JP6455043B2 - 保護層転写シート、及び中間転写媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、保護層転写シート、及び中間転写媒体に関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できるという理由から、昇華転写方式により印画物を形成することが広く行われている。印画物としては、デジタル写真や、身分証明書、運転免許証、会員証等多く分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式による画像形成には、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートが使用される。そして、カード基材等の被転写体と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から熱を印加して3色または4色の染料を、被転写体上に移行させることにより、被転写体上に画像が形成されてなる印画物が形成される。このような昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によって染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
しかしながら昇華転写方式は、上記の如く階調性画像の形成に優れるものの、形成された印画物は通常の印刷インキによるものとは異なり、色材が顔料でなく比較的低分子量の染料であるため、耐光性、耐久性に劣るといった欠点を有する。そこで、近時、昇華性染料の熱転写によって得られた印画物上に、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて保護層を転写させ、印画物上に保護層を形成する方法が知られている。このように画像上に保護層を形成することで画像の耐久性を向上させることができる。
また、表面に保護層を有する印画物は、その用途によっては表面が高光沢性を有するものでなく、コート紙の様な非光沢性(以下、マット感と言う場合がある。)の風合の印画物を得たいとの市場の根強い要望がある。印画物にマット感を付与させる方法として、例えば特許文献1には、熱転写時の加熱量を可変制御して保護層の表面光沢量を可変させることについての記載がされている。また、特許文献2には、熱転写後の印画物を表面が凹凸形状を有するエンボス版を型押しすることで印画物表面にマット感を付与することについての記載がされている。
特開2004−106260号公報 特開2006−182012号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、印画物表面に深い凹凸を形成することができず所望のマット感を付与することができない。また、特許文献2に記載の方法によれば、エンボス版の凹凸パターンによっては印画物に一定のマット感を付与することができるものの、印画物を形成した後に、別途印画物表面に凹凸を設けねばならず製造コストの点から好ましくない。また、従来のマット感とは異なる、新しい風合いのマット感を有する印画物に対する市場の要求もあるものの、現在のところ、印画物に付与されるマット感は、印画物の表面が有する凹凸の深さや、凹凸の間隔等によって一義的に決定されることから、新しい風合いのマット感を付与するといった観点では限界がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印画物に新しい風合いのマット感を付与することができる保護層転写シートや、中間転写媒体を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、離型層、転写性保護層がこの順で設けられた保護層転写シートであって、前記転写性保護層は、1つの層、又は2つ以上の層からなり、且つ当該転写性保護層は、前記離型層から剥離可能に設けられており、前記離型層は、(i)バインダー樹脂、及び(ii)微粒子を含有しており、前記(ii)微粒子が、多角形状の微粒子、又はその表面に凸部を有する微粒子であることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記(ii)微粒子が、その表面に凸部を有する球状の微粒子であってもよい。また、前記(i)バインダー樹脂と、前記(ii)微粒子の合計質量に対する、前記(ii)微粒子の質量が、5質量%以上55質量%以下であってもよい。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、離型層、転写性保護層、受容層がこの順で設けられた中間転写媒体であって、前記転写性保護層は、1つの層、又は2つ以上の層からなり、且つ当該転写性保護層は、前記離型層から剥離可能に設けられており、前記離型層は、(i)バインダー樹脂、及び(ii)微粒子を含有しており、前記(ii)微粒子が、多角形状の微粒子、又はその表面に凸部を有する微粒子であることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記(ii)微粒子が、その表面に凸部を有する球状の微粒子であってもよい。また、前記(i)バインダー樹脂と、前記(ii)微粒子の合計質量に対する、前記(ii)微粒子の質量が、5質量%以上55質量%以下であってもよい。
本発明の保護層転写シートや、中間転写媒体によれば、印画物に新しい風合いのマット感を付与することができる。
本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 転写性保護層の転写前後の状態の一例を示す概略断面図である。 転写性保護層の転写前後の状態の一例を示す概略断面図である。 (a)、(b)はともに、微粒子Bの一例を示す断面図である。 (a)、(b)はともに、転写性保護層の表面状態の一例を示す概略断面図である。 本発明の中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。
<<保護層転写シート>>
以下に、本発明の一実施形態の保護層転写シート100について図面を用いて具体的に説明する。図1、図2に示すように本発明の一実施形態の保護層転写シート100は、基材1と、基材1の一方の面上(図示する形態では基材1の上面)に設けられた離型層2、離型層2上(図示する形態では離型層2の上面)に設けられた転写性保護層10とから構成される。また、転写性保護層10は、熱転写時に被転写体側に転写される構成をとる。転写性保護層10は、1つの層、又は2つ以上の層からなり、図1に示す形態では、保護層転写シート10は、1つの層(図示する形態では保護層6)から構成され、図2に示す形態では、保護層転写シート10は、2つ以上の層(図示する形態では、剥離層5、保護層6、接着層7)から構成されている。なお、転写性保護層10は、本発明の一実施形態の保護層転写シート100において最表面に位置する層である。以下、本発明の一実施形態の保護層転写シート100の各構成について説明する。
(基材)
基材1は、本発明の一実施形態の保護層転写シート100における必須の構成であり、離型層2を保持するために設けられる。基材1について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材1の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1μm〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
(離型層)
各図に示すように、基材1上には離型層2が設けられており、当該離型層2は、必須の成分として、バインダー樹脂と、微粒子とを含有している。そして、本発明においては、この微粒子が、多角形状の微粒子(以下、微粒子Aと言う場合がある)、又はその表面に凸部を有する微粒子(以下、微粒子Bと言う場合がある)であることを特徴としている。以下、微粒子A、微粒子Bを総称して、「特定の微粒子」と言う場合がある。
上記特徴を有する本発明の一実施形態の保護層転写シート100によれば、熱転写により、画像が形成された被転写体上に転写性保護層10を転写するときに、離型層2と接する側の転写性保護層10の表面、換言すれば、転写性保護層10の面のうち離型層2と対向する側の面(以下、転写性保護層10の面のうち離型層2と対向する側の面のことを、転写性保護層10の表面と言う場合がある。)に、上記「特定の微粒子」の形状に対応する凹凸パターンを発現させることができる。
例えば、離型層2の面のうち、転写性保護層10と対向する側の面(以下、離型層2の一方の面と言う)から、「特定の微粒子」が突出している形態をとる場合には、図3(b)に示すように、転写性保護層10の表面には、この「特定の微粒子」の形状に対応する凹凸パターンがそのまま発現される。被転写体上への転写性保護層10の転写は、基材1の他方の面側とサーマルヘッド等の加熱部材とを接触させ、加熱部材にエネルギーを印加しながら基材1の他方の面側を擦るように移動させることにより行われる。このとき、被転写体上に転写される転写性保護層10の転写部には、加熱部材により所定の印圧がかかることになる。したがって、離型層2の面のうち、基材1と対向する側の面(以下、離型層2の他方の面と言う)から、「特定の微粒子」が突出している形態をとる場合のみならず、離型層2の表面から突出することなく離型層2の内部に「特定の微粒子」が存在している場合においても、図4(b)に示すように、転写性保護層10の転写時においては、これら「特定の微粒子」の形状に追従するようにして、転写性保護層10の表面に凹凸パターンが発現する。具体的には、図4(a)に示すように、離型層2の内部に「特定の微粒子」が存在している場合には、加熱部材により離型層に所定の印圧がかかることにより、離型層2の内部に存在している「特定の微粒子」は、当該離型層2と接している転写性保護層10側に押し込まれ、これにより、図4(b)に示すように、離型層2と接している側の転写性保護層10の表面に凹凸パターンが発現する。図3(a)、図4(a)は、転写性保護層を転写する前の状態を示す概略断面図である。なお、本願明細書において、離型層2が「特定の微粒子」を含有しているという場合には、「特定の微粒子」が表面から突出することなくその内部に存在している形態のみならず、離型層2の表面から「特定の微粒子」が突出している形態、つまり、離型層2と転写性保護層10をまたぐようにして「特定の微粒子」が存在している形態や、基材1と離型層2をまたぐようにして「特定の微粒子」が存在している形態、或いはこれらを組合せた形態も含むものとする。また、基材1と離型層2との間や、離型層2と転写性保護層10との間に任意の層を設け、当該任意の層と離型層2とをまたぐようにして「特定の微粒子」が存在している形態も含むものとする。
被転写体上に転写性保護層10を転写してなる印画物としたときに、上記「特定の微粒子」の形状に対応する凹凸パターンが発現されてなる転写性保護層10の表面は、当該印画物の最表面となる。つまり、被転写体上に転写性保護層10を転写してなる印画物の表面は「特定の微粒子」の形状に対応する凹凸パターンを有することとなる。本発明においては、この凹凸パターンが、「特定の微粒子」の形状に対応する凹凸パターン、すなわち、多角形状の微粒子(微粒子A)、又はその表面に凸部を有する微粒子(微粒子B)の形状に対応する凹凸パターンとなることから、転写性保護層10が転写されてなる印画物に、新しい風合いのマット感を付与することができる。
一般的に、転写性保護層に微粒子を含有せしめた場合には、転写性保護層10に要求される各種の機能、例えば、耐久性等が低下していく場合があるものの、本発明の一実施形態の保護層転写シート100によれば、転写性保護層10が転写されてなる印画物としたときに、当該印画物を構成しない離型層2に、「特定の微粒子」が含有されており、当該「特定の微粒子」の作用によって、印画物の表面に斬新な凹凸パターンを発現させている。つまり、転写性保護層10に「特定の微粒子」を含有させることは必須の条件とはならない。これにより、転写性保護層10に要求される各種の機能を低下させることなく、転写性保護層としての機能を十分に満足させつつも、印画物に新しい風合いのマット感を付与することができる。なお、このことは、転写性保護層10が「特定の微粒子」、或いはこれ以外の微粒子を含有していることを排除するものではなく、転写性保護層10の機能を奏しない範囲での含有は許容される。
「バインダー樹脂」
離型層2が含有しているバインダー樹脂について特に限定はなく、転写性保護層10の離型性が良好な樹脂を適宜選択して用いることができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂および熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂などが挙げられる。離型層2は、1種のバインダー樹脂を単独で含有していてもよく、2種以上のバインダー樹脂を含有していてもよい。
「微粒子A」
微粒子Aは、多角形状の微粒子であるとの条件を満たすものであればよく、例えば、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、擬ベーマナイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等の多角形状の無機微粒子や、ポリエチレンワックス、アクリル樹脂微粒子、ウレタン樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子等の多角形状の有機微粒子を挙げることができる。
多角形状の微粒子(微粒子A)を含有している離型層2とした場合には、転写性保護層10の転写時において、微粒子Aが有する角により、転写性保護層10の表面にランダムな凹凸パターン(不規則な凹凸パターン)を発現させることができ、当該転写性保護層10が転写された印画物に新しい風合いのマット感を付与することができる。
微粒子Aの粒径について特に限定はないが、微粒子Aの平均粒径は0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが特に好ましい。平均粒径が0.3μm未満である場合には、離型層2の厚みによっては、転写性保護層2の表面に十分に凹凸パターンを発現させることができない場合があることによる。
なお、微粒子Aの粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定装置で測定される平均粒径であり、体積基準により算出した体積平均粒径である。粒度分布測定装置としては例えば、Microtrac社製のMT3000等を使用することができる。
本発明において、離型層2が含有している微粒子Aは、転写性保護層10の転写時において被転写体側に移行してもよく、離型層2側に残存してもよい。例えば、離型層2が含有している微粒子Aが、離型層2の一方の面の表面から突出しており、この突出量が大きい場合には、転写性保護層10の転写時に、当該転写性保護層とともに、被転写体側に移行しやすくなる。一方、離型層2が含有している微粒子Aが、離型層2の一方の面の表面から突出しており、この突出量が小さい場合には、転写性保護層10の転写時に、被転写体側に移行しにくくなる。なお、本発明においては、離型層2が含有している微粒子Aが、転写性保護層10とともに被転写体側に移行するか否かにかかわらず、当該転写性保護層10が転写されてなる印画物に新しい風合いのマット感を付与することができる。具体的には、転写性保護層10の転写時において、離型層2が含有している微粒子Aが、当該転写性保護層とともに、被転写体側に移行した場合には、転写性保護層10の表面から微粒子Aが突出することとなり、この突出している微粒子Aが、転写性保護層10の表面が有する凹凸パターンの凸パターンを形作ることとなる。一方、離型層2が含有している微粒子Aが、離型層2側に残る場合には、微粒子Aによって、転写性保護層10の表面が有する凹凸パターンの凹パターンが形成されることとなる。つまり、何れの場合であっても、結果的には、転写性保護層10が転写されてなる印画物に新しい風合いのマット感を付与することができる。このことは、後述する微粒子Bを含有する離型層2についても同様である。
なお、転写性保護層10が転写されてなる印画物において、当該印画物の表面から微粒子Aが突出する形態をとる場合には、印画物側に移行した微粒子Aの量や、微粒子Aの材料等によっては、印画物の透明性(クリア性)の低下が懸念されることとなる。したがって、印画物の透明性を満足させつつも、印画物に新しい風合いのマット感を付与することを目的とする場合には、離型層2が含有している微粒子Aが、当該転写性保護層とともに、被転写体側に移行することがないように、微粒子Aの粒径や、離型層2等の厚みを適宜決定すればよい。印画物の表面、すなわち転写性保護層10の表面から微粒子Aを突出させない形態、換言すれば、転写性保護層の転写時において、微粒子Aを被転写体側に移行させない形態とすることで、透明性を維持しつつも、新しい風合いのマット感を有する印画物とすることができる。このことは、後述する微粒子Bを含有する離型層2についても同様である。
「微粒子B」
微粒子Bは、その表面に凸部を有する微粒子であり、図5(a)に示すように、本体部20と凸部21とから構成されている。本体部20と凸部21は、同一の材料から構成されていている、すなわち本体部20と凸部21とが一体をなしていてもよく、異なる材料から構成されている、すなわち別体であってもよい。例えば、後者の場合には、本体部20を有機材料から構成し、凸部21を無機材料から構成してもよい。また、本体部20を無機材料から構成し、凸部21を有機材料から構成してもよい。また、本体部20を有機材料Aから構成し、凸部21を有機材料Aとは異なる有機材料Bから構成してもよい。また、本体部20を無機材料Aから構成し、凸部21を無機材料Aとは異なる無機材料Bから構成してもよい。微粒子Aは、図5(a)に示す形態に限定されるものではなく、図5(b)に示すように、本体部20であるコア部を、シェル部23が覆うコア・シェル構造とし、当該シェル部23の表面が凸部21を有する微粒子Bとしてもよい。図5(a)、(b)は、微粒子Bの一例を示す断面図である。
その表面に凸部を有する微粒子(微粒子B)を含有している離型層2とした場合には、図6(a)に示すように、転写性保護層10の転写時において、転写性保護層10の表面に、微粒子Bの本体部20による第1の凹パターン(25A)と、微粒子Bの表面が有する凸部による第2の凹パターン(25B)とが組み合わされた複合凹パターンを発現させることができる。なお、微粒子Bが、転写性保護層10とともに被転写体側に移行する場合には、図6(b)に示すように、転写性保護層10の表面に、微粒子Bの本体部20による第1の凸パターン(26A)と、微粒子Bの表面が有する凸部による第2の凸パターン(26B)とが組み合わされた複合凸パターンを発現させることができる。したがって、微粒子Bを含有している離型層2とした場合には、本体部20により形作られるパターンと、当該本体部20の表面が有する凸部21により形作られるパターンとが組み合わされた複合パターンを転写性保護層10の表面に発現させることができ、転写性保護層10が転写されてなる印画物に、極めて斬新な風合いのマット感を付与することができる。なお、図6は、転写性保護層10の表面に発現している凹凸パターンの一例を示す概略断面図であり、凹凸パターンを誇張して示している。以下、転写性保護層10の表面に第1の凹パターン25A、第2の凹パターン25Bが形成される場合を中心に説明を行う。
図5に示す形態では、本体部20の形状は、球形状となっているが、その表面が凸部を有するとの条件を満たせば、本体部20の形状について限定はなく、鱗片形状、偏平形状、紡錘形状、多角形状等いかなる形態であってもよい。中でも、多角形状や、球形状の本体部20、特には、球形状の本体部20は、転写性保護層10の表面に、上記第1の凹パターン(第1の凸パターン)を良好に発現させることができる点で好ましい形状である。
微粒子Bの粒径について特に限定はないが、上記微粒子Aと同様の理由により、微粒子Bの平均粒径も0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが特に好ましい。微粒子Bの平均粒径の測定方法は、上記微粒子Aと同様であり、ここでの説明は省略する。
微粒子Bの凸部21の形状についても特に限定はなく、角柱形状、角錐形状、円柱形状、円錐形状、ドーム形状等あらゆる形状のものを用いることができる。
離型層2は、上記微粒子A、又は上記微粒子Bの何れか一方のみを含有していてもよく、微粒子A、微粒子Bの双方を含有していてもよい。また、1種の微粒子Aを含有していてもよく、材料や、形状が異なる2種以上の微粒子Aを含有していてもよい。微粒子Bについても同様である。
また、離型層2は、微粒子A、微粒子B以外の他の微粒子を含有していてもよい。例えば、その表面に凸部を有しない球状微粒子等を含有していてもよい。離型層2は、他の微粒子として、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
「特定の微粒子」の含有量についても特に限定はないが、離型層2が含有しているバインダー樹脂と、「特定の微粒子」の合計質量に対する、「特定の微粒子」の質量は、5質量%以上55質量%以下であることが好ましく、10質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。5質量%未満である場合には、転写性保護層10の表面に凹凸パターンを十分に発現させることができない場合があり、55質量%を超えると、印画物のクリア性が低下していく傾向にあることによる。
離型層2の厚みについて特に限定はなく、当該離型層2が含有している「特定の微粒子」の粒径や、含有量等に応じて適宜設定することができる。つまり、転写性保護層10の表面に凹凸パターンを発現させることができる厚さであればよい。例えば、「特定の微粒子」の粒径が、上記好ましい粒径の範囲である場合の、離型層2の好ましい厚みは、0.3μm以上10μm以下である。
離型層2の形成方法についても特に限定はなく、例えば、上記で説明したバインダー樹脂、「特定の微粒子」、必要に応じて用いられる添加剤を、適当な溶媒に溶解、或いは分散した離型層用塗工液を調製し、この離型層用塗工液を、基材1上、或いは基材1上に設けられた任意の層上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。
(転写性保護層)
転写性保護層10は、離型層2から剥離可能に設けられており、熱転写時に離型層2から剥離され被転写体上に転写される層である。転写性保護層10は、図1に示すように、保護層6のみからなる単層構成を呈するものであってもよく、図2に示すように、保護層6を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈するものであってもよい。
(保護層)
転写性保護層10を構成する保護層6の材料について特に限定はなく、保護層転写シートの分野で従来公知の保護層(剥離層や、接着層と称される場合もある)をそのまま用いることができる。保護層6を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂などを挙げることができる。
保護層6は、上記で説明した「特定の微粒子」を含有していてもよいが、保護層6が含有している「特定の微粒子」の含有量が多くなるにつれ、当該転写性保護層10が転写されてなる印画物の透明性が低下していく傾向にある。この点を考慮すると、保護層6の固形分総量に対する、「特定の微粒子」の含有量は10質量%以下であることが好ましい。また、保護層6は、「特定の微粒子」以外の他の微粒子を含有していてもよい。この場合の好ましい含有量は、「特定の微粒子」と他の微粒子の合計質量を基準とする。また、転写性保護層6が、保護層6を含む2つ以上の層から構成される場合には、上記保護層6とある記載を、転写性保護層10を構成する何れかの層と読み替え、上記保護層6の固形分総量とある記載を、転写性保護層10を構成する各層の合計質量と読み替えればよい。
図1に示す形態では、転写性保護層10は単層構成を呈していることから、保護層6には、離型層2からの剥離性や、被転写体との接着性が要求される。したがって、この形態では、保護層6に、剥離性を有する成分や、接着性を有する成分が含有されていることが好ましい。なお、被転写体側に、保護層6との接着性を満たす対応をとる、例えば、被転写体側に接着層を設けることもでき、この場合には、保護層6に接着性を有する材料が含まれていることを必ずしも要しない。また、上記で説明した離型層2によって、転写性保護層10の剥離性を十分に満足させることができる場合には、保護層6に剥離性を有する材料が含まれていることを必ずしも要しない。
<基材からの剥離性を有する成分>
離型層2からの剥離性に優れる成分としては、例えば、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等のワックス類、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。
<被転写体との接着性を有する成分>
被転写体との接着性を有する成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂等を主成分とする従来既知の接着剤が広く使用できる。
また、保護層6の耐擦過性の向上を目的として、保護層6に滑剤を含有してもよい。滑剤としては、例えば、変性シリコーンオイル、シリコーン変性樹脂などのシリコーン類、ステアリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸類、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスなどを挙げることができる。また、滑剤にかえて、保護層3に、メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等を含有せしめてもよい。
保護層6の形成方法としては、上記で説明した樹脂成分等を適当な溶媒に溶解または分散させた保護層用塗工液を調製し、この保護層用塗工液を、離型層2、或いは後述する剥離層5や任意の層上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。保護層6の厚みは、0.3μm〜5μm程度が一般的である。
上記では、図1に示す構成の保護層転写シートにおいて、保護層6に、離型層2からの剥離性や、被転写体との接着性を付与した構成を中心に説明を行ったが、図2に示すように、これらの役割を別途の層に付与する構成としてもよい。つまり、本発明の保護層転写シートにおいて、図1に示すように被転写体上に保護層6のみが転写される単層構成の転写性保護層10としてもよく、図2に示すように、保護層6と任意の層が被転写体上に転写される積層構成の転写性保護層10とすることもできる。図2に示す転写性保護層10は、剥離層5、保護層6、接着層7がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。
積層構成の転写性保護層10は、図示する形態に限定されるものではなく、例えば、図2に示す形態において剥離層5と保護層6との間や、接着層7上に任意の層が含まれていてもよい。また、保護層6に剥離性の機能を付与し、保護層6、接着層7が積層された構成とすることや、保護層6に接着性の機能を付与し、剥離層5、保護層6が積層された構成とすることもできる。
(剥離層)
図2に示すように、離型層2と保護層6との間に剥離層5を設けてもよい。剥離層5の成分としては、上記「基材からの剥離性を有する成分」で例示した材料を適宜選択して用いることができる。
剥離層5の形成方法としては、上記「基材からの剥離性を有する成分」を適当な溶媒に溶解または分散させた剥離層用塗工液を調製し、この剥離層用塗工液を、離型層2上、或いは任意の層上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。剥離層5の厚みは、0.3μm〜5μm程度が一般的である。
(耐可塑剤性層)
保護層6が転写された印画物の耐可塑剤性を向上させるために、離型層2と保護層6との間や、剥離層5を設ける場合には剥離層5と保護層6との間に耐可塑剤性層(図示しない)を設けてもよい。耐可塑剤性層は、転写性保護層10を構成する任意の層である。
耐可塑剤性層としては、可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料を好ましく使用することができる。可塑剤成分を弾く材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等を挙げることができる。可塑剤成分が画像に到達しにくい材料としては、カチオン性のウレタンエマルジョン等のカチオン性樹脂を挙げることができる。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
必要に応じて設けられる耐可塑剤性層は、上記で例示した材料の1種又は2種以上と、必要に応じて添加される各種材料を適当な溶媒により溶解または分散させて耐可塑剤性層用塗工液を調製し、これを基材1、あるいは必要に応じて設けられる剥離層2上に塗布、乾燥して形成することができる。耐可塑剤性層の厚さについて特に限定はないが、通常は乾燥後の厚みで0.1μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜20μm程度である。
(接着層)
図2に示すように、保護層6上に接着層7を設けてもよい。接着層7の成分としては、上記「被転写体との接着性を有する成分」で例示した成分等を適宜選択して用いることができる。なお、被転写体側で、転写性保護層10との接着性を満足させる対応をとる場合には、接着層7を設けることを必ずしも要しない。
接着層7の形成方法としては、上記「被転写体との接着性を有する成分」を適当な溶媒に溶解または分散させた剥離層用塗工液を調製し、この剥離層用塗工液を、保護層6上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。接着層7の厚みは、0.3μm〜10μm程度が一般的である。
(背面層)
また、基材1の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層(図示しない)を設けてもよい。なお、背面層は本発明の保護層転写シート10における任意の構成である。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。また、これらの樹脂は、硬化剤によって硬化されたものであってもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤などを挙げることができる。
また、背面層には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。背面層の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm〜5μm程度が好ましく、0.3μm〜2μm程度がより好ましい。
以上、本発明の一実施形態の保護層転写シート100について説明を行ったが、本発明の保護層転写シートは本発明の趣旨を妨げない範囲内での種々の態様をとることができる。例えば、基材1の転写性保護層10が設けられた面と同一面上に、染料層を面順次に設けた染料層一体型の保護層転写シート(図示しない)とすることもできる。この染料層は単一の染料層であってもよく、例えば、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層がこの順で面順次に設けられた構成とすることもできる。
<<中間転写媒体>>
以下に、本発明の一実施形態の中間転写媒体について説明する。図7に示すように、本発明の一実施形態の中間転写媒体200は、基材1と、基材1の一方の面上(図示する形態では基材1の上面)に設けられた離型層2、離型層2上(図示する形態では離型層2の上面)に設けられた転写性保護層10、転写性保護層10上に設けられた受容層40とから構成される。そして、本発明の一実施形態の中間転写媒体200は、転写性保護層10が、1つの層、又は2つ以上の層からなり、且つ転写性保護層10は、離型層2から剥離可能に設けられており、離型層2は、(i)バインダー樹脂、及び(ii)微粒子を含有しており、(ii)微粒子が、多角形状の微粒子、又はその表面に凸部を有する微粒子であることを特徴としている。
本発明の一実施形態の中間転写媒体は、転写性保護層10上に受容層40が設けられていることを必須の条件としている点においてのみ、上記で説明した本発明の一実施形態の保護層転写シート100と相違し、これ以外の点については、全て共通する。以下では、保護層転写シート100との相違点についてのみ説明を行う。
(受容層)
図7に示すように、転写性保護層10上には受容層40が設けられている。この受容層40上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。そして、画像が形成された受容層40は、転写性保護層10とともに、被転写体上に転写され、その結果、印画物が形成される。受容層40を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
受容層40が接着層を介して被転写体に転写される場合には、受容層40自体の接着性は必ずしも要求されない。しかし、受容層40が接着層を介さないで被転写体に転写される場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層40を形成することが好ましい。なお、中間転写媒体200の最表面には受容層40が位置することから、上記保護層転写シートの転写性保護層10とは異なり、中間転写媒体の転写性保護層10は接着性を有していなくともよい。
受容層40は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料、必要に応じて各種添加剤等を適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、0.5μm〜10μm程度である。
(被転写体)
上記で説明した保護層転写シート100や、中間転写媒体200の転写性保護層10が転写される被転写体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等を挙げることができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面へ、バーコーター法で、下記組成の離型層用塗工液1を、乾燥後1.0g/m2になるように塗布し乾燥して離型層を形成した。次いで、この離型層上に、下記組成の転写性保護層用塗工液を、乾燥後1.0g/m2になるように塗布し乾燥して転写性保護層を形成した。また、転写性保護層とは反対の面に、下記組成の背面層用塗工液を、乾燥後1.0g/m2となるように塗布乾燥して実施例1の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液1>
・アクリル系樹脂 54.9部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株)固形分50%)
・微粒子(微粒子Bとして)(粒径:2μm) 1.5部
(Silcrusta MK02 日興リカ(株))
・アルミ触媒(固形分10%) 10.3部
・トルエン 16.65部
・メチルエチルケトン 16.65部
<転写性保護層用塗工液>
・アクリル樹脂 60部
(TS−413A 大日本インキ化学工業(株)製)
・トルエン 20部
・メチルエチルケトン 20部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 4部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株) 固形分100%)
・ポリイソシアネート 9部
(バーノックD750、大日本インキ化学工業(株) 固形分45%)
・リン酸エステル 1.1部
(プライサーフA−208S、第一工業製薬(株) 固形分100%)
・タルク 0.5部
(ミクロエースP−3、日本タルク(株) 固形分100%)
・トルエン 42.5部
・メチルエチルケトン 42.5部
(実施例2)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液2を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液2>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株)固形分50%)
・微粒子(微粒子Bとして)(粒径:2μm) 6.01部
(Silcrusta MK02 日興リカ(株))
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(実施例3)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液3を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液3>
・アクリル系樹脂 34.74部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Bとして)(粒径:2μm) 12.01部
(Silcrusta MK02 日興リカ(株))
・アルミ触媒(固形分10%) 6.50部
・トルエン 23.42部
・メチルエチルケトン 23.42部
(実施例4)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液4を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液4>
・アクリル系樹脂 28.95部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Bとして)(粒径:2μm) 15.02部
(Silcrusta MK02 日興リカ(株))
・アルミ触媒(固形分10%) 5.42部
・トルエン 25.36部
・メチルエチルケトン 25.36部
(実施例5)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液5を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液5>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Aとして)(粒径:4μm) 6.01部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(実施例6)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液6を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液6>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Aとして)(粒径:2μm) 6.01部
(MSP−4000 日興リカ(株)製)
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(実施例7)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液7を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液7>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Bとして)(粒径:2μm) 3.005部
(Silcrusta MK02 日興リカ(株))
・微粒子(球形)(粒径:2μm) 3.005部
(トスパール120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(実施例8)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液8を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液8>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Aとして)(粒径:2μm) 3.005部
(MSP−4000 日興リカ(株))
・微粒子(球形)(粒径:2〜3μm) 3.005部
(エポスターMA1002 日本触媒(株))
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(実施例9)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液9を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液9>
・アクリル系樹脂 23.16部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(微粒子Bとして)(粒径:2μm) 18.02部
(Silcrusta MK02 日興リカ(株))
・アルミ触媒(固形分10%) 4.34部
・トルエン 27.29部
・メチルエチルケトン 27.29部
(比較例1)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液Aを用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液A>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(球形)(粒径:2μm) 6.01部
(トスパール120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(比較例2)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液Bを用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液B>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(球形)(粒径:2〜3μm) 6.01部
(エポスターMA1002 日本触媒(株)製)
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(比較例3)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液Cを用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液C>
・アクリル系樹脂 46.31部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・微粒子(球形)(粒径:4〜5μm) 6.01部
(エポスターMA1004 日本触媒(株)製)
・アルミ触媒(固形分10%) 8.67部
・トルエン 19.55部
・メチルエチルケトン 19.55部
(比較例4)
離型層用塗工液1にかえて、下記組成の離型層用塗工液Dを用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液D>
・アクリル系樹脂 57.89部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株) 固形分50%)
・アルミ触媒(固形分10%) 10.84部
・トルエン 15.68部
・メチルエチルケトン 15.68部
(光沢度評価)
テストプリンターを用いて、以下の印画条件により市販の昇華転写用受像紙に上記の実施例1〜9および比較例1〜4の保護層熱転写シートの転写性保護層を転写することで、実施例1〜9、比較例1〜4の印画物を得た。得られた印画物について、下記の光沢度測定方法により光沢度を測定し、比較例4を基準(100)とし、下記の評価基準に基づいて光沢度の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(印画条件)
発熱体平均抵抗値;5545(Ω)
電圧:16V
印画速度;4msec/line
印画パターン;255階調目(ベタ画像)
(光沢度測定方法)
日本電色工業(株)製 Gloss Meter VG7000にて測定した(測定時入射角60°)
「評価基準」
◎:25−35
○:35−45
△:50−60
(マット感評価)
上記で得られた実施例1〜9、比較例1〜4の印画物を目視で観察し、下記の評価基準に基づいてマット感の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
○:ソフトフォーカス性を有し、新しい風合いのマット感を有する。
△:艶消し調であり、新しい風合いのマット感がない。
×:グロス調であり、マット感がない。
(クリア性評価)
上記で得られた実施例1〜9、比較例1〜4の印画物を目視で観察し、下記の評価基準に基づいてクリア性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
○:クリア性を有している。
△:白っぽくにごっておりクリア性に欠ける。
×:白く色付いている。
Figure 0006455043
1…基材
2…離型層
5…剥離層
6…保護層
7…接着層
10…転写性保護層
20…本体部
21…凸部
23…シェル部
40…受容層
100…保護層転写シート
200…中間転写媒体

Claims (6)

  1. 基材の一方の面上に、離型層、転写性保護層がこの順で設けられた保護層転写シートであって、
    前記転写性保護層は、1つの層、又は2つ以上の層からなり、且つ当該転写性保護層は、前記離型層から剥離可能に設けられており、
    前記離型層は、(i)バインダー樹脂、及び(ii)微粒子を含有しており、
    前記(ii)微粒子が、その表面に凸部を有する微粒子であることを特徴とする保護層転写シート。
  2. 前記(ii)微粒子が、その表面に凸部を有する球状の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記(i)バインダー樹脂と、前記(ii)微粒子の合計質量に対する、前記(ii)微粒子の質量が、5質量%以上55質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
  4. 基材の一方の面上に、離型層、転写性保護層、受容層がこの順で設けられた中間転写媒体であって、
    前記転写性保護層は、1つの層、又は2つ以上の層からなり、且つ当該転写性保護層は、前記離型層から剥離可能に設けられており、
    前記離型層は、(i)バインダー樹脂、及び(ii)微粒子を含有しており、
    前記(ii)微粒子が、その表面に凸部を有する微粒子であることを特徴とする中間転写媒体。
  5. 前記(ii)微粒子が、その表面に凸部を有する球状の微粒子であることを特徴とする請求項4に記載の中間転写媒体。
  6. 前記(i)バインダー樹脂と、前記(ii)微粒子の合計質量に対する、前記(ii)微粒子の質量が、5質量%以上55質量%以下%以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の中間転写媒体。
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