JP5668302B2 - 昇華型熱転写媒体 - Google Patents

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Description

本発明は例えばサーマルヘッドなどにより画面情報に応じた加熱印字を行うための昇華型熱転写媒体に関する。詳しくは、昇華型熱転写媒体の構成の一部を形成するための耐熱滑性層の構成に関する。
従来から文字または画像等を被転写体に形成する印刷方式として、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式等が採用されている。その内、昇華型熱転写方式の場合には、基材上に染料やバインダー等を含む染料層等を設けた昇華型熱転写媒体の染料層表面と、他の基材上に染料を受容する受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、昇華型熱転写媒体の染料層を設けていない面から文字または画像等の情報により温度制御されたサーマルヘッドにより加熱することで、染料層中の染料を昇華させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像等を形成する。
昇華型熱転写方式は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用されている。
昇華型熱転写媒体における耐熱滑性層は、基材上の染料層を設けていない側に設けられる。耐熱滑性層の主な役割としては、熱転写プリンタのサーマルヘッドから与えられた熱による基材のダメージを軽減することである。そのため耐熱性が求められる。その他求められる特性としては、熱転写プリンタのサーマルヘッドと直接接する層であるため、滑り性、自己クリーニング性などが求められており、各種の耐熱滑性層が提案されている(特許文献1、2、3)。
ただし、印画時に適度に滑らせることにより、印画面にシワが入らないようにするには、滑剤と呼ばれる材料を配合する必要がある一方、ヘッドへのゴミの付着を除去するために、研磨剤を加えなければならない。これらはトレードオフの関係となるため、これらを同時に満たす耐熱滑性層を作成することは難しい。
ところで、昇華型熱転写方式における印字動作においては、昇華型熱転写媒体の染料層と受容層が接触する際に、昇華型熱転写媒体にたわみが入った状態で受容層に接触してしまうと、被熱転写体への染料の転移が均一とはならず、いわゆるスジ状の印画濃度ムラと呼ばれる現象が発生する。
なお、近年における熱転写プリンタの高速化、低コスト化により、プリンタの型式によっては昇華型熱転写媒体を搬送するギアの位置が昇華型熱転写媒体の巻きだしのコアと巻取りのコアに対し各々1つずつ対角に配置されている。そのため、巻きだしと巻取りに対して対角にテンションが加わることにより昇華型熱転写媒体の受容層に接する部分に対してたわみが入ることとなる。その結果スジ状の印画濃度ムラが生じてしまう。
また、熱転写プリンタのサーマルヘッドと昇華型熱転写媒体間での静電気によるヘッドの破損を防ぐ、また静電気による昇華型熱転写媒体へのゴミの付着を防ぐために、帯電防止層と呼ばれる、除電のための層を基材と耐熱滑性層の間に設けることが知られている(特許文献4)が、この層を設けることによりコストアップしてしまうこと、また帯電防止層上に耐熱滑性層を塗工した際に耐熱滑性層の塗工面が荒れてしまう結果、印画出力される画像に耐熱滑性層の塗工ムラ起因による印画濃度ムラが発生してしまうといった悪影響を及ぼす問題があった。
特許第3410157号公報 特許第3243304号公報 特許第3517312号公報 特開平7−149062号公報
本発明においては、熱転写プリンタ中の昇華型熱転写媒体が搬送される時において、たわみが入りにくく、スジ状の印画濃度ムラがなく、かつサーマルヘッドへの汚染、摩耗の少ない耐熱滑性層を備えた昇華型熱転写媒体を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材の一方の面に、耐熱滑性層を備え、基材の他方の面に、少なくとも、昇華性染料および樹脂を含む染料層、および、熱転写プリンタに認識をさせるためのセンサーマークを備えた昇華型熱転写媒体において、
23℃30%RHの環境下で、該耐熱滑性層の面より20mmの距離から±10kVの電界を印加した際の飽和帯電圧が1kV以上であり、
前記耐熱滑性層は、炭素数が6から20の飽和アルコールとリン酸とのモノエステルまたはジエステルである融点30℃以上のリン酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル;酸化マグネシウムおよび粒子を含有し、かつ
前記炭素数が6から20の飽和アルコールとリン酸とのモノエステルまたはジエステルである融点30℃以上のリン酸エステル、酸化マグネシウムおよび粒子の合計重量が、前記耐熱滑性層の総重量の10%未満であることを特徴とする昇華型熱転写媒体である。
本発明によれば、搬送時において昇華型熱転写媒体にたわみの入りにくい、従って、スジ状の印画濃度ムラがなく、さらにサーマルヘッドへの摩耗、汚染の少ない昇華型熱転写媒体を提供することができる。
本発明の昇華型熱転写媒体の実施の形態を示す断面図である。
昇華型熱転写媒体の断面図を図1に示した。昇華型熱転写媒体には構成材料が複数あるので、ここでは昇華型熱転写媒体において一般的な構成として存在する耐熱滑性層、基材、染料層、易接着層、離型層、剥離層、接着層、センサーマークそれぞれについて以下順に詳述することとする。
耐熱滑性層
耐熱滑性層2は、昇華型熱転写媒体における基材の染料層が設けられる面とは反対の面に形成される。耐熱滑性層を設ける目的としては、サーマルヘッドと昇華型熱転写媒体との間の熱による固着を防ぐ目的で設けられる。この層は、主にはバインダー、滑剤、及び研磨剤からなる。
バインダーとしては、例えば水酸基を含む熱可塑性樹脂とイソシアネート類とを用いてなる反応生成物が用いられ得る。なお、前記水酸基を含む熱可塑性樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ウレタンポリオールなどが挙げられるが、好ましくはアクリルポリオールを用いる。なお、ここで用いられるアクリルポリオールとしては、できるだけ高分子量であることが望ましい。一方、上記熱可塑性樹脂を硬化させるために、硬化剤を添加するが、その硬化剤としては、多価イソシアネートが用いられる。
耐熱滑性層における滑剤としてはリン酸エステルが主として用いられる。リン酸エステルの構造としては、リン酸一分子当たり3箇所のリン酸基に対して、エステル化が1箇所又は2箇所なされている構造を有している。
なお、上記の化合物においては、飽和アルコール(ステアリルアルコール、ラウリルアルコール等)または不飽和アルコール(オレイルアルコール等)のアルキレンオキサイド付加物とリン酸とのモノエステルまたはジエステルがより好ましく、該アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイドが好ましく、付加数は1から20が好ましく、1から8がより好適である。
また、液体であるリン酸エステルと固体であるリン酸エステルを混合して複数種用いることにより、リン酸エステルを耐熱滑性層全体に含ませることと、耐熱滑性層に含ませる粒子に析出させることが可能となる。
具体的に説明すると、液体であるリン酸エステルを用いることにより、リン酸エステルを耐熱滑性層全体に含ませる場合には、塗工時のインキ温度において、耐熱滑性層全体に前記物質を含ませることが可能となる。液体であるリン酸エステルとして、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、特に、モノ(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)リン酸エステル、ジ(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)リン酸エステル等を用いることが好適である。
さらに30℃において固体であり、インキ調合における加熱時には溶解するリン酸エステルを用いることにより、耐熱滑性層に含ませる粒子にリン酸エステルを析出させることができる。なお、この場合にはインキ調合後の冷却時に、粒子を核としてリン酸エステルが析出することとなる。
このように粒子に対し析出させることのできるリン酸エステルとしては、炭素数が好ましくは6から20の飽和アルコール(ステアリルアルコール、ラウリルアルコール等)とリン酸とのモノエステルまたはジエステルを用いることが好適である。
耐熱滑性層における研磨剤としては例えば、酸化マグネシウムが用いられる。酸化マグネシウムの働きとしては、熱転写プリンタのサーマルヘッドと接する耐熱滑性層、もしくは他の層から発生する印画カスを除去する役割を有する。酸化マグネシウムは公知の方法により製造されたものを用いることができ、マグネシウムの炭酸塩、硝酸塩および水酸化物等を焼成して加熱分解する方法、マグネシウムを気相酸化する方法等がある。焼成においては、加熱分解と同時に焼結または結晶生長を生じるため、焼成時の各種条件により様々な形状の酸化マグネシウムを形成することができる。一般に低温で焼成したものを軽焼(または仮焼)マグネシア、高温で焼成したものを硬焼(または重焼、死焼)マグネシアと称する。また酸化マグネシウムを電弧炉等の溶解炉にて溶融後固化させてインゴットとしたものを電融マグネシアと称する。得られた酸化マグネシウムを粉砕および/あるいは分吸して所望の大きさの酸化マグネシウム粒子を得ることができる。なお、酸化マグネシウムの純度としては98質量%以上が好ましく、不純物として、カルシウム、シリコン、鉄、アルミニウム、クロム、コバルト、ニッケル及び銅の総量が2質量%以下であることが好ましい。
耐熱滑性層における粒子としては、上記の酸化マグネシウムの他、シリカなどの酸化物、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機微粒子が挙げられる。また、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機樹脂微粒子、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる。
なお、これら粒子の大きさは耐熱滑性層用インキ中においては、数μmの範囲にあることが望ましい。粒子が前記大きさで耐熱滑性層用インキ中に存在する時には、作成される耐熱滑性層において、これら粒子の表面にリン酸エステルが析出するため、結果としてリン酸エステルにより囲まれた粒子の大きさは1〜20μmの範囲となる。
その場合にはこれら粒子の一部が耐熱滑性層の表面から突出した凸部として存在するために、耐熱滑性層と熱転写プリンタのサーマルヘッドとの接触面積が減少するために滑り性が向上する。一方、粒子の大きさが1μm以下の場合には粒子全体が耐熱滑性層中に存在するために、滑り性が向上しない。また、20μm以上の場合には、熱転写プリンタのサーマルヘッドとの接触が不均一となってしまうため、印画時における濃淡ムラなどの悪影響を及ぼすため好適ではない。
なお、粒子上にリン酸エステルが析出していることについては、熱転写プリンタを用いて、印画した後の昇華型熱転写媒体のハイライト部分にあたる耐熱滑性層の観察によりリン酸が溶解している様子から確認することができる。
なお本発明の効果の点から、耐熱滑性層中のリン酸エステル、酸化マグネシウムおよび粒子の合計重量は、該耐熱滑性層の総重量の10%未満であることが好ましい。
基材
基材1はポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのプラスチックフィルムが機械強度も高く、表面が平滑であることから好ましい。特にポリエステルフィルムに分類されるPET(ポリエチレンテルフタレート)フィルムは比較的安価である上、強度が高く薄いフィルムを形成できるためより望ましい。また、厚みは感度を低下させないためには薄い方が良いが、他方ある程度の機械強度も保持する必要があること、また加工時のハンドリングについても考慮する必要があるため、一般には1〜50μmがよく、その内3μmから10μm程度が特に好適である。
染料層
染料層5,6,7は、染料、バインダー、及び硬化剤から成っている。図1において、染料層5はイエロー染料層、染料層6はマゼンタ染料層、染料層7はシアン染料層である。染料はサーマルヘッドからの熱に対してのみ拡散し、保管時には拡散しないこと、光により退色しないこと、インキ化した時に溶解することなどが求められる特性として挙げられる。なお、所望の色相を1つの染料で達成することは難しいので、通常は数種類の染料を混合して用いる。例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等が挙げられる。
具体的には、イエロー成分では、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等、シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
染料層5,6,7に用いるバインダーとしては、ポリビニルアセタールから成るバインダーと硬化剤とから構成されている。これら染料層のバインダーのガラス転位点は、ポリビニルアセタール単独で好ましくは70℃以上がよい。ガラス転位点が低い場合、スティッキングなどの印画不良を起こす可能性が高くなる。
一方、染料層に入れる硬化剤としては耐熱滑性層と同様に多価イソシアネートが用いられる。イソシアネート類としては、原料のイソシアネートにより、トリレンジイソシアネート(TDI)系、ヘキサメチレンジイソシアネート(HID)系、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)系、キシリレンジイソシアネート(XDI)系等が挙げられるが、これらについていずれも用いることができる。
また、さらに合成方法の違いによりアダクト型とイソシアヌレート型とタイプが分けられるが、それらどれを用いても特に問題はない。但し、裏写りを防止するために染料を吸着させることなくかつ、染料の溶解性の高い皮膜を得るという目的を達成するためには、TDI系で耐性を持たせつつ、架橋部位については溶解性を持たせるために、アダクト型を選択することが好適である。
易接着層
易接着層3は、基材1の片側の面に形成され、染料層又は離型層もしくはセンサーマークと基材の間に存在する。易接着層は、染料層が基材表面に接着できるようにするために設けられる。この易接着層は基材フィルムの表面に例えば、熱硬化型、触媒硬化型、電離放射線硬化型などの架橋型ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等からなる塗工液を基材上に塗布し乾燥することによって形成される。また、基材を延伸する前にあらかじめこの塗工液を塗布しておき、乾燥後に、基材フィルムを2軸延伸処理することによって作成することもできる。なお、易接着層の厚みは0.01〜1μm程度が好適である。
離型層
離型層10はオーバーレイヤー層11の一部であり、基材1上に存在する易接着層3と剥離層9の間に存在する。離型層は、被熱転写体に転写された染料の保護のために設けられるオーバーレイヤー層が易接着剤層と熱転写時において十分な離型性を有さない場合に設けられる。このような離型層10は酢酸セルロースなどの親水性樹脂の他、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などを用いることができる。なお、離型層の厚みは0.1〜3μm程度が好適である。
剥離層
剥離層9は、オーバーレイヤー層11の一部であり、離型層10と接着層8の間に位置する。剥離層は、熱転写時において、接着層とともに剥離することで、被熱転写体に転写された染料の保護膜として存在する。その結果、昇華転写画像などの薬品などに対する耐久性が向上する。このような剥離層は一般的には、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
なお、剥離層の厚みは0.1〜3μm程度が好適である。
接着層
接着層8は、オーバーレイヤー層11の一部であり、剥離層9に接している。接着層は、熱転写時において、被熱転写体に転写された染料の保護膜として存在する。その結果、被熱転写体に対して熱転写された染料の経時による拡散を防ぐ。また、被熱転写体に転写された染料が退色しないように、接着層のインキにベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤などを添加しても良い。なお、接着層の厚みは0.5〜5μm程度が好適である。
センサーマーク
センサーマーク4は、プリンターが昇華型熱転写媒体を搬送する際の目印として機能する。センサーマークは主にはカーボンブラックとバインダーからなり、カーボンブラックとしては、市販のカーボンブラックを使用することができる。例えば、三菱化成社製の#980B、#850B、MCF88B、#44B、キャボット社製のBP−800、BP−L、REGAL−660、REGAL−330、コロンビヤンカーボン社製のRAVEN−1255、RAVEN−1250、RAVEN−1020、RAVEN−780、RAVEN−760、デグサ社製の Printex−55、Printex−75、Printex−25、Printex−45、SB−550等がある。これらを単独、あるいは混合して使用することができる。また、バインダーとしては、変成または非変成の塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を使用でき、この他、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステルも使用できる。
本発明の昇華型熱転写媒体は、23℃30%RHの環境下で、該耐熱滑性層の面より20mmの距離から±10kVの電界を印加した際の飽和帯電圧が1kV以上であることを特徴とする。本発明においては、2種類以上のリン酸を用いることで、スジ状の印画濃度ムラがなく、耐熱滑性層とサーマルヘッドの磨耗を低減することが可能となる。従って、高コストとなる帯電防止層を用いる必要が無いために、23℃30%RHの環境下において飽和帯電圧が1kV以上であっても、耐熱滑性層としての機能を有することとなる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1
基材1となるフィルムとして厚さ5μm (商品名:テトロンフィルム メーカ:帝人デュポンフィルム(株)製)のポリエステルフィルム上に下記組成の耐熱滑性層用インキを用いて耐熱滑性層を形成した。耐熱滑性層用インキの構成は以下の通りである。
・アクリルポリオール(商品名:アクリディック48−443 大日本インキ(株)製(固形分50%) 52重量部
・トルエン 15重量部
・メチルエチルケトン 15重量部
・イソシアネート(商品名:デュラネートP301−75E 旭化成(株)製(固形分75%)) 11.5重量部
・リン酸エステル (フオスフアノール ML−200 東邦化学工業(株)製) 0.5重量部
・リン酸エステル (PHOSPHOLAN PS−222 アクゾノーベル(株)製) 3.5重量部
・酸化マグネシウム(商品名:MgO #500 タテホ化学工業(株)製) 0.5重量部
・タルク(商品名:ハイフィラー5000PJ 松村産業(株) 2重量部
なお、基材へのコートはバーコーターを用い基材上に対して、0.8g/mgとなるように塗布した後オーブンにて加熱乾燥させた。なお、このときの融点が30℃以上のリン酸エステルと、酸化マグネシウム、粒子の合計重量は7.3%であった(下記の表では「粒子重量」と記載した)。
次に、下記に示す組成(重量部)からなる染料層用インキを用いて3種類の染料層用インキ、すなわちイエロー染料層用インキ、マゼンタ染料層用インキ、シアン染料層用インキをそれぞれ耐熱滑性層とは反対の面に形成した。各染料層用インキの構成は以下の通りである。塗布方法はヘリオ版を用いたグラビア試験機で印刷を行った。なお、各々が1.0g/mになるように塗工した。
イエロー染料層用インキ
・分散染料(Disperse Yellow 201) 8重量部
・ポリビニルアセタール (商品名:エスレックKS-1 積水化学工業(株)製) 7重量部
・イソシアネート (商品名:タケネートD103三井化学ポリウレタン(株)製) 0.5重量部
・トルエン 42.2重量部
・メチルエチルケトン 42.3重量部
マゼンタ染料層用インキ
・分散染料(Disperse Red 60) 8重量部
・ポリビニルアセタール (商品名:エスレックKS-1 積水化学工業(株)製) 7重量部
・イソシアネート (商品名:タケネートD103 三井化学ポリウレタン(株)製) 0.5重量部
・トルエン 42.2重量部
・メチルエチルケトン 42.3重量部
シアン染料層用インキ
・溶剤染料(Solvent Blue 36) 8重量部
・ポリビニルアセタール (商品名:エスレックKS-1 積水化学工業(株)製) 7重量部
・イソシアネート (商品名:タケネートD103三井化学ポリウレタン(株)製) 0.5重量部
・トルエン 42.2重量部
・メチルエチルケトン 42.3重量部
また、オーバーレイヤー層11については下記の組成からなるインキを用い、それぞれ、離型層10、剥離層9、接着層8がそれぞれ、0.5g/m、 0.5g/m、3.0g/mになるように基材へグラビア試験機を用い印刷した後、オーブンにて加熱乾燥させた。
なお、オーバーレイヤー層を構成している、離型層、剥離層、接着層のインキはそれぞれ以下の組成から成っている。
離型層
・酢酸セルロース (商品名:L-40 ダイセル化学工業(株) 10重量部
・メチルエチルケトン 90重量部
剥離層
・アクリルレジン (商品名:ダイヤナール BR83 三菱レイヨン(株)) 30重量部
・トルエン 35重量部
・メチルエチルケトン 35重量部
接着層
・ポリエステル樹脂 (商品名:エリーテル UE3210 ユニチカ(株)) 30重量部
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (商品名:チヌビン329 チバ・ジャパン(株)) 10重量部
・メチルエチルケトン 60重量部
本熱転写媒体は、染料層(イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層)と、オーバーレイヤー層の転写によりフルカラーの1印画物となる構成となっている。なお、先の熱転写媒体については、プリンタに装着できるように、スリットを行い、直径1インチ、幅6インチを有する筒に対して、1000画面分の長さになるように小分けを行った。
実施例2及び実施例3、比較例1から比較例8
実施例2及び実施例3、比較例1から比較例8については以下の表1の通りの構成を有する耐熱滑性層とした他は、実施例1と同様の方法で昇華型熱転写媒体を作成した。
Figure 0005668302
なお、実施例2における粒子のカオリンとしては以下の材料を用いた。
・カオリン(商品名:KAOFINE90 白石カルシウム(株))。
また、比較例1については、基材と耐熱滑性層の間に帯電防止層を有する昇華型熱転写媒体を作成した。そのときのz帯電防止層用インキ組成は以下の通りに作成し、0.1g/mの塗布量とした。
・導電性高分子 (商品名:セプルシーダ 信越ポリマー(株)製) 10重量部
・水 80重量部
・メタノール 10重量部
(試験及び結果)
以上のようにして作成した、実施例と比較例の昇華型熱転写媒体を用いそれぞれ下記に示す試験を行った。
(ヘッド汚れ、ヘッド摩耗試験)
プリンタに熱転写媒体をセットし、全面黒色、全面グレーのテストパターンと、スティッキング観測用のテストパターン、実パターンとして夜景を含む印画物を繰り返し印画し、5000枚印画した後のヘッドの状態について目視による観察と、ヘッドの摩耗量について測定を行った。
(飽和帯電圧試験)
帯電圧試験はSTATIC HONESTMETER TYPE0110(シンド静電機(株))製を用いた。昇華型熱転写媒体の耐熱滑性層の面より20mmの距離に電極を配置し、また、印加電圧は+10kVとした。温度、相対湿度はそれぞれ23℃、30%とした。
(スジ状の印画濃度ムラ試験)
印画試験は市販のプリンタを用い、スジ状の印画濃度ムラ試験については、全面がグレーのハーフトーンからなるパターンを用いて印画した印画物を用いて目視による確認を行った。
結果は以下の表2の通りとなった。
Figure 0005668302
比較例1〜8の昇華型熱転写媒体は、ヘッド汚れ、摩耗量、カスレを同時に満足することはできなかった。これに対し、本発明の実施例の昇華型熱転写媒体は、上記特性をいずれも高レベルで満足することができた。
本発明により、スジ状の印画濃度ムラのない印画物を得ることができる。また、耐熱滑性層を簡素化することが可能であるため、コストを低減することが可能となる。
1・・・基材
2・・・耐熱滑性層
3・・・易接着層
4・・・センサーマーク
5・・・染料層(イエロー)
6・・・染料層(マゼンタ)
7・・・染料層(シアン)
8・・・接着層
9・・・剥離層
10・・・離型層
11・・・オーバーレイヤー層
12・・・染料層

Claims (1)

  1. 基材の一方の面に、耐熱滑性層を備え、基材の他方の面に、少なくとも、昇華性染料および樹脂を含む染料層、および、熱転写プリンタに認識をさせるためのセンサーマークを備えた昇華型熱転写媒体において、
    23℃30%RHの環境下で、該耐熱滑性層の面より20mmの距離から±10kVの電界を印加した際の飽和帯電圧が1kV以上であり、
    前記耐熱滑性層は、炭素数が6から20の飽和アルコールとリン酸とのモノエステルまたはジエステルである融点30℃以上のリン酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル;酸化マグネシウムおよび粒子を含有し、かつ
    前記炭素数が6から20の飽和アルコールとリン酸とのモノエステルまたはジエステルである融点30℃以上のリン酸エステル、酸化マグネシウムおよび粒子の合計重量が、前記耐熱滑性層の総重量の10%未満であることを特徴とする昇華型熱転写媒体。
JP2010064493A 2010-03-19 2010-03-19 昇華型熱転写媒体 Active JP5668302B2 (ja)

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