JP5682823B2 - 感熱転写記録媒体及び印画物 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される感熱転写記録媒体に関するもので、さらに詳しくは、詳しくは高速プリント時に感熱転写記録媒体の伸びが小さいことで画像欠陥が少ない感熱転写記録媒体に関するものである。
一般に、感熱転写記録媒体は、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に染料層、その基材の他方の面に耐熱滑性層を設けたものである。ここで、染料層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華転写方式あるいは溶融転写方式により、被転写体側に転写するものである。
現在、感熱転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、低コスト化及び高速化が求められており、近年、従来よりも高速でプリント出来る各種プリンタが開発されて市場への普及が進んでいる。高速プリントは、ユーザーが店頭でプリントをする場合の待ち時間を短縮するために求められている性能である。
サーマルヘッドと感熱転写記録媒体の焼付き防止およびサーマルヘッドとインクシート間の滑り性を付与する等の目的でサーマルヘッドに接する側の感熱転写記録媒体には、耐熱滑性層が設けられている。焼付きは、印画時に感熱転写記録媒体の破断を生じ、一方、滑り性が不足している場合には印画時に感熱転写記録媒体の伸びまたは印画ジワ等の変形により画像欠陥を生じることがある。高速プリントにより、プリンタのサーマルヘッドは、より高温、高速で耐熱滑性層と接することになるため、耐熱滑性層のより一層の性能向上が求められている。例えば特許文献1には滑り性を向上させるために耐熱滑性層にリン酸エステル系界面活性剤を添加することが開示されている。
また、発明者は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、前記基材の他方の面に下引き層、染料層をこの順に設けた感熱転写記録媒体において、前記下引き層が、少なくとも水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体とを含むことにより、高速印画時における転写感度が高く、すなわち、染料層に使用する染料を低減でき、また、高温・高湿下に保存後においても、印画における異常転写を防止でき、しかも、高濃度部で発生する画質不良、すなわち、被転写体の受像層が感熱転写記録媒体に融着することで色相変動が起こり、その結果、印画物表面が部分的にマット化する、いわゆる「テカリ」の現象を少なくすることができる技術を発見した。
しかし、高速印画時における転写感度が高くなり、染料層に使用する染料が低減できるという事は、染料層の薄膜化、即ち感熱転写記録媒体の耐熱性が低下する事に繋がる。従って、水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体とを含む下引き層を基材と染料層の間に設ける場合、耐熱滑性層には、更なる性能向上が求められる事になる。
更に、感熱転写記録媒体のインクを転写される被転写体が有する受像層には、水系塗布液により形成した受像層と溶剤系塗布液により形成した受像層の2種が存在するが、水系塗布液に形成した受像層を有する被転写体は、人体や環境に対する影響も無く、また溶剤系塗布液により形成した受像層を有する被転写体と比較して、形成された画像に高い光沢感を付与する事が出来る。しかし、感熱転写記録媒体に用いられている染料は、油溶性の傾向が強く、水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に対してプリントする際には、溶剤系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に対してプリントする場合よりも、染料が被転写体に染着し難いため、十分な濃度を得るには、より大きなエネルギーを与える必要がある。そのため、水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に対してプリントする際には、特に強い耐熱性が、感熱転写記録媒体に求められる。
特開平8−90942号公報
ところで、ユーザーが店頭でプリントするセルフサービスの場合には、プリンタが10分以上待機した後に再度プリントされることが頻繁にあるため、待機後に再度プリントを開始した場合であっても、伸びまたは印画ジワ等の変形により画像欠陥をより効果的に抑制できるような改良が求められている。
しかしながら、前記特許文献1に記載のリン酸エステル系界面活性剤を用いた技術では、プリント終了後にプリンタが10分以上待機した後再度プリント開始した場合に感熱転写記録媒体の伸びが大きくなることが確認され、印画ジワ等の変形により画像欠陥が発生する虞を有する。また、熱伝導のムラに伴い、画像均一性に問題を有する。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、より大きな熱を与える必要がある水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に対してプリントする場合においても、セルフサービスの高速プリントにおいて、その伸びが小さく、破断が無く、画像欠陥が少ない感熱転写記録媒体及び印画物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、前記基材の他方の面に下引き層、染料層をこの順に設けた感熱転写記録媒体において、前記下引き層が、少なくとも水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体とを含み、且つ、前記耐熱滑性層は、少なくとも、無機材料からなるモース硬度3以下のフィラーと異なる融点の滑剤を2種以上含み、該耐熱滑性層に対して前記滑剤の総量が、5〜25質量%であることを特徴とする構成である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の感熱転写記録媒体における前記耐熱滑性層中の前記滑剤のうち、少なくとも一方の滑剤の融点が、50℃〜140℃であることを特徴とする構成である。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の感熱転写記録媒体において、前記耐熱滑性層中の前記滑剤のうち、少なくとも一方の融点が、20℃未満であることを特徴とする構成である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の感熱転写記録媒体において、前記耐熱滑性層中に含まれる前記滑剤のうちいずれか2種間の融点差が、40℃以上であることを特徴とする構成である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の感熱転写記録媒体において、前記下引き層に含まれる前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする構成である。
本発明によれば、高速プリントにおいても伸びが小さく、破断が無く、しかも、画像欠陥が少ない画像を与えることが可能となる耐熱滑性層を有する感熱転写記録媒体及び印画物を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る感熱転写記録媒体を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る感熱転写記録媒体及び印画物について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る感熱転写記録媒体5を示すもので、基材1の一方の面には下引き層2が設けられる。この下引き層2上には、イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M、シアン染料層3Cに塗り分けられた染料層3が設けられる。そして、基材1の他方の面には、耐熱滑性層4が設けられている。
前記基材1としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で又は組み合わされた複合体として使用可能であるが、中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜9μm程度のものが好ましい。
前記耐熱滑性層4は、モース硬度3以下のフィラーと少なくとも2種の異なる融点の滑剤を耐熱滑性層に対して質量として、5〜25%を含有している。滑剤量が5%を下回ると、印画ジワが著しく悪化する。逆に滑剤量が25%を上回ると塗液の安定性がなくなるという問題がある。
この耐熱滑性層4に用いる事のできるバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。
また、硬化剤としては、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のイソシアネート類、およびその誘導体を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
また、耐熱滑性層4には、モース硬度3以下のフィラーを含む。フィラーとしては、炭酸カルシウム(モース硬度3)、雲母(モース硬度2.8)、石膏(モース硬度2)、タルク(モース硬度1)等が挙げられるが、もっとも好ましいフィラーはタルクである。モース硬度が3を上回る場合、サーマルヘッドを傷つけやすくなる為、望ましくない。また、モース硬度3以下のフィラーは、耐熱滑性層4の耐熱性を向上させるため、無機材料である必要がある。
前記耐熱滑性層4中の、モース硬度3以下のフィラーの含有量は、2〜30質量%が好ましく、より好ましくは3〜20質量%である。含有量が2質量%未満では、サーマルヘッドのクリーニング効果が不十分であり、30質量%より多い場合には、耐熱滑性層としての塗膜強度の低下を注意する必要があるためである。
耐熱滑性層4中の、モース硬度3以下のフィラーの平均粒子径は、4.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.3〜3.0μmである。平均粒子径が4.0μmを超えると、画像欠陥が悪化する傾向にある。また、サーマルヘッドの耐久性に影響を及ぼす可能性も否定できず、あまり細かすぎても粒子が再凝集しやすくなり、粒子自体の均一性が低下する可能性があるためである。
耐熱滑性層4中に含まれるモース硬度3以下のフィラーは、シランカップリング剤により表面処理されていることが好ましい。表面をシランカップリング剤で処理することで、フィラーの分散安定性を向上させることができるとともに、バインダー樹脂との相溶性を向上させることができ、さらにフィラーがシランカップリング剤に被覆された状態で耐熱滑性層表面に凹凸を形成することでサーマルヘッドの耐久性をより向上させることができるためである。
前記シランカップリング剤は、一般式XSiY3で表されるものであり、Xは有機質材料と反応する有機官能基であり、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基等があげられる。一方、Yは無機質材料と反応する加水分解基であり、クロル基、メトキシ基、エトキシ基、アルコキシ基、アセトキシ基等があげられるが、特に限定されるものではない。
前記耐熱滑性層4の厚みは、特に限定されないものの、0.3〜2.5μmが好ましく、さらに0.5〜1.5μmがより好ましい。耐熱滑性層の厚みが0.3μmより小さい場合、サーマルヘッドからの耐熱性が劣り、印画時に貼り付き、破断等の危険性が大きくなる。一方、2.5μmより大きい場合、サーマルヘッドからの熱が熱転写層に十分伝わらず、所望の濃度の印画物を得ることができない危険性が大きくなるためである。
前記耐熱滑性層4は、滑り性を向上させる目的で少なくとも2種類の滑剤を含有している必要がある。滑剤の種類として一例を挙げると、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤などをあげることができる。
前記耐熱滑性層4に含まれる少なくとも2種類の滑剤は、融点が異なる必要がある。滑剤の効果として、サーマルヘッドにより与えられた熱により、滑剤が溶融し、滑り性を向上させ、サーマルヘッドの接触により感熱転写記録媒体へと与える負荷を軽減する効果がある。その際、低温から高温に至るあらゆる温度において安定した滑り性が無い場合、印画ジワの発生を防止する事が出来なくなる。低温において滑り性を与える滑剤として、融点が20℃未満である事が望ましく、特に15℃未満である事が望ましい。また、高温において滑り性を与える滑剤として、融点が50℃〜140℃の範囲であることが望ましく、更に望ましくは60℃〜130℃の範囲である事が望ましい。更に、2種の滑剤の融点差が40℃以上であることが望ましく、更に望ましくは50℃以上であることが望ましい。滑剤の融点がこれらの範囲にあることにより、印画ジワの発生を低減し、画像欠陥の少ない印画物を得る事が可能となる。
前記下引き層2は、少なくとも水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体とを含み、水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体を配合して下引き層形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。
下引き層2において、水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体は必須成分であり、特に、水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体が、下引き層2の主成分であることが好ましい。
ここで、主成分とは、本発明の効果を損なわない限り、水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体の他に、さらに他の成分が添加されていても良い旨を表し、水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体の合計が、下引き層形成時の全体からみて50質量%超で含まれる意味であるが、好ましくは80質量%以上である。
水溶性高分子の一例を挙げると、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。その中でも、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましく、より好ましくはポリビニルアルコールである。なお、ここでいうポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存しているいわゆる部分けん化ポリビニルアルコールから、酢酸基が数%しか残存していないいわゆる完全けん化ポリビニルアルコールまでを含み、特に限定されるものではない。
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体は、N−ビニルピロリドン系モノマーとビニル重合性モノマーであるビニルカプロラクタムとの共重合体である。なお、共重合形態は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合いずれに限定されるものではない。ここで、N−ビニルピロリドン系モノマーとは、N−ビニルピロリドン(N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−ピロリドン等)およびその誘導体をいうものであって、誘導体としては、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−3−ベンジルピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチルピロリドン等のピロリドン環に置換基を有するものを挙げることができるが、特に限定されるものではない。
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体は、水溶性高分子成分とビニルピロリドン成分の耐熱性、耐湿性が劣る点をビニルカプロラクタム成分が補ったものと考えられ、高温・高湿下に保存後の基材と染料層との接着性が高く、印画における異常転写を防止し、かつ、高速印画時における高濃度部のテカリを少なくする機能を発揮できる。ここで、ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体は、ビニルピロリドンとビニルカプロラクタムの重合割合が、モル比で、(ビニルピロリドン)/(ビニルカプロラクタム)=8/2〜2/8が好ましく、この範囲である場合、前記の機能を十分発揮できる。
水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体との配合比率は、質量基準で、(水溶性高分子)/(ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体)=8/2〜2/8であることが好ましい。さらに、高速印画時における転写感度、基材あるいは染料層との密着性を考慮すると、好ましくは7/3〜3/7である。この範囲を満たすことで、高速印画時における転写感度がより高く、よりテカリの少ない高濃度の印画物が得られ、かつ、高温・高湿下に保存後においても印画における異常転写がなく、より十分に満足できる印画物を得ることができる。
また、前記下引き層2には、前記性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
下引き層2の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、0.10g/m以上0.30g/m以下の範囲内であることが好ましい。0.10g/m未満では、染料層積層時の劣化により、高速印画時における転写感度が不足し、基材あるいは染料層との密着性に問題を抱える不安がある。一方、0.30g/m超では、感熱転写記録媒体自体の感度低下に影響し、高速印画時における転写感度が不足する不安がある。
前記染料層3は、従来公知のもので対応でき、例えば、熱移行性染料、バインダー、溶剤などを配合して染料層形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。染料層3の乾燥後の塗布量は、1.0g/m程度が適当である。なお、染料層3は、1色の単一層で構成したり、色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成したりすることもできる。
染料層3の熱移行性染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であれば、特に限定されるわけではなく、例えば、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56,16,30,93,33、ディスパースイエロー201,231,33等を挙げることができる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等を挙げることができる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等を挙げることができる。墨の染料としては、前記の各染料を組み合わせて調色するのが一般的である。
この染料層3に含まれるバインダーは、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
ここで、染料層3の染料とバインダーとの配合比率は、質量基準で、(染料)/(バインダー)=10/100〜300/100が好ましい。これは、(染料)/(バインダー)の比率が、10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られず、また、この比率が300/100を越えると、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するために、感熱転写記録媒体となった際に、保存安定性が悪くなって、染料が析出し易くなってしまうためである。また、染料層3には、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
なお、前記耐熱滑性層4、下引き層2、染料層3は、いずれも従来公知の塗布方法にて塗布し、乾燥することで形成可能である。塗布方法の一例を挙げると、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
以下、本発明による具体的な実施例1〜8及び比較例1〜6を作製して比較検討する。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、塗布液の材料名の後に融点が記載されている物が滑剤である。
(実施例1)
基材1として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が1.0g/mになるように塗布、乾燥した後に、40℃環境下で1週間エージングし、下記組成の下引き層塗布液−1を易接着処理面にグラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.20g/mになるように塗布し、乾燥することで、下引き層2を形成した。引き続き、その下引き層2の上に、下記組成の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70g/mになるように塗布し、乾燥することで、染料層3を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−1>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 1部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
<下引き層塗布液−1>
ポリビニルピロリドン 1.0部
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体 4.0部
〔共重合比(モル比):3/7〕
純水 76.0部
イソプロピルアルコール 19.0部
<染料層塗布液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール樹脂 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−2>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 3部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 2部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 47.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−3にした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−3>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 0.5部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 0.5部
タルク 6.0部
6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 51.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−4にした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−4>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
ステアリン酸亜鉛(融点120℃) 1部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−5にした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−5>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
ヒドロキシステアリン酸亜鉛(融点150℃) 1部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例6)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−6にした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−6>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
サイクリックネオペンタンテトライルビスホスファイト(融点45℃) 1部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例7)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−7にした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−7>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
サイクリックネオペンタンテトライルビスホスファイト(融点50℃) 1部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例8)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の下引き層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例8の感熱記録転写媒体を得た。
<下引き層塗布液−2>
ポリビニルアルコール 1.0部
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体 4.0部
〔共重合比(モル比):3/7〕
純水 76.0部
イソプロピルアルコール 19.0部
(比較例1)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−8にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−8>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 0.4部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 0.3部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 51.8部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−9にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−9>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 3部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 3部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 46.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−10にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−10>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 3部
タルク(モース硬度1) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−11にした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−11>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 1部
ポリスチレン系粒子(モース硬度2.7) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、耐熱滑性層塗布液を下記組成の耐熱滑性層塗布液−12にした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱記録転写媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液−12>
アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(融点15℃) 2部
ステアリルアシッドフォスフェート(融点70℃) 1部
ベーマイト(モース硬度3.7) 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 49.5部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(比較例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱記録転写媒体を得た。
<水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体の作製>
基材1として、188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/mになるように塗布、乾燥することで、感熱転写用の水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体を作製した。
<受像層塗布液−1>
ポリエステル樹脂エマルジョン 65部
シリカ 25部
純水 10部
<溶剤系塗布液により形成した受像層を有する被転写体の作製>
基材1として、188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液−2を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/mになるように塗布、乾燥することで、感熱転写用の溶剤系塗布液により形成した受像層を有する被転写体を作製した。
<受像層塗布液−2>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
実施例1〜8及び比較例1〜6に関して、得られた熱転写記録媒体の染料層面と2種類の被転写体とそれぞれ重ね、サーマルヘッドを用いて染料を転写させ、画像形成を行って印画物を作製した。
画像形成を行った印画物に関して、反射濃度の測定、目視による印画ジワ及び画像欠陥の評価を行った。また、耐熱滑性層2の塗布液に関して、安定性の確認を行った。印画物の評価の条件に関して下記に示す。
[印画ジワの状態]
○:印画ジワ無し
△:僅かに印画ジワあり
×:印画ジワ多数あり
[印画物の画像欠陥]
○:画像欠陥小
△:画像欠陥あり(やや目立つ)
×:画像欠陥あり(目立つ)
[耐熱滑性層塗布液の安定性]
○:1週間25℃保存後問題なし
×:1週間25℃保存後固化
*全項目△以上で実用上問題なし
前記実施例1〜8の感熱転写記録媒体は、表1に示す結果を得た。即ち、実施例1〜4の感熱転写記録媒体の場合は、印画ジワ、画像欠陥共に少なく、実用上ほとんど問題ないことがわかる。そして、耐熱滑性層塗布液も、1週間の保管後、全く問題が無い事が確認された。
また、実施例5〜7の感熱転写記録媒体は、耐熱滑性層塗布液の安定性もあり、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して印画ジワ及び画像欠陥が悪化しているが、実用上問題ないレベルである。
そして、実施例8の感熱転写記録媒体は、耐熱滑性層塗布液の安定性もあり、印画ジワ、画像欠陥共に少なく、実用上ほとんど問題ないことがわかる。また、下引き層2にポリビニルアルコールを用いた事により、反射濃度が向上している事がわかる。
これに対して、比較例1の感熱転写記録媒体は、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、表1に示すとおり印画ジワ及び画像欠陥の状況が悪化している事がわかる。
また、比較例2の感熱転写記録媒体は、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、印画ジワ及び画像欠陥は良好であるが、塗液の安定性が無い事がわかる。
即ち、滑剤の総量が5〜25質量%の範囲から外れる事により、印画ジワ、画像欠陥、塗液安定性のいずれかに欠陥を抱える事になる。
また、比較例3の感熱転写記録媒体は、印画ジワが大幅に悪化している事がわかる。即ち、滑剤が1種になる事により、低温から高温までのあらゆる温度域において均一な滑り性を与える事が出来なくなり、印画ジワが悪化したと考えられる。
そして、比較例4の感熱転写記録媒体は、印画ジワが大幅に悪化している事がわかる。モース硬度3以下のフィラーを有機フィラーにすることにより、耐熱滑性層4の耐熱性が悪化し、印画ジワが悪化したと考えられる。
また、比較例5の感熱転写記録媒体は、画像欠陥が大幅に悪化している事がわかる。無機材料からなるフィラーのモース硬度を3よりも高くする事により、感熱転写記録媒体の柔軟性が悪化し、画像欠陥が悪化したと考えられる。
そして、比較例6の感熱転写記録媒体は、下引き層2が存在しない事により、反射濃度が大幅に落ちている事がわかる。
また、水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体と溶剤系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に情報を印画した印画物とを比較すると、水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体の方が、印画ジワに関して悪化傾向にある。即ち、特に水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に関しては、通常用いられる感熱転写記録媒体では、印画ジワ等の問題が発生しやすいが、本発明の感熱転写記録媒体を用いる事によって、実用上問題ないレベルまで引き上げる事ができる事がわかる。
Figure 0005682823
本発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより、種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によれば、感熱転写記録媒体の伸びが小さく、より大きな熱を与える必要がある水系塗布液により形成した受像層を有する被転写体に対してプリントする場合、セルフサービスの高速プリントにおいても、破断が無く、画像欠陥の少ない印画物を得ることが可能となる。
1…基材
2…下引き層
3…染料層
3Y…イエロー染料層
3M…マゼンタ染料層
3C…シアン染料層
4…耐熱滑性層
5…感熱転写記録媒体

Claims (5)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、前記基材の他方の面に下引き層、染料層をこの順に設けた感熱転写記録媒体において、
    前記下引き層は、少なくとも水溶性高分子とビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体とを含み、且つ、前記耐熱滑性層は、少なくとも無機材料からなるモース硬度3以下のフィラーと異なる融点の滑剤を2種以上含み、該耐熱滑性層に対して前記滑剤の総量が5〜25質量%であることを特徴とする感熱転写記録媒体。
  2. 前記耐熱滑性層中の前記滑剤のうち、少なくとも一方の滑剤の融点が、50℃〜140℃であることを特徴とする請求項1記載の感熱転写記録媒体。
  3. 前記耐熱滑性層中の前記滑剤のうち、少なくとも一方の融点が、20℃未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の感熱転写記録媒体。
  4. 前記耐熱滑性層中に含まれる前記滑剤のうちいずれか2種間の融点差が、40℃以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の感熱転写記録媒体。
  5. 前記下引き層に含まれる前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の感熱転写記録媒体。
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