JP3146503B2 - 感熱情報記録媒体 - Google Patents

感熱情報記録媒体

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JP3146503B2 JP06748691A JP6748691A JP3146503B2 JP 3146503 B2 JP3146503 B2 JP 3146503B2 JP 06748691 A JP06748691 A JP 06748691A JP 6748691 A JP6748691 A JP 6748691A JP 3146503 B2 JP3146503 B2 JP 3146503B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱発色により情報記録
が可能な複数の感熱発色材料からなる感熱情報記録媒体
に係り、とくに少なくとも一つの感熱発色材料による感
熱発色部分が赤外線吸収可能である不正読み取り防止機
能、偽造改竄防止機能を有する感熱情報記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、感熱発色材料、例えばロイコ
染料、ジアゾ染料などを紙、プラスチックシートなどの
基材に塗布形成した感熱記録媒体に対して、感熱ヘッド
などにより簡単に文字、数字、マーク、模様などの情報
の記録ができ、しかも目視による情報の読み取りができ
るという特徴により、買い物スタンプなど機密性の低い
或いは価値の低い情報の記録に用いられていた。すなわ
ち、改竄、偽造は極めて簡易であることと、記録できる
情報量が少ないため、用途が限られていた。
【0003】また、近年、磁気記録媒体、光記録媒体、
電子記録媒体など情報記録媒体とよばれるものは、その
記録情報の記録量の多さと機械による書き込み・読み取
りが可能なところから、例えばカードのような形態をと
り、クレジットカード、キャッシュカード、IDカー
ド、プリペイドカード、乗車券、回数券、定期券等とし
て多くの分野で利用されている。とくに磁気記録媒体は
その経済性、安定性から急激に普及している。
【0004】ところで、上記の情報記録媒体は機械によ
る書き込み・読み取りが可能であるが、情報記録媒体の
所有者にとっては目視による情報の読み取りが不可能
で、記録された情報を確認するためには読み取り装置に
情報記録媒体を読み取らせる必要があった。そこでカー
ド所有者の利便を図る上で書き込まれる情報の少なくと
も一部を目視可能となるように情報記録媒体の表面にイ
ンキによる印字手段、或いはロイコ染料、ジアゾ染料等
の感熱発色材料による感熱発色記録、Sn、Pb、Cd
等の低融点金属材料による加熱溶融記録など感熱記録層
を形成し、加熱印字手段により情報記録することが行わ
れている。現在、磁気記録媒体に感熱記録層を形成した
プリペイドカードが実用化されており、磁気記録層に固
定情報、識別情報、残額情報等を記録し、感熱記録層に
磁気記録層の情報に対応する、例えば最新の残額情報等
を追記していく方式がとられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感熱発
色記録は記録の簡易性、経済性が高い反面、アルコー
ル、有機溶剤による記録情報の消去、或いは感熱ヘッド
により偽情報の書き込み、書き換えなど、偽造、変造、
改竄が容易に行うことができるなどの欠点を有してい
る。また、加熱溶融記録も記録の簡易性、耐侯性、安定
性が高いものの、記録情報の一部を削除あるいは加筆に
より容易に改竄することが可能である。さらに感熱記録
層を磁気記録媒体との組み合わせにおいても、磁気記録
自体も磁気カードリーダライタの普及により容易に手に
入れることが可能となり、記録情報の読み取り、消去、
書き換えがその分野の知識を有するものであれば、容易
に行うことができるため、偽造、変造、改竄が容易でき
ることは明らかである。偽造に対しては、情報記録媒体
自体の真偽を判定する手段として、その表面にホログラ
ムを形成またはホログラムを形成したシールを貼着する
ことが行われているが、ホログラムを機械により読み取
ることはできず、感熱記録層に表示された可視情報自体
の真偽を判断する手段は無かった。
【0006】そこで本発明は上述の問題点を解決すべく
なされたものであり、感熱記録層、とくに感熱発色記録
における記録情報の表示内容および情報記録媒体の偽
造、変造、改竄に対して、その判別を容易にかつ正確に
判別することのできる感熱情報記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
なされた本発明は、第1の発明の感熱情報記録媒体は、
シート状はたは板状の基材上に、少なくとも発色時に赤
外波長領域に光吸収特性を有する第1の感熱発色材料
と、該第1の感熱発色材料と発色温度が異なり、かつ発
色時に赤外波長領域に光吸収特性の無い第2の感熱発色
材料とを主成分とする混合体からなる感熱記録層を積層
してなり、可視波長領域では、第1及び第2の感熱発色
材料に対する記録情報を読み取ることができ、赤外波長
領域では、第1の感熱発色材料に対する記録情報のみを
読み取ることができることを特徴とする。
【0008】第2の発明の感熱情報記録媒体は、シート
状または板状の基材上に、少なくとも発色時に赤外波長
領域に光吸収特性を有する感熱発色材料を主成分とする
第1の感熱記録層と、該第1の感熱記録層と発色温度が
異なり、かつ発色時に赤外波長領域に光吸収特性の無い
感熱発色材料を主成分とし、赤外波長領域の光を透過す
第2の感熱記録層を順次積層してなり、可視波長領域
では、少なくとも第2の感熱発色材料に対する記録情報
を読み取ることができ、赤外波長領域では、第1の感熱
発色材料に対する記録された情報のみを読み取ることが
できることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の第1の発明によれば、感熱記録層を発
色時に赤外波長領域に光吸収特性を有する第1の感熱発
色材料と、第1の感熱発色材料と発色温度が異なり、か
つ発色時に赤外波長領域に光吸収特性の無い第2の感熱
発色材料とを主成分とする混合体により形成し、それぞ
れ加熱温度を変えることによって2種類の情報を記録す
ることができ、可視光または赤外光により、読み取りが
可能である。とくに同一情報を同一パターンで記録した
場合、第1の感熱発色材料の発色温度での記録と、その
発色温度と異なる第2の感熱発色材料の発色温度での記
録が同一面上のほぼ同じ位置に重なって存在するが、可
視波長領域の読み取り光の照射により、第1の感熱発色
材料による記録と第2の感熱発色材料による記録を読み
取り、赤外波長領域の読み取り光の照射では、第1の感
熱発色材料による記録のみを読み取ることが可能とな
る。また記録が同じ位置に一部が重なるようにしても同
様に可能である。
【0010】また第2の発明によれば、感熱記録層を発
色時に赤外波長領域に光吸収特性を有する第1の感熱発
色材料を主成分とする第1の感熱記録層と、第1の感熱
記録層の感熱発色材料と発色温度が異なり、かつ発色時
に赤外波長領域に光吸収特性の無い感熱発色材料を主成
分とする第2の感熱記録層との積層により形成し、それ
ぞれ別々に情報を記録することができ、可視光または赤
外光により、読み取りが可能である。とくに同一情報を
同一パターンで記録した場合、第1の感熱記録層の感熱
発色材料の発色温度での記録とその発色温度と異なる発
色温度での記録が各感熱記録層になされるため、ほぼ同
じ位置に重なって存在するが、可視波長領域の読み取り
光の照射により、感熱情報記録媒体表面の第2の感熱記
録層の記録を読み取り、さらに赤外波長領域の読み取り
光の照射で、第1の感熱記録層の記録のみを読み取るこ
とが可能となる。
【0011】
【実施例】本考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明
する。図1は本発明の感熱情報記録媒体の平面図であ
り、図2は図1のX−X’線における本発明の感熱情報
記録媒体の断面図である。
【0012】図中の1は本発明の感熱情報記録媒体であ
り、2は基材であり、3は発色時に赤外波長領域に光吸
収特性を有する第1の感熱発色材料と、第1の感熱発色
材料と発色温度が異なり、かつ発色時に赤外波長領域に
光吸収特性の無い第2の感熱発色材料との混合体を主成
分とする感熱記録層であり、4は感熱記録層を傷や擦れ
から保護する保護層であり、必要に応じて設けられる。
なお、図示しないが赤外波長領域の読み取り光の情報パ
ターンに対する反射光を検出しやすくするために基材2
と感熱記録層3の間には必要に応じて赤外線反射層を設
けてもよい。
【0013】基材2はシート状または板状のものであっ
て、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン、ナイロン等のプラスチック類、紙、合浸紙、
合成紙等の紙類、アルミニウム、銅、鉄等の金属を単
体、或いは組み合わせて複合体として用いることができ
る。基材に要求される物性は強度、剛性、隠蔽性、光透
過性など用途に応じて上記材料から適宜選択される。
【0014】感熱記録層3は感熱発色材料と高分子結着
剤を主成分として構成される。感熱発色材料は発色時に
赤外波長領域に光吸収特性を有する第1の感熱発色材料
と第1の感熱発色材料と発色温度が異なり、かつ発色時
に赤外波長領域に光吸収特性の無い第2の感熱発色材料
との混合体である。
【0015】第2の感熱発色材料は図3に示すような発
色濃度−エネルギー曲線を有する高感度の発色特性を示
し、また第1の感熱発色材料は図4のような発色濃度−
エネルギー曲線を有する低感度の発色特性を示し、かつ
図3の発色濃度−エネルギー曲線と比べ、高いエネルギ
ー(加熱温度)で発色するものである。
【0016】本発明の感熱記録層3は、以下に述べる感
熱発色染料と顕色剤からなる感熱発色材料を組み合わせ
ることによって得ることができる。さらに両感熱発色材
料の発色は色相の差が無いことが好ましい。感熱発色染
料には一例として有機金属塩、ロイコ染料、ジアゾ染料
等があり、具体的には有機金属塩ではステアリン酸ニッ
ケル、オレイン酸鉄、ステアリン酸第2鉄、オレイン酸
銅があり、ロイコ染料ではフルオラン系化合物、フルオ
レン系化合物、フタリド誘導体があり、フルオラン系化
合物では3−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラ
ン、7−アセトアミノ−3−ジメチルアミノフルオラ
ン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオランが
あり、フルオレン系化合物では3−(p−アミノフェニ
ル)フルオレンがあり、フタリド誘導体では3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ニトロフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−フ
タリドがる。さらにこれらと作用して発色する顕色剤と
しては、フェノール、クレゾール、ヒドロキノンなどが
ある。高分子結着剤はアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
ポリエステル樹脂等がある。
【0017】第1の感熱発色材料と第2の感熱発色材料
は、上記の化合物の染料と顕色剤とをそれぞれ適当な組
み合わせ、例えばマイクロカプセルに内包して作ること
ができる。
【0018】本実施例では、ロイコ染料を使用した。第
2の感熱発色材料は図3のような発色濃度−エネルギー
曲線を示すフタリド系化合物の比較的融点の低い高感度
タイプの発色材料と顕色剤、〔3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−フタリドとp−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル〕を、第1の感熱発色材料は第2の感熱発
色材料の融点と重ならない図4のような発色濃度−エネ
ルギー曲線を示すフルオラン系化合物の融点の極めて高
い極低感度タイプの発色材料と顕色剤、〔3−(p−ア
ミノフェニル)フルオレンとビスフェノールS〕を使用
し、それぞれ適当な高分子結着剤、例えばポリエステル
に分散させたものをロールコート法、ナイフエッジ法、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの塗布、印刷方
法を用いて、厚さ4〜10μm程度に感熱記録層3を形
成するものである。
【0019】保護層4は外部からの擦れや傷に対する保
護効果を得るもので、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
ポリエステル樹脂、ニトロセルロースなどの樹脂をトル
エン、キシレンなどの溶剤に溶かした塗液をロールコー
ト法、ナイフエッジ法、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法などの塗布、印刷方法を用いて、厚さ1〜3μm程
度に形成する。その他に公知の熱硬化型樹脂、紫外線硬
化型樹脂を用いることも可能である。さらに感熱記録時
のサーマルヘッド適性を改善する目的でシリコンアクリ
ル、ステアリン酸亜鉛、ワックス等の滑剤を添加しても
よい。
【0020】また赤外線反射層は赤外線の反射効率の高
い材料を用いるものであって、アルミニウム、クロム、
ニッケル、センダスト、スズ等の真空蒸着、スパッタリ
ング、メッキによる金属薄膜、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、酸化バリウム、酸化亜鉛、タルク等を主成分と
し、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、ニトロセルース等のバインダーに混入分散して得ら
れた白色系のインキまたは塗料を周知のロールコート
法、ナイフエッジ法、グラビア印刷法、スクリーン印刷
法などの塗布、印刷技術を用いて赤外線反射層を形成す
るものである。また、基材2に赤外線反射層を兼ねさせ
ることも可能であり、白色、乳白色系のポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0021】本実施例で以上のように構成した感熱情報
記録媒体において、感熱記録層3への記録及び読み取り
は次のように行っている。
【0022】図3のような発色濃度−エネルギー曲線を
示す第2の感熱発色材料に対し、従来公知のサーマルヘ
ッド等の加熱印字手段により、パターン状の、例えば文
字、数字、マーク、バーコード等の情報(パターン情
報)5を可視情報として墨色に発色させ感熱記録する。
さらに図4のような発色濃度−エネルギー曲線を示し、
かつ第2の感熱発色材料より高い温度で発色する第1の
感熱発色材料に対し、同様に従来公知のサーマルヘッド
等の加熱印字手段により、パターン状の、例えば文字、
数字、マーク、バーコード等の情報(パターン情報)6
を可視領域とともに赤外波長領域での読み取りが可能に
なるように緑色に発色させ感熱記録する。
【0023】第1の感熱発色材料への記録が第2の感熱
発色材料への記録と重なるため、第1の感熱発色材料の
緑色の発色が第2の感熱発色材料の墨色の発色にマスキ
ングされ、見かけ上は第2の感熱発色材料の墨色の発色
のみが見えるため、感熱情報記録媒体の真偽判別を行う
場合、マスキングされる第1の感熱発色材料への記録が
存在するか否かにより容易にその判別が可能となる。す
なわち第2の感熱発色材料は第1の感熱発色材料の発色
のない温度で発色させることが可能であるため、第1の
感熱発色材料の発色のみの記録を行い、これらの記録を
ダミー情報とすることができ、また真の情報は第2の感
熱発色材料への記録で行うことができ、しかも第1と第
2の感熱発色材料の発色は同一平面上にあり、色相の差
が無いことから、第1の感熱発色材料の発色を検知する
ことは困難となる。とくに第2の感熱発色材料に対する
記録パターンを第1の感熱発色材料に対する記録パター
ンと同一または異なるようにしてもよい。第1の感熱発
色材料の発色温度が第2の感熱発色材料の発色温度より
も高い場合は、両感熱発色材料に対する情報を同時に記
録することができる。
【0024】感熱記録層3に記録された情報を読み取る
方法は図示はしないが、特定波長の赤外線を照射し、感
熱情報記録媒体の記録面から反射される赤外線を検出す
る検出装置により読み取ることができる。第2の感熱発
色材料が発色したダミー情報の部分と未発色の第1およ
び第2の感熱発色材料の部分はそれぞれ図5、図6に示
すような分光反射特性を有し、図7に示すように700
nm以上の赤外波長領域において、第1の感熱発色材料
が発色した真の情報の部分はほとんど赤外線を反射しな
いため、この反射率の差から情報を読み取ることが可能
である。情報をバーコードのようなパターンで形成すれ
ば、パターンに応じた出力信号を得ることができ、出力
信号から真偽判別、データ内容を認識がなされる。ま
た、IRスコープを用いて目視によって文字、数字、マ
ーク、パターンを直接見ることも可能である。
【0025】図8は本発明の第2の発明にかかる感熱情
報記録媒体の平面図であり、図9は図8のY−Y’にお
ける感熱情報記録媒体の断面図である。
【0026】図中の11は感熱情報記録媒体であり、1
2は基材であり、13は発色時に赤外波長領域に光吸収
特性を有する感熱発色材料を主成分とする第1の感熱記
録層であり、14は第1の感熱記録層と発色温度が異な
り、かつ発色時に赤外波長領域に光吸収特性の無い感熱
発色材料主成分とする第2の感熱記録層であり、15は
感熱記録層を傷や擦れから保護する保護層であり、必要
に応じて設けられる。なお、図示しないが赤外波長領域
の読み取り光の情報パターンに対する反射光を検出しや
すくするために基材12と第1の感熱記録層13の間に
は必要に応じて赤外線反射層を設けてもよい。
【0027】それぞれを構成する材料およびそれらの組
み合わせについては、上述のものと同一であるため、こ
こでは省略する。
【0028】本実施例で以上のように構成した感熱情報
記録媒体において、感熱記録層3への記録及び読み取り
は次のように行っている。
【0029】第2の感熱記録層14は第1の感熱記録層
の発色温度より低い温度で発色し、しかも赤外線を透過
する、赤外波長領域に光吸収特性の無い感熱発色材料を
主成分としており、また発色時に赤外波長領域に光吸収
特性を有する感熱発色材料を主成分とする第1の感熱記
録層13は未発色部分は赤外線に対し、分光反射特性を
示すことが必要であり、例えば、第1の感熱記録層の感
熱発色材料は3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−フタリドとp−ヒドロキシ安息香酸ベンジルの混
合体であり、第2の感熱記録層の感熱発色材料は3−
(p−アミノフェニル)フルオレンとビスフェノールS
の混合体である。それぞれの発色濃度−エネルギー曲線
は図10、図11に示す。
【0030】図11のような発色濃度−エネルギー曲線
を示す第2の感熱記録層に対し、従来公知のサーマルヘ
ッド等の加熱印字手段により、パターン状の、例えば文
字、数字、マーク、バーコード等の情報(パターン情
報)16を可視情報としてに発色させ感熱記録する。
さらに図10のような発色濃度−エネルギー曲線を示
し、かつ第2の感熱記録層より高い温度で発色する第1
の感熱記録層に対し、同様に従来公知のサーマルヘッド
等の加熱印字手段により、パターン状の、例えば文字、
数字、マーク、バーコード等の情報(パターン情報)1
7を可視情報とともに赤外波長領域での読み取りが可能
になるように例えば緑色に発色させ感熱記録する。
【0031】とくに第2の感熱記録層の発色温度は第1
の感熱記録層の発色温度よりも低くてすむため、第1の
感熱記録層に記録する情報と異なる、例えばダミー情報
を記録し、さらに第2の感熱記録層の発色温度で第1、
第2の感熱記録層へ真の情報の記録を同時に行うことが
でき、外見上はダミー情報を含む第2の感熱記録層だけ
が見え、第1の感熱記録層に記録された真の情報を検知
することは困難である。また第2の感熱記録層の発色温
度で第1の感熱記録層へ真の情報の記録がなくてもよ
く、第2の感熱記録層の情報を読み取ることができれ
ば、その感熱情報記録媒体は改竄、変造、偽造がなされ
ていない真であることが証明される。
【0032】第1および第2の感熱記録層に記録される
情報の形態はパターン、文字、数字、マーク、バーコー
ド等である。
【0033】感熱記録層13に記録された情報を読み取
る方法は図示はしないが、特定波長の赤外線を照射し、
感熱情報記録媒体の記録面から反射される赤外線を検出
する検出装置により読み取ることができる。第2の感熱
記録層の感熱発色材料が発色したダミー情報の部分と未
発色の第1および第2の感熱記録層の感熱発色材料の部
分はそれぞれ図12、図13に示すような分光反射特性
を有し、図14に示すように700nm以上の赤外波長
領域において、真の情報の部分はほとんど赤外線を反射
しないため、この反射率の差から情報を読み取ることが
可能である。情報をバーコードのようなパターンで形成
すれば、パターンに応じた出力信号を得ることができ、
出力信号から真偽判別、データ内容を認識がなされる。
また、IRスコープを用いて目視によってパターン、文
字、数字、マークを直接見ることも可能である。
【0034】上記したような本発明は他の記録媒体とし
て、磁気記録媒体と組み合わせ、図15の断面図に示す
ような感熱磁気記録媒体21とすることも可能である。
感熱磁気記録媒体21は基材22、磁気記録層23、隠
蔽層24、感熱記録層25、保護層26からなる。磁気
記録層23はγ−Fe2 Co3 、Co被着γ−Fe2
3 、Fe3 4 、Baフェライト、Fe等の磁性粉を
適当な樹脂或いはインキビヒクル中に分散させた塗液を
ロールコート法、ナイフエッジ法、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法などの塗布、印刷方法を用いて塗布、乾
燥し、形成したものである。隠蔽層24はAg、Cr、
Al、Sn等の鱗片状にした非磁性金属粉末をポリビニ
ルアルコール、ポリメタクリル酸樹脂等のバインダー溶
液に分散した塗液をロールコート法、ナイフエッジ法、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの塗布、印刷方
法を用いて塗布、乾燥し、形成したものである。基材2
2、感熱記録層25、保護層26については上述した構
成をとることができる。すなわち感熱記録層25は第1
の発明の感熱記録層および第2の発明の感熱記録層のど
ちらも用いることができる。本実施例では図15に示す
ように感熱記録層25に第1の発明の感熱記録層を用い
ており、図中の27は第1の感熱発色材料に記録された
情報パターンであり、28は第1の感熱発色材料に記録
された情報パターンである。これらの情報パターンは上
述した作用効果を等しく有するものである。
【0035】これによれば磁気記録層に記録された情報
と、感熱記録層の光学的な記録情報を合わせて情報記録
媒体上に記録することができ、双方が関連する情報であ
れば、読み取り装置が無くても感熱記録層に記録された
情報から内容の確認が可能となり、しかもその情報の真
偽を感熱記録層に記録された別の情報から確認すること
ができ、偽造、変造、改竄を発見することができる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、発色
時に赤外波長領域に光吸収特性を有する第1の感熱発色
材料と、第1の感熱発色材料と発色温度が異なり、かつ
発色時に赤外波長領域に光吸収特性の無い第2の感熱発
色材料とを主成分とする混合体により感熱記録層を形成
するため、2種類の情報の記録することができる。とく
に同一情報を同一パターンで記録した場合、第1の感熱
発色材料の発色温度での記録と、その発色温度と異なる
第2の感熱発色材料の発色温度での記録が同一面上のほ
ぼ同じ位置に重なって存在するように見えるため、感熱
情報記録媒体表面の可視波長領域で読み取られる情報は
容易に読み取ることができるが、それに重なり、肉眼で
は識別が困難な赤外波長領域で読み取られる情報の存在
を知ることを困難とし、これを真偽判別の手段とするこ
とができる。さらに第2の感熱発色材料の発色のみの記
録を行い、これらの記録をダミー情報とし、また真の情
報の第1の感熱発色材料への記録をダミー情報の記録と
一部重なるように形成すれば、これらは色相の差が無い
ことから、真の情報である第1の感熱発色材料の発色を
検知することは困難とする効果を奏する。
【0037】また感熱記録層を発色時に赤外波長領域に
光吸収特性を有する第1の感熱発色材料を主成分とする
第1の感熱記録層と、第1の感熱記録層の感熱発色材料
と発色温度が異なり、かつ発色時に赤外波長領域に光吸
収特性の無い感熱発色材料を主成分とする第2の感熱記
録層との積層により形成するため、2種類の情報を記録
することができる。とくに同一情報を同一パターンで記
録した場合、第1の感熱記録層の感熱発色材料の発色温
度での記録とその発色温度と異なる発色温度での記録が
各感熱記録層になされ、ほぼ同じ位置に重なって存在す
るように見えるため、感熱情報記録媒体表面の可視波長
領域で読み取られる情報は容易に読み取ることができる
が、それに重なるので、肉眼では識別が困難な赤外波長
領域で読み取られる情報の存在を知ることを困難とし、
これを真偽判別の手段とすることができる。さらに第2
の感熱記録層のみの記録を行い、これらの記録をダミー
情報とし、また真の情報の第1の感熱記録層への記録は
ダミー情報の記録と一部重なるように形成すれば、真の
情報である第1の感熱記録層の発色を検知することは困
難とする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明の感熱情報記録媒体の平面
図である。
【図2】図1のX−X’線における断面図である。
【図3】第1の感熱発色材料の示す発色濃度−エネルギ
ー曲線を表すグラフである。
【図4】第2の感熱発色材料の示す発色濃度−エネルギ
ー曲線を表すグラフである。
【図5】第2の感熱発色材料が発色した部分の分光反射
特性を表すグラフである。
【図6】第1および第2の感熱発色材料の未発色部分の
分光反射特性を表すグラフである。
【図7】第1の感熱発色材料が発色した部分の分光反射
特性を表すグラフである。
【図8】本発明の第1の発明の感熱情報記録媒体の平面
図である。
【図9】図8のY−Y’線における断面図である。
【図10】第1の感熱記録層の示す発色濃度−エネルギ
ー曲線を表すグラフである。
【図11】第2の感熱記録層の示す発色濃度−エネルギ
ー曲線を表すグラフである。
【図12】第2の感熱記録層の発色した部分の分光反射
特性を表すグラフである。
【図13】第1および第2の感熱記録層の未発色部分の
分光反射特性を表すグラフである。
【図14】第1の感熱発色材料が発色した部分の分光反
射特性を表すグラフである。
【図15】本発明の他の実施例である感熱磁気記録媒体
の断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 感熱情報記録媒体 2、12、22 基材 3、25 感熱記録層 4、15、26 保護層 5、16、27 可視光で読み取り可能な情報(パタ
ーン情報) 13 第1の感熱記録層 14 第2の感熱記録層 6、17、28 赤外波長領域で読み取り可能な情報
(パターン情報) 23 磁気記録層 24 隠蔽層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34 B42D 15/10 501 B42D 15/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状または板状の基材上に、少なくと
    も発色時に赤外波長領域に光吸収特性を有する第1の感
    熱発色材料と、該第1の感熱発色材料と発色温度が異な
    り、かつ発色時に赤外波長領域に光吸収特性の無い第2
    の感熱発色材料とを主成分とする混合体からなる感熱記
    録層を積層してなり、可視波長領域では、第1及び第2
    の感熱発色材料に対する記録情報を読み取ることがで
    き、赤外波長領域では、第1の感熱発色材料に対する記
    録情報のみを読み取ることができることを特徴とする感
    熱情報記録媒体。
  2. 【請求項2】シート状または板状の基材上に、少なくと
    も発色時に赤外波長領域に光吸収特性を有する感熱発色
    材料を主成分とする第1の感熱記録層と、該第1の感熱
    記録層と発色温度が異なり、かつ発色時に赤外波長領域
    に光吸収特性の無い感熱発色材料主成分とし、赤外波長
    領域の光を透過する第2の感熱記録層を順次積層してな
    り、可視波長領域では、少なくとも第2の感熱発色材料
    に対する記録情報を読みとることができ、赤外波長領域
    では、第1の感熱発色材料に対する記録された情報のみ
    を読み取ることができることを特徴とする感熱情報記録
    媒体。
  3. 【請求項3】前記シート状または板状の基材と感熱記録
    層との層間に磁気記録層、隠蔽層を積層してなることを
    特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の感熱情
    報記録媒体。
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