JP4508938B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱発色方式を利用した感熱記録材料において、高温色印字の際に文字の周辺が低温色で囲まれる「色にじみ」の現象を防止し、印字における画像の鮮鋭度に優れ、また使用するサーマルプリンターを特別なものを使用することのない感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、記録装置が簡単で保守が容易、騒音がない等、ファクシミリ、プリンター、POS用ラベル機、伝票、乗車券、定期券など広範囲の分野で利用されている。用途が多様化するにつれ、サーマルプリンターの印加エネルギーの差のみで、多色に発色させることのできる多色感熱記録材料が望まれている。特に、特許文献1にあるように、低温の発色と高温加熱時の混色に発色する加色型多色感熱記録材料は実用性が高く、相互の色分離を良くするために多くの提案がなされている。
しかし、加色型多色感熱記録材料は、発色における低温印字部と高温印字部の色分離が良好であっても、高温印字の際、文字の周辺が低温発色で囲まれる現象が見られる「色にじみ」が生じ、画像の鮮鋭度に欠ける問題点があった。「色にじみ」は、サーマルプリンターの特性と熱の拡散により起こる。サーマルプリンターは、ラインヘッドの発熱素子を通電して感熱材料に印字を行うが、発熱素子の温度は通電開始後、感熱材料を適正に発色させることができる温度まで徐々に上昇し、印字終了時に発熱素子の通電を止めると、自然放熱によって、印字前の温度まで徐々に下降するという特性がある。従って、高温発色層を印字する場合の発熱素子の温度上昇中及び下降中に低温発色層を通るので、高温印字部周辺に低温色が発色してしまう「色にじみ」が起こる。
また、加色型多色感熱記録材料は支持体上に高温発色層、低温発色層をこの順に積層構造をしているので、高温発色層を印字する場合、上層にある低温発色層から熱が伝わり、低温発色層は高温発色層よりも熱が大きく拡散するために「色にじみ」が生じる。そこで、特許文献2における感熱記録体では、低温発色層の顕色剤として、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いることにより、高温発色時の「色にじみ」を解消している。また、特許文献3における多色感熱記録材料では、高温発色層に2種類以上の高温発色用染料を用い、そのうち一種類を低温発色層の捕色染料前駆体とすることで、高温印字部周辺の「色にじみ」を軽減させている。
また、一方、特許文献4におけるサーマルプリンターでは、サーマルプリンターの周囲温度を検出する温度センサを設け、高温発色印字時に周囲温度が所定温度よりも低い場合は、サーマルヘッドで印字出力する直前から印字出力による通電を開始して、サーマルヘッドが適正な熱エネルギー量を与えられるようになるまで、感熱記録紙の搬送速度よりも遅い速度で搬送して「色にじみ」を抑制している。
特開昭54−097048号公報 特開平10−147069号公報 特開2002−67511号公報 特開2000−218837号公報
しかし、上記の感熱記録媒体を改良した提案は、いずれも支持体上に対して、低温発色層が高温発色層の上層にあるので、特に細かい文字を高温色印字する際に、サーマルヘッドの特性や、熱の拡散から十分なエネルギーが伝わらず、高温印字周辺部に低温色が発色する。また、サーマルプリンターを改良した提案は、装置が複雑であり、またその保守等にもコストがかかってしまう。したがって、本発明は、感熱発色方式を利用した感熱記録材料において、高温色印字の際に文字の周辺が低温色で囲まれる「色にじみ」の現象を防止し、印字における画像の鮮鋭度に優れ、また使用するサーマルプリンターを特別なものを使用することのない感熱記録材料を提供することを目的とする。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、本発明は感熱発色方式を利用した感熱記録材料において、支持体上で低温印字部の上層に発色調節層として、比較的に厚みの小さい発色感度調節層として、高温発色層を設けることで、熱制御不要の通常のサーマルプリンターを利用でき、発色調節層が低温印字部の保護層として機能し、また「色にじみ」を軽減させて画像の鮮鋭度を向上させることができた。すなわち、請求項1に記載の発明は、支持体上に低温発色層と高温発色層が積層されてなる多色感熱記録材料において、支持体上の低温発色層の上層に発色感度調節層として、高温発色層Aを0.1〜0.8g/m2の厚みで設けたことを特徴とする感熱記録材料である。
また、請求項2として、前記の低温発色層と高温発色層Aとの間に中間層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料である。請求項3として、前記の支持体と低温発色層との間に高温発色層Bを設け、さらに該高温発色層Bと低温発色層との間に中間層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料である。また、請求項4として、前記の低温発色層が赤系色に発色することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料である。請求項5として、前記の高温発色層Aが黒系色に発色する、あるいは高温発色層A及び高温発色層Bが黒系色に発色することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料である。
本発明では、支持体上に低温発色層と高温発色層が積層されてなる感熱記録材料において、支持体上の低温発色層の上層に発色感度調節層として、高温発色層Aを0.1〜0.8g/m2の厚みで設けることにより、この発色感度調節層が薄膜であり、低温発色層の保護層として機能する。また、上記の支持体と低温発色層との間に高温発色層Bを設けることが好ましく、これにより高温発色層Bの印字の際に、該印字の文字の周辺が低温発色層の発色で囲まれる「色にじみ」が生じても、発色感度調節層としての高温発色層Aが発色して、その色にじみが目立たないようにした。また、低温発色層の印字の際では、高温発色層Aが発色しても、高温発色層Aは薄膜であり、低温発色層の発色を阻害しないものである。したがって、本発明の感熱記録材料は、印字における画像の鮮鋭度に優れ、また使用するサーマルプリンターは熱制御が不要な通常のものが利用でき、複雑な制御を要するサーマルプリンターを使用する必要がない。
図1は、本発明の感熱記録材料(1)の一つの実施形態を示す概略断面図であり、支持体(2)上に、低温発色層(3)、高温発色層A(4)を順次積層した構成であり、この高温発色層A(4)の厚さを0.1〜0.8g/m2とすることにより、低温発色層の印字の際、高温発色層Aが発色しても低温発色層の発色を阻害しないものである。また、発色感度調節層は、低温発色層の保護層として機能し、図1の感熱記録材料は低温発色層の発色による単色記録で使用される。
また、図2は本発明の感熱記録材料1の他の実施形態を示す概略断面図であり、支持体2上に、高温発色層B(5)、中間層7、低温発色層3、中間層6、高温発色層A(4)、保護層8を順次積層した構成であり、この高温発色層A(4)の厚さを0.1〜0.8g/m2としている。この高温発色層Aは発色感度調節層として薄膜であり、高温発色層Bの印字の際に、該印字の文字の周辺が低温発色層の発色で囲まれる「色にじみ」が生じても、発色感度調節層としての高温発色層Aが発色して、その色にじみが目立たないようにした。また、低温発色層の印字の際では、高温発色層Aが発色しても低温発色層の発色を阻害しないものである。また、上記の中間層6は、低温発色層3と高温発色層A(4)との混色を防止するために設け、また中間層7は、高温発色層B(5)と低温発色層3との混色を防止するために設けられている。さらに、保護層8は、多色感熱記録材料の記録面における最表面として位置し、サーマルヘッドによる適性向上や多色感熱記録材料の取扱い上の耐薬品性、耐水性、耐摩擦性等の耐久性の向上等を図ることができる。図2では、高温発色層A、Bと低温発色層との間に中間層を設けた構成であるが、実用上で混色の影響が少ない場合は、中間層は必ずしも必要ではない。
また、図3は本発明の感熱記録材料の印字記録で使用するサーマルヘッドの温度と、感熱記録材料の搬送距離、印字結果との関係を示す図である。尚、以下の説明上、感熱記録材料は、図2に示すものを使用した。最初に、第1ステップで示される領域では、サーマルヘッドが低温から高温へ加熱されていく。その時に、感熱記録材料は、印字される環境下における温度から上昇し、まず高温発色層Aが黒系色に発色する。続けて、温度上昇で低温発色層が赤系色に発色する。但し、この低温発色層の発色において、上層に位置する高温発色層Aが発色されていても、その高温発色層Aは厚さが0.1〜0.8g/m2の薄膜であり、高温発色層Aの発色した色相が、低温発色層の赤系色の発色に吸収され、低温発色層の発色を阻害せずに、赤系色の発色として観察される。さらに温度上昇して、高温発色層Bが黒系色に発色していく。
次に、第2ステップで示される領域では、サーマルヘッドが高温発色層Bが発色する高温が維持された状態であり、下に位置する低温発色層の赤系色の発色を隠蔽して、高温発色層Bが高濃度の黒系色に発色する。尚、第1ステップにおける温度上昇下における黒発色領域2は、赤発色領域から移行したもので、赤色から徐々に黒色が加わり、黒色度が増していくものである。これに関連して、第1ステップにおける温度上昇下における赤発色領域は、黒発色領域1から移行し、赤発色の程度が徐々に増して、黒発色領域2へ向かうものである。
第3ステップで示される領域では、サーマルヘッドが高温発色層Bが発色する高温から徐々に温度低下していく状態であり、その際に赤発色領域を通過する時に、高温発色層Bの印字された文字の周辺が、低温発色層の赤発色で囲まれる「色にじみ」が生じるが、サーマルヘッドがさらに温度低下して、黒発色領域1において、上に位置する高温発色層Aが発色して、その色にじみを目立たないようにさせる。以上のようなプロセスを利用することで、本発明の感熱記録材料は、印字における画像の鮮鋭度に優れ、また使用するサーマルプリンターは熱制御が不要な通常のものが利用でき、複雑な制御を要するサーマルプリンターを使用する必要がない。また、本発明の感熱記録材料は、特に高速サーマルプリンターで細かい文字、パターンの印字に有効なものである。
以下、本発明の感熱記録材料を構成する各層について、詳細に説明する。
(支持体)
本発明の感熱記録材料における支持体2は、シート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。支持体の厚さは、0.005〜5mm程度が適当である。
(感熱発色層)
本発明の感熱記録材料は、加熱により発色する感熱発色性材料を有する部分として、感熱発色層を支持体上に設けるもので、この感熱発色層として、低温発色層と高温発色層を積層して利用するものである。この感熱発色層は、感熱発色性材料を含有するもので、詳細には熱融解反応により発色する電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物が含まれ、さらに必要に応じて増感剤、退色防止剤、顔料や滑剤などの充填剤、分散剤、結着剤などが含まれる。
感熱発色層は、支持体へのコーティング、印刷などにより層として形成する。感熱発色層の形成方法としては、グラビア、ロールコート、スプレーコート、ディッピング、その他がある。電子供与性染料前駆体としては、ロイコ染料としてこの種の感熱材料に適用されているもの、イエロー、シアン、マゼンタ系等に発色するものが選ばれる。その電子供与性染料前駆体として、具体的にはトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などが使用でき、発色する色相に応じて適宜選択する。
上記の電子受容性化合物としては、電子供与性染料前駆体と組み合わせられる顕色剤であり、ビスフェノールAなどのフェノール性物質、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エロキシテトラデカノイック酸などの有機酸、金属錯体化合物、チオジフェニル尿素、キノン類などがある。
また増感剤としては、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸ジベンジル、トリルビフェニルエーテル、脂肪酸アマイド類がある。退色防止剤としては、水酸基をブロックした顕色剤の類似物、亜鉛塩などの有機金属塩、ヒンダードフェノール類などがある。顔料を併用する場合、白色顔料であれば、可視光、近赤外光を周囲に散乱させる効果があり、光吸収剤への近赤外光吸収を促進および発熱効率を上昇させる。顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリンクレー、尿素ホルマリン樹脂などがある。
感熱発色層の形成には、上記材料からなる層を形成するためにインキまたは塗料を調製する。インキまたは塗料の結着剤としては、主に水溶性樹脂が主成分となり、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、尿素樹脂、メラニン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。また、必要に応じて各種補助剤を添加できる。
本発明の感熱記録材料は、1個の単位で、保有する感熱発色層を発色色相の異なる条件で、低温発色層3と高温発色層を併用する。低温発色層と高温発色層とは、発色開始温度が異なるものである。具体的には、発色開始温度(定義は1秒の熱板圧着により感熱発色層が発色し始める温度である。)が、低温発色層、高温発色層、それぞれ50℃以上、100℃以上で、また低温発色層と高温発色層の発色開始温度差が20℃以上であることが望ましい。それは、低温発色層の発色開始温度が、50℃未満では、印字感度が良すぎ、また夏場等の高温放置下で発色してしまい、保存性に劣る。また、高温発色層の発色開始温度が、100℃未満では、低温発色層の発色濃度が十分に得られないで、高温発色層が発色するため、低温発色と高温発色の良好な2色分離が得られない。
高温発色層は黒色、濃茶色、濃紺色、深紅色等の黒系色で発色するものが好ましく用いられる。また低温発色層は、赤色、橙色、赤紫色等の赤系色で発色するものが好ましく用いられ、低温発色層は淡い青色、淡い茶色等の淡色で発色するものも使用できる。このように、低温発色層と高温発色層は、発色開始温度と発色色相の異なる感熱発色性材料を使用するものであり、すなわち前記の電子供与性染料前駆体(ロイコ染料)及び顕色剤の選択によって、発色開始温度と発色色相の条件を変化させることができる。本発明の多色感熱記録材料では、図2に示したように高温発色層Aと高温発色層Bを併用することが好ましいが、その高温発色層Aと高温発色層Bは、低温発色層と発色開始温度が異なり、発色色相の異なるものであり、また高温発色層Aと高温発色層B同士の発色色相が同等であれば、それらに使用する感熱発色性材料は異なってもよいが、両者の感熱発色性材料は同じものを使用して、それらの厚さを変化させることが、製造上効率的であり好ましい。
以上のような感熱発色層の厚さとしては、高温発色層Aは発色感度調節層のため、薄膜であり、0.1〜0.8g/m2の厚みで設けるもので、但し、この厚さは全て乾燥時の厚さのものである。高温発色層B及び低温発色層の厚さは約1.0〜20g/m2程度である。
(中間層)
本発明の感熱記録材料は、低温発色層と高温発色層Aとの間に中間層6を設けたり、また高温発色層Bと低温発色層との間に中間層7を設けることにより、複数の感熱発色層同士が直接に接することなく、層分離することで、酸性物質の他の発色層への移行を防止できる。また、層分離をすることで、感熱発色層の各色調が鮮明に発色し、また、二層間の厚みを制御することで、各層の発色感度を調整できる。
中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調整し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置する感熱発色層の発色部を判別しやすくするために、透明性を損なわないように形成される。
中間層の厚さは乾燥時で約0.1g/m2以上、好ましくは1〜10g/m2である。厚さが少なすぎると、中間層としての機能が不足し、また厚すぎるとサーマルカードの熱感度が低下したり、感熱発色層との密着性が低下し、さらにコスト的にも不利である。
(保護層)
本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッドと接する最表面側に保護層を設けることができ、サーマルヘッドによる適性向上や感熱記録材料の取扱い上の耐薬品性、耐水性、耐摩擦性等の耐久性の向上等を図ることができる。保護層を形成する材料としては、表面保護層として所望の物性を有する樹脂組成を選定する。特に、表面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性を要する場合は、紫外線や電子線硬化性樹脂がよく用いられる。また、保護層には、サーマルヘッドとの適性をもたせるため、滑り剤として各種の無機フィラー、有機フィラーを保護層の透明性に阻害しない範囲で添加したり、各種ワックス類、シリコーン系成分、フッ素系成分等の剥離性成分を添加することもできる。保護層の膜厚は、所望の物性等により選定するが、通常、乾燥時で0.1〜10g/m2である。保護層も上記の中間層と同様の方法で、形成できる。
以上の本発明の感熱記録材料は、プリペイドカード全般、定期券、預貯金用カード、クレジットカード、IDカード等の各種の用途に、使用することができる。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
厚さ188μの乳白色のポリエチレンテレフタレートを支持体とし、該支持体の一方の面に、図2に示すような位置で、下記組成の高温発色層B用インキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ5g/m2の高温発色層Bを形成し、続けてその高温発色層Bの上に、下記組成の中間層用インキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ3g/m2の中間層7を形成し、さらにその中間層7の上に、下記組成の低温発色層用インキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ5g/m2の低温発色層を形成した。また、その低温発色層の上に、上記の中間層7で使用したインキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ3g/m2の中間層6を形成し、さらにこの中間層6の上に、上記の高温発色層Bで使用したインキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ0.5g/m2の高温発色層Aを形成した。最後にその高温発色層Aの上に、下記組成の保護層用インキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、紫外線照射し、乾燥時で厚さ3g/m2の保護層を形成して、実施例1の多色感熱記録材料を作製した。
(高温発色層B用インキ)(発色開始温度100℃)
黒染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン)
10部
顕色剤(ビスフェノールA) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
(中間層用インキ)
ポリビニルアルコール10%水溶液 95部
イソシアネート硬化剤 5部
(低温発色層用インキ)(発色開始温度80℃)
赤染料(3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン) 10部
顕色剤(3、3−ジクロロフェニチオ尿素) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
(保護層用インキ)
ポリウレタンアクリレート(プレポリマー) 20部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5部
光重合開始剤 1部
増感剤 1部
メチルエチルケトン 1部
(比較例1)
実施例1で使用した支持体と同じものを用意し、該支持体の一方の面に、図1に示すような位置で、実施例1で使用した低温発色層用インキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ5g/m2の低温発色層を形成し、その低温発色層の上に、実施例1で使用した高温発色層B用インキを用いて、グラビア印刷法により印刷し、乾燥時で厚さ5g/m2の高温発色層Aを形成して、比較例1の感熱記録材料を作製した。
上記の得られた実施例1の多色感熱記録材料に対して、印字するためのサーマルヘッドにエネルギーを加え、サーマルヘッドの表面温度が100℃になるようにして記録したところ、低温発色層において赤発色の印字が行われ、高温発色層Aが発色していても、低温発色層の発色の赤色に影響しないものであった。さらに、サーマルヘッドへエネルギーを加えて、サーマルヘッドの表面温度が120℃になるように記録したところ、低温発色層の赤色の発色を隠蔽して、高温発色層Bが高濃度の黒色で発色した。また、この加熱されたサーマルヘッドに対して、エネルギー印加を停止すると、上記の高温発色層Bの高濃度の黒色で発色して印字された文字の周辺が、低温発色層の赤発色で囲まれた「色にじみ」が生じるが、サーマルヘッドがさらに温度低下して、高温発色層Aが発色して、その色にじみを目立たないようにした。これにより、赤色と黒色の2色の感熱発色印字における画像の鮮鋭度に優れ、また使用するサーマルプリンターは感熱記録材料の搬送速度を制御する等の特別な制御を使用としない、通常のもので問題なかった。
比較例1の感熱記録材料に対して、印字するためのサーマルヘッドにエネルギーを加え、サーマルヘッドの表面温度が100℃になるようにして記録したところ、低温発色層において発色はしたが、高温発色層Aも発色していて、上から感熱記録材料を観察すると、印字部は赤色とはいえなく、黒ずんだものであった。さらに、サーマルヘッドへエネルギーを加えて、サーマルヘッドの表面温度が120℃になるように記録したところ、低温発色層の赤色の発色を隠蔽して、高温発色層Aが高濃度の黒色で発色した。しかし、この加熱されたサーマルヘッドに対して、エネルギー印加を停止すると、上記の高温発色層Aの高濃度の黒色で発色して印字された文字の周辺が、低温発色層の赤発色で囲まれた「色にじみ」が生じて、不鮮明さが目立つものであった。
本発明の感熱記録材料の一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の感熱記録材料の他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の感熱記録材料の印字記録で使用するサーマルヘッドの温度と、感熱記録材料の搬送距離、印字結果との関係を示す図である。を説明する図である。
符号の説明
1 感熱記録材料
2 支持体
3 低温発色層
4 高温発色層A
5 高温発色層B
6 中間層
7 中間層
8 保護層

Claims (5)

  1. 支持体上に低温発色層と高温発色層が積層されてなる感熱記録材料において、支持体上の低温発色層の上層に発色感度調節層として、高温発色層Aを0.1〜0.8g/m2の厚みで設けたことを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記の低温発色層と高温発色層Aとの間に中間層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記の支持体と低温発色層との間に高温発色層Bを設け、さらに該高温発色層Bと低温発色層との間に中間層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記の低温発色層が赤系色に発色することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記の高温発色層Aが黒系色に発色する、あるいは高温発色層A及び高温発色層Bが黒系色に発色することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
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