JP2005279940A - 有価証券用紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 紙基材と、樹脂をビヒクルとし、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、樹脂に対し、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色樹脂層と、紙基材とを順次に積層したことを特徴とする有価証券用紙に関するものである。
【選択図】 図1
Description
而して、これらの有価証券用紙としては、一般に、紙基材をベ−ズ素材とし、例えば、紙基材自身にすかしを施したり、あるいは、その片面あるいは両面に、マイクロ文字、凹半印刷、隠し文字、蛍光印刷等の特殊印刷を施したり、更には、金属箔やホログラム箔等を転写あるいはシ−ルして、その真偽の判定をしたり、あるいは、その偽造または改竄等を防止している。
例えば、紙基材の表面、あるいは、裏面等の面に、印刷等により、例えば、発行者名、コ−ド番号、発行年月日、金額、その他等が印字されると共に、その使用者あるいは所有者の氏名等を自署して有価証券類として使用されている。
しかし、上記の例では、技術の向上等により、その真偽の判定が極めて難しく、また、その使用者あるいは所有者の氏名等の自署等は、主に、ボ−ルペン、万年質等による手書きが多く、記名直後にその部分に接触すると、簡単に消えてしまったり、また、磨耗や溶剤等により容易に消去が可能であったり、その安全性、信頼性、真偽、偽造、改竄、その他等の観点から非常に問題視されているものである。
上記のような問題点を解決すべく、例えば、第1面及び第2面と、ベ−ス層を貫通する複数の流れ通し孔とを具備するベ−ス層と、接着剤と、各々内側面及び外側面を有する、第1及び第2外側層であって、該第1及び第2外側層の内側面は前記ベ−ス層の第1面及び第2面にそれぞれ結合され且つ互いに流れ通し孔内の接着剤により互いに結合される第1及び第2外側層とを包含する偽造防止ラミネ−ト等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、上記で提案されている偽造防止ラミネ−トを表裏両面から観察しても、第1及び第2外側層等の存在により、ベ−ス層の存在を確認することは極めて困難であり、その真偽の判定あるいは偽造または改竄等の判定は何に依拠して行えば良いのか不明である。 更に、上記で提案されている偽造防止ラミネ−トでは、第1及び第2外側層の表面あるいは裏面に設けた印字情報等は、摩擦、その他等の各種の外力、水、溶剤、酸、アルカリ、その他等の各種の薬品、その他等により、容易に消失するという問題点があり、また、その美麗感、意匠性等に劣るという問題点を有するものである。
そこで本発明は、真偽の判定あるいは偽造または改竄等の防止に有用な印字機能を有する有価証券用紙を提供することである。
次いで、本発明においては、図2に示すように、上記で製造した積層体3に、その表面および/または裏面から、YAGレ−ザ−光線4を照射し、而して、上記でYAGレ−ザ−光線4を照射すると、該YAGレ−ザ−光線4は、積層体3を構成する紙基材1、1a等を透過してレ−ザ−光線照射発色樹脂層2に到達し、そして、その照射部分のレ−ザ−光線照射発色樹脂層2において、該レ−ザ−光線照射発色樹脂層2が、レ−ザ−光線4によるエネルギ−を吸収し、次いで、そのレ−ザ−光線照射部分において、レ−ザ−光線照射発色樹脂層2が、炭化による黒色発色、あるいは、発砲による白色発色等を生成し、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像5を形成し、而して、該レ−ザ−印字画像5を形成した積層体3を、例えば、日光、蛍光灯等で透かしてみると、上記のレ−ザ−印字画像5に対応して、その部分に透かし画像ないしぼかし画像5aを極めて鮮明に、明確に視認し得ることができ、該レ−ザ−印字画像5による透かし画像ないしぼかし画像5aを有する本発明に係る有価証券用紙Aを製造することができるものである。
次いで、本発明においては、図4に示すように、上記の同様に、上記で製造した積層体3aに、その表面および/または裏面から、YAGレ−ザ−光線4を照射し、而して、上記でYAGレ−ザ−光線4を照射すると、該YAGレ−ザ−光線4は、積層体3aを構成する紙基材1、1a、樹脂を主成分とする樹脂組成物による樹脂層6等を透過しレ−ザ−光線照射発色樹脂層2に到達し、そして、その照射部分のレ−ザ−光線照射発色樹脂層2において、該レ−ザ−光線照射発色樹脂層2が、レ−ザ−光線4によるエネルギ−を吸収し、次いで、そのレ−ザ−光線照射部分において、レ−ザ−光線照射発色樹脂層2が、炭化による黒色発色、あるいは、発砲による白色発色等を生成し、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像5を形成し、而して、該レ−ザ−印字画像5を形成した積層体3aを、例えば、日光、蛍光灯等で透かしてみると、上記のレ−ザ−印字画像5に対応して、その部分に透かし画像ないしぼかし画像5aを極めて鮮明に、明確に視認し得ることができ、該レ−ザ−印字画像5による透かし画像ないしぼかし画像5aを有する本発明に係る有価証券用紙A1 を製造し得るものである。
次いで、本発明においては、図6に示すように、上記の同様に、上記で製造した積層体3bに、その表面および/または裏面から、YAGレ−ザ−光線4を照射し、而して、上記でYAGレ−ザ−光線4を照射すると、該YAGレ−ザ−光線4は、積層体3bを構成する紙基材1、1a、樹脂を主成分とする樹脂組成物による樹脂層6、6a等を透過しレ−ザ−光線照射発色樹脂層2に到達し、そして、その照射部分のレ−ザ−光線照射発色樹脂層2において、該レ−ザ−光線照射発色樹脂層2が、レ−ザ−光線4によるエネルギ−を吸収し、次いで、そのレ−ザ−光線照射部分において、レ−ザ−光線照射発色樹脂層2が、炭化による黒色発色、あるいは、発砲による白色発色等を生成し、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像5を形成し、而して、該レ−ザ−印字画像5を形成した積層体3bを、例えば、日光、蛍光灯等で透かしてみると、上記のレ−ザ−印字画像5に対応して、その部分に透かし画像ないしぼかし画像5aを極めて鮮明に、明確に視認し得ることができ、該レ−ザ−印字画像5による透かし画像ないしぼかし画像5aを有する本発明に係る有価証券用紙A2 を製造し得るものである。
なお、本発明において、図示しないが、本発明に係る有価証券用紙を構成するレ−ザ−光線照射発色樹脂層は、全面のみならず記録したい部分に部分的に設けることもできるものである。
また、本発明において、本発明に係る有価証券用紙の表面および/または裏面に、レ−ザ−光線を照射しても、紙基材、樹脂層等は、該レ−ザ−光線によって何ら影響を受けることもないものである。
更に、本発明においては、図示しないが、更に、その使用目的、用途等によって、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる多層の有価証券用紙を設計して製造することができるものである。
また、本発明に係る有価証券用紙においては、YAGレ−ザ−光線等を照射しても、紙基材、あるいは、樹脂を主成分とする樹脂組成物による樹脂層等の表面、裏面等は、YAGレ−ザ−光線による影響を受けることなく、該紙基材、あるいは、樹脂層等を介して、極めて鮮明なレ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像を形成し、その印字状態を明確に視認し得るものである。
更に、本発明に係る有価証券用紙においては、上記のようにレ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像を形成し得ると共にそのレ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像の外側に、紙基材、あるいは、樹脂層等が存在し、これにより、レ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像を保護して、その外的影響を排除し、例えば、改変、偽造等を防止するものである。
そのため、本発明において、上記のレ−ザ−印字画像は、例えば、紙幣、株券、商品券、宝くじ、その他等の有価証券類等の印字画像の形成に有用なものである。
また、本発明に係る有価証券用紙においては、例えば、YAGレ−ザ−光線等を照射しても、本発明に係る有価証券用紙を構成する紙基材、あるいは、樹脂を主成分とする樹脂組成物による樹脂層等は、YAGレ−ザ−光線による影響を受けることなく、更に、本発明に係る有価証券用紙を構成するレ−ザ−光線照射発色樹脂層においては、上記のYAGレ−ザ−光線のエネルギ−を吸収し、その部分において、炭化による黒色発色、あるいは、発砲による白色発色等を生成し、それにより、極めて鮮明なレ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像を形成し、その印字状態を明確に視認し得ると共に印字後のレ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像が、その外側に位置して存在する紙基材、あにいは、樹脂層等により保護されて、外的影響を受けることなく、更に、消失、不鮮明等になることもなく、また、磨耗や溶剤等による擦過、その他等により消去、偽造、変造、改変、その他等を行うことは極めて困難なものであるという特性を有し、その安全性、信頼性等は極めて高いものである。
なお、上記において、レ−ザ−光線として、通常、レ−ザ−印字で多く用いられている炭酸ガス〔CO2 〕レ−ザ−(波長=10.6μm)を用いる場合には、炭酸ガス〔CO2 〕レ−ザ−光線を照射して表面を切削、炭化させることによりレ−ザ−印字を行うものであり、照射中に煙を発すること、作業性等に劣ること、あるいは、レ−ザ−印字画像の部分に穴開きが容易に発生すること等の問題点があるので好ましくないものである。
而して、本発明において、上記のYAGレ−ザ−光線は、透明体を透過してしまう性質を有し、その性質を利用し、更に、レ−ザ−光線照射発色樹脂層を紙基材、あるいは、樹脂層等で挟み込むことにより、煙等の発生を抑え、また、レ−ザ−光線照射発色樹脂層中に存在するレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の添加量、レ−ザ−光線照射発色樹脂層の膜厚、その他等を制御して、発色濃度、表面保護層等に与える影響等を調整し、レ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像を形成しても穴開き等がない極めて鮮明なレ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像を形成し得るものである。
具体的には、これが本発明に係る有価証券用紙を構成する基本素材となることから、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙、コ−ト紙、その他等の各種の紙基材を使用することができる。
本発明において、紙基材としては、例えば、坪量20g/m2 〜300g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約60〜250g/m2 位のものを使用することができる。
なお、本発明において、上記の紙基材には、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他等の所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
また、本発明においては、上記の紙基材の表面に、例えば、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層、樹脂層等を積層する際に、その密着性等を向上させるために、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
その使用量としては、上記の熱可塑性樹脂に対し、0.01重量%〜50.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜10重量%位添加して使用することが望ましいものである。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
その添加量としては、樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
上記の例示は、本発明に係るレ−ザ−光線照射発色樹脂層を形成する方法についてその一二例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
上記において、本発明に係るレ−ザ−光線照射発色樹脂層の膜厚として、膜厚1μm、更には、5μm未満であると、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤による発色、印字が不十分、不鮮明となること等の理由から好ましくなく、また、膜厚50μm、更には、30μmを越えると、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤による発色、印字は、十分となるが、コストアップ、レ−ザ−光線照射発色樹脂層の物性(強度)低下、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤自体の顔料色が着色すること等の理由から好ましくないものである。
具体的には、熱によって溶融し、押出機等の押出ダイ等から押出可能であり、更に、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマ−、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
その添加量としては、樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
なお、本発明において、本発明に係る樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜60μm位、好ましくは、10μm〜40μm位が望ましいものである。
上記において、本発明に係る樹脂層の膜厚として、膜厚5μm、更には、10μm未満であると、保護機能が喪失することから好ましくなく、また、膜厚60μm、更には、40μmを越えると、本発明に係る有価証券用紙の全体の総厚が増し、コストアップ等の要因となることから好ましくないものである。
而して、上記の印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述のコ−ティング薄膜の上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができる。
更に、本発明において、上記の積層一体化に際しては、エンボス加工等を行うこともできるものである。
次に、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
次に、第2層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料(メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825)5.0重量部とを十分に混練した樹脂組成物を調製した。
また、第3層として、坪量45g/m2 の薄紙(特種製紙株式会社製、厚さ50μm)を準備した。
次いで、上記の2枚の薄紙の層間に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これを330℃まで加熱し、次いで、Tダイ押出機で押出コ−トして、厚さ30μmのレ−ザ−光線照射発色樹脂層を押出積層して、3層積層体からなる本発明に係る有価証券用紙を製造した。
次いで、上記で製造した有価証券用紙の表面に、YAGレ−ザ−を照射したところ、薄紙には印字およびその他の影響は認められず、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層に起因した不鮮明な暗色の文字が浮き出てきて、文字画像を印字できることを確認した。
そして、レ−ザ−印字画像を形成した有価証券記録体を、蛍光灯の光、および、日光に透かしたところ、印字文字を明確に視認し得て、その透かし画像あるいはぼかし画像の形成を確認することができた。
なお、上記の印字においては、煙は発生ぜず、また、穴開きも認められなかった。
次に、第2層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名、PE−RMAZMD1239)5.0重量部とを十分に混練した樹脂組成物を調製した。
また、第3層として、坪量45g/m2 の薄紙(特種製紙株式会社製、厚さ50μm)を準備した。
次いで、上記の2枚の薄紙の層間に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これを330℃まで加熱し、次いで、Tダイ押出機で押出コ−トして、厚さ30μmのレ−ザ−光線照射発色樹脂層を押出積層して、3層積層体からなる本発明に係る有価証券用紙を製造した。
次いで、上記で製造した有価証券用紙の表面に、YAGレ−ザ−を照射したところ、薄紙には印字およびその他の影響は認められず、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層に起因した不鮮明な白色の文字が浮き出てきて、文字画像を印字できることを確認した。
そして、レ−ザ−印字画像を形成した有価証券記録体を、蛍光灯の光、および、日光に透かしたところ、印字文字を明確に視認し得て、その透かし画像あるいはぼかし画像の形成を確認することができた。
なお、上記の印字においては、煙は発生ぜず、また、穴開きも認められなかった。
次に、第2層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)100.0重量部を十分に混練した第1の樹脂組成物を調製した。
更に、第3層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料(メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825)5.0重量部とを十分に混練した樹脂組成物を調製した。
また、第4層として、上記の第2層と同様な、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)100.0重量部を十分に混練した第1の樹脂組成物を調製した。
更にまた、第5層として、坪量45g/m2 の薄紙(特種製紙株式会社製、厚さ50μm)を準備した。
次いで、上記の2枚の第1層と第5層との薄紙の層間に、上記で調製した3種類の樹脂組成物を使用し、これらをぞれぞれ330℃まで加熱し、次いで、Tダイ共押出機を用いて、第2層、厚さ5μm、第3層、厚さ20μm、第4層、厚さ5μmのそれぞれの膜厚でこられらの順序で共押出積層して、5層積層体からなる本発明に係る有価証券用紙を製造した。
次いで、上記で製造した有価証券用紙の表面に、YAGレ−ザ−を照射したところ、薄紙、樹脂層等には印字およびその他の影響は認められず、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層に起因した不鮮明な暗色の文字が浮き出てきて、文字画像を印字できることを確認した。
そして、レ−ザ−印字画像を形成した有価証券記録体を、蛍光灯の光、および、日光に透かしたところ、印字文字を明確に視認し得て、その透かし画像あるいはぼかし画像の形成を確認することができた。
なお、上記の印字においては、煙は発生ぜず、また、穴開きも認められなかった。
次に、第2層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)100.0重量部を十分に混練した第1の樹脂組成物を調製した。
更に、第3層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名、PE−RMAZMD1239)5.0重量部とを十分に混練した樹脂組成物を調製した。
また、第4層として、上記の第2層と同様な、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)100.0重量部を十分に混練した第1の樹脂組成物を調製した。
更にまた、第5層として、坪量45g/m2 の薄紙(特種製紙株式会社製、厚さ50μm)を準備した。
次いで、上記の2枚の第1層と第5層との薄紙の層間に、上記で調製した3種類の樹脂組成物を使用し、これらをぞれぞれ330℃まで加熱し、次いで、Tダイ共押出機を用いて、第2層、厚さ5μm、第3層、厚さ20μm、第4層、厚さ5μmのそれぞれの膜厚でこられらの順序で共押出積層して、5層積層体からなる本発明に係る有価証券用紙を製造した。
次いで、上記で製造した有価証券用紙の表面に、YAGレ−ザ−を照射したところ、薄紙、樹脂層等には印字およびその他の影響は認められず、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層に起因した不鮮明な白色の文字が浮き出てきて、文字画像を印字できることを確認した。
そして、レ−ザ−印字画像を形成した有価証券記録体を、蛍光灯の光、および、日光に透かしたところ、印字文字を明確に視認し得て、その透かし画像あるいはぼかし画像の形成を確認することができた。
なお、上記の印字においては、煙は発生ぜず、また、穴開きも認められなかった。
次に、第2層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)100.0重量部を十分に混練した第1の樹脂組成物を調製した。
更に、第3層として、ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名、スミカセン16P:密度=0.923g/cm3 、メルトフロ−レイト(MFR)=3.7g/10分)95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料(メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825)5.0重量部とを十分に混練した樹脂組成物を調製した。
更にまた、第4層として、坪量45g/m2 の薄紙(特種製紙株式会社製、厚さ50μm)を準備した。
次いで、上記の2枚の第1層と第4層との薄紙の層間に、上記で調製した2種類の樹脂組成物を使用し、これらをぞれぞれ330℃まで加熱し、次いで、Tダイ共押出機を用いて、第2層、厚さ5μm、第3層、厚さ20μmのそれぞれの膜厚でこられらの順序で共押出積層して、4層積層体からなる本発明に係る有価証券用紙を製造した。
次いで、上記で製造した有価証券用紙の表面に、YAGレ−ザ−を照射したところ、薄紙、樹脂層等には印字およびその他の影響は認められず、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層に起因した不鮮明な暗色の文字が浮き出てきて、文字画像を印字できることを確認した。
そして、レ−ザ−印字画像を形成した有価証券記録体を、蛍光灯の光、および、日光に透かしたところ、印字文字を明確に視認し得て、その透かし画像あるいはぼかし画像の形成を確認することができた。
なお、上記の印字においては、煙は発生ぜず、また、穴開きも認められなかった。
また、上記の各実施例において、YAGレ−ザ−印字は、富士電機株式会社製、YAGレ−ザ−システム(機種名、DW5200)から、16.5A、6kHzにてレ−ザ−照射した。
2 レ−ザ−光線照射発色樹脂層
3、3a 積層体
4 レ−ザ−光線
5 レ−ザ−印字画像
5a レ−ザ−印字画像による透かし画像あるいはぼかし画像
6、6a 樹脂層
Claims (7)
- 紙基材と、樹脂をビヒクルとし、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、樹脂に対し、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色樹脂層と、紙基材とを順次に積層した積層体からなり、更に、該積層体にYAGレ−ザ−光線を照射し、上記のレ−ザ−光線照射発色樹脂層が上記のYAGレ−ザ−光線を吸収し、その吸収部分のレ−ザ−光線照射発色樹脂層の黒色発色または白色発色によるレ−ザ−印字画像に基づく透かし画像ないしぼかし画像を設けたことを特徴とする有価証券用紙。
- レ−ザ−光線照射発色樹脂層が、その片面または両面に、更に、樹脂を主成分とする樹脂組成物による樹脂層を積層したことを特徴とする上記の請求項1に記載する有価証券用紙。
- 紙基材が、坪量20g/m2 〜300g/m2 の範囲からなる紙基材であることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する有価証券用紙。
- 樹脂が、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマ−、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、または、熱可塑性ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する有価証券用紙。
- レ−ザ−光線照射により発色する発色剤が、顔料類または粘土類の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載する有価証券用紙。
- レ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、1.0重量%〜10.0重量%からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する有価証券用紙。
- レ−ザ−光線照射発色樹脂層が、膜厚1μm〜100μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載する有価証券用紙。
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