、より好ましい。
(離型層)
本発明において、熱転写受像シートとの粘着防止を目的として、上記の染料層の表面に離型層を設けてもよい。上記離型層は、例えば、粘着防止性の無機粉末を付着させて形成した層;シリコーンポリマー、アクリルポリマー、フッ素化ポリマー等の離型性に優れた樹脂からなる層;等が挙げられる。上記離型層の厚みは、乾燥後塗工量が約0.01〜5g/m2、好ましくは約0.05〜2g/m2である。
(耐熱滑性層)
本発明における耐熱滑性層5は、耐熱性、印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させる目的で、薄膜基材の染料層の設けられている面と反対側に設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、金属石鹸、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、薄膜基材の上に、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層塗工液を調整し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、乾燥状態で、0.1g/m2〜2.0g/m2が好ましい。
(TMAデータ)
本発明の熱転写シートは、薄膜基材に対し、耐熱滑性層の設けられる面、あるいは染料層の設けられる面、または薄膜基材の両面に、無機微粒子よりなるプライマー層を設けた構成である。さらに特定条件で測定したTMAデータにおいて、薄膜基材単独の試料のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ延伸しているが、本発明の熱転写シートのTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ、収縮していることを特徴としている。上記の特定条件で測定したTMAデータについて、説明すると、試料幅5mm、長さ10mmの試料を用いて、荷重10gの条件で、昇温速度10℃/minで測定した昇温された200℃におけるTMAデータを測定するものである。
TMAデータは、Thermo−Mechanical Analysisの略号で熱力学的分析(熱機械的分析)によるデータのことであり、セイコー電子TMA/SS100などの熱機械的物性測定装置により、上記に説明した試料の大きさで、上記荷重条件と昇温速度により、試料を引張り、荷重条件前の初期値と比べ、200℃に昇温された時の試料の長さを測定したものである。したがって、本発明の熱転写シートは、上記条件のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ、収縮しているものであり、荷重条件前の初期値に比べると、変化率としては−(マイナス)となる。それに対し、薄膜基材単独の試料では、上記条件のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ延伸しているものであり、荷重条件前の初期値に比べると、変化率としては+(プラス)となる。
本発明の熱転写シートにおけるTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ、収縮している、あるいは延伸していないものであり、このことは、熱転写プリンターにおいて、印画時のサーマルヘッドによる300℃に近い高温加熱下で、熱転写シートが引張られても、引き伸ばされる変形を生じにくいことを示すものである。さらに、実施例で熱転写シートにおけるTMAデータとして、荷重条件前の初期値に比べた変化量を測定したが、実施例で生じたTMAデータの変化量のような範囲内で、すなわち試料幅5mm、長さ10mmの試料で、荷重10gの条件下、昇温速度10℃/minで測定した昇温された200℃におけるTMAデータが、長さで9.8mm〜9.95mm程度(実施例は9.875mm〜9.95mm)となることが好ましい。このように熱転写時の条件である高温加熱下における、熱転写シートを引き伸ばす方向に応力がかかる条件に対して、熱転写シートが変形しづらい、つまり熱転写シートが引き伸ばされにくい、上記条件の長さ100mmに対して、0.05mm〜0.2mm程度であれば、収縮してもよい。但し、上記の加熱、引張り条件で、延伸しないことはもちろん、収縮もしなく変形しないものが理想である。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、文中、部または%とあるのは特に断りのない限り質量基準とする。
(実施例1)
薄膜基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、東レ社製PETフィルム 5AF56、厚さ4.5μm)上に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、乾燥後塗工量が0.50g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、下記組成の染色層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるようなワイヤーバーの種類を選択して、ワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、80℃で1分間乾燥して、熱転写シート1を得た。
<プライマー層用塗工液1>
・アルミナゾル(アルミナゾル200、平均粒径10〜20nm、酢酸安定型、日産化学工業社製) 5.0部
・水 47.5部
・イソプロピルアルコール 47.5部
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリアミドイミド樹脂(HR−15ET、東洋紡績社製) 50.0部
・ポリアミドイミドシリコーン樹脂(HR−14ET、東洋紡績社製) 50.0部
・ステアリル燐酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学社製) 10.0部
・ステアリン酸亜鉛(GF−200、日本油脂社製) 10.0部
・ポリエステル樹脂(バイロン220、東洋紡績社製) 3.0部
・無機フィラー(タルク、平均粒径4.2μm) 10.0部
<染料層用塗工液>
・アントラキノン系染料(C.I.ソルベントブルー63) 3.0部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製) 3.0部
・メチルエチルケトン 45.5部
・トルエン 45.5部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写シート1の条件において、プライマー層用塗工液1の替わりに、下記組成のプライマー層用塗工液2を用いて、乾燥後塗工量が0.08g/m2になるようにプライマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シート2を作製した。
<プライマー層用塗工液2>
・アルミナゾル(アルミナゾル520、平均粒径10〜20nm、ベーマイト型、日産化学工業社製) 5.0部
・水 47.5部
・イソプロピルアルコール 47.5部
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写シート1の条件において、プライマー層用塗工液1の替わりに、下記組成のプライマー層用塗工液3を用いて、乾燥後塗工量が1.00g/m2になるようにプライマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シート3を作製した。
<プライマー層用塗工液3>
・アルミナゾル(アルミナゾル100、平均粒径10〜20nm、塩酸安定型、日産化学工業社製) 5.0部
・水 47.5部
・イソプロピルアルコール 47.5部
(実施例4)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に直接、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。上記の薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用したプライマー層用塗工液1を、乾燥後塗工量が0.50g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート4を得た。
(実施例5)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に実施例1で使用したプライマー層用塗工液1を、乾燥後塗工量が0.25g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。上記の薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用したプライマー層用塗工液1を、乾燥後塗工量が0.25g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風にさらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート5を得た。
(実施例6)
実施例2で作製した熱転写シート2の条件において、プライマー層用塗工液2の乾燥後塗工量を0.08g/m2から、0.05g/m2に変更した以外は、実施例2と同様にして、熱転写シート6を作製した。
(実施例7)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に下記組成のプライマー層用塗工液4を、乾燥後塗工量が0.05g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート7を得た。
<プライマー層用塗工液4>
・アルミナゾル(アルミナゾル200、平均粒径10〜20nm、酢酸安定型、日産化学工業社製) 8.0部
・ポリビニルピロリドン樹脂(PVP−K90、アイエスピー・ジャパン(株)製)
2.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(実施例8)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に下記組成のプライマー層用塗工液5を、乾燥後塗工量が0.1g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート8を得た。
<プライマー層用塗工液5>
・アルミナゾル(アルミナゾル200、平均粒径10〜20nm、酢酸安定型、日産化学工業社製) 8.0部
・カチオン性ポリアミド樹脂(スミレーズレジンWS−4052、星光PMC(株)製)
2.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(実施例9)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に下記組成のプライマー層用塗工液6を、乾燥後塗工量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート9を得た。
<プライマー層用塗工液6>
・アルミナゾル(アルミナゾル520、平均粒径10〜20nm、ベーマイト型、日産化学工業社製) 8.0部
・ナノパーティクル重合型ポリビニルピロリドン樹脂(VIVIPRINT540、アイエスピー・ジャパン(株)製)
2.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(実施例10)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に下記組成のプライマー層用塗工液7を、乾燥後塗工量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート10を得た。
<プライマー層用塗工液7>
・アルミナゾル(アルミナゾル100、平均粒径10〜20nm、塩酸安定型、日産化学工業社製) 5.0部
・ポリビニルピロリドン樹脂(PVP−K90、アイエスピー・ジャパン(株)製)
5.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(実施例11)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に下記組成のプライマー層用塗工液8を、乾燥後塗工量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。更に、上記薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート11を得た。
<プライマー層用塗工液8>
・アルミナゾル(アルミナゾル100、平均粒径10〜20nm、塩酸安定型、日産化学工業社製) 5.0部
・ポリビニルアルコール樹脂(PVA RS−1717、(株)クラレ製)
5.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(実施例12)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に直接、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。上記の薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、実施例11で使用したプライマー層用塗工液8を、乾燥後塗工量が0.06g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート12を得た。
(実施例13)
実施例1で使用した薄膜基材と同様の基材を用い、その基材上に下記組成のプライマー層用塗工液9を、乾燥後塗工量が0.25g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した耐熱滑性層用塗工液を乾燥後塗布量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、乾燥して耐熱滑性層を形成した。上記の薄膜基材に対し、耐熱滑性層と反対側の面上に、上記で使用したプライマー層用塗工液9を、乾燥後塗工量が0.25g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風にさらすことにより乾燥してプライマー層を形成した。次に、上記プライマー層上に、実施例1で使用した染料層用塗工液を、乾燥後塗工量が0.7g/m2になるように実施例1と同様のワイヤーコーターバーでのコーティングにて塗布し、乾燥して、熱転写シート13を得た。
<プライマー層用塗工液9>
・アルミナゾル(アルミナゾル520、平均粒径10〜20nm、ベーマイト型、日産化学工業社製) 8.0部
・ポリビニルピロリドン樹脂(PVP−K90、アイエスピー・ジャパン(株)製)
2.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(比較例1)
実施例1で使用した薄膜基材単独を試料とする。これを熱転写シート14とする。
(比較例2)
実施例3で作製した熱転写シート3の条件において、乾燥後塗工量が0.03g/m2になるようにプライマー層を形成した以外は、実施例3と同様にして、熱転写シート15を作製した。
(比較例3)
実施例4で作製した熱転写シート4の条件において、プライマー層用塗工液1の替わりに、実施例3で使用したプライマー層用塗工液3を用いて、乾燥後塗工量が0.03g/m2になるようにプライマー層を形成した以外は、実施例4と同様にして、熱転写シート16を作製した。
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写シート1の条件において、プライマー層用塗工液1の替わりに、下記組成のプライマー層用塗工液10を、乾燥後塗工量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シート17を作製した。
<プライマー層用塗工液10>
・ポリビニルピロリドン樹脂(PVP−K90、アイエスピー・ジャパン(株)製)
10.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(比較例5)
実施例1で作製した熱転写シート1の条件において、プライマー層用塗工液1の替わりに、下記組成のプライマー層用塗工液11を、乾燥後塗工量が0.8g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シート18を作製した。
<プライマー層用塗工液11>
・ポリビニルアルコール樹脂(PVA RS−1717、(株)クラレ製) 10.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
(比較例6)
実施例1で作製した熱転写シート1の条件において、プライマー層用塗工液1の替わりに、下記組成のプライマー層用塗工液12を、乾燥後塗工量が0.5g/m2になるようにグラビアコーティングにて塗布し、110℃の熱風に1分間さらすことにより乾燥してプライマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして、熱転写シート19作製した。
<プライマー層用塗工液12>
・アルミナゾル(アルミナゾル200、平均粒径10〜20nm、酢酸安定型、日産化学工業社製) 3.0部
・ポリビニルピロリドン樹脂(PVP−K90、アイエスピー・ジャパン(株)製)
7.0部
・水 45.0部
・イソプロピルアルコール 45.0部
上記の各実施例及び各比較例より得られた熱転写シートについて、以下の試験を行った。
1.TMAデータの測定
セイコー電子TMA/SS100の熱機械的物性測定装置により、試料幅5mm、長さ10mmの試料を用いて、荷重10gの条件で、昇温速度10℃/minで測定した昇温された200℃におけるTMAデータ、すなわち荷重条件前の初期値と比べ、200℃に昇温された時の試料の長さを測定し、その変化した長さ(μm)を測定した。(+は伸び、−は縮み)
2.印画シワの評価
昇華プリンター(アルテック社製、商品名メガピクセルIII)で黒ベタ画像を印画し、各熱転写シートの1画面当たりに発生するシワの有無を目視にて調べた。但し、熱転写シートは純正品のシアン染料層の部分に、上記で作製した各熱転写シートを貼り込み、受像紙は純正品を使用した。上記の印画シワの評価基準は、以下の通りである。
○:シワ無し。
×:シワが認められる。
上記の各測定、評価の結果を表1に示す。
Figure 2007030504
上記のように、実施例1〜13の熱転写シートでは、200℃におけるTMAデータにおいて、昇温、荷重条件前の初期値に比べ、全て収縮している結果が出た。そして、実施例1〜13の熱転写シートでは、上記の印画シワの評価において、全てシワの発生が無かった。これは、印画時の高温下における応力の負荷があっても、変形しにくく、印画時におけるトラブルが生じにくいことを示すものである。それに対し、比較例1〜6の熱転写シートでは、200℃におけるTMAデータにおいて、昇温、荷重条件前の初期値に比べ、全て延伸している結果が出た。そして、比較例1〜6の熱転写シートでは、上記の印画シワの評価において、全てシワが発生した。このことは、印画時の高温下における応力の負荷により、伸びの変形が生じて、印画時におけるトラブルが生じたことを示すものである。
本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略図である。 本発明の熱転写シートの別の実施形態を示す概略図である。 本発明の熱転写シートの別の実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1 熱転写シート
2 薄膜基材
3、3´ プライマー層
4 染料層
5 耐熱滑性層

Claims (5)

  1. 薄膜基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該薄膜基材の他方の面に染料層を設けた昇華転写用熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層と薄膜基材との間、または該染料層と薄膜基材との間、あるいは耐熱滑性層と薄膜基材との間と、染料層と薄膜基材との間の両方に、無機微粒子よりなるプライマー層を設けたことを特徴とする熱転写シート。
  2. 薄膜基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該薄膜基材の他方の面に染料層を設けた昇華転写用熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層と薄膜基材との間、または該染料層と薄膜基材との間、あるいは耐熱滑性層と薄膜基材との間と、染料層と薄膜基材との間の両方に、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂よりなるプライマー層を設けたことを特徴とする熱転写シート。
  3. 前記の熱転写シートにおいて、プライマー層を乾燥状態で0.05〜1.0g/m2の塗工量で設けたことを特徴とする請求項1または2に記載する熱転写シート。
  4. 前記の熱転写シートにおいて、試料幅5mm、長さ10mmの試料を用いて、荷重10gの条件で、昇温速度10℃/minで測定した昇温された200℃におけるTMAデータを測定すると、薄膜基材単独の試料の上記条件のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ延伸しているが、前記熱転写シートの上記条件のTMAデータは昇温、荷重条件前の初期値に比べ、収縮していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載する熱転写シート。
  5. 前記の熱転写シートにおいて、プライマー層に用いる無機微粒子がアルミナゾルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載する熱転写シート。
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