JP7073627B2 - ラベル用透明感熱記録媒体、及び物品 - Google Patents
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Description
また、感熱記録層に含まれる無機顔料を減らすことにより、感熱記録媒体の透明性を上げることができ、この背反であるスティッキング性の悪化については、保護層中に多官能の電子線硬化型シリコーン樹脂を含有させることで解決できることや、感熱記録層中の染料、顕色剤、助剤、及び保護層中に含まれるスティッキング防止用微粒子の平均粒径を0.3μm以下にすることにより、透明性が高く、耐スティッキング性に優れた感熱記録媒体が作製できることが提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
さらに、感熱記録層上に、水溶性樹脂を含む第1中間層と電子線硬化型化合物を含む第2中間層を設け、第2中間層の硬化前に、金属ロール等の平滑面で形成された顔料と水溶性樹脂を含む最上層を貼り合わせることにより、表面が平滑で透明な感熱記録材料が作製できることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、従来の感熱記録媒体では、保護層にシリコーン樹脂が含まれることにより表面エネルギーが低下し、印刷性不十分であるという課題があった。
さらに、感熱記録層と顔料とを金属ロールなどにより貼り合せて表面が平滑で透明感熱記録媒体を作製する場合、特殊な設備を要し、一般的な塗布方法では実現が困難であり、この設備を用いない場合には、感熱記録層に含まれる無機顔料の影響で透明性が低下してしまうという課題があった。
本発明の感熱記録媒体は、透明支持体と、前記透明支持体の上に設けられた感熱記録層と、前記感熱記録層の上に設けられた保護層と、を有し、前記保護層が、紫外線硬化型樹脂と、シリコーン樹脂顔料以外の顔料と、を含有し、前記保護層の表面の最大高さRzが、0.2μm以上1.0μm以下であり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記保護層は、紫外線硬化型樹脂と、シリコーン樹脂顔料以外の顔料とを含有し、前記保護層の表面の最大高さRzが0.2μm以上1.0μm以下であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記保護層の表面の最大高さRzとは、JIS B0601:2001(ISO1365-1)に規定される表面形状(粗さ曲線)の最大高さRzを意味する。
前記粗さ曲線とは、カットオフ値以上の断面曲線の高い周波数成分だけを記録した曲線を意味する。
前記最大高さRzとは、基準長さにおける輪郭曲線の最大山高さと最大谷深さとの和を意味する。
前記紫外線硬化型樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、種々のモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカなどの無機顔料、アクリル樹脂、尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系微粉末などが挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが好ましい。前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料であると、ヘッドマッチング性、及び印刷特性を向上させることができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾイルアルキルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル、ブロモアセトフェノン、クロロアセトフェノン、ベンゾキノン、アントラキノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
工程(2):前記保護層用塗布液を感熱記録層の上に塗布した後、乾燥させ、紫外線を照射することにより、前記保護層用塗布液を硬化させる。
前記感熱記録層としては、ロイコ染料、顕色剤、及びバインダー樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。なお、感熱記録層は、無機顔料を含有しないことが好ましい。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録媒体に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料が加熱時に反応して発色させるための種々の電子受容性物質を適用することができる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルション;スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル共重合体等のラテックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性や基材結着の観点からポリビニルアルコール樹脂が好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感度向上剤として種々の熱可融性物質、補助添加剤、界面活性剤、滑剤、填剤などが挙げられる。
前記熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p-ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β-ベンジルオキシナフタレン、β-ナフトエ酸フェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸フェニル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グリコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4-ジメトキシナフタレン、1,4-ジエトキシナフタレン、1,4-ジベンジロキシナフタレン、1,2-ジフェノキシエタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、1,4-ジフェノキシ-2-ブテン、1,2-ビス(4-メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4-ジフェニルチオブタン、1,4-ジフェニルチオ-2-ブテン、1,3-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p-(2-ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p-アリールオキシビフェニル、p-プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1-ジフェニルエタノール、1,1-ジフェニルプロパノール、p-ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3-フェノキシ-2-プロパノール、N-オクタデシルカルバモイル-p-メトキシカルボニルベンゼン、N-オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2-ビス(4-メトキシフェノキシ)プロパン、1,5-ビス(4-メトキシフェノキシ)-3-オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4-メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4-クロロベンジル)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記補助添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
工程(1):前記ロイコ染料及び前記顕色剤を、前記バインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機により粉砕分散した後、さらに必要に応じて前記その他の成分等と共に混合して感熱記録層用塗布液を調製する。前記感熱記録層用塗布液の50%累積体積粒径(D50)は、0.10μm以上3μm以下が好ましく、0.10μm以上0.50μm以下がより好ましく、0.10μm以上0.40μm以下が特に好ましい。
工程(2):前記感熱記録層用塗布液を前記透明支持体の上に塗布した後、乾燥させる。
前記透明支持体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透明性を有することが好ましい。
前記多層構造とする場合においては、後述する有機材料及び無機材料の少なくともいずれかから適宜選択することができる。
前記中間層としては、感熱記録層と保護層の間に設けられる層であり、水溶性樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。前記中間層を設けることにより、保護層の形成のために行う紫外線照射による感熱記録層への着色を防止することができる。
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルション;スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル共重合体等のラテックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニルアルコール樹脂が好ましく、分子量が15,000以下のポリビニルアルコール樹脂がより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、架橋剤、界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記架橋剤としては、前記水溶性樹脂と反応することにより、水溶性樹脂の水への溶解性を低下させることができるものであれば特に制限はなく、例えば、グリオキザール誘導体、メチロール誘導体、エピクロルヒドリン、ポリアミドエピクロルヒドリン、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン、ヒドラジド誘導体、オキサゾリン誘導体、カルボジイミド誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、取り扱い上の安全性が高いこと、耐水化に必要な硬化時間が短いことから、ポリアミドエピクロルヒドリンが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
工程(1):前記水溶性樹脂と、必要に応じて前記架橋剤及び前記界面活性剤を混合し、中間層用塗布液を調製する。
工程(2):前記中間層用塗布液を感熱記録層の上に塗布し、乾燥させる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本又は5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記その他の部材としては、通常感熱記録媒体に使用されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンダー層などが挙げられる。
本発明においては、発熱した熱を有効に利用し高感度化するため、透明支持体と画像記録層の接着性を改善するため、及び透明支持体への記録層材料の浸透を防止するため、前記画像記録層と前記透明支持体の間にアンダー層を設けてもよい。
本発明の物品は、本発明の感熱記録媒体を有する。
より具体的には、生鮮食料品、弁当、惣菜、図書、文書などの包装資材などが挙げられる。
<感熱記録層用塗布液C1の調製>
2-アニリノ-3-メチル-6-ブチルアミノフルオラン20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液40質量部を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)で測定される50%累積体積粒径(D50)が0.50μmとなるようにサンドミルにより分散し、[A液]染料分散液A1を得た。
同様にして、4-ヒドロキシ-4’-n-プロポキシジフェニルスルホン20質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液30質量部、イオン交換水30質量部を[A液]の調製と同様にして分散し、[B液]顕色剤分散液B1を得た。
アクリレートモノマー(化合物名:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)(商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)25質量部、アクリレートオリゴマー(化合物名:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε-カプロラクタム付加物)(商品名:KAYARAD DPCA-120、日本化薬株式会社製)5質量部、炭酸カルシウム20質量部、光重合開始剤(化合物名:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュアI-184、BASF社製))5質量部、トルエン75質量部を混合し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)で測定される50%累積体積粒径(D50)が0.30μm、100%累積体積粒径(D100)3.5μm以下となるようにサンドミルにより分散し、保護層用塗布液D1を得た。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:E5100、膜厚:50μm、東洋紡株式会社製)の片面に、前記C1、前記D1の順番でそれぞれ乾燥後の付着量が3.0g/m2、1.5g/m2となるように塗布し、乾燥させた。保護層用塗布液であるD1の乾燥後、80mJ/cm2の照射強度で紫外線照射を行い、保護層を完全に硬化させた感熱記録媒体前駆体1を得た。
次に、高密度ポリエチレン袋の中に、前記感熱記録媒体前駆体1を入れ、密閉して、40℃環境下、72時間キュアを実施することにより感熱記録媒体1を作製した。
実施例1において、染料分散液A1及び顕色剤分散液B1の50%累積体積粒径(D50)を0.30μmとして、染料分散液A2及び顕色剤分散液B2を調製した以外は、実施例1と同様にして、感熱記録層用塗布液C2を調製し、感熱記録媒体2を作製した。
実施例2において、無機顔料であるシリカ1質量部を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして、感熱記録層用塗布液C3を調製し、感熱記録媒体3を作製した。
実施例3において、感熱記録層と保護層の間に、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液100質量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂20質量%水溶液30質量部を撹拌混合して得た[E液]中間層用塗布液E1を乾燥後の付着量が1.0g/m2となるように塗布し、中間層を形成した以外は実施例3と同様にして、感熱記録媒体4を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液D1の調製において、50%累積体積粒径(D50)を0.10μm、100%累積体積粒径(D100)を2.0μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D2を調製し、感熱記録媒体5を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液D1の調製において、50%累積体積粒径(D50)を1.0μm、100%累積体積粒径(D100)を4.0μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D3を調製し、感熱記録媒体6を作製した。
実施例4において、染料分散液A2及び顕色剤分散液B2の50%累積体積粒径(D50)を0.10μmとして、染料分散液A3及び顕色剤分散液B3を調製した以外は、実施例4と同様にして、感熱記録層用塗布液C4を調製し、感熱記録媒体7を作製した。
実施例4において、染料分散液A2及び顕色剤分散液B2の50%累積体積粒径(D50)を0.40μmとして、染料分散液A4及び顕色剤分散液B4を調製した以外は、実施例4と同様にして、感熱記録層用塗布液C5を調製し、感熱記録媒体8を作製した。
実施例4において、染料分散液A2及び顕色剤分散液B2の50%累積体積粒径(D50)を0.50μmとして、染料分散液A5及び顕色剤分散液B5を調製した以外は、実施例4と同様にして、感熱記録層用塗布液C6を調製し、感熱記録媒体9を作製した。
実施例4において、シリカ1質量部を添加した以外は、実施例4と同様にして、感熱記録層用塗布液C7を調製し、感熱記録媒体10を作製した。
実施例4において、中間層用塗布液E1を、スチレン-ブタジエン共重合樹脂エマルジョン25質量%水分散液40質量部と、イオン交換水10質量部の混合液E2に変更した以外は、実施例4と同様にして、感熱記録媒体11を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液の調製において、炭酸カルシウムをコロイダルシリカ(商品名:オルガノシリカゾルMEK-AC-5140Z、日産化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D4を調製し、感熱記録媒体12を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液の調製において、炭酸カルシウムを水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH-43M、昭和電工株式会社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D5を調製し、感熱記録媒体13を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液の調製において、炭酸カルシウムをポリメチルメタクリレート(PMMA)(商品名:タフチックF-167、東洋紡株式会社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D6を調製し、感熱記録媒体14を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液D1の調製において、50%累積体積粒径(D50)を0.30μm、100%累積体積粒径(D100)を5.0μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D7を調製し、感熱記録媒体15を作製した。
実施例4において、保護層用塗布液D1の調製において、炭酸カルシウムを添加しなかった点以外は、実施例4と同様にして、保護層用塗布液D8を調製し、感熱記録媒体16を作製した。
実施例4において、中間層を形成せず、保護層用塗布液D1を、多官能メタクリレート(商品名:アリニックスM-400、東亞合成株式会社製)100質量部、多官能電子線硬化型シリコーン樹脂(商品名:X-62-7205、信越化学株式会社製)20質量部の混合液[G液]に変更し、炭酸カルシウムを添加しなかった点以外は、実施例4と同様にして、感熱記録媒体17を作製した。
実施例4において、中間層を形成せず、保護層用塗布液D1を、ポリウレタンアイオノマー樹脂22質量%水溶液(商品名:ハイドランAP-40、DIC株式会社製)100質量部、平均粒径0.3μmのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール103、東芝シリコーン株式会社製)10質量部、ステアリン酸亜鉛30質量%水溶液(商品名:ハイミクロンF-930、中京油脂株式会社製)10質量部の混合液[H液]に変更した点以外は、実施例4と同様にして、感熱記録媒体18を作製した。
実施例4において、中間層用塗布液E1を下記の配合割合で作製した[I液]に、保護層用塗布液D1を下記の配合割合で作製した[J液]に変更し、中間層用塗布液の付着量を2.5g/m2に変更した以外は、実施例4と同様にして、感熱記録媒体19を作製した。
[I液]中間層用塗布液
・カオリン60質量%分散液(商品名:UW-90、EC社製):100質量部
・カルボキシ変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(商品名:ゴーセナールT-330、日本合成化学工業株式会社製):300質量部
・ステアリン酸亜鉛31.5質量%分散液(商品名:ハイドリンZ-7-30、中京油脂株式会社製):25質量部
・グリオキサール:5質量部
・イオン交換水:240質量部
[J液]保護層用塗布液
・アクリレートオリゴマー(商品名:KAYARAD R-551、日本化薬株式会社製):80質量部
・トリメチルシリルメタクリレート:3質量部
・平均粒径0.20μmの軽質炭酸カルシウム:15質量部
・ステアリン酸カルシウム:2質量部
実施例1~14、及び比較例1~5で作製した感熱記録媒体の保護層表面を、小形表面粗さ測定機(装置名:サーフテストSJ-210、株式会社ミツトヨ製)を用いて、下記条件下で測定を行い、最大高さRzを測定した。
[条件]
規格:JIS B0601:2001(ISO1365-1)
速度:0.5mm/s
前記透明性としては、ヘイズ度、及びb*値を測定することにより評価した。
<ヘイズ度>
ヘイズメーター(装置名:HZ-V3、スガ試験株式会社製)を用いてヘイズ度を測定し、下記評価基準に基いて評価した。なお、「ヘイズ度」が「B」以上であれば、使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:25%以下
B:25%超35%以下
C:35%超
分光白色度・色差計(装置名:PF-10R、日本電色工業株式会社製)を用いて、b*値が0.2である白色無地のPPC用紙10枚を重ねた上に作製した感熱記録媒体を載せてb*値を測定し、下記評価基準に基づいて評価した。なお、「b*値」が「B」以上であれば、使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:3.0以下
B:3.0超3.5以下
C:3.5超
前記ヘッドマッチング性としては、精細性、及び耐スティッキング性を測定することにより評価した。
感熱プリンター(装置名:DMX-I-4308、DATA MAX社製)を用いて、印字速度:4inch/s、印字濃度:10で印字を行い、印字画像を下記評価基準に基づき目視により判定し評価を行った。
[評価基準]
A:印字抜けなし
B:わずかに印字抜けあり
C:印字抜け多数あり
作製した実施例1~14、及び比較例1~5の感熱記録媒体及び感熱プリンター(装置名:L‘esprit R8-2、サトーホールディングス株式会社製)を、5℃、30%RHの低温低湿環境下に3時間放置した後に印字し、スティッキング(印字とび及び印字長短縮)の発生の有無を目視にて判定し、下記評価基準に基いて評価した。
[評価基準]
A:スティッキングの発生なし
B:弱いスティッキングの発生有り
C:強いスティッキングの発生有り
作製した実施例1~14、及び比較例1~5の感熱記録媒体の保護層上にRIテスターを用いて、インクゲージ:6、印刷速度1,000rpmで、インク付着量:6g/m2となるようにUV有色インク(商品名:BEST CURE UV TML-2 紅/藍、株式会社T&K TOKA製)を塗布し、紫外線照射を行い、硬化させ印字を行った。印字後のサンプルに、幅18mmのセロハンテープ(商品名:CT18、ニチバン株式会社製)を印刷の流れ方向に沿って、気泡が入らないように貼り付け、(i)180°の角度でゆっくり引き剥がす、(ii)90°の角度でゆっくり引き剥がす、及び(iii)90°の角度で素早く引き剥がす3段階の方法を連続して行い、印字後の画像の剥がれ状態を目視で判定し、下記評価基準に基づき「印刷特性」を評価した。
[評価基準]
A:(i)~(iii)の全ての段階において剥がれなし
B:(i)~(ii)の段階では剥がれなし、(iii)の段階において剥がれ有り
C:(i)又は(ii)の段階で剥がれあり
<1> 透明支持体と、前記透明支持体の上に設けられた感熱記録層と、
前記感熱記録層の上に設けられた保護層と、を有し、
前記保護層が、紫外線硬化型樹脂と、シリコーン樹脂顔料以外の顔料と、を含有し、
前記保護層の表面の最大高さRzが、0.2μm以上1.0μm以下であることを特徴とする感熱記録媒体である。
<2> 前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料の50%累積体積粒径(D50)が、0.1μm以上2.0μm以下であり、かつ100%累積体積粒径(D100)が5.0μm以下である前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<3> 前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料の50%累積体積粒径(D50)が、0.1μm以上1.0μm以下である前記<2>に記載の感熱記録媒体である。
<4> 前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料の100%累積体積粒径(D100)が、4.0μm以下である前記<2>から<3>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<5> 前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料の含有量が、紫外線硬化型樹脂に対し10質量%以上90質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<6> 前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料の含有量が、紫外線硬化型樹脂に対し30質量%以上90質量%以下である前記<5>に記載の感熱記録媒体である。
<7> 前記保護層を形成する保護層形成用塗布液の乾燥後の付着量が、0.6g/m2以上5.0g/m2以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<8> 前記保護層を形成する保護層形成用塗布液の乾燥後の付着量が、1.0g/m2以上3.0g/m2以下である前記<7>に記載の感熱記録媒体である。
<9> 前記保護層を形成する保護層形成用塗布液の乾燥後の付着量が、1.5g/m2以下である前記<7>から<8>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<10> 前記感熱記録層が、顕色剤及びロイコ染料をさらに含有し、
前記顕色剤及びロイコ染料の50%累積体積粒径(D50)が、0.1μm以上0.5μm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<11> 前記感熱記録層中の前記顕色剤及び前記ロイコ染料の50%累積体積粒径(D50)が、0.1μm以上0.4μm以下である前記<10>に記載の感熱記録媒体である。
<12> 前記感熱記録層が、無機顔料を含有しない前記<1>から<11>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<13> 前記感熱記録層を形成する感熱記録層用塗布液の乾燥後の付着量が、3.0g/m2である前記<1>から<12>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<14> 前記感熱記録層と前記保護層との間に中間層をさらに有し、
前記中間層が、水溶性樹脂を含有する前記<1>から<13>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<15> 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂である前記<14>に記載の感熱記録媒体。
<16> 前記保護層が、無機顔料を含有する前記<1>から<15>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<17> 前記無機顔料が、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ、及び水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である前記<16>に記載の感熱記録媒体である。
<18> 前記感熱記録層を形成する感熱記録層形成用塗布液の乾燥後の付着量が、3.0g/m2以下である前記<1>から<17>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<19> 前記透明支持体が、感熱記録層を有する面とは反対側の面上に粘着層をさらに有する前記<1>から<18>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<20> 前記<1>から<19>のいずれかに記載の感熱記録媒体を有することを特徴とする物品である。
11 保護層
12 感熱記録層
13 透明支持体
14 中間層
15 アンダー層
16 粘着層
Claims (10)
- 透明支持体と、
前記透明支持体の上に設けられた感熱記録層と、
前記感熱記録層の上に設けられた保護層と、を有し、
前記保護層が、紫外線硬化型樹脂と、シリコーン樹脂顔料以外の顔料と、を含有し、
前記保護層の表面の最大高さRzが、0.2μm以上1.0μm以下であり、
ASTM D1003又はISO 14782に準拠した測定によるヘイズ度が35%以下であることを特徴とするラベル用透明感熱記録媒体。 - 前記シリコーン樹脂顔料以外の顔料の50%累積体積粒径(D50)が、0.1μm以上2.0μm以下であり、かつ100%累積体積粒径(D100)が、4.0μm以下である請求項1に記載のラベル用透明感熱記録媒体。
- 前記感熱記録層が、顕色剤及びロイコ染料を含有し、
前記顕色剤及び前記ロイコ染料の50%累積体積粒径(D50)が、0.1μm以上0.4μm以下である請求項1から2のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体。 - 前記感熱記録層が、無機顔料を含有しない請求項1から3のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体。
- 前記感熱記録層と前記保護層との間に中間層をさらに有し、
前記中間層が、水溶性樹脂を含有する請求項1から4のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体。 - 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂である請求項5に記載のラベル用透明感熱記録媒体。
- 前記保護層が、無機顔料を含有する請求項1から6のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体。
- 前記透明支持体が、感熱記録層を有する面とは反対側の面上に粘着層をさらに有する請求項1から7のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体。
- 前記ヘイズ度が25%以下である請求項1から8のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体。
- 請求項1から9のいずれかに記載のラベル用透明感熱記録媒体を有することを特徴とする物品。
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