JP5962400B2 - 保護層転写シート - Google Patents

保護層転写シート Download PDF

Info

Publication number
JP5962400B2
JP5962400B2 JP2012218818A JP2012218818A JP5962400B2 JP 5962400 B2 JP5962400 B2 JP 5962400B2 JP 2012218818 A JP2012218818 A JP 2012218818A JP 2012218818 A JP2012218818 A JP 2012218818A JP 5962400 B2 JP5962400 B2 JP 5962400B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective layer
transfer sheet
dye
molecular weight
cellulose ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012218818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014069510A (ja
Inventor
和政 前田
和政 前田
吉田 和哉
和哉 吉田
卓 矢部
卓 矢部
良正 小林
良正 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012218818A priority Critical patent/JP5962400B2/ja
Publication of JP2014069510A publication Critical patent/JP2014069510A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5962400B2 publication Critical patent/JP5962400B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

本発明は、保護層転写シートに関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できるという理由から、昇華転写方式により印画物を形成することが広く行われている。印画物としては、デジタル写真や、身分証明書、運転免許証、会員証等多く分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式による画像形成には、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートが使用される。そして、カード基材等の被転写体と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から熱を印加して3色または4色の多数の色ドットを、被転写体上に移行させることにより、被転写体上に画像が形成されてなる印画物が形成される。このような昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
しかしながら昇華転写方式は、上記の如く階調性画像の形成に優れるものの、形成された印画物は通常の印刷インキによるものとは異なり、染料が顔料でなく比較的低分子量の染料であり且つビヒクルが存在しないため、耐光性、耐久性に劣るといった欠点を有する。そこで、近時、昇華性染料の熱転写によって得られた印画物上に、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて保護層を転写させ、印画物上に保護層を形成する方法が知られている。このように画像上に保護層を形成することで画像の耐久性を向上させることができる。
例えば、特許文献1には、硬化型樹脂からなる保護層を備えた保護層転写シートが開示されている。特許文献2には、溶剤不溶性の有機微粒子とバインダー樹脂を主成分とする保護層を備えた保護層転写シートが開示されている。これらの特許文献に開示がされている保護層転写シートによれば、画像(以下、印画物という場合がある。)に耐可塑剤性等の耐久性を付与することができるとされている。また、これ以外にも画像の耐可塑剤性を向上させるための保護層転写シートに関し種々の試みがなされている。
ところで近時、印画物上に設けられた保護層上に、各種の染料を用いてさらに画像を形成したいとの要求がある。しかしながら、現在までに種々の検討がなされている保護層は、例えば、特許文献1、2に提案がされているように、保護層に通常要求される機能である耐可塑剤性等の耐久性の向上を目的とするものであり、保護層の各種染料に対する染着性について何ら検討されておらず、染料染着性を有しない。したがって、従来公知の保護層上には画像形成を行うことはできない。また、保護層は、染料層との離型性についても何ら検討されておらず、現在までに知られている保護層と、染料層とを重ね合わせて画像形成を行った場合には、保護層と、染料層との離型性を十分に満足させることができず、染料層と保護層とが貼りつき保護層に染料層が層ごととられてしまう異常転写の問題や、染料層が破断してしまう問題などが生じうる。特に、この異常転写の問題や、染料層の破断の問題は、低温印画条件で画像を形成する際に顕著に生じうる。したがって、高温印画条件のみならず、低温印画条件においても離型性に優れる保護層とすることが重要である。
また、保護層と染料層とが面順次に設けられている保護層一体型の熱転写シートを用いて印画物上に保護層を転写し、また、被転写体上に画像を形成する連続印画を行うときに、プリンタの搬送不良などが生ずると、印画物上に転写された保護層上に、次画面を形成するための染料層がかぶることがある。このとき、保護層に離型性が付与されていない場合には、保護層一体型の染料層と、前画面で転写された保護層とが貼りつき、保護層一体型の染料層が破断してしまう場合などもある。したがって、このような保護層一体型の熱転写シートにおいても保護層には十分な離型性を有していることが必要となる。
なお、単純に保護層上に画像を形成するのであれば、熱転写受像シートの染料受容層に含まれるバインダー樹脂を、そのまま、保護層転写シートの保護層のバインダー樹脂に転用することで足りるようにも考えられる。しかしながら、熱転写受像シートの染料受容層に含まれるバインダー樹脂は、染料染着性を有するものの、耐可塑剤性等について何ら考慮されたものではなく、印画物を保護する保護層としての機能を果たすことができない。つまり、染料染着性と、耐可塑剤性とはトレードオフの関係にあるといえる。
特許第3440103号公報 特許第4034856号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、印画物の耐可塑剤性を十分に満足させることができる保護層を転写でき、かつ、画像形成条件にかかわらず、染料層の異常転写や、染料層の破断等を生じさせることなく印画物上に転写された保護層上に、さらに画像を形成することができる保護層転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材と、前記基材上に剥離可能に設けられた保護層と、を有する保護層転写シートであって、前記保護層は、(A):数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースエステルと、(B):数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースエステルと、(C):シリコーンオイルと、を含有しており、前記保護層の固形分総量に対する、前記(A)と前記(B)との合計含有量が70質量%以上であることを特徴とする。
また、前記(A)と前記(B)との合計質量に対する、前記(C):シリコーンオイルの含有量が1質量%以上4質量%以下の範囲内であってもよい。また、前記(C):シリコーンオイルが、アラルキル変性シリコーンであってもよい。
また、前記(A)と前記(B)との合計質量に対する、前記(B)の含有量が10質量%以上30質量%以下の範囲内であってもよい。
本発明の保護層転写シートによれば、印画物の耐可塑剤性を十分に満足させることができる保護層を転写でき、かつ、画像形成条件にかかわらず、染料層の異常転写や、染料層の破断等を生じさせることなく当該印画物上に転写された保護層上に、さらに画像を形成することができる。
本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。
(保護層転写シート)
以下に、本発明の保護層転写シートについて詳細に説明する。図1は、本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の保護層転写シート10は、基材1と、基材1上に剥離可能に設けられた保護層2とから構成されている。以下、本発明の保護層転写シート10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材1は本発明の保護層転写シート10における必須の構成であり、保護層2、或いは基材1と保護層2との間に設けられる任意の層を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、保護層2を被転写体上に転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材1として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5μm〜100μm程度が一般的である。
(保護層)
基材1には、基材1から剥離可能な保護層2が設けられている。なお、保護層2は、本発明の保護層転写シート10における必須の構成である。
保護層2には、バインダー樹脂として(A):数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースエステルと、(B):数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースエステルと、(C)シリコーンオイルと、が含有されている。以下、(A):数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースエステルをセルロースエステル(A)といい、数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースエステルをセルロースエステル(B)という場合がある。
なお、本願明細書において、数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算にて得られた値である。
本発明では、セルロースエステル(A)と、セルロースエステル(B)との合計含有量は、保護層2の固形分総量に対し、70質量%以上の範囲に規定されている。合計含有量が70質量%未満である場合には染料染着性、離型性、及び耐可塑剤性を十分に満足させることができない。なお、上限値について特に限定はなく、100質量%である。
セルロースエステル(A)
本発明では、保護層2に数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースエステルが含有されている。本発明では、このセルロースエステル(A)によって、保護層2に耐可塑剤性が付与されている。
なお、セルロースエステル(A)にかえて、数平均分子量(Mn)が30000を超えるセルロースエステルを用いた場合には、染料染着性が低下し、印画物上に転写された保護層2上に画像を形成することができない場合が生じうる。
セルロースエステルとは、セルロースの一部又は全部がエステル化された化合物であり、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート(CAP)、セルロースブチレート(CAB)等を挙げることができる。後述するセルロースエステル(B)である数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースエステルについても同様である。したがって、セルロースエステル(A)のセルロースエステルとしては、これらのセルロースエステルの中から、数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のものを適宜選択して用いればよく、セルロースエステル(B)としては、これらのセルロースエステルの中から、数平均分子量(Mn)が7000以下のものを適宜選択して用いればよい。
セルロースエステル(B)
保護層2には、上記セルロースエステル(A)とともに、セルロースエステル(B)として数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースエステルが含有されている。本発明では、このセルロースエステル(B)によって、保護層2に染料染着性と、離型性とが付与されている。
なお、セルロースエステル(B)にかえて、数平均分子量(Mn)が7000を超えるセルロースエステルを、セルロースエステル(A)とともに保護層に含有せしめた場合には、染料染着性や、離型性を満足させることができない。
セルロースエステル(B)であるセルロースエステルは、上記セルロースエステル(A)で説明したセルロースエステルと、その数平均分子量(Mn)が異なる点で相違する。セルロースエステル(A)と、セルロースエステル(B)は数平均分子量(Mn)が異なる点を除いて同一のものを用いてもよく、異なるものを用いてよい。例えば、セルロースエステル(A)のセルロースエステルが、数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースアセテートプロピオネート(CAP)であって、セルロースエステル(B)が、数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースアセテートプロピオネート(CAP)であってもよいまた、セルロースエステル(A)のセルロースエステルが、数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースアセテートプロピオネート(CAP)であって、セルロースエステル(B)が、数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースアセテートブチレート(CAB)であってもよい。
セルロースエステル(A)とセルロースエステル(B)の合計質量に対する、セルロースエステル(B)の含有量は、10質量%以上30質量%以上の範囲内であることが好ましい。セルロースエステル(A)とセルロースエステル(B)との配合比をこの範囲内とすることで、染料染着性、離型性、耐可塑剤性の更なる向上を図ることができる。なお、セルロースエステル(A)とセルロースエステル(B)の合計質量に対する、セルロースエステル(B)の含有量が10質量%未満である場合には、染料染着性、及び離型性が低下する傾向にあり、保護層2上に染料層の染料を転写して画像を形成するときに、染料層と保護層とが貼りつきを起こし、染料層の破断や、染料層が層ごと保護層にとられる異常転写が発生する場合がある。一方、セルロースエステル(A)とセルロースエステル(B)の合計質量に対する、セルロースエステル(B)の含有量が30質量%を超えると、耐可塑剤性が低下する傾向にあり、本発明の保護層転写シート10の保護層2が転写された印画物に耐可塑剤性を付与することができなくなる場合がある。
(シリコーンオイル)
ところで、セルロースエステル(A)とセルロースエステル(B)とを含有する保護層2は、高温印画適性に優れ、高温環境下における印画時においては、保護層2に十分な離型性を発揮させた状態で保護層2上にさらに画像を形成することができる。つまり、高温環境下においては、染料層の異常転写や、染料層の破断等が生ずることなく、保護層上に画像を形成することができる。
一方で、セルロースエステル(A)とセルロースエステル(B)のみを含有する保護層とした場合には、低温印画適性が十分であるとはいえず、低温環境下における印画時においては、保護層2に十分な離型性を発揮させた状態で保護層2にさらに画像を形成することができない場合がある。つまり、低温環境下では、保護層上に画像を形成することができるものの、その離型性から保護層と染料層とが貼りつきを起こし、染料層の異常転写や、染料層の破断等が生ずる場合がある。なお、ここで言う低温環境下とは、保護層2上にさらに画像を形成するときの温度が5℃以上10℃以下の環境下であることを意味する。
そこで、本発明では、保護層2にセルロースエステル(A)、セルロースエステル(B)に加え、さらにシリコーンオイルが含有されている。セルロースエステル(A)、セルロースエステル(B)とともに、保護層2にシリコーンオイルを含有せしめることで、画像形成条件によらず、換言すれば、高温環境下での画像形成時のみならず、低温環境下の画像形成時においても、染料層の異常転写や、染料層の破断等を生じさせることなく、保護層2上にさらに画像を形成することができる。
なお、低温印画適性にのみ着目するのであれば、シリコーンオイルにかえて、リン酸エステルや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の、他の離型剤を用いることで、保護層の低温印画適性を向上させることもできる。しかしながら、シリコーンオイル以外の離型剤は、保護層2の染料染着性を低下させてしまうことから、シリコーンオイル以外の成分で低温印画適性を満足させようとした場合には、低温印画適性と染料染着性の双方の特性を満足させることができない。
保護層2に含有されるシリコーンオイルについて特に限定はなく、未変性のシリコーンオイルを用いてもよく、各種の官能基によって変性された変性シリコーンオイルであってもよい。
変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンに各種の官能基を導入したシリコーンオイルであり、例えば、アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイルが挙げられる。これら各種の変性シリコーンは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いることもできる。
また、これら変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの側鎖の一部に各種の官能基を導入した側鎖型シリコーンオイル、ポリシロキサンの両方の末端に各種の官能基を導入した両末端型シリコーンオイル、ポリシロキサンのどちらか片方の末端に各種の官能基を導入した片末端型シリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部と、両方の末端に各種の官能基を導入した側鎖両末端型シリコーンオイル何れであってもよい。
また、ポリシロキサンに2つ以上の異なる官能基を導入した変性シリコーンオイルであってもよい。換言すれば、2つ以上の異なる官能基によって共変性されたシリコーンオイルであってもよい。2つ以上の官能基を導入した変性シリコーンオイルとしては、例えば、側鎖型エポキシ・アラルキル変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
上記に例示したシリコーンオイルの中でも、アラルキル変性シリコーン、エポキシ・アラルキル変性シリコーンオイル等のポリシロキサンにアラルキル基が導入された変性シリコーンオイルは、これらアラルキル基が導入された変性シリコーンを含む保護層用塗工液を調製する際に、塗工液中で泡立ち等が生ずることがなく塗工液の安定性に優れる点で好ましい。なお、塗工液中で泡立ちが生じた場合には、印画物上に転写された保護層2にも白濁が生ずることとなる。
シリコーンオイルの粘度についても特に限定はないが、25℃における粘度が1000mm2/S以下のシリコーンオイルは、取り扱いが容易であり、当該シリコーンオイルを含有する塗工液中において泡立ちにくい性質を有する。したがって、この点を考慮すると、シリコーンオイルの粘度は、25℃における粘度で1000mm2/S以下であることが好ましい。
シリコーンオイルの含有量について特に限定はないが、セルロースエステル(A)、及びセルロースエステル(B)との合計質量に対し、1質量%以上4質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。シリコーンオイルの含有量が1質量%未満である場合には、低温印画適性が低下する傾向にあり、4質量%を超えると、低温印画適性のそれ以上の向上が見込まれず、コスト面からも好ましくない。また、4質量%を超えると塗工液の安定性が低下する傾向にある。
また、保護層2は、セルロースエステル(A)、セルロースエステル(B)、及びシリコーンオイルとともに、これ以外の他の成分を含有させることもできる。
例えば、保護層2に、上記セルロースエステル(A)、セルロースエステル(B)、及びシリコーンオイルとともに、数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下のポリエチレンワックスが含有させることで、保護層2に耐擦過性を付与することができる。なお、保護層2に、数平均分子量(Mn)が3000を超えるポリエチレンワックスを含有させた場合には、耐可塑剤が低下する傾向にあり、一方で、数平均分子量(Mn)が2000未満のポリエチレンワックスを含有させた場合には、耐擦過性の十分な向上を図ることができない。
数平均分子量(Mn)が上記範囲内のポリエチレンワックスは、少量の添加によって耐擦過性を向上させることができ、数平均分子量(Mn)が上記範囲内のポリエチレンワックスの含有量について特に限定はないが、保護層2の固形分総量に対する含有量が1質量%未満である場合には、耐擦過性を十分に満足させることができず、また、10質量%を超えると、それ以上の耐擦過性の向上効果が認められず、また、耐可塑剤性が低下していく傾向にある。したがって、この点を考慮すると、保護層2の固形分総量に対し、数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下のポリエチレンワックスは、1質量%以上10質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。
また、本発明の趣旨を妨げない範囲で、保護層2に、数平均分子量が30000を超える、或いは数平均分子量(Mn)が7000より大きく30000未満のセルロースエステルが含有されていてもよい。
また、保護層2には、従来の保護層転写シートの保護層(剥離層と称される場合もある)で使用されている公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化型樹脂が含有されていてもよい。また、本発明の趣旨を妨げない範囲でシリコーンオイル以外の離型剤が含まれていてもよい。
保護層2の形成方法について特に限定はなく、セルロースエステル(A)、セルロースエステル(B)、シリコーンオイル、及び必要に応じて添加される任意の添加物を適当な溶媒に分散ないし溶解した保護層用塗工液を調製し、これを、基材1上に、グラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で塗工・乾燥して形成することができる。保護層2の厚みについて特に限定はないが、0.5g/m2〜10g/m2程度が好ましく、0.8g/m2〜2.0g/m2程度がより好ましい。
(接着層)
また、図1に示すように保護層2上に、熱転写受像シートの染料受容層との密着性を向上させるための接着層3を設けてもよい。なお、接着層3は、本発明の保護層転写シート10における任意の構成であり、「ヒートシール層」と称される場合もある。
接着層3を構成するバインダー樹脂について特に限定はなく、保護層転写シート10の接着層として従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、接着層3のバインダー樹脂として、従来公知の感熱接着剤、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。
接着層の形成方法としては、上記で例示したバインダー樹脂と、必要に応じて添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、無機あるいは有機のフィラー成分、界面活性剤、離型剤等を適当な溶媒に分散ないし溶解した接着層用塗工液を調製し、これを保護層2上に、グラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で塗工・乾燥して形成することができる。接着層の厚みについて特に限定はないが、0.5g/m2〜10g/m2程度が好ましく、0.8g/m2〜2.0g/m2程度がより好ましい。
(離型層)
基材1と保護層2との間に、保護層2の転写性を向上させるための離型層(図示しない)を設けてもよい。なお、離型層は本発明の保護層転写シート10における任意の層である。離型層を形成する樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。離型層の厚みは0.5μm〜5μm程度が一般的である。
(背面層)
また、図1に示すように、基材1の保護層2が設けられている面とは異なる面上に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5を設けてもよい。なお、背面層5は本発明の保護層転写シート10における任意の構成である。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。
また、背面層5には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層5は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1g/m2〜5g/m2程度が好ましく、0.3g/m2〜2g/m2程度がより好ましい。
以上、本発明の保護層転写シートについて説明を行ったが、本発明の保護層転写シートは本発明の趣旨を妨げない範囲内での種々の態様をとることができる。例えば、図2に示すように、基材1の保護層2が設けられた面と同一面上に、染料層7を面順次に設けた染料層一体型の保護層転写シート100とすることもできる。なお、図2に示す形態の保護層転写シートは、基材1の保護層2が設けられた面と同一面上に、イエロー染料層7Y、マゼンタ染料層7M、シアン染料層7Cがこの順で面順次に設けられた構成とっている。
染料層一体型の保護層転写シート100の染料層7としては、熱転写シートの染料層で従来公知のものをそのまま適用することができる。
染料層7に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。
上記に例示したバインダー樹脂の中でも、ポリビニルアセタールや、ポリビニルブチラールは、本発明の保護層転写シートの保護層2との相性が良く、セルロースエステル(B)、及びシリコーンオイルによって保護層2に付与された染料層との離型性をさらに向上させる効果を有する。したがって、ポリビニルアセタールや、ポリビニルブチラールを含有する染料層7と、保護層2とを面順次に設けた染料層一体型の保護層転写シート100によれば、当該染料層一体型の保護層転写シート100の保護層2を印画物上に転写し、次いで、印画物上に転写された保護層2と、染料層一体型の保護層転写シート100の染料層7とを重ね合わせて保護層2上に画像を形成する際に、染料層7と保護層2との間に特に良好な離型性を発揮させつつ、保護層2上に画像を形成することができる。
染料層7の染料としては、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
(被転写体)
上記保護層転写シート10、100の転写に使用可能な被転写体としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、熱転写受像シート等の従来公知の材料を挙げることができ、その材料について特に限定されない。また、本願明細書において、「印画物」という場合には、熱転写シートを用いて、この被転写体上に画像が形成されたものを意味する。
上記印画物の形成は、上記被転写体と、従来公知の熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段によって、熱転写シートの背面側から熱をかけることで形成することができる。
また、印画物上への保護層2の形成は、上記画像が形成された印画物と、本発明の保護層転写シート10とを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により、保護層転写シート10の背面側から熱をかけることで形成することができる。なお、本発明における保護層2は、耐可塑剤性に優れることから、その表面に保護層2が形成された印画物に耐可塑剤性を付与することができる。
また、印画物上に形成された保護層2上への画像の形成は、当該保護層と、従来公知の熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段によって、熱転写シートの背面側から熱をかけることで形成することができる。なお、本発明における保護層2は、染料染着性、及び高温印画時、低温印画時における離型性に優れることから、画像形成時の条件にかかわらず保護層2上への画像形成時に、染料層と保護層とが貼りことによる異常転写や、染料層の破断等を生じさせることなく、保護層2上への画像形成が可能となる。
なお、上記で説明した本発明の変形態様である染料層一体型の保護層転写シート100によれば、(i)被転写体上に画像を形成した印画物を得ること、(ii)この印画物上に保護層2を形成すること、(iii)印画物上に設けられた保護層2上にさらに画像を形成することを、この染料層一体型の保護層転写シート100によって行うことができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面に下記組成の保護層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成の接着層用塗工液を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し接着層を形成した。また、基材の他方の面に下記組成の背面層用塗工液を乾燥時塗布量が0.5g/m2になるように塗布し背面層を形成することで、実施例1の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液1)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(接着層用塗工液)
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン200 東洋紡(株)製)
・紫外線吸収剤共重合樹脂 10部
(UVA−635L BASF社製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
(背面層用塗工液)
・ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株)製)
・リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
(実施例2)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液2に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液2)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.4部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.6部
(実施例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液3に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液3)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型エポキシ・アラルキル変性シリコーン 0.1部
(X22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(実施例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液4に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液4)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型エポキシ・アラルキル変性シリコーン 0.4部
(X22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.6部
(実施例5)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液5に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液5)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型ポリエーテル変性シリコーン 0.1部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(実施例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液6に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液6)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アミノ変性シリコーン 0.1部
(KF−8002 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(実施例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液7に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液7)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 9.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 1.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.3部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.7部
(実施例8)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液8に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例8の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液8)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 8.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 2.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.3部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.7部
(実施例9)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液9に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例9の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液9)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 6.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 4.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(実施例10)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液10に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例10の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液10)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)25000) 7.0部
(CAP482−0.5 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(実施例11)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液11に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例11の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液11)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.05部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.95部
(実施例12)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液12に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例12の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液12)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.45部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.55部
(比較例1)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Aに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液A)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・リン酸エステル 0.1部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(比較例2)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Bに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液B)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)15000) 7.0部
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 90部
(比較例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Cに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液C)
・セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量(Mn)75000) 7.0部
(CAP482−20 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(比較例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Dに変更した以外はすべて実施例1と同様にして比較例4の保護層転写シートを得た。
(保護層用塗工液D)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)65000) 7.0部
(CAB171−15 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・セルロースアセテートブチレート(数平均分子量(Mn)6000) 3.0部
(Solus2100 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2:1:1) 89.9部
(印画物の形成)
熱転写受像シート(DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640))上に、下記のサーマルプリンタ1を用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの染料からなる黒ベタ画像を印画し、印画物を得た。イエロー、マゼンタ、シアンの染料としては、DNPフォトルシオ製プリンタDS40用の熱転写シートを使用した。
<サーマルプリンタ1>
階調制御方式;1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルス数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印画電圧;22.5(V)
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスデューティー;85%
(保護層の転写)
各実施例、及び比較例の保護層転写シートを用い、以下の条件にて、上記印画物の形成で得られた印画物の染料受容層上に下記のサーマルプリンタ2を用いて保護層を転写し、印画物上に保護層が転写された各実施例、及び比較例の画像形成物を得た。
<サーマルプリンタ2>
階調制御方式;1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルス数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印画電圧;18(V)
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスデューティー;85%
(耐可塑剤性評価)
可塑剤入り軟質塩化ビニルシート(三菱化学(株)製アルトロン#480、厚み400μm)と画像形成物の保護層転写面を重ね合わせ、24g/cm2の荷重をかけて50℃環境下に24時間保存し、可塑剤による印画物の画像の劣化状態を目視により観察し、下記基準で保護層の耐可塑剤性を評価した。耐可塑剤性の評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
◎・・・染料の移行が全く無い。
○・・・染料の移行がほとんど無い。
△・・・ある程度染料の移行が確認できる。
×・・・ほぼ全面に染料が移行している。
(染料染着性評価)
熱転写受像シート(DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640))上に、各実施例、および比較例の熱転写シートと、上記サーマルプリンタ2を用いて、保護層のみ転写された白ベタ画像形成物を作製し、その画像形成物の上からさらにDNPフォトルシオ製プリンタDS40用の熱転写シートおよび上記サーマルプリンタ1を用いて各色および混色の255階調から0階調まで17階調ずつ階調を変えた18STEPの印画物を形成した。混色の印画により得られた黒ベタSTEP画像の16STEP目の濃度を、以下の条件で測色し、以下の評価基準に基づいて印画濃度の評価を行った。
「濃度測色条件」
・測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社製)
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
<評価基準>
○・・・濃度が1.0以上である。
△・・・濃度が0.8以上1.0未満である。
×・・・濃度が0.8未満である。
(離型性評価)
染料染着性評価と同様の方法を用いて18STEP画像を形成し、高階調側で生じる異常転写を目視にて確認し、以下の評価基準に基づいて離型性評価を行った。高温印画時の環境条件は、恒温恒湿槽(ESPEC社製)内の環境を40℃、90%とし、低温印画時の環境条件は5℃Freeとして印画を行った。
<評価基準>
○・・・異常転写が全く生じない。
△・・・18−16STEPで異常転写が確認できる。
×・・・張り付き、リボン破断等が生じる。
Figure 0005962400
(インキ安定性)
次いで、アラルキル基が導入された変性シリコーンオイルの優位性を検証するために、上記実施例の保護層転写シートの形成に用いられる保護層用塗工液を、20ccガラス瓶に10gずつ取り分け、10秒間ペイントシェーカーにて攪拌後、液面から発生した泡が完全に消失するまでの時間をストップウォッチにて計測し、下記の評価基準に基づいてインキ安定性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<評価基準>
○・・・0−3秒間で発生した泡が消失する。
×・・・30秒以上発生した泡が消失しない。
Figure 0005962400
10…保護層転写シート
1…基材
2…保護層
3…接着層
5…背面層

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材上に剥離可能に設けられた保護層と、を有する保護層転写シートであって、
    前記保護層は、
    (A):数平均分子量(Mn)が15000以上30000以下のセルロースエステルと、
    (B):数平均分子量(Mn)が7000以下のセルロースエステルと、
    (C):シリコーンオイルと、を含有しており、
    前記保護層の固形分総量に対する、前記(A)と前記(B)との合計含有量が70質量%以上であることを特徴とする保護層転写シート。
  2. 前記(A)と前記(B)との合計質量に対する、前記(C):シリコーンオイルの含有量が1質量%以上4質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記(C):シリコーンオイルが、アラルキル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
  4. 前記(A)と前記(B)との合計質量に対する、前記(B)の含有量が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の保護層転写シート。
JP2012218818A 2012-09-28 2012-09-28 保護層転写シート Active JP5962400B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012218818A JP5962400B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 保護層転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012218818A JP5962400B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 保護層転写シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014069510A JP2014069510A (ja) 2014-04-21
JP5962400B2 true JP5962400B2 (ja) 2016-08-03

Family

ID=50745174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012218818A Active JP5962400B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 保護層転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5962400B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6743669B2 (ja) * 2016-12-06 2020-08-19 凸版印刷株式会社 保護層転写シート及びその製造方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589489B2 (ja) * 1975-05-27 1983-02-21 富士写真フイルム株式会社 ジキキロクタイ
DE69614943D1 (de) * 1995-06-20 2001-10-11 Eastman Kodak Co Empfangs- und Matrizenfilms für Farbstoffimbibitionsverfahren
JPH09207465A (ja) * 1996-02-06 1997-08-12 Sony Corp 転写型画像保護フィルム
JP4034856B2 (ja) * 1997-10-07 2008-01-16 大日本印刷株式会社 熱転写シートおよび印画物
JPH11334211A (ja) * 1998-05-25 1999-12-07 Ricoh Co Ltd 透明感熱記録材料
JP2001030641A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Sony Corp 転写型ラミネートフィルム
JP2003220768A (ja) * 2002-01-31 2003-08-05 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写記録材料
JP2002268174A (ja) * 2001-03-09 2002-09-18 Konica Corp 熱現像感光材料およびその処理方法
JP2006240228A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、及びその製造方法
JP5369835B2 (ja) * 2009-03-31 2013-12-18 大日本印刷株式会社 熱転写シート
JP5540549B2 (ja) * 2009-04-03 2014-07-02 凸版印刷株式会社 熱転写記録媒体
JP5516806B2 (ja) * 2012-09-28 2014-06-11 大日本印刷株式会社 保護層転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014069510A (ja) 2014-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4816518B2 (ja) 熱転写シート
JP5516806B2 (ja) 保護層転写シート
JP5786410B2 (ja) 熱転写シート
JP2006021333A (ja) 感熱転写リボンおよび感熱保護層転写シート
JP4887705B2 (ja) 染料インキ
JP6716955B2 (ja) 昇華型熱転写シート
CN110546013B (zh) 热敏转印记录介质
JP5125360B2 (ja) 熱転写シート、及び熱転写記録材料
JP5962400B2 (ja) 保護層転写シート
JP5782770B2 (ja) 保護層転写シート
JP4969888B2 (ja) 染料層用インキ組成物
JP4844521B2 (ja) 熱転写シート、及び熱転写記録材料
JP5043737B2 (ja) 熱転写シート及び熱転写記録材料
JP2012206346A (ja) 熱転写シート
JP4559994B2 (ja) 熱転写シート
JP4648174B2 (ja) 熱転写シート
JP5880511B2 (ja) 保護層転写シート
JP6019620B2 (ja) 保護層転写シート
JP2007262179A (ja) 染料層用インキ組成物
JP2013212608A (ja) 熱転写シート
JP4559991B2 (ja) 熱転写シート
JP2021122993A (ja) 熱転写シート、及び印画物の製造方法
JP2006263987A (ja) 熱転写記録材料
JP2006281446A (ja) 熱転写受像シート及び熱転写記録材料
JP2019150995A (ja) 感熱転写記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5962400

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150