JP6197576B2 - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される感熱転写記録媒体に関するもので、特に、印画時に、転写後に排出されたそれ自身からの転写情報の読み取りが困難で、情報を保護することが可能な感熱転写記録媒体に関する。
一般に、感熱転写記録媒体は、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものである。ここで感熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
このように、感熱転写方式のプリンタは、専用の感熱転写記録媒体を用いて被転写体側にインクを転写することにより画像を形成するため、被転写体側にインクを転写した後には、インクが抜けた部分が存在する感熱転写記録媒体が排出されることとなる。身分証明等のIDカードの作成等において、排出された感熱転写記録媒体には、秘密にしたい個人情報等が含まれている場合もあり、このような情報等が容易に知られてしまう危険性がある。
排出された感熱転写記録媒体からの情報の読み取りを困難にするために、例えば特許文献1に示すように、色検出用のセンサーマーク部に熱可塑性接着剤を混入することにより、排出された感熱転写記録媒体を巻き取る際に、センサーマーク部を接着させて、印画後に巻き返そうとしても接着部で破断する感熱転写記録媒体が提案されている。しかしながら、この感熱転写記録媒体は、センサーマーク部のみが接着するため、個別に切り出して情報を読み取ることは可能である。また、昨今のプリンタの中には、カラーセンシングにより印画部を検出し、センサーマークを不要とするものもあるため、全ての感熱転写方式のプリンタに適用することができるものではない。
また、特許文献2には、被転写体に顕色剤が配合され、感熱転写記録媒体にロイコ染料が配合されており、被転写体と感熱転写記録媒体とが接して加熱されることにより、初めて発色することから、それ自身の色調が変わらず、排出された後でも、情報の読み取りが困難な感熱転写記録媒体が提案されている。しかしながら、この感熱転写記録媒体は、発色可能な色調が制限されるという問題がある。
特開2007−168083号公報 特開2013−043295号公報
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、汎用性に優れ、印画時に、転写後に排出されたそれ自身からの転写情報の読み取りが困難で、情報を保護することが可能な感熱転写記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明に係わる感熱転写記録媒体は、少なくとも、基材と、基材の一方の面に形成
された、被転写体に熱転写されるカラー層と、基材の他方の面に順次積層された隠蔽層及び耐熱滑性層とを有し、隠蔽層は、印画時の熱によって発色する層であり、隠蔽層に、層全体への均一な熱の供給により、複数の、発色濃度が異なる領域が存在することを特徴とする。
また、本発明に係わる感熱転写記録媒体においては、隠蔽層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含むことが好ましい。
本発明の感熱転写記録媒体は、少なくとも、基材と、前記基材の一方の面に形成されたカラー層と、前記基材の他方の面に順次積層された隠蔽層及び耐熱滑性層とを有し、前記隠蔽層は、少なくとも熱によって発色する層である。したがって、本発明の感熱転写記録媒体は、汎用性に優れ、印画時に、転写後に排出されたそれ自身からの転写情報の読み取りが困難で、情報を保護することが可能である。
本発明に基づく実施形態に係る感熱転写記録媒体の概略構成を示す側断面図 実施例4の感熱転写記録媒体における隠蔽層30の概略図
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る感熱転写記録媒体の概略構成を示す側断面図である。図1に示すように、感熱転写記録媒体1は、基材10と、基材10の一方の面に形成されたカラー層20と、基材10の他方の面に順次積層された隠蔽層30及び耐熱滑性層40とを備えている。
(基材10の構成)
基材10には、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求される。このため、基材10の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、及びコンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等を単独で又は組み合わされた複合体として用いることが可能である。特に、物性面、加工性、コスト面等を考慮すると、これらの材料の中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、基材10としては、操作性、加工性を考慮し、その厚さ(図1中、上下方向の長さ)が2μm以上、50μm以下の範囲のものを用いることが可能である。特に、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上、9μm以下程度のものが好ましい。
基材10のうち、耐熱滑性層40を形成する側の面(図1中、下側の面)及びカラー層20を形成する側の面(図1中、上側の面)には、接着処理を施すことも可能である。接着処理を施す面は、どちらか一方であってもよく、両方であってもよい。
接着処理としては、例えば、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することが可能であり、それらの処理を2種以上併用することも可能である。例えば昇華方式の場合、基材10とカラー層20との接着性を高めることが有効であり、コスト面からも、プライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に用いることができる。
(カラー層20の構成)
カラー層20は、基材10の一方の面に形成された層であり、昇華方式の場合、例えば、熱移行性染料、バインダー、溶剤等を配合してカラー層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。また、溶融方式の場合、例えば、熱により溶融あるいは軟化して転写する樹脂、顔料、染料、溶剤等を配合してカラー層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。
昇華方式の場合、カラー層20に含まれる熱移行性染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料である。
熱移行性染料のうち、イエロー成分としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー56、16、30、93、33、C.I.ディスパースイエロー201、231、33等を用いることが可能である。マゼンタ成分としては、例えば、C.I.ディスパースバイオレット26、31、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ソルベントレッド19、27等を用いることが可能である。シアン成分としては、例えば、C.I.ディスパースブルー24、257、354、C.I.ソルベントブルー36、63、266等を用いることが可能である。なお、墨の染料としては、これら各染料を組み合わせて調色するのが一般的である。
昇華方式の場合、カラー層20に含まれる樹脂としては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を用いることが可能である。
ここで、カラー層20を形成する際の染料と樹脂との質量基準での配合比率は、染料/樹脂=10/100〜300/100であることが好ましい。これは、染料/樹脂の配合比率が10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不充分となり、良好な熱転写画像が得られず、また、この配合比率が300/100を越えると、樹脂に対する染料の溶解性が極端に低下するために、得られる感熱転写記録媒体は、保存安定性が低下し、染料が析出し易くなる恐れがあるためである。
また、昇華方式の場合、カラー層20には、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が適宜含まれていてもよい。
溶融方式の場合、カラー層20に含まれる顔料としては、種々の公知の顔料が使用可能であり、例えば、カーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。これらは2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
また、染料としても、種々の公知の染料が使用可能であり、具体的には、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンチン系、アクリジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の染料が挙げられる。
着色材である顔料と染料とは、同一色を使用することで、各濃度階調において安定した色相の転写画像を得ることができる。着色材である顔料と染料との色相が大きく異なる場合、カラー層の転移による顔料及び染料の発色部分と、染料の一部が受像シートに染着して発色した部分との色相差が発生し、良好な階調表現が困難となる恐れがある。
溶融方式の場合、カラー層20に含まれる樹脂としては、サーマルヘッド等の熱媒体に対する印画適性と転写記録後の画像の耐久性を考慮して、必要な特性を有する熱溶融性、熱可塑性の樹脂が選定される。一般には、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体等の熱可塑性樹脂を主成分として使用することができる。
また、溶融方式の場合、カラー層20には、熱転写するときの転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等を向上させる目的で、無色又は淡色の微粒子を添加することができる。このような無色又は淡色の微粒子の例としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、澱粉、酸化亜鉛、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン及びメラミン樹脂ビーズ等を挙げることができる。
ここで、カラー層20を形成する際の、着色材である顔料及び/又は染料と樹脂との質量基準での配合比率は、着色材/樹脂=10/100〜300/100であることが好ましい。これは、着色材/樹脂の配合比率が10/100を下回ると、着色材が少な過ぎて発色感度が不充分となり、良好な熱転写画像が得られず、また、この配合比率が300/100を越えると、樹脂に対する着色材の溶解性が極端に低下するために、得られる感熱転写記録媒体は、保存安定性が低下し、着色材が析出し易くなる恐れがあるためである。
また、溶融方式の場合、カラー層20には、性能を損なわない範囲で、前記顔料や染料、樹脂、微粒子の他に、離型剤、軟化剤、界面活性剤といった公知の添加剤が適宜含まれていてもよい。
カラー層20の乾燥後の塗布量は、昇華方式の場合も、溶融方式の場合も、一概に限定されるものではないが、例えば0.2〜1.0g/m程度が適切である。
ここで、カラー層20の乾燥後の塗布量とは、カラー層形成用塗布液を塗布し、乾燥した後に残った固形分量のことをいう。また、後述する隠蔽層30の乾燥後の塗布量及び耐熱滑性層40の乾燥後の塗布量も、同様に、後述する隠蔽層形成用塗布液及び耐熱滑性層形成用塗布液を各々塗布し、乾燥した後に残った固形分量のことをいう。
(隠蔽層30の構成)
隠蔽層30は、基材10において、カラー層20が形成された面とは反対側の面に形成された層であり、印画時に、少なくとも熱によって発色することにより、転写後に排出された感熱転写記録媒体1からの転写情報の読み取りを困難にする層である。印画時に熱によって初めて発色するので、隠蔽層30が全面に形成されていても、例えばフルカラー用の感熱転写記録媒体のように、印画開始の位置合わせを必要とする感熱転写方式での印画にも対応が可能である。隠蔽層30は、少なくとも熱によって発色する材料、バインダー、溶剤等を配合して隠蔽層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。
少なくとも熱によって発色する材料としては、例えば、ロイコ染料と顕色剤との混合体や、染料を封入したマイクロカプセル等が挙げられる。特に、ロイコ染料と顕色剤との混合体は、隠蔽層形成用塗布液の塗布量の影響を受け難く、得られる印画物の画質も優れており、汎用性が高いので好ましい。
本実施形態において、隠蔽層30に用いられるロイコ染料には特に限定はなく、無色又は淡色の従来公知のロイコ染料を適宜選択して用いることができる。ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリド等のトリアリールメタン系化合物、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、ローダミン−β−アニリノラクタム、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン等のキサンテン系化合物、ベンゾイルロイコメチレンブル−、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブル−等のチアジン系化合物、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン等のスピロ系化合物、3,5’,6−トリス(ジメチルアミノ)−スピロ[9H−フルオレン−9,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、1,1−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロ(3H)イソベンゾフラン−3−オン等が挙げられ、これらのロイコ染料は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
ロイコ染料の配合量について特に限定はないが、隠蔽層形成用塗布液の固形分総量100質量部に対して、ロイコ染料を10〜35質量部程度、さらには15〜33質量部程度配合することが好ましい。
本実施形態において、隠蔽層30に用いられる顕色剤についても特に限定はなく、例えば、p−オクチルフェノ−ル、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス[2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エトキシ]メタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノ−ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸等のフェノール系;安息香酸等の有機カルボン酸系、サリチル酸亜鉛等の金属系;2,4−ジヒドロキシ−N−2’−メトキシベンズアニリド等のアニリド誘導体系等の顕色剤が挙げられ、これらの顕色剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
ロイコ染料と顕色剤との混合体を用いる場合、両者の配合割合について特に限定はないが、ロイコ染料1質量部に対して、顕色剤を0.5〜10質量部程度、さらには1〜8質量部程度配合することが好ましい。
本実施形態において、隠蔽層30に用いられる染料を封入したマイクロカプセルについても特に限定はなく、例えば、前記カラー層20に含まれる熱移行性染料として例示した染料、これら各染料を組み合わせて調色した墨の染料等を封入したマイクロカプセルが挙げられるほか、カーボンブラック等の顔料を含むインキを封入したマイクロカプセルも使用することができる。これらのマイクロカプセルは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
染料を封入したマイクロカプセルの配合量について特に限定はないが、隠蔽層形成用塗布液の固形分総量100質量部に対して、染料を封入したマイクロカプセルを40〜80質量部程度、さらには50〜70質量部程度配合することが好ましい。
隠蔽層30に用いられるバインダーとしては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
隠蔽層30の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、例えば0.2〜1.0g/m程度が適切である。
なお、隠蔽層30には、層全体への均一な熱の供給により、複数の、発色濃度が異なる領域が存在することが好ましい。隠蔽層30で、領域に応じて発色濃度差を設けることにより、感熱転写記録媒体1は、発色した領域と、発色していない領域との境界を曖昧にすることが可能となり、印画時に、転写後に排出された感熱転写記録媒体1からの転写情報の読み取りがより一層困難となる。
(耐熱滑性層40の構成)
耐熱滑性層40は、隠蔽層30に積層されており、基材10に面する側とは反対側の隠蔽層30上に形成されている。耐熱滑性層40は、得られる感熱転写記録媒体1に、サーマルヘッドとの滑り性を付与する層である。
耐熱滑性層40は、例えば、バインダー樹脂、熱によって融解して滑性を示す滑剤や離型性等の機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤等を必要に応じて配合して耐熱滑性層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることが可能である。
硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のイソシアネート類、及びその誘導体を適宜用いることが可能である。
機能性添加剤としては、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等を用いることが可能である。
充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子等を用いることが可能である。
耐熱滑性層40の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、例えば0.1〜2.0g/m程度が適切である。
本実施形態において、基材10とカラー層20との間及び、基材10と隠蔽層30との間には、密着性の向上や発色効率の向上等を目的として、機能性を付与する層を設けることも可能である。
なお、カラー層20、隠蔽層30及び耐熱滑性層40は、いずれも、各々カラー層形成用塗布液、隠蔽層形成用塗布液及び耐熱滑性層形成用塗布液を、従来公知の塗布方法にて塗布し、乾燥することで形成可能である。塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法、ダイコート法等を用いることが可能である。
以下に、図1及び図2を参照しつつ、実施例(実施例1〜4、比較例1〜5)を用いて、本発明の感熱転写記録媒体の効果を検証する。なお、以下の説明で「部」と記載されている場合、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下に説明する実施例及び比較例においては、以下に示す方法で作製した感熱転写用の被転写体を用いた。
(被転写体の作製)
基材として、厚さ190μmの両面レジンコート紙を使用し、その一方の面に下記組成の断熱層形成用塗布液を、ダイコート法により、乾燥後の塗布量が8.0g/mになるように塗布し、乾燥することで、断熱層を形成した。次いで、この断熱層上面に下記組成の受像層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が4.0g/mになるように塗布し、乾燥することで、感熱転写用の被転写体を作製した。
<断熱層形成用塗布液>
アクリル−スチレン系中空粒子 35.0部
(平均粒子径1μm、体積中空率51%)
スチレン−ブタジエンゴム 10.0部
純水 55.0部
分散剤 微量
消泡剤 微量
<受像層形成用塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
(実施例1)
基材10として、厚さ4.5μmの片面易接着処理済ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の隠蔽層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.50g/mになるように塗布し、100℃で1分間乾燥することで、隠蔽層30を形成した。
次いで、隠蔽層30上に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.50g/mになるように塗布し、100℃で1分間乾燥することで、耐熱滑性層40を形成した。
隠蔽層30及び耐熱滑性層40を積層した基材の易接着処理面に、下記組成のカラー層形成用塗布液、すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)それぞれについて、下記組成のカラー層形成用塗布液C−1、カラー層形成用塗布液M−1及びカラー層形成用塗布液Y−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量がそれぞれ0.70g/mになるように塗布し、90℃で1分間乾燥することで、カラー層20を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体1を得た。
<隠蔽層形成用塗布液−1>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 4.5部
ビスフェノールA 5.5部
ポリビニルアルコール10%溶液 45.0部
水 45.0部
<耐熱滑性層形成用塗布液−1>
ポリビニルブチラール 22.5部
マイカ 1.5部
ステアリン酸亜鉛 6.0部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 30.0部
<カラー層形成用塗布液C−1>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<カラー層形成用塗布液M−1>
C.I.ディスパースレッド60 4.0部
ポリビニルアセタール 6.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<カラー層形成用塗布液Y−1>
C.I.ソルベントイエロー 5.0部
ポリビニルアセタール 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、カラー層20を、下記組成のカラー層形成用塗布液、すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)それぞれについて、下記組成のカラー層形成用塗布液C−2、カラー層形成用塗布液M−2及びカラー層形成用塗布液Y−2にて、乾燥後の塗布量がそれぞれ0.50g/mになるように塗布して形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱転写記録媒体1を得た。
<カラー層形成用塗布液C−2>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10.0部
フタロシアニンブルー 4.0部
C.I.ソルベントブルー63 5.0部
メチルエチルケトン 81.0部
<カラー層形成用塗布液M−2>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10.0部
カーミン6B(アゾ系) 4.0部
C.I.ディスパースレッド60 5.0部
メチルエチルケトン 81.0部
<カラー層形成用塗布液Y−2>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10.0部
ジスアゾイエロー 4.0部
C.I.ディスパースイエロー201 5.0部
メチルエチルケトン 81.0部
(実施例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、隠蔽層30を下記組成の隠蔽層形成用塗布液−2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱転写記録媒体1を得た。
<隠蔽層形成用塗布液−2>
黒色染料含有マイクロカプセル 10.0部
ポリビニルアルコール10%溶液 45.0部
水 45.0部
(実施例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、図2に示すように、2種の発色濃度の領域301、302が10mm角の格子状に整列するように、領域301には隠蔽層形成用塗布液−1を用い、領域302には下記組成の隠蔽層形成用塗布液−3を用いて隠蔽層30を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録転写媒体1を得た。
<隠蔽層形成用塗布液−3>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 2.5部
ビスフェノールA 3.0部
ポリビニルアルコール10%溶液 49.5部
水 45.0部
(比較例1)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、隠蔽層30を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録転写媒体1を得た。
(比較例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、隠蔽層30を下記組成の隠蔽層形成用塗布液−4にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱転写記録媒体1を得た。
<隠蔽層形成用塗布液−4>
カーボンブラック水分散体(カーボンブラック30%) 10.0部
ポリエステル樹脂 15.0部
水 75.0部
(比較例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、隠蔽層30を基材10とカラー層20との間に形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録転写媒体1を得た。
(比較例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、隠蔽層30を形成せず、耐熱滑性層40を下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱記録転写媒体1を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液−2>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 3.5部
ビスフェノールA 4.5部
ポリビニルブチラール 22.5部
マイカ 1.5部
ステアリン酸亜鉛 6.0部
メチルエチルケトン 31.0部
トルエン 31.0部
(比較例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体1において、隠蔽層30を形成せず、カラー層20を、下記組成のカラー層形成用塗布液、すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)それぞれについて、下記組成のカラー層形成用塗布液C−3、カラー層形成用塗布液M−3及びカラー層形成用塗布液Y−3にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感熱記録転写媒体1を得た。
<カラー層形成用塗布液C−3>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 0.5部
ビスフェノールA 1.0部
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール 4.0部
トルエン 44.0部
メチルエチルケトン 44.5部
<カラー層形成用塗布液M−3>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 0.5部
ビスフェノールA 1.0部
C.I.ディスパースレッド60 4.0部
ポリビニルアセタール 6.0部
トルエン 44.0部
メチルエチルケトン 44.5部
<カラー層形成用塗布液Y−3>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 0.5部
ビスフェノールA 1.0部
C.I.ソルベントイエロー 5.0部
ポリビニルアセタール 5.0部
トルエン 44.0部
メチルエチルケトン 44.5部
(評価)
実施例1〜4、比較例1〜5の感熱転写記録媒体1の特性を、それぞれ以下の方法にて評価した。それらの結果を後にまとめて表1に示す。
(画像の形成)
熱転写プリンタを用い、実施例1〜4、比較例1〜5の感熱転写記録媒体1を被転写体に対して印画した。画像として、写真画像、文字画像、及び白(0階調)から黒(255階調)について階調を10分割したベタ画像を印画した。
(情報隠蔽性評価)
実施例1〜4、比較例1〜5における写真画像及び文字画像に関して、転写後に排出された感熱転写記録媒体1を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて情報隠蔽性評価を行った。
○:転写後の感熱転写記録媒体から、画像情報の判読が不可能である。
△:転写後の感熱転写記録媒体から、画像情報の判読が困難である。
×:転写後の感熱転写記録媒体から、画像情報の判読が可能である。
なお、△以上であれば実用上問題ないレベルである。
(印画物評価)
実施例1〜4、比較例1〜5における印画物を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて印画物評価を行った。
◎:良好な状態である。
○:欠陥等が認められず、通常の状態である。
△:欠陥が認められる。
×:重大な欠陥が認められる。
なお、○以上であれば実用上問題ないレベルである。
(サーマルヘッド汚染評価)
実施例1〜4、比較例1〜5における印画後のサーマルヘッドに関して、メチルエチルケトンを浸漬させた綿棒を用いて洗浄し、以下の評価基準に基づいてサーマルヘッド汚染評価を行った。
○:サーマルヘッドの汚染がない。
×:サーマルヘッドの汚染がある。
なお、○であれば実用上問題ないレベルである。
(評価結果)
Figure 0006197576
表1に示す結果から、実施例1〜4の感熱転写記録媒体1は、実用上充分な状態であることが分かる。その一方で、比較例1〜5の感熱転写記録媒体1は、実用上問題のある項目が存在していることが分かる。
カラー層20に関しては、実施例1、3及び4は昇華型に適しており、実施例2は溶融型に適している。その双方において、情報隠蔽性に効果を有しており、他の不具合も発生していないことから、本発明の感熱転写記録媒体は、カラー層20の種類を選ぶことなく適用できるものであることが分かる。
隠蔽層30に関しては、実施例1、2及び4はロイコ染料及び顕色剤を含むものであり、実施例3はマイクロカプセルを用いたものである。情報隠蔽性については、双方において遜色がないが、印画物については、実施例1、2及び4のロイコ染料及び顕色剤を含むものの方が良好である。印画物の画質は、実施例1、2及び4の方がさらに良好であった。これは、実施例3の隠蔽層30が、実施例1、2及び4の隠蔽層30と比較すると、熱伝導率にムラがあったためであると考えられる。したがって、隠蔽層30は、ロイコ染料及び顕色剤を含むものであることがより好ましい。
また、実施例4の隠蔽層30は、発色濃度が異なる領域が格子状に形成されている。その結果、実施例1〜3よりも情報隠蔽性が高い。したがって、隠蔽層30には、層全体への均一な熱の供給により、複数の、発色濃度が異なる領域が存在することがより好ましい。
一方、比較例1の感熱転写記録媒体1には、隠蔽層30が形成されていないため、情報を隠蔽することができなかった。
比較例2では、隠蔽層30を黒色の層としたため、複数のカラー層が面順次形成された感熱転写記録媒体1の場合、印画開始位置を検出することができず、印画自体を行うことができなかった。したがって、隠蔽層30は、少なくとも熱によって発色する層である必要があることがわかる。
比較例3〜5では、熱によって発色する層が存在しているので、情報隠蔽性は充分である。しかし、比較例3では、隠蔽層30が基材10とカラー層20との間に形成されており、比較例5では、隠蔽層30が設けられておらず、代わりにカラー層20にロイコ染料及び顕色剤が含まれている。すなわち、情報隠蔽の機能を有する層が基材10よりも被転写体に面する側に形成されているため、情報隠蔽の機能を有する材料が印画物に移っており、欠陥となっている。
一方、比較例4では、隠蔽層30が設けられておらず、代わりに耐熱滑性層40にロイコ染料及び顕色剤が含まれている。そのため、熱によって発色した染料がサーマルヘッドを汚染する結果となった。
以上より、少なくとも熱によって発色する隠蔽層30は、基材10と耐熱滑性層40との間に形成する必要があることがわかる。
本発明により得られる感熱転写記録媒体は、感熱転写方式のプリンタに使用することができ、各種画像を簡便にフルカラー形成できるうえ、情報隠蔽性にも優れるので、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に、広く利用することが可能である。
1 感熱転写記録媒体
10 基材
20 カラー層
30 隠蔽層
301 隠蔽層の領域
302 隠蔽層の領域
40 耐熱滑性層

Claims (2)

  1. 少なくとも、
    基材と、
    前記基材の一方の面に形成された、被転写体に熱転写されるカラー層と、
    前記基材の他方の面に順次積層された隠蔽層及び耐熱滑性層と
    を有し、
    前記隠蔽層は、印画時の熱によって発色する層であり、
    前記隠蔽層に、層全体への均一な熱の供給により、複数の、発色濃度が異なる領域が存在することを特徴とする、感熱転写記録媒体。
  2. 前記隠蔽層は、少なくともロイコ染料と顕色剤とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
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