JP2013199092A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を防止でき、かつ高品質な画像形成が可能な転写シートを提供すること。
【解決手段】基材の一方の面上に染料層が、基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートであって、基材と前記染料層との間には、染料層と接する側の面に凹凸部を有する染料プライマー層が設けられ、染料層の染料プライマー層と接しない側の面が凹凸部に対応した凹凸形状を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
従来、昇華性染料を適当なバインダーで担持した染料層をポリエステルフィルム等の基材の一方面に設けた熱転写シートと、熱転写受像シート等の被転写体とを重ね合わせ、基材の他方面側と、サーマルヘッドとを接触させながらサーマルヘッドによる加熱処理を行うことで、昇華染料を被転写体に転写する昇華転写方式が知られている。この、昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単位で昇華性染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であり、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
この熱転写シートを用いて、基材に直接サーマルヘッドを直接的に接触させて印画を行うと、基材とサーマルヘッド間に生じる摩擦力により、走査時にスティッキングが発生し、印画不良となってしまう場合がある。また、印画時の熱によって基材がサーマルヘッドに融着し、熱転写シートの走行を妨げ、スティッキングを発生させるばかりか、著しい場合はシート破断を引き起こすことがある。したがって、熱転写シートの分野においては、基材の他方面に、耐熱性の向上や滑性付与による走行安定性を目的として背面層を設けることが通常行われている。
ところで、上記のような熱転写シートを用いて印画を行った場合に、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートとの間の摩擦帯電が大きい場合には、プリンタ初期動作中に、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとが張り付き、熱転写シートがプリンタに巻き込まれるトラブル(以下、このトラブルをJAMという。)が発生する場合がある。また、熱転写シートの染料層と背面層との間の剥離帯電が大きい場合には、熱転写シートの小巻状態において、染料層と背面層とを巻きほぐす際の支障となる場合がある。これら熱転写シートの染料層との間に生ずる種々の帯電の中でも、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電に起因するJAMの発生は、プリンタ初期動作時における大きなトラブルとなることから、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートとの間の摩擦帯電を小さくすることは非常に重要である。現在のところ、熱転写シートの染料層と、熱転写受像シートとの間の摩擦帯電を小さくするには、(1)背面層を粗面化させること、若しくは(2)染料層を粗面化させて染料層と熱転写受像シートと染料層との接触面積を少なくすることが有効な手段であると考えられている。熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電に着目したものではないが、特許文献1には、基材の一方の面に染料層が設けられ、基材の他方の面にその表面から球状粒子が突出した背面層が設けられた熱転写シートが提案されている。なお、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電に着目した熱転写シートは現在のところ存在していない。
特開2010−179523号公報
ところで、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電を小さくする手段として、上記(1)の方法を採用した場合には、サーマルヘッドから加熱処理を行って画像を形成するときに、粗面化した背面層に追従するように形成される画像も粗面化してしまい、形成される画像の光沢度は低下する。したがって、形成される画像の光沢度を向上させるためには、背面層は平滑であることが好ましい。一方、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電を小さくする手段として、上記(2)の方法を採用した場合には、微小粒子が存在する位置の染料層と、微小粒子が存在しない位置の染料層とでその印画濃度が異なり、該染料層を有する熱転写シートを用いて形成される画像にカスレやザラツキ等が発生することとなる。したがって、高品質の画像を形成するためには、染料層に微小粒子等が含有されていないことが好ましい。しかしながら、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートの間に生ずる摩擦帯電を小さくするためには、上記(1)、(2)の方法を用いるほかなく、高品質の画像を形成する際の障害となっていた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、プリンタ初期動作時にJAMの発生を防止でき、かつ高品質な画像形成が可能な転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に染料層が、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記基材と前記染料層との間には、前記染料層と接する側の面に凹凸部を有する染料プライマー層が設けられ、前記染料層の前記染料プライマー層と接しない側の面が、前記凹凸部に対応した凹凸形状を有することを特徴とする。
また、前記染料層の前記染料プライマー層と接しない側の面の表面の十点平均粗さをRzとした場合に、Rzが2.5μm以上3.5μm以下であり、前記背面層の前記基材と接しない側の面の表面の十点平均粗さをRzとした場合に、Rzが2.0μm以上4.0μm以下であってもよい。
また、前記染料プライマー層には、該染料プライマー層の表面からその表面の一部分が突出するように微小粒子が含有されており、これにより、前記染料プライマー層は、前記染料層と接する面に凹凸部を有するものであってもよい。この場合において、この微小粒子が、多角形状の微小粒子であってもよい。
本発明の熱転写シートによれば、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を防止でき、かつ高品質な画像形成が可能となる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の熱転写シート10について図面を用いて具体的に説明する。図1、図2に示すように本発明の熱転写シート10は、基材1の一方の面に染料プライマー層3を介して染料層2が設けられ、基材1の他方の面に背面層5が設けられた構成をとる。ここで、本発明は、染料プライマー層3が、染料層2と接する側の面に凹凸部11を有し、これにより染料層2の染料プライマー層3と接しない側の面が、凹凸部11に対応した凹凸形状12を有することを特徴とする。なお、図1、図2は、本発明の熱転写シート10の一例を示す概略断面図であり、説明の便宜上凹凸部11や凹凸形状12を誇張して示している。
以下、本発明の熱転写シート10について図面を用いてさらに詳細に説明する。
(基材)
基材1は本発明の熱転写シート10における必須の構成であり、染料プライマー層3、及び背面層5を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、染料層2の染料を熱転写受像シート上に転写する際にサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5μm〜100μm程度が一般的で、好ましくは1μm〜10μmである。
(染料プライマー層)
図1、図2に示すように、基材1の一方の面(図1、図2に示す場合には基材1の上面)には、染料プライマー層3が設けられている。染料プライマー層3は、本発明の熱転写シート10における必須の構成である。
図1、図2に示すように染料プライマー層3の表面が凹凸部11を有しており、後述する染料層2の表面は、該凹凸部11の形状に対応した凹凸形状12を有している。
本発明では、染料層や背面層に微小粒子等を添加せしめることで染料層や背面層の表面に凹凸形状を形成、或いは染料層や背面層にエンボス等の公知の手段で凹凸形状するのではなく、上記のように染料プライマー層3の表面が凹凸部11を有し、染料層2の表面が、凹凸部11に対応する凹凸形状12を有する構成を採用することで、以下の点で優位性を示す。
背面層に微小粒子等を添加せしめて、或いはエンボス加工等によって、その表面を凹凸形状とした背面層を有する熱転写シートを用いて画像形成を行った場合には、背面層の凹凸形状に起因して、形成される画像の光沢度が低下することとなる。また、染料層に微小粒子を添加せしめて、その表面を凹凸形状とした染料層を有する熱転写シートを用いて画像形成を行った場合には、染料層に含まれる微小粒子に起因して、画像濃度にバラツキが生じ、形成される画像にカスレやザラツキが発生する。具体的には、微小粒子が存在する箇所に位置する部分の染料層と、微小粒子が存在しない箇所に位置する部分の染料層とで画像濃度にバラツキが生ずる。一方、染料層にエンボス加工等を施して、その表面を凹凸形状とした場合には、染料層の厚みにバラツキが生ずることから、上記と同様に画像濃度にバラツキが生ずる。具体的には、凹凸形状を形成する凸部は染料層の厚みが厚い部分となり、凹部は染料層の厚みが薄い部分となり、染料層におけるこの厚みの差が画像濃度のバラツキにつながる。
本発明では、染料層2の表面が、染料プライマー層3の表面が有する凹凸部11に対応する凹凸形状12を有することから、画像形成時における染料層2と熱転写受像シートとの接触面積は小さくなる。これにより、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電が小さくなりプリンタ初期動作時におけるJAMの発生が防止される。以下、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートとの間の摩擦帯電を単に摩擦帯電という場合がある。
また、本発明では、染料層2の表面の凹凸形状12によって摩擦帯電を小さくしており、摩擦帯電を小さくするために背面層5の表面を粗面化させることを要しない。したがって、本発明によれば、背面層5の表面を粗面化させることで生じうる画像の光沢度の低下を防止することができる。
さらに、染料層2の表面の凹凸形状12は、染料プライマー層3の表面が有する凹凸部11に対応する形状であることから、染料層2の厚みは凹凸形状12を形成する凸部12a、及び凹部12bでほぼ一定となる。したがって、染料層2の厚みがばらつくことによる画像濃度の低下も防止することができる。また、染料層に微小粒子を添加することなく、その表面に凹凸形状12が形成されることから、画像濃度にバラツキが生じることや、形成される画像にカスレやザラツキが発生することもない。つまり、本発明の構成によれば、プリンタ初期動作時におけるJAMの発生を防止でき、かつ高品質な画像形成が可能となる。
染料プライマー層3の表面が有する凹凸部11は、該染料プライマー層3上に位置する染料層2の表面に凹凸形状12を形成するために設けられ、その形状等について特に限定はない。しかしながら、染料層2の表面が有する凹凸形状12が極めて微小な場合、具体的には、染料層2の表面の十点平均粗さ(Rz)が2.5μm未満である場合には、摩擦帯電を十分に小さくできない場合が生じうる。一方で、染料層2の表面が有する凹凸形状12が極めて大きい場合、具体的には、染料層2の表面の十点平均粗さ(Rz)が3.5μmを超える場合には、摩擦帯電を十分に小さくできるものの、熱転写受像シートへの染料層2の染料の転写効率や、形成される画像の品質が低下する場合がある。この点を考慮すると、染料プライマー層3上に位置する染料層2の表面の十点平均粗さ(Rz)は2.5μm以上3.5μm以下であることが好ましい。したがって、染料プライマー層3の表面が有する凹凸部11は、染料層2の表面の十点平均粗さ(Rz)が上記範囲内となるような形状で形成されていることが好ましい。なお、十点平均粗さ(Rz)は、JIS 0601−1994表面粗さの規格に準拠して測定された値である。
なお、染料層2の凹凸形状12は、染料層2の厚みや、染料層2を形成する際の塗工液の粘度等によっても変化する。具体的には、染料プライマー層3が有する凹凸部11の形状が同一であっても、染料層2を形成するための塗工液の濃度や、塗工量によって、染料層2の表面が有する凹凸形状12も異なる。したがって、凹凸部11の設定にあたっては、これらの点を考慮する必要がある。
染料プライマー層3は、染料層2の表面に凹凸形状12を形成するための凹凸部11を有する点を特徴とする。したがって、染料プライマー層3を構成する樹脂成分について特に限定はなく、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いることができる。例えば、染料プライマー層3の樹脂成分として、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂やポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
次に、表面に凹凸部11を有する染料プライマー層3の具体的な態様について説明する。本発明では、以下の2つの態様を例示することができ、いずれの方法も好適に採用することができる。
<第1の態様>
第1の態様は、図1に示すように、染料プライマー層3の表面からその表面の一部分が突出するように微小粒子15を含有せしめた態様であり、具体的には、染料プライマー層3の表面と、染料プライマー層3の表面から突出した微小粒子15とによって、染料プライマー層3の表面に凹凸部11が形成された態様である。
微小粒子15は、少なくともその表面の一部分が染料プライマー層3の表面から突出していればよく、染料プライマー層3に含有される全ての微小粒子15が、染料プライマー層3の表面から突出している必要はない。
微小粒子15の形状についても特に限定はなく、鱗片形状、偏平形状、紡錘形状、球状、多角形状等いずれの形状のものも使用することができる。これらの形状のなかでも、本態様においては、多角形状のものを好ましく使用することができる。多角形状の微小粒子15によれば、その表面の一部分を、染料プライマー層3の表面から突出させることで凹凸部11の形状をランダムな形状とすることができる。これにともない、染料層2の表面が有する凹凸形状12もランダムな形状となることから、摩擦帯電をさらに小さくすることが可能となる。また、多角形状の微小粒子15は、凹凸部11を容易に形成することができる点でも好ましい。
微小粒子は無機微小粒子であってもよく、有機微小粒子であってもよい。無機微小粒子としては、例えば、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機微粒子が挙げられる。有機微粒子としては、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機微小粒子、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋微小粒子等が挙げられる。
これらの微小粒子は、市販品をそのまま使用することもでき、例えば、多角形状のシリコーン樹脂微粒子としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のトスパール240や、日興リカ(株)製のMSP−4000等を挙げることができる。上記のシリコーン樹脂微粒子(トスパール240)は、熱分解温度が420℃、また、シリコーン樹脂微粒子(MSP−4000)は熱分解開始温度が350℃以上と非常に耐熱性に優れることから、本発明において好適に使用することができる。
微小粒子15の粒子径について特に限定はないが、微小粒子15の粒子径が著しく微小な場合には、染料プライマー層3を形成するための塗工液内に微小粒子15を十分に分散させた場合であっても、微小粒子15を染料プライマー層3の表面に突出させることが困難となる場合がある。また、染料層2の表面に、摩擦帯電を十分に防止できる程度の凹凸形状を形成することができない場合もある。したがって、微小粒子15は、この点を考慮して選択することが重要である。微小粒子15の好ましい粒子径を挙げるとすれば、0.3μm以上15μm程度である。
なお、微小粒子15の粒子径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定装置で測定される体積平均粒子径である。粒度分布測定装置としては例えば、ベックマン・コールター(株)製のコールターLS230等を使用することができる。
上記染料プライマー層3の材料として例示した樹脂成分に対する微小粒子の含有量についても特に限定はなく、その表面の一部分が、染料プライマー層3の表面から突出できる程度に含有されていればよい。
第1の態様の染料プライマー層3は、上記で例示した樹脂成分を適当な溶媒に分散ないし溶解した液中に、微小粒子を添加した塗工液を調製し、これを基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。染料プライマー層3の厚みについても特に限定はないが、表面から突出した微小粒子15を除いた部分の厚みが、0.02μm〜0.20μm程度であり、微小粒子15の突出した部分の厚みが1.0μm〜3.0μm程度であることが好ましい。
<第2の態様>
上記第1の態様が微小粒子15によって染料プライマー層3の表面に凹凸部11を形成しているのに対し、第2の態様は、図2に示すように、染料プライマー層3を構成する樹脂成分そのものが凹凸部11を構成している。この点を除いては、第1の態様と同様であり、凹凸部11の形状や、染料プライマー層3の樹脂成分については、詳細な説明は省略する。
第2の態様の凹凸部11の形成方法としては、例えば、上記第1の態様で例示した樹脂成分を適当な溶媒に分散ないし溶解した塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の従来公知の手段により塗布した後、所望の凹凸形状を有するエンボス版を型押しすることにより形成する方法や、凹凸部11に対応する凹凸形状を有する印刷版を用い上記第1の態様で例示した樹脂成分を塗布可能な形にしたものをグラビア印刷することで形成する方法が挙げられる。
第2の態様における染料プライマー層3の厚みについても特に限定はないが、染料プライマー層3の基材1側の面から、染料プライマー層3の凹部底面までの距離h2が、0.02μm〜0.2μm程度であることが好ましい。また、凹部底面から凸部頂面までの距離h1が0.50μm〜2.0μm程度であることが好ましい。
(染料層)
図1、図2に示すように、凹凸部を有する染料プライマー層3上には、染料層2が設けられている。染料層2は、本発明の熱転写シート10における必須の構成である。
そして、本発明では、染料層2の表面が、上記で説明した染料プライマー層3の表面が有する凹凸部11に対応する凹凸形状12を有している。上述したように、本発明では染料層2の表面に凹凸形状12を形成するにあたり、染料層2の表面をエンボス加工する方法や、染料層2に微小粒子を含有せしめるのではなく、染料層2と基材1との間に、その表面に凹凸部を有する染料プライマー層3を設けることで、染料層2の表面が凹凸形状12を有する。したがって、染料層2の表面にエンボス加工等を施すことによって生じうる染料層2の厚みのバラツキや、染料層2に微小粒子を含有せしめることによる画像濃度の低下等の問題を生じさせることなく、摩擦帯電を小さくすることができる。
その表面に凹凸形状12を有する染料層2の表面の面粗度について特に限定はなく、摩擦帯電を十分に小さくできる程度の範囲内で適宜設定することができる。なお、染料層2の染料プライマー層3と接しない側の面の表面の十点平均粗さ(Rz)が2.5μm未満である場合には、摩擦帯電を十分に小さくできなくなる場合があり、一方で、十点平均粗さ(Rz)が3.5μmを超えると、染料層の被転写体上への転写効率や、形成される画像の品質の低下が懸念される。したがって、この点を考慮すると、その表面に凹凸形状を有する染料層2の表面の十点平均粗さ(Rz)は、2.5μm以上3.5μm以下であることが好ましい。
染料層2は、本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する染料層であり、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する染料層となる。なお、昇華性の染料を含有する染料層と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する染料層とを連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。以下、昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
染料層2の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点において好ましい。
染料層2の形成方法としては、上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤、フィラー等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた染料層用塗工液を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
染料層2の厚みについて特に限定はないが、0.3μm〜1.5μm程度であることが好ましい。なお、本発明では、染料層2の表面は凹凸形状12を有しているが、この凹凸形状12は、上述したように、染料プライマー層3の表面が有する凹凸部11に対応する形状であることから、凹凸形状12をなす凸部12a、凹部12bにおいてその厚みはほぼ一定となっている。
(背面層)
基材1の他方の面(図1、図2に示す場合にあっては基材1の下面)には、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5が設けられている。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂にポリイソシアネート樹脂等の硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させることができる。
本発明では、上述したように染料層2の表面が有する凹凸形状12によって、熱転写受像シートと染料層2との接触面積を小さくさせ、これにより摩擦帯電を小さくしている。つまり、本発明では、摩擦帯電を小さくするために、背面層5の表面を凹凸形状とすることを要しない。なお、背面層5の表面が凹凸形状を有している場合には、その凹凸の度合いによっては、染料層2を熱転写受像シート上に転写することで得られる画像の光沢度が低下する場合がある。この点を考慮すると、背面層5の表面は平滑であることが好ましい。
より具体的には、背面層5の基材1と接しない側の表面の十点平均粗さ(Rz)は、2.0μm以上4.0μm以下であることが好ましい。十点平均粗さ(Rz)が、4.0μmを超えると、本発明の熱転写シートを用いて形成される画像の光沢度が低下する傾向にあり、一方で、2.0μm未満である場合には、熱転写シートの保存性が低下する場合や、背面層5とサーマルヘッドとの滑り性が低下し、シワや破断が生ずる場合がある。
背面層5には、上記に例示した熱可塑性樹脂に加え、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤を含有させることもできるが、その表面の十点平均粗さ(Rz)が、上記好ましい範囲内となるようにその含有量や、背面層5の表面からの添加剤の突出量を調整することが望ましい。
背面層5は、例えば、上記で例示した熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の染料層2の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.2μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
上記では熱転写受像シートを中心に説明を行ったが、これに限定されることはない。例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等の従来公知の材料であっても使用可能である。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液1を乾燥時0.5g/m2になるように塗布、乾燥して背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成の染料プライマー層用塗工液1を乾燥時0.1g/m2になるように塗布、乾燥して染料プライマー層を形成した。次いで、該プライマー層上に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、マゼンタ染料層用塗工液1、シアン染料層用塗工液1を、乾燥時0.6g/m2になるように、この順で面順次に繰り返して塗布、乾燥してイエロー染料層1、マゼンタ染料層1、シアン染料層1を形成することで、実施例1の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルアセタール 60.8部
(エスレック KS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックス3000 東洋ペトロライト(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
<染料プライマー層用塗工液1>
・アルミナゾル(固形分10%) 30部
(日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社製)
・シリコーン樹脂微粒子(平均粒径4μm) 0.18部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
<イエロー染料層用塗工液1>
・分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
・分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料A) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
Figure 2013199092
<マゼンタ染料層用塗工液1>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5、積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液1>
・分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
・分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(実施例2)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液2を使用した以外は全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液2>
・アルミナゾル(固形分10%) 30部
(日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社製)
・シリコーン樹脂微粒子微粒子(平均粒径3μm) 0.18部
(MSP−4000 日興リカ(株)製)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
(比較例1)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成の染料プライマー層用塗工液Aを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<染料プライマー層用塗工液A>
・アルミナゾル(固形分10%) 30部
(日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社製)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
(比較例2)
染料プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成の染料プライマー層用塗工液Aを使用し、背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液Aを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液A>
・ポリビニルブチラール 24部
(デンカブチラール#3000−5 電気化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 32部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 12部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 12部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・フィラー 6部
(MICRO ACE P−3 日本タルク工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 12部
(ポリワックス3000 東洋ペトロライト(株)製)
・メチルエチルケトン 50.32部
・トルエン 251.68部
(比較例3)
染料層用塗工液1にかえて、下記組成の染料層用塗工液Aを使用し、染料プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成の染料プライマー層用塗工液Aを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
<イエロー染料層用塗工液A>
・分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
・分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料A) 2.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂微粒子(平均粒径4μm) 0.18部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
Figure 2013199092
<マゼンタ染料層用塗工液A>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5、積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・シリコーン樹脂微粒子(平均粒径4μm) 0.18部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液A>
・分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
・分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部
(KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
・シリコーン樹脂微粒子(平均粒径4μm) 0.18部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
(表面粗さの測定)
表面粗さ測定機(サーフコム 1400 3DF (株)東京精密製)を用い、下記の条件で、各実施例、及び比較例の熱転写シートの、染料層、及び背面層の表面粗さの測定を行った。測定結果を表1に示す。
<測定条件>
測定方法;2次元、測定範囲;4mm、測定ピッチ;20μm、測定倍率;20K、λsフィルタ;無し、カットオフ種別;ガウシアン、カットオフ波長;0.8mm、傾斜補正;最小自乗直線、測定速度;0.6mm/s、ピックアップ種別;標準ピックアップ
(JAM評価)
CXプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタに、各実施例、及び比較例の熱転写シートと、熱転写受像シートをセットし、プリンタの初期動作の状態について以下の評価基準に基づいてJAM発生の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、熱転写シートが熱転写受像シートに貼りつき巻き込まれたとは、JAMの発生を意味する。
<評価基準>
○・・・初期動作が通常に行われた。
×・・・初期動作中に熱転写シートが熱転写受像シートに貼りつき、巻き込まれた。
(光沢度評価)
CXプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタ)と、各実施例、及び比較例の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上にデフォルト条件で黒ベタ画像を印画した。この印画物の光沢度(黒ベタ画像上の光沢度)を、光沢度計(Gloss meter VG2000(日本電色(株)製)を用いて測定し以下の評価基準に基づいて光沢度評価を行った。評価結果を表1に示す。また、実測値を併せて示す。
測定入射角・・・20°
測定方向・・・主走査方向
<評価基準>
○・・・黒ベタ部の光沢度が50以上
×・・・黒ベタ部の光沢度が50未満
(転写濃度評価)
各実施例、及び比較例の熱転写シートと、CXプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタ専用標準紙とを組合せて、CXプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタを用いて黒ベタを印画し、マクベス濃度計RD−918(サカタインクス(株)製)により、3Bkの最高印画濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて転写濃度の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
○・・・最高印画濃度が、比較例1の最高印画濃度の95%以上である。
×・・・最高印画濃度が、比較例1の最高印画濃度の95%未満である。
(ハイライト部の再現性評価)
各実施例、及び比較例の熱転写シートと、CVプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタ専用標準紙とを組合せて、CVプリンタ(シチズン・システムズ(株)製昇華転写プリンタを用いて、グレーのハイライト部分(階調値1/255〜50/255)である階調印画パターンを印画し、以下の評価基準に基づいて、得られた印画物のハイライト部の階調再現性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
○・・・比較例1と同等レベルの階調再現性を有しており、良好である。
×・・・比較例1と比較して濃度が不均一でありザラツキがあり、階調再現性として満足できないものである。
Figure 2013199092
表1からも明らかなように、染料プライマー層の表面が凹凸部を有し、この凹凸部に対応した凹凸形状を有する染料層を備える実施例の熱転写シートでは、プリンタ初期動作時にJAMの発生がなく、転写濃度、及びハイライト部の再現性にも優れた結果となった。一方、染料プライマー層の表面が凹凸部を有さず、染料層の表面も凹凸形状を有しない比較例1の熱転写シートでは、プリンタ初期動作時にJAMが発生した。また、比較例1の背面層を粗面化させた比較例2では、プリンタ初期動作時にJAMの発生を防止できるものの、光沢度が低下した。また、染料層に微小粒子を含有せしめることで、染料層にのみ凹凸部を形成した比較例3の熱転写シートでは、プリンタ初期動作時にJAMの発生はないものの、転写濃度が低く、ハイライト部の再現性も低い結果となった。以上のことより、本発明の優位性が明らかとなった。
1…基材
2…染料層
3…染料プライマー層
5…背面層
15…微小粒子
11…凹凸部
12…凹凸形状

Claims (4)

  1. 基材の一方の面上に染料層が、前記基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記基材と前記染料層との間には、前記染料層と接する側の面に凹凸部を有する染料プライマー層が設けられ、
    前記染料層の前記染料プライマー層と接しない側の面が、前記凹凸部に対応した凹凸形状を有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記染料層の前記染料プライマー層と接しない側の面の表面の十点平均粗さをRzとした場合に、Rzが2.5μm以上3.5μm以下であり、
    前記背面層の前記基材と接しない側の面の表面の十点平均粗さをRzとした場合に、Rzが2.0μm以上4.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記染料プライマー層には、該染料プライマー層の表面からその表面の一部分が突出するように微小粒子が含有されており、これにより、前記染料プライマー層は、前記染料層と接する面に凹凸部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記微小粒子が、多角形状の微小粒子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
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