JP4390408B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱により熱転写シートから転写される色材を受容する熱転写受像シートに関するものであり、さらに詳しくは受容層に形成された昇華転写画像の耐可塑剤性および耐油脂性に優れた熱転写受像シートの提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオで撮影した画像やテレビの画像、コンピューターグラフィックスなどの静止画像を直接フルカラーでプリントするシステムが進歩し、その市場が急速に拡大している。その中でも、昇華性染料を記録材とし、これを受像シートに重ね、記録信号に応じてサーマルヘッドで加熱することにより染料を受像シート上に転移させることによって画像を得る方式が注目されている。この記録方式は使用する色材が染料であることから非常に鮮明であり、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のフルカラーオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能となっている。また、得られる熱転写印画物の耐摩耗性や耐光性などの耐久性を高めるために、染料画像が形成された受容層上に保護層を熱転写で転写させることが多く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如く形成された昇華転写画像は、その耐久性にも優れたものであるが、該画像面に可塑剤、または可塑剤を含む物体が、例えば、画像を軟質塩化ビニル樹脂製のファイルに保存した場合や、画像がプラスチック消しゴムなどが長時間接触した場合や、機械油やひまし油のような油脂類が長時間付着している場合に、それら可塑剤性分や油脂類が保護層表面から浸透して受容層や中間層に到達すると、印画時の加熱によるひずみが中間層に生じている場合に、そのひずみを解放して、中間層に亀裂が生じ、さらにその上に積層されている受容層と保護層まで亀裂が入ってしまい、印画面に微細なひび割れが発生して、画像品質を著しく低下させるという課題が発生した。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、耐可塑剤性や耐油脂性に優れる昇華転写画像を形成し得る熱転写受像シートを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
従来、このようなひび割れに対しては、可撓性のある樹脂や柔軟性に富んだ樹脂を中間層や受容層に用いるなどの手段が考えられるが、この方法では、印画物を長期保管しておくと、滲みが生じるなどの不具合が発生するため、本発明においては、基材シートの一方の面に中間層と染料受容層とを順次積層してなる熱転写受像シートにおいて、上記中間層が2層構成であり、少なくとも基材シートに近い側の層が平均粒径が、6.0μm以下で厚みが粒径の半分以下の扁平粒子を含有する樹脂層であることを特徴とする熱転写受像シートを提供する。
【0005】
また、本発明は、扁平粒子の使用量が、中間層を形成する樹脂100質量部あたり20〜100質量部である上記の熱転写受像シート;扁平粒子が、タルク、マイカなどの無機粒子である上記の熱転写受像シート;および中間層に使用される樹脂が、ウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系、またはエポキシ系接着性樹脂である上記の熱転写受像シート;および受像紙の白色度を維持するために、中間層に、酸化チタンやチタン酸カリウムなどの白色顔料とともに上記扁平粒子を含む上記の熱転写受像シート;および受容層中に遷移金属イオンの錯体化合物からなるメタルソースを含有している上記の熱転写受像シートを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の熱転写受像シートを構成する各層の材料および形成方法を説明する。
(基材シート)
基材シートは、受容層を保持するという役割を有するとともに、画像形成時に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材シートの材料は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなどの各種プラスチックフィルムまたはシートが使用でき、特に限定されない。
【0007】
上記のプラスチックフィルムまたはシートやこれらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色フィルム、あるいは基材シート内部にミクロボイドを有するシート、他にコンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙などを用いることができる。また、上記の基材シートの任意の組合わせによる積層体も使用できる。代表的な例とて、セルロース繊維紙と合成紙、セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとの積層体が挙げられる。
【0008】
また、上記の基材シートの表面および/または裏面に易接着処理した基材シートも使用できる。これらの基材シートの厚みは、通常3〜300μm程度であり、本発明においては、機械的適性などを考慮し、厚み75〜175μmの基材シートを用いるのが好ましい。また、基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0009】
(中間層)
本発明における中間層は、厚みが粒径の半分以下、好ましくは粒径の1/2〜1/20の扁平粒子を含む樹脂層である。これら扁平粒子のレーザー回折法で測定される平均粒径[D50]は6.0μm以下がよく、さらには0.9〜5.1μmが好ましい。これらの扁平粒子のうち、タルクは、日本タルク(株)からL−1、LG、P−3、P−4、P−5、P−6、C−3、SG−2000、SG−1000、SG−200、SG−95などの商品名で入手でき、本発明において使用できる。マイカは、コープケミカル(株)からMK−100など、土屋カオリン(株)からA−11などの商品名で入手でき、本発明において使用できる。
【0010】
中間層に用いるバインダー樹脂としては、ウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系、またはエポキシ系接着性樹脂が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水素を有するものについては、さらにそれらのイソシアネート架橋物をバインダーとすることもできる。また、画像滲みなどの不具合を発生しないためには、樹脂のTgが40℃以上が好ましい。扁平粒子の使用量は、中間層を形成する樹脂100質量部あたり20〜100質量部、好ましくは25〜100質量部である。
【0011】
また、本発明においては、白色性や隠蔽性を付与するために、中間層に白色顔料である酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムなどのフィラーを添加することができ、扁平粒子との混合比率は、扁平粒子/白色顔料=30/70〜70/30であり、好ましくは33/67〜50/50である。さらに、中間層の白色性を高めるために、スチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物などを蛍光増白剤として添加したり、印画物の耐光性を高めるために、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物などを紫外線吸収剤、あるいは酸化防止剤として添加したり、あるいは帯電防止性を付与するために、カチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン樹脂、各種導電性フィラーなどを添加することができる。
【0012】
また、中間層は、2層設ける。中間層を2層設ける場合は、基材シートに近い側の層に、扁平粒子を添加すると優れたひび割れ防止効果を発揮し、その層に白色度、クッション性、隠蔽性、カール防止性、帯電防止性などの付与の目的で、白色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、各種導電性フィラーを添加した中間層としてもよい。また、2層目の中間層にも扁平粒子を添加すれば、さらに上記の効果を発揮する。
【0013】
中間層の形成方法としては、上記の如き樹脂および添加剤をアセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノンなどの適当な有機溶剤に溶解分散したり、水/イソプロピルアルコール(IPA)や水/エタノールのような水・アルコール混合溶媒に分散してインキを調製し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの公知の方式により基材シートの少なくとも一方の面に塗布および乾燥し、さらに必要に応じて架橋硬化させて中間層を形成する。このようにして形成する中間層の塗布量としては、固形分で0.5〜10.0g/m2、好ましくは1.0〜3.0g/m2の範囲である。厚みが薄すぎると中間層として要求される性能が得られず、一方、厚すぎると中間層としての効果はそれ以上は向上しないばかりか、コスト面でも好ましくない。
【0014】
(受容層)
上記中間層の上面に形成する染料受容層は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された熱転写画像を維持するためのものである。受容層に使用される樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル、ポリスチレン、ポリスチレン・アクリル共重合体などのビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールなどのアセタール系樹脂、飽和または不飽和の各種ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用したり、相溶する範囲内で任意にブレンドして用いることができる。
【0015】
上記樹脂に混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、弗素系界面活性剤などが挙げられるが、シリコーンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性などの変性シリコーンオイルが望ましい。
【0016】
離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用される。また、ビニル変性シリコーンオイルとハイドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物や、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルの反応硬化物などの、複数の変性シリコーンオイルを反応硬化させたり、活性水素を有する変性シリコーンオイルと活性水素と反応する硬化剤との反応硬化物も用いられる。また、この離型剤の添加量は染料受容層形成樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写フィルムと染料受容層の融着もしくは印字感度の低下などの問題が生じる場合がある。このような離型剤を染料受容層に添加することによって、転写後の受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。
【0017】
また、この受容層に遷移金属イオンの錯体化合物からなるメタルソースを含有させることもでき、本発明におけるメタルソースとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1);M2+(X)n2Y-
(式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。Xは、遷移金属イオンM2+に配位結合して錯体を形成することができる配位化合物を表し、nは、2または3の整数を表す。複数の配位化合物Xは互いに同じであっても異なっていてもよい。また、Y-は遷移金属イオンM2+の対イオンを表す。)
【0018】
前記一般式(1)で表される化合物において、M2+は2価の遷移金属イオンを表すが、この遷移金属イオンとしては、例えば、コバルト(2+)、ニッケル(2+)、銅(2+)、亜鉛(2+)および鉄(2+)などを挙げることができる。これらの中でも、特にニッケル(2+)、銅(2+)および亜鉛(2+)が好ましい。前記一般式(1)で表される化合物において、(X)nは遷移金属に配位結合して、錯体を形成することができる2または3の配位化合物を表すが、例えば「キレート化学(5)」(南雲堂編)に記載されている配位化合物から選択することができる。これらの中でもエチレンジアミン誘導体、ピコリンアミド誘導体、2−アミノメチルピペリジン誘導体、グリシンアミド誘導体が好ましく、特にエチレンジアミン誘導体およびグリシンアミド誘導体が好ましい。
【0019】
前記一般式(1)で表される化合物において、Y-は遷移金属イオンM2+の対アニオンを表すが、この対アニオンは有機または無機のアニオンであり、特に、遷移金属イオンM2+と配位化合物(X)nとにより形成される錯体を、例えば、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒に溶解可能にする化合物が好ましい。この対アニオンの具体例としては、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルリン酸、アリールリン酸、アリールホウ酸などの有機塩を挙げることができる。これらの中でも特に、アリールホウ酸やアリールスルホン酸などの各塩が好ましい。
【0020】
また、本発明の受容層は、下記一般式(2)で表されるメタルソースを含有することが好ましい。
一般式(2);M2+(X-2
(式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。X-は、前記一般式(1)で表された配位化合物を表す。また、一般式(2)で表される化合物は中心金属に応じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子としてはH2OやNH3などが挙げられる。)。また、上記の一般式(2)のメタルソースにおいて、Xが下記の一般式(3)で表される配位化合物が挙げられる。
Figure 0004390408
【0021】
一般式(3)で表される化合物において、Zはアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子または水素原子を表す。Zがアリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子などの電子吸引性基が金属イオン供給化合物を安定化させるため好ましいが、この中でもアリールオキシカルボニル基およびアルコキシカルボニル基が溶解性の点でさらに好ましい。
【0022】
そのアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基が挙げられ、そのアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基などの炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキシカルボニル基を挙げることができ、また、これらのアルコキシカルボニル基にはハロゲン原子、アリール基やアルコキシル基などが置換していてもよい。
【0023】
RおよびR′はアルキル基およびアリール基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、RとZ、またはR′とZが結合して環を形成してもよいが、Zが水素原子となる時にR、R′がともにメチル基となることはない。また、Z、RおよびR′で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルキル基を挙げることができ、また、これらのアルキル基にはハロゲン原子、アリール基やアルコキシル基などが置換していてもよい。
【0024】
Z、RおよびR′で表されるアリール基としてはフェニル、ナフチル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。Zで表されるアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどの炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキシル基を挙げることができる。Zで表されるアシル基としては、アセチル、プロピオニル、クロロアセチル、フェナセチル、ベンゾイル基などを挙げることができる。Zで表されるハロゲン原子として、好ましくは塩素原子を挙げることができる。
【0025】
本発明に用いられるメタルソースの添加量は、受容層のバインダー樹脂に対し、20〜50質量%が好ましく、さらに25〜40質量%がより好ましい。本発明におけるメタルソースは、一般式(1)と一般式(2)に限定されるものではない。このようなメタルソースを受容層に添加しておくことで、これらの金属と配位する染料が転写された場合、染料の耐ブリード性、耐光性、その他の物性が改良され、形成された画像の各種耐久性が向上する。
【0026】
受容層は、前記の中間層の上面に、上記の如き樹脂に離型剤などの必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの形成手段により塗布および乾燥することによって形成される。塗布量としては1.5〜15g/m2、好ましくは1.5〜5.0g/m2の範囲で設けられる。
本発明の熱転写受像シートでは、中間層に特徴を有するものであり、受容層については特に限定するものではないが、受容層の形成にはできるだけ無色で透明度の高い樹脂を選択することが好ましい。
【0027】
(裏面層)
さらに、基材シートの受容層を設けた面の反対面に、搬送適性、筆記性、耐汚染性、カール防止性、帯電防止性などの付与の目的で従来公知のあらゆる裏面層を設けることができる。また、帯電防止性に関しては、受容層および/または裏面層の上にさらに従来公知の帯電防止剤を含む帯電防止層を設けてもよい。
【0028】
以上の如き本発明の熱転写受像シートに対する画像形成方法は、基材フィルムの表面に1色または多色の昇華性染料を含む染料層を形成した昇華型熱転写シートを用いて形成する。これらの昇華型熱転写シートは周知であり、市販の何れの熱転写シートも使用できる。また、プリンターも周知であり、市販の何れのプリンターも使用でき、1例としては、例えば、サーマルプリンター(例えば、オリンパス製デジタルカラープリンターP−400)などの記録装置によって、記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所望のモノカラーもしくはフルカラー画像が形成される。また、このように形成された印画物の表面に保護層を形成する方法は、従来公知の保護層転写フィルムまたは染料層と保護層を面順次に有する複合熱転写シートを用いて画像の形成に引き続き保護層を転写形成することもできる。
【0029】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、文中「部」、または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
参考例1]
<基材>
・厚さ150μm合成紙(ユポコーポレーション製)
<中間層>
・ポリウレタン樹脂(ハイドランAP−40、
大日本インキ(株)製、Tg=49℃)
72.7部
・タルク(ミクロエースL1、日本タルク(株)製、
粒径4.9μm) 16.0部
・水 30.6部
・IPA 30.7部
乾燥塗工量=3g/m2
【0030】
Figure 0004390408
【0033】
[実施例4]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリウレタン樹脂(ハイドランAP-40、大日本
インキ(株)製、Tg=49℃) 72.7部
・タルク(ミクロエースL1、日本タルク(株)製、
粒径4.9μm) 16.0部
・水 30.6部
・IPA 30.7部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0034】
Figure 0004390408
【0035】
Figure 0004390408
【0036】
Figure 0004390408
【0037】
[実施例5]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリウレタン樹脂(ハイドランAP-40、大日本
インキ(株)製、Tg=49℃) 72.3部
・タルク(ミクロエースL1、日本タルク(株)製、
粒径4.9μm) 5.3部
・白色顔料(酸化チタン) 10.6部
・水 30.9部
・IPA 30.9部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0038】
Figure 0004390408
【0039】
[実施例6]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリウレタン樹脂
(ハイドランAP−40、大日本インキ(株)製、
Tg=49℃) 72.7部
・タルク(ミクロエースL1、日本タルク(株)製、
粒径4.9μm) 8.0部
・白色顔料(酸化チタン) 8.0部
・水 30.6部
・IPA 30.7部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0040】
Figure 0004390408
【0041】
[実施例7]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリウレタン樹脂(ハイドランAP-40、大日本
インキ(株)製、Tg=49℃) 72.7部
・タルク(SG2000、日本タルク(株)製、
粒径1.0μm) 8.0部
・白色顔料(酸化チタン) 8.0部
・水 30.6部
・IPA 30.7部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0042】
Figure 0004390408
【0043】
[実施例8]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリエステル樹脂(ポリエスターWR905、
日本合成化学工業(株)製、Tg=70℃
80.0部
・タルク(SG2000、日本タルク(株)製、
粒径1.0μm) 16.0部
・白色顔料(酸化チタン) 16.0部
・水 19.0部
・IPA 19.0部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0044】
Figure 0004390408
【0045】
[実施例9]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリエステル樹脂(ポリエスターWR905、日本
合成化学工業(株)製、Tg=70℃) 80.0部
・タルク(SG200、日本タルク(株)製、
粒径3.2μm) 16.0部
・白色顔料(酸化チタン) 16.0部
・水 19.0部
・IPA 19.0部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0046】
Figure 0004390408
【0047】
[比較例1]
<基材>
参考例1と同じ。
<プライマー層>
・ポリウレタン樹脂(ハイドランAP−40、
大日本インキ(株)製) 136.4部
・IPA 13.6部
<受容層>
参考例1と同じ。
【0048】
[比較例2]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層>
・ポリエステル樹脂(PE-723、フタバファイン
ケミカル(株)製、Tg=68℃) 130.4部
・IPA 19.6部
乾燥塗工量=1.5g/m2
<受容層>
参考例1と同じ。
【0049】
[比較例3]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリウレタン樹脂(ハイドランAP-40、大日本
インキ(株)製、Tg=49℃) 72.7部
・白色顔料(酸化チタン) 16.0部
・水 30.6部
・IPA 30.7部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0050】
Figure 0004390408
【0051】
[比較例4]
<基材>
参考例1と同じ。
<中間層1>
(基材に近傍側)
・ポリエステル樹脂(ポリエスターWR905、
日本合成化学工業(株)製、Tg=70℃)
80.0部
・白色顔料(酸化チタン) 32.0部
・水 19.0部
・IPA 19.0部
乾燥塗工量=1.5g/m2
【0052】
Figure 0004390408
【0053】
使用例
記比較例1〜2の熱転写受像シートに対しては、市販のYMCおよび保護層付き一体型熱転写シート(インクリボンは、オリンパス製P−400プリンター付属のインクリボンパックRBNのシアン部)を印画に用いた。
また、実施例4〜9と比較例3〜4の熱転写受像シートに対しては、下記のようにシアンの熱転写シートを作成して印画に用いた。保護層の形成には上記のオリンパス製プリンターのものを用いた。
【0054】
[染料層塗工液の組成]
Figure 0004390408
【0055】
Figure 0004390408
【0056】
[印画物作製方法]
上述の手順で入手または作製した熱転写シートの染料層面と受像シートの受容層面とを重ね合わせ、解像度12ドット/mm、平均抵抗値3100Ωのサーマルヘッドとプラテンローラーで圧接し、80mJ/mm2の印画エネルギーでシアンのベタパターンを、送り速度10msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱して受容層上に画像を形成した。次いで上記画像形成された受容層に、保護層を重ね合わせ、上記と同種のサーマルヘッドとプラテンローラーで圧接し、80mJ/mm2の印画エネルギーを、送り速度10msec/lineの条件で保護層部の背面から加熱して受容層上に保護層を転写した。上記の手順でシアンのベタ画像を得た。シアンのベタ画像を評価画像としたのは、ひび割れが発生したときに、ひび割れた部分の染料が試薬に取られ、色抜けを起こし、コントラストがはっきりするためである。
【0057】
[試験方法]
印画物に、ワセリンにDOPを20%添加した試薬を綿棒などで薄く塗り広げて塗布し、室温環境下で放置して観察を行なった。その結果を下記表1に示す。
【0058】
評価結果
○:ひび割れの発生無し。
△:12〜24時間でひび割れ発生。
×:12時間以内にひび割れ発生。
【0059】
Figure 0004390408
【0060】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、耐可塑剤性や耐油脂性に優れる昇華転写画像を形成し得る熱転写受像シートを提供することができる。

Claims (6)

  1. 基材シートの一方の面に中間層と染料受容層とを順次積層してなる熱転写受像シートにおいて、上記中間層が2層構成であり、少なくとも基材シートに近い側の層が平均粒径が、6.0μm以下で厚みが粒径の半分以下の扁平粒子を含有する樹脂層であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 扁平粒子の使用量が、中間層を形成する樹脂100質量部あたり20〜100質量部である請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 扁平粒子が、タルク、マイカなどの無機粒子である請求項1に記載の熱転写受像シート。
  4. 中間層に使用される樹脂が、ウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系、またはエポキシ系接着性樹脂である請求項1に記載の熱転写受像シート。
  5. 受像紙の白色度を維持するために、中間層に、酸化チタンやチタン酸カリウムなどの白色顔料とともに上記扁平粒子を含む請求項1に記載の熱転写受像シート。
  6. 染料受容層が、遷移金属イオンの錯体化合物からなるメタルソースを含有している請求項1に記載の熱転写受像シート。
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