JP2013193363A - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、染料層に使用する染料の低減が実現可能であり、印画によるシワの発生を抑えることができ、印画不良がなく、走行性に優れた感熱転写記録媒体を提供する。
【解決手段】基材10の一方の面に耐熱滑性層40が形成され、基材の他方の面に下引き層20および染料層30が順次積層形成され、下引き層がポリビニルアルコールと熱伝導性微粒子とを含む下引き層形成用塗布液から形成され、下引き層の熱伝導率が1.0〜5.0W/(m・K)で、染料層が熱移行性染料としてアントラキノン系化合物を含む染料層形成用塗布液から形成され、耐熱滑性層の表面粗さの平均値αが0.05〜0.40μmで、150℃、10分間の条件で静置した後の耐熱滑性層の表面粗さの平均値βが0.00〜0.70μmで、平均値αと平均値βとの差が0.00〜0.30μmである、感熱転写記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される感熱転写記録媒体に関するもので、基材の一方の面に耐熱滑性層が形成され、他方の面に下引き層および染料層が順次形成された感熱転写記録媒体に関する。さらに詳しくは、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、すなわち、染料層に使用する染料の低減が実現可能であり、さらに、印画によるシワの発生を抑えることができ、印画不良がなく、走行性に優れた感熱転写記録媒体に関するものである。
一般に、感熱転写記録媒体は、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものである。ここで感熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
現在、感熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では基材シートの同じ側に印画物への耐久性を付与する保護層等を重ならないように設けられた複数の感熱転写層をもつ感熱転写記録媒体がかなり普及してきている。
そのような状況の中、用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進むに従って、従来の感熱転写記録媒体では十分な印画濃度が得られないという問題が生じてきた。そこで転写感度を上げるべく、感熱転写記録媒体の薄膜化により印画における転写感度の向上を試みることが行われてきた。しかし、感熱転写記録媒体の製造時や印画の際に熱や圧力等によりシワが発生したり、場合によっては破断が発生するという問題を抱えている。
また、感熱転写記録媒体の染料層において、樹脂に対する染料の比率(Dye/Binder)を大きくして、印画濃度や印画における転写感度の向上を試みることが行われている。しかし、染料を増やすことでコストアップとなるばかりではなく、製造工程における巻き取り状態時に感熱転写記録媒体の耐熱滑性層へ染料の一部が移行し(裏移り)、その後の巻き返し時に、その移行した染料が他の色の染料層、あるいは保護層に再転移し(裏裏移り)、この汚染された層を被転写体へ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったり、いわゆる地汚れが生じたりする。
さらに、感熱転写記録媒体側ではなく、プリンタ側で画像形成時のエネルギーをアップする試みも行われているが、消費電力が増えるばかりではなく、プリンタのサーマルヘッドの寿命を短くする他、染料層と被転写体が融着する、いわゆる異常転写が生じやすくなる。それに対して異常転写を防止するために、染料層あるいは被転写体に多量の離型剤を添加すると、画像のにじみや地汚れが生じたりする。
このような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1では、基材と染料層との間に、ポリビニルピロリドン樹脂と変性ポリビニルピロリドン樹脂とを含有する接着層を有する熱転写シートが提案されている。
また、特許文献2には、基材と染料層との間に、熱可塑性樹脂であるポリビニルピロリドン樹脂またはポリビニルアルコール樹脂とコロイド状無機顔料超微粒子とからなる接着層を有する熱転写シートが提案されている。
また、特許文献3には、基材と染料層との間に、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体とコロイド状無機顔料超微粒子とからなる下地層を有する熱転写シートが提案されている。
このように、転写感度の向上に伴い、染料層を薄膜化することが可能となり、染料の総量が減少してコストダウンにも繋がる一方で、感熱転写記録媒体の印画の際に熱や圧力等によりシワによる印画不良が発生したり、場合によっては破断が発生するという問題を抱えている。
ところで、感熱転写記録媒体は、基材となる、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の一方の面に染料層、他方の面にプリンタのサーマルヘッドと接触する耐熱滑性層が設けられている。該耐熱滑性層は、従来から、自己クリーニング性の付与、サーマルヘッドの耐久性向上、サーマルヘッドからの熱伝導ムラの軽減、走行性の調節等のために設けられている。
前記耐熱滑性層の摩擦係数が大きく、滑性が不十分であると、感熱転写記録媒体の走行性が悪くなり、基材とサーマルヘッドとが貼り付いてしまい、印画不良(スティッキング)を起こすことがある。また、滑性が低エネルギー印画時と高エネルギー印画時とで大きく異なると、例えば、同一画像上に印画部と非印画部が共に存在する場合等に、両者間で、サーマルヘッドと耐熱滑性層との摩擦に差が生じ、印画時にシワが発生することもある。
このような問題を解決するために、例えば特許文献4には、耐熱滑性層にシリコーン変性樹脂と共に金属石鹸及びフィラー成分が添加されており、高エネルギー印画時の滑性を向上させ、印画時のシワの発生を防ぐ熱転写シートが提案されている。
特開2005−231354号公報 特開2006−150956号公報 特開2008−155612号公報 特開2006−306017号公報
しかしながら、特許文献1に提案されている感熱転写記録媒体にて昇華転写方式の高速プリンタにて印画を行った場合、印画における転写感度が低く、十分なレベルまで至っていなかった。一方、特許文献2、3に提案されている感熱転写記録媒体にて同じく印画を行った場合、特許文献1と比較してコロイド状無機顔料超微粒子の添加による高濃度部における転写感度の上昇は認められた。しかしながら、高濃度部のみ感度上昇させた感熱転写記録媒体にて染料層中の染料の低減(樹脂に対する染料の比率の低減)を試みると、低濃度部の転写感度が不十分になってしまう。このように、従来技術では、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、すなわち、染料層に使用する染料の低減が実現可能な感熱転写記録媒体が見出されていない状況である。
また、特許文献4に提案されている感熱転写記録媒体にて印画を行った場合、高エネルギー印画時の滑性は向上しているものの、あらゆるエネルギーでの印画において良好な滑性は得られなかった。そのため、低エネルギー印画時と高エネルギー印画時とで、サーマルヘッドと耐熱滑性層との摩擦に大きな差が生じ、印画時のシワを十分には防ぐことはできなかった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、すなわち、染料層に使用する染料の低減が実現可能であり、さらに、常温環境下と高温環境下とで、耐熱滑性層の表面粗さの平均値の差が小さく、サーマルヘッドと耐熱滑性層との摩擦差が生じにくいため、印画によるシワの発生を抑えることができ、印画不良がなく、走行性に優れた感熱転写記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明に係わる感熱転写記録媒体は、基材の一方の面に耐熱滑性層が形成され、該基材の他方の面に下引き層および染料層が順次積層形成され、該下引き層が、ポリビニルアルコールと熱伝導性微粒子とを含む下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成されたもので、該下引き層の熱伝導率が1.0〜5.0W/(m・K)であり、該染料層が、熱移行性染料としてアントラキノン系化合物を含む染料層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成されたものであり、該耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の該耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値βが0.00〜0.70μmであり、該平均値αと該平均値βとの差が0.00〜0.30μmであることを特徴とする。
本発明の感熱転写記録媒体は、基材の一方の面に耐熱滑性層が形成され、該基材の他方の面に下引き層および染料層が順次積層形成され、該下引き層が、ポリビニルアルコールと熱伝導性微粒子とを含む下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成されたもので、該下引き層の熱伝導率が1.0〜5.0W/(m・K)であり、該染料層が、熱移行性染料としてアントラキノン系化合物を含む染料層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成されたものであり、該耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の該耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値βが0.00〜0.70μmであり、該平均値αと該平均値βとの差が0.00〜0.30μmであるので、染料層が薄膜化しても、印画時のシワの発生を防止することができる。したがって、本発明の感熱転写記録媒体は、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、染料層に使用する染料の低減が実現可能で、さらに走行性にも優れており、本発明の感熱転写記録媒体により、高速印画でも明瞭で、印画によるシワ等の印画不良のない優れた印画物を得ることができる。
本発明に基づく実施形態に係る感熱転写記録媒体の側断面図
本発明の一実施例の感熱転写記録媒体は、図1に示すように、基材10の一方の面に、サーマルヘッドとの滑り性を付与する耐熱滑性層40を設け、基材10の他方の面に、下引き層20および染料層30を順次形成した構成である。
基材10としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が必要とされ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で、または組み合わされた複合体として使用可能である。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2μm以上、50μm以下の範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上、9μm以下程度のものが好ましい。
また、基材10においては、耐熱滑性層40または/および下引き層20を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。本発明では、基材と下引き層との接着性を高めることが有効であり、コスト面からもプライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
次に、耐熱滑性層40は、表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の該耐熱滑性層40の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値βが0.00〜0.70μmであり、該平均値αと該平均値βとの差が0.00〜0.30μmのものである。
二乗平均平方根偏差Sqは、各種の方法で測定することができるが、本発明では、下地の影響を受け難く、微細形状の測定が可能である、非接触式の測定方法であるレーザ顕微鏡による測定方法を採用した。測定装置として、オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザ顕微鏡「OLS4000」を用いた。レーザ顕微鏡による測定の場合、分解能は対物レンズの開口数に依存する。一方、ばらつきを緩和するためには、測定範囲は広い方が好ましい。よって、開口数と測定範囲とのバランスが最も良好である50倍の対物レンズを選択し、10点を無作為に測定した。情報処理として傾きのみ補正を行い、カットオフなしの条件で得られた10点のSq値を平均し、耐熱滑性層40のSq値とした。平均値αは、150℃、10分間の条件で静置する前の値で、平均値βは、該条件で静置した後の値である。
耐熱滑性層40に一定の凹凸があることにより、耐熱滑性層40とサーマルヘッドとの接触面積は小さくなり、両者の摩擦は低下して滑性が得られ、印画不良を防ぐことができる。そのため、耐熱滑性層40の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.05μm未満であると、平滑に近い状態となり、耐熱滑性層40とサーマルヘッドとの摩擦が上昇し、印画不良を起こす。しかし、耐熱滑性層40の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.40μmを超えると、凹凸が大きくなり過ぎ、サーマルヘッドからの熱の伝わり方にムラが生じてしまい、それが印画物にも濃度ムラとなって現れてしまう。なお、平均値αは0.06〜0.30μmであることが好ましい。
また、150℃、10分間の条件で静置した後の耐熱滑性層40の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値βが0.70μmを超えると、熱による凹凸の増加に伴い、サーマルヘッドからの熱の伝わり方にムラが生じてしまい、印画物にも濃度ムラが現れてしまう。なお、平均値βは0.05〜0.50μmであることが好ましい。
さらに、低エネルギー印画から高エネルギー印画にかけて一定の凹凸を保つことができれば、低エネルギー印画時から高エネルギー印画時まで安定した滑性が得られ、同一画像上に印画部と非印画部とが共存したとしても、両者の間で滑性に差が生じることはなく、印画シワの発生を抑制することができる。したがって、耐熱滑性層40を150℃、10分間の条件で静置した際に、その前後における表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値の差、すなわち平均値αと平均値βとの差が0.00〜0.30μmの範囲であると、低エネルギー印画時と高エネルギー印画時とで表面の凹凸に大きな差は生じず、印画シワの発生を十分に防止することができる。平均値αと平均値βとの差が0.30μmを超えると、サーマルヘッドとの摩擦と滑性とに差が生じ、印画シワの発生を防止するまでには至らない。このような表面粗さの範囲を満足するには、耐熱滑性層40の凹凸を調整する必要がある。なお、平均値αと平均値βとの差は0.01〜0.20μmであることが好ましい。
耐熱滑性層40は、例えば、バインダー樹脂に各種機能性添加剤等を配合して耐熱滑性層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥して形成することができるが、表面に一定の凹凸を付与する目的で、1種又は2種以上の無機粒子を配合してもよい。無機粒子を配合することで耐熱滑性層40の表面に凹凸が形成され、サーマルヘッドとの接触面積が小さくなるため、サーマルヘッドとの摩擦が低下し、滑性が向上する。また、無機粒子は熱による変化が少ないため、高エネルギーで印画を行っても一定の凹凸が保持され、低エネルギー印画時から高エネルギー印画時にかけて一定の滑性が示される。すなわち、安定した耐熱性を有し、印画時のシワの発生を十分に防止することができる。
また、耐熱滑性層40の凹凸を調整する目的で、平均粒子径の異なる無機粒子を2種以上組み合わせて使用してもよく、その組み合わせは適宜選択することができる。無機粒子の平均粒子径は、形成する耐熱滑性層40の厚み等に応じて異なり、特に限定されないが、0.1〜6.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜4.0μmである。無機粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、耐熱滑性層40中に埋没して凹凸を形成することができず、サーマルヘッドとの摩擦を低下させることができない場合があり、サーマルヘッドのクリーニング性も低下する場合がある。逆に無機粒子の平均粒子径が6.0μmを超えると、耐熱滑性層40の凹凸が大きくなり過ぎて、場所によってはサーマルヘッドからの熱を十分に伝えられず、ムラとなって印画物に現れたり、耐熱滑性層40から脱離し、印画面にキズ等を発生させる恐れがある。
耐熱滑性層40に用いることができる無機粒子の一例として、例えば、シリカ粒子、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー等を挙げることができる。
耐熱滑性層形成用塗布液中の無機粒子の含有量は、2〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%である。無機粒子の含有量が2質量%未満では、サーマルヘッドのクリーニング効果が不十分であり、また表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の値が小さくなってしまう。逆に無機粒子の含有量が30質量%を超えると、無機粒子の種類によっては耐熱滑性層40自体の膜強度の低下を招く場合があり、また表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の値が大きくなることで印画時の熱の伝わり方にムラが生じ、印画物に不良が生じる場合がある。
耐熱滑性層40には、サーマルヘッドとの滑性を向上させる目的で滑剤を配合してもよく、融点の異なる滑剤を2種以上組み合わせて配合してもよい。滑剤を配合することで、サーマルヘッドから熱が加えられた際に該滑剤が溶出し、滑性を向上させ、熱による感熱転写記録媒体への負荷を軽減する効果がある。また、融点が異なる滑剤を配合することで、低温から高温に至るあらゆる温度、すなわち低エネルギー印画時から高エネルギー印画時にかけて、安定した滑性を付与することが可能となる。
耐熱滑性層40に用いることができる滑剤の一例として、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミンおよびアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面滑性剤等を挙げることができる。
耐熱滑性層形成用塗布液中の滑剤の含有量は、5〜25質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。滑剤の含有量が5質量%未満では、滑性が十分に発揮されなかったり、画像によっては滑剤の不足によりサーマルヘッドとの貼り付きを起こす場合がある。逆に滑剤の含有量が25質量%を超えると、必要以上に滑性が付与されたり、滑剤が溶出してしまい、印画に影響を与える場合がある。
耐熱滑性層40に用いることができるバインダー樹脂の一例として、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂およびこれらの変性体等を挙げることができる。
さらに耐熱滑性層40には、耐熱性を向上させる目的で架橋剤を配合してもよい。架橋剤を配合することで耐熱滑性層40の耐熱性が向上し、サーマルヘッドとの摩擦による基材の変形を防止することができる。架橋剤としては、例えばポリイソシアネートが挙げられ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等との組み合わせで用いることができる。
耐熱滑性層40の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、0.1g/m2以上、2.0g/m2以下の範囲内であることが好ましく、さらには0.5g/m2以上、1.3g/m2以下の範囲内であることがより好ましい。0.1g/m2未満では、耐熱性が低く、印画時の熱収縮が生じ易くなる。一方、2.0g/m2を超えると、サーマルヘッドからの熱が染料層30に十分に伝わらず、所望の濃度の印画物を得ることが困難になる。
ここで、耐熱滑性層40の乾燥後の塗布量とは、耐熱滑性層形成用塗布液を塗布し、乾燥した後に残った固形分量のことをいう。また、後述する下引き層20の乾燥後の塗布量および染料層30の乾燥後の塗布量も、同様に、後述する下引き層形成用塗布液および染料層形成用塗布液を各々塗布し、乾燥した後に残った固形分量のことをいう。
次に、下引き層20は、ポリビニルアルコールと熱伝導性微粒子とを含む下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成される。
ポリビニルアルコールは、優れた染料バリア性能を有しており、印画時に印画エネルギーが大きい高濃度部において高い転写感度を付与することができる。このようなポリビニルアルコールのケン化度や平均重合度は特に限定されるものではなく、例えば、クラレポバールPVA−117((株)クラレ製)やクラレポバールPVA−217((株)クラレ製)等を用いることができる。
下引き層20には、前記ポリビニルアルコール以外の水溶性高分子化合物を含有させることができる。水溶性高分子化合物の一例として、ポリビニルアルコールの変性体や共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの変性体や共重合体、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらの中でも、基材10と染料層30との接着性を向上させ、より高い印画濃度が得ることができるという点から、ポリビニルアルコールの変性体や共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの変性体や共重合体が好ましい。
熱伝導性微粒子は、前記ポリビニルアルコールやその他の水溶性高分子化合物への添加により、下引き層20の熱伝導率を高め、印画エネルギーが小さい低濃度部において転写感度を上昇させる効果を有する。下引き層20をポリビニルアルコールやその他の水溶性高分子化合物のみで形成すると、例えば0.3W/(m・K)程度の熱伝導率しか得られない。よって本発明では、該熱伝導性微粒子をポリビニルアルコールやその他の水溶性高分子化合物と併用することにより、下引き層20の熱伝導率を1.0〜5.0W/(m・K)とすることが必須であり、2.0〜5.0W/(m・K)とすることが好ましい。下引き層20の熱伝導率が1.0W/(m・K)未満であると、熱伝導性微粒子の添加効果が得られておらず、低濃度部での転写感度は上昇しない。一方、下引き層20の熱伝導率が5.0W/(m・K)を超えると、微小な印画エネルギーであっても著しく高い転写感度を示し、樹脂に対する染料の比率の低減を試みた場合に、低濃度部での発色が強すぎてしまう。
熱伝導性微粒子としては、例えば、マグネシア、無水炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ジルコニア、チタニア、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、六方晶窒化硼素、カオリン等の無機微粒子の他、表面に熱伝導性材料を付着させた有機微粒子が挙げられ、熱伝導率が10〜270W/(m・K)程度、平均粒子径が0.5〜3.0μm程度のものを用いることが好ましい。これらの中でも、比較的安価で、高い熱伝導率を有するマグネシア、無水炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及びジルコニアの少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明において、下引き層20の熱伝導率は、前記熱伝導性微粒子の種類、添加量、下引き層20の乾燥後の塗布量等を適宜調整することにより、1.0〜5.0W/(m・K)とすることが可能である。
下引き層20中の、ポリビニルアルコールを含む水溶性高分子化合物と熱伝導性微粒子との質量基準での含有比率は、水溶性高分子化合物/熱伝導性微粒子=40/60〜90/10であることが好ましく、さらには50/50〜80/20であることがより好ましい。水溶性高分子化合物/熱伝導性微粒子の含有比率が90/10を上回ると、下引き層の熱伝導率が十分に上昇せず、低濃度部の転写感度の向上効果が小さくなる恐れがある。一方、水溶性高分子化合物/熱伝導性微粒子の含有比率が40/60を下回ると、印画時に印画エネルギーが大きい高濃度部において転写感度の向上効果が小さくなる恐れがある。
下引き層20の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、0.05g/m2以上、0.30g/m2以下の範囲内であることが好ましく、さらには0.10g/m2以上、0.20g/m2以下の範囲内であることがより好ましい。0.05g/m2未満では、染料層積層時の劣化により、高速印画時における転写感度が不足し、基材あるいは染料層との密着性が低下する恐れがある。一方、0.30g/m2超では、感熱転写記録媒体自体の感度低下に影響し、高速印画時における転写感度が低下する恐れがある。
また、下引き層20には、前記性能を損なわない範囲で、無機顔料微粒子、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤を使用することができる。
次に、染料層30は、熱移行性染料の他に、例えばバインダー、溶剤などを配合して染料層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。なお、染料層は、1色の単一層で構成することもでき、色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することもできる。
前記染料層30に用いられる熱移行性染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料である。例えば、イエロー成分としては、C.I.ソルベントイエロー56、16、30、93、33、あるいはC.I.ディスパースイエロー201、231、33等を挙げることができる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、38、あるいはC.I.ソルベントレッド19、27等を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも、C.I.ディスパースバイオレット38等に代表されるアントラキノン系化合物を熱移行性染料として用いることが必須である。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー24、257、354、あるいはC.I.ソルベントブルー36、63、266等を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも、C.I.ソルベントブルー36、63、あるいはC.I.ディスパースブルー24等に代表されるアントラキノン系化合物を熱移行性染料として用いることが必須である。その理由は、基材−染料層間に下引き層を導入した場合、アントラキノン系化合物から成る染料は、他の染料よりも受像層への転写効率に優れているため、高い転写感度を与え、すなわち、染料層に使用する染料を低減することができるからである。
染料層30に含まれるバインダーは、従来公知の樹脂バインダーをいずれも使用することができ、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂や、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂や、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
ここで、染料層30を形成する際の熱移行性染料とバインダーとの質量基準での配合比率は、熱移行性染料/バインダー=10/100〜300/100であることが好ましい。これは、熱移行性染料/バインダーの配合比率が10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり、良好な熱転写画像が得られず、また、この配合比率が300/100を越えると、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するために、得られる感熱転写記録媒体は、保存安定性が低下し、染料が析出し易くなる恐れがあるためである。
また、染料層30には、前記性能を損なわない範囲で分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
染料層30の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、印画時の異常転写やシワの発生を抑え、またコストの上昇も抑えるという点から、0.3g/m2以上、1.5g/m2以下程度が適当である。
なお、耐熱滑性層40、下引き層20および染料層30は、いずれも、各々耐熱滑性層形成用塗布液、下引き層形成用塗布液および染料層形成用塗布液を、従来公知の塗布方法にて塗布し、乾燥することで形成可能である。塗布方法の一例として、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準であり。また、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理済ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/m2になるように塗布し、100℃で1分間乾燥することで耐熱滑性層付き基材を得た。
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.20g/m2になるように塗布し、100℃で2分間乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、下記組成の染料層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70g/m2になるように塗布し、90℃で1分間乾燥することで、染料層を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−1>
シリコン変性アクリル樹脂(東亜合成(株)製US−350)50.0部
メチルエチルケトン 50.0部
<下引き層形成用塗布液−1>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
マグネシア(熱伝導率55W/(m・K)、平均粒子径1.0μm)
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
<染料層形成用塗布液−1>
C.I.ソルベントブルー63(アントラキノン系染料) 6.0部
ポリビニルアセタール 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層形成用塗布液−2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱転写記録媒体を得た。
<下引き層形成用塗布液−2>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 1.5部
ポリビニルピロリドン(N−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマー)
1.5部
マグネシア(熱伝導率55W/(m・K)、平均粒子径1.0μm)
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(実施例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層形成用塗布液−3にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱転写記録媒体を得た。
<下引き層形成用塗布液−3>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
マグネシア(熱伝導率55W/(m・K)、平均粒子径1.0μm)
3.0部
純水 56.4部
イソプロピルアルコール 37.6部
(実施例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層を下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−2>
アクリルポリオール(固形分50%) 20.0部
リン酸エステル(融点15℃) 1.5部
リン酸エステル(融点70℃) 1.5部
ステアリン酸亜鉛(融点115〜125℃) 2.0部
タルク(平均粒子径1.0μm) 1.0部
タルク(平均粒子径2.5μm) 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 5.0部
トルエン 52.0部
メチルエチルケトン 21.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層を下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−3にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−3>
アクリルポリオール(固形分50%) 20.0部
リン酸エステル(融点15℃) 2.0部
リン酸エステル(融点70℃) 2.0部
ステアリン酸亜鉛(融点115〜125℃) 2.0部
タルク(平均粒子径2.5μm) 3.0部
タルク(平均粒子径3.5μm) 5.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 5.0部
トルエン 46.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例1)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱転写記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層形成用塗布液−4にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱転写記録媒体を得た。
<下引き層形成用塗布液−4>
ポリビニルピロリドン(N−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマー)
3.0部
マグネシア(熱伝導率55W/(m・K)、平均粒子径1.0μm)
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(比較例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層形成用塗布液−5にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱転写記録媒体を得た。
<下引き層形成用塗布液−5>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
溶融シリカ(熱伝導率3W/(m・K)、平均粒子径1.0μm)
3.0部
純水 56.4部
イソプロピルアルコール 37.6部
(比較例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層形成用塗布液−6にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱転写記録媒体を得た。
<下引き層形成用塗布液−6>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
マグネシア(熱伝導率55W/(m・K)、平均粒子径1.0μm)
6.0部
純水 54.6部
イソプロピルアルコール 36.4部
(比較例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、染料層を下記組成の染料層形成用塗布液−2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱転写記録媒体を得た。
<染料層形成用塗布液−2>
C.I.ソルベントブルー266(アゾ系染料) 6.0部
ポリビニルアセタール 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(比較例6)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層を下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−4にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−4>
アクリルポリオール(固形分50%) 20.0部
リン酸エステル(融点15℃) 2.0部
リン酸エステル(融点70℃) 2.0部
ステアリン酸亜鉛(融点115〜125℃) 2.0部
タルク(平均粒子径3.5μm) 2.0部
タルク(平均粒子径5.0μm) 3.5部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 5.0部
トルエン 46.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例7)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層を下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−5にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−5>
シリコン変性アクリル樹脂(東亜合成(株)製US−350)30.0部
メチルエチルケトン 70.0部
(比較例8)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層を下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−6にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−6>
ポリエチレン(固形分50%) 15.0部
リン酸エステル(融点15℃) 1.5部
リン酸エステル(融点70℃) 1.5部
ステアリン酸亜鉛(融点115〜125℃) 2.0部
タルク(平均粒子径1.0μm) 1.0部
タルク(平均粒子径2.5μm) 1.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
<被転写体の作製>
基材として、厚さ188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/m2になるように塗布し、乾燥することで、感熱転写用の被転写体を作製した。
<受像層形成用塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<熱伝導率測定>
熱伝導率測定基板上に、実施例1〜5、比較例2〜8と同様にして下引き層を形成し、光交流法熱拡散率測定装置「LaserPIT」(アルバック理工(株)製)にて測定した。その結果を表1に示す。
<表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の測定>
非接触式の測定方法であるレーザ顕微鏡による測定方法を採用し、測定装置としてオリンパス(株)製の走査型共焦点レーザ顕微鏡「OLS4000」を用いた。50倍の対物レンズを選択し、10点を無作為に測定した。情報処理として傾きのみ補正を行い、カットオフなしの条件で得られた10点のSq値を平均し、耐熱滑性層のSq値とした。平均値αは、150℃、10分間の条件で静置する前の値で、平均値βは、該条件で静置した後の値である。また、平均値αと平均値βとの差も算出した。その結果を表1に示す。
<印画評価>
実施例1〜5、比較例1〜8の感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーター((株)ウェッジ製)にてベタ印画を行い、最高反射濃度である255階調を11分割した各階調の反射濃度を評価した。その結果を表2に示す。なお、低濃度部における転写感度は23〜93階調における反射濃度にて、高濃度部における転写感度は255階調における反射濃度にて評価した。また、反射濃度は分光濃度計「X−Rite528」(エックスライト(株)製)にて測定した値である。
なお、印画条件は以下の通りである。
印画環境:23℃、50%RH
印加電圧:29V
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi、副走査300dpi
<濃淡ムラの評価>
前記<印画評価>にてベタ印画を行った際に、濃淡ムラを目視にて確認し、以下の基準にて評価した。その結果を表3に示す。
○:濃淡ムラが全く乃至殆ど認められない
×:濃淡ムラが目立つ
<印画シワの評価>
実施例1〜5、比較例1〜8の感熱転写記録媒体を使用し、前記サーマルシミュレーターにて、35℃、80%RHの印画環境で、片面がベタ、もう片面が白部のパターンの印画を行った。得られた印画物について、シワの有無を目視にて確認し、以下の評価基準にて評価した。その結果を表3に示す。
○:印画シワによる画像欠陥なし
×:印画シワによる画像欠陥あり
Figure 2013193363
Figure 2013193363
Figure 2013193363
表1、2に示す結果から、実施例1〜5の感熱転写記録媒体は、下引き層が設けられていない比較例1の感熱転写記録媒体と比較して、明らかに高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、染料層に使用する染料の低減が実現可能であることがわかった。
実施例2の感熱転写記録媒体は、水溶性高分子化合物を、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの質量基準での含有比率が、ポリビニルアルコール/ポリビニルピロリドン=50/50となるようにして用い、下引き層を形成したため、ポリビニルアルコールを単独で用いて下引き層を形成した実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、高濃度部の転写感度が若干低下していることがわかる。
実施例3の感熱転写記録媒体は、下引き層において、ポリビニルアルコールと熱伝導性微粒子であるマグネシアとの質量基準での含有比率が、ポリビニルアルコール/マグネシア=100/100であり、ポリビニルアルコール/マグネシア=100/30である実施例1の感熱転写記録媒体と比較すると、下引き層の熱伝導率が高くなっているためか、低濃度部の転写感度がさらに高くなっている。
これに対して、比較例2の感熱転写記録媒体は、水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコールを用いず、ポリビニルピロリドンのみを用いて下引き層を形成した結果、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、転写感度が著しく低いことがわかった。
比較例3の感熱転写記録媒体は、マグネシアのかわりに溶融シリカを用いて下引き層を形成しており、マグネシアと比較すると溶融シリカの熱伝導率は著しく低いため、ポリビニルアルコールと溶融シリカとの質量基準での含有比率が、ポリビニルアルコール/溶融シリカ=100/100であるにも係らず、下引き層の熱伝導率は1.0W/(m・K)未満であり、低濃度部の転写感度は、下引き層を形成していない比較例1のものと同程度で、熱伝導性微粒子の添加効果が全く見られなかった。
比較例4の感熱転写記録媒体は、下引き層の熱伝導率が5.0W/(m・K)を超えているため、23階調においても転写感度が大幅に上昇しており、樹脂に対する染料の比率の低減を試みた場合に、低濃度部での発色が強すぎることがわかった。
比較例5の感熱転写記録媒体は、アントラキノン系化合物を用いず、アゾ系化合物のみを用いて染料層を形成した結果、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、高濃度部の転写感度が著しく低下していることがわかる。したがって、下引き層にポリビニルアルコールを含有させる以外に、染料層に熱移行性染料としてアントラキノン系化合物を含有させることで、高濃度部の転写感度がさらに向上することがわかった。
また、表1、3に示すように、実施例1〜5の感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αは0.05〜0.40μmで、平均値βは0.00〜0.70μmで、平均値αと平均値βとの差は0.00〜0.30μmである。これにより、印画時のシワの発生を十分に抑えることが可能となった。このことから、常温環境下と高温環境下とで、耐熱滑性層の表面粗さの平均値の差を小さく抑えることにより、低エネルギー印画時から高エネルギー印画時にかけて一定の凹凸を保つことができ、結果として低エネルギー印画時と高エネルギー印画時とで、サーマルヘッドと耐熱滑性層との摩擦差が生じにくくなり、印画時のシワの発生が防止され、濃淡ムラの発生も防止されることが確認された。
これに対して、耐熱滑性層の表面粗さの平均値αが0.40μmを上回った比較例6の感熱転写記録媒体では、印画時のシワが確認され、濃淡ムラも確認された。これは、耐熱滑性層表面の凹凸が大きく、熱の伝わり方にムラが生じ、さらに平均値αの値も大きいため、シワが発生したと考えられる。
また、耐熱滑性層の表面粗さの平均値αが0.05μmを下回った比較例7の感熱転写記録媒体でも、印画時のシワが確認された。これは、耐熱滑性層表面の凹凸が少ないことにより、熱が均等に伝わって濃淡ムラの発生はないが、サーマルヘッドとの接触面積は増え、結果として摩擦が大きくなってしまったと考えられる。
さらに、平均値αは0.05〜0.40μmの範囲内で、平均値βも0.00〜0.70μmの範囲内であるが、平均値αと平均値βとの差が0.30μmを上回った比較例8の感熱転写記録媒体でも、印画時のシワが確認された。これは、前記のとおり、低エネルギー印画時と高エネルギー印画時とで、サーマルヘッドと耐熱滑性層との摩擦差が大きいことにより、安定した滑性が得られず、シワが発生したと考えられる。
本発明により得られる感熱転写記録媒体は、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
10 基材
20 下引き層
30 染料層
40 耐熱滑性層

Claims (1)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層が形成され、該基材の他方の面に下引き層および染料層が順次積層形成され、
    前記下引き層が、ポリビニルアルコールと熱伝導性微粒子とを含む下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成されたもので、該下引き層の熱伝導率が1.0〜5.0W/(m・K)であり、
    前記染料層が、熱移行性染料としてアントラキノン系化合物を含む染料層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成されたものであり、
    前記耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の該耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値βが0.00〜0.70μmであり、
    前記平均値αと前記平均値βとの差が0.00〜0.30μmであることを特徴とする、感熱転写記録媒体。
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