JPH07186554A - 情報記録体 - Google Patents

情報記録体

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JPH07186554A
JPH07186554A JP5350108A JP35010893A JPH07186554A JP H07186554 A JPH07186554 A JP H07186554A JP 5350108 A JP5350108 A JP 5350108A JP 35010893 A JP35010893 A JP 35010893A JP H07186554 A JPH07186554 A JP H07186554A
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JP
Japan
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thermosensitive coloring
image
information recording
infrared
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Application number
JP5350108A
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English (en)
Inventor
Yoshie Arai
美江 新井
Noriyuki Ito
則之 伊藤
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視像および非可視像を記録することによ
り、情報記録体の改懺および偽造を防止する。 【構成】 基体1の上に、可視像が記録される第1の感
熱発色層2、赤外線像が記録される第2の感熱発色層
3、所定の波長の赤外線を吸収する光吸収層4、接着層
5、断熱層7、保護シート6を順に積層する。レーザビ
ームを第1および第2の感熱発色層2、3に照射するこ
とにより、可視像および赤外線像を記録する。肉眼では
視認不可能な赤外線像を、赤外線フィルタ等を用いて検
出することにより、情報記録体の真偽を検証する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録体に関し、詳
しくは可視像および非可視像を記録することにより偽造
および改懺を防止可能な印鑑証明書等の情報記録体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の情報記録体、例えば印鑑証明書等
は、所定の印鑑証明書用紙上に可視像である印影を複写
機等により複写しただけのものであった。したがって、
カラー複写機等を用いることによって容易に印鑑証明書
の偽造および改懺等の不正行為を行うことができるとい
う問題があった。特に、サーマルヘッド等を用いて印影
を印字する印鑑証明書等にあっては、熱を加えることに
よって容易に偽造および改懺等の不正行為を行うことが
可能である。すなわち、用紙に可視像を印刷しただけの
情報記録体にあっては、情報記録体の真偽の検証を十分
に行うことができず、偽造および改懺を防止することが
困難であった。
【0003】そこで、本発明は、可視像および非可視像
を記録することにより、偽造および改懺を防止可能な情
報記録体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
可視像が記録される第1の感熱発色層と、非可視像が記
録される第2の感熱発色層とを備えたことを特徴とする
情報記録体である。
【0005】請求項2記載の発明は、上記第2の感熱発
色層の非可視像は赤外線像であることを特徴とする請求
項1記載の情報記録体である。
【0006】請求項3記載の発明は、所定の波長の非可
視光を吸収する光吸収層を備えたことを特徴とする請求
項1または請求項2に記載の情報記録体である。
【0007】請求項4記載の発明は、第1の感熱発色層
と、第2の感熱発色層と、光吸収層と、断熱層と、保護
シートとを順に積層してなる情報記録体であって、上記
第1の感熱発色層には、レーザビームによって加熱され
ることにより可視像が記録され、上記第2の感熱発色層
には、レーザビームによって加熱されることにより赤外
線像が記録され、上記光吸収層は所定の波長の赤外線を
吸収し、上記断熱層は保護シートおよび第2の感熱発色
層の間の熱伝導を防止することを特徴とした情報記録体
である。
【0008】請求項5記載の発明は、上記断熱層は気体
により形成され、その厚さが0.3μm以上であること
を特徴とする請求項4記載の情報記録体である。
【0009】請求項6記載の発明は、上記保護シートの
厚さは10μm以上であることを特徴とする請求項4記
載の情報記録体である。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明において、第1の感熱発色
層には可視像が記録され、第2の感熱発色層には非可視
像が記録される。第2の感熱発色層に記録された非可視
像を肉眼により視認することはできないため、不正行為
者が非可視像を改懺することは困難である。また、第2
の感熱発色層に非可視像が記録されているか否かを判断
することにより、情報記録体の真偽を検証することがで
きる。
【0011】請求項2記載の発明において、第2の感熱
発色層には非可視像として赤外線像が記録される。赤外
線フィルタ等を用いない限り赤外線像を視認することは
できないため、不正行為者が赤外線像を改懺することは
困難である。よって、情報記録体の偽造および改懺を有
効に防止することができる。
【0012】請求項3記載の発明にあっては、光吸収層
は、所定の波長の非可視光を吸収する。この光吸収層を
肉眼により視認することはできないため、不正行為者が
正規の光吸収層を備えた情報記録体を偽造することは困
難である。また、光吸収層が所定の波長の非可視光を吸
収するか否かを判断することにより、情報記録体の真偽
を検証することができ、偽造および改懺を防止すること
が可能となる。
【0013】請求項4記載の発明において、第1の感熱
発色層にレーザビームを照射すると、照射された部分が
加熱し、そして発色する。これにより、可視像が第1の
感熱発色層に記録される。同様に、第2の感熱発色層に
レーザビームを照射すると、赤外線像が記録される。こ
のとき、第2の感熱発色層と保護層との間に介在する断
熱層は、第2の感熱発色層に生じた熱エネルギーが保護
層に伝播するのを防ぐ。よって、第2の感熱発色層に効
率よく赤外線像を記録することができる。また、不正行
為者が、保護シート上からサーマルヘッド等を用いて第
1および第2の感熱発色層に記録された像を改懺しよう
と試みたとしても、断熱層があるためにサーマルヘッド
の熱を第2の感熱発色層に印加することはできない。よ
って、情報記録体の偽造および改懺を防止することがで
きる。
【0014】また、第2の感熱発色層に記録された赤外
線像は、赤外線フィルタ等を用いない限り視認できない
ため、不正行為者が赤外線像を改懺することは困難であ
る。さらに、不正行為者は、光吸収層を視認することは
できないため、正規の光吸収層を備えた情報記録体を偽
造することは困難である。また、光吸収層が所定の波長
の非可視光を吸収するか否かを判断することにより、情
報記録体の真偽を検証することができ、偽造および改懺
を防止することが可能となる。
【0015】請求項5記載の発明に係る断熱層は気体に
より形成され、その厚さが0.3μm以上である。かか
る条件を満たす断熱層は十分な断熱効果を奏するため、
第2の感熱発色層に生じた熱エネルギーが保護層に伝播
するのを有効に防ぐことができ、第2の感熱発色層に効
率よく赤外線像を記録することができる。また、不正行
為者が、保護シート上からサーマルヘッド等を用いて第
1および第2の感熱発色層に記録された像を改懺しよう
としても、断熱層があるためにサーマルヘッドの熱を第
2の感熱発色層に印加することはできない。よって、情
報記録体の偽造および改懺を防止することができる。
【0016】請求項6記載の発明に係る保護シートの厚
さは10μm以上である。かかる条件を満たす保護シー
トは十分な断熱効果を奏し、不正行為者によって印加さ
れた熱を有効に遮断することができる。これにより、情
報記録体の偽造および改懺を防止することが可能とな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る情報記録体
(印鑑証明書)を説明する。
【0018】図1は本実施例に係る情報記録体の上面
図、図2は図1の印影部分のX−X’線断面図をそれぞ
れ示すものである。
【0019】これらの図において、基体1の上には、可
視光に対して光吸収を行う第1の感熱発色層2、赤外線
に対して光吸収を行う第2の感熱発色層3、所定の波長
の赤外線を吸収する光吸収層4、接着層5、断熱層7、
保護シート6が順に積層されている。以下、これらの各
層を説明する。
【0020】基体1は、証明書用紙となるものであっ
て、紙,合成紙,含浸紙等の単体あるいはそれらを組み
合わせたものにより構成されている。また、これらの材
質のかわりに、ポリエステル,ポリ塩化ビニル,ポリメ
タクリル酸メチル,ポリカーボネート,ポリエチレン,
ポリスチレン,ナイロン等のプラスチック類等の単体あ
るいはそれらを組み合せたものを使用してもよい。な
お、基体1に要求される強度、重量、接着性、加工容易
性等によって、その材質を選択するのが好ましい。
【0021】第1の感熱発色層2は、可視像の印影を表
す発色部21が記録される層である。発色部21は、第
1の感熱発色層2にレーザビーム等の高熱エネルギーを
印加することにより形成され、この発色部21は可視光
域において光吸収を示すスペクトルを有している。すな
わち、印影を表す発色部21は、黒色の可視像として捉
え得るものである。
【0022】第1の感熱発色層2は、高分子結着剤と感
熱発色剤を主成分として構成され、水または所定の溶剤
に感熱発色剤および高分子結着剤を溶解させた塗液を、
グラビア法,ロールコート法,バーコーター法,あるい
はスクリーン印刷法等の塗工法により、基体1(証明書
用紙)上に塗布、乾燥して形成したものである。高分子
結着剤としては、ヒドロキシエチルセルロース,カルボ
キシメチルセルロース,ポリビニルアルコール,スチレ
ン・マレイン酸共重合物,ポリメタクリル酸メチル等の
メタクリル樹脂単体または共重合物,ポリスチレン,ア
クリル・スチレン共重合物,ポリエステル樹脂,ABS
樹脂,ニトロセルロース等を使用できる。
【0023】また、感熱発色剤は、金属化合物タイプと
染料タイプの二つに分類され、いずれも本実施例におい
て使用可能である。金属化合物タイプの感熱発色剤とし
ては、ステアリン酸第2鉄,ミリスチル酸第2鉄とタン
ニン酸,没食子酸との組み合せ,シュウ酸Ag,Pb,
Hg,Th塩とチオ酸ナトリウムとの組み合わせ,ステ
アリン酸のNi,Co,Cu,塩とCa,SrS,Ba
S,との組み合わせ,シュウ酸銀,シュウ酸水銀とグリ
リン,ポリヒドロキシアルコールとの組み合せ,ヘベン
酸銀,ステアリン酸銀とハイドロキノン,スピロインダ
ンとの組み合せ,ラウリン酸第2鉄,ペラルゴン酸第2
鉄とチオシルカルバジド類との組み合せたものなどがあ
る。
【0024】一方、染料タイプの感熱発色剤は、フェノ
ール性水酸基を有する顕色剤と無色のロイコ染料との組
み合せがある。顕色剤としては、4、4’−イソプロピ
リデンフェノール、ベンジン−P−ヒドロキシベンゾエ
ート,4、4’−ジヒドロキシ−3,5’−ジアリルジ
ヘニルスルフォン,メチル−ビス(ヒドロキシフェニ
ル)アセテート,没食子酸エステル,P−フェニルフェ
ノール等を使用することができる。
【0025】ロイコ染料としては、クリスタルバイオレ
ットラクトン,3−インドリノ−3−P−ジメチルアミ
ノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド,3−ジメチ
ルアミノ−7−クロロフルオラン,2−(2−クロロフ
ェニルアミン)−ジエチルアミノフェルオラン,2−
(2−クロロフェニルアミン)−ジエチルアミノフルオ
ラン,2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン,3−ジエチルアミノ−7
−シクロヘキシルフルオラン,3−ジエチルアミノ−5
−メチル−7−t−ブチルオラン等を使用することがで
きる。なお、本実施例に使用される感熱発色剤は上述し
た物質、あるいは上述した物質の組み合わせに限定され
るものではなく、熱を印加することにより可視像を形成
するものであればその種類は問わない。
【0026】第2の感熱発色層3は、赤外線領域におい
て視認可能な印影の画像が記録される層である。すなわ
ち、レーザビーム等を照射することにより、可視光域お
よび赤外線域でも光吸収を示す発色部3が形成される。
【0027】第2の感熱発色層3は、高分子結着剤と感
熱発色剤を主成分として構成され、水または所定の溶剤
に感熱発色剤および高分子結着剤を溶解させた塗液を、
上記塗工法により第1の感熱発色層2上に塗布し、そし
て乾燥したものである。高分子結着剤としては、ヒドロ
キシルセルロースカルボキシメチルセルロース,ポリビ
ニルアルコール,スチレン・マレイン酸共重合物,ポリ
メタクリル酸メチル等のメタクリル樹脂単体または共重
合物,ポリスチレン,アクリル・スチレン共重合物,ポ
リエステル樹脂,ABS樹脂,ニトロセルロース等を使
用することができる。
【0028】感熱発色剤としては、赤外線域に光吸収特
性を有するロイコ系の染料とフェノール等の酸性物質と
を組み合わせたものを使用することができる。例えば、
染料としては。トリ(P−アミノフェニル)フルオレン
(特開昭59−1997575号公報),3、3−ビス
[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メ
チオキシフェニル)エチニル]−4、5、6、7−テト
ラクロロ−1(3H)−イソビンゾフルアノン(特開昭
62−243653号公報),3−[4−(4−フェニ
ルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチ
ル−7−クロロフルオラン(特開昭63−118290
号公報)等が挙げられる。なお、本実施例に使用される
感熱発色剤は上述した物質、あるいは上述した物質の組
み合わせに限定されるものではなく、赤外線領域におい
て光吸収特性を有するものであればその種類は問わな
い。
【0029】光吸収層4に含有される光吸収物質は、可
視領域において白色に近い淡色を示し、所定波長の赤外
線において黒色を示すものである。例えば、光源として
780nmの波長の半導体レーザを使用する場合には、
780nmの光を選択的に吸収するする物質(有機色素
系であるシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ピリ
リウム系色素、スクアリリウム系色素、アミニウム系色
素等)を使用する。これらの物質を塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂等の高分子樹脂中に分散させ、この高
分子樹脂を第2の感熱発色層3上に付着させる。付着方
法としては、グラビアコート、ナイフコート、ロールコ
ート等のコーティング方法、あるいは、オフセット印
刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷方法等を用
いることができる。また、光吸収層4の膜厚は、0.1
〜10μm、好ましくは1〜3μmである。なお、蒸
着、スパッタリング等の気相コーティング法を用いて光
吸収層4を形成してもよい。
【0030】接着層5は、光吸収層4と保護シート6と
を接合するとともに、保護シート6と光吸収層4との間
に介在する断熱層7を画成するものである。かかる機能
を奏する限り、接着層5の厚さは薄くても差し支えな
い。但し、記録感度の低下を防止するため断熱層7の厚
さが0.5μm以上となるよう、接着膜5の厚さを確保
する必要がある。基体1を上面から見た場合に、この接
着層5の存在しない領域(断熱層7が存在する領域)が
印影を記録可能な記録部8となる。
【0031】断熱層7は、印影記録時に感熱発色層2、
3に与えられた熱が保護シート6に逃げるのを防止する
ためのものである。この断熱層7は空気層を用いて形成
され、接着層5を介して保護シート6と光吸収層4とを
圧着させることによって容易に断熱層7を形成すること
ができる。なお、かかる作業を所望の気体雰囲気中にお
いて行うことにより、所望の気体を断熱層7に封入する
ことができる。また、発泡性樹脂を断熱層7として使用
することも可能である。この発泡性樹脂を封入する方法
としては、接着層5をスクリーン印刷等により形成し、
そのスクリーンの逆版を用いて発泡性樹脂を印刷する方
法を用いることができる。なお、所望量の発泡性樹脂を
記録部8に注入した後、保護シート6により封止しても
よい。
【0032】このように、断熱層7を設けることによ
り、感熱発色層2、3に与えられた熱の伝播を防止し、
記録感度の低下を回避することが可能となる。また、保
護シート6の外部から印加された熱を断熱層6によって
遮断することにより、発色部31の改懺を防止できると
いう効果も生じる。
【0033】保護シート6は、印影記録時に照射するレ
ーザビームを透過させるとともに、サーマルヘッド等を
用いて外部から熱を印加することによる改懺等を防止す
るためのものである。したがって、保護シート6の材質
としては、記録時に使用するレーザビームの波長での透
過率が高く、かつ、強度・接着力・加工容易性等の点に
おいて優れたものを用いることが望ましい。例えば、塩
化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を用
いることができる。また、外部から熱を印加することに
よる改懺を防止すため、保護シート6をできるだけ厚く
することが望ましい。例えば、5μm以上、好ましくは
20μm以上の厚さの保護シート6を用いることによ
り、改懺を有効に防止することができる。
【0034】続いて、本実施例の情報記録体の作用につ
いて説明する。先ず、レーザビームを記録部8に向けて
照射し、感熱発色層2、3に印影を感熱記録する。すな
わち、記録部8に向けて照射されたレーザビームは保護
シート6、断熱層7、光吸収層4を透過して、感熱発色
層2、3に到達する。感熱発色層2、3のうち、レーザ
ビームが照射された部分21、31において熱エネルギ
ーが発生し、これらの部分21、31が発色する。これ
により、第1の感熱発色部2には可視像が記録され、第
2の感熱発色部3には赤外線像が記録される。
【0035】第1の感熱発色層2の発色部21は、可視
光の波長領域において反射率が低くなるため、この反射
率の低い発色部21を印影として肉眼により捉えること
ができる。一方、第2の感熱発色層3の発色部31は、
可視光および赤外線の波長領域において反射率が低くな
る。したがって、人間の目のみならず、赤外線カメラ等
により印影を捉えることができる。
【0036】以下に、第1の感熱発色層2および第2の
感熱発色層3の反射率のスペクトルを図3に示す。この
図において、一点鎖線10は発色部21の単独のスペク
トル、二点鎖線11は発色部31の単独のスペクトルを
表し、実線12は発色部21および発色部31のスペク
トルを重ね合わせたものを表している。また、点線13
は発色部21、31以外の部分のスペクトルを表してい
る。
【0037】この図から確認できるように、可視光の領
域において、発色部21の反射率のスペクトル10は発
色部31の反射率のスペクトル11よりも低い。これ
は、印影が記録された発色部21が、濃度の濃い画像と
して人間の目によって捉えられることを意味している。
また、赤外線の波長領域では、逆に発色部31の反射率
のスペクトル11が発色部21の反射率のスペクトル1
0よりも低い。これは、肉眼では発色部31の印影を視
認できず、赤外線カメラ等を用いることによって印影の
画像を捉え得ることを意味している。
【0038】さらに、発色部21および発色部31の反
射率を重ね合わせたスペクトル12と、単独のスペクト
ル10、11とを比較すると、スペクトル12における
可視光および赤外線の反射率がスペクトル10、11の
それに比べて低くなっている。すなわち、発色部21お
よび発色部31の双方を形成することにより、可視光お
よび赤外線のそれぞれの波長領域において、印影の画像
の濃度がさらに濃くなる。これにより、肉眼による印影
の読み取りが容易となると同時に、赤外線読み取り装置
による印影の読み取りが容易になる。
【0039】続いて、このようにして印影の記録された
印鑑証明書の真偽の検証方法を説明する。第1の方法
は、光吸収層4を検証する方法である。上述したよう
に、光吸収層4は、特定の波長の赤外線を吸収するもの
である。したがって、この波長の赤外線を記録部8に向
けて照射すると、赤外線は光吸収層4において吸収され
る。この光吸収層4を赤外線フィルタ(IRスコープ)
によって観察すると、記録部8の全面が黒色に見える。
これにより、検証対象の印鑑証明書は、正規の光吸収層
4を有していることが確認でき、印鑑証明書が真正のも
のであることが検証される。なお、赤外線の光源として
は、700nm以上の波長にピークを有する発光ダイオ
ードまたは半導体レーザ等を用いることができる。
【0040】第2の方法は、印影が記録された発色部3
1を検証する方法である。上述したように、第2の感熱
発色層3に赤外線を照射すると、発色部31の部分が赤
外線を吸収することにより、この発色部31の印影を捉
えることができるものである。例えば、カラーコピー等
により偽造された印鑑証明書に赤外線を照射したとして
も、発色部31の印影の画像を捉えることはできない。
これにより、印鑑証明書が偽造であることが判明する。
【0041】但し、光吸収層4が例えば780nmの波
長の赤外線を選択的に吸収するものである場合には、こ
の波長の赤外線は発色部31に到達することなく光吸収
層4に吸収されてしまう。よって、この波長の赤外線の
みを観察したのでは、発色部31の印影を捉えることが
できない。そこで、発色部31の画像を捉えるために
は、780nm以上の波長(例えば800〜950n
m)の赤外線を透過するようなフィルタを用いる必要が
ある。具体的には、830nm以下の波長の赤外線を遮
断し、830nm以上の波長の赤外線を透過させるフィ
ルタを用いることが可能である。
【0042】以下に、本発明の一実施例に係る情報記録
体の具体的な組成を説明する。
【0043】 (a)第1感熱発色層の塗液組成 ミリスチル酸第2鉄 5重量部 タンニン酸 1.5重量部 メタクリル樹脂 10重量部 トルエン 70重量部 (b)第2感熱発色層の塗液組成 染料 1重量部 顕色剤 2.5重量部 メタクリル樹脂 70重量部 トルエン 70重量部 (c)光吸収層の組成(波長780mmに選択的に強い吸収を持つ) 光吸収剤 2重量部 アクリル系樹脂 18重量部 イソシアネート系硬化剤 2重量部 溶剤(トルエン) 78重量部 (d)接着剤の組成 ポリエルテル系樹脂 30重量部 イソシアネート系硬化剤 3重量部 溶剤 70重量部 (e)保護シート 0.1mm厚透明塩化ビニルシート
【0044】基体1上に、上記(a)(b)の組成の感
熱発色層2、3のそれぞれの塗液をグラビア法により5
μm厚だけ順次塗布し、さらにこの上に5μmの光吸収
層4をグラビア法により形成する。そして、光吸収層4
の記録部8以外の部分に3μ厚の接着層5をスクリーン
法により形成し、この上に保護シート6を50Kg/c
2、70℃で40分間加熱プレスした。
【0045】780nmの波長の半導体レーザを照射
し、光吸収層4で熱に変換した後、その熱で感熱発色層
2、3を発色させたところ、鮮明でしかも濃度の濃い印
影の画像が得られた。また、近赤外線域の光源をもつ赤
外線読み取り装置(赤外線フィルタ)により観察する
と、光吸収層4全面が黒色に見えた。さらに、830n
m以下の波長を遮断する赤外線フィルタを用いて観察す
ると、印影の画像のみを正確に読み取ることができた。
この後、保護シート6の上からサーマルヘッドにより加
熱しても発色させることはできず、赤外線読み取り装置
を用いても読み取ることはできなかった。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、第1の感熱発色層には可視像が記録され、第2の感
熱発色層には非可視像(赤外線像)が記録される。非可
視像は肉眼による視認不可能であるため、不正行為者が
非可視像を改懺することは困難である。また、非可視像
を検証することにより、情報記録体の真偽を検証するこ
とができ、偽造および改懺等の不正行為を防止すること
ができる。
【0047】さらに、光吸収層は所定の波長の赤外線の
みを吸収するため、肉眼で光吸収層を視認することはで
きない。よって、不正行為者が正規の光吸収層を備えた
情報記録体を偽造することは困難である。光吸収層が所
定の波長の非可視光を吸収するか否かを判断することに
より、情報記録体の真偽を検証することができ、偽造お
よび改懺を防止することが可能となる。
【0048】第2の感熱発色層と保護層との間に介在す
る断熱層は、第2の感熱発色層に生じた熱エネルギーが
保護層に伝播するのを防いでいる。よって、第2の感熱
発色層に効率よく、印影等の赤外線像を記録することが
できる。また、不正行為者が、保護シート上からサーマ
ルヘッド等を用いて第1および第2の感熱発色層に記録
された像を改懺しようとしても、断熱層があるためにサ
ーマルヘッドの熱を第2の感熱発色層に印加することは
できない。よって、情報記録体の偽造および改懺を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る情報記録体(印鑑証明
書)の上面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る情報記録体の断面図で
ある。
【図3】本発明の一実施例に係る第1の感熱発色層、第
2の感熱発色層のそれぞれの発色部の反射率のスペクト
ルを表すグラフである。
【符号の説明】
1 基体 2 第1の感熱発色層 3 第2の感熱発色層 4 光吸収層 6 保護シート 21 発色部(可視像) 31 発色部(非可視像)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B42D 11/00 U

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視像が記録される第1の感熱発色層
    と、 非可視像が記録される第2の感熱発色層とを備えたこと
    を特徴とする情報記録体。
  2. 【請求項2】 上記第2の感熱発色層の非可視像は赤外
    線像であることを特徴とする請求項1記載の情報記録
    体。
  3. 【請求項3】 所定の波長の非可視光を吸収する光吸収
    層を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の情報記録体。
  4. 【請求項4】 第1の感熱発色層と、第2の感熱発色層
    と、光吸収層と、断熱層と、保護シートとを順に積層し
    てなる情報記録体であって、 上記第1の感熱発色層には、レーザビームによって加熱
    されることにより可視像が記録され、 上記第2の感熱発色層には、レーザビームによって加熱
    されることにより赤外線像が記録され、 上記光吸収層は所定の波長の赤外線を吸収し、 上記断熱層は保護シートおよび第2の感熱発色層の間の
    熱伝導を防止することを特徴とした情報記録体。
  5. 【請求項5】 上記断熱層は気体により形成され、その
    厚さが0.3μm以上であることを特徴とする請求項4
    記載の情報記録体。
  6. 【請求項6】 上記保護シートの厚さは10μm以上で
    あることを特徴とする請求項4記載の情報記録体。
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