JP6149608B2 - 熱転写シート - Google Patents
熱転写シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP6149608B2 JP6149608B2 JP2013175138A JP2013175138A JP6149608B2 JP 6149608 B2 JP6149608 B2 JP 6149608B2 JP 2013175138 A JP2013175138 A JP 2013175138A JP 2013175138 A JP2013175138 A JP 2013175138A JP 6149608 B2 JP6149608 B2 JP 6149608B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- thermal transfer
- parts
- layer
- transfer sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
また、本発明は前記多角形状の有機フィラーの含有量が、前記耐熱滑性層固形分に対し0.1%以上0.9%以下であることを特徴とする熱転写シートの構成とした。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示し、その熱転写シート1は、基材2の一方の面に、耐熱滑性層3を備え、その基材2の他方の面に色材層4を備えた構成である。
また図2は本発明の熱転写シートの他の実施形態を示し、基材2の一方の面に、耐熱滑性層3を備え、その基材2の他方の面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各熱転写性色材層4を面順次に、繰り返し備えた構成である。
また図示してはいないが、基材2と耐熱滑性層3との間に接着層を備える、また基材2と色材層4との間に接着層を備えるなど、本発明の熱転写シートの機能を損なわない範囲で新たな層を備えることができる。
(基材)
基材2は本発明の熱転写シート1における必須の構成であり、耐熱滑性層3及び色材層4を保持するために設けられる。基材の材料にいては特に限定されないが、色材層の染料などを被転写体上に転写する際にサーマルヘッドにより加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5〜100μm程度が一般的で、好ましくは1〜10μmである。
本発明における耐熱滑性層3は、バインダー樹脂と、多角形状の有機フィラーを含有した構成であり、前記バインダー樹脂がポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方又は双方を、イソシアネート系硬化剤によって硬化させた硬化型樹脂であり、前記ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方の又は双方が有する水酸基と、前記イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基とのモル当量比(―NCO/−OH)が0より大きく0.1未満であり、かつ前記多角形状の有機フィラーの含有量が、前記耐熱滑性層固形分に対し0%より大きく1%未満であるようにした。
上記多角形状の有機フィラーの含有量については、耐熱滑性層固形分に対し0%より大きく1%未満である。その有機フィラーの含有量が1%以上であると、その有機フィラーを耐熱滑性層で保持しにくくなり、サーマルヘッドにカスが付着しやすくなる。また、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの摩擦力が高くなり、印画シワや、印画不良が生ずる可能性がある。
上記のように多角形状の有機フィラーを耐熱滑性層に含有させることで、サーマルヘッドに付着するカスの抑制性能、サーマルヘッドの摩耗防止性能の双方の性能を満たすことができる。
本発明では、熱転写シートの基材における耐熱滑性層が備えられている面と反対側の面に、色材層4を備える。その色材層は熱転写性の色材層であり、以下の染料層、または熱溶融性インキ層が適用できる。熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層(染料層)を形成する。また熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインキを含有する層(熱溶融性インキ層)を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。
また、基材2と耐熱滑性層3との間に、基材2と耐熱滑性層3との密着性を向上させるための図示しない背面プライマー層を設けてもよい。背面プライマー層の材料としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩酢ビ系樹脂、およびポリビニルブチラール樹脂等接着性を示すものが挙げられる。また、従来公知の各種添加剤を配合してもよい。
本発明の熱転写シートが昇華型の熱転写シートである場合には、図示しないが基材2と染料層である色材層4との間に染料プライマー層が設けられていることが好ましい。染料プライマー層を設けることで基材2と染料層4との密着性を向上させ、画像形成時に染料層4が異常転写されることを防止することができる。
本発明の熱転写シートを用いる画像形成方法においては、熱転写シートと、熱転写受像シートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、その熱転写シートが含有する昇華性染料を、熱転写受像シートに転写することにより画像形成することができる。なお、その熱転写受像シートの画像形成面は、染料の染着性を有するものである。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。
(実施例1)
基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その基材の一方の面に、下記組成のプライマー層用塗工液をグラビアコート法にて、固形分で0.2g/m2で塗工し、プライマー層を形成し、次いでそのプライマー層上に下記組成の耐熱滑性層用塗工液1をグラビアコート法にて、固形分で0.5g/m2で塗工し、耐熱滑性層を形成した。
・ポリビニルアルコール樹脂 2.67部
(クラレポバールPVA−117 クラレ(株)製 固形分100% 重合度1700)
・チタンキレート剤 55.5部
(オルガチックスTC−300 マツモトファインケミカル(株)製 固形分42%)
・水 45.89部
・変性エタノール 45.89部
モル当量比(−NCO/−OH);0.05
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 3.1部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;3μm 多角形状) 0.62部
(MSP−4000 日興リカ(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液1で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0.5%である。
<プライマー層用塗工液>
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%、日産化学工業(株)製、商品名:アルミナゾル200) 30部
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 3部
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
・分散染料(ディスパースイエロー231) 2.5部
・分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料A) 2.5部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・シリコーンオイル 0.5部
(メチルスチリル変性シリコーンオイルKF410、信越化学工業株式会社製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・シリコーンオイル 0.5部
(メチルスチリル変性シリコーンオイルKF410、信越化学工業株式会社製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・分散染料(ソルベントブルー63) 2.5部
・分散染料(ディスパースブルー354) 2.5部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・シリコーンオイル 0.5部
(メチルスチリル変性シリコーンオイルKF410、信越化学工業株式会社製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液2に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液2>
モル当量比(−NCO/−OH);0.05
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 3.1部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;4μm 多角形状) 0.62部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液2で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0.5%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液3に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液3>
モル当量比(−NCO/−OH);0.05
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 3.1部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;4μm 多角形状) 1.25部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液3で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し1%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液4に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液4>
モル当量比(−NCO/−OH);0.05
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 3.1部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液4で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液5に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液5>
モル当量比(−NCO/−OH);1
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 62.7部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液5で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液6に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液6>
モル当量比(−NCO/−OH);0
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液6で、イソシアネート系硬化剤及び多角形状の有機フィラーは含有せず、モル当量比(−NCO/−OH)が0であり、また多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液7に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液7>
モル当量比(−NCO/−OH);0.5
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 31.4部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;4μm 多角形状) 1.54部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液7で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し1%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液8に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液8>
モル当量比(−NCO/−OH);0.5
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 31.4部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;3μm 多角形状) 0.77部
(MSP−4000 日興リカ(株)製)
・フィラー(タルク、ミクロエースP−3 日本タルク工業(株)製) 0.61部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液8で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0.5%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液9に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液9>
モル当量比(−NCO/−OH);0
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;3μm 多角形状) 1.22部
(MSP−4000 日興リカ(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液9で、多角形状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し1%である。
実施例1で作製した熱転写シートにおける耐熱滑性層用塗工液1を下記組成の耐熱滑性層用塗工液10に代えた以外は実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。
<耐熱滑性層用塗工液10>
モル当量比(−NCO/−OH);0
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー(平均粒子径;2μm 真球状) 0.60部
(トスパール120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
上記の塗工液10で、真球状の有機フィラーの含有量は、耐熱滑性層固形分に対し0.5%である。
(印画カスの評価)
実施例1〜2、及び比較例1〜8の熱転写シートを、三菱電機社製昇華型プリンタ(CP9800D)用熱転写受像シートと組み合わせ、以下の印画条件にて0階調、128階調、255階調の印画を、印画メートル数400m、800m、1200m、1600m及び2000mでそれぞれ行なった。このときのサーマルヘッド(発熱体)に付着する印画カスの状態を目視にて確認し、以下評価基準に基づいて印画カスの評価を行なった。
・サーマルヘッド;ヘッド抵抗値5020Ω、解像度300dpi(dots per inch)(東芝ホクト電子社製)
・ライン速度;1ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(line
per inch))
・パルスデューティ;90%
・印加電力;32V
・印圧;40N
・印画画像;幅1600ピクセル×長さ1090ピクセルのサイズで、階調0〜255のグラデーション画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
○・・・発熱体周辺部にカスが溜まらない
△・・・発熱体周辺部にカスが溜まっているが、印画物に濃淡ムラがない。
×・・・発熱体周辺部にカスが溜まっており、印画物に濃淡ムラが発生している。
なお、評価が○である場合には、印画物に色抜けが生じる恐れが殆どなく、良好な印画物を得ることができる。
実施例1〜2、及び比較例1〜8の熱転写シートを、三菱電機社製昇華型プリンタ(CP9800D)用熱転写受像シートと組み合わせ、上記の印画カスにおける印画条件と同様にて255階調の印画を、印画メートル数20mで行なった。なお、印画は、0℃環境下にて行なった。印画後の印画物を目視にて確認し、以下の評価基準により印画キズの評価を行なった。
○・・・印画キズの発生がない。
△・・・印画キズの発生はあるが、増加傾向はない。
×・・・印画キズが発生し、印画枚数を重ねると印画キズの発生本数が増加する。
なお、評価が○である場合には、印画物に色抜けが生じる恐れが殆どなく、良好な印画物を得ることができる。
上記で得られた各熱転写シートを、三菱電機社製昇華型プリンタ(CP9000D)用熱転写受像シートと組み合わせ、以下の条件で印画時の摩擦力を測定した。なお、印画及び摩擦力の測定には、特開2003−300338号公報で記載されている摩擦力測定機能付熱転写プリンタを使用した。
「印画条件」
サーマルヘッド:東芝ホクト電子社製サーマルヘッド、ヘッド抵抗値5020Ω解像度300dpi(dots per inch)
ライン速度:1ms/Line、(用紙搬送方向の解像度は、300lpi(line per inch))
パルスデューティ:90%
印加電圧:30.0V
印圧:40N
印画画像:幅1388ピクセル×長さ945ピクセルのサイズで、階調0〜255のグラデーション画像(1ピクセルは、1ドットに相当)
「評価基準」
3:動摩擦係数が0.4以下であり、印画時のサーマルヘッドとの接触による滑り性が良好である。
2:動摩擦係数が0.4以上0.5未満であり、印画時のサーマルヘッドとの接触による滑り性が少し劣る。
1:動摩擦係数が0.5以上であり、印画時のサーマルヘッドとの接触による滑り性が不良である。
実施例1〜2、及び比較例1〜8の熱転写シートを、三菱電機社製昇華型プリンタ(CP9800D)用熱転写受像シートと組み合わせ、上記の印画カスにおける印画条件と同様にして、255階調(印加エネルギー最大)の画像を印画して、印画物の画像にシワなどの画像欠陥の有無を、目視にて調べた。その評価は、以下の評価基準にて行なった。
○・・・印画シワなど画像欠陥の発生がない。
△・・・印画シワなどの画像欠陥の発生が少しある。
×・・・印画シワなどの画像欠陥の発生が多く、目立つ。
なお、評価が○である場合には、印画物に印画シワなど画像欠陥が生じる恐れが殆どなく、良好な印画物を得ることができる。
上記の有機フィラー含有量は、耐熱滑性層固形分に対する比率(%)である。
比較例1の熱転写シートは、耐熱滑性層における多角形状の有機フィラーの含有量が多く、印画カスで評価が良くない。
比較例2の熱転写シートは、耐熱滑性層に多角形状の有機フィラーを全く含有せず、印画カス、印画キズの評価が良くない。
比較例3の熱転写シートは、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方の又は双方が有する水酸基と、イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基とのモル当量比(−NCO/−OH)が1であり、また多角形状の有機フィラーを全く含有せず、印画キズ、背面摩擦及び印画シワの評価が良くない。
比較例5の熱転写シートは、ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方の又は双方が有する水酸基と、イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基とのモル当量比(−NCO/−OH)が0.5であり、多角形状の有機フィラーの含有量が多く、背面摩擦、印画シワの評価が良くない。
比較例6の熱転写シートは、比較例5の熱転写シートと同様にモル当量比(−NCO/−OH)が0.5であり、多角形状の有機フィラーの含有量は耐熱滑性層固形分に対し0.5%であり、背面摩擦、印画シワの評価が良くない。
比較例8の熱転写シートは、モル当量比(−NCO/−OH)が0であり、含有する有機フィラーは耐熱滑性層固形分に対し0.5%であるが、多角形状ではなく真球状であり、印画カス、印画キズの評価が良くない。
2 基材
3 耐熱滑性層
4 色材層
Claims (3)
- 基材の一方の面に耐熱滑性層を備え、前記基材の他方の面に色材層を備える熱転写シートであって、
前記耐熱滑性層はバインダー樹脂と、多角形状の有機フィラーと、エトキシ化アルコール変性ワックスを含有し、
前記バインダー樹脂がポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方又は双方を、イソシアネート系硬化剤によって硬化させた硬化型樹脂であり、
前記ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方の又は双方が有する水酸基と、前記イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基とのモル当量比(−NCO/−OH)が0より大きく0.1未満であり、
かつ前記多角形状の有機フィラーの含有量が、前記耐熱滑性層固形分に対し0%より大きく1%未満であることを特徴とする熱転写シート。 - 前記ポリビニルブチラール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の何れか一方の又は双方が有する水酸基と、前記イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基とのモル当量比(−NCO/−OH)が0.01以上0.09以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記多角形状の有機フィラーの含有量が、前記耐熱滑性層固形分に対し0.1%以上0.9%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013175138A JP6149608B2 (ja) | 2013-08-27 | 2013-08-27 | 熱転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013175138A JP6149608B2 (ja) | 2013-08-27 | 2013-08-27 | 熱転写シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015044286A JP2015044286A (ja) | 2015-03-12 |
JP6149608B2 true JP6149608B2 (ja) | 2017-06-21 |
Family
ID=52670275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013175138A Active JP6149608B2 (ja) | 2013-08-27 | 2013-08-27 | 熱転写シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6149608B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017170779A1 (ja) * | 2016-03-29 | 2018-11-29 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10138649A (ja) * | 1996-11-11 | 1998-05-26 | Mitsubishi Chem Corp | 熱転写記録用シート |
JP2000225775A (ja) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Sony Corp | 熱転写シート |
JP2005119154A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-05-12 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | 受像シート及び画像形成方法 |
JP5786410B2 (ja) * | 2011-03-31 | 2015-09-30 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
JP5794079B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-10-14 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シートの製造方法、及び熱転写シート |
JP5553098B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2014-07-16 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
-
2013
- 2013-08-27 JP JP2013175138A patent/JP6149608B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015044286A (ja) | 2015-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5641405B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5553098B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP4319964B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5516806B2 (ja) | 保護層転写シート | |
JP5786410B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5181974B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP2012006342A (ja) | 熱転写シート | |
JP7356084B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5870820B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP6149608B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP2014159138A (ja) | 熱転写シートと熱転写受像シートの組合せ、及び画像形成方法 | |
JP2014054774A (ja) | 熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ、及び画像形成方法 | |
JP5794082B2 (ja) | 熱転写シートの製造方法、及び熱転写シート | |
JP2012152968A (ja) | 耐熱滑性層形成用組成物、およびそれを用いた熱転写シートの製造方法 | |
JP2015063050A (ja) | 熱転写記録材料 | |
JP2014156106A (ja) | 熱転写シート | |
JP2015120245A (ja) | 熱転写シート | |
JP2012206346A (ja) | 熱転写シート | |
JP6019655B2 (ja) | 熱転写シート | |
JP5880511B2 (ja) | 保護層転写シート | |
JP5810777B2 (ja) | 熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法 | |
JP6209872B2 (ja) | 熱転写シート、熱転写シートの製造方法 | |
JP5962400B2 (ja) | 保護層転写シート | |
JP6940814B2 (ja) | 熱転写シート、印画物の製造方法、及び熱転写シートと保護フィルムとの組合せ | |
JP2007160511A (ja) | 熱転写シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170411 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170425 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170508 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6149608 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |