JPH1081078A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH1081078A
JPH1081078A JP8255348A JP25534896A JPH1081078A JP H1081078 A JPH1081078 A JP H1081078A JP 8255348 A JP8255348 A JP 8255348A JP 25534896 A JP25534896 A JP 25534896A JP H1081078 A JPH1081078 A JP H1081078A
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JP
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layer
heat
thermal transfer
transfer sheet
carbon black
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JP8255348A
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English (en)
Inventor
Akihiko Katajima
明彦 片島
Norikatsu Ono
典克 小野
Masayuki Ando
雅之 安藤
Shigeki Nakajo
茂樹 中條
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Inctec Inc
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Inctec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性に加えて、耐熱性、被膜性、スリ
ップ性等に優れ、サーマルヘッドの走行性が良好で且つ
サーマルヘッドが摩耗したりしない良好な帯電防止性
(及び耐熱滑性層)を有する熱転写シートを提供するこ
と。 【解決手段】 基材シートの一方の面に複数色の熱転写
性色材層と色材層の検知マークとを面順次に形成し、他
方の面にプライマー層を介して耐熱滑性層が形成されて
なる熱転写シートにおいて、上記プライマー層が導電性
カーボンブラックを含有し、且つ上記検知マークを隠蔽
しない形状で形成されていることを特徴とする熱転写シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は熱転写シートに関
し、更に詳しくは特定の材料からなる優れた帯電防止性
を有する新規な熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写シートとしては、ポリエス
テルフイルム等の一方の面に昇華性染料とバインダーと
からなる染料層を設けた昇華型熱転写シートと、該染料
層の代わりに顔料とワックスとからなるインキ層を設け
た熱溶融型の熱転写シートが知られている。これらの熱
転写シートはその背面からサーマルヘッドによって画像
状に加熱され、染料層の染料又はインキ層を被転写材に
転写させて画像を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】上記熱転写シート
によりサーマルヘッドで画像形成を行う場合、基材フイ
ルムがポリエステルフイルム等の熱可塑性フイルムであ
る場合には、サーマルヘッドが当接する面の表面固有抵
抗値が1014以上と高いため、画像形成時に静電気が発
生し、帯電し易いという問題がある。
【0004】熱転写シートが帯電するとその表面に埃等
が付着し易く、その結果サーマルヘッドに埃等が付着
し、形成される画像の解像性が低下するという問題があ
る。又、同様に紙等の被転写材も帯電し、被転写材の搬
送性に問題が生じる。更に甚だしい場合には、熱転写シ
ートのロールや被転写材の交換や挿入時にスパークした
り、人体に衝撃を与える場合がある。
【0005】このような問題を解決する方法として、熱
転写シートの背面に帯電防止層を形成することが知られ
ている。帯電防止層を界面活性剤等で形成する場合に
は、熱転写シートにベタつきが発生したり、熱転写シー
トをロール状に巻いた場合、帯電防止剤が色材層に移行
したり、逆に色材が背面に移行したりするという問題が
ある。更にこれらの問題に付随して、帯電防止層の帯電
防止効果が経時的に低下するという問題がある。
【0006】別の方法として導電性カーボンブラック等
の導電剤とバインダーとを用いて導電層を形成する方法
もあるが、この場合にはサーマルヘッドの摩耗が激し
く、又、黒色以外の熱転写シートの場合には全体が黒色
となり、外観に劣るだけでなく、熱転写シートに形成さ
れている検知マークの検知が困難になるという問題があ
る。従って、本発明の目的は、帯電防止性に加えて、耐
熱性、被膜性、スリップ性等に優れ、サーマルヘッドの
走行性が良好で且つサーマルヘッドが摩耗したりしない
良好な帯電防止性(及び耐熱滑性層)を有する熱転写シ
ートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの一
方の面に複数色の熱転写性色材層と色材層の検知マーク
とを面順次に形成し、他方の面にプライマー層を介して
耐熱滑性層が形成されてなる熱転写シートにおいて、上
記プライマー層が導電性カーボンブラックを含有し、且
つ上記検知マークを隠蔽しない形状で形成されているこ
とを特徴とする熱転写シートである。
【0008】熱転写シートの基材フイルムと耐熱滑性層
との間のプライマー層に導電性のカーボンブラックを含
有させ、耐熱滑性層を薄く形成することによって帯電防
止性に優れ且つサーマルヘッドを摩耗させない耐熱滑性
層を有する熱転写シートが提供される。又、上記プライ
マー層を熱転写シートの検知マークを隠蔽しない形状で
形成することによって、黒色のプライマー層が、熱転写
シートに形成されている検知マークを隠蔽することがな
い。
【0009】更に好ましい実施形態では、耐熱滑性層
を、ポリビニルブチラールの如き水酸基を有する熱可塑
性樹脂とポリイソシアネートとの反応物から形成するこ
とによって、上記帯電防止性に加えて、被膜性、スリッ
プ性等に優れ、サーマルヘッドの走行性が良好で且つサ
ーマルヘッドが摩耗したりしない良好な帯電防止性及び
耐熱滑性層を有する熱転写シートを提供することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。図1は、本発明の熱転写
シートの平面を図解的に説明する図である。本発明にお
ける熱転写シートは、図示のように、基材シート1の一
方の面に複数色、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)及びシアン(C)の如く複数色の色材層が面順次
に形成され、場合によっては上記3色に加えてブラック
(Bk)の色材層が形成されている。更に該熱転写シー
トで画像を形成する際に、熱転写シートの色材層の色相
及び順番をプリンタに検知させる検知マーク2が上記色
材層に隣接して形成されている。
【0011】図2は、図1の断面を図解的に説明する図
である。図示のように基材シート1の背面には導電性カ
ーボンブラックを含むプライマー層3が、背面から見た
場合、前記検知マーク2を隠蔽しない形状で形成され、
該層3を覆うように耐熱滑性層4が形成されている。
【0012】図3は、カーボンブラックを含むプライマ
ー層の形成領域を説明する図である。図示のようにプラ
イマー層3は検知マーク2を被覆しない形状で形成され
ており、図示の例では検知マーク2の周囲の狭い範囲5
はプライマー層が形成されていないが、これは必須では
なく、プリンタが検知マーク2を検知することができる
限り、検知マーク2の周辺とプライマー層3とは重複し
ていても問題はない。更に図3には耐熱滑性層の形状は
図示されていないが、耐熱滑性層は背面の全面に設けて
もよいし、又、必要であれば検知マーク2の領域を除く
ようにして形成してもよい。以上の如き構成によって本
発明の目的が達成される。
【0013】本発明の熱転写シートで使用する基材シー
トとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有す
るものであればいずれのものでもよく、例えば、0.5
〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、
各種加工紙、ポリエステルフイルム、ポリスチレンフイ
ルム、ポリプロピレンフイルム、ポリサルホンフイル
ム、アラミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポ
リビニルアルコールフイルム、セロファン等であり、特
に好ましいものはポリエステルフイルムである。これら
の基材シートは枚葉式であってもよいし、連続フイルム
であってもよく特に限定されない。これらの中で特に好
ましいものはポリエチレンテレフタレートフイルムであ
り、又、必要に応じて該フイルムの一方の面又は両面に
夫々プライマー層や接着層を形成することも好ましい。
【0014】上記基材シートの一方の面に形成する帯電
防止性プライマー層は、基材フイルムと耐熱滑性層の両
方に良好な接着性を有するバインダーと帯電防止剤とし
てのカーボンブラックを主体として形成する。上記バイ
ンダーとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルホルマ
ール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルブチラール系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂等が
挙げられるが、これらの中ではカルボキシル基を有する
水溶性若しくは水分散性ポリエステル樹脂が、基材に対
する密着性、カーボンブラックの分散性、耐熱滑性層に
対する密着性等の点で特に好ましく、例えば、日本合成
化学工業(株)等からポリエスターWR−961等の商
品名で入手して本発明で使用することができる。
【0015】本発明において帯電防止剤として使用する
カーボンブラックとしては、従来公知のいずれのカーボ
ンブラックでもよく、特に限定されない。本発明におけ
るプライマー層は、上記バインダーと上記カーボンブラ
ックを主成分として形成され、形成方法としては水を含
む溶媒、例えば、水と、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等の
水溶性有機溶剤との混合物に前記バインダー及び前記カ
ーボンブラックを溶解及び分散させた塗工液を作製す
る。この塗工液には、カーボンブラックを分散させるた
めの各種分散剤、塗工時における基材シートの濡れ性向
上のために界面活性剤や、気泡を抑制するための消泡剤
等の任意の添加剤を添加することができる。特に界面活
性剤としては燐酸エステル系の界面活性剤の使用が好ま
しい。
【0016】プライマー層用塗工液の組成としては、バ
インダー樹脂約1.5〜7.0重量%、好ましくは2.
1〜4.3重量%、カーボンブラック約0.4〜2.0
重量%、好ましくは0.6〜1.5重量%、分散剤約0
〜1.5重量%、好ましくは0.2〜1重量%、消泡剤
約0〜1.0重量%及び残量の溶媒からなる組成が好ま
しい。プライマー層の形成は上記塗工液を基材シートの
一方の面に、例えば、グラビアコーター、ロールコータ
ー、ワイヤーバー等の慣用の塗工方式で塗工及び乾燥し
て形成される。
【0015】塗工量は塗工液の固形分として約0.05
〜0.5g/m、好ましくは約 0.05〜0.3g/
の範囲であり、塗工量が上記範囲未満であると、プ
ライマー層及び帯電防止層としての性能が不十分であ
り、一方、塗工量が上記範囲を超えても、その厚みに比
例して前記性能が向上する訳ではないので、経済的に不
利であるばかりでなく、サーマルヘッドから熱転写性色
材層への熱伝導性が低下するので好ましくない。
【0017】本発明では、上記のプライマー層(帯電防
止層)の表面に熱可塑性樹脂から耐熱滑性層を形成す
る。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリ
アクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ス
チレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド
樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニル
アセタール樹脂等の熱可塑性樹脂或はこれらのシリコー
ン変性物等が用いられ、これらの中で特に好ましい樹脂
は、ポリビニルブチラール樹脂及びポリアセトアセター
ル樹脂等のポリビニルアセタール樹脂或はこれらのシリ
コーン変性物の如くイソシアネート基と反応する水酸基
を有する樹脂である。
【0018】本発明の好ましい実施形態では、耐熱滑性
層に耐熱性、塗膜性及びプライマー層との密着性を付与
させる目的でポリイソシアネートを架橋剤として併用す
ることが好ましい。これらのポリイソシアネートとして
は従来公知の塗料、接着剤、ポリウレタンの合成等に使
用されているいずれのポリイソシアネートでもよい。こ
れらのポリイソシアネート化合物は、例えば、タケネー
ト(武田薬品製)、バーノック(大日本インキ化学
製)、コロネート(日本ポリウレタン製)、ヂュラネー
ト(旭化成工業製)、ディスモジュール(バイエル製)
等の商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0019】ポリイソシアネートの添加量は、耐熱滑性
層を構成する樹脂バインダー100重量部に対し5〜2
00重量部の範囲が適当である。NCO/OHの比では
0.8〜2.0程度の範囲が好ましい。ポリイソシアネ
ートの含有量が少なすぎると架橋密度が低く耐熱性が不
十分で、一方、多すぎると形成される塗膜の収縮が制御
できない、硬化時間が長くなる、未反応のNCO基が耐
熱滑性層中に残存し空気中の水分と反応する等マイナス
に働く。又、本発明では上記の材料から耐熱滑性層を形
成するに当り、耐熱滑性層のスリップ性を向上させる目
的でワックス、高級脂肪酸アミド、エステル、界面活性
剤等の熱離型剤や滑剤或いはフッ素樹脂のような有機粉
末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機
粒子を包含させることができる。
【0020】耐熱滑性層を形成するには、上記の如き材
料をアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレ
ン等の適当な溶剤中に溶解又は分散させて塗工液を調製
し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、
ワイヤーバー等の慣用の塗工手段により塗工及び乾燥
し、次いで加熱処理によって架橋処理することによって
形成される。その塗工量即ち耐熱滑性層の厚みも重要で
あって、本発明では固形分基準で2.0g/m以下、
好ましくは0.1〜1.0g/mの厚みで充分な性能
を有する耐熱滑性層を形成することができる。厚みが
0.1g/m未満では耐熱滑性層としての性能が不十
分であり、一方、厚みが2.0g/mを超えると、そ
の下に形成されている帯電防止層の帯電防止効果が低下
するので好ましくない。
【0021】上記基材シートの一方の面に形成する色材
層としては、昇華型熱転写シートの場合には昇華性の染
料を含む層を形成し、一方、熱溶融型の熱転写シートの
場合には顔料で着色したワックスインキ層を形成する。
以下昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明する
が、本発明は昇華型熱転写シートにのみ限定されるもの
ではない。
【0022】染料層に使用する染料としては、従来公知
の熱転写シートに使用されている染料はいずれも本発明
に有効に使用可能であり特に限定されない。例えば、幾
つかの好ましい染料としては、赤色染料として、MS Red
G、 Macrolex Red Violet R、CeresRed7B、 Samaron Red
HBSL、 Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色の染料
としては、ホロンブリリアントイエロー6GL、 PTY-52、マ
クロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料と
しては、カヤセットブルー714、 ワクソリンブルーAP-F
W、ホロンブリリアントブルーS-R、 MSブルー100 等が挙
げられる。
【0023】上記の如き染料を担持するためのバインダ
ー樹脂として好ましいものを例示すれば、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシ
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセ
ルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)ア
クリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂等が挙げられるが、これらの中では、セ
ルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系及
びポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の
点から好ましいものである。
【0024】染料層は、前記の基材シートの一方の面
に、以上の如き染料及びバインダーに必要に応じて添加
剤、例えば、離型剤等を加えたものを、適当な有機溶剤
に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、
例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア
版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段
により塗布及び乾燥して形成することができる。
【0025】このようにして形成する染料層は0.2〜
5.0μm、好ましくは0.4〜2.0μm程度の厚さ
であり、又、染料層中の昇華性染料は、染料層の重量の
5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の量で存
在するのが好適である。
【0026】形成する染料層は所望の画像がモノカラー
である場合は前記染料のうちから1色を選んで形成し、
又、所望の画像がフルカラー画像である場合には、例え
ば、適当なシアン、マゼンタ及びイエロー(更に必要に
応じてブラック)を選択して、イエロー、マゼンタ及び
シアン(更に必要に応じてブラック)の染料層を形成す
る。
【0027】上記の如き熱転写シートを用いて、画像を
形成するために使用する受像シートは、その記録面が前
記の染料に対して染料受容性を有するものであればいか
なるものでもよく、又、染料受容性を有しない紙、金
属、ガラス、合成樹脂等である場合には、その少なくと
も一方の表面に染料受容層を形成すればよい。又、熱溶
融型の熱転写シートの場合には、被転写材は特に限定さ
れず、通常の紙やブラスチックフイルムであってもよ
い。
【0028】上記の熱転写シート及び上記の如き受像シ
ートを使用して熱転写を行う際に使用するプリンターと
しては公知の熱転写プリンターがそのまま使用可能であ
り、特に限定されない。尚、以上の説明では、耐熱滑性
層がプライマー層を介して基材シートに形成されている
例を挙げて本発明を説明したが、基材シートに易接着処
理が施されていたり、耐熱滑性層の基材シートに対する
密着性が良好である場合には、プライマー層を省略し
て、帯電防止剤であるカーボンブラックは、前記プライ
マー層に添加すると同様な方法で耐熱滑性層に添加し
て、耐熱滑性層に帯電防止性を付与することも可能であ
る。
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。
【0029】実施例1〜3及び比較例1〜3プライマー層(帯電防止層)用インキ: カーボンブラック(後記表1参照) 1.5部 水溶性ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−961、日本合成化学工業製、 固形分30重量%) 3.5部(固形分) 水 55.0部 イソプロピルアルコール 40.0部 上記成分を混合し、カーボンブラックの平均粒径が25
0nm以下になるまでサンドミルにて1時間分散処理し
てインキを作製した。
【0030】実施例1〜3及び比較例1〜3では、上記
の各インキをPET基材シート(6.0μm、ダイヤホ
イル製)の一方の面にバーコーター6を用いて乾燥時
0.3μmの厚み(塗工量0.3g/m)になるよう
に塗布後、温風乾燥してそれぞれプライマー層(帯電防
止層)を形成した。但し、実施例1〜3においては基材
表面に設けられる検知マークの領域にはプライマー層は
形成せず、比較例1〜3では全面塗布を行った。
【0031】耐熱滑性層用インキ: ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 80部 ポリイシシアネート硬化剤(タケネートD218、武田薬品工業製)35部 (NCO/OH=1.8) 燐酸エステル(プライサーフA−208S、第一工業製薬製) 5部 溶剤(MEK/トルエン=1/1) 500部
【0032】上記インキを前記プライマー層のそれぞれ
表面に乾燥時1.0μmの厚みになるように塗布後温風
乾燥し、更に60℃で5日間オーブン中で加熱して硬化
処理を行ってそれぞれの耐熱滑性層を形成した。次に耐
熱滑性層の反対面に下記の染料層形成用インキをそれぞ
れの乾燥時厚みが1.0g/mになるようにグラビア
印刷にて塗布及び乾燥して本発明及び比較例の6種の熱
転写シートを得た。染料層形成用インキ: C.I.ソルベントブルー22 5.50部 アセトアセタール樹脂 3.00部 メチルエチルケトン 22.54部 トルエン 68.18部
【0033】以上で形成した帯電防止層を含む耐熱滑性
層の各種物性を測定した結果を下記表1に示す。各物性
は以下の方法で測定した。 (1)密着性:メンディングテープ(住友3M製、幅1
8mm)を耐熱滑性層面に貼り、一瞬の間に剥離した時
の耐熱滑性層及び帯電防止層の剥離具合を見た。 ○:剥離なし △:一部に剥離あり (2)半減期:静電気減衰測定機モデル406D(米国
ETS社製)を使用し、印加電圧5kvを耐熱滑性層に
かけ、印加を停止し、耐熱滑性層の帯電圧が2.5kv
に下がるまでの時間を測定した。0.1秒以下であれば
帯電防止性が良好とした。 (3)表面抵抗:Hiresta Model HT−
210(三菱油化製)を使用し、印加電圧500vで、
抵抗が1010Ω以下であれば帯電防止性が良好とした。 (4)インキ分散度:粒度分布測定装置PAR−III
(大塚電子製、動的光散乱法)を使用し、インキ中の分
散顔料の平均粒径の値を分散度として評価した。
【0034】
【表1】 帯電防止層を含む耐熱滑性層の物性 尚、表中の「単」は耐熱滑性層形成前であり「重」は耐
熱滑性層形成後である。又、実施例3のカーボンブラッ
ク/樹脂/溶剤の比率は1.0/4.0/95とした。
【0035】上記各熱転写シートを従来使用されている
被熱転写シートと重ね、転写記録装置を用いて下記の転
写条件で転写を行い、サーマルヘッドと熱転写シートと
の融着及び皺の発生、染料の移行性(60℃、17g/
、3日間)及び検知マークの作動性を調べた結果を
下記表2に示す。転写条件 : パルス幅・・・・・・・1ms 記録周期・・・・・・・2.0ms/line 記録エネルギー・・・・3.0J/cm
【0036】
【表2】 熱転写特性
【0037】評価方法: (1)融着・皺の発生:肉眼観察による。 (2)染料移行性:染料層と耐熱滑性層とを合わせた状
態で、200g/cmの圧をかけ、60℃で24時間
放置後、耐熱滑性層への染料の移行状態を評価した。 ○:移行なし △:やや移行が認められる ×:著しく移行する (3)検知マークの作動性:島津製作所製のUV−31
00を使用し、印刷物の950nm波長での透過率を測
定し、透過率が65%以上であれば検知マークの検知が
良好であり、問題なしとした。
【0038】
【効果】以上の如き本発明によれば、熱転写シートの基
材フイルムと耐熱滑性層との間のプライマー層に導電性
のカーボンブラックを含有させ、耐熱滑性層を薄く形成
することによって帯電防止性に優れ且つサーマルヘッド
を摩耗させない耐熱滑性層を有する熱転写シートが提供
される。又、上記プライマー層を熱転写シートの検知マ
ークを隠蔽しない形状で形成することによって、黒色の
プライマー層が熱転写シートに形成されている検知マー
クを隠蔽することがない。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱転写シートを図解的に説明する
図。
【図2】 本発明の熱転写シートを図解的に説明する
図。
【図3】 本発明の熱転写シートを図解的に説明する
図。
【符号の説明】
1:基材シート 2:検知マーク 3:プライマー層 4:耐熱滑性層 5:被塗工部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 雅之 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 中條 茂樹 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に複数色の熱転写
    性色材層と色材層の検知マークとを面順次に形成し、他
    方の面にプライマー層を介して耐熱滑性層が形成されて
    なる熱転写シートにおいて、上記プライマー層が導電性
    カーボンブラックを含有し、且つ上記検知マークを隠蔽
    しない形状で形成されていることを特徴とする熱転写シ
    ート。
  2. 【請求項2】 プライマー層がバインダーとしてポリエ
    ステル樹脂を含む請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 プライマー層の厚みが0.05〜0.5
    μmである請求項1に記載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】 耐熱滑性層が、熱可塑性樹脂とポリイソ
    シアネートとの反応生成物からなる請求項1に記載の熱
    転写シート。
  5. 【請求項5】 耐熱滑性層の厚みが0.1〜2.0μm
    である請求項1に記載の熱転写シート。
  6. 【請求項6】 基材シートの一方の面に複数色の熱転写
    性色材層と色材層の検知マークとを面順次に形成し、他
    方の面に耐熱滑性層を形成してなる熱転写シートにおい
    て、上記耐熱滑性層が導電性カーボンブラックを含有
    し、且つ上記検知マークを隠蔽しない形状で形成されて
    いることを特徴とする熱転写シート。
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