JP4402233B2 - 情報記録媒体及びその記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を照射して書込み表示記録をすることができるカード等の情報記録媒体及びその記録方法であって、特に、異なる色からなる表示記録を選択して行うことができる情報記録媒体及びその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカード等の情報記録媒体をその使用者に発行する場合、予め作製しておいたカードに対し、IDコード、氏名などカード毎に異なる可変情報を種々の手段により表示している。
例えば、カード基材の所定部分に部分的な圧力を加えるエンボス加工を施すことで、エンボス文字を形成したり、またカード基材上に金属薄膜層、感熱層、保護膜を順次積層した構成とし、画像(文字)形成及び消去を感熱層の温度による透明度変化を利用して、サーマルヘッドを使用してカード表面に加熱したサーマルヘッドを接触させ、記録表示を行うもの等が知られている。
【0003】
しかしながら、上記エンボス加工により文字を形成する場合には、カード基材に機械的な応力が加わるため、カード基材に変形が生じる危険性がある。
また、感熱層を設けサーマルヘッドにより表示を行う場合には、カード表面にオーバーシート等の保護層をあまり厚く形成すると、サーマルヘッドの熱が感熱層まで十分伝わらないため、保護層をできるだけ薄く形成するか、また保護層を設けないようにするので、サーマルヘッドがカード表面と接触することによる擦れ等で、カード表面に傷を付ける危険性がある。
【0004】
更に、従来のサーマルヘッドを用いた表示記録では、サーマルヘッドの解像度が最大でも約16dot/mmしかなく、より精細な記録像を形成したい場合でもこれ以上精細な記録像を表示できないという制限があり、細かな文字や図柄を表示する場合には適応できないという問題がある。
また、サーマルヘッドをカード表面に接触させた場合には、熱は常に上層から伝わって行き、サーマルヘッドの接触部の周囲にも若干の熱が影響し、どうしてもある程度の色のにじみやかぶりが発生することがあり、好ましくない。
【0005】
また、これらの表示記録では、感熱層や発色層が単色であるため、1色の表示しかできないので、表示記録された内容が見にくく単調であり、デザイン的にも限界があり地味であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カードに表示記録を行う際に機械的な応力を加えることなく表示記録を行うことができ、しかもオーバーシート等の保護層を厚く形成しても表示記録への影響が少なく、また2色の異なる色による表示記録を選択して行うことができる情報記録媒体とその記録方法を提供する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の目的を達成するために、第1の発明の情報記録媒体は、基体と、この基体上の少なくとも一方側に形成された第1の光吸収層と、該第1の光吸収層の上に形成された第1の感熱発色層と、該第1の感熱発色層の上に形成された断熱性中間層と、該断熱性中間層の上に形成された第2の感熱発色層と、該第2の感熱発色層の上に形成された、前記第1の光吸収層と最大光吸収波長領域の異なる第2の光吸収層と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明の情報記録媒体の記録方法は、基体と、この基体上の少なくとも一方側に形成された第1の光吸収層と、該第1の光吸収層の上に形成された第1の感熱発色層と、該第1の感熱発色層の上に形成された断熱性中間層と、該断熱性中間層の上に形成された第2の感熱発色層と、該第2の感熱発色層の上に形成された、前記第1の光吸収層と最大光吸収波長領域の異なる第2の光吸収層と、を具備した情報記録媒体に対して、表示記録を行う情報記録媒体の記録方法であって、
前記情報記録媒体の上から、前記第1の光吸収層と前記第2の光吸収層のそれぞれの最大光吸収波長領域内の波長を有するレーザー光を選択して照射することにより、前記第1の感熱発色層と前記第2の感熱発色層を選択的に発色させて表示記録を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の情報記録媒体及びその記録方法の実施の形態について詳しく説明する。
図1は、本発明に係る情報記録媒体の第1実施形態の断面図、図2は、第1実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第1の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図、図3は、第1実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第2の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図、図4は、本発明に係る情報記録媒体の第2実施形態の断面図、図5は、第2実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第1の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図、図6は、第2実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第2の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図である。
【0011】
まず、本発明に係る情報記録媒体の第1実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態の情報記録媒体1は、図1に示すように、シート状あるいは板状の基体2と、該基体2上の少なくとも一方側に形成された第1の光吸収層3と、該第1の光吸収層3の上に形成された第1の感熱発色層4と、該第1の感熱発色層4上に設けられた断熱性中間層5と、該断熱性中間層5上に形成された第2の光吸収層6と、該第2の光吸収層6上に形成された第2の感熱発色層7と、必要に応じて第2の感熱発色層7の上に保護層8とが積層されている。
またこの際、感熱発色層4,7および光吸収層3,6は、カード形状のうち全面を覆うように形成しても一部分のみを覆うように形成してもよい。
【0012】
また、前記第1の光吸収層3と第2の光吸収層6とは、最大光吸収波長領域が異なるものを用いていて、それぞれの光吸収層3,6がレーザー光を受けた際に発熱する吸収波長領域に変化を持たせることで、断熱性中間層5を挟んで上下に積層されたそれぞれの感熱発色層4,7が独立して発色できるようになっている。
つまり、断熱性中間層5を中間にして、その下側に第1の光吸収層3及び第1の感熱発色層4を設け、またその上側に第2の光吸収層6及び第2の感熱発色層7とを設けることで、レーザー光の光熱変換効果による熱エネルギーが第1の感熱発色層4又は第2の感熱発色層7に対して個別に及ぼし、1つの同じレーザー光を用いて分離された発色を行うことが可能にしてある。
【0013】
基体2は、シート状あるいは板状のものが使用され、例えば塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、アクリル、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、PET−G等の合成樹脂、または、紙、不織布、金属蒸着物等が用いられる。
また、基体2上には、例えばシルクスクリーン印刷やオフセット印刷等により、所望のデザインの絵柄や模様及び文字等を印刷して印刷層を設けてもよい。
【0014】
また、第1の光吸収層3及び第2の光吸収層6は、光を熱に変換するための光吸収材料を含み、第1の感熱発色層4及び第2の感熱発色層7の発色を妨げず、更に地色を抑えるため無色または淡色の色素を用いる。
第1の光吸収層3及び第2の光吸収層6は、光吸収性材料を水溶性樹脂等のバインダーに混合してコーティング又は印刷により形成する。
第1の光吸収層3及び第2の光吸収層6に用いる光吸収性材料としては、例えば、フタロシニアン系、ナフタロシニアン系、ビスチオウレア系化合物、スクアリリウム系、アズレニウム系、トリフェニルアミン系、トリスアゾ系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、トリアリルメタン系、キノン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、アゾ系、インモニウム系、ジインモニウム系、特金属錯体系、金属硫化物とチオウレア系化合物、リン化合物と銅化合物、等が使用でき、上記の2種類以上を混合して使用してもよい。
【0015】
また、第1の感熱発色層4及び第2の感熱発色層7としては、熱融解反応により発色する電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物、および増感剤、退色防止剤、顔料や滑剤などの充填剤、分散剤、結着剤などが含まれる。
この第1の感熱発色層4及び第2の感熱発色層7は、基体2上へのコーティング、印刷などにより層を形成する。層の形成方法としては、グラビア、ロールコート、スプレーコート、ディッピィングなどにより形成する。
前記電子供与性染料前駆体としては、ロイコ染料としてこの種の感熱材料に適応されているもの、フルカラーの場合には、イエロー、マゼンダ、シアン系に発色するものが選ばれ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系、等がある。
【0016】
電子受容性化合物としては、電子供与性染料前駆体と組み合わせて顕色剤として用いられるものであり、熱プレスを行った際でもこれに耐えられる程度の耐熱性があり、かつ印字記録を行う際に印加される熱に対して感度よく反応する必要があり、例えば次に挙げる化合物が使用できる。
ビスフェノールA等のフェノール性物質、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸等やα−ヒドロキシオクタノイック酸、α−ヒドロキシドデカノイック酸、α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、α−ヒドロキシオクタデカノイック酸、α−チオジフェニル酸、キノン類、等が挙げられる。
【0017】
増感剤としては、例えば1−ヒドロキ−2−ナフト酸フェニル、p−ベンジルビフェニル、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸ジベンジル、トリルビフェニルエーテル、脂肪酸アマイド類、等が挙げられる。
【0018】
退色防止剤としては、水酸基をブロックした顕色剤の類似物、亜鉛塩などの有機金属塩、ヒンダードフェノール類などが挙げられる。
また、顔料には、隠蔽性がなく、吸油量が高く、pHが高く、染料に対し活性がないことなどが求められる。また、白色顔料であれば、可視光、近赤外光を周囲に散乱させる効果があり、光吸収剤への近赤外光吸収を促進、発熱効果を上昇させる。
この顔料としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリンクレー、尿素ホルマリン樹脂、等が挙げられる。
【0019】
結着剤としては、主に水溶性樹脂が主成分となり、ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルキレン−無水マイレン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、アクリルアマイド系水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂、などが挙げられる。また、必要に応じて各種補助剤を添加できる。
これら第1の感熱発色層4および第2の感熱発色層7は、違う材料を用いてもよい。
【0020】
また、断熱性中間層5としては、染料に対して活性がなく、隠蔽性がないことが望ましく、第1の感熱発色層4及び第2の感熱発色層7に対して熱を遮断する必要があるため、1〜3μmの厚さを持つことが望ましい。
断熱性中間層5の材料としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリンクレー、尿素ホルマリン樹脂、等の顔料、及びポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルキレン−無水マイレン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、アクリルアマイド系水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂、などのバインダー樹脂の中から選択され、特に透明性を損なわず、近赤外光の透過を妨げないない状態で形成される。
【0021】
更に、第2の光吸収層6の上層に保護層8を設けてもよい。
保護層8を設けることによって、形態時などに外部からの熱や傷等による悪影響から各層を保護することができる。
保護層8は、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、透明性を有し、前記バインダー樹脂の中から選択して用いればよく、通常0.1〜10μmの厚みで形成する。
特に、表面の耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性を施すために、熱硬化性樹脂又は紫外線や電子線等の電離放射線硬化性樹脂が通常よく用いられる。
また、保護層8と第2の感熱発色層7との間に、密着性を高めるためにアンカー層を設けてもよい。
【0022】
本発明の情報記録媒体1は、クレジットカード、キャッシュカード、会員カード、等のカード類に適応することができ、特にカード使用者に関する情報として、氏名、IDコード、等のカード毎に異なる個別情報をカードに表示記録する際に効果的である。
本発明の情報記録媒体1に対し表示記録する場合には、図2に示すように、レーザー光光源9から書込み用レーザー光10を対物レンズ11を介して情報記録媒体1に対し照射する。
この際、書込み用レーザー光10の波長を、第1の光吸収層3の最大吸収波長に合わせて照射することで、第1の光吸収層3が発熱してこの熱の影響で第1の光吸収層3の上層の第1の感熱発色層4が発色する。
この際、断熱性中間層5で熱が遮断されるので、第2の感熱発色層7は発色しない。
【0023】
また、書込み用レーザー光10の波長を、第2の光吸収層6の最大吸収波長に合わせて照射することで、図3に示すように、第2の光吸収層6が発熱してこの熱の影響で第2の光吸収層6の上層の第2の感熱発色層7が発色する。
この際、やはり断熱性中間層5で熱が遮断されるので、第1の感熱発色層3は発色しない。
このようにして、書込み用レーザー光10の波長を選択して照射することで、2つの光吸収層に対して選択的に表示記録を行うことができるように構成されている。
【0024】
次に、本発明に係る情報記録媒体の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態の情報記録媒体1は、図4に示すように、シート状あるいは板状の基体2と、該基体2上の少なくとも一方側に形成された第1の光吸収層3と、該第1の光吸収層3の上に形成された第1の感熱発色層4と、該第1の感熱発色層4上に設けられた断熱性中間層5と、該断熱性中間層5上に形成された第2の感熱発色層7と、該第2の感熱発色層7上に形成された第2の光吸収層6と、必要に応じて第2の光吸収層6の上に保護層8とが積層されている。
【0025】
第2実施形態の情報記録媒体1は、該断熱性中間層5上に形成された、第2の感熱発色層7と第2の光吸収層6の積層の順番を入れ替えた状態としたものである。
第2実施形態の情報記録媒体1によると、第1の感熱発色層4と第2の光吸収層6との間に、断熱性中間層5と第2の感熱発色層7とが積層されているので、第1実施形態の情報記録媒体1よりも第2の光吸収層6で発生した熱の影響を第1の感熱発色層4が受けにくいので好ましい。
【0026】
本発明の第2実施形態の情報記録媒体1に対し表示記録する場合には、図5に示すように、レーザー光光源9から書込み用レーザー光10を対物レンズ11を介して情報記録媒体1に対し照射する。
この際、書込み用レーザー光10の波長を、第1の光吸収層3の最大吸収波長に合わせて照射することで、第1の光吸収層3が発熱してこの熱の影響で第1の光吸収層3の上層の第1の感熱発色層4が発色する。
この際、断熱性中間層5で熱が遮断されるので、第2の感熱発色層7は発色しない。
【0027】
また、書込み用レーザー光10の波長を、第2の光吸収層6の最大吸収波長に合わせて照射することで、図6に示すように、第2の光吸収層6が発熱してこの熱の影響で第2の光吸収層6の下層の第2の感熱発色層7が発色する。
この際、断熱性中間層5および第2の感熱発色層7で熱が遮断されるので、第1の感熱発色層3は発色しない。
このようにして、書込み用レーザー光10の波長を選択して照射することで、2つの光吸収層に対して選択的に表示記録を行うことができるように構成されている。
【0028】
次に、本発明の情報記録媒体の記録方法について説明する。
本発明の情報記録媒体の記録方法は、前記した構成を有する情報記録媒体、つまり基体上の少なくとも一方側に形成した断熱性中間層を挟んで、該断熱性中間層の上層側及び下層側に、光吸収層及び感熱発色層とをそれぞれ積層して設けられ、前記上層側及び下層側にそれぞれ設けた光吸収層を、最大光吸収波長領域の異なる光吸収剤により構成した情報記録媒体に対して、表示記録を行う情報記録媒体の記録方法である。
そして、前記情報記録媒体の上から、前記上層側又は前記下層側にそれぞれ設けた光吸収層の最大光吸収波長領域内の波長を有するレーザー光を選択して照射することにより、前記断熱性中間層の上層側又は下層側に設けた感熱発色層を選択的に発色させて、絵柄、模様、文字、画像等の表示記録を行うものである。
【0029】
また、レーザー光にパルスレーザー光を用いると、ごくわずかな時間の間のみ高出力を有する光を照射することで、熱が基材などに蓄積しないので、その部分での変形、変質等のダメージを起こさずにデザイン加工、文字の描写等を行うことができ好ましい。
また、パルスレーザー光の波長コントロールすることで、様々な種類の異なる絵柄、模様等のデザイン表示や、顔写真等の画像情報表示、そして情報記録媒体1毎に異なる機械読み取り可能な情報、例えばバーコード、OCR文字、OMR等の表示記録を異なる色の発色により形成できるので表示記録の選択の幅が広く選ぶことができる。
【0030】
【実施例1】
基体2として厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製E−20)を用い、この基体2の一方側の面にグラビア印刷法を用いて、第1の光吸収層3、第1の感熱発色層4、断熱性中間層5、第2の光吸収層6、第2の感熱発色層7、保護層8の順に積層して、情報記録媒体1を作製した。
ここで前記第1の光吸収層3には、700〜1000nmの間に吸収波長のある近赤外光吸収物質(日本触媒社製TX−304A)と、溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液)と、イソシアネート硬化剤とを混合したものを乾燥後1〜2μmの膜厚となるように形成した。
【0031】
続いて、第1の感熱発色層4として、黒染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオルラン)と、顕色剤(ビスフェノールA)と、溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液)とを乾燥後、第1の光吸収層3上に5μmの膜厚となるように形成した。
【0032】
次に、断熱性中間層5として、ポリビニルアルコール10%水溶液を用い、乾燥後2μmの膜厚となるように形成した。
更に、第2の光吸収層6として、第1の光吸収層3よりもさらに長波長側で吸収のある赤外線吸収剤として、ITO超微粒子粉体を溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液)と、イソシアネート硬化剤とを混合したものを乾燥後1〜2μmの膜厚となるように断熱性中間層5上に形成した。
【0033】
続いて、第2の感熱発色層7として、赤染料(3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオルラン)と、顕色剤(3、3−ジクロロフェニチオ尿素)と、溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液)を混合したものを乾燥後、第1の光吸収層3上に5μmの膜厚となるように形成した。
第1の感熱発色層4及び第2の感熱発色層7に用いる染料と顕色剤とは、サンドミドルにて十分分散させ、平均粒径が0.3μmとなるよう塗料化し、可視光、近赤外光の透過率をできるだけ妨げないようにした。
【0034】
更に、耐候性向上のための保護層8を、紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート)により、第2の光吸収層6上に形成した。
以上のようにして作製した情報記録媒体に対して、波長780nmの半導体レーザー光を照射して書込みを行ったところ、第1の感熱発色層4が黒色に発色した。
また、波長1300nmの半導体レーザー光を照射して書込みを行ったところ、第2の感熱発色層7が赤色に発色した。
この際、どちらの発色についても色のにじみはなく、鮮明な表示記録が得られた。
【0035】
【実施例2】
実施例2では、実施例1の積層構成のうち、第2の光吸収層6と第2の感熱発色層7の積層位置を入れ替えて、基体2の一方側の面にグラビア印刷法を用いて、第1の光吸収層3、第1の感熱発色層4、断熱性中間層5、第2の感熱発色層7、第2の光吸収層6、保護層8の順に積層して、情報記録媒体1を作製した。
そして、波長780nmの半導体レーザー光を照射して書込みを行ったところ、第1の感熱発色層4が黒色に発色した。
また、波長1300nmの半導体レーザー光を照射して書込みを行ったところ、第2の感熱発色層7が赤色に発色した。
この際、どちらの発色についても色のにじみはなく、鮮明な表示記録が得られた。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の情報記録媒体は、カードに表示記録を行う際に機械的な応力を加えることなく表示記録を行うことができ、しかもオーバーシート等の保護層を厚く形成しても表示記録への影響が少なく、また2色の異なる色による表示記録を選択して行うことができるという効果がある。
また、情報記録媒体をカードとすることで、特にカード使用者毎に異なる氏名、IDコード、等の個別情報をカードに表示記録する際に、カード基材に悪影響を及ぼすことなく表示記録を行うことができ効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録媒体の第1実施形態の断面図である。
【図2】第1実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第1の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図である。
【図3】第1実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第2の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図である。
【図4】本発明に係る情報記録媒体の第2実施形態の断面図である。
【図5】第2実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第1の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図である。
【図6】第2実施形態の情報記録媒体にレーザーを照射して第2の感熱発色層に表示記録を行っている状態を示す図である。
【符号の説明】
1 情報記録媒体
2 基体
3 第1の光吸収層
4 第1の感熱発色層
5 断熱性中間層
6 第2の光吸収層
7 第2の感熱発色層
8 保護層
9 レーザー光光源
10 レーザー光
11 対物レンズ
10 発色部
Claims (2)
- 基体と、この基体上の少なくとも一方側に形成された第1の光吸収層と、該第1の光吸収層の上に形成された第1の感熱発色層と、該第1の感熱発色層の上に形成された断熱性中間層と、該断熱性中間層の上に形成された第2の感熱発色層と、該第2の感熱発色層の上に形成された、前記第1の光吸収層と最大光吸収波長領域の異なる第2の光吸収層と、を具備したことを特徴とする情報記録媒体。
- 基体と、この基体上の少なくとも一方側に形成された第1の光吸収層と、該第1の光吸収層の上に形成された第1の感熱発色層と、該第1の感熱発色層の上に形成された断熱性中間層と、該断熱性中間層の上に形成された第2の感熱発色層と、該第2の感熱発色層の上に形成された、前記第1の光吸収層と最大光吸収波長領域の異なる第2の光吸収層と、を具備した情報記録媒体に対して、表示記録を行う情報記録媒体の記録方法であって、
前記情報記録媒体の上から、前記第1の光吸収層と前記第2の光吸収層のそれぞれの最大光吸収波長領域内の波長を有するレーザー光を選択して照射することにより、前記第1の感熱発色層と前記第2の感熱発色層を選択的に発色させて表示記録を行うことを特徴とする情報記録媒体の記録方法。
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