JP6183217B2 - 感熱転写記録媒体、その製造方法及び感熱転写記録方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、転写感度不足の課題だけでなく、印画物表面が部分的にマット化する課題を解決するために、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体樹脂とコロイド状無機顔料超微粒子からなる下引き層を有する熱転写シートが提案されている。
このように、昨今の昇華転写方式の高速プリンタを用いた場合、従来技術では下引き層導入により印画における転写感度が得られるが、黒画像を形成した時の黒色の高濃度部に関して印画物表面が部分的にマット化する現象を十分に改善した感熱転写記録媒体が見出されていないのが状況である。
したがって、昨今の昇華転写方式の高速プリンタを用いた場合、従来技術では、下引き層導入により印画における転写感度が得られるが、黒画像を形成した時の黒色の高濃度部に関して印画物表面が部分的にマット化する現象を十分に改善した感熱転写記録媒体が見出されておらず、また、印画時に発生するシワによる印画不良も充分に防ぐ事が出来なかった。
(1)基材と、当該基材の一方の面に形成した耐熱滑性層と、前記基材の他方の面に形成した下引き層と、当該下引き層のうち前記基材と対向する面と反対側の面に形成した染料層と、を備える感熱転写記録媒体において、前記下引き層は、水溶性高分子を主成分として含み、温度23℃且つ湿度50%の条件下における平衡吸湿率が15%以下であることを特徴とする感熱転写記録媒体。
(3)前記耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の当該耐熱滑性層の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値βが0.00〜0.70μmであり、前記平均値αと前記平均値βとの差が0.00〜0.30μmであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の感熱転写記録媒体。
(5)前記被写体の転写される側の少なくとも一層は、水系の塗布液により形成されることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の感熱転写記録媒体。
(8)前記耐熱滑性層と反対側のベース面上に水溶性高分子を主成分として含む下引き層形成液を該下引き層形成液の乾燥後の塗布量が0.05g/m2以上0.30g/m2以下となるように塗布した後、前記下引き層形成液を乾燥処理することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の感熱転写記録媒体の製造方法。
(9)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の感熱転写記録媒体を用意しておき、前記染料層に含まれる染料を熱により昇華させて被転写体に転写することを特徴とする感熱転写記録方法。
基材(10)としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、基材(10)においては、耐熱滑性層(40)または/および下引き層(20)を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。本発明では、基材と下引き層との接着性を高めることが有効であり、コスト面からもプライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
装置としては、走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS4000(オリンパス株式会社製)を用いた。レーザー顕微鏡による測定の場合、分解能が対物レンズの開口数に依存する。一方で、ばらつきを緩和する為、測定範囲は広く取る方が好ましい、最も開口数と測定範囲のバランスとして良好である50倍の対物レンズを選択し、10点を無作為に測定した。情報処理として傾きのみ補正を行い、カットオフなしの条件で得られたSqの値を平均して、耐熱滑性層40のSq値とした。
耐熱滑性層40に一定の凹凸があることにより、耐熱滑性層40とサーマルヘッドとの接触面積は小さくなり、両者の摩擦は低下し滑性が得られ、印画不良を防ぐことができるため、本発明において、耐熱滑性層40の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の平均値αの値は、0.05μm〜0.40μmである。耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqが0.05μm以下であると、平滑に近い状態となりサーマルヘッドとの摩擦が上昇し、印画不良を起こす。一方、印画前の耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqが0.40μm以上になってしまうと、凹凸の程度が大きくなり過ぎ、サーマルヘッドからの熱の伝わり方にムラが生じてしまい、それが印画物にも濃度ムラとなって現れてしまう。
耐熱滑性層40は、例えば、バインダーとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを必要に応じて配合して耐熱滑性層を形成するための(形成用の)塗布液を調製し、塗布、乾燥して形成することができる。
この耐熱滑性層(40)の乾燥後の塗布量は、0.1g/m2以上2.0g/m2以下程度が適当である。ここで、耐熱滑性層(40)の乾燥後の塗布量とは、耐熱滑性層形成用の塗布液を塗布、乾燥した後に残った固形分量のことをいい、後述する下引き層(20)の乾燥後の塗布量および染料層(30)の乾燥後の塗布量も、同様に、塗布液を塗布、乾燥した後に残った固形分量のことを指す。
また、硬化剤としては、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のイソシアネート類、及びその誘導体を用いることが可能である。
その中でも基材と染料層との接着性が比較的良好で高い印画濃度が得ることができるのはポリビニルアルコールとその変性/共重合体、ポリビニルピロリドンとその変性/共重合体である。
23℃/50%における平衡吸湿率はポリビニルアルコールとその変性/共重合体で8〜10%、ポリビニルピロリドンとその変性/共重合体で25〜30%、カルボキシメチルセルロースで30%程度、デンプンで10〜16%となっており、ポリビニルアルコールとその変性/共重合体を用いることが望ましいが、下引き層の平衡吸湿率が15%以下、好ましくは13%以下であればよく、平衡吸湿率が15%以下、好ましくは13%以下になるようにポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを任意に混合してもよい。
平衡吸湿率(質量%)={(W−W0)/W0}×100
なお、コロイド状無機顔料超微粒子としては、従来公知のもので例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。
本発明の感熱転写記録方法は、上記の感熱転写記録媒体を用意しておき、前記染料層に含まれる染料を熱により昇華させて、図2に示される被転写体に転写することを特徴とする。
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/m2になるように塗布し、100℃1分乾燥することで、耐熱滑性層付き基材を得た。
<耐熱滑性層塗布液−1>
シリコンアクリレート (東亜合成(株)US−350) 50.0部
MEK 50.0部
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.20g/m2になるように塗布し、100℃2分乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、下記組成の染料層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70g/m2になるように塗布し、90℃1分乾燥することで、染料層を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体を得た。実施例1では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.057、β=0.072であった。この時の下引き層の23℃/50%における平衡吸湿率は8%であった。
ポリビニルアルコール 5.00部
純水 57.0部
イソプロピルアルコール 38.0部
<染料層塗布液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール樹脂 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録転写媒体を得た。実施例2では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.058、β=0.068であった。この時の下引き層の23℃/50%における平衡吸湿率は14%であった。
ポリビニルアルコール 3.00部
ポリビニルピロリドン 2.00部
純水 57.0部
イソプロピルアルコール 38.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を乾燥後の塗布量が0.03g/m2になるように塗布、乾燥すること以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録転写媒体を得た。実施例3では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.060、β=0.070であった。
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を乾燥後の塗布量が0.35g/m2になるように塗布、乾燥すること以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録転写媒体を得た。実施例4では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.058、β=0.077であった。
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、耐熱滑性層40を、耐熱滑性層塗布液−2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱記録転写媒体を得た。実施例5では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.175、β=0.265であった。
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 20部
リン酸エステル 融点15℃ 1.5部
リン酸エステル 融点70℃ 1.5部
ステアリン酸亜鉛 融点115〜125℃ 2部
タルク 粒径1.0μm 1部
タルク 粒径2.5μm 1部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 5部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20部
酢酸エチル 5部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、耐熱滑性層40を、耐熱滑性層塗布液−3とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感熱記録転写媒体を得た。実施例6では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.386、β=0.673であった。
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 20部
リン酸エステル 融点15℃ 2部
リン酸エステル 融点70℃ 2部
ステアリン酸亜鉛 融点115〜125℃ 2部
タルク 粒径2.5μm 3部
タルク 粒径3.5μm 5部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 5部
トルエン 46部
メチルエチルケトン 20部
酢酸エチル 5部
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下引き層を形成することなく、易接着処理面の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70g/m2になるように塗布し、90℃1分乾燥することで、染料層を形成し、比較例1の感熱転写記録媒体を得た。比較例1では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.063、β=0.078であった。
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−3にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録転写媒体を得た。比較例2では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.060、β=0.068であった。この時の下引き層の23℃/50%における平衡吸湿率は30%であった。
ポリビニルピロリドン 5.00部
純水 57.0部
イソプロピルアルコール 38.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−4にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録転写媒体を得た。
比較例3では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.063、β=0.074であった。この時の下引き層の23℃/50%における平衡吸湿率は20%であった。
ポリビニルアルコール 1.50部
ポリビニルピロリドン 3.50部
純水 57.0部
イソプロピルアルコール 38.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−5にした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱記録転写媒体を得た。比較例4では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.062、β=0.075であった。この時の下引き層の23℃/50%における平衡吸湿率は30%であった。
<下引き層塗布液−5>
カルボキシメチルセルロース 5.00部
純水 57.0部
イソプロピルアルコール 38.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−6にした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱記録転写媒体を得た。比較例5では、下引き層20の温度23℃且つ湿度50%の条件下における平衡吸湿率は、3%であった。この時の下引き層の23℃/50%における平衡吸湿率は3%であった。
<下引き層塗布液−6>
ポリアミドエラストマー 5.00部
純水 57.0部
イソプロピルアルコール 38.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、耐熱滑性層40を、耐熱滑性層塗布液−4とした以外は、実施例1と同様にして、比較例6の感熱記録転写媒体を得た。比較例6では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.462、β=0.544であった。
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 20部
リン酸エステル 融点15℃ 2部
リン酸エステル 融点70℃ 2部
ステアリン酸亜鉛 融点115〜125℃ 2部
タルク 粒径3.5μm 2部
タルク 粒径5μm 3.5部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 5部
トルエン 46部
メチルエチルケトン 20部
酢酸エチル 5部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、耐熱滑性層40を、耐熱滑性層塗布液−5とした以外は、実施例1と同様にして、比較例7の感熱記録転写媒体を得た。比較例7では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.033、β=0.045であった。
<耐熱滑性層塗布液−5>
シリコンアクリレート 30.0部
MEK 70.0部
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、耐熱滑性層40を、耐熱滑性層塗布液−6とした以外は、実施例1と同様にして、比較例8の感熱記録転写媒体を得た。比較例8では、耐熱滑性層40の二乗平均平方根偏差Sqの平均値α及びβは、α=0.164、β=0.513であった。
ポリエチレン樹脂(固形分50%) 15部
リン酸エステル 融点15℃ 1.5部
リン酸エステル 融点70℃ 1.5部
ステアリン酸亜鉛 融点115〜125℃ 2部
タルク 粒径1.0μm 1部
タルク 粒径2.5μm 1部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20部
酢酸エチル 5部
基材として、188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/m2になるように塗布、乾燥することで、感熱転写用の被転写体を作製した。
<受像層塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
実施例1〜6、比較例1〜8の感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、低濃度部および最高反射濃度を評価した結果を、表1示す。なお最高反射濃度は、印画物表面のマット化が確認されない印画部を、X−Rite528にて測定した値である。低濃度部は最高反射濃度である255階調を11分割した内の、23〜46階調における反射濃度を測定した結果である。なお反射濃度は、X−Rite528にて測定した値である。
なお、印画条件は以下の通りである。
印画環境:23℃/50%RH
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
異常転写の評価は、以下の基準にて行った。△○以上が実用上問題ないレベルである。
○ :被転写体への異常転写が、認められない
△○:被転写体への異常転写が、ごく僅かに認められる
△ :被転写体への異常転写が、僅かに認められる
× :被転写体への異常転写が、全面で認められる
また、印画物表面のマット化評価は、以下の基準にて行った。
○:マット化が、認められない
△:マット化が、部分的に認められる
×:マット化が、はっきりと認められる
また、実施例3の感熱転写記録媒体は、実施例1の感熱転写記録媒体と比較すると、下引き層の塗布量が0.10g/m2未満であるため、低階調部の転写感度は向上したが幾分密着性が低下することがわかった。また、実施例4の感熱転写記録媒体は、同じく実施例1の感熱転写記録媒体と比較すると、下引き層の塗布量が0.30g/m2超であるため、低濃度部の転写感度が低下していることがわかった。
20 下引き層
30 染料層
40 耐熱滑性層
100 基材
200 断熱層
300 受容層
Claims (8)
- 基材と、当該基材の一方の面に形成した耐熱滑性層と、前記基材の他方の面に形成した下引き層と、当該下引き層のうち前記基材と対向する面と反対側の面に形成した染料層と、を備える感熱転写記録媒体において、
前記下引き層は、水溶性高分子を主成分として含み、温度23℃且つ湿度50%の条件下における平衡吸湿率が15%以下であり、
前記耐熱滑性層の二乗平均平方根偏差である表面粗さSqの平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の当該耐熱滑性層の二乗平均平方根偏差である表面粗さSqの平均値βが0.00〜0.70μmであり、前記平均値αと前記平均値βとの差が0.00〜0.30μmであり、
前記耐熱滑性層は、アクリルポリオール樹脂と2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマーを含み、さらに、粒径1.0〜2.5μmと2.5超〜3.5μmの2種のタルクを含む、ことを特徴とする感熱転写記録媒体。 - 前記下引き層の平衡吸湿率が温度23℃、湿度50%の条件下で13%以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
- 前記下引き層の乾燥後の塗布量が0.05〜0.30g/m2であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写記録媒体。
- 被写体の転写される側の少なくとも一層は、水系の塗布液により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱転写記録媒体。
- 被転写体の転写される側の少なくとも一層が、水系の塗布液により形成される被転写体に使用し、
フィルム状またはシート状に形成されたベースと、該ベースの両面のうち一方のベース面上に形成された耐熱滑性層と、該耐熱滑性層と反対側のベース面上に形成された下引き層と、該下引き層の上に形成された染料層とを備えた感熱転写記録媒体の製造方法であって、前記耐熱滑性層と反対側のベース面上に水溶性高分子を主成分として含む下引き層形成液を塗布した後、前記下引き層の平衡吸湿率が温度23℃、湿度50%の条件下で15%以下となり、前記耐熱滑性層の二乗平均平方根偏差である表面粗さSqの平均値αが0.05〜0.40μmであり、かつ、150℃、10分間の条件で静置した後の当該耐熱滑性層の二乗平均平方根偏差である表面粗さSqの平均値βが0.00〜0.70μmであり、前記平均値αと前記平均値βとの差が0.00〜0.30μmとなるように前記下引き層形成液を乾燥処理する感熱転写記録媒体の製造方法であって、
前記耐熱滑性層は、アクリルポリオール樹脂と2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマーを含み、さらに、粒径1.0〜2.5μmと2.5超〜3.5μmの2種のタルクを含む、感熱転写記録媒体の製造方法。 - 前記下引き層の平衡吸湿率が温度23℃、湿度50%の条件下で13%以下となるように前記下引き層形成液を乾燥処理することを特徴とする請求項5に記載の感熱転写記録媒体の製造方法。
- 前記耐熱滑性層と反対側のベース面上に水溶性高分子を主成分として含む下引き層形成液を該下引き層形成液の乾燥後の塗布量が0.05g/m2以上0.30g/m2以下となるように塗布した後、前記下引き層形成液を乾燥処理することを特徴とする請求項5又は6に記載の感熱転写記録媒体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱転写記録媒体を用意しておき、前記染料層に含まれる染料を熱により昇華させて被転写体に転写することを特徴とする感熱転写記録方法。
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